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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042494
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】相互接続発電による負荷共有
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/46 20060101AFI20220307BHJP
   H02P 9/04 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
H02J3/46
H02P9/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021139494
(22)【出願日】2021-08-30
(31)【優先権主張番号】17/010,310
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(72)【発明者】
【氏名】キャロライナ・レデスマ
(72)【発明者】
【氏名】レネ・グラツィアーノ・トルレス
(72)【発明者】
【氏名】セサル・ウリセス・オルティス・グティエレス
(72)【発明者】
【氏名】マリオ・アルフォンソ・トレホ・チャベス
【テーマコード(参考)】
5G066
5H590
【Fターム(参考)】
5G066HA15
5G066HB01
5G066HB03
5H590AB03
5H590CA08
5H590CE01
5H590GA06
5H590JA02
5H590JB02
5H590KK04
(57)【要約】
【課題】発電システムにおける負荷共有のためのモジュールを提供する。
【解決手段】システムおよび方法は、異なる負荷共有シナリオにおいて電力発電機のグループの安定した動作を維持するための負荷共有を提供する。相互接続バス(170)を介して、ガスタービン発電機(GTG)(102)のコントローラ(104)は、電力ネットワークの一部であるGTGのセット(GTG(102)を含む)で生成された電力の指示、および電力ネットワークのステータス変化の指示を受信する。ステータス変化および生成された電力に基づいて、GTG(102)のコントローラ(104)は、電力ネットワークによって生成された電力の変化が発生するかどうか、および新しい電力レベルがGTG(102)によって生成されるかどうかを決定する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービン発電機(GTG)(102)のコントローラ(104)において、相互接続バス(170)を介して他のGTG(122)のステータスの指示を受信することと、
前記他のGTG(122)の前記ステータスに基づいて、前記コントローラ(104)を使用して、前記GTG(102)によって生成される電力レベルを決定すること(410)と、
前記コントローラ(104)を使用して、前記電力レベルを出力するように前記GTG(102)を駆動すること(412)と
を含む、方法。
【請求項2】
前記指示は、閾値時間にわたって、前記相互接続バス(170)を介した前記他のGTG(122)の別のコントローラ(124)からの更新がないことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記指示は、前記相互接続バス(170)を介した前記他のGTG(122)の別のコントローラ(124)からのメッセージを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記相互接続バス(170)は、前記コントローラ(104)のための無線接続を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ステータスは、前記他のGTG(122)のオフラインステータスを含み、前記電力レベルは、初期電力レベルよりも低い、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステータスは、オンラインステータスを含み、前記電力レベルは、初期電力レベルよりも高い、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記GTG(102)の生成された電力を決定すること(402)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記生成された電力を前記相互接続バス(170)にパブリッシュすること(404)を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記GTG(102)および前記他のGTG(122)を備える電力ネットワーク内の接続されたGTGによって生成された電力を取り出すこと(406)を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記指示を受信する前に前記GTG(122)がオフラインになるようにスケジュールされたと決定すること(408)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記GTG(102)および前記他のGTG(112)を含む複数の接続されたGTG内の残りのオンラインGTGが、前記GTG(122)がオフラインの状態では前記接続されたGTGの閾値電力を満たすことができないと決定することを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電力レベルを決定すること(410)は、前記残りのオンラインGTGが前記閾値電力を満たすことができないと決定したことに応じて、前記GTG(102)の前記スケジュールされたシャットダウンの発生を停止すること(606)を含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
命令を記憶するメモリ(68)と、プロセッサ(66)であって、前記プロセッサ(66)に、複数のガスタービン発電機(GTG)を備える電力ネットワーク内のGTG(102)における発電を制御させる前記命令を実行するように構成されたプロセッサ(66)とを備えるコントローラ(104)であって、前記命令は、前記プロセッサ(66)によって実行されると、前記プロセッサ(66)に、
前記複数のGTGの他のGTG(132)が前記他のGTG(132)の最大発電量の閾値内にあるという指示を受信させ(602)、前記指示は、前記複数のGTGの前記コントローラ(104)を相互接続する相互接続バス(170)を介して受信され、
前記GTG(102)がシャットダウンされるというコマンドを受信させ(604)、
前記指示に基づいて、前記GTG(102)の前記シャットダウンを防止させ(606)、オペレータへの警告を送信させる
ように構成されるコントローラ(104)
を備える、システム(10)。
【請求項14】
前記シャットダウンは、前記GTG(102)のスケジュールされたメンテナンスまたはオフライン期間に対応する、請求項13に記載のシステム(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書で開示される主題は、一般に、発電システムにおける負荷共有のためのモジュールに関する。具体的には、モジュールは、異なる負荷共有シナリオにおいて電力発電機のグループの安定した動作を維持するために使用される。
【背景技術】
【0002】
発電プラント、海洋掘削プラットフォーム、および石油リグなどの大型産業設備は、信頼性の高い電力供給を維持するために並列構成で動作する複数の発電機を使用することができる。発電システムの安定性を確保するために、負荷共有を使用して、フリート内の発電機全体に均等に負荷を分配および共有する。集中コントローラを使用して、負荷共有および他の並列タスクを管理することができる。しかしながら、集中コントローラが技術的または環境的問題(例えば、異常気象事象)のためにオフラインであるとき、並列タスクが阻害され、発電機間の負荷が不均一に分配され、かつ/または発電が不安定になる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本明細書に開示する特定の実施形態の概要を、以下に記載する。これらの態様は、単にこれらの特定の実施形態の簡単な概要を読者に提供するために提示されており、これらの態様は本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。実際、本開示は、以下に記載されない様々な態様を包含することができる。
【0004】
第1の実施形態では、方法が提供される。この方法によれば、ガスタービン発電機(GTG)のコントローラは、相互接続バスを介して他のGTGのステータスの指示を受信する。他のGTGのステータスに基づいて、コントローラは、GTGによって生成される電力レベルを決定し、電力レベルを出力するようにGTGを駆動する。
【0005】
第2の実施形態では、命令を記憶する非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。命令は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されると、1つまたは複数のプロセッサに、ガスタービン発電機(GTG)のコントローラにおいて、電力ネットワークの一部であるGTGのセット(GTGを含む)で生成された電力の指示を受信させる。命令はまた、1つまたは複数のプロセッサに、コントローラにおいて、電力ネットワーク内のスイッチのステータス変化の指示を受信させ、ステータス変化は、電力ネットワークへのGTGのセットのうちの1つの接続、またはグリッドへの電力ネットワークの接続のトグルを含み、指示は、GTGのセットに対応するコントローラのセットを相互接続する相互接続バスを介して受信される。命令はまた、1つまたは複数のプロセッサに、スイッチのステータスおよび生成された電力に基づいて、電力ネットワークによって生成された電力の変化が発生するかどうかを決定させる。命令はまた、1つまたは複数のプロセッサに、コントローラを使用して、生成された電力を変化させるかどうかの決定に少なくとも部分的に基づいてGTGを駆動させる。
【0006】
第3の実施形態では、システムが提供される。システムは、命令を記憶するメモリと、命令を実行するために使用されるプロセッサとを含むコントローラを含む。命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、GTGのセットを含む電力ネットワーク内のガスタービン発電機(GTG)における発電を制御させる。具体的には、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、GTGのセットの他のGTGが他のGTGの最大発電量の閾値内にあるという指示を受信させ、指示は、GTGのセットのコントローラを相互接続する相互接続バスを介して受信される。命令はまた、プロセッサに、GTGがシャットダウンされるというコマンドを受信させ、指示に基づいて、GTGのシャットダウンを防止させ、オペレータへの警告を送信させる。
【0007】
本発明のこれらおよび他の特徴、態様、および利点は、添付の図面を参照しつつ以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。添付の図面では、図面の全体にわたって、同様の符号は同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態による、負荷に電力を供給するように構成されたガスタービンエンジンのブロック図である。
図2】一実施形態による、負荷共有モジュールを備えたコントローラを有する複数のガスタービン発電機を含む電力グリッドシステムを図示するブロック図である。
図3】一実施形態による、図2の複数のガスタービン発電機によって使用することができるアイソクロナス速度制御方法を示す周波数対電力のプロットである。
図4】一実施形態による、図2の複数のガスタービン発電機によって使用することができるドループ速度制御方法を示す周波数対電力のプロットである。
図5】一実施形態による、フリート内の別の発電機がオンラインまたはオフラインにされたときの図2の複数のガスタービン発電機のうちの1つに対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。
図6】一実施形態による、電気スイッチが状態を変化させたときの図2の複数のガスタービン発電機のうちの1つに対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。
図7】一実施形態による、潜在的なシャットダウン状況が発生し得るときの図2の複数のガスタービン発電機のうちの1つに対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、1つまたは複数の具体的な実施形態について説明する。これらの実施形態に関する簡潔な説明を提供するために、実際の実施態様に関するすべての特徴について本明細書に説明するわけではない。エンジニアリングまたは設計プロジェクトなどの実際の実施態様の開発においては、開発者の特定の目的を達成するために、例えばシステム関連および事業関連の制約条件への対応など実施態様に特有の決定を数多くしなければならないし、また、これらの制約条件は実施態様ごとに異なる可能性があることを理解されたい。さらに、このような開発努力は、複雑で時間がかかるが、それでもなお本開示の利益を有する当業者にとっては、設計、製作、および製造の日常的な仕事であることを理解されたい。
【0010】
本開示の様々な実施形態の要素を導入するとき、冠詞「1つの(a、an)」、「この(the)」、および「前記(said)」は、その要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、包括的なものであり、列挙された要素以外のさらなる要素が存在してよいことを意味することを意図している。さらに、以下の説明におけるあらゆる数値例は非限定的なものであることを意図し、したがって追加の数値、範囲、および百分率は開示される実施形態の範囲内にあるものとする。
【0011】
発電システムは、エネルギー源を電力に変換するために使用される。エネルギー源は、水力エネルギー、石炭エネルギー、天然ガスエネルギー、原油エネルギー、原子力エネルギー、太陽エネルギー、または風力エネルギーであってもよい。ガスタービン(燃焼タービンとも呼ばれる)発電プラントは、天然ガスまたは液体燃料で運転される。ガスタービン発電機(GTG)は、動作の柔軟性を提供する。例えば、ガスタービンは、電力需要の増加に迅速に対応するように設計された内燃機関の一種である。
【0012】
GTGの主な構成要素には、上流回転圧縮機、燃焼器、圧縮機と同じシャフト上の下流タービン、および発電機が挙げられる。ガスタービンは、発電機を回転させる運動を発生するために使用されるエンジンである。ガスタービンは、天然ガスまたは液体燃料を回転機械エネルギーに変換し、さらに発電機を駆動して電気エネルギーを発生する燃焼エンジンである。より具体的には、ガスタービンは、空気を吸い込み、吸い込んだ空気を圧縮し、空気を燃料と混合し、空気-燃料混合物を燃焼器に分配し、そこで空気-燃料混合物の燃焼(点火によって引き起こされる)が高温加圧ガスを生成してタービンブレードを旋回させる。タービンブレードの旋回は、タービンブレードに(例えば、シャフトを介して)接続された発電機を駆動し、回転エネルギーを電気に変換する。
【0013】
工場、発電プラント、海洋石油プラットフォーム、または掘削リグなどの産業設備は、信頼性の高い電力供給レベルを維持するために並列構成で動作する複数のGTGを使用することができる。複数のGTGを使用するシステムはGTGを同期させることで、GTGが並列に動作している。同期の一部として、負荷共有は、フリート内のGTG全体に負荷を(例えば、比例的/均等に)分配および共有する。フリート内のGTGの少なくともいくつかは、集中コントローラ(マスタコントローラ)と通信する独立したコントローラを有し得る。マスタコントローラは、フリートの並列タスク(負荷共有を含む)を管理することができる。マスタコントローラが技術的/環境的問題(例えば、トラブルシューティング、メンテナンス、または異常気象事象)のためにオフラインであるとき、並列タスクは、オンサイトオペレータによって実行される手動操作(例えば、配電盤構成を使用する)、または利用可能であればバックアップ集中コントローラに切り替えられてもよい。しかしながら、手動操作またはバックアップ集中コントローラを使用すると、動作の複雑さが増し、効率の低下および/またはコストの増加をもたらす可能性がある。
【0014】
本明細書で説明される主題は、異なる負荷共有シナリオにおいてGTGのグループの安定した動作を維持するために使用され得る負荷共有モジュールに関する。GTGの1つまたは複数に位置する再利用可能で柔軟な負荷共有モジュールは、それぞれのGTGの制御モード(ドループモードまたはアイソクロナスモードなど)を選択するように構成される。制御モードは、相互接続データバスを介したグループ内のGTG間の通信を通じて共有されるステータスおよび/または他の関連情報に基づく。したがって、負荷共有などの並列タスクのための集中コントローラまたは階層制御システムは省略することができ、および/または集中コントローラとの通信が失敗したときに動作は継続することができる。追加的または代替的に、負荷設定点および他の動作優先度は、サードパーティコントローラによって設定されてもよい。
【0015】
ここで図面を参照すると、図1は、ガスタービンシステム10の一実施形態のブロック図である。一例として、ガスタービンシステム10は、複合サイクルシステムの一部であってもよく、かつ/または他のガスタービンシステム10と組み合わせ、1つまたは複数の負荷12に電力を供給してもよい。具体的には、ガスタービンシステム10は、一般に、圧縮空気と燃料15の混合物(例えば、天然ガス、軽質もしくは重質蒸留油、ナフサ、原油、残油、または合成ガス)を燃焼させることによって負荷12を駆動するように構成される。燃焼は、1つまたは複数の燃焼室を含むことができる燃焼器16内で実施される。空気14は、圧縮機20において吸気口に入り、濾過され、1つまたは複数の圧縮段を介して圧縮機20で圧縮される。
【0016】
燃焼器16内の燃焼プロセスを開始するために、空気14は、圧縮空気流18を通って圧縮機20に注入される。圧縮空気流18は、燃料15と混合される。燃料15と空気14の混合物を使用して、点火が発生し得る。点火は、ガスタービンシステム10に電力を供給する高温燃焼ガス26を発生する。より具体的には、高温燃焼ガス26は、シャフト30を介して負荷12を駆動する1つまたは複数の圧縮段を有するタービン28を通って流れる。例えば、燃焼ガス26は、(例えば、対流、膨張などを介して)原動力をタービン28内のタービンロータブレードに適用し、シャフト30を回転させることができる。例示的なプロセスでは、高温燃焼ガス26は、タービン28内のタービンブレードに、ガスタービンシステム10の軸に沿ってシャフト30を回転させることができる。図示のように、駆動シャフト30は、圧縮機20または負荷12を含むガスタービンシステム10の様々な構成要素に接続することができる。
【0017】
前述のように、駆動シャフト30は、タービン28を圧縮機20に接続してロータを形成することができる。圧縮機20は、駆動シャフト30に結合された圧縮機ブレードを含むことができる。したがって、タービン28内のタービンブレードの回転は、タービン28を圧縮機20に接続する駆動シャフト30に、圧縮機20内の圧縮機ブレードを回転させることができる。圧縮機20内の圧縮機ブレードのこの回転は、圧縮機20に空気14を圧縮させて圧縮空気流18を生成させる。前述のように、圧縮空気流18は次に燃焼器16に供給され、他の燃焼構成要素と混合される。シャフト30は、負荷12に加えて、またはその代わりに圧縮機20を駆動してもよい。一例として、負荷12は、GTGの発電機であってもよい。追加的または代替的に、負荷12は、とりわけ、プロペラ、変速機、または駆動システムを含んでもよい。
【0018】
タービン28が高温燃焼ガス26から仕事を抽出すると、排気ガス流32を排気セクション34に提供することができ、そこで排気ガス32を冷却またはさらに処理することができる。例えば、排気セクション34は、一酸化炭素(CO)触媒、NOx触媒、未燃焼炭化水素触媒、および/または任意の同様の金属系触媒(例えば、白金系触媒)を含む触媒セクション36を含み得る。例えば、図示の実施形態では、触媒セクション36は、排気ガス流32中のNOxガスを破壊するように構成されたNOx触媒、またはCO触媒を含むことができる。次いで、排気ガス流32は、排気セクション34から出ることができる。
【0019】
図示のように、ガスタービンシステム10は、コントローラ38を含む。コントローラ38は、本明細書に記載の技法を実装するのに有用なオペレーティングシステム、ソフトウェアアプリケーション、およびシステムなどをサポートするために集合的に使用され得る、1つまたは複数のプロセッサ66およびメモリ68を含み得る。特に、コントローラ38は、非一時的機械可読媒体(例えば、メモリ68)に記憶され、例えば、コントローラ38に含まれ得る1つまたは複数のプロセッサ66によって実行されるコードまたは命令を含み得る。プロセッサ66は、シャフト回転速度、シャフト30によって駆動される発電機内のガスタービンシステムによって生成された電力の周波数、生成された電力の電圧、1つまたは複数の負荷12からの需要、または他の適切なパラメータを含む、ガスタービンシステム10の様々な構成要素からの動作のパラメータを受信することができる(例えば、1つまたは複数のセンサを介して)。いくつかの実施形態では、一部のパラメータは直接測定され、他のパラメータは他の測定値から間接的に決定される。例えば、特定の実施形態では、コントローラ38は、アルゴリズムモデルまたはルックアップテーブル(例えば、メモリに記憶される)を利用して、様々なパラメータを導出することができる。様々なパラメータは、シャフト30の動作速度、または電気的パラメータを使用する接続されたGTGを含み得る。電気的パラメータは、発電機(例えば、負荷12)によって生成された電力の周波数または電圧を含むことができる。さらに、コントローラ38は、ガスタービンシステム10の様々な部分の動作を監視することができる。監視されたパラメータは、ガスタービンシステム10の1つまたは複数の態様の動作パラメータを制御する(例えば、調整する)ために使用されてもよい。
【0020】
図示のように、コントローラ38は、ガスタービンシステム10と同じ電力グリッド上に存在する他のオンライン発電システム(例えば、ガスタービン発電機)からの共有動作データ(例えば、オンライン/オフラインステータス、出力電力、周波数、または電圧など)を監視および分析することができる負荷共有(LS)モジュール39を含む。監視および分析に基づいて、負荷共有モジュール39は、ガスタービンシステム10および/または接続されたグリッドの安定した動作に寄与し得る適切な制御モード(例えば、ドループ速度制御モード)および/または適切な設定点(例えば、周波数または電圧)を決定することができる。次いで、負荷共有モジュール39は、コントローラ38に、ガスタービンシステム10の決定された制御モードおよび/または設定点を選択させることができる。
【0021】
コントローラ38は、複数の電力システム(例えば、ガスタービンシステムのセット)内の他の発電システムのコントローラから共有動作データを受信することができる。負荷共有モジュール39は、物理回路を含んでもよく、またはメモリ68に記憶され、コントローラ38のプロセッサ66上で実行される命令を使用して少なくとも部分的に具現化されてもよい。
【0022】
負荷共有は、電力グリッド上の複数の発電システム間の総負荷(例えば、キロワット(kW)またはキロボルト-アンペア反応性(KVAR))の比例分割として定義することができる。電力グリッドにサービスを提供するGTGのグループ間の相互通信(例えば、コントローラ38を介して)を通じて、オンラインGTG全体にわたって比例的に電力グリッドの負荷を分配および共有するための協調調整が行われ得る。例えば、電力グリッドの負荷が増加すると、オンラインGTGの少なくともいくつかは、負荷変化を受け入れるために等しい割合で電力出力を増加させることができる。例えば、GTGのグループは、電力を海洋掘削プラットフォームに提供するために並列に動作し得る。GTGのグループの1つがオフラインであるとき、他のオンラインGTGは、相互通信を通じてオフライン信号を受信し、コントローラに、オンラインGTG間の実現可能な新しい負荷分布を計算させ、計算された新しい負荷分布がグループ内のオンラインGTGの電力定格を超えない場合、比例的に電力出力を増加させることができる。追加的または代替的に、コントローラは、計算された新しい負荷分布がグループ内の1つまたは複数のオンラインGTGの電力定格を超える場合、負荷を共有するためにバックアップGTGを呼び出してもよい。
【0023】
負荷共有は、過負荷および/または安定性の問題を回避するために、複数の発電システムおよび様々な負荷を有する電力グリッドによって使用され得る。前述のように、複数の電力システム内のタスク(負荷共有など)について、負荷共有モジュール39は、集中コントローラがなくてもフリートメンバの各々からのデータを監視し、安定した動作に寄与する適切な方法を決定する。言い換えれば、本明細書に記載の制御機構は、分散制御システムを提供する。2つ以上の個々の発電システムのコントローラ(例えば、コントローラ38)は、他の発電システムから動作ステータスおよび他の関連情報を受信する。個々の発電システムのコントローラは、他の発電システムによって提供される情報に基づいて調整を行うことができる。そのような制御機構は、複数の電力システムの柔軟な動作を可能にする。例えば、1つまたは複数の発電システム(例えば、ガスタービンシステム10)の動作は、始動シーケンスまたはシャットダウンシーケンスの調整および/またはブレーカ動作の結合など、正常および/または異常条件下でのガスタービンまたは現場動作の特定の需要に適合するように調整することができる。
【0024】
再利用可能で柔軟なモジュールとして、負荷共有モジュール39は、ガスタービンシステム10の製造中にコントローラ38に予め設置されてもよく、またはレトロフィットキットおよび/もしくはソフトウェアアップデートとして既存の発電システム(例えば、複数の電力システムのためのバックアップガスタービンシステム)のコントローラに後設置されてもよい。1つまたは複数の実施形態では、負荷共有モジュール39の実施態様は、発電システムの任意のそれぞれのコントローラ38が本明細書で説明する技法を実施すること(例えば、ソフトウェアアップデートを用いて)を可能にする、発電システムに既に存在するもの以外の追加の計装を含まなくてもよい。
【0025】
分散発電システムは、以下の動作モード:スタンドアロン動作、電力系統への接続を伴う並列動作、およびアイランド動作(island operation)のうちの1つを使用することができる。各動作モードは、ガスタービン(例えば、ガスタービン燃料制御)および/または電力グリッド内の発電機(例えば、発電機励磁制御)の特定の制御に関連付けることができる。
【0026】
前述のことを念頭に置いて、図2は、複数のガスタービン発電機(GTG)およびそれぞれのGTGコントローラを含む電力グリッドシステム100を図示する。GTGの各々は、電力グリッド構成、負荷、電気スイッチ(またはブレーカ)状態などに応じて、特定のモード(スタンドアロン、並列、またはアイランド)で動作することができる。電力グリッドシステム100の構成では、特定の電気スイッチを開閉することにより、3つの動作モードすべてが可能である。
【0027】
図示のように、電力グリッドシステム100は、主グリッド160(例えば、電力系統)と、ローカルグリッド150と、発電機グリッド140とを含み得る。発電機グリッド140は、複数のGTG102、112、122、および132と、それぞれのGTGコントローラ104、114、124、および134とを含むことができる。任意の数(例えば、すべて)のGTGコントローラ104、114、124、および134は、図1で説明した負荷共有モジュール39を含むことができる。電力グリッドシステム100は、GTGコントローラ104、114、124、および134間の通信を処理するために使用される相互接続データバス170を含み得る。様々な電気スイッチ106、116、126、136、152、および162を使用して、電力グリッドシステム100の接続をトグルで切り替えることができる。
【0028】
スタンドアロン動作では、GTGは、他のGTGおよび/または主グリッド160と接続されない。例えば、図2に示すように、電気スイッチ152および106が閉じられ、スイッチ162、116、142、126、および136が開いているとき、GTG102はスタンドアロン動作で動作する。隔離された発電ユニットとして、GTG102は、電力をローカルグリッド150上の接続された負荷に供給する。
【0029】
1つまたは複数の実施形態では、単独で作動するGTGは、ローカルグリッド150がローカルグリッド150に割り当てられた1つまたは複数のGTGからの電力を失った場合の緊急GTGであり得る。例えば、上述の例では、GTG102は、GTGの割り当てられたグループ(例えば、GTG122および132)からの電力を失ったローカルグリッド150への電力の提供を開始することができる。スタンドアロン動作は、GTG102の出力を上昇/下降させるようにガスタービン燃料(例えば、図1の燃料15)供給を制御すること、GTG102の電圧出力を上昇/下降させるように励磁電流を制御すること、および他の電力管理関連手順(例えば、特定の制御モードに対してバス周波数および電圧を一定に保つ)などの特徴を含むことができる。スタンドアロン動作では、ローカルグリッド150上の総負荷がGTG102の出力電力を決定する。
【0030】
並列動作モードでは、GTG102、112、122、および132は、電力を主グリッド160およびローカルグリッド150に提供するために並列に動作する。いくつかの実施形態では、主グリッド160は、無限バスと考えることができる。例えば、図2に示すように、すべての電気スイッチ162、152、106、116、142、126、および136が閉じられると、GTG102、112、122、および132は並列動作に入る。並列に運転するGTG102、112、122、および132は、電力をローカルグリッド150および/または主グリッド160上の負荷に供給する。
【0031】
1つまたは複数の実施形態では、並列動作で作動するGTGは、発電プラント内のGTGの1つまたは複数のサブグループに編成することができる。例えば、上述の例では、GTG102および112はサブグループAを形成してもよく、GTG122および132は発電プラント内の別のサブグループBを形成してもよい。2つのサブグループは、電力をローカルグリッド150および主グリッド160に提供するために協働することができ、またはサブグループの少なくとも一方がオフライン(例えば、メンテナンスに起因して)であるときに作動することができる。並列動作は、GTG102、112、122、および132の有効電力を上昇/下降させるようにガスタービン燃料供給源を制御すること、GTG102、112、122、および132の無効電力を上昇/下降させるように励磁電流を制御すること、総発電プラント負荷とGTG出力電力との間の差を制御すること、ならびに他の電力管理関連手順(例えば、電力を一定に保つ)などの特徴を含むことができる。並列動作では、主グリッド160が周波数出力、電圧出力、および速度などの動作パラメータを決定する。
【0032】
アイランド動作では、GTG(例えば、GTG102、112、122、および132)は他のGTGと接続されるが、GTGは主グリッド160から分離される。例えば、図2に示すように、電気スイッチ162および136が開いており、他の電気スイッチ152、106、116、142、および126が閉じているとき、GTG102、112、および122はアイランド動作で動作する。並列に運転するGTG102、112、および122は、電力をローカルグリッド150上のすべての接続された負荷に供給する。
【0033】
1つまたは複数の実施形態では、アイランド動作で作動するGTGのグループは、電力を船舶、海洋掘削プラットフォーム、または砂漠の石油生産地などの隔離されたシステムに供給することができる。例えば、上述の例では、GTG102および112は、海洋掘削プラットフォーム上のすべての電気機器/機械/設備を含み得るローカルグリッド150に対する電力を提供するために、海洋掘削プラットフォーム上のローカル発電プラントにGTGのセットを形成することができる。少なくとも1つのGTG(例えば、GTG122)は、他のGTG(例えば、GTG102および112)の1つまたは複数がオフラインである場合にのみ緊急使用のためのバックアップGTGとして機能することができる。アイランド動作は、GTGの有効電力およびバス周波数を上昇/下降させるようにガスタービン燃料を制御すること、GTGの無効電力およびバス電圧を上昇/下降させるように励磁電流を制御すること、ならびに他の電力管理関連手順(例えば、動作中のGTG間で比例的または費用効率的に負荷を共有しながらバス周波数および電圧を一定に保つ)などの特徴を含むことができる。アイランド動作では、ローカルグリッド150上の総負荷は、動作中のGTGを使用して生成される電力の合計を決定することができる。
【0034】
動作中のGTG(並列動作またはアイランド動作のいずれか)のグループ間で情報を共有するために、相互接続データバス170は、GTGコントローラ104、114、124、および134を介してGTG102、112、122、および132間の通信を処理するために使用される。相互接続データバス170は、GTG102、112、122、および132のコントローラ38間で通信するための任意の適切な通信プロトコルを使用して、負荷共有に関係する情報を含む信号を搬送する複数のケーブル/ワイヤ(同軸信号ケーブル、イーサネットケーブルなど)および/または無線接続を含むことができる。負荷共有情報は、それぞれのGTGまたはGTGコントローラIDの識別情報、それぞれのGTGのオンライン/オフライン動作ステータス情報、それぞれのGTGの電力出力情報、GTG構成情報(例えば、最大電力出力)などを含むことができる。相互接続データバス170は、GTGコントローラ104、114、124、および134を介してGTG102、112、122、および132がステータスおよび関連情報を他のものと共有するための通信用の共通ハイウェイとして機能する。
【0035】
GTG102、112、122、および132の各々のコントローラ38は、相互接続データバス170から送信された信号を受信し、メモリ68に受信した情報を記憶するために、1つまたは複数のプロセッサ66を使用することができる。GTGのコントローラ38は、負荷共有モジュール39を使用して同じグリッド上の他のオンラインGTGからの動作データを監視および分析し、グリッド全体の安定した動作に寄与し得る制御モード(例えば、ドループモード、またはアイソクロナスモード)を決定し得る。次いで、負荷共有モジュール39は、コントローラ38に、特定のGTGの決定された制御モードを選択させることができる。さらに、新しい制御モードまたは新しい設定点が特定のGTGに適用された後、コントローラ38は、負荷共有モジュール39を使用して他のGTGからの動作データを監視し、動作中のGTGのグループの性能を評価/検証することができる。
【0036】
電力グリッドシステム100上の発電システムの各動作モード(例えば、スタンドアロン、並列、またはアイランド)は、電力グリッド100内のGTGのグループのための特定の制御モードに関連付けることができる。前述したように、制御機構においてスタンドアロン負荷共有モジュール39を使用することにより、GTGのグループの柔軟な動作が可能になる。柔軟な動作は、GTGのドループ速度制御モード、GTGのアイソクロナス速度制御モード、ならびに/または、GTGおよび/もしくは電力グリッド100に結合するまたはそこから分離する他の関連ユニットなど、異なるアイランドトポロジおよび事象遷移に対応するための他の電力制御方法を含むことができる。GTGのグループの電力および速度を制御することは、GTGのグループの電力需要、利用可能なGTGの数、特定のトポロジでの並列もしくはアイランド動作、ならびに/または特に過渡的な条件および孤立事象中の他の関連情報に基づく協調努力に依存する。協調がなければ、並列に動作する複数のGTGは、例えば、速度超過、速度基準の喪失、不規則な電力変動などの不安定な動作を受ける可能性がある。このような不安定な動作は、予期しない停電を引き起こし、かつ/または電力グリッド100上のGTGもしくはユニットに損傷を与える可能性がある。
【0037】
図3は、図2の複数のGTGによって使用され得るアイソクロナス速度制御モードについての有効電力202対周波数204をプロットしたグラフである。交流(AC)発電機(GTGを含む)の場合、周波数(Hz)は、速度(RPM)に直接関係する。図示のように、アイソクロナス速度制御モードでは、GTGの周波数線220は、負荷が適用または拒否された後に元の設定点線210(例えば、50Hz)に戻る。
【0038】
アイソクロナス速度制御モードは、GTGがスタンドアロン動作にあるとき、またはGTGが複数のGTG(例えば、アイランド動作)における最大(電力)ユニットであるときに使用することができる。アイソクロナス速度制御モードでは、原動機(例えば、ガスタービンシステム10内のガスタービン28)によって生成されるエネルギーは、負荷の変化に応じて厳密に調節される。例えば、瞬間的な負荷の増加(例えば、新しい負荷が既存の電力グリッドに追加された場合)は、過渡的な周波数の減少を引き起こす可能性があるが、アイソクロナス速度制御モードでは原動機のエネルギーが迅速に調節されるため、周波数は設定点のままであるか、または設定点に迅速に戻る。同様に、瞬間的な負荷の減少(例えば、既存の負荷が既存の電力グリッドから除去される場合)は、過渡的な周波数の増加を引き起こす可能性があるが、アイソクロナス速度制御モードでは原動機のエネルギーが迅速に調節されるため、周波数は設定点に維持されるか、または設定点に迅速に戻される。
【0039】
言い換えれば、アイソクロナス速度制御モードでは、GTGは負荷の変化にかかわらず比較的一定の速度を維持する。アイソクロナス速度制御モードの複数のGTGが同じグリッド上で動作しており、負荷が頻繁に変化するとき、特定の問題(不安定性など)が発生する場合がある。例えば、図2では、電気スイッチ162、152、106、および116が閉じられると、GTG102および112は、電力を主グリッド160に並列に提供する。主グリッド160は、GTG102または112によって生成された電力の周波数および電圧を決定することができる。速度設定点がわずかに低いとき、コントローラ38は、原動機(例えば、ガスタービン28)の調速機に、ガスタービン燃料供給源(例えば、燃料15)を調整させて速度を低下させることができる。同様に、速度設定点がわずかに高いとき、コントローラ38は、原動機の調速機に、ガスタービン燃料供給源を少なくとも部分的に開かせて速度を上昇させることができる。したがって、電力グリッドは、負荷が頻繁に変化するため、比較的小さいが頻繁な周波数変動を経験する可能性がある。
【0040】
複数のGTGが並列に動作しているとき、ドループ速度制御モードを使用して、負荷の変化に伴う周波数変動などの問題を回避することができる。図4は、図2の複数のGTGによって使用され得るドループ速度制御モードについての有効電力202対周波数204をプロットしたグラフである。図示のように、ドループ速度制御モードでは、GTGが無負荷(0%)から全負荷(100%)に負荷されると、GTGの周波数線220は一定の割合だけ減少する。一定の割合(例えば、4%)は、電力グリッド構成および電力グリッドに割り当てられたGTGの電力定格に基づいて予め決定することができる。オペレータまたは電力管理システムは、動作パラメータに応じて速度設定点を調整し得る。ドループ速度制御モードは、主グリッド160に関連する並列動作の場合、各負荷に対して安定した作動点を提供することができる。
【0041】
ドループ速度制御モードは、線周波数が増加するにつれてGTGの電力出力を低減するためにAC電力発電機によって使用され得る。ドループ速度制御は、電力グリッド(例えば、電力グリッド100)に接続された同期GTG(例えば、GTG102、112、122、または132)を駆動する原動機(例えば、ガスタービン28)の調速機を使用して実施することができる。これは、グリッド周波数に従って原動機によって発生される電力の速度を制御することによって作動する。ドループ速度制御モードは、同期GTGが並列に運転することを可能にし、その結果、同じまたは同様のドループ線または曲線を有するGTG間で負荷を共有することができる。さらに、電力グリッド上のGTGのグループによって使用されるドループ曲線は、非線形であってもよく、または互いに異なっていてもよい。例えば、ドループ曲線は、それらの電力定格に比例してオペレータによって調整することができる。ドループ速度制御モードは周波数の変化に対応するため、負荷をそれらの電力に比例して分割することによって複数のGTGがタンデムに作動することを可能にする。ドループ速度制御モードは、複数のGTGを有する電力グリッド上で用いられるとき、および/または電力変動の程度が大きい負荷を扱うときに適切であり得る。
【0042】
図5は、電力グリッドシステム100内のGTGがオンラインまたはオフラインにされたときの図2の電力グリッドシステム100に対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。例えば、図2では、電気スイッチ162および136が開いており、電気スイッチ152、106、116、142、および126が閉じているとき、GTG102、GTG112、およびGTG122は並列にローカルグリッド150にサービスを提供する。ローカルグリッド150は、総負荷(例えば、600kW)を有し、GTG102、GTG112、およびGTG122は、電力定格(例えば、それぞれ400kW、200kW、および200kW)を有することができる。ローカルグリッド150の総負荷は、GTG102、GTG112、およびGTG122(例えば、400+200+200=800kW)から組み合わされた総電力定格の割合(例えば、75%)である。前述したように、負荷分散動作を達成するために、GTG102、GTG112、およびGTG122の電力出力は、それぞれの出力(例えば、300kW、150kW、および150kW)に設定され得る。言い換えれば、GTG102、GTG112、およびGTG122は、負荷分散に達するために同じ割合(75%)の負荷に駆動され得る。(負荷共有モジュール39を有する)GTGコントローラ104は、GTG102(300kW)で生成された電力を決定することができる(ブロック402)。GTGコントローラ104は、生成された電力をGTGコントローラ114およびGTGコントローラ124などの他のGTGコントローラにパブリッシュすることができる(ブロック404)。パブリッシュは、相互接続データバス170を通じて行われる。GTGコントローラ114およびGTGコントローラ124は、それぞれGTG112およびGTG122で生成された電力を決定し(例えば、150kWおよび150kW)、相互接続データバス170を介して生成された電力をパブリッシュすることができる。GTGコントローラ104は、GTG112およびGTG122などの他のGTGによって生成された電力を取り出すことができる(ブロック406)。GTGコントローラ104は、オンライン/オフラインGTGの指示が受信されたかどうかを決定する(ブロック408)。例えば、指示は、他のコントローラに対応するGTGがオフラインになるか、またはオフラインになったことを示す、他のコントローラからの信号であってもよい。追加的または代替的に、指示は、閾値持続時間よりも長い期間にわたって他のコントローラから通信を受信しないこと、および/またはGTGがオフラインになったことを示す量だけ生成される電力を低下させることを含んでもよい。指示が受信されない場合、GTGコントローラ104は、ブロック402において負荷共有プロセスを再開する。
【0043】
特定の瞬間において、GTG(例えば、GTG122)がそれぞれの電気スイッチ(例えば、電気スイッチ126)を開くことによってオフラインにされた場合、GTGコントローラ104および/またはGTGコントローラ114は、オフラインGTGの指示を受信する。残りのGTG(例えば、GTG102および112)が総負荷(例えば、600kW)を有するローカルグリッド150の電力需要を満たすことができる場合、GTGコントローラ104およびGTGコントローラ114は、生成される新しい電力レベルを決定することができる(ブロック410)。例えば、GTGコントローラ104およびGTGコントローラ114は、それぞれGTG102およびGTG112で生成された電力を決定し得る(例えば、400kWおよび200kW)。GTG102およびGTG112は、それぞれGTGコントローラ104およびGTGコントローラ114から命令を受信し、オフラインGTG122による電力供給損失を補償するために電力出力を増加させることができる。命令は、GTG102およびGTG112に新しい電力レベルを出力させることができる(ブロック412)。例えば、GTG102およびGTG112は、ローカルグリッド150の電力需要を満たすために、新しい電力レベル(例えば、400kWおよび200kW)で動作することができる。残りのGTG(例えば、GTG102および112)が総負荷(例えば、700kW)を有するローカルグリッド150の電力需要を満たすことができない場合、GTGコントローラ104およびGTGコントローラ114は、ローカルグリッド150上の総負荷が残りのGTGの総容量を超えているため、GTG102およびGTG112にオフラインになるように指示することができる。
【0044】
図6は、電気スイッチが状態を変化させたときの図2の電力グリッドシステム100に対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。例えば、状態変化の事象(オフからオン状態へ、またはその逆)は、GTGが配電盤を介してオペレータによる操作からオンラインまたはオフラインにされたとき、または電気スイッチを流れる過剰な電気のために電気スイッチがトリップされたときに発生し得る。電気スイッチの状態変化事象は、電気スイッチが設置されている電力グリッドシステム100内の電力管理システムに報告することができる。電力管理システムは、パブリッシュされた事象を電力管理システムから直接受信するか、または相互通信(例えば、相互接続データバス170を使用する)を介して他の電力ユニットからパブリッシュされた事象に関係する共有情報を受信するための通信デバイス(例えば、GTGコントローラ104、114、124、および134)を備えた関連する電力ユニット(例えば、図2のGTG102、112、122、および132)に対して電気スイッチの状態変化事象をパブリッシュすることができる。
【0045】
図6の最初の3つのブロック402、404、および406は、図5と同じである。前述の例を使用すると、図2の電気スイッチ162および136が開いており、電気スイッチ152、106、116、142、および126が閉じているとき、GTG102、GTG112、およびGTG122は並列にローカルグリッド150にサービスを提供する。GTG102は、生成された電力を決定し(ブロック402)、生成された電力を他のGTGコントローラにパブリッシュし(ブロック404)、他のGTGによって生成された電力を取り出すことができる(ブロック406)。電気スイッチ(例えば、電気スイッチ162)が閉じられると、動作モードが変化し得る。GTGコントローラ104は、状態変化事象が発生したかどうかを決定することができる(ブロック508)。GTGコントローラ104は、状態変化が変更を行うための動作におけるモードの変化に対応するかどうかを決定することができる(ブロック510)。例えば、電力グリッド構成の変化は、モード間の変化(例えば、アイソクロナスモード対ドループモード)に対応することができる。例えば、スイッチ162が閉じられる前に、GTG102は、GTG112およびGTG122などの他のGTGでローカルグリッド150に接続され、隔離されたシステムを形成している。前述したように、隔離されたシステムでは、GTG102、GTG112、およびGTG122は、電力をローカルグリッド150上のすべての接続された負荷に供給するためにアイランド動作で作動する。したがって、GTG102は、ローカルグリッド150(例えば、近くの電力系統から隔離された油田)上の負荷変化にかかわらず一定の速度(周波数)を維持するためにアイソクロナス速度制御モードで動作するように選択することができる。
【0046】
主グリッド160に接続した後、GTGコントローラ104は、GTG102の速度制御モードを切り替えるかどうかの関連情報を監視および分析することができる。関連情報は、主グリッド160の周波数および電圧、主グリッド160および/またはローカルグリッド150で変化する負荷、GTG112およびGTG122を含む他のオンラインGTGによって生成された電力などを含み得る。前述のように、GTGが主グリッド160と並列動作しており、負荷が頻繁に変化するとき、アイソクロナス速度制御モードのGTGは負荷の変化にかかわらず一定の速度を維持する傾向があるため、アイソクロナス速度制御モードでの作動を継続すると不安定性の問題が発生する可能性がある。監視および分析に基づいて、負荷共有モジュール39は、主グリッド160の安定した動作に寄与する新しい適切な制御モードを決定することができる。負荷共有モジュール39は、GTGコントローラ104にGTG102のモードを切り替えさせることができる(ブロック512)。例えば、GTG102の制御モードは、以前のアイソクロナス速度制御モードからドループ速度制御モードに切り替えることができ、その結果、速度は前述したように一定の割合だけ減少する。
【0047】
負荷共有モジュール39が変更が行われないと決定した場合(ブロック510)、負荷共有モジュール39は、(主グリッド160および/またはローカルグリッド150上の)負荷、および他のGTG(例えば、GTG112および122)からの電力出力に基づいて新しい電力レベルを決定することができる(ブロック514)。負荷共有モジュール39は、GTGコントローラ104に、電力グリッドの負荷変化および/またはGTGに対する電力出力変化に対応するために、GTG102の設定点を新しい電力レベルで出力するように変更させることができる(ブロック515)。
【0048】
図7は、潜在的なシャットダウン状況が発生し得るときの図2の電力グリッドシステム100に対する負荷共有プロセスを図示するフローチャートである。前述したように、図2の電力グリッドシステム100では、GTG102およびGTG112はサブグループAを形成してもよく、GTG122およびGTG132はサブグループBを形成してもよい。サブグループの各々、および/または電力グリッドシステム100は、協調動作を実施することができる。GTG102、112、122、および132は、ローカルグリッド150および/または主グリッド160の需要を満たすための電力を提供することができる。
【0049】
特定の瞬間において、GTGがオフラインになるように電気スイッチ(例えば、電気スイッチ126)がトリップされる。サブグループまたは電力グリッドシステム100内の残りのGTGは、オフラインGTGによる電力供給損失を補償するために電力出力を増加させる命令を受信することができる。命令は、残りのGTGを、それらの電力定格(例えば、200kW)を超えるが最大電力(例えば、220kW)の制限内の需要を満たすように残すことができる。しかしながら、残りのGTGは、一定時間の間、最大電力の閾値(例えば、最大電力の95%)内で動作することが推奨されない場合がある。それぞれのGTGコントローラ(例えば、GTGコントローラ104)は、別のGTG(例えば、GTG132)が最大電力の許容できない/望ましくない閾値内にあるという指示を受信することができる(ブロック602)。指示はまた、他のGTGが一定時間後にオフラインになることを示すことができる。さらに、GTGコントローラは、ローカルグリッド150上の総負荷(例えば、630kW)が残りのGTG(例えば、GTG102および112)の総容量を超えているため、さらに別のGTG(GTG102)がシャットダウンされるというコマンドを受信することができる(ブロック604)。他のGTGが最大電力の閾値内にあるという指示および他の関連情報を分析するために負荷共有モジュール39を使用することによって、GTGコントローラ104は、他のGTG(GTG132)以外のオンラインGTGの電力出力を増加させることを決定し得る(例えば、電力定格が70%から78.75%)。したがって、他のGTGコントローラ(GTGコントローラ134)は、予測されるオフライン状況が発生しないように、電力出力を減少させることを決定することができる(例えば、電力定格が105%から78.75%)。さらに、GTGコントローラ104は、変化に少なくとも部分的に基づいてGTG102のシャットダウンを防止することができる(ブロック606)。例えば、相互接続データバス170を介した電力生産調整に起因して、メンテナンスが遅延される場合があり、および/またはシャットダウン条件が変化する場合がある。GTGコントローラ104は、警告を生成し、GTG102のシャットダウンが防止され得ることを示す警告をオペレータに送信することができる。
【0050】
本開示に記載された技術は、様々な発電システム(ガスタービン発電機、蒸気タービン発電機、水力タービン発電機など)に適用可能であり得る。負荷共有モジュールは、アイソクロナスモードでの負荷共有、分離可能なアイランドを含み得るアイランド上での負荷共有、頻繁な負荷変化が発生したときの並列モードでの負荷共有など、異なる負荷共有シナリオのための解決策を提供する。マスタコントローラ(集中コントローラ)が実装されておらず、GTGコントローラ(負荷共有モジュールを備えている)が他の発電機によって提供された情報に基づいて安定した動作に寄与する適切な方法(例えば、速度制御モード)を決定することができるため、独立した動作が達成され得る。負荷共有モジュールは、発電機のセットの柔軟な動作を可能にし、これは正常または異常条件における現場動作の特定の必要性に適合するように調整することができる。例えば、GTGコントローラが他のGTGコントローラからの通信を失うと、GTGコントローラは、対応するGTGが現在動作しているモードを維持するように対応するGTGに指示することができる。追加的または代替的に、負荷設定点および他の動作優先度(例えば、動作モード)は、サードパーティコントローラなどの適切なデバイスを介して顧客によって設定されてもよい。
【0051】
本明細書は、最良の態様を含む本発明を開示するため、およびどのような当業者にも、任意のデバイスまたはシステムの作製および使用ならびに任意の組み込まれた方法の実施を含む本発明の実践を可能にするために、実施例を使用している。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到する他の実施例を含むことができる。そのような他の実施例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構造要素を有する場合、または特許請求の範囲の文言との実質的な差異を有さない等価な構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にあることを意図している。
【符号の説明】
【0052】
10 ガスタービンシステム
12 負荷
14 空気
15 燃料
16 燃焼器
18 圧縮空気流
20 圧縮機
26 高温燃焼ガス
28 ガスタービン
30 駆動シャフト
32 排気ガス流、排気ガス
34 排気セクション
36 触媒セクション
38 コントローラ
39 スタンドアロン負荷共有(LS)モジュール
66 プロセッサ
68 メモリ
100 電力グリッドシステム、電力グリッド
102 ガスタービン発電機(GTG)
104 GTGコントローラ
106 電気スイッチ
112 GTG
114 GTGコントローラ
116 電気スイッチ
122 GTG
124 GTGコントローラ
126 電気スイッチ
132 GTG
134 GTGコントローラ
136 電気スイッチ
140 発電機グリッド
142 電気スイッチ
150 ローカルグリッド
152 電気スイッチ
160 主グリッド
162 電気スイッチ
170 相互接続データバス
202 有効電力
204 周波数
210 設定点線
220 周波数線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】