(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042501
(43)【公開日】2022-03-14
(54)【発明の名称】粉砕装置およびコーヒーマシン
(51)【国際特許分類】
B02C 7/08 20060101AFI20220307BHJP
A47J 31/42 20060101ALI20220307BHJP
A47J 42/26 20060101ALI20220307BHJP
【FI】
B02C7/08
A47J31/42
A47J42/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021142213
(22)【出願日】2021-09-01
(31)【優先権主張番号】10 2020 122 938.0
(32)【優先日】2020-09-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】390014155
【氏名又は名称】メリタ オイローパ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Melitta Europa GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Ringstrasse99,D-32427 Minden,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ザハトレーベン
【テーマコード(参考)】
4B104
4D063
【Fターム(参考)】
4B104AA11
4B104AA25
4B104BA77
4B104EA20
4B104EA28
4D063DD05
4D063DD14
4D063GA03
4D063GC05
4D063GC14
4D063GD02
4D063GD12
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンパクトに構成されており、2つの粉砕ツール間の粉砕度の調整を簡単な手段によって可能にする、コーヒーマシン用の粉砕装置を提供する。
【解決手段】ハウジング内に配置された上側の粉砕ツール12と、下側の粉砕ツール11とを備え、下側の粉砕ツールは、粉砕プロセスのために、上側の粉砕ツールに対して回動可能であり、粉砕ツール11,12によって粉砕される被粉砕物に対する粉砕度を調整するための調整装置が設けられており、上側の粉砕ツールは、支持体13に保持されており、該支持体は、調整装置に設けられた調整要素15に、鉛直方向に移動可能であるものの相対回動不能に保持されており、調整装置は、支持体用のガイド手段41を備え、ガイド手段は、調整要素を回動させると、粉砕間隙を調整するために、支持体を上側の粉砕ツールと一緒に鉛直方向に移動させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特にコーヒーマシン(1)用の粉砕装置(5)であって、ハウジング内に配置された上側の粉砕ツール(12)と、下側の粉砕ツール(11)とを備え、該下側の粉砕ツール(11)は、粉砕プロセスのために、前記上側の粉砕ツール(12)に対して回動可能であり、前記粉砕ツール(11,12)によって粉砕される被粉砕物に対する粉砕度を調整するための調整装置が設けられており、前記上側の粉砕ツール(12)は、支持体(13)に保持されている、粉砕装置(5)において、
前記上側の粉砕ツール(12)用の前記支持体(13)は、前記調整装置に設けられた調整要素(15)に、鉛直方向に移動可能であるものの相対回動不能に保持されており、前記調整装置は、前記支持体(13)用のガイド手段(41)を備え、該ガイド手段(41)は、前記調整要素(15)を回動させると、前記粉砕度を調整するために、前記支持体(13)を前記上側の粉砕ツール(12)と一緒に鉛直方向に移動させることを特徴とする、粉砕装置(5)。
【請求項2】
前記支持体(13)は、前記上側の粉砕ツール(12)と一緒に前記粉砕装置の前記ハウジングから取外し可能であることを特徴とする、請求項1記載の粉砕装置。
【請求項3】
前記調整要素(15)は、前記支持体(13)と一緒にバヨネットロックを介して前記ハウジングにロック可能であることを特徴とする、請求項1または2記載の粉砕装置。
【請求項4】
前記バヨネットロックは、少なくとも1つのリブ(22)を備え、該リブ(22)は、前記操作要素(15)の持上りを防止しており、該操作要素(15)に設けられた突起(17)が、前記操作要素(15)の回動時に前記リブ(22)に沿ってガイドされていることを特徴とする、請求項3記載の粉砕装置。
【請求項5】
前記調整要素(15)に、上方に突出した操作要素(18)が設けられており、該操作要素(18)によって、前記支持体(13)が回動可能であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の粉砕装置。
【請求項6】
前記操作要素(18)は、被粉砕物を蓄えるための容器(3)の内室内に部分的にまたは完全に配置されていることを特徴とする、請求項5記載の粉砕装置。
【請求項7】
上方に突出した前記操作要素(18)は、回動可能なロッドを備えることを特徴とする、請求項5または6記載の粉砕装置。
【請求項8】
前記支持体(13)と前記調整要素(15)との間にシール部材(50)が設けられていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の粉砕装置。
【請求項9】
前記支持体(13)は、前記調整要素(15)に設けられた下向きに開いた収容部内に少なくとも部分的に嵌め込まれていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の粉砕装置。
【請求項10】
前記上側の粉砕ツール(12)は、リング(25)に配置されており、該リング(25)は、前記ハウジングに回動可能に支持されていて、前記上側の粉砕ツール(12)を調整された位置で係止するために、少なくとも1つの係止要素(29)を有することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の粉砕装置。
【請求項11】
前記リング(25)および/または前記ハウジングは、可撓性の係止フックを有しており、該係止フックは、歯列に係合していることを特徴とする、請求項10記載の粉砕装置。
【請求項12】
前記操作要素(15)および前記支持体(13)に、被粉砕物を貫通案内するための中央の開口が設けられていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の粉砕装置。
【請求項13】
豆容器(3)を備え、該豆容器(3)の下方に、請求項1から12までのいずれか1項記載の粉砕装置(5)が配置されている、コーヒーマシン(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にコーヒーマシン用の粉砕装置であって、ハウジング内に配置された上側の粉砕ツールと、下側の粉砕ツールとを備え、下側の粉砕ツールは、粉砕プロセスのために、上側の粉砕ツールに対して回動可能であり、粉砕ツールによって粉砕される被粉砕物に対する粉砕度を調整するための調整装置が設けられており、上側の粉砕ツールは、支持体に保持されている、粉砕装置、およびコーヒーマシンに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2014/026485号は、粉砕機構を備えた自動コーヒーマシンを開示している。この粉砕機構では、2つの粉砕ツールの間の粉砕間隙または粉砕度が調整可能である。ハウジングに設けられた回動可能な調整ノブを介して、一方の粉砕ツールの回転運動が並進運動に変換されることによって、粉砕度が調整される。粉砕度を調整するための調整装置は、伝動装置ひいては比較的大きな構成スペースを必要とする。
【0003】
高価値のコーヒーマシンでは、動作中に第1の粉砕ツールまたは第2の粉砕ツールに加えられる力が調整可能である粉砕機構も公知である(国際公開第2020/002493号)。このような解決手段は、家庭用コーヒーマシンでは過度に手間を要することが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、本発明の課題は、コンパクトに構成されており、2つの粉砕ツール間の粉砕度の調整を簡単な手段によって可能にする、コーヒーマシン用の粉砕装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、請求項1記載の特徴を有する粉砕装置によって解決される。
【0006】
本発明に係る粉砕装置では、上側の粉砕ツールは、支持体に保持されており、支持体は、粉砕度を調整するための調整装置に設けられた調整要素に、鉛直方向に移動可能であるものの相対回動不能に保持されており、調整装置は、支持体用のガイド手段を含み、ガイド手段は、調整要素を回動させると、粉砕度を調整するために、支持体を上側の粉砕ツールと一緒に鉛直方向に移動させる。例えば、下側の粉砕ディスクに対して上側の粉砕ディスクに力を。これによって、粉砕容器の底部に配置された操作要素の回動運動によって、粉砕度の調整を行うことができるので、伝動装置を備えた嵩張る調整装置を粉砕装置の外部に設ける必要はない。これによって、コンパクトな構成と、少ない構成部材での調整装置の形成とが可能になる。
【0007】
有利には、支持体は、上側の粉砕ツールと一緒に粉砕装置のハウジングから取外し可能である。これによって、支持体が上側の粉砕ツールと一緒に取り外されている場合に容易なクリーニングが可能になるので、古い被粉砕物による味に関する悪影響を回避することができる。支持体は、粉砕ツール、調整要素および操作要素と一緒に、取出し可能な1つのユニットを形成していてよい。
【0008】
支持体を上側の粉砕ツールに組み付けるために、調整要素は、バヨネットロックによってハウジングにロック可能であってよい。この場合、バヨネットロックは、少なくとも1つのリブ、好ましくは内側に向かって張り出したリブを備えていてよく、このリブにおいて、操作要素の持上りが、半径方向で突出した突起を介して防止されている。この突起は、操作要素の回動時にリブに沿ってガイドされている。複数の突起および複数のリブが、全周にわたって分配されて設けられていてよく、これによって、操作要素の傾倒および片側への荷重を阻止することができる。
【0009】
好ましい1つの構成では、調整要素に、上方に突出した操作要素が設けられており、この操作要素によって、支持体が回動可能である。操作要素は、例えば被粉砕物を蓄えるための容器の内室内に部分的にまたは完全に配置されていてよい。操作要素は、回動可能なロッドを備える。このロッドは上端部に操作ノブまたは別のハンドリング要素を有しているので、操作要素を介して手動で粉砕度の調整を行うことができる。
【0010】
支持体と調整要素との間に、好ましくはシール部材が設けられている。これによって、支持体の、鉛直方向への移動による調整要素に対する相対運動時に、密封が維持されたままとなり、この密封によって、中空室内への異物の堆積が回避されるかまたは低減される。調整要素は、下向きに開いた収容部を有しており、この収容部内に支持体が部分的に嵌め込まれている。
【0011】
別の構成では、上側の粉砕ツールは、リングに配置されており、このリングが、ハウジングに回動可能に支持されていて、上側の粉砕ツールを調整された位置で係止するために、少なくとも1つの係止要素を有している。これによって、粉砕プロセスによる振動時にも、粉砕度のずれが防止される。リングおよび/またはハウジングは、可撓性の少なくとも1つの係止フックを有しており、この係止フックが、歯列に係合しているので、調整が済んだ後のリングとハウジングとの間の回動運動が回避される。
【0012】
支持体および操作要素に、好ましくはそれぞれ中央に、被粉砕物を貫通案内するための開口が設けられている。粉砕ツールはコーンまたは粉砕ディスクとして形成されていてよい。
【0013】
本発明に係る粉砕装置は、好ましくはコーヒーマシンにおいて使用される。コーヒーマシンは豆容器を有しており、この豆容器の底部に粉砕装置が配置されている。コーヒーマシンは、欧州特許出願公開第3225142号明細書に記載されているように、粉砕された物品がフィルタホルダ内に供給され、次いで、フィルタホルダ内に熱湯が導入されるように構成されていてもよいし、欧州特許出願公開第3583876号明細書に示されているように、粉砕装置が熱湯用の供給部の側方に配置されており、フィルタホルダが、被粉砕物の収容後に抽出装置に移し替えられるように構成されていてもよい。
【0014】
以下に、本発明を実施例に基づき添付の図面を参照して詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係るコーヒーマシンの概略図である。
【
図2】本発明に係る粉砕装置の組付け時における斜視図である。
【
図3A】操作要素を備えた上側の粉砕ツールを示す図である。
【
図3B】操作要素を備えた上側の粉砕ツールを示す図である。
【
図5A】粉砕装置を組み付けられた位置で示す図である。
【
図5B】粉砕装置を組み付けられた位置で示す図である。
【
図8A】粉砕装置の係止装置のリングを示す図である。
【
図8B】粉砕装置の係止装置のリングを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
コーヒーマシン1は、ハウジング2に豆容器3を有しており、豆容器3は蓋4によって閉鎖可能である。豆容器3の下方に粉砕装置5が配置されており、これによって、粉砕されたコーヒー粉が、フィルタホルダ6に配置されているフィルタ内に注ぎ込まれる。フィルタ内に、ポンプと加熱装置とを介して熱湯を導入することができ、これによって、抽出されたコーヒーが容器7に注ぎ込まれる。コーヒーマシン1は、操作面8を介して制御される。コーヒーマシン1はハウジング2を含み、このハウジング2では粉砕装置5が豆容器3とフィルタホルダ6との間に配置されている。粉砕装置をコーヒーマシン1から分離させて別個の器具として設けるかまたはコーヒー豆の代わりに別の被粉砕物を粉砕装置5によって粉砕することも可能である。
【0017】
図2には、豆容器3の底部9が示されている。底部9は、開口10に向かって傾けられて形成されており、この開口10を通って、コーヒー豆が粉砕のために移動する。粉砕装置5は、下側の粉砕ツール11、例えば粉砕ディスクまたは粉砕コーンと、上側の粉砕ツール12とを含む。両粉砕ツール11,12は互いの間に粉砕間隙を形成しており、この粉砕間隙内で被粉砕物が粉砕される。上側の粉砕ツール12には、ばね要素を介して下側の粉砕ツール11に向かって予荷重が加えられていてよい。図示の実施例では、下側の粉砕ツール11はモータによって回転可能に駆動されている。
【0018】
上側の粉砕ツール12は、粉砕ディスクとして形成されているが、粉砕コーンまたは別の回動可能な粉砕機構として形成されていてもよい。上側の粉砕ツール12は、支持体13に相対回動不能に保持されており、一方、支持体13の上側は調整要素15に結合されている。調整要素15は、通路16を形成するための中央の開口を有しており、この通路16は、豆容器3から調整要素15と、支持体13と、上側の粉砕ツール12とを貫通して延びている。
【0019】
調整要素15は、ロッドの形態の、上方に向かって突出した操作要素18を有している。操作要素18の上側に回動ノブ19が位置固定されているかまたは一体に形成されている。回動ノブ19に、それぞれの調整位置での粉砕度を示すマーキングが設けられている。調整要素15には、さらに、通路16内へのコーヒー豆の導入を容易にするためのガイドウェブ20が設けられている。底部9の、開口10を取り囲む管片に、少なくとも1つの張り出したリブ22が形成されている。このリブ22は、調整要素15に配置されている突起17をガイドするために用いられる。ウェブ状のリブ22の鉛直方向で見て下方に、ガイド要素41が、水平方向に対して傾けられて位置合わせされたウェブの形態で形成されている。このガイド要素41を介して、調整要素15に相対回動不能に結合された支持体13は、調整要素15に対して鉛直方向に移動することができる。
【0020】
図3Aおよび
図3Bに、調整要素15が取り出された位置で示されている。この位置で、粉砕装置5の底部9と、下側の粉砕ツール11とをクリーニングすることができる。調整要素15が、下方に向かって開いた環状の収容部を形成しており、この収容部に支持体13の少なくとも一部が収容されていることが判る。支持体13は上方に向かって遊びをもって収容部内に配置されており、相応して鉛直方向に移動可能である。調整要素15と支持体13との間にシール部材50が設けられている。シール部材50は環状に形成されており、特に支持体13の鉛直方向の移動が行われるときに、支持体13と調整要素15との間の間隙を密封するために用いられる。支持体13に、上側の粉砕ツール12が固定されている。
【0021】
支持体13に、全周にわたって分配されて複数の突起14が形成されていてよい。これらの突起14は、調整要素15が回動するときに連行体として作用する。同様に、調整要素15に、1つの突起17または全周にわたって分配されて複数の突起17が形成されている。これらの突起17は、バヨネットジョイントの形態でリブ22と協働する。
【0022】
図4には、豆容器3の底部9が示されている。開口を取り囲んで管片21が設けられており、この管片21に、全周にわたって分配されて、半径方向内側に張り出した複数のリブ22が形成されていることが判る。これらのリブ22において、調整要素15の突起17をロックすることができるので、調整要素15が上方へ持ち上がってしまうことはあり得ない。リブ22に、下方に向けられたストッパ23が設けられていて、管片21における調整要素15の回動を制限する。管片21において隣り合った2つのリブ22の間には、開口24が設けられており、この開口24を通して、調整要素15の突起17が嵌込み可能である。
【0023】
図5Aおよび
図5Bに、粉砕装置5が組み付けられた位置で示されている。コーヒー豆は、底面9と、調整要素15に設けられた傾斜面とを通って通路16内に到達することができ、これによって、上側の粉砕ツール12と下側の粉砕ツール11との間の粉砕間隙内に到達する。下側の粉砕ツール11はハウジング30内に配置されており、このハウジング30内に、粉砕ツール11を回動させるための駆動装置が設けられていてよい。粉砕間隙から、粉砕された被粉砕物が、下側の粉砕ツール11の側面に設けられた出口28に到達する。ハウジング30に、半径方向で張り出したフランジ27が設けられており、このフランジ27にリング25が変位可能に保持されている。リング25を取り囲んで保持リング40が設けられている。保持リング40に、内側に向かって張り出したガイド要素41が、傾斜したウェブの形態で形成されている。
【0024】
図6Aおよび
図6Bに、ハウジング30のフランジ27の領域が示されている。フランジ27上には、リング25が配置されている。リング25は、複数の箇所に上方に向いた収容部26を有しており、これらの収容部26内に、支持体13に突起として形成されたそれぞれ1つの連行体14が嵌込み可能である。これによって、リング25を支持体13に相対回動不能に結合することができる。リング25を回動させることによって、粉砕装置の動作時に支持体13を位置固定することができる。このためには、リング25に1つまたは複数の係止ウェブ29が形成されていて、ハウジング30に設けられた歯列31に係合するようになっている。係止ウェブ29により、この係止ウェブ29の保持力を上回ったときにしか、支持体13を回動させることはできないようになっている。当然ながら、ハウジング30に、リング25に設けられた歯列に係合する係止ウェブまたは別の保持手段を設けることも可能である。
【0025】
フランジ27には、さらに、上方に向かって突出したピン32が形成されており、これらのピン32は、保持リング40を位置固定するために用いられる。
【0026】
図7Aおよび
図7Bに保持リング40が示されている。保持リング40は内面に、内側に向かって張り出した複数のウェブをガイド要素41として有している。ガイド要素41は、水平方向に対して傾けられて形成されているので、支持体13を回動させるときに、突起14がこのガイド要素41に沿って移動し、それによって、支持体13が上側の粉砕ツール12と一緒に鉛直方向に移動する。このとき、保持リング40は、ハウジング30に相対回動不能に保持されている。このために、アイレットを有する複数の保持手段42が設けられており、相対回動不能な結合のために、この保持手段42がピン32に外嵌される。
【0027】
図8Aおよび
図8Bに、ハウジング30に回動可能に配置されたリング25が示されている。リング25はハウジング30の上面に載着されていて、複数の収容部26を有している。この収容部26内に、支持体13の、半径方向に突出したそれぞれ1つの連行体14が嵌め込まれている。これによって、支持体13とリング25とを一緒にのみ回動させることができる。このとき、ひとたび達した回動位置は、係止ウェブ29を介して固定される。
【0028】
粉砕度を調整するための調整装置を完全に豆容器3の内部に設けることができる。調整要素15を回動させることによって、支持体13を、伝動装置の介在なしに直接ガイド要素41に沿って回動させることができ、これによって、支持体13は、調整要素15に対して鉛直方向に移動する。任意選択的に、回動ノブ19または別の操作要素が、蓋4に設けられた開口を介して突出していてよい。
【0029】
図示した実施例では、支持体13を調整するために、半径方向内側に向かって張り出したウェブがガイド要素41として設けられている。当然ながら、ガイド要素を溝または成形されたガイドウェブとして形成することも可能である。
【0030】
さらに、支持体13を調整要素15に対して鉛直方向に相対移動させるために、支持体13に、傾斜して延びるガイドリブまたは溝が形成されていてもよい。
【符号の説明】
【0031】
1 コーヒーマシン
2 ハウジング
3 豆容器
4 蓋
5 粉砕装置
6 フィルタホルダ
7 容器
8 操作面
9 底部
10 開口
11 下側の粉砕ツール
12 上側の粉砕ツール
13 支持体
14 連行体
15 調整要素
16 通路
17 突起
18 操作要素
19 回動ノブ
20 ガイドウェブ
21 管片
22 リブ
23 ストッパ
24 開口
25 リング
26 収容部
27 フランジ
28 出口
29 係止ウェブ
30 ハウジング
31 歯列
32 ピン
40 保持リング
41 ガイド要素
42 保持手段
50 シール部材
【外国語明細書】