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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042500
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】折り畳み式ベッド
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/12 20060101AFI20220307BHJP
【FI】
A47C19/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021141858
(22)【出願日】2021-08-31
(31)【優先権主張番号】P 2020147400
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】501350523
【氏名又は名称】株式会社 フクオカ
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】永田 裕之
(57)【要約】
【課題】折り畳み式ベッドの組み立て及び利用に際する利便性を向上する。
【解決手段】折り畳み式ベッドは、出荷や組み立てのしやすさにおける観点、及び感染症の原因となるウイルスの残存しにくさの観点から、ダンボール等の素材で構成される。折り畳み式は、その使用前後の保管時における省スペース化、組み立て手順の簡素化、組み立て時間の短時間化、及び寝台としての使用時における快適さの夫々を満足できるよう、台座や天板等の構造、また夫々の高さ、横、奥行きの寸法が調整されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一形状の第1板状部位と第2板状部位が、夫々の一方の縁部において近接するように配置され、当該第1板状部位と当該第2板状部位の夫々の他方の縁部に、接地面と所定距離だけ垂直方向に離間させるための脚部が配置されて構成される部位を第1ユニットとして、N個の前記第1ユニットが配置される天板部と、
複数の仕切りが連結される複数のスリーブを有し、前記天板部の前記第1ユニットと前記接地面との間に配置される部位を第2ユニットとして、前記N個の前記第2ユニットから構成される台座部と、
を備え、
前記天板部の前記第1ユニットは、前記第1板状部位と前記第2板状部位の夫々の前記一方の縁部を軸として、当該第1板状部位と当該第2板状部位とが対向するように折り畳み可能とされており、
前記台座部の前記第2ユニットは、前記第1板状部位と前記第2板状部位の夫々の前記他方の縁部側から所定の押力を与えることで、蛇腹状に折り畳み可能とされている、
折り畳み式ベッド。
【請求項2】
前記天板部の前記第1ユニットと前記接地面との間に配置される収納用の箱状の部位を第3ユニットとして、前記N個の前記第3ユニットから構成される引き出し部
をさらに備える請求項1に記載の折り畳み式ベッド。
【請求項3】
前記第1ユニットの前記第1板状部位及び前記第2板状部位は、ハニカムを内蔵している、
請求項1又は2に記載の折り畳み式ベッド。
【請求項4】
前記台座部の前記第2ユニットは、前記第1板状部位と前記第2板状部位の夫々の前記他方の縁部側における夫々の前記脚部に固着されており、
前記第1ユニットと前記第2ユニットとは、一体として折り畳み可能とされている、
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載の折り畳み式ベッド。
【請求項5】
前記天板部と前記台座部は、段ボールを材料として含み、
前記複数の仕切りの夫々の前記段ボールの目は逆目になっている、
請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の折り畳み式ベッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、折り畳み式ベッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、自然災害発生時の避難所等において、折り畳めて持ち運べる、段ボール製簡易ベッドの構造に関する技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-69276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術のみでは、ユーザの要望に十分に応えることができていたとは言えなかった。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、折り畳み式ベッドの製造からユーザへの配送、ユーザによる組み立て、及び利用に際する利便性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の折り畳み式ベッドは、
同一形状の第1板状部位と第2板状部位が、夫々の一方の縁部において近接するように配置され、当該第1板状部位と当該第2板状部位の夫々の他方の縁部に、接地面と所定距離だけ垂直方向に離間させるための脚部が配置されて構成される部位を第1ユニットとして、N個の前記第1ユニットが配置される天板部と、
複数の仕切りが連結される複数のスリーブを有し、前記天板部の前記第1ユニットと前記接地面との間に配置される部位を第2ユニットとして、前記N個の前記第2ユニットから構成される台座部と、
を備え、
前記天板部の前記第1ユニットは、前記第1板状部位と前記第2板状部位の夫々の前記一方の縁部を軸として、当該第1板状部位と当該第2板状部位とが対向するように折り畳み可能とされており、
前記台座部の前記第2ユニットは、前記第1板状部位と前記第2板状部位の夫々の前記他方の縁部側から所定の押力を与えることで、蛇腹状に折り畳み可能とされている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、折り畳み式ベッドの製造からユーザへの配送、ユーザによる組み立て、及び利用に際する利便性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一つの実施の形態の折り畳み式ベッドを示す斜視図である。
図2】天板部を製造する手順を示す図である。
図3】台座ユニットを製造する手順を示す図である。
図4】引き出しユニットを示す展開図である。
図5】複数のユニットを結合する手順を示す図である。
図6】梱包ユニットを示す図である。
図7】引き出しユニットの組み立て方法を示す図である。
図8】ベッド本体ユニットの組み立て方法を示す図である。
図9】折り畳み式ベッドの完成状態を示す図である。
図10】天板ユニットの変形例(1/2サイズ)を示す図である。
図11】天板ユニットの変形例(3/2サイズ)を示す図である。
図12】罫線入りのパットを使用した天板ユニットの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
まず、図1を参照して本発明の一つの実施の形態の折り畳み式ベッドの構成を説明する。図1は、本発明の一つの実施の形態の折り畳み式ベッドを示す斜視図である。
【0010】
実施形態の折り畳み式ベッドは、原材料が段ボールであり、リサイクル可能である。この折り畳み式ベッドは、例えば外径の長さL1、幅W1が共に950mm等の天板ユニット1を第1ユニットとして、N個の第1ユニットを連結して構成されている。
この例のようにシングルサイズのベッドを構成する場合は2個の天板ユニット1を連結する。
天板ユニット1の両縁部には、接地面と天板ユニット1とを所定距離だけ垂直方向に離隔させるための脚部23a,23bが配置されている。
天板ユニット1は、同一形状の板状部位11aと板状部位11bとを有する。これらの板状部位11aと板状部位11bは、夫々の一方の縁部21a,21bにおいて近接するように配置されている。
【0011】
板状部位11aと板状部位11bの夫々の他方の縁部22a,22bには、脚部23a,23bが配置されており、脚部23aと脚部23bの間には、第2ユニットとしての台座ユニット30と、第3ユニットとしての引き出しユニット41とが配置される。
【0012】
ベッドを組み立てた状態では、台座ユニット30は、天板ユニット1を支持するように長手方向いっぱいに配置され、幅方向に引き出しユニット41の収容スペースを空けて配置される。収容スペースは、長さL2が930mm、幅W2が320mm、高さH2が244mmである。
引き出しユニット41は、例えば有効内寸の長さL3が450mm、幅W3が309mm、高さH3が225mmであり、台座ユニット30よりも高さが低く、ベッド側方から収容スペースへの挿脱が自在とされている。
【0013】
台座ユニット30は、複数の仕切り32が連結される複数のスリーブ31を有している。この台座ユニット30は、1個を第2ユニットとして、N個の第2ユニットにより構成されている。この例では、1個の台座ユニット30が天板ユニット1(第1ユニット)と接地面との間に配置される。
【0014】
天板ユニット1(第1ユニット)は、板状部位11aと板状部位11bの夫々の一方の縁部を軸として、当該板状部位11aと当該板状部位11bとが対向するように折り畳み可能とされている。
台座ユニット30(第2ユニット)は、板状部位11aと板状部位11bの夫々の他方の縁部側から所定の押力を与えることで、蛇腹状に折り畳み可能とされている。
台座ユニット30は、複数個のスリーブ31を長手方向の面を近接させて配置した状態で、複数個のスリーブ31に夫々設けたスリット33に、仕切り32のスリット34を差し込むことで、複数個のスリーブ31を仕切り32で連結させている。スリーブ31は、長方形の筒体(角筒)である。
即ち、天板ユニット1と台座ユニット30は、段ボールを材料として含み、複数の仕切り32の夫々の段ボールの目は横目であり、スリーブ31の段ボールの目は縦目であり、仕切り32に対してスリーブ31の段ボールの目は逆目になっている。
これにより、台座ユニット30は、伸縮可能な構造とされ、さらにその段ボールの目が縦目であるため、天板ユニット1からかかる荷重を支えることができる。
スリーブ31を連結させる仕切り32は、スリーブ31の垂直方向の目の向き(縦目)とは異なる目(横目)にして収縮し易くしている。このように連結するものどうしの目の向きを異ならせることで、折れにくく、動かし易くなる。
即ち、スリーブ31の目を縦方向にし、仕切り32の目の方向を逆方向(横目)にすることで、天板ユニット1からの押力を支持する強度を維持しつつ蛇腹のように折り畳むときの伸縮性をアップすることができる。
【0015】
引き出しユニット41(第3ユニット)は、脚部23aと脚部23bの間の、台座ユニット30の手前側の位置に、側方より挿脱自在に配置されている。シングルサイズの場合、天板ユニット1の下には4つの引き出しユニット41が配置される。4つの引き出しユニット41はいずれも同サイズである。
【0016】
この実施形態の折り畳み式ベッドによれば、段ボールを素材とし、天板ユニット1と、台座ユニット30と、引き出しユニット41とから構成される折り畳み式ベッドとしたことで、製造時は、複数のユニットを折り畳んでコンパクトに梱包し、保管及びユーザへ発送(搬送)することができる。
【0017】
続いて、図2乃至図6を参照して実施形態の折り畳み式ベッドの組み立て方法を説明する。まず、図2を参照して天板部(第1ユニット)を製造する手順を説明する。図2は、天板部(第1ユニット)を製造する手順を示す図である。
【0018】
図2(a)に示すように、天板あんこ51を、白のりを内面に塗布した天板あんこ(H)52で挟み、あんこ53を作成する。天板あんこ51には、例えばハニカムを使用する。ハニカムとは、正六角形又は正六角柱を隙間なく並べた構造をいう。このようにハニカムを天板あんこ51に使用することで段ボールシートを重ね合わせるよりも軽量で丈夫な構造にすることができる。
続いて、図2(b)に示すように、作成したあんこ53を天板54の上に配置し、折しろ54aを矢印A方向に折り込んで、あんこ53の面にホットメルト55(白のり)を塗布して折しろ54aをあんこ53の面に押し当てて互いを固定する。これにより、図2(C)のハーフユニット56を作成する。
【0019】
次に、図2(c)のハーフユニット56を2つ作成し、作成した2つのハーフユニット56を、互いの側面57が対向するように並べて配置し、両端の折しろ54aの間のあんこ53の上面にのり付けした後、天板連結板58をあんこ53の上面に重ねるように押し当てることで、2つのハーフユニット56を天板連結板58で連結及び固定する。
この際、天板連結板58の折線Bを、2つのハーフユニット56の境界線Cに合わせるようにする。これにより、図2(d)に示すように、シングルサイズのベッドの半分の幅の天板ユニット1(第1ユニット)が完成する。
天板ユニット1は、山なりに曲がることで、収縮しコンパクトに畳むことができる。下記の台座ユニットの伸縮と連動させこることで、容易に組み立てたり、畳んだりすることができる。
【0020】
次に、図3を参照して台座ユニット(第2ユニット)を製造する手順を説明する。
図3は、台座ユニット(第2ユニット)を製造する手順を示す図である。
この場合、図3(a)に示すように、複数個のスリーブ31を長手方向の面を近接させて配置した状態で、複数個のスリーブ31に夫々設けたスリット33に、仕切り32のスリット34を差し込むことで、図3(b)に示すように、複数個のスリーブ31を仕切り32で連結させ、さらに両端のスリーブ31からはみ出した仕切り32の部分を折り曲げて内側にのり付けしてスリーブ31の側面に貼り付ける。これにより、台座ユニット30を作成する。
この際、複数の仕切り32の部分のうち、外側に近いものを矢印D方向(外向き)に折り曲げてスリーブ31の側面に貼り付ける。
最後に、図3(c)のように、両側から矢印E方向の押圧力でスリーブ31を押し潰すことで、スリーブ31を蛇腹状に折り畳む。複数の仕切り32の部分を外向きに折り曲げておくことで、スリーブ31が蛇腹状に折り畳まれるのをサポートすることができる。
【0021】
次に、図4を参照して引き出しユニット(第3ユニット)を説明する。
図4は、引き出しユニット(第3ユニット)を示す展開図である。
図4に示すように、引き出しユニット41の搬送形態は、開いたときに箱形になるように型抜きした段ボールの側面を貼り合わせたものである。なお、開放時の形状変化については図7で説明する。
【0022】
次に、図5を参照して複数のユニットを1つに結合する手順を説明する。
図5は、複数のユニットを結合する手順を示す図である。
図2(c)において作成した複数のユニット(例えば台座ユニット30と天板ユニット1)を1つに結合する場合、図5(a)に示すように、天板ユニット1の一方の脚部23aの面(内面)にホットメルトを塗布した状態で、貼り付け位置に注意して、折り畳んだ台座ユニット30を天板ユニット1の脚部23aの端に配置して貼り付ける。
【0023】
そして、台座ユニット30の外側の面62(図5(a)では上面)にホットメルトを塗布し、図5(b)に示すように、天板ユニット1を半折りして脚部23a、23bの間に台座ユニット30を固着する。
即ち、図5(b)に示すように、天板ユニット1の境界線Cより天板ユニット1を2つに折り畳むことで、脚部23aと脚部23bとの間に台座ユニット30を挟んでかつホットメルトで固着した状態の結合ユニット61を作製する。
【0024】
シングルベッドを構成する場合は、天板ユニット1と台座ユニット30で構成される結合ユニット61を2つ用意する。
用意した2つの結合ユニット61のうち、図5(b)に示すように、一方の結合ユニット61の脚部23bの外側の面63に白のりを塗布し、図5(c)に示すように、他方の結合ユニット61を重ね合わせつつ重しを掛けることで完全に貼り合わせることで、ベッド本体ユニット64を作製する。
【0025】
次に、図6を参照して、梱包ユニットを説明する。
図6は、梱包ユニットを示す図である。
図6(a)に示すように、梱包ユニット65は、図5(c)で作製したベッド本体ユニット64と、図4に示した引き出しユニット41と底板43の4セットと、これらを収納する発送ケース66(梱包用の段ボール箱)と、断面コ字状の底板67(以下「コの字パット67」と呼ぶ)と、を備える。
発送ケース66は、底部が開口された半A式段ボール箱である。コの字パット67は、ベッド本体ユニット64の底部を挟むように装着する。そして、ベッド本体ユニット64の上から発送ケース66を被せた上で、梱包バンド68で留めることで、ベッド本体ユニット64を梱包する。
具体的には、まず、梱包物(ベッド本体ユニット64、引き出しユニット41と、底板43等)を2本の罫線を入れたコの字パット67で挟み込む。
その上から、底部が開口された発送ケース66を被せ、図6(b)のように、梱包バンド68で縛り上げて梱包ユニット全体を固定する。
これにより、配送先において、梱包ユニットを開梱する際に、梱包ユニットの梱包バンド68を外して、発送ケース66を引き上げるだけで、ベッド本体ユニット64が立った状態で露出するので、組み立て時間を短縮することができる。
【0026】
以下、図7乃至図9を参照してユーザ側での折り畳み式ベッドの組み立て方法を説明する。
まず、図7を参照して、引き出しユニットの組み立て方法を説明する。
図7は、引き出しユニットの組み立て方法を示す図である。
図6(b)に示した発送ケース66がユーザの家等に到着すると、図6(a)に示したように、発送ケース66から、ベッド本体ユニット64と、引き出しユニット41及び底板43の4セットを取り出す。
発送ケース66から取り出したもののうち、引き出しユニット41は、図7(a)のように、折り畳まれた状態から、段ボールどうしの合わせ目を左右に開くことで、ワンタッチで底面ができると共に、図7(b)のように箱形に変化する。そして、上側のフラップ42を矢印F方向(内側)に折り込むことで4側面が2重になり、引き出しユニット41全体としての耐圧強度が上がる。このように4側面を2重にすることで、天板ユニット1からかかる荷重を支え易くなる。
最後に、箱形となったものに、図7(c)のように、開口から、開口とほぼ同寸法の底板43を入れ、底面に固定する。なお、この底板43は、オプション品であり、引き出しユニット41に一定以上の強度を必要とする場合に用いるものとする。
このように底板43を引き出しユニット41の底面に配置することで、底抜けし難く補強でき、また、折り込んだ側面を内側から支えることで、箱の形状を保つことができる。
上述した作業を4セット分行い、4個の引き出しユニット41を作製する。
【0027】
次に、図8を参照して、ベッド本体ユニットの組み立て方法を説明する。
図8は、ベッド本体ユニットの組み立て方法を示す図である。
図8(a)に示すように、発送ケース66から取り出したベッド本体ユニット64を、脚部23a、23bを接地面に向けて立てる。
続いて、立てた状態のベッド本体ユニット64の両端の脚部(脚部23aと脚部23b)を外側に開くことで、図8(b)のように、ベッド本体ユニット64が2つの山の形状に折れ広がり、下部の台座ユニット30の蛇腹状に広がる。
さらに、両端の脚部(脚部23aと脚部23b)を外側に開くことで、図8(c)のように、天板ユニット1が平坦な状態になり、脚部23a、23bと台座ユニット30(図示せず)により支持されたベッドの形態になる。
図8(a)から図8(c)に至るユーザの作業は、約10秒程度であり、ワンタッチで組み立てることができる。組み立てには、カッターもテープも不要である。
【0028】
次に、図9を参照して、折り畳み式ベッドの完成状態を説明する。
図9は、折り畳み式ベッドの完成状態を示す図である。
図8(c)のように、ベッドの形態になった状態で脚部23a、23bの間のスペースに、図7(b)のようして作製した4個の引き出しユニット41を差し込むことで、図9に示すように、折り畳み式ベッド100を組み立てることができる。
【0029】
このように実施形態の折り畳み式ベッドによれば、以下のような効果を奏することができる。
省スペースで保管できる段ボールベッドを提供することができる。
段ボールベッドは、コンパクトでかつ軽量、安価であり、緊急時や災害時等に役立てることができる。
段ボールベッドは、最速1分程度で使用できる状態に組み立てることができる。
軽量の段ボールベッドは、女性でも組み立てや移動がし易く便利である。
通常のベッドに比べ廃棄もし易く、廃材もリサイクル可能であり、環境にやさしいと言える。
保管時のケースサイズも路線便等で輸送できる200cmサイズに収まるサイズなので、遠方への出荷も可能であり、緊急時や災害時等に役立てることができる。
ダンボール素材は、コロナウイルスが付着した場合の残存期間が例えば24時間程度であり、他のステンレス(48時間)やプラスチック類(72時間)に比べてコロナウイルスの残存期間が短いので、コロナウイルスの対策にもなる。なお、コロナウイルスの残存期間として例示した数値は、ニューイングランド医学ジャーナルに基づくものである。
【0030】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、2つの天板ユニット1を連結させてシングルサイズのベッドを構成したが、図10に示すように、1つの天板ユニット1だけでシングルサイズの半分のサイズ(1/2サイズ)のベッド又はテーブル等として活用してもよい。
【0031】
また、図11に示すように、3つの天板ユニット1を連結させてシングルサイズの1.5倍のサイズ(3/2サイズ)のベッド又はテーブル等として活用してもよく、長短さまざまなサイズに対応することができる。
【0032】
さらに、図12(a)に示すように、罫線91入りのパット92を使用し、図12(b)に示すように、2つの天板ユニット1の間に、罫線91で2つ折りにしたパット92を挟んで夫々の天板ユニット1の側面に接着することで、図12(b)のように、パット92を矢印H方向に90°程度開くことで、天板ユニット1の向きや引き出しユニット41を引き出す方向を他方向(90°程度)に変えることができる。
また、図12(c)のように、パット92を180°開くことで、天板ユニット1の向きや引き出しユニット41を引き出す方向を逆方向(線対称の方向)に変えることができる。
【0033】
即ち、図1乃至図12に示した折り畳み式ベッドの構成は、一例を例示したに過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の構成の一部又は全部が折り畳み式ベッドに備えられていれば足り、この構成を実現するためにどのような形状(デザイン)や素材(例えば、上述の実施形態における段ボール)を有するのかは特に図1乃至図12の例に限定されない。また、折り畳み式ベッドの構成も、図1乃至図12に特に限定されず、任意でよい。例えば、図1乃至図12に示す複数のパーツの一部又は全部を1つのパーツとして提供してもよい。
【0034】
以上を換言すると、本発明が適用される折り畳み式ベッドは、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される折り畳み式ベッド(例えば図1の折り畳み式ベッド100等)は、
同一形状の第1板状部位(板状部位11a)と第2板状部位(板状部位11b)が、夫々の一方の縁部(縁部21a,21b)において近接するように配置され、当該第1板状部位と当該第2板状部位の夫々の他方の縁部(縁部22a,22b)に、接地面と所定距離だけ垂直方向に離間させるための脚部(脚部23a,23b)が配置されて構成される部位を第1ユニットとして、N個の前記第1ユニットが配置される天板部(例えば図1の天板ユニット1等)と、
複数の仕切り(仕切り32)が連結される複数のスリーブ(例えば図1のスリーブ31等)を有し、前記天板部の前記第1ユニット(例えば図1の天板ユニット1等)と前記接地面との間に配置される部位を第2ユニットとして、前記N個の前記第2ユニットから構成される台座部(例えば図1の台座ユニット30等)と、
を備え、
前記天板部の前記第1ユニット(例えば図1の天板ユニット1等)は、
前記第1板状部位(板状部位11a)と前記第2板状部位(板状部位11b)の夫々の前記一方の縁部を軸として、当該第1板状部位(板状部位11a)と当該第2板状部位(板状部位11b)とが対向するように折り畳み可能とされており、
前記台座部(台座ユニット30)の前記第2ユニットは、
前記第1板状部位(板状部位11a)と前記第2板状部位(板状部位11b)の夫々の前記他方の縁部側から所定の押力を与えることで、蛇腹状に折り畳み可能とされている。
これにより、折り畳み式ベッドを製造、梱包、保管、ユーザへの配送、組み立て、そして利用に至る一連の利便性を向上することができる。
【0035】
前記天板部の前記第1ユニット(例えば図1の天板ユニット1等)と前記接地面との間に配置される収納用の箱状の部位を第3ユニットとして、前記N個の前記第3ユニットから構成される引き出し部(例えば図1の引き出しユニット41等)、
をさらに備える。
このように引き出し部(例えば図1の引き出しユニット41等)を備えることにより、折り畳み式ベッドでありながら、物品を収納可能な利便性の良いベッドを提供することができる。
【0036】
前記第1板状部位(板状部位11a)と前記第2板状部位(板状部位11b)は、ハニカム(図2(a)の天板あんこ51等)を内蔵している。
このように第1板状部位(板状部位11a)と第2板状部位(板状部位11b)にハニカム(図2(a)の天板あんこ51等)を内蔵することで、強度を維持するために、複数の段ボール板を重ねて厚みを出すよりも軽量にすることができる。
【0037】
前記台座部(例えば図1の台座ユニット30等)の前記第2ユニットは、
前記第1板状部位(板状部位11a)と前記第2板状部位(板状部位11b)の夫々の前記他方の縁部側における夫々の前記脚部(脚部23a,23b)に固着されており、
前記第1ユニット(例えば図1の天板ユニット1等)と前記第2ユニット(例えば図1の台座ユニット30等)とは、一体として折り畳み可能とされている。
このような構造とすることで、第1ユニット(例えば図1の天板ユニット1等)と第2ユニット(例えば図1の台座ユニット30等)を折り畳んだコンパクトな状態で保管及び搬送でき、利用時に、ワンタッチで開いて、ベッドの形態に変形させることができるので、折り畳み式ベッドの製造から保管、ユーザへの配送、ユーザによる組み立て、及び利用に際する利便性を向上することができる。
【0038】
前記天板部と前記台座部は、段ボールを材料として含み、
前記複数の仕切りの夫々の前記段ボールの目は逆目になっている。
このように台座部の目を縦方向にし、仕切りの目の方向を逆方向(横目)にすることで天板からの押圧力を指示する強度を維持しつつ蛇腹のように折り畳むときの伸縮性をアップすることができる。
【符号の説明】
【0039】
1・・・天板ユニット、11a、11b・・・板状部位、21a、21b、22a、22b・・・縁部、23a、23b・・・脚部、30・・・台座ユニット、31・・・スリーブ、32・・・仕切り、33、34・・・スリット、41・・・引き出しユニット、42・・・フラップ、43・・・底板、51・・・天板あんこ、52・・・天板あんこ(H)、53・・・あんこ、56・・・ハーフユニット、58・・・天板連結板、64・・・ベッド本体ユニット、66・・・発送ケース、67・・・コの字パット、100・・・折り畳み式ベッド
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図12