(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042469
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】FRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム
(51)【国際特許分類】
H02S 50/00 20140101AFI20220307BHJP
G06N 3/04 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
H02S50/00
G06N3/04 136
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021069828
(22)【出願日】2021-04-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0111491
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】517139598
【氏名又は名称】ケーディーティー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヨン ネ
【テーマコード(参考)】
5F151
【Fターム(参考)】
5F151BA11
5F151KA08
(57)【要約】 (修正有)
【課題】FRBFNNモデルを用い、従来より正確な太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムを提供する。
【解決手段】インバータ及び気象センサーから日射量、モジュール温度及び出力データを収集するデータ収集部100と、データ収集部で収集したデータを用いて知能型予測モデルパラメータを生成するFRBFNNモデル生成部200と、生成された予測モデルパラメータとデータ収集部で収集した日射量及びモジュール温度を受信して太陽光発電部の出力を予測する太陽光出力予測部300と、太陽光出力予測部で予測した予測値とデータ収集部で収集された実際電力を受信して太陽光発電設備の効率低下程度を判断する効率診断部400と、を含んで構成される。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インバータ及び気象センサーから日射量、モジュール温度及び出力データを収集するデータ収集部と、
前記データ収集部で収集したデータを用いて知能型予測モデルパラメータを生成するFRBFNNモデル生成部と、
前記FRBFNNモデル生成部で生成された予測モデルパラメータと前記データ収集部で収集した日射量及びモジュール温度を受信して太陽光発電部の出力を予測する太陽光出力予測部と、
前記太陽光出力予測部で予測した予測値及び前記データ収集部で収集した実際電力を受信して太陽光発電設備の効率低下程度を判断する効率診断部と、を含んで構成されることを特徴とする、FRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム。
【請求項2】
前記FRBFNNモデル生成部は、各発電所ごとに設置し、現場で収集されたデータを用いて周期的に予測モデルを学習させることを特徴とする、請求項1に記載のFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム。
【請求項3】
前記データ収集部で収集したデータは、日射量及びモジュール温度の2つの入力と出力電力の1つの出力データで構成され、前記収集されたデータの50%は、知能型予測モデルを学習する用途に使用し、残りの50%は、生成された知能型予測モデルを評価するために使用することを特徴とする、請求項1に記載のFRBNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム。
【請求項4】
前記データ収集部は、カルマンフィルターアルゴリズムを用いて平均データを計算し、データベースを構築して、10分単位で求められた日射量、モジュール温度、出力データを保存することを特徴とする、請求項1に記載のFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム。
【請求項5】
前記FRBFNNモデル生成部は、学習によって予測モデルパラメータを決定し、前半部メンバーシップ関数学習と後半部多項式の学習とで構成され、前記前半部メンバーシップ関数は、FCMアルゴリズムを用いてメンバーシップ値を決定することを特徴とする、請求項1に記載のFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムに関し、特に、FRBFNN(Fuzzy RBF(Radial Basis Function) Neural Network)を用いて予測モデル生成し、これを用いて効率低下を判断するようにした、FRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、太陽光発電システムは、太陽光が入射してDC電力を生産する太陽光モジュールと、DC電力をAC電力に変換するインバータとで構成される。これに加えて、設置のために、構造物及び接続盤などがさらに構成され、効率的な運営のために、気象センサー及びモニタリングシステムも含まれてよい。
【0003】
このような太陽光発電システムは、小容量の多数の太陽光モジュールを直列及び並列に連結して大容量発電システムを構成し、一部の太陽光モジュールで異常が発生しても、全体システムは発電量が減った状態で動作する。接続盤は、太陽光モジュールを直列に連結したストリングを並列に連結する装置であり、ストリングごとに逆電流を防止するためのブロッキングダイオード及び過電流防止のためのフューズを基本的に装着する。
【0004】
多数のストリングで構成された太陽光発電システムにおいて、接続盤の特定ストリングのフューズが短絡したり或いはスイッチが遮断されても、当該太陽光発電システムは正常に動作する。
【0005】
そのため、太陽光発電システムの発電効率を高めるには、設備が正常動作しているか否かを極力早期に把握しなければならない。
【0006】
例えば、太陽光モジュールの温度が25℃で、日射量が500W/m2である場合に発電電力は設備容量の50%分を発電するが、これは、太陽光モジュールの最も理想的な最大出力である。太陽光発電システムを構成するに当たって、線路損失、インバータにおける変換効率、インバータMPPT性能、そして太陽光モジュールが設置された方位角、傾斜角などの要因によって太陽光発電システムの性能が決定される。
【0007】
また、太陽光発電所ごとにインバータの種類、ケーブルの種類及び伝送線路長、PVモジュール種類、モジュール設置傾斜及び方位角によって性能係数が異なり、これは、設計に当たって求めても実際と合わない場合が大部分であるため、既存の方式では太陽光発電システムの発電が予測し難い。
【0008】
すなわち、太陽光発電システムにおいて発電効率が低下すると、その太陽光モジュールは、特定の日射量及び温度条件下で実際に発電すべき電力よりも低く発電することになる。
【0009】
このような発電効率の低下を防止するためには太陽光発電システムのメンテナンスを行わなければならないが、そのためには、まず、当該太陽光発電システムの発電効率を正確に診断する必要がある。
【0010】
したがって、前記太陽光モニタリングシステムは、太陽光発電設備の動作状態を監視し、故障及び効率を判断できる機能が必要である。多数の太陽光モジュールを直並列に連結して発電所を構築するが、太陽光モジュールの一部が故障したり或いは効率が低下してもインバータが正常であれば、効率の低下した状態で発電をする。特定ストリングのフューズが故障して動作しなくなっても効率の低下した状態で運転し、よって、効率が低下したか否かが判断できる技術が必要である。
【0011】
図1は、一般の太陽光発電システムにおいて効率を診断するための構成図である。
【0012】
図1に示すように、太陽光が入射して電力を生産する太陽光発電部10、前記太陽光発電部10の日射量及びモジュール温度を受信し、発電電力を予測して基準電力を生産する予測モデル生産部20、及び前記太陽光発電部10で発電して生産した実際電力と前記予測モデル生産部20で予測した基準電力とを受信して効率低下程度を推定する演算部30を含む。
【0013】
特に、前記太陽光発電システムの効率低下を判断するために、日射量及び太陽光モジュールの温度を受信し、予測モデル生産部20で生成した予測モデルの出力である基準電力と実際の太陽光発電部10の実際電力とを比較することによって効率低下を判断する方法が多く用いられている。
【0014】
しかしながら、太陽光発電システムの出力は、日射量及び太陽光モジュールの温度に依存して変わるが、日射量が多いほど発電量が増加し、モジュールの温度は25℃を基準に、25℃以下では効率が低くなり、25℃以上では効率が高くなる特性を有する。
【0015】
かかる特性を用いて日射量及び太陽光モジュールの温度を入力としてAC電力を出力とする予測モデルを作ることができる。予測モデルの数学的モデルや知能型モデルを考慮することができる。線形回帰モデル、SVRなどの数学的モデルとNN(Neural Network)の知能型モデルを用いることができるが、これは、予測モデルを用いて基準電力を生成するとともに効率低下をより正確に判断することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような問題を解決するために案出されたもので、日射量及び太陽光モジュールの温度を入力として受けて電力変換によってAC電力を出力とする予測モデルをFRBFNNを用いて生成し、これを用いて効率低下を判断するようにした、FRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムを提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記のような目的を達成するための本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムは、インバータ及び気象センサーから日射量、モジュール温度及び出力データを収集するデータ収集部と、前記データ収集部で収集したデータを用いて知能型予測モデルパラメータを生成するFRBFNNモデル生成部と、前記FRBFNNモデル生成部で生成した予測モデルパラメータ、前記データ収集部で収集した日射量及びモジュール温度を受信して太陽光発電部の出力を予測する太陽光出力予測部と、前記太陽光出力予測部で予測した予測値と前記データ収集部で収集した実際電力を受信して太陽光発電設備の効率低下程度を判断する効率診断部と、を含んで構成されることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】一般の太陽光発電システムにおける効率診断のための構成図である。
【
図2】本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムにおけるFRBFNNモデルの構成図である。
【
図3】本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムを示す概略構成図である。
【
図4】太陽光発電所で収集した入出力データ集合の分布を示す図である。
【
図5】前半部学習方法であるFCMによって決定される各規則に対するメンバーシップ関数(適合度)を示す図である。
【
図6】後半部学習方法であるWLSEによって決定された各規則に対する後半部多項式の出力、すなわち分割された領域に対するローカルモデルの出力を示す図である。
【
図7】各規則に対してローカルモデルに適合度が適用された例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下では図面を参照して本発明をより詳細に説明する。図面中、同一の構成要素には、可能なかぎり、いずれの箇所においても同一の符号を付していることに留意されたい。また、本発明の要旨を却って曖昧にさせ得る公知機能及び構成に関する詳細な説明は省略する。
【0020】
本発明で使われた用語は、単に特定の実施例を説明するためのもので、本発明を限定するためのものではない。単数の表現は、文脈において別に断りのない限り、複数の表現も含む。本出願において、“含む”又は“有する”などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものが存在することを指定するためのもので、一つ又はそれ以上の他の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はそれらを組み合わせたものの存在又は付加の可能性をあらかじめ排除するものでないと理解されるべきである。
【0021】
図2は、本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムにおいてFRBFNNモデルを示す構成図である。
【0022】
図2に示すように、FRBFNN(Fuzzy RBF Neural Network)は、ファジークラスタリングアルゴリズム(FCM)とRBFNN(Radial Basis Function Neural Network)が融合された知能型構造である。
【0023】
この構造は、RBFNNの変更及び拡張された構造であり、ガウスや楕円形などの特定RBFカーネルを使用せず、FCMを使用した方式である。前記FCMは、データセットをユークリッド距離ベースでクラスタリングするアルゴリズムであり、いずれのデータも所属値を有しているため、各クラスターに所属程度をある程度持っているのが特徴である。FRBNNでは、FCMを用いて入力空間を分割し、所属値を計算するのに使用する。
【0024】
一方、FRBFNNは、前半部と後半部で構成される。FCMは前半部に該当する。FCMにおいてクラスターの数はファジー規則の数となり、各データに対する所属程度は、各規則に対する適合度として用いられる。後半部は、各ファジー空間におけるローカルモデルを意味し、多項式構造を有する。FRBFNNは、次の数学式1のようにファジー規則で表現されてよい。
【0025】
【0026】
ここで、Rjは、j番目の規則であり、x1~xMは入力変数であり、Ajは、j番目のクラスターを意味する。後半部は多項式であり、定数、線形、2次式、及び変形された2次式などの4つの多項式形態を一般に考慮するが、数学式2のように1次線形式形態を考慮する。
【0027】
【0028】
FRBFNNは、学習によってパラメータを決定しなければならないが、前半部のメンバーシップ関数学習と後半部の多項式の学習とで構成される。前半部メンバーシップ関数は、三角形やガウスなどの特定形態を使用せず、FCMアルゴリズムを用いてメンバーシップ値を決定する。
【0029】
前記数学式1で、AJは、j番目のクラスター(規則)を意味し、このとき、所属程度は、FCMで所属程度を決定する数学式3から求める。
【0030】
【0031】
ここで、jは、1からNまで増加する数であり、Nは規則の数、x=[x1,…,xM]で、Mは入力変数の数で、vjはj番目のクラスターの中心ベクターであり、pは、ファジー化係数である。中心ベクターvjは、FCMアルゴリズムによって数学式4から計算されてよいが、FCMは、それらの中心値が一点に収斂するまで繰り返し行う。
【0032】
【0033】
FRBFNNの最終出力は、数学式5のように、各規則に対する後半部多項式と適合度との積の和で計算する。
【0034】
【0035】
後半部多項式学習は、後半部多項式の係数パラメータを求めることを意味し、WLSE(Weighted Least Squared Estimation)方法で求められる。WLSEは、ローカルモデルの学習を行うための方法で、下記の数学式6のように定義される性能評価関数が最小となるようにそれぞれのローカルモデルである多項式の係数を推定する方法であり、それぞれのローカルモデルを独立して推定できるという長所がある。
【0036】
この方法はコンピュータの計算負荷を減らすことができ、それぞれのローカルモデルとして個別の次数の多項式が使用できるという長所がある。
【0037】
【0038】
ここで、Wjはj入力空間に対する入力データの活性レベル(所属値)を意味し、Xiは、ローカルモデルの係数を推定するための入力データ行列を意味し、ローカルモデルが線形の場合、次の数学式7のように定義される。
【0039】
【0040】
ここで、mはデータの数である。j番目の規則に対するローカルモデルである多項式の係数は、数学式8によって求められる。
【0041】
【0042】
図3は、本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムを概略的に示す構成図である。
【0043】
本発明に係るFRBFNNモデルを用いた太陽光発電設備の発電予測及び効率診断システムは、
図3に示すように、データ収集部100、FRBFNNモデル生成部200、太陽光出力予測部300、及び効率診断部400で構成される。
【0044】
前記データ収集部100は、太陽光発電システムの予測モデルを生成するために、まず、入出力データを収集する。
【0045】
一般に、太陽光発電所のモジュールは、南向きに設置されてモジュールに太陽光が直角に入射する時に最大の出力が得られる。季節ごとに太陽の高度が変わり、季節ごとに傾斜角を調節できる構造で設置することもあるが、費用的な面で傾斜角を固定するのが殆どであり、一般に、春と秋に温度に対する損失が少なくて発電量が多いため、春と秋に出力が最大となるように23°程度の傾斜角でモジュールを設置している。
【0046】
しかしながら、屋根上に設置する場合には、屋根の傾斜角に合わせて設置しているため、最適の傾斜角で設置できない場合がある。このように、太陽光は、設置環境によって効率が異なるため、各発電所の特性が反映されたモデルを構築する必要がある。
【0047】
一部の予測モデルは、特定発電所に対して収集されたデータを用いて予測モデルを作り、このモデルを他の発電所に適用するが、こうする場合、予測誤差が多く発生し得る。
【0048】
本発明では、各発電所ごとに設置した後、現場で収集された運営データを用いて周期的に予測モデルを学習させる。
【0049】
前記データ収集部100は、インバータ及び気象センサーから日射量、モジュール温度及び出力データを収集する機能を有する。前記データ収集部100は、日射量、モジュール温度及び発電電力の出力データの収集のために、インバータ及び気象センサーとRS485又はTCP通信して秒単位でサンプルデータを取得し、取得したサンプルデータに対して10分単位で平均値を求める。このとき、カルマンフィルターアルゴリズムを用いて平均データを計算することによって、少ないメモリ空間を用いて平均値を計算することができる。
【0050】
また、前記データ収集部100は、データベース(DataBase)を含んでおり、10分単位で求められた日射量、モジュール温度、出力データを保存する機能を含む。このように10分単位で保存されたデータは、知能型モデルを学習及び評価するのに用いられる。少なくとも1週間以上収集されたデータを、知能型モデルを生成するために使用する。
【0051】
前記データ収集部100に収集されたデータは、日射量及びモジュール温度の2つの入力と出力電力の1つの出力データとで構成されるが、収集されたデータの50%は知能型モデルを学習する用途に使用し、残りの50%は、生成された知能型モデルを評価するための用途に使用する。
【0052】
図4は、太陽光発電所で収集した入出力データ集合の分布を示す図である。ここで、1つの点は10間隔の平均値を意味する。
【0053】
前記FRBFNNモデル生成部200は、前記データ収集部100で収集したデータを用いて知能型予測モデルパラメータを生成する機能を有する。前記知能型モデルの生成は、構造的な部分とパラメータ部分とに分けられる。
【0054】
図2のFRBFNN構造で決定すべき部分は、規則の数と後半部多項式の形態が最も重要である。各規則は入力空間の分割を意味するが、規則が多いほど入力空間が細分され、正確度を上げることができるが、学習及び出力を計算する際に計算負荷が幾何級数的に増加するという短所もある。
【0055】
入出力パターンの非線形性が大きいと多くの規則が必要であるが、太陽光発電システムは、温度及び日射量に対してほぼ比例する線形性が大きいので、規則の数が多い必要はない。また、後半部多項式は、各規則に対するローカル出力を意味するが、複雑な多項式として定義するほど正確なモデルを作ることができる。規則の数と後半部多項式の形態は、遺伝子アルゴリズム、PSO又はHFGPGAなどの最適化アルゴリズムを用いてチューニングできるが、本発明では規則を4個とし、後半部多項式の形態を線形式である構造に限定して説明する。
【0056】
パラメータ的な部分は、前半部学習と後半部学習を意味し、前半部学習は、数学式3のようにFCMを用いて前半部適合度を決定することであり、後半部学習は、数学式7によって後半部多項式のパラメータを決定することである。
【0057】
図5は、前半部学習方法であるFCMによって決定される各規則に対するメンバーシップ関数(適合度)を示す図である。
【0058】
図6は、後半部学習方法であるWLSEによって決定された各規則に対する後半部多項式の出力、すなわち、分割された領域に対するローカルモデルの出力を示す図である。
【0059】
FRBFNNのモデルは、学習データの量が多いほど正確度が増加する。太陽光発電所は、設置傾斜角が固定されているが、季節ごとに入出力特性が異なるため、1つのモデルを用いて全期間に使用すると誤差が増加し得るため、春、夏、秋、冬の季節別に収集されたデータを用いて季節別にモデルを別途に作って使用することができる。
【0060】
前記太陽光出力予測部300は、前記FRBFNNモデル生成部200で生成された予測モデルパラメータ、及び前記データ収集部100で収集した日射量及びモジュール温度を受信して太陽光発電部の出力を予測する機能を有する部分である。実時間で収集される日射量及びモジュール温度を入力として生成されたモデルパラメータに対して数学式5にすれば発電電力が予測できる。
【0061】
図7は、各規則に対してローカルモデルに適合度が適用された例を示す図であり、
図8は、FRBFNNの全体出力を示す図である。
【0062】
前記効率診断部400は、前記太陽光出力予測部300で予測した予測値と前記データ収集部100で収集した実際電力を受信して太陽光発電設備の効率低下の程度を判断する。すなわち、次の数学式9を用いて太陽光発電設備の効率を計算する。
【0063】
【0064】
日射量センサー、モジュール温度センサーの正確度及び予測モデルの正確度に影響を受ける。また、日射量が低い場合はデータの大きさが小さくなり、相対的に誤差が多いため、誤って判断することがある。そのため、日射量が300W/m2以上でのみ効率低下を判断し、その以下では正常と見なす。次の表1に基づき、効率の範囲によって故障、点検、正常などの状態を判断し、自動で管理者に知らせることができる。
【0065】
【0066】
一方、以上、本発明の技術的思想を例示するために具体的な実施例を挙げて図示及び説明したが、本発明は、上記のような具体的な実施例と同じ構成及び作用に限定されず、様々な変形が本発明の範囲を逸脱しない限度内で実施可能である。したがって、それらの変形も本発明の範囲に属するものとして見なすべきであり、本発明の範囲は、後述する特許請求の範囲によって決定されるべきである。