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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042520
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】消火システムおよび消火方法
(51)【国際特許分類】
   A62C 3/00 20060101AFI20220308BHJP
   A62C 3/08 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A62C3/00 J
A62C3/08
【審査請求】有
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020141453
(22)【出願日】2020-08-25
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-07
(71)【出願人】
【識別番号】000229405
【氏名又は名称】日本ドライケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】大原 明
(57)【要約】
【課題】安価でかつ設置スペースをコンパクト化できる航空機用格納庫の消火システムおよび消火方法を提供する。
【解決手段】航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備える。航空機用格納庫に火災が発生してモニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して粉末モニターのモニターノズルを駆動し、照準位置へ合わせたモニターノズルより粉末消火剤を放出する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、
前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出することを特徴とする消火システム。
【請求項2】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の消火システム。
【請求項3】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の消火システム。
【請求項4】
前記モニターノズル制御盤には、前記大空間における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求項3に記載の消火システム。
【請求項5】
航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、
前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記粉末モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出することを特徴とする消火システム。
【請求項6】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなることを特徴とする請求項5に記載の消火システム。
【請求項7】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項6に記載の消火システム。
【請求項8】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、粉末消火剤用のパイプを介して前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有していることを特徴とする請求項7に記載の消火システム。
【請求項9】
前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求項8に記載の消火システム。
【請求項10】
航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、
前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記照準位置へ合わせる工程と、
前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、
を有することを特徴とする消火方法。
【請求項11】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項10に記載の消火方法。
【請求項12】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することを特徴とする請求項10に記載の消火方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、航空機用格納庫内に格納された航空機の火災を消火するための消火システムおよび消火方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、航空機用格納庫内に格納された航空機を整備している場合等に、その航空機で火災等が起こることを想定して、そのために、航空機用格納庫内には消火システムが備えられている。
【0003】
従来の航空機用格納庫の消火システムとしては、泡消火剤を放出する泡消火設備が使われていたが、その泡消火設備では、格納庫の屋根下全面に泡ヘッド、支持金物、仮設足場等を設置する必要があった。そのために、工事費も含めて大工事となり、泡消火設備の設置に多額の設備費用がかかってしまっていた。
【0004】
そのため、昭和50年代に防災メーカーが提案した粉末モニターが特例で許可され、昭和53年の消防予第179号の質疑により詳細な設置基準内容が明確になり、粉末の消火剤を噴射する粉末モニターが航空機用格納庫の消火設備として用いられるようになってきている。
【0005】
従来の粉末モニターを用いた消火システムでは、その粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを照準位置とするように所定の放出角度へ駆動するために、エンコーダー式のサーボモーターを用いていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012-181814号公報
【特許文献2】特開2013-257735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、エンコーダー式のサーボモーターを用いた従来の粉末モニター消火システムでは、サーボモーターが高価なため、基本的にコストが嵩む、大きな設置スペースが必要となる等の問題点があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、安価でかつ設置スペースをコンパクト化できる航空機用格納庫の消火システムおよび消火方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の発明は、大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出するようにしたことである。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に係る大空間の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
【0011】
第3の発明は、第2の発明に係る大空間の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることである。
【0012】
第4の発明は、第3の発明に係る大空間の消火システムにおいて、前記モニターノズル制御盤には、前記大空間における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことである。
【0013】
第5の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記粉末モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出するようにしたことである。
【0014】
第6の発明は、第5の発明に係る航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなることである。
【0015】
第7の発明は、第6の発明に係る航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
【0016】
第8の発明は、第7の発明に係る航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、粉末消火剤用のパイプを介して前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有していることである。
【0017】
第9の発明は、第8の発明に係る航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことである。
【0018】
第10の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記照準位置へ合わせる工程と、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、を有することである。
【0019】
第11の発明は、第10の発明に係る消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
【0020】
第12の発明は、第10の発明に係る消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することである。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、(1)従来のようなサーボモータ・エンコーダ・中継器盤を使用しないので、安価でかつ設置スペースをコンパクト化できる、(2)システムメンテナンスが容易で、迅速かつ効果的な消火が可能となる、等の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明に係る消火システムの一実施形態を設置する航空機用格納庫の説明平面図である。
図2図1に示した航空機用格納庫の説明正面図である。
図3】本発明を実施した消火システムXの全体構成図である。
図4図1および図2に示す実施形態に対応した消火システムの全体接続図である。
図5図3に示した粉末モニター1xの構成を示す図であり、(a)は、粉末モニター1xの正面図であり、(b)は、粉末モニター1xの測面図であり、(c)は、粉末モニター1xの下面図である。
図6図5に示したブレーキ付きのギアモータからなる旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の構成図である。
図7】旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の駆動回路図である。
図8】旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定方法のフローチャートである。
図9図1および図2に示す航空機用格納庫Aおよび航空機用格納庫Bにおける区画エリアを示す説明図である。
図10】ハンディタッチパネル表示器6xの正面図である。
図11】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3x、3y、3zの基準位置設定の表示画面を示す説明図である。
図12】ハンディタッチパネル表示器6xにおける秒数入力画面6x5を示す説明図である。
図13】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3xの区画A1における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図14】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3xの区画A2における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図15】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3y、3zの区画B1における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図16】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3y、3zの区画B2における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図17】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3y、3zの区画B3における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図18】ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3y、3zの区画B4における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
図19】航空機用格納庫Aの各区画におけるモニターノズル3xの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(a)は、航空機用格納庫Aの区画A1における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(b)は、航空機用格納庫Aの区画A2における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
図20】航空機用格納庫Bの各区画におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(c)は、航空機用格納庫Bの区画B1におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(d)は、航空機用格納庫Bの区画B3におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
図21】航空機用格納庫Bの各区画におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(e)は、航空機用格納庫Bの区画B2におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(f)は、航空機用格納庫Bの区画B4におけるモニターノズル3y、3zの回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
図22図1図3に示した消火システムにおける消火方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
本願発明の特徴は、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して粉末モニターのモニターノズルを駆動するようにしたことである。
【0025】
これにより、エンコーダー式のサーボモーターを用いた場合と比較して、大幅に設備コストを低減することができると共に、設置スペースをコンパクト化できるようになる。
【0026】
図1は、本発明に係る消火システムの一実施形態を設置する航空機用格納庫の説明平面図であり、図2は、図1に示した航空機用格納庫の説明正面図である。
【0027】
この消火システムの一実施形態では、航空機を格納するために航空機用格納庫として、小型の航空機用格納庫Aと大型の航空機用格納庫Bが備えられ、小型の航空機用格納庫Aには、消火システムXが備えられ、大型の航空機用格納庫Bには、消火システムY、Zが備えられる。
【0028】
なお、図1および図2においては、消火システムX、Y、Zそれぞれの粉末モニター1x、1y、1zのみが示されており、消火システムX、Y、Zそれぞれの粉末モニター1x、1y、1z以外の構成については、後で詳細に説明する。
【0029】
なお、この実施形態では、航空機用格納庫A、Bには、複数の回転翼航空機が格納されるが、回転翼航空機以外の種類の航空機が格納されても良い。
【0030】
図1および図2に示すように、小型の航空機用格納庫Aの左側の側壁の上部には、消火システムXの粉末モニター1xが取り付けられ、大型の航空機用格納庫Bの左右の側壁の上部には、消火システムY、Zの粉末モニター1y、1zがそれぞれ取り付けられる。
【0031】
図3は、図1に示した消火システムXの全体構成図である。
【0032】
なお、消火システムY、Zも同様の構成となっている。
【0033】
図3に示すように、消火システムXは、粉末消火剤を放出するためのモニターノズル3xを有する粉末モニター1xと、モニターノズル3xを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤5xと、粉末消火剤用のパイプ1x1を介して粉末モニター1xへ粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部7xとを有している。
【0034】
粉末消火設備部7xは、粉末消火剤を収納した粉末容器ユニット7x1および加圧容器ユニット7x3と、粉末モニター1xへ粉末消火剤を供給するように粉末容器ユニット7x1および加圧容器ユニット7x3を駆動制御する起動装置格納箱7x5とを有している。
【0035】
粉末モニターノズル制御盤5xは、さらに、起動装置格納箱7x5を起動し、粉末モニター1xへ粉末消火剤を供給するように制御する構成となっている。
【0036】
なお、粉末モニターノズル制御盤5xには、後述する航空機用格納庫A、Bに対応した区画エリアに応じたモニターノズル3xの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器6xが接続されており、後述するように、ハンディタッチパネル表示器6xと連動して区画エリアに応じたモニターノズル3xの照準位置を設定する。
【0037】
粉末モニター1xは、さらに、粉末消火剤の放出する前に退避を音声で知らせるスピーカー10xおよび消火状態等を確認するためのITVカメラ9xが設けられている。そして、粉末モニターノズル制御盤5xは、粉末消火剤の放出する前に起動準備で音声信号をスピーカー10xへ出力するようになっている。
【0038】
また、粉末モニターノズル制御盤5xの側には、ITVカメラ9xよりの映像を表示部11x1で表示するとともに、ITVカメラ9xの動作を制御するITV制御盤11xが備えられている。
【0039】
なお、図4に示すように、粉末モニター1x、1y、1zにおけるモニターノズル3x、3y、3zを駆動制御する粉末モニターノズル制御盤5x、5y、5zおよびITV制御盤11x、11y、11zを、それぞれ1つの粉末モニターノズル制御盤5およびITV制御盤11に纏めて構成するようにしても良い。
【0040】
図4は、図1および図2に示す航空機用格納庫A、Bに対応した消火システムの全体接続図である。
【0041】
次に、図5を参照して、粉末モニター1xの構成について説明する。なお、粉末モニター1y、1zも粉末モニター1xと同様の構成となっている。
【0042】
図5は、図3に示した粉末モニター1xの構成を示す図であり、(a)は、粉末モニター1xの正面図であり、(b)は、粉末モニター1xの測面図であり、(c)は、粉末モニター1xの下面図である。
【0043】
図5に示すように、粉末モニター1xは、粉末消火剤を通す配管1x1を内包するベース1x3と、配管1x1に連結するようにベース1x3の下側に設けられた主管1x5と、主管1x5の下側に設けられた旋回用リミットスイッチ1x6および回転座1x7と、回転座1x7の側部に設けられた旋回用モーター1x8と、回転座1x7の下側に設けられたT型管1x9と、T型管1x9の下側に設けられた俯仰用リミットスイッチ1x10および接続箱1x11と、接続箱1x11の下側に設けられた俯仰用モーター1x13と、接続箱1x11の側部に設けられたノズル接続口1x15と、を有している。
【0044】
そして、ノズル接続口1x15には、モニターノズル3xが設けられている。
【0045】
また、旋回用リミットスイッチ1x6は、モニターノズル3xが、図5(c)に示す正面位置から両側に90°の位置でスイッチが入るようになっており、俯仰用リミットスイッチ1x10は、モニターノズル3xが、図5(a)に示す正面位置から上下側に15°および70°の位置でスイッチが入るようになっている。
【0046】
なお、後述するように、旋回用リミットスイッチ1x6により、モニターノズル3xが旋回左限リミットに達したことが検出され、俯仰用リミットスイッチ1x10により、モニターノズル3xが俯仰上限リミットに達したことが検出された際に、モニターノズル3xが基準位置となるように設定されている。
【0047】
そして、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13とは、以下で説明するようなブレーキ付きのギアモータからなっている。
【0048】
次に、図6を参照して、図5に示したブレーキ付きのギアモータからなる旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の構成について説明する。
【0049】
図6は、図5に示したブレーキ付きのギアモータからなる旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の構成図であり、図7は、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の駆動回路図である。
【0050】
なお、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13は同じ構成となっている。
【0051】
図6に示すように、このブレーキ付きのギアモータ20は、無励磁作動型のブレーキ20aとモーター20bとからなっている。ここで、このブレーキ付きのギアモータ20の無励磁作動型のブレーキ20aはブレーキクラッチ部を備えるものであっても良い。
【0052】
ブレーキ20aは、モーター20bの出力軸20b1に沿って、アーマチュア20a1、スプリング20a3、コイル部20a5、ブレーキパッド20a7が設けられている。
【0053】
そして、コイル部20a5に電源が供給されないオフ状態では、アーマチュア20a1がブレーキパッド20a7にスプリング20a3の付勢力により密着してブレーキがかかり、コイル部20a5に電源が供給されたオン状態では、アーマチュア20a1がブレーキパッド20a7から離れ、ブレーキから開放される。なお、モーター20bは常に回転駆動されている。
【0054】
図7に示すように、ブレーキ付きのギアモータ20の駆動回路21は、ブレーキ20aおよびモーター20bにそれぞれ電源を供給する電源部21aと、電源部21aよりの供給電源をオンオフするスイッチ部21bと、電源部21aよりの供給電源を整流する整流器21cとを有しており、粉末モニターノズル制御盤5xよりの制御駆動信号に基づいてスイッチ部21bがオンオフされることにより、ブレーキ20aおよびモーター20bが駆動制御されるようになっている。
【0055】
なお、上述した構成の旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の出力軸は、それぞれ所定のギアボックスを介してモニターノズル3xの旋回駆動ギアおよび俯仰駆動ギアと連結されており、モニターノズル3xを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動する。上記駆動ギアの構成は一般的であるので説明は省略する。
【0056】
そして、この実施形態では、後述するように、モニターノズル3xの移動速度は0.15sec/1°となっている。
【0057】
次に、図8図20を参照して、図1図3に示した消火システムにおける消火方法について説明する。
【0058】
まず、本願発明を実施した消火システムでは、その起動前に、予め、前述した区画エリアにおいて、火災の発生した区画エリアにモニターノズル3xの照準位置が来るように、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定が行われる。
【0059】
図8図19を参照して、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定について説明する。
【0060】
この旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定は、ハンディタッチパネル表示器6xを使用して行われる。
【0061】
図8は、旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定方法のフローチャートであり、図9は、図1および図2に示す航空機用格納庫Aおよび航空機用格納庫Bに対応した区画エリアを示す説明図である。
【0062】
図9に示すように、航空機用格納庫Aおよび航空機用格納庫Bに対応した区画エリアとしては、航空機用格納庫Aの両側に、区画A1、区画A2が設定され、航空機用格納庫Bの両側に、区画B1、区画B2および区画B3、区画B4が設定されている。
【0063】
なお、区画A1および区画A2には、それぞれ3つの航空機(この場合、回転翼航空機)の格納場所が円形状に設けられ、区画B1、B2、B4には、それぞれ3つの航空機の格納場所が円形状に設けられ、区画B3には、2つの航空機の格納場所が円形状に設けられている。
【0064】
上記それぞれの円形状の格納場所には、図1および図2に示すように、回転翼航空機が格納される。
【0065】
図8のステップ101において、まず、モニターノズル3x、3y、3zの基準位置の設定が行われる。
【0066】
すなわち、ハンディタッチパネル表示器6xを通してモニターノズル3x、3y、3zの基準位置が設定される。
【0067】
図10は、ハンディタッチパネル表示器6xの正面図であり、図11は、ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3xの基準位置設定の表示画面を示す説明図である。
【0068】
図10に示すように、ハンディタッチパネル表示器6xは、その正面に、表示画面6x1を有している。
【0069】
なお、ハンディタッチパネル表示器6xの表示画面6x1は、液晶による表示入力機能を有しており、表示画面6x1上に表示されたアイコンにオペレーターが接触することにより、入力動作が行われるようになっている。
【0070】
すなわち、図11に示すハンディタッチパネル表示器6xの表示画面6x1における基準設定アイコン6x3を押すと、表示画面6x1には、基準位置設定の表示画面が表示され、オペレーターは、その基準位置設定の表示画面の秒数の欄6x3を押すと、図12に示すような秒数入力画面6x5が表示される。
【0071】
オペレーターは、その秒数入力画面6x5から秒数の数値を入力することにより、粉末モニター1x、粉末モニター1y、粉末モニター1zのそれぞれのモニターノズル3x、3y、3zが基準位置となるように設定を行う。
【0072】
粉末モニター1xの場合の一例を説明すると、図11に示すように、まず、俯仰方向の俯仰用モーター1x13の上方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、18.00secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1x8の左方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、30.00secに設定される。
【0073】
これは、モニターノズル3xの移動速度を0.15sec/1°とした場合、最大俯仰角度が85°であるので、モニターノズル3xが俯仰上限リミットに達するまで戻る最大時間は、85°×0.15sec/1°=12.75secとなり、余裕を持って18.00secとしたものである。
【0074】
同様に、モニターノズル3xの移動速度を0.15sec/1°とした場合、最大旋回角度が180°であるので、モニターノズル3xが旋回左限リミットに達するまで戻る最大時間は、180°×0.15sec/1°=27secとなり、余裕を持って30.00secとしたものである。
【0075】
このように設定すれば、旋回用リミットスイッチ1x6により、モニターノズル3xが旋回左限リミットに達したことが検出され、俯仰用リミットスイッチ1x10により、モニターノズル3xが俯仰上限リミットに達したことが検出されて、モニターノズル3xが基準位置となる。
【0076】
なお、図11に示すように、その右上には、その設定がおこなわれた日付が表示される。
【0077】
次に、図8のステップ103において、航空機用格納庫における所定の区画における旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定を行う。
【0078】
図12図18は、ハンディタッチパネル表示器6xにおけるモニターノズル3xの各区画における回転時間制御のタイマー設定の表示画面を示す説明図である。
【0079】
ここでは、最初に、航空機用格納庫Aの区画A1について旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定を行う。
【0080】
すなわち、図13に示すように、航空機用格納庫Aの区画A1における回転時間制御のタイマー設定では、俯仰方向の俯仰用モーター1x13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、4.35secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1x8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、15.6secに設定される。
【0081】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Aの区画A1において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3xは、俯仰上限から29°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から104°だけ右方向に回転移動することとなる。
【0082】
この実施形態では、続けて、航空機用格納庫Aの区画A2、航空機用格納庫Bの区画B1~B4における回転時間制御のタイマー設定が行われる。
【0083】
すなわち、図14に示すように、航空機用格納庫Aの区画A2における回転時間制御のタイマー設定では、俯仰方向の俯仰用モーター1x13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、4.35secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1x8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、9.45secに設定される。
【0084】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Aの区画A2において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3xは、俯仰上限から29°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から63°だけ左方向に回転移動することとなる。
【0085】
また、図15に示すように、航空機用格納庫Bの区画B1における回転時間制御のタイマー設定では、粉末モニター1yの俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、6.9secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、16.95secに設定され、粉末モニター1zの俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、3.3secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、11.85secに設定される。
【0086】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Bの区画B1において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3yは、俯仰上限から46°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から113°だけ右方向に回転移動することとなり、モニターノズル3zは、俯仰上限から22°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から79°だけ左方向に回転移動することとなる。
【0087】
また、図16に示すように、航空機用格納庫Bの区画B2における回転時間制御のタイマー設定では、粉末モニター1yの俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、3.15secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、14.25secに設定され、粉末モニター1zの俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、7.35secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、6.45secに設定される。
【0088】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Bの区画B2において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3yは、俯仰上限から21°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から95°だけ右方向に回転移動することとなり、モニターノズル3zは、俯仰上限から49°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から43°だけ右方向に回転移動することとなる。
【0089】
また、図17に示すように、航空機用格納庫Bの区画B3における回転時間制御のタイマー設定では、粉末モニター1yの俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、6.3secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、7.05secに設定され、粉末モニター1zの俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、3.0secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、14.4secに設定される。
【0090】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Bの区画B3において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3yは、俯仰上限から42°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から47°だけ右方向に回転移動することとなり、モニターノズル3zは、俯仰上限から20°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から96°だけ右方向に回転移動することとなる。
【0091】
また、図18に示すように、航空機用格納庫Bの区画B4における回転時間制御のタイマー設定では、粉末モニター1yの俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、3.15secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、11.1secに設定され、粉末モニター1zの俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、7.35secに設定され、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、前述した秒数入力画面6x5により、21.6secに設定される。
【0092】
これにより、後述するように、航空機用格納庫Bの区画B4において火災が発生して消火動作が起動した場合には、モニターノズル3yは、俯仰上限から21°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から74°だけ右方向に回転移動することとなり、モニターノズル3zは、俯仰上限から49°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から144°だけ右方向に回転移動することとなる。
【0093】
以上の航空機用格納庫Aの区画A1、A2、航空機用格納庫Bの区画B1~B4における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示すと図19(a)~図21(f)のようになる。
【0094】
図19は、航空機用格納庫Aの各区画における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(a)は、航空機用格納庫Aの区画A1における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(b)は、航空機用格納庫Aの区画A2における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
【0095】
図20は、航空機用格納庫Bの各区画における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(c)は、航空機用格納庫Bの区画B1における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(d)は、航空機用格納庫Bの区画B3における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
【0096】
図21は、航空機用格納庫Bの各区画における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(e)は、航空機用格納庫Bの区画B2における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図であり、(f)は、航空機用格納庫Bの区画B4における回転時間制御のタイマー設定を模式的に示す説明図である。
【0097】
次に、図8のステップ105において、全ての区画の回転時間制御のタイマー設定が終了したか否かが判定され、全ての区画の回転時間制御のタイマー設定が終了した場合に、航空機用格納庫における区画における旋回用モーター1x8および俯仰用モーター1x13の回転時間制御のタイマー設定が終了する。
【0098】
なお、上述のようにハンディタッチパネル表示器6xにより設定された回転時間制御のタイマー設定の内容は、ハンディタッチパネル表示器6xが接続された粉末モニターノズル制御盤5xに入力され、粉末モニターノズル制御盤5xにおいて、区画エリアA1、A2、B1~B4に対応付けられて記憶される。
【0099】
すなわち、例えば、粉末モニターノズル制御盤5xにおける各区画エリアA1、A2、B1~B4のボタンを押すことにより、記憶された各区画エリアA1、A2、B1~B4における回転時間制御のタイマー設定の内容が読み出されるようになっている。
【0100】
次に、所定の区画において火災が発生した場合の消火方法について説明する。
【0101】
図22は、図1図3に示した消火システムにおける消火方法のフローチャートである。
【0102】
図22のステップ201において、所定の区画において火災が発生したか否かが判定される。
【0103】
すなわち、所定の区画において火災が発生した場合、航空機用格納庫に備えられた火災警報器もしくは目視によって、火災の発生が検知される。
【0104】
上記ステップ201において所定区画において火災の発生が検知されると、ステップ203において、オペレーターが、その火災の発生した区画確認し、その火災の発生した区画に対応した粉末モニターノズル制御盤5xの区画エリアのボタンを押すことにより、消火を行う区画が特定される。
【0105】
次に、ステップ205において、オペレーターが、連動起動準備のボタンを押すことにより、連動起動準備処理が起動される。
【0106】
すなわち、連動起動準備処理として、その区画に対応する、消火システムXのスピーカー10から、粉末消火剤の放出をする前に音声で知らせるアナウンスが行われ、オペレーターにより、その区画における人員の退避が確認される。
【0107】
そして、連動起動準備処理の後に、ステップ207において、オペレーターが、連動起動のボタンを押すことにより、連動起動処理が起動される。
【0108】
すると、ステップ209において、連動起動処理として、その区画に対応する、粉末モニター1のモニターノズル3の回転時間制御が行われる。
【0109】
以下に、図1図2図19に示す航空機用格納庫A、Bにおける粉末モニター1のモニターノズル3の回転時間制御による動作について説明する。
【0110】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Aの区画A1の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画A1のボタンを押しているので、区画A1における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1x13の下方向の動作タイマーの値が、4.35secとなり、旋回方向の旋回用モーター1x8の右方向の動作タイマーの値が、15.6secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1x13および旋回方向の旋回用モーター1x8が動作する。
【0111】
従って、粉末モニター1xのモニターノズル3xは、俯仰上限から29°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から104°だけ右方向に回転移動する。
【0112】
すなわち、粉末モニター1xのモニターノズル3xは、図19の(a)に示すように、航空機用格納庫Aの区画A1の照準位置に向くこととなる。
【0113】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Aの区画A2の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画A2のボタンを押しているので、区画A2における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1x13の下方向の動作タイマーの値が、4.35secとなり、旋回方向の旋回用モーター1x8の右方向の動作タイマーの値が、9.45secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1x13および旋回方向の旋回用モーター1x8が動作する。
【0114】
従って、粉末モニター1xのモニターノズル3xは、俯仰上限から29°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から63°だけ右方向に回転移動する。
【0115】
すなわち、粉末モニター1xのモニターノズル3xは、図19の(b)に示すように、航空機用格納庫A2の区画の照準位置に向くこととなる。
【0116】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Bの区画B1の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画B1のボタンを押しているので、区画B1における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、6.9secとなり、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、16.95secとなり、俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、3.3secとなり、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、11.85secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1y13および旋回方向の旋回用モーター1y8および俯仰方向の俯仰用モーター1z13および旋回方向の旋回用モーター1z8が動作する。
【0117】
従って、粉末モニター1yのモニターノズル3yは、俯仰上限から46°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から113°だけ右方向に回転移動し、粉末モニター1zのモニターノズル3zは、俯仰上限から22°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から79°だけ右方向に回転移動する。
【0118】
すなわち、粉末モニター1yのモニターノズル3yおよび粉末モニター1zのモニターノズル3zは、図20の(c)に示すように、航空機用格納庫Bの区画B1の照準位置に向くこととなる。
【0119】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Bの区画B2の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画B2のボタンを押しているので、区画B2における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、3.15secとなり、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、14.25secとなり、俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、7.35secとなり、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、6.45secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1y13および旋回方向の旋回用モーター1y8および俯仰方向の俯仰用モーター1z13および旋回方向の旋回用モーター1z8が動作する。
【0120】
従って、粉末モニター1yのモニターノズル3yは、俯仰上限から21°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から95°だけ右方向に回転移動し、粉末モニター1zのモニターノズル3zは、俯仰上限から49°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から43°だけ右方向に回転移動する。
【0121】
すなわち、粉末モニター1yのモニターノズル3yおよび粉末モニター1zのモニターノズル3zは、図21の(e)に示すように、航空機用格納庫Bの区画B2の照準位置に向くこととなる。
【0122】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Bの区画B3の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画B3のボタンを押しているので、区画B3における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、6.3secとなり、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、7.05secとなり、俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、3.0secとなり、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、14.4secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1y13および旋回方向の旋回用モーター1y8および俯仰方向の俯仰用モーター1z13および旋回方向の旋回用モーター1z8が動作する。
【0123】
従って、粉末モニター1yのモニターノズル3yは、俯仰上限から42°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から47°だけ右方向に回転移動し、粉末モニター1zのモニターノズル3zは、俯仰上限から20°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から96°だけ右方向に回転移動する。
【0124】
すなわち、粉末モニター1yのモニターノズル3yおよび粉末モニター1zのモニターノズル3zは、図20の(d)に示すように、航空機用格納庫Bの区画B3の照準位置に向くこととなる。
【0125】
その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Bの区画B4の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画B4のボタンを押しているので、区画B4における回転時間制御のタイマー設定において、俯仰方向の俯仰用モーター1y13の下方向の動作タイマーの値が、3.15secとなり、旋回方向の旋回用モーター1y8の右方向の動作タイマーの値が、11.1secとなり、俯仰方向の俯仰用モーター1z13の下方向の動作タイマーの値が、7.35secとなり、旋回方向の旋回用モーター1z8の右方向の動作タイマーの値が、21.6secとなるので、そのタイマーの値だけ俯仰方向の俯仰用モーター1y13および旋回方向の旋回用モーター1y8および俯仰方向の俯仰用モーター1z13および旋回方向の旋回用モーター1z8が動作する。
【0126】
従って、粉末モニター1yのモニターノズル3yは、俯仰上限から21°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から74°だけ右方向に回転移動し、粉末モニター1zのモニターノズル3zは、俯仰上限から49°だけ下方向に回転移動し、旋回左限から144°だけ右方向に回転移動する。
【0127】
すなわち、粉末モニター1yのモニターノズル3yおよび粉末モニター1zのモニターノズル3zは、図21の(f)に示すように、航空機用格納庫Bの区画B4の照準位置に向くこととなる。
【0128】
このように、本願発明の実施形態では、粉末モニター1のモニターノズル3の駆動モーターとしてブレーキ付きのギアモータを用い、そのブレーキ付きのギアモータを回転時間制御してモニターノズル3を所定の区画の照準位置に合わせるようにしているので以下のような効果が得られる。
(1)従来のようなサーボモータ・エンコーダ・中継器盤を使用しないので、安価でかつ設置スペースをコンパクト化できる。
(2)システムメンテナンスが容易で、迅速かつ効果的な消火が可能となる。
【0129】
上記図22のステップ209において粉末モニター1のモニターノズル3の回転時間制御が行われ、モニターノズル3が照準位置に駆動されると、次に、ステップ211において、モニターノズル3より粉末消火剤が放出される。
【0130】
すなわち、粉末モニターノズル制御盤5xの制御により、粉末消火設備部7xの起動装置格納箱7x5へ粉末消火剤放出の制御信号が送られ、起動装置格納箱7x5の駆動制御に基づいて、粉末容器ユニット7x1および加圧容器ユニット7x3が、粉末モニター1へ粉末消火剤を供給する。
【0131】
それにより、粉末モニター1の照準位置を向いたモニターノズル3より粉末消火剤が放出される。
【0132】
ここで、その火災の発生した区画が、航空機用格納庫Aの区画A1の場合、オペレーターが粉末モニターノズル制御盤5xの区画A1のボタンを押しているので、俯仰上限から29°だけ下方向で、旋回左限から104°だけ右方向に照準位置設定された粉末モニター1xのモニターノズル3xから粉末消火剤が放出され、それにより、区画A1の火災が消火される。
【0133】
なお、前述したように、ITVカメラ9xよりの映像が、ITV制御盤11xの表示部11x1に表示されるので、オペレーターが、その映像を見て消火状態等を確認し、その消火状態等に応じて、例えば、手動でモニターノズル3xの方向を変えるようにすることもできる。
【0134】
本発明は、航空機用格納庫以外にも、ショッピングモール、体育館、野球場、サッカー場などの大空間に適用することができ、このとき粉末消火剤を含み泡消火薬剤や消火用水を利用する消火システムとしても良い。
【0135】
本発明は前述の発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な訂正を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【符号の説明】
【0136】
A、B…航空機用格納庫
X、Y、Z…消火システム
1x、1y、1z…粉末モニター
3x、3y、3z…モニターノズル
5…粉末モニターノズル制御盤
7x、7y、7z…粉末消火設備部
9x、9y、9z…ITVカメラ
10x、10y、10z…スピーカー
11…ITV制御盤
20…ブレーキ付きのギアモータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【手続補正書】
【提出日】2021-10-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、
前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、
前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることを特徴とする消火システム。
【請求項2】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の消火システム。
【請求項3】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項1に記載の消火システム。
【請求項4】
前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることを特徴とする請求項1に記載の消火システム。
【請求項5】
前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作が、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から行われることを特徴とする請求項4に記載の消火システム。
【請求項6】
前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の消火システム。
【請求項7】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることを特徴とする請求項2に記載の消火システム。
【請求項8】
前記モニターノズル制御盤には、前記大空間における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求項7に記載の消火システム。
【請求項9】
航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、
前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記粉末モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることを特徴とする消火システム。
【請求項10】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなることを特徴とする請求項9に記載の消火システム。
【請求項11】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項10に記載の消火システム。
【請求項12】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項9に記載の消火システム。
【請求項13】
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることを特徴とする請求項9に記載の消火システム。
【請求項14】
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作が、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から行われることを特徴とする請求項13に記載の消火システム。
【請求項15】
前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項14に記載の消火システム。
【請求項16】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることを特徴とする請求項11に記載の消火システム。
【請求項17】
前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求16に記載の消火システム。
【請求項18】
航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、
前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記照準位置へ合わせる工程と、
前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、
を有し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることを特徴とする消火方法。
【請求項19】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【請求項20】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【請求項21】
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【請求項22】
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作が、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から行われることを特徴とする請求項21に記載の消火方法。
【請求項23】
前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項22に記載の消火方法。
【請求項24】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第1の発明は、大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
第2の発明は、第1の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第3の発明は、第1の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第4の発明は、第1の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第5の発明は、第4の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
第6の発明は、第5の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第7の発明は、第2の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】
第8の発明は、第7の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記モニターノズル制御盤には、前記大空間における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第9の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記粉末モニターのモニターノズルを駆動し、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
第10の発明は、第9の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなることである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】
第11の発明は、第10の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
第12の発明は、第9の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
第13の発明は、第9の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることである。
第14の発明は、第13の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作が、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から行われることである。
第15の発明は、第14の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
第16の発明は、第11の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることである。
第17の発明は、第16の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことである。
第18の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記照準位置へ合わせる工程と、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、を有し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御による前記モニターノズルの駆動における前記モニターノズルの移動速度が、所定の速度となっていることである。
第19の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
第20の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
第21の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が行われることである。
第22の発明は、第21の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作が、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から行われることである。
第23の発明は、第22の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記基準位置設定が、前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
第24の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することである。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、
前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、
前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が、リミットスイッチを用いて行われ、
前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作がブレーキ付きのギアモータを時間制御して行われ、
前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であることを特徴とする消火システム。
【請求項2】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項1に記載の消火システム。
【請求項3】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項に記載の消火システム。
【請求項4】
前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の消火システム。
【請求項5】
前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることを特徴とする請求項4に記載の消火システム。
【請求項6】
前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項5に記載の消火システム。
【請求項7】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の消火システム。
【請求項8】
前記モニターノズル制御盤には、前記大空間における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求項7に記載の消火システム。
【請求項9】
航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、
前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が、リミットスイッチを用いて行われ、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作がブレーキ付きのギアモータを時間制御して行われ、
前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であることを特徴とする消火システム。
【請求項10】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなることを特徴とする請求項9に記載の消火システム。
【請求項11】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項10に記載の消火システム。
【請求項12】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項11に記載の消火システム。
【請求項13】
前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することを特徴とする請求項9~12のいずれかに記載の消火システム。
【請求項14】
前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることを特徴とする請求項13に記載の消火システム。
【請求項15】
前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項14に記載の消火システム。
【請求項16】
前記消火システムが、前記モニターノズルを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記粉末モニターへ前記消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有していることを特徴とする請求項9~15のいずれかに記載の消火システム。
【請求項17】
前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことを特徴とする請求16に記載の消火システム。
【請求項18】
航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、
前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定を、リミットスイッチを用いて行う工程と、
前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記照準位置へ合わせる工程と、
前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、
を有し、
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であることを特徴とする消火方法。
【請求項19】
前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【請求項20】
前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることを特徴とする請求項19に記載の消火方法。
【請求項21】
前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することを特徴とする請求項18~20のいずれかに記載の消火方法。
【請求項22】
前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることを特徴とする請求項21に記載の消火方法。
【請求項23】
前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることを特徴とする請求項22に記載の消火方法。
【請求項24】
前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することを特徴とする請求項18に記載の消火方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
第1の発明は、大空間における火災を消火剤の放出により消火するための大空間の消火システムであって、前記消火剤を放出するためのモニターノズルを有するモニターを備え、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が、リミットスイッチを用いて行われ、前記大空間に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作がブレーキ付きのギアモータを時間制御して行われ、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記消火剤を放出し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であることである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
第3の発明は、第の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
第4の発明は、第1~3のいずれかの発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することである。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第5の発明は、第4の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】
第6の発明は、第5の発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
第7の発明は、第1~6のいずれかの発明に係わる大空間の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有するモニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記モニターへ前記消火剤を供給するための消火設備部とを有していることである。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
第9の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫における火災を粉末消火剤の放出により消火するための航空機用格納庫の消火システムであって、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルを有する粉末モニターを備え、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定が、リミットスイッチを用いて行われ、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記モニターノズルを照準位置へ合わせるための前記モニターノズルの駆動動作がブレーキ付きのギアモータを時間制御して行われ、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であるである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
第12の発明は、第11の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
第13の発明は、第9~12のいずれかの発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することである。
第14の発明は、第13の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることである。
第15の発明は、第14の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
第16の発明は、第9~15の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記消火システムが、前記モニターノズルを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御するモニターノズル制御盤と、消火剤用のパイプを介して前記粉末モニターへ前記消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有していることである。
第17の発明は、第16の発明に係わる航空機用格納庫の消火システムにおいて、前記粉末モニターノズル制御盤には、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定するためのハンディタッチパネル表示器が設けられており、前記粉末モニターノズル制御盤は、前記ハンディタッチパネル表示器と連動して前記区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置の設定を行うことである。
第18の発明は、航空機を格納する航空機用格納庫内の火災を粉末消火剤放出により消火する消火システムにおける消火方法であって、前記消火システムが、前記粉末消火剤を放出するためのモニターノズルおよび前記モニターノズルを駆動するブレーキ付きのギアモータを有する粉末モニターと、前記モニターノズルを照準位置となるように所定の放出角度へ駆動制御する粉末モニターノズル制御盤と、前記粉末モニターへ前記粉末消火剤を供給するための粉末消火設備部とを有し、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる前に、前記モニターノズルが基準位置となるための基準位置設定を、リミットスイッチを用いて行う工程と、前記航空機用格納庫に火災が発生して前記モニターノズルを照準位置へ合わせる場合に、前記ブレーキ付きのギアモータを時間制御して前記モニターノズルを駆動して前記基準位置設定により設定された前記基準位置から前記照準位置へ合わせる工程と、前記照準位置へ合わせた前記モニターノズルより前記粉末消火剤を放出する工程と、を有し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御における時間と、前記モニターノズルの移動角度および移動速度との関係が一定であることである。
第19の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータが、無励磁作動型のブレーキとモーターとからなり、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モーターによる前記モニターノズルの所定の移動速度に基づいて、前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、その時間だけ前記モーターにより前記モニターノズルを駆動するように、前記ブレーキを駆動制御することである。
第20の発明は、第19の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記モニターノズルの所定の移動速度が、0.15sec/1°であることである。
第21の発明は、第18~20のいずれかの発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記リミットスイッチが、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルの駆動動作を行って前記モニターノズルが基準位置に達したことを検出することである。
第22の発明は、第21の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記基準位置設定における前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの最大駆動範囲以上に設定されることである。
第23の発明は、第22の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記基準位置設定が、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが旋回左限リミットに達し、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御により前記モニターノズルが俯仰上限リミットに達した場合に、前記モニターノズルが基準位置となるように設定されていることである。
第24の発明は、第18の発明に係わる航空機用格納庫の消火方法において、前記ブレーキ付きのギアモータの時間制御が、前記モニターノズルの移動速度に基づいて、前記航空機用格納庫における区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置への時間を求め、区画エリアに応じた前記モニターノズルの照準位置を設定する工程と、火災が発生した場合に、その火災の発生した区画エリアに対応する照準位置へ前記モニターノズルを向けるように前記ブレーキ付きのギアモータを駆動する工程、とを有することである。