(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042466
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置、二酸化塩素発生剤収容体、及び二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法
(51)【国際特許分類】
A61L 9/01 20060101AFI20220307BHJP
C01B 11/02 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
A61L9/01 F
C01B11/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021000704
(22)【出願日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】P 2020147559
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】302069930
【氏名又は名称】NECエンベデッドプロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100134544
【弁理士】
【氏名又は名称】森 隆一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100162868
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 英輔
(72)【発明者】
【氏名】江守 敏彦
(72)【発明者】
【氏名】松田 智美
【テーマコード(参考)】
4C180
【Fターム(参考)】
4C180AA07
4C180CA06
4C180EA57X
4C180HH19
4C180JJ05
4C180KK02
(57)【要約】
【課題】二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることを目的とする。
【解決手段】二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1は、二酸化塩素発生剤の揮発物2を、ポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化に基づいて、揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する検知部10を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二酸化塩素発生剤の揮発物を、ポビドンヨード液に曝し、前記ポビドンヨード液の色の変化に基づいて、前記揮発物に含まれる二酸化塩素を検知する検知部を備える、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置。
【請求項2】
前記検知部は、
前記ポビドンヨード液を収容する液体収容部と、
前記液体収容部から前記ポビドンヨード液を吸い上げる吸収体と、
前記液体収容部から突出した前記吸収体を収容する吸収体収容部と、を備え、
前記吸収体収容部には、前記揮発物を内部に取り込む開口部と、前記吸収体を外部から視認させる窓部と、が設けられている、請求項1に記載の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置。
【請求項3】
前記開口部と前記窓部は、前記吸収体を挟んで対向配置されている、請求項2に記載の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置。
【請求項4】
前記検知部は、前記吸収体の前記窓部と反対側の面を照らす光源を備える、請求項2または3に記載の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置。
【請求項5】
前記光源は、前記開口部の中心から外れた位置に配置されている、請求項4に記載の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置が装着されている、二酸化塩素発生剤収容体。
【請求項7】
前記二酸化塩素発生剤を収容する容器本体と、
前記容器本体の口部に装着され、前記二酸化塩素発生剤の揮発物を放散させるスリットが設けられたキャップと、を備え、
前記有効成分検知装置は、
前記口部の周囲に装着された装着部と、
前記スリットに挿入された突起部と、を備える、請求項6に記載の二酸化塩素発生剤収容体。
【請求項8】
前記装着部は、前記キャップが通過可能なリング状に形成されている、請求項7に記載の二酸化塩素発生剤収容体。
【請求項9】
二酸化塩素発生剤の揮発物を、ポビドンヨード液に曝し、前記ポビドンヨード液の色の変化に基づいて、前記揮発物に含まれる二酸化塩素を検知する、二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置、二酸化塩素発生剤収容体、及び二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、二酸化塩素を発生させることができると共に、使用期間の終了を色変化により知らせることのできる二酸化塩素発生剤収納体が開示されている。この二酸化塩素発生剤収納体は、二酸化塩素の検知物として、二酸化塩素と長期にわたり接触したときに白色に変色するプラセオジウム黄またはプラセオジウム青が塗布された付箋紙を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
二酸化塩素発生剤は、空間除菌などを目的に、人の生活空間に配置されるものであるため、二酸化塩素の検知物も人体に対して安全性の高いものが求められている。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決する二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置、二酸化塩素発生剤収容体、及び二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明に示される二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置は、二酸化塩素発生剤の揮発物を、ポビドンヨード液に曝し、前記ポビドンヨード液の色の変化に基づいて、前記揮発物に含まれる二酸化塩素を検知する検知部を備える。
【0007】
また、本発明に示される二酸化塩素発生剤収容体は、上記二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置を備える。
【0008】
また、本発明に示される二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法は、二酸化塩素発生剤の揮発物を、ポビドンヨード液に曝し、前記ポビドンヨード液の色の変化に基づいて、前記揮発物に含まれる二酸化塩素を検知する。
【発明の効果】
【0009】
上記本発明によれば、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置、二酸化塩素発生剤収容体、及び二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の最小構成例にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置の構成図である。
【
図2】第1実施形態にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置を備える二酸化塩素発生剤収容体の斜視図である。
【
図3】
図2に示す二酸化塩素発生剤収容体の分解斜視図である。
【
図4】
図2に示す二酸化塩素発生剤収容体の平面図である。
【
図6】
図3に示す二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置の底面図である。
【
図7】第2実施形態にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の最小構成例について
図1を参照して説明する。
図1は、本発明の最小構成例にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の構成図である。
符号2は、揮発物である。符号3は、ポビドンヨード液である。
【0012】
二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1は、二酸化塩素発生剤の揮発物2を、ポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化に基づいて、揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する検知部10を備える。
【0013】
図1に示すように、二酸化塩素の酸化作用により、ポビドンヨード液3の褐色の三ヨウ化物イオン(I
3
-)が、無色のヨウ化物イオン(I
-)へと変化する。具体的には、二酸化塩素の酸化作用が、ポビドンヨード液3のPVP(ポリビニルピロリドン)成分に作用し、下記(1)のヨウ素を還元する反応のプロセス例に示すように、化学種(塩化物イオンなど)が生成される。
Cl
- + 2OH
- → ClO
- + H
2O + 2e
- …(1)
上記化学種をヨウ素(三ヨウ化物イオン)が酸化する。そうすると、ヨウ素自体は還元し、下記(2)に示すように、褐色から無色へ色の変化が目視される。
I
3
- + 2e
- → 3I
- …(2)
このポビドンヨード液3の還元反応は、二酸化塩素発生剤から二酸化塩素が放出され続ける限り継続する。つまり、二酸化塩素発生剤の効果が有効な場合は、ポビドンヨード液3は無色である。
【0014】
二酸化塩素発生剤の効果が切れた場合は、二酸化塩素による酸化還元反応が発生しないため、ポビドンヨード液3は、変化せず褐色のままとなる。つまり、ポビドンヨード液3の褐色を確認することで、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了(交換時期)を知ることができる。
【0015】
ポビドンヨード液3は、非常に強い殺菌作用がある一方で人体に対する毒性は低いことが知られており、うがい薬としても市販されていることから安全性が高い。したがって、上記構成の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1によれば、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0016】
また、最小構成にかかる二酸化塩素発生剤収容体は、上記二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1を備える。このため、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0017】
また、最小構成にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法は、二酸化塩素発生剤の揮発物2を、ポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化に基づいて、揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する。このため、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0018】
図2~
図6を参照して本発明の第1実施形態を説明する。なお、
図2~
図6において、
図1と共通の構成には同一符号を付し、説明を簡略化する。
【0019】
図2は、第1実施形態にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1を備える二酸化塩素発生剤収容体100の斜視図である。
図3は、
図2に示す二酸化塩素発生剤収容体100の分解斜視図である。
図4は、
図2に示す二酸化塩素発生剤収容体100の平面図である。
図5は、
図4に示す矢視V-V断面図である。
図6は、
図3に示す二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の底面図である。
二酸化塩素発生剤収容体100は、容器本体101と、キャップ102と、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1と、を備える。
【0020】
図3に示すように、容器本体101は、有底筒状に形成されている。容器本体101の中心軸は、容器軸Oという。以下、この容器軸Oに沿った方向を軸方向という。また、軸方向から見た平面視において、容器軸Oに交差する方向を径方向という。また、容器軸O回りに周回する方向を周方向という。
【0021】
容器本体101は、キャップ102が装着した口部101aを有する。口部101aは、軸方向に延びる円筒状に形成されている。口部101aの外周面には、図示しない雄ねじが形成されている。容器本体101は、口部101aより下側が、径方向外側に円筒状に膨らんでいる。
【0022】
容器本体101は、二酸化塩素発生剤を収容している。容器本体101は、例えば、特許第5593423号公報や、特許第5757975号公報に開示されている二酸化塩素発生剤を収容している。なお、容器本体101には、これら以外の二酸化塩素発生剤が収容されていても構わない。
【0023】
キャップ102は、容器本体101の口部101aに螺合する図示しない雌ねじを有する。キャップ102の頂部は、頂面が平坦な略半球状に形成されている。キャップ102の頂部には、頂面の外周縁からその周囲の曲面にかけて、径方向に延びるスリット102aが形成されている。
【0024】
スリット102aは、キャップ102の頂部に、周方向に間隔をあけて複数形成されている。スリット102aからは、容器本体101に収容された二酸化塩素発生剤の揮発物2が放散する。
【0025】
二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1は、検知部10と、装着部11と、突起部12(
図5及び
図6参照)と、を備える。装着部11は、容器本体101の口部101aの周囲に装着される。装着部11は、
図3に示すように、キャップ102が軸方向に通過可能なリング状に形成されている。なお、装着部11は、口部101aに対し、径方向から装着可能なU字状に形成されていても構わない。
【0026】
突起部12は、
図6に示すように、検知部10の下面に設けられている。突起部12は、径方向に延びるリブである。突起部12は、
図5に示すように、スリット102aに挿入される。突起部12の径方向の寸法は、スリット102aの径方向の寸法よりも小さい。つまり、突起部12が挿入されたスリット102aは、閉塞されない。
【0027】
突起部12がスリット102aに挿入されることで、キャップ102に対し、周方向において検知部10を位置決めできる。また、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の全体が、容器本体101の口部101aを中心に回転しないようにすることができる。
【0028】
検知部10は、
図2に示すように、装着部11から、キャップ102の頂面まで延びている。検知部10は、
図5に示す断面視で逆さL字状に形成されている。検知部10は、液体収容部20と、吸収体30と、吸収体収容部40と、光源50と、駆動回路収容部60と、を備える。
【0029】
液体収容部20は、ポビドンヨード液3を収容している。液体収容部20は、検知部ベース10Aに形成されている。検知部ベース10Aは、装着部11及び液体収容部20を形成する樹脂部品である。また、検知部ベース10Aは、吸収体収容部40及び駆動回路収容部60の下面側を形成している。
【0030】
液体収容部20は、
図2に示すように、装着部11の一部が上側に突出した平面視で略扇形状の箱状に形成されている。液体収容部20の上部は、
図5に示すように、開口しており、吸収体30が挿入されている。
【0031】
液体収容部20の上部は、吸収体30と共に、検知部カバー10Bによって覆われている。検知部カバー10Bは、吸収体収容部40及び駆動回路収容部60の上面側を形成する樹脂部品である。検知部カバー10Bは、検知部ベース10Aに対し分離可能に係合している。検知部カバー10Bを取り外すことで、液体収容部20へのポビドンヨード液3の注入が可能となる。
【0032】
吸収体30は、ポビドンヨード液3を毛細管現象で吸い上げる。吸収体30は、垂直部31と、水平部32と、を備える。垂直部31は、軸方向に平行に延びる棒状に形成されている。垂直部31の下端部は、液体収容部20内に挿入され、ポビドンヨード液3を水平部32まで吸い上げる。
【0033】
水平部32は、垂直部31の上端部と接続されている。水平部32は、径方向に延びている。水平部32は、上下に平面を有する略四角柱状に形成されている。吸収体30は、
図5に示す断面視で逆さL字状に形成されている。
【0034】
吸収体30には、スポンジ、多孔質セラミックなどの多孔質体、繊維を束ねた繊維体などを使用できる。吸収体30は、二酸化塩素発生剤の使用期間中、ポビドンヨード液3の吸い上げを持続し、ポビドンヨード液3を二酸化塩素発生剤の揮散体に曝すことが可能な素材、太さを選定するとよい。
【0035】
吸収体収容部40は、液体収容部20から突出した吸収体30を収容する。吸収体収容部40には、揮発物2を内部に取り込む開口部41と、吸収体30を外部から視認させる窓部42と、が設けられている。開口部41は、検知部ベース10Aに形成されている。窓部42は、検知部カバー10Bに形成されている。
【0036】
開口部41は、
図6に示すように、検知部10の下面に、円形に開口している。開口部41は、突起部12の径方向外側に配置されている。また、開口部41は、突起部12の径方向の延長線上に配置されている。つまり、開口部41は、突起部12が挿入されたスリット102aと対向する。
【0037】
窓部42は、
図4に示すように、検知部10の上面に、矩形に開口している。なお、本実施径形態の窓部42は、開口であるが、吸収体30を外部から視認できれば、透明な樹脂、ガラスなどの透明部材が嵌め込まれていても構わない。また、検知部カバー10Bが、透明部材であれば、窓部42となる開口が形成されていなくても構わない。この場合、検知部カバー10Bの全体が、窓部42となる。
【0038】
図5に示すように、開口部41と窓部42は、吸収体30の水平部32を軸方向で挟んで対向配置されている。これにより、開口部41近くで揮発物2に曝されたポビドンヨード液3を保持している吸収体30の色の変化を、窓部42から視認することができる。
【0039】
光源50は、吸収体30の窓部42と反対側の面を照らす。光源50は、吸収体収容部40の内部に配置されている。光源50は、褐色以外の色調の光を窓部42に向かって照射する。光源50の光としては、例えば、褐色に対する反対色、補色、反転色などの青系の光が好ましい。光源50は、LEDライトなどの小型の光源が好ましい。
【0040】
光源50は、駆動回路51と接続されている。駆動回路51は、吸収体収容部40に連設された駆動回路収容部60に収容されている。駆動回路収容部60は、キャップ102の頂面上に配置されている。駆動回路収容部60は、吸収体収容部40とは空間的に隔離されている。駆動回路51は、駆動回路収容部60と吸収体収容部40との隔離壁を貫通する配線部を介して光源50と接続されている。
【0041】
光源50は、開口部41の中心から外れた位置に配置されている。光源50は、窓部42に向かって、斜め上方に光を照射する。光源50は、
図6に示すように、開口部41の内壁面に対し、開口部41の内側に僅かに突出した位置に配置されている。これにより、光源50は、揮発物2を取り込む開口部41の開口面積を確保しつつ、吸収体30の窓部42との対向部分を照らすことができる。
【0042】
続いて、上記構成の作用について説明する。
二酸化塩素発生剤収容体100は、
図2に示すように、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1を有する。二酸化塩素発生剤収容体100の容器本体101には、二酸化塩素発生剤が収容されている。二酸化塩素発生剤の揮発物2は、容器本体101の口部101aに取り付けられたキャップ102のスリット102aから外部に放散する。
【0043】
スリット102aの一つには、
図5に示すように、検知部10に設けられた突起部12が挿入されている。突起部12は、スリット102aと検知部10の開口部41とを対向させる。検知部10の内部に収容された吸収体30は、開口部41から取り込まれた二酸化塩素発生剤の揮発物2に曝される。吸収体30に吸い上げられたポビドンヨード液3は、揮発物2の中の二酸化塩素の有無に応じて変色する。
【0044】
窓部42からは、開口部41と対向部分の吸収体30を直接視認することができる。窓部42から見える吸収体30が褐色の場合、二酸化塩素発生剤の効果は無効である。つまり、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了(交換時期)を知ることができる。一方、窓部42から見える吸収体30が無色(白色)の場合、二酸化塩素発生剤の効果は有効である。
【0045】
本実施形態の吸収体30は、窓部42と反対側に配置された光源50によって照らされている。例えば、光源50が青色で発光する場合、無色の吸収体30が青色に照らされる。このように、吸収体30を青色で照らすことで、無色(白色)よりも視認性が向上する。
【0046】
ポビドンヨード液3は、非常に強い殺菌作用がある一方で人体に対する毒性は低いことが知られており、うがい薬としても市販されていることから安全性が高い。したがって、上記構成の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1によれば、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0047】
このように、上述した本実施形態の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1によれば、二酸化塩素発生剤の揮発物2を、ポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化に基づいて、揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する検知部10を備えるため、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0048】
また、本実施形態においては、検知部10は、ポビドンヨード液3を収容する液体収容部20と、液体収容部20からポビドンヨード液3を吸い上げる吸収体30と、液体収容部20から突出した吸収体30を収容する吸収体収容部40と、を備え、吸収体収容部40には、揮発物2を内部に取り込む開口部41と、吸収体30を外部から視認させる窓部42と、が設けられている。この構成によれば、ポビドンヨード液3の蒸発などを防止して、二酸化塩素発生剤の使用期間(例えば1~2カ月間)中、ポビドンヨード液3を持続して吸い上げ、二酸化塩素の検知を継続することができる。
【0049】
また、本実施形態においては、開口部41と窓部42は、吸収体30を挟んで対向配置されている。この構成によれば、開口部41近くで揮発物2に曝されたポビドンヨード液3を保持している吸収体30の色の変化を、窓部42から視認することができる。
【0050】
また、本実施形態においては、検知部10は、吸収体30の窓部42と反対側の面を照らす光源50を備える。この構成によれば、ポビドンヨード液3の色の変化の視認性を向上できる。
【0051】
また、本実施形態においては、光源50は、開口部41の中心から外れた位置に配置されている。この構成によれば、光源50が、揮発物2を取り込む開口部41の開口面積を確保しつつ、吸収体30の窓部42との対向部分を照らすことができる。
【0052】
また、本実施形態の二酸化塩素発生剤収容体100においては、上記二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1が装着されている。この構成によれば、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0053】
また、本実施形態においては、二酸化塩素発生剤を収容する容器本体101と、容器本体101の口部101aに装着され、二酸化塩素発生剤の揮発物2を放散させるスリット102aが設けられたキャップ102と、を備え、有効成分検知装置1は、口部101aの周囲に装着された装着部11と、スリット102aに挿入された突起部12と、を備える。この構成によれば、キャップ102に対し、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1を周方向において位置決めできる。また、二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の全体が、容器本体101の口部101aを中心に回転しないようにすることができる。
【0054】
また、本実施形態においては、装着部11は、キャップ102が通過可能なリング状に形成されている。この構成によれば、容器本体101の口部101aへの二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の装着が容易になる。
【0055】
また、本実施形態の二酸化塩素発生剤の有効成分検知方法は、二酸化塩素発生剤の揮発物2を、ポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化に基づいて、揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する。この構成によれば、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0056】
また、本実施形態では、次のような変形例を採用してもよい。
例えば、ポビドンヨード液3を収容する液体収容部20と、吸収体30を収容する吸収体収容部40とが、分離可能な2部品構成としてもよい。
また、例えば、吸収体30の垂直部31にテープなどの遮断部が巻かれており、ユーザーが使用時にそのテープを取り外すことで、二酸化塩素の検知を開始できる構成としてもよい。
また、例えば、液体収容部20の開口がシール材などの遮断部で閉塞されており、ユーザーが使用時にそのシール材を吸収体30の垂直部31等で貫くことで、二酸化塩素の検知を開始できる構成としてもよい。
【0057】
次に、
図7を参照して本発明の第2実施形態を説明する。なお、
図7において、
図1~
図6と共通の構成には同一符号を付し、説明を簡略化する。
【0058】
図7は、第2実施形態にかかる二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1の正面図である。
第2実施形態の二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1は、二酸化塩素発生剤収容体100の隣に別置きされている。
【0059】
二酸化塩素発生剤の有効成分検知装置1は、二酸化塩素発生剤収容体100から放散する揮発物2に含まれる二酸化塩素を検知する検知部10を備える。検知部10は、ポビドンヨード液3を収容する液体収容部20と、液体収容部20からポビドンヨード液3を吸い上げる吸収体30と、液体収容部20から突出した吸収体30を収容する吸収体収容部40と、を備え、吸収体収容部40には、揮発物2を内部に取り込む開口部41と、吸収体30を外部から視認させる窓部42と、が設けられている。
【0060】
液体収容部20は、有底筒状に形成されている。吸収体30は、棒状に形成されている。吸収体収容部40は、有頂筒状に形成されている。本実施形態の吸収体収容部40は、外部から吸収体30を視認可能な透明部材から形成され、全体が窓部42となっている。開口部41は、吸収体収容部40の周面に複数形成されている。なお、吸収体収容部40が透明部材で無い場合、開口部41の一部または全部が窓部42と兼用であっても構わない。
【0061】
上記構成によれば、吸収体30が液体収容部20からポビドンヨード液3を吸い上げて、開口部41から吸収体収容部40の内部に取り込んだ揮発物2をポビドンヨード液3に曝し、ポビドンヨード液3の色の変化を窓部42から視認することができる。したがって、二酸化塩素発生剤の使用期間の終了を安全に知ることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0063】
1 有効成分検知装置
2 揮発物
3 ポビドンヨード液
10 検知部
10A 検知部ベース
10B 検知部カバー
11 装着部
12 突起部
20 液体収容部
30 吸収体
31 垂直部
32 水平部
40 吸収体収容部
41 開口部
42 窓部
50 光源
51 駆動回路
60 駆動回路収容部
100 二酸化塩素発生剤収容体
101 容器本体
101a 口部
102 キャップ
102a スリット