(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042489
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】自転車ロック
(51)【国際特許分類】
B62H 5/04 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
B62H5/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021136901
(22)【出願日】2021-08-25
(31)【優先権主張番号】109130101
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】518143495
【氏名又は名称】天揚精密科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】留 志宏
(57)【要約】
【課題】本開示は、自転車の盗難を防止するために自転車をロックするために使用される自転車ロックを開示する。
【解決手段】自転車ロックの第1の軸と第2の軸は、それぞれ、自転車のハンドルバー及びフロントホイールに接続される。自転車ロックがロックモードの時、第1の軸が第2の軸と連結して動かないため、ハンドルでフロントホイールを操作することができない。また、自転車ロックがアンロックモードの時、第1の軸が第2の軸と連結して動く。第1の軸は、2つの異なる連結機構により、第2の軸と連結する。1つは、第1の軸及び第2の軸をピンで連結し、もう1つは、一方の軸の係合構造を他方の軸の係合構造に強固に係合させる。
【選択図】
図4D
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続穴及び第1の係合構造を備える第1の軸であって、前記第1の軸は自転車の要素に連結するように適合される第1の軸と、
第2の接続穴及び第2の係合構造を備える第2の軸であって、前記第2の軸は前記自転車の別の要素に連結するように適合される第2の軸と、
前記第1の軸及び前記第2の軸の動作を制限するように適応されたピンと、
を備え、
ロックモード及びアンロックモードを有し、アンロックモードでは、第1の連結機構又は第2の連結機構により、前記第1の軸が前記第2の軸に連結され、
前記第1の連結機構では、前記第1の軸の前記第1の接続穴及び前記第2の軸の前記第2の接続穴に前記ピンが挿入されて、前記第1の軸及び前記第2の軸が互いに連結され、前記ピンと前記第1の接続穴及び前記第2の接続穴とには、それぞれ、隙間嵌めが設けられ、
前記第2の連結機構は、前記第1の軸の前記第1の係合構造と前記第2の軸の前記第2の係合構造を係合させることで、前記第1の軸及び前記第2の軸を互いに連結させ、前記第1の係合構造は、前記第2の係合構造に密着する、
ことを特徴とする自転車ロック。
【請求項2】
前記ピンに連結された駆動部品をさらに備え、
前記駆動部品は、前記自転車ロックが前記ロックモードから前記アンロックモードに切り替えられた時、前記ピンが前記第1の軸及び前記第2の軸に挿入されるように駆動するように適合される、
請求項1の自転車ロック
【請求項3】
前記第1の軸、前記第2の軸、及び前記ピンの少なくとも一部をそれぞれ収容するハウジングをさらに備え、
前記自転車ロックが前記アンロックモードにある時、前記第1の軸及び前記第2の軸のうちの一方が前記ハウジングに固定され、他方が前記ハウジングに対して相対的に動作可能である、
請求項1の自転車ロック。
【請求項4】
前記第1の軸は、上縦断貫通孔及び下縦断貫通孔を備え、
前記上縦断貫通孔及び前記下縦断貫通孔は、同一軸上に配置され、
前記下縦断貫通孔の開口部は、前記上縦断貫通孔の開口部よりも大きく、
前記第1の軸の前記上縦断貫通孔及び前記下縦断貫通孔の間の接合部には、第1の環状台が配置され、
前記第1の環状台上に、前記第1の係合構造が配置され、
前記第2の軸の上側は、上環状端面を備え、
前記第2の係合構造は、前記上環状端面に配置される、
請求項1の自転車ロック。
【請求項5】
前記第1の係合構造は、前記第1の軸に向かって延伸する溝状の空洞であり、
前記第2の係合構造は、前記第2の軸に向かって延伸する突出部であり、
前記突出部は、傾斜面又は曲面を備える、
請求項4の自転車ロック。
【請求項6】
前記溝状の空洞は前記第1の環状台に配置され、円形曲面構造であり、
前記突出部は、前記上環状端面に配置され、上部が狭く、下部が広い円形湾曲構造又は台形構造である、
請求項5の自転車ロック。
【請求項7】
前記自転車ロックが、前記第1の軸に対して前記アンロックモードにある時、前記第2の軸は、前記第2の軸の軸方向に沿って回転し、限られた範囲内で前記垂直方向に動く、
請求項5の自転車ロック。
【請求項8】
前記アンロックモードにおける軸回転の最大振幅は、前記第2の係合構造の幅の半分よりも小さく、前記第1の軸及び前記第2の軸は、前記第2の係合構造の前記傾斜面又は前記曲面に沿って自動的に位置合わせされ、係合される、
請求項7の自転車ロック。
【請求項9】
前記自転車ロックが前記ロックモードにある時、前記第1の軸及び前記第2の軸の垂直方向の最大相対変位は、前記第2の係合構造の前記突出部の高さよりも大きく、前記第1の軸が、前記第2の軸に対して軸方向に自由に回転する、
請求項5の自転車用ロック。
【請求項10】
基部をさらに備え、
前記基部は、ハウジングに固定され、前記第1の軸及び前記ハウジングを互いに固定し、前記第1の軸に対する前記第2の軸の垂直方向の相対的な最大相対変位を制限するように適合される、
請求項3の自転車ロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、自転車ロック、特に、複数の保護機構を備えた自転車ロックに関する。
【背景技術】
【0002】
D-ロック等の従来の自転車ロックの収納問題を解決するために、自転車ロックを自転車の本体に強固にロックする一体型のロックが市場に登場している。さらに、ロックをフレーム又はフロントフォークチューブの内部に収納するコンシールドロックも登場している。ユーザは、露出したロックシリンダーを鍵等で回して、ピンを駆動させてロック及びアンロックを行う。
【0003】
しかしながら、現在、ほとんどのコンシールドロックは、ロック時にフロントフォークチューブ及びヘッドチューブの両方を同時に貫通するピンを使用することで、フロントフォークチューブの回転又はステムの回転を防ぐように設計されている。しかしながら、このようなコンシールドロックでは、ピンを貫通させるための同心円状の穴をヘッドチューブ及びフロントフォークチューブに配置しなければならない。さらに、同様のタイプのロックには、フロントフォークチューブを介してピンを挿入することで、ヘッドチューブ及びフロントフォークチューブの間に配置された歯状部材を駆動し、ヘッドチューブ及びフロントフォークチューブの連結モードは、接続及び非接続状態を利用して制御するものがある。とはいえ、溶接や穴あけ等の破壊的な改造を行うには、それぞれの設計を改造産業に委託しなければならず、これらは、難易度が高いだけでなく、導入コストも高い。また、このような破壊的な改造を行った場合、自転車の構造強度及び中古市場における価格に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0004】
以上のことから、公知の自転車ロックの設計において、フロントフォークチューブ及びヘッドチューブの両方を貫通するピン、又はヘッドチューブ及びフロントフォークチューブの間にある歯状部材が、ヘッドチューブに対するフロントフォークチューブの回転又はステムの回転を止めるために使用され、ロック効果が達成される。これらは、全て、取り付けのために、自転車のフロントフォークチューブ及びヘッドチューブをカスタマイズしたり、破壊的な改造を施す必要があり、取り付けは複雑であり、部品市場(アフターマーケットとも称する)における普及が困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示は、上記公知の設計の自転車ロックを解決できる自転車ロックを提供する。フロントフォークチューブ及びヘッドチューブの両方を貫通するピン、又はヘッドチューブ及びフロントフォークチューブの間の歯状部材は、ヘッドチューブに対するフロントフォークチューブの回転又はステムの回転を止めるために使用され、ロック効果が達成される。これらは、全て、取り付けのために、自転車のフロントフォークチューブ及びヘッドチューブをカスタマイズしたり、破壊的な改造を施す必要であり、取り付けが複雑であり、部品市場(アフターマーケット)における普及が困難である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
先行技術の欠点に鑑みて、本開示の目的の1つは、自転車ロックを提供することである。可能な設計の1つを例として挙げると、自転車ロックは、第1の軸と、第2の軸と、を備える。第1の軸は、ステムを介してハンドルバーに接続され、第2の軸は、フロントフォークチューブ内に延伸して固定されてよく、第1の軸及び第2の軸の連結状態を制御することで、ハンドルバー及びフロントホイールの連結状態が制御され、ハンドルバーがロックされた状態ではハンドルバーは、フロントホイールのステアリングを効果的に制御できず、自転車盗難防止の目的が達成される。自転車がアンロックされると、第1の軸及び第2の軸がピンで連結される。自転車がロックされると、ピンは、第1の軸及び第2の軸のいずれか一方から外れ、第1の軸及び第2の軸は連結しなくなる。ピンが第1の軸の第1の接続穴及び第2の軸の第2の接続穴にスムーズに挿入されることを保証するために、第1の軸及び第2の軸には、それぞれ、ピンのための隙間嵌めが設けられる、すなわち、第1の接続穴と第2の接続穴は、ピンよりわずかに大きい。
【0007】
しかしながら、ピン、第1の軸、及び第2の軸の隙間嵌めの設計により、要素間に隙間ができてしまうことがある、すなわち、自転車ロックのアンロックモードにおいてユーザが自転車用ハンドルバーを回した時、ピンが第1の軸及び第2の軸を強固に連結できない可能性がある。それどころか、それぞれの要素が揺れる可能性がある。このような理由から、本開示の設計の1つでは、連結機構に加えて、対応する係合構造が第1の軸と第2の軸の接続端面のそれぞれにさらに配置され、2つの軸が強固に係合される。第2の連結機構は、問題を解決するための補助として使用される。
【0008】
本開示の1つのカテゴリーは、第1の軸と、第2の軸と、ピンとを備える自転車ロックに関する。第1の軸は、第1の接続穴と、第1の係合構造と、を備え、自転車の要素に連結されるように適合される。第2の軸は、第2の接続穴と、第2の係合構造と、を備え、自転車の別の要素に連結されるように適合される。ピンは、第1の軸及び第2の軸の動作を制限するように適合される。自転車ロックは、ロックモードと、アンロックモードと、を含み、アンロックモードでは、第1の軸は、第1の連結機構又は第2の連結機構により、第2の軸に連結される。第1の連結機構では、ピンが第1の軸の第1の接続穴及び第2の軸の第2の接続穴に挿入されることで、第1の軸及び第2の軸が連結され、第1の軸及び第2の軸には、それぞれ、ピンのための隙間嵌めが設けられる。第2の連結機構は、第1の軸の第1の係合構造及び第2の軸の第2の係合構造を係合させることで、第1の軸及び第2の軸を連結し、第1の係合構造は、第2の係合構造に密着する。
【0009】
自転車ロックのいずれかにおいて、自転車ロックは、ピンに連結される駆動部品をさらに備える。駆動部品は、自転車ロックがロックモードからアンロックモードに切り替えられると、ピンを第1の軸及び前記第2の軸に挿入されるように駆動するように適合される。
【0010】
自転車ロックのいずれかにおいて、第1の軸は、上縦断貫通孔と、下縦断貫通孔と、を備え、上縦断貫通孔及び下縦断貫通孔は同一軸上に配置され、下縦断貫通孔の開口部は、上縦断貫通孔の開口部よりも大きく、第1の軸の上縦断貫通孔及び下縦断貫通孔の間の接合部には、第1の環状台が配置され、第1の係合構造が第1の環状台上に配置され、第2の軸の上側は、上環状端面を備え、第2の係合構造は、上環状端面に配置される。
【0011】
自転車ロックのいずれかにおいて、第1の係合構造は、第1の軸に向かって伸びる溝状の空洞であり、第2の係合構造は、第2の軸に向かって伸びる突出部であり、突出部は、傾斜面又は曲面を備える。
【0012】
自転車ロックのいずれかにおいて、溝状の空洞は、第1の環状台に配置され、円形曲面構造であり、突出部は、上環状端面に配置され、円形湾曲構造又は上部が狭く下部が広い台形構造である。
【0013】
自転車ロックのいずれかにおいて、自転車ロックがアンロックモードにある時、第1の軸に対して第2の軸は、軸回転し、限られた範囲内で垂直方向に動く。
【0014】
自転車ロックのいずれかにおいて、アンロックモードの軸回転の最大振幅は、第2の係合構造の幅の半分よりも小さく、それにより、第1の軸及び第2の軸は、第2の係合構造の傾斜面又は曲面に沿って自動的に配置され、係合される。
【0015】
自転車ロックのいずれかにおいて、自転車ロックがロックモードにある時、第1の軸及び第2の軸の垂直方向の最大相対変位量は、第2の係合構造の突出部の高さよりも大きく、第1の軸は、第2の軸に対して自由に軸回転する。
【0016】
自転車ロックのいずれかにおいて、自転車ロックは、さらに、基部を備える。基部は、ハウジングに固定され、第1の軸及びハウジングを互いに固定し、第1の軸に対する第2の軸の垂直方向の最大相対変位を制限するように適合される。
【0017】
自転車ロックのいずれかにおいて、自転車ロックは、さらに、第1の軸、第2の軸、及びピンの少なくとも一部をそれぞれ収容するハウジングを備える。自転車用ロックがアンロックモードにある時、第1の軸及び第2の軸の一方は、ハウジングに固定され、他方は、ハウジングに対して相対的に動くことができる。
【発明の効果】
【0018】
以上のことから、本開示の目的の1つは、アンロック時に第1の軸及び第2の軸が連結する、又はその逆であるロックを提供することである。一方、ロックは、2つの連結機構を備える。1つは、第1の軸及び第2の軸をピンで連結ものであり、もう1つは、第1の軸の第1の係合構造及び第2の軸の第2の係合構造を用いて、2つの軸を強固に係合させるものである。そのため、本開示では、第1の軸及び第2の軸を強固に連結することができ、これにより、隙間に起因するピンと第1の軸及び第2の軸との揺れの問題を解決し、ユーザエクスペリエンスに影響を与えることができる。さらに、本開示では、ロックの第1の軸及び第2の軸は、それぞれ、フロントフォークチューブ及び自転車のステムに固定され、ロックされ、連結され、それにより、本開示のロックは、自転車を壊すことなく、簡単に取り付けることができる。
【0019】
本開示の前述の特徴及び利点を理解しやすくするために、実施形態を図面と共に以下に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A-B】
図1A及びBは、それぞれ、本開示の第1の実施形態に係る、自転車にロックが適用された時の動作例、及びロックの外観を示す概略図である。
【0021】
【
図1C】
図1Cは、本開示の第1の実施形態に係る、アンロックモードにおける
図1BのA-A基準線に沿ったロックの部分断面を示す概略図である。
【0022】
【
図1D-E】
図1Dは、アンロックモードにおける自転車ロックの第1の軸、第2の軸、及び基部を示す立体概略図であり、
図1Eは、本開示の第1の実施形態に係る、B-B基準線に沿ったロックの第1の軸、第2の軸、及び基部を示す概略断面図である。
【0023】
【
図2A-B】
図2Aは、ロックの第1の軸の立体概略図であり、
図2Bは、本開示の第1の実施形態に係る、C-C基準線に沿ったロックの第1の軸の概略断面図である。
【0024】
【
図3A-B】
図3Aは、ロックの第2の軸及び基部の立体概略図であり、
図3Bは、本開示の第1の実施形態に係る、D-D基準線に沿ったロックの第2の軸及び基部の概略断面図である。
【0025】
【
図4A-C】
図4A乃至4Cは、それぞれ、本開示の第1の実施形態に係る、第1の係合構造、第2の係合構造、及びロックの相対関係の概略図である。
【0026】
【
図4D-E】
図4D及びEは、本開示の第1の実施形態に係る、ロックの第1の係合構造及び第2の係合構造の好適な設計及び次の好適な設計の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以上の説明、本開示の他の技術的内容、特徴、及び効果は、以下の好ましい実施形態において詳細に明確に示され得る。なお、以下の実施形態において言及される上、下、左、右、前、後、上、底、横等の方向性のある用語は、各要素の相対的な関係や設計を説明するためのものであり、本開示を限定するものではない。また、本開示において「1つを含む」とは、特に定義されない限り、少なくとも1つを含むことを意味する。
【0028】
図1A及び
図1Bを参照すると、
図1A及びBは、それぞれ、本開示の第1の実施形態に係る、自転車にロック1が適用された時の動作例、及びロック1の外観を示す概略図である。自転車ロック(以下、ロック1とする)の外観から、ロック1は、ハウジング50を有する。ハウジング50上には、ロック穴51、引き込みボタン52、接続ポート53、及びロープ100に接続されるロープヘッド110が配置される。さらに、ハウジング50の上側と下側には、第1の軸10及び第2の軸20が通っている。
図1Bに示されるように、第1の軸10とハンドルバーとは、ステムによって互いに固定され、互いに沿って動き、第2の軸20は、フロントフォークチューブ内に延伸して固定され、互いに沿って動くことができる。
【0029】
ロック1は、アンロックモードSUL及びロックモードSLの2つの状態を含む。ロックモードSLでは、第1の軸10及び第2の軸20は効果的に連結しておらず、アンロックモードSULでは連結している。アンロックモードSULからロックモードSLに切り替える場合をロック工程、逆の場合をアンロック工程と呼ぶ。ロック工程の最初に、ユーザは、ハウジング50からロープヘッド110を引き出し、ロープヘッド110は、個別に配置される、又はロープ100に接続されてよい。ロープ100を備えた設計では、ユーザは、固定対象2にロープ100を巻き付け、その後、ロープヘッド110を、ロック穴51を通してロック1に挿入して、ロック1のロック動作を引き起こすことができる。ユーザがロープヘッド110をロック1のロック位置まで押し込むと、ロック1は、ロックモードSLとなり、ロック1にロックされる。一方、第1の軸10及び第2の軸20が非連結状態に自動的に切り替わってよく、自転車のハンドル及びフロントホイールは効果的に連結されず、これにより、ユーザは、ハンドルバーを回してフロントホイールのステアリングを制御することができなくなり、好ましい防犯効果が得られる。
【0030】
ユーザが自転車のアンロックする必要がある場合、アンロック装置(図示せず)を用いて、接続線を介してロック1の接続ポート53に電気的に接続することができる。接続された後、ロック1は、アンロック装置を自動的に認識する。認識に成功した後、ロック1は、自動的にアンロックし、アンロックモードSULに戻る。その間、ロープヘッド110がハウジング50から自動的に押し出されて外れ、自転車のハンドルバー及びフロントホイールが自動的に連結状態に戻り、ユーザは通常の乗車を再開することができる。
【0031】
その後、ロープヘッド110がロープ100に接続されている場合、ユーザは、引き込みボタン52を押して、ロック1にロープ100をハウジング50に自動的に収納させることができる。アンロック装置は、リモコンや携帯電話等、動力や信号通信機能を備える様々な電子装置であってもよい。本実施形態では、アンロック装置及びロック1は、充電ケーブル等の接続線で接続される。しかしながら、必要に応じて、電力及び信号通信機能の両方を備える無線モジュールを代わりに使用することもできる。なお、本開示はこれに限定されない。
【0032】
本開示におけるロック1の詳細設計を以下に示す。
【0033】
図1Aから
図1Cを全て参照すると、
図1Cは、本開示の第1の実施形態に係る、アンロックモードSULにおいて
図1BのA-A基準線に沿ったロック1を示す概略断面図である。図面によれば、本実施形態では、ロック1は、主に、第1の軸10と、第2の軸20と、ピン30と、駆動部品40と、ハウジング50と、基部60と、スライダ70と、制御モジュール80と、ロックロープターンテーブル90と、ロープ100と、ロープヘッド110と、を備える。
【0034】
各要素の相対的な関係を説明する前に、各要素の設計を以下に説明する。
【0035】
図2A及び
図2Bを参照すると、
図2Aは、本開示の第1の実施形態に係る、ロック1の第1の軸10の立体概略図であり、
図2Bは、本開示の第1の実施形態に係る、C-C基準線に沿ったロック1の第1の軸10の概略断面図である。本実施形態では、例えば、第1の軸10は、金属材料(例えば、アルミニウム)を選択的に含んでよく、切断工程によって形成された1つの構造であってよい。第1の軸10は、第1の上チューブ11及び第1の下チューブ12を含む。第1の上チューブ11は、上縦断貫通孔111を含み、第1の下チューブ12は、下縦断貫通孔121を含み、上縦断貫通孔111及び下縦断貫通孔121は、同軸上にあり、互いに連通している。下縦断貫通孔121の開口部は、上縦断貫通孔111の開口部よりも大きく、上縦断貫通孔111及び下縦断貫通孔121との間の接合部には、第1の環状台14が配置され、第1の環状台14には、少なくとも1つの第1の係合構造13が配置される。
図4Aを参照すると、
図4Aは、本開示の第1の実施形態に係る、ロック1の第1の係合構造の側面を示す概略図である。本実施形態では、各第1の係合構造13は、第1の環状台14上に配置され、第1の環状台14の外周側の端部から第1の軸10の軸まで延伸する。各第1の係合構造13は、溝状の空洞である。本実施の形態では、第1の係合構造13は、半円カットの表面形状を有する円筒形の溝である。第1の係合構造13を配置するために、ドリルを選択的に使用して、第1の軸10の第1の環状台14の高さに少なくとも1つの横方向の貫通孔15を直接開けることができる。そして、各横方向の貫通孔15は、第1の軸10の側壁を貫通し、第1の環状台14上の材料の一部を除去して、第1の係合構造13として機能する半円の溝を形成する。これにより、加工精度の向上及びコスト削減が実現される。
【0036】
図4Aに示すように、本実施形態では、横方向の貫通孔15の中心が第1の環状台14の表面よりも若干低いため、第1の係合構造13の半円の溝は、若干浅い。従って、第2の係合構造23の高さに応じて、2つの係合構造の締め付けを改善することができる。なお、本実施形態では、第1の係合構造13の2つの辺と曲面の中心との中心角Aが150度以下であるため、半円は完全な半円ではない。
【0037】
図2A及び
図2Bに示すように、本実施形態では、第1の環状台14には、4つの第1の係合構造13が、均等な角度間隔で配置される。しかしながら、必要に応じて、要求に応じて数量を任意に増減することができ、本開示はこれに限定されない。さらに、第1の軸10の側壁には、ピン30が通るための第1の接続穴16が配置される。一方、第1の下チューブ12の底面の側部には、ハウジング50や基部60を貫通して固定するネジのために、深さの異なる複数のネジ穴18が配置される。
【0038】
図3A及び
図3Bを参照すると、
図3Aは、ロック1の第2の軸20と基部60の相対的な関係を示す立体概略図であり、
図3Bは、第1の実施形態に係る、D-D基準線に沿ったロック1の第2の軸20と基部60の概略断面図である。例えば、第2の軸20は、金属材料(例えば、アルミニウム)を選択的に含んでよく、切断工程によって形成された1つの構造であってよい。第2の軸20は、選択的に、中空管状であってよい。第2の軸20は、第2の上チューブ21及び第2の下チューブ22を含む。第2の上チューブ21の外径は、第2の下チューブ22の外径よりも大きく、第2の軸20の外周側の側壁に設けられた第2の環状台24は、第2の上チューブ21及び第2の下チューブ22の間の接続部に配置される。さらに、均等な角度間隔で配置される少なくとも1つの第2の係合構造23は、第2の上チューブ21の上側の上環状端面27に配置される。
【0039】
図3A、
図3B、及び
図4Bを合わせて参照すると、
図4Bは、本開示の第1の実施形態に係る、ロック1の第2の係合構造の側面の概略図である。本実施形態では、各第2の係合構造23は、第2の軸20の外周側の端部から、第2の上チューブ21の上側に設けられた上環状端面27の軸まで等距離で伸びる突出部である。第2の軸20の外周側の端部からその軸に向かって見たとき、幅方向Wにおける第2の係合構造23の各突出部は、突出した台231と、その左側及び右側にそれぞれ配置される左傾斜面232及び右傾斜面233とを含む。実施形態では、左傾斜面232及び右傾斜面233のそれぞれは、対応する空洞を案内して一緒に係合させるための曲面であるが、傾斜面は、置換された実施形態であってよい。幅方向Wは、第2の軸20の円周方向と実質的に同じである。一方、
図3Aに示すように、第2の軸20の片側には、ピン30を挿入するための第2の接続穴26が配置される。
【0040】
ピン30は、第1の軸10及び第2の軸20を連結するために使用される。
図1D及び
図1Eを参照すると、
図1Dは、アンロックモードSULにおけるロック1の第1の軸、第2の軸、及び基部を示す立体概略図であり、
図1Eは、本開示の第1の実施形態に係る、B-B基準線に沿ったロック1の第1の軸、第2の軸、及び基部を示す概略断面図である。図面によれば、ピン30は、基部31と、頭部32と、を備える。頭部32は、第1の軸10及び第2の軸20を接続するために使用され、次第に小さくなる前端を有する曲面を含む。基部31には、傾斜面312が配置され、傾斜面312の傾斜及び方向は、スライダ70のピン30の穴の傾斜面(図示せず)の傾斜及び方向に対応する。基部31には、基部31の左端面から右端面まで水平方向に凹んだ収容溝311が配置され、駆動部品40の一部を収容するために使用される。本実施形態では、基部31及び頭部32は、互いに組み合わされる2つの独立した要素である。基部31は、軽量化のために弱いプラスチック素材を含み、頭部32は、強度を要求するために金属材料を含んでよい。しかしながら、基部31及び頭部32は、1つの要素の異なる部分であってもよい。
【0041】
駆動部品40は、その中の流体を圧縮する、又は要素自体の材料を歪ませることで、機械的エネルギー及びひずみエネルギーを蓄えたり放出したりすることができる。具体的には、例えば、ばね、リード、エアシリンダ(例えば、弾性体)等の機械又は装置のいずれか、若しくはそれらの組み合わせであってよい。本実施形態では、駆動部品40はばねであり、その寸法は、駆動部品40の少なくとも一部を収容溝311に埋め込むことができるように、ピン30の基部31の収容溝311の寸法に対応する。
【0042】
ハウジング50は、ロック1の各要素の少なくとも一部を包み込んで固定するためのものである。
図1Cを参照すると、ハウジング50の内部には、要素の進行方向を制限することができるリブ、突出部、又はロック穴等の複数の構造が配置される。ハウジング50の底部には複数の貫通孔が配置され、ネジが基部60を通過して、第1の軸10の下環状端面17に固定的にロックされることで、各要素を互いに固定することができる。
【0043】
本実施形態では、基部60は、第2の軸20の第2の上チューブ21の外径よりも小さい直径を有する開口部を有する円形金属板である。使用時には、基部60は、第1の軸10の底部にねじ込まれ、第2の軸20の通過を制限及び妨害し、そのため、第1の軸10に対する第2の軸20の垂直方向の最大相対変位を制限する効果が得られる。さらに、基部60には複数の貫通孔が配置されており、ネジが通過できる。
【0044】
スライダ70を使用して、ロック1を1自由度スライドさせ、ピン30の基部31の傾斜面312を傾斜面構造で駆動させて、ロックモードSLとアンロックモードSULを切り替える。30がその傾斜面構造で出入りすることで、ロック1のロックモードSLとアンロックモードSULを切り替える
【0045】
図1A~
図1Cを参照すると、ロープ100は、自転車及び自転車に接続されたロック1を固定対象2に巻き付けて、ロック効果を得るために使用される。ロープ100の一端は、ロック1の本体に設けられたロックロープターンテーブル90に接続され、他端は、ロープヘッド110に接続されている。本実施形態では、ロープ100は、選択的に、鋼製ロープとすることができる。しかしながら、ロック1は、ロープ100の配置に限定されない。別の実施形態では、ロープ100が固定対象2を包む必要がない場合、ロック1は、ロープ100、引き込みボタン52、及びロックロープターンテーブル90の関連する設計を選択的に省略できる。この設計では、ロープヘッド110は、ロック1をロックする鍵と同様の独立要素として使用できる。さらに、ロープヘッド110は、ハウジング50の外側に配置された別のボタンとして設計することもできる。押されると、ロープヘッド110は、ロック1に押し込まれてロックされ、アンロックされると、ロープヘッド110は飛び出すが、ハウジング50からは外れない。
【0046】
なお、本実施形態では、ロック1のロック工程の間、電力は全く必要なく、ロック工程全体は、ユーザがロープヘッド110にかける力だけで完了する。アンロック工程の間、制御モジュール80等の要素が必要とする電力は、接続ポート53を通じてアンロック装置から直接得ることができる。すなわち、本設計では、ロック1は、バッテリー等の蓄電素子を含まない場合があり、これにより、ロック1内のバッテリーが、開かれた環境により損傷を受けて動作しなくなることが防止されるので、ロック1の信頼性がさらに向上することになる。
【0047】
ロック1の操作モードを以下に説明する。
【0048】
図1Cから
図1Eを参照すると、ロック工程の起動前に、ロック1はアンロックモードSULにあり、第2の軸20の第2の上チューブ21が、第1の軸10の第1の下チューブ12に埋め込まれており、第1の軸10の第1の接続穴16と、第2の軸20の第2の接続穴26とが重なっている。本実施の形態では、ユーザがハンドルバーを操作してステムを介して第1の軸10を回転させると、第1の軸10は、第1の伝達機構及び第2の伝達機構の少なくとも一方を介して第2の軸20と連結され、これにより、フロントフォークチューブを駆動してフロントホイールを駆動し、フロントホイールのステアリングを制御することができる。
【0049】
第1の伝達機構とは、ピン30を用いて第1の軸10及び第2の軸20を連結することを指す。しかしながら、各要素の間には、垂直方向(Z-軸)と水平方向(X-軸)のいずれかに隙間G1があるため、動作中に揺れが生じやすいという問題がある。そこで、第2の伝達機構を設け、第1の軸10の第1の係合構造13及び第2の軸20の第2の係合構造23をしっかりと係合させることで、効果的に要素が伝達可能になる。
【0050】
本実施形態では、第1の伝達機構とは、ピン30が第1の接続穴16を貫通して第2の接続穴26に挿入されるように使用されることを指す。したがって、第1の軸10が回転すると、ピン30が駆動して第2の軸20をその軸に沿って回転させることができる。本実施形態では、駆動部品40はばねであり、ロック時に圧縮され、アンロック時に膨張してピン30を第1の接続穴16及び第2の接続穴26に押し込むように使用される。しかしながら、空間、体積、重量等の制約により、駆動部品40がピン30に与えることのできる力は限られている。そこで、駆動部品40が第1の接続穴16及び第2の接続穴26にスムーズに出入りできるように、第1の接続穴16及び第2の接続穴26とピン30とに隙間嵌めを採用している。これは、第1の接続穴16及び第2の接続穴26が、それぞれ、ピンよりも大きい、すなわち、ピン30と第1の接続穴16及び第2の接続穴26との間には、それぞれ隙間G1が確保されていると解釈でき、ピン30がスムーズに出入りできる。
【0051】
ユーザがステムを回転させて第1の軸10を駆動すると、第1の軸10及び第2の軸20とピン30との間には隙間G1が生じ、そのため、第1の軸10及び第2の軸20の連結が実現される前に、隙間G1のストロークを埋めるために一定の距離を空転することがあり、ハンドルが揺れてユーザの乗り心地に影響を与える可能性があった。この問題に対し、本開示では、第1の連結機構に加えて、第1の連結機構における隙間G1の乗り心地に対する影響を克服するために、第2の連結機構をさらに備える。
【0052】
第2の伝達機構とは、第1の軸10の第1の係合構造13と、第2の軸20の第2の係合構造23を直接接触させて係合させることをいう。これにより、第1の軸10が回転すると、その力が第1の係合構造13を介して第2の係合構造23に瞬時に伝達され、隙間G1による影響を最小限に抑えることができる。設計上、第1の係合構造13は空洞、第2の係合構造23は突出部となっている。しかしながら、実際には、空洞と突出部を入れ替えても、実際の動作に影響はない。さらに、第1の軸10及び第2の軸20の内外の関係も必要に応じて調整することができる。さらに、第1の軸10及び第2の軸20がそれぞれ上の軸と下の軸であることも、要求に応じて調整することができ、本開示はこれに限定されない。
【0053】
図4Cに示すように、ロックモードSLでは、第1の軸10が第2の軸20に対して自由に回転でき、ユーザがハンドルバーを回してフロントホイールを効果的に駆動することができないように、ロックモードSLにおける第1の軸10及び第2の軸20の垂直方向の最大相対変位量は、第2の軸20の突出部が第1の軸10の空洞から完全に外れる程度である必要がある、すなわち、第1の軸10及び第2の軸20の最大相対変位量は、第2の軸20の突出部の高さ又は第1の軸10の空洞の深さよりも大きい必要がある。また、第1の軸10及び第2の軸20が互いに離れすぎていない必要である。
【0054】
このような効果を得るために、本実施の形態では、第1の軸10の下環状端面17に基部60を固定し、第2の軸20を第1の軸10及び基部60との間に制限して、第1の軸10と第2の軸20の最大相対変位をさらに定義する。
【0055】
図1Cからわかるように、基部60の内側の開口部の内径は、第2の軸20の上チューブの外径よりも小さいので、ユーザがハンドルバーを持ち上げると、第1の軸10が上方に持ち上げられ、第1の軸10の底部に固定された基部60も上方に持ち上げられ、一定の距離を上昇した後、基部60は、第2の軸20の第2の環状台24に抵抗することができる。一方、基部60と第2の軸20の第2の環状台24との間の隙間G2の距離は、隙間G1の距離よりも小さい。そのため、ロックモードSL及びアンロックモードSULに関わらず、第1の軸10及び第2の軸20の垂直方向の最大相対変位は、第2の軸20の基部60と第2の環状台24との間の垂直方向の隙間G2の距離によって制御される。
【0056】
一方、ロックモードSLでは、第1の軸10は第2の軸20に対して自由に回転することができ、アンロックモードSULでは、第2の軸20から垂直に離れた後でも、第1の軸10はその軸に沿って回転することができるが、その最大の回転は、ピン30と第1の軸10及び第2の軸20との間の隙間G1の距離によって制限される。本実施形態では、第1の軸10の第1の接続穴16及び第2の軸20の第2の接続穴26の最大垂直距離は、それぞれ8mmであり、最大水平距離は、7.97mmであり、ピン30の前端におけるシリンダーの最大直径は、約7.94mmである。このとき、水平方向の隙間G1の幅は、0.03mmであり、垂直方向の隙間G1の幅は、0.06mmと比較的大きくなっている。
【0057】
さらに、
図4Cを参照すると、第2の係合構造23の突出部の幅の半分Tが第2の軸20に対する第1の軸10の軸回転の最大振幅よりも大きくなるように設計されている場合、第1の係合構造13の端部131は、第2の係合構造23の湾曲面又は傾斜面に連続的に対応することができ、これにより、第1の係合構造13及び第2の係合構造23が垂直方向に互いに接近した際に、自動的に位置合わせされる。
図4Bを参照すると、本開示における幅の半分Tは、第1の係合構造13及び第2の係合構造23が接続されたときの、第2の係合構造23の突出部にある構造の長さであって、第1の係合構造13の空洞の端部131を補助して当該構造を幅方向Wに沿った同方向に案内することができる長さに定義される。本実施形態では、幅方向Wにおける突出部の長さは、第2の軸20の円周の接線方向における突出部の長さと実質的に等しい。例えば、第2の係合構造23が狭い上部と広い底部を有する台形構造である場合、左傾斜面232及び右傾斜面233の幅方向Wの長さは、それぞれ、幅の半分Tとなる。第2の係合構造23の突出部が完全な円形曲面である場合、幅の半分Tは、幅方向Wの全体の円形曲面の長さの半分と解釈できる。
【0058】
一方で、第1の係合構造13及び第2の係合構造23を密着させるために、幅方向Wの突出部の最大幅D2が、空洞部の開口部の最大幅D1に近いか、それ以上であることが保証されなければならない。すなわち、少なくとも緩み嵌め、好ましくは締め嵌め式が両者に採用される。
図4D及び
図4Eを参照すると、
図4D及び
図4Eは、本開示の第1の実施形態に係る、ロック1の第1の係合構造13及び第2の係合構造23の好適な設計及び好適な設計の概略図である。まず、
図4A及び
図4Bを参照すると、第1の係合構造13の空洞の開口部の最大幅はD1であり、第2の係合構造23の突出部の最大幅はD2であり、
図4Eに示すように、最大幅D1は最大幅D2よりも大きい。すなわち、D1/D2≧1の場合、第1の係合構造13及び第2の係合構造23の間に隙間が形成される可能性があり、揺れを低減する効果はあまり明らかではない。逆に、
図4Dの設計を採用した場合、最大幅D1が最大幅D2よりも小さくなる、すなわち、D1/D2≦1となり、突出部及び空洞がより密接に合うようになり、連結効果が高くなり、揺れの問題を効果的に解決することができる。本実施形態では、D1の値は約3.87mmであり、D1/D2の値は約0.987であり、1よりも小さい。すなわち、最大幅D1から最大幅D2を引いた差が水平方向の隙間G1の長さよりも小さい場合、又は最大幅D1が最大幅D2よりも小さいとき、第1の係合構造13及び第2の係合構造23は密着している。
【0059】
ロック1がアンロックモードSULからロックモードSLに切り替わると、スライダ70は、ロック位置からアンロック位置に自動的に動いてよく、駆動部品40は、ピン30を第1の接続穴16及び第2の接続穴26の少なくとも一方から引き抜くことで第1の軸10及び第2の軸20が互いに軸方向に自由に回転できるようにして、両者を効果的に連結できないようにする。
【0060】
以上のことから、本開示の目的の1つは、アンロック時に第1の軸10及び第2の軸20が連結する、又はその逆であるロック1を提供することである。また、ロック1は、2つの連結機構を備える。1つは、第1の軸10及び第2の軸20をピン30で連結させるものであり、もう1つは、第1の軸10の第1の係合構造13及び第2の軸20の第2の係合構造23を用いて、2本の軸を強固に係合させるものである。したがって、本開示では、第1の軸10及び第2の軸20を強固に連結することができる。これにより、第1の軸10及び第2の軸20の隙間に起因するピン30と第1の軸10及び第2の軸20との揺れの問題が解決され、ユーザの乗り心地に影響を与えることができる。さらに、本開示では、ロック1の第1の軸10及び第2の軸20は、それぞれ、自転車のステム及びフロントフォークチューブに固定、ロック、連結されているので、本開示のロック1を、自転車を壊すことなく、容易に取り付けることができる。
【0061】
最後に、本開示のロック1の均等な範囲は、実施形態の実施を含むが、それに限定されないことを強調しておく。本開示の上記において開示された実施形態に開示された構成要素及びステップは、説明のための例示に過ぎず、本開示の範囲を制限するために使用されるものではなく、他の同等の要素及びステップの置換又は修正も、本開示の特許出願の範囲に含まれるものとする。
【産業上の利用可能性】
【0062】
複数の保護機構を備えた自転車用ロックを適用してもよい。
【符号の説明】
【0063】
1 ロック
2 固定対象
10 第1の軸
11 第1の上チューブ
111 上縦断型貫通孔
12 第1の下チューブ
121 下縦貫通孔
13: 第1の係合構造
131 第1の係留構造の端部
14 第1の環状台
15 横方向の貫通孔
16 第1の接続穴
17 下環状端面
18 ネジ穴
20 第2の軸
21 第2の上チューブ
22 第2の下チューブ
23 第2の係合構造
231 突出した台
232 左傾斜面
233 右傾斜面
24 第2の環状台
26 第2の接続穴
27 上環状端面
30 ピン
31 基部
311 収容溝
312 傾斜面
32 頭部
40 駆動部品
50 ハウジング
51 ロック穴
52 引き込みボタン
53 接続ポート
60 基部
70 スライダ
80 制御モジュール
90 ロックロープターンテーブル
100 ロープ
110 ロープヘッド
A 中心角
D1,D2 最大幅
G1,G2 隙間
T 幅の半分
SL ロックモード
SUL アンロックモード
W 幅方向
【外国語明細書】