(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042558
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】灯具およびそれを用いた照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/04 20060101AFI20220308BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220308BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20220308BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220308BHJP
【FI】
F21S8/04 110
F21S8/04 130
F21S2/00 230
F21V15/01 530
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】33
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020147979
(22)【出願日】2020-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 恒人
(72)【発明者】
【氏名】小松 琢充
(72)【発明者】
【氏名】奥田 典明
(57)【要約】 (修正有)
【課題】長期使用における信頼性を向上できる灯具およびそれを用いた照明装置を提供する。
【解決手段】台座2と、台座2に配置された光源を含む光源部3と、台座2に取り付けられて光源部3覆う透光性カバー1と、を有し、台座2と透光性カバー1とによって光源部3が配置された内部空間S1が形成されてなる灯具101であって、内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を吸着する吸着部材を、台座2を構成する樹脂材料に含有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座と、前記台座に配置された光源を含む光源部と、前記台座に取り付けられて前記光源部を覆う透光性カバーと、を有し、前記台座と前記透光性カバーとによって前記光源部が配置された内部空間が形成されてなる灯具であって、
前記内部空間に侵入しようとする気体のうち、前記光源部の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を吸着する吸着部材を備える、灯具。
【請求項2】
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で前記台座に含まれている、請求項1に記載の灯具。
【請求項3】
前記台座は、表面に敷設された塗膜を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記塗膜に含まれている、請求項1または2に記載の灯具。
【請求項4】
前記光源部と前記台座とを接着させる接着部材を更に有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記接着部材に含まれている、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項5】
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で前記透光性カバーに含まれている、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項6】
前記透光性カバーは、表面に敷設された塗膜を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記塗膜に含まれている、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項7】
前記光源部、前記台座および前記透光性カバーのうちの少なくとも一つの表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部を更に有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記表示印刷部に含まれている、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項8】
前記光源部と前記台座との間に配置された光源シート部材を更に有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記光源シート部材に含まれている、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項9】
前記光源シート部材の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記表示印刷部に含まれている、請求項8に記載の灯具。
【請求項10】
前記光源部は、複数の光源構成部材で構成されており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、複数の前記光源構成部材のうち少なくとも一つに含まれている、請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項11】
前記光源部は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記光源基板に含まれている、請求項10に記載の灯具。
【請求項12】
前記光源部は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、
前記光源基板の表面に設けられたレジストと、を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記レジストに含まれている、請求項10または11に記載の灯具。
【請求項13】
前記光源構成部材は、前記光源構成部材として、
光源基板と、
前記光源基板の表面に実装された複数の発光素子と、
前記光源基板に発光素子をはんだで接合したはんだ接合部と、
前記はんだ接合部の表面に敷設されたフラックスと、を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記フラックスに含まれている、請求項10から請求項12のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項14】
前記台座に載置され、前記光源部に接続される電線を所定の位置に配置させる電線保護具を更に有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記電線保護具に含まれている、請求項1から請求項13のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項15】
前記透光性カバーは、前記内部空間に通じる開口部が設けられ、前記開口部を開閉自在に塞ぐカバー蓋部を有しており、
前記カバー蓋部には、前記内部空間に面した内面部に前記吸着部材が設けられている、請求項1から請求項14のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項16】
前記台座には、前記内部空間に通じる開口部が設けられ、前記開口部を開閉自在に塞ぐ台座蓋部を有しており、
前記台座蓋部には、前記内部空間に面した内面部に前記吸着部材が設けられている、請求項1から請求項15のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項17】
前記光源部に電力を供給する電源部を更に有しており、
前記電源部は、複数の電源構成部材で構成され、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、複数の前記電源構成部材のうち少なくとも一つに含まれている、請求項1から請求項16のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項18】
前記電源部は、前記電源構成部材として、
電源ケースと、
前記電源ケースに収納され、前記光源部に供給するための電力を生成する電源回路を有する電源基板と、を備えている、請求項17に記載の灯具。
【請求項19】
前記電源ケースは、表面に敷設された塗膜を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記塗膜に含まれている、請求項18に記載の灯具。
【請求項20】
前記電源部は、前記電源構成部材として前記電源基板の表面に設けられたレジストを有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記レジストに含まれている、請求項18または19に記載の灯具。
【請求項21】
前記電源部は、前記電源構成部材として、
前記電源基板に電源回路をはんだで接合したはんだ接合部と、
前記はんだ接合部の表面に敷設されたフラックスと、を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で、前記フラックスに含まれている、請求項18から請求項20のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項22】
前記電源部は、前記電源構成部材として、前記電源ケースと前記電源基板との間に配置された電源シート部材を備えている、請求項18から請求項21のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項23】
前記電源部は、前記電源構成部材として前記電源基板または前記電源回路に塗布される接着部材を備えている、請求項18から請求項22のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項24】
前記電源部に敷設されるラベルからなる表示印刷部を有しており、
前記吸着部材は、樹脂材料に含有された状態で該表示印刷部に含まれている、請求項17から請求項23のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項25】
前記電源ケースは、前記電源ケースの内部に通じる開口部が設けられ、前記開口部を開閉自在に塞ぐケース蓋部を有しており、
前記ケース蓋部には、前記電源ケースの内部に面した内面部に前記吸着部材が設けられている、請求項18から請求項24のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項26】
前記吸着部材は、微細成形加工された微細樹脂に含有された構成とされ、
前記樹脂材料は、前記吸着部材が含有された前記微細樹脂を混合した構成である、請求項2から請求項14、請求項17から請求項24のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項27】
前記樹脂材料および前記微細樹脂のうちの少なくとも一方は、気体透過性を有する構成である、請求項2から請求項14、請求項17から請求項24、請求項26のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項28】
前記カバー蓋部、前記台座蓋部または前記ケース蓋部は、前記開口部に着脱自在に取り付けられている、請求項15、請求項16または請求項25に記載の灯具。
【請求項29】
前記カバー蓋部、前記台座蓋部または前記ケース蓋部の前記内部空間に面した内面部に設けられた前記吸着部材は、ビーズ状に形成されてなる、請求項15、請求項16、請求項25または請求項28に記載の灯具。
【請求項30】
前記カバー蓋部、前記台座蓋部または前記ケース蓋部の前記内部空間に面した内面部に設けられた前記吸着部材は、剥離可能な固定部材によって固定される、請求項15、請求項16、請求項25、請求項28または請求項29に記載の灯具。
【請求項31】
前記特定の気体には、
硫黄、塩素、および、臭素のうち、少なくともいずれか一つが含まれる、請求項1から請求項30のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項32】
前記吸着部材には、
少なくとも過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、酸化亜鉛、銀、リン、カルシウム、酸素、リン酸銀、或いは、リン酸カルシウム、または、銅を担持したゼオライト系脱硫剤のうちの1種類以上が含まれる、請求項1から請求項31のいずれか一項に記載の灯具。
【請求項33】
照射対象空間に光を照射する灯具と、前記灯具が装着される器具と、を備えた照明装置であって、
前記灯具として請求項1から請求項32のいずれか一項に記載の灯具を用いた、照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、灯具およびそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光ダイオード(Light Emitting Diode;以下、LEDと称す)などの固体発光素子を光源とする照明装置の普及により、光源部の電子化が進んでいる。そのため、このようなLEDを光源とする照明装置では、LEDの駆動原理により、交流電力(AC)による給電から、光源を点灯させるための直流電力(DC)へと電力を変換する手段として電源装置が必要となる。そして、商用の交流電力の多様な規格(電圧および周波数等)に対応した電源装置では、多くの電子部品が使用されている。
【0003】
また、LEDを光源とする照明装置では、光源部が台座に配置され、当該台座に透光性カバーが取り付けられる。そして、透光性カバーによって、光源部が覆われることにより、光源部を配置する内部空間が、外部空間から隔離して形成される。このとき、透光性カバーの開口部を覆うために使用される封止具は、その材料であるシリコーンゴムの気体透過性(ガス透過性ともいう)が高いため、当該封止具を通して大気中の成分(気体)を透光性カバーの内外に行き来させてしまう。この性質は、照明装置周辺のアウトガスまたは大気中の汚染物質にも共通し、これらの汚染物質も全て透過可能なため、これらの汚染物質により照明装置が不具合を起こす場合がある。特に、LEDは、電極または配線等に銀(Ag)を用いているため、硫黄系ガスにより腐食を起こし、全光束の低下を招く虞がある。
【0004】
さらに、例えば、温泉施設またはゴム製造工場といった硫化ガスなどの硫黄化合物が発生する特殊な環境で使用される照明装置では、硫黄化合物による金属腐食(特に、電子部品などに用いられる銀に対する劣化)を抑制して長寿命化することが望まれる。
【0005】
そこで、照明装置において長期的に高い光効率を維持するために、例えば、LEDが外気と接触しないように、当該LEDが配置される内部空間の周囲に密閉封止材が配置された照明装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。これより、かかる照明装置では、空気中に含まれる硫黄化合物の侵入を防ぎ、LEDの配線または反射面に用いられる銀の黒化による劣化を防止可能としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1の照明装置では、密閉された内部空間内にLEDを実装する際に使用された半田フラックスなどの有機物が存在する。そのため、密閉封止された内部空間を有する照明装置では、当該内部空間に配置されたLEDを点灯させた場合、当該LEDの光によって内部空間内に存在する有機物が、LEDチップ周辺部を変色させる虞があった。
【0008】
そこで、本開示は、上記課題を解決するためのものであり、照明装置の内部空間へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって内部空間内に存在する金属が腐食することを防ぎつつ、内部空間内に存在する有機物による光源部の変色を回避して、長期使用における信頼性を向上できる灯具およびそれを用いた照明装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る灯具は、台座と、前記台座に配置された光源を含む光源部と、前記台座に取り付けられて前記光源部を覆う透光性カバーと、を有し、前記台座と前記透光性カバーとによって前記光源部が配置された内部空間が形成されてなる灯具であって、前記内部空間に侵入しようとする気体のうち、前記光源部の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を吸着する吸着部材を備えるものである。
【0010】
また、本開示に係る照明装置は、照射対象空間に光を照射する灯具と、前記灯具が装着される器具と、を備えた照明装置であって、前記灯具として上記の灯具を用いたものである。
【発明の効果】
【0011】
本開示に係る灯具およびそれを用いた照明装置は、台座と透光性カバーとによって形成される光源部が配置された内部空間に侵入しようとする気体のうち、光源部の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を吸着する吸着部材を備えている。これにより、LEDを光源とする灯具を照明装置に用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着して、照明装置の内部空間へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。よって、LEDの劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具および照明装置を使用できる。また、照明装置の内部空間は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解してLEDチップ周辺部の変色を防止できる。したがって、本開示の灯具およびそれを用いた照明装置によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具およびそれを用いた照明装置の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の一構成例を示す斜視図である。
【
図3】
図2の灯具を被取付部側から見て示す斜視図である。
【
図5】
図3の灯具における電源部を設けた部分を示す縦断面図である。
【
図7】
図5の要部を示す拡大図であって変形例1の灯具の吸着部材を示した説明図である。
【
図11】実施の形態11に係る照明装置の灯具の主要部を分解して示した斜視部である。
【
図12】実施の形態11に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を分解して示した斜視図である。
【
図13】実施の形態12に係る照明装置の灯具の主要部を示した斜視図である。
【
図14】
図13に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。
【
図15】実施の形態12に係る照明装置の変形例であって、灯具の主要部を示した斜視図である。
【
図16】
図15に示したカバー蓋部の動作を示した説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示に係る灯具およびそれを用いた照明装置の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本開示に係る灯具およびそれを用いた照明装置は、以下に説明する実施の形態によって限定されるものではない。また、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は灯具およびそれを用いた照明装置を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」または「後」等が挙げられる。さらに、以下の説明において、同一の構成の箇所または部品には同じ符号を付し、その説明を適宜割愛する。但し、同一の符号において、「a」、「b」または「c」等のように付属する文字が異なる場合については、その範囲ではない。
【0014】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置100の一構成例を示した斜視図である。
図2は、
図1に示した照明装置100の分解斜視図である。
図3は、
図2に示した灯具101を被取付部側から見た状態の斜視図である。
図4は、
図3に示した灯具101の分解斜視図である。
図5は、
図3の灯具101における電源部5を設けた部分を示す縦断面図である。
図6は、
図5の要部を示す拡大図である。なお、
図6における
図5の要部とは、A部である。
【0015】
なお、以下の説明において、照明装置100の長手方向を長手方向X、長手方向Xに対する短手方向を短手方向Yとし、長手方向Xおよび短手方向Yのそれぞれに直交する方向を上下方向Zとする。また、上下方向Zにおいて、照明装置100が取り付けられる天井または壁等の被取付部103の方向を上方向Z1とし、上方向Z1と反対側であり照明装置100が光を照射する方向を下方向Z2とする。
【0016】
<照明装置100>
実施の形態1に係る照明装置100は、
図1および
図2に示すように、長手方向Xに延びる長尺状であり、天井または壁等の被取付部103に取り付けられて、室内空間などの照明空間に光を照射するものである。照明装置100は、照明空間に光を照射する長尺の灯具101と、灯具101が着脱自在に取り付けられる長尺の器具102と、を備えている。器具102は、被取付部103に取り付けられて固定される。
【0017】
灯具101は、
図2~
図4に示すように、透光性カバー1と、台座2と、光源部3と、光源シート部材4と、電源部5と、バネ受具6と、を有している。また、器具102は、
図2に示すように、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を有している。
【0018】
<灯具101>
まず、灯具101の各構成要素について、
図1~
図4を参照しながら説明する。透光性カバー1は、透光性の材料を用いて形成され、光源部3の周囲を覆う部材である。透光性の材料とは、ポリカーボネイト若しくはアクリル等の合成樹脂、またはガラス等である。透光性カバー1は、使用される材料に応じて、射出成形、押出し成形、または、三次元積層造形等により形成される。
【0019】
(透光性カバー1)
透光性カバー1は、
図1~
図5に示すように、透光性の照射面および照射面と対向する開口面を有する長尺の箱形に形成されている。具体的には、透光性カバー1は、照射面の側に設けられた湾曲面状の照射面を有する長尺のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口面を塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー主部10は、短手方向Yの両端縁から被取付部103に向かって立ち上がるカバー壁面部12(
図5参照)と、カバー壁面部12の両端縁から開口の内方側に向かって突き出す一対のL字状の台座取付部13(
図5参照)と、を有している。
【0020】
カバー主部10は、一例として縦断面が湾曲面状とした構成を示しているが、V字状、W字状、または、矩形状等でもよいし、その他の形状でもよい。カバー端部11は、カバー主部10に接着などによって一体的に取り付けられている。カバー壁面部12は、
図5に示すように、上方向Z1に向かって立ち上がる両端縁が開口の内方側へ向くように形成されており、これらの両端縁にL字状の台座取付部13が設けられている。
【0021】
台座取付部13は、
図5に示すように、透光性カバー1の長手方向X(
図2参照)に沿って形成されており、透光性カバー1に台座2を取り付けるために設けられている。台座取付部13は、台座2を支持するカバー支持部13aと、台座2を係止させるカバー係止部13bと、でL字状に形成されている。
【0022】
カバー支持部13aは、透光性カバー1の開口の一部を塞ぐように透光性カバー1の短手方向Yに延伸させて形成されている。カバー支持部13aの上面には、台座2が載置される。カバー支持部13aは、透光性カバー1の長手方向Xに沿って両側に並行して形成されている。並行するカバー支持部13aおよび13aの間には、光源部3が配置される。
【0023】
カバー係止部13bは、上方向Z1に向かって延伸させて形成されており、中間部分においてカバー壁面部12の先端縁が接続されている。カバー係止部13bは、上方向Z1側に位置する上端にフック部13cが形成されている。フック部13cは、台座2に掛け止めるために設けられている。
【0024】
(台座2)
台座2は、板金単体、板金を母材として樹脂材料がコーティング、または樹脂材料単体で形成されており、
図3~
図5に示すように、透光性カバー1の開口面を覆うものである。
図5に示すように、透光性カバー1と台座2とで囲まれた空間を内部空間S1とする。台座2は、
図3~
図5に示すように、透光性カバー1の長手方向Xに沿って延びる平板状の基部20と、基部20の短手方向Yの両端縁から上方向Z1に向かって立ち上がる側部21と、を有している。台座2は、基部20が台座取付部13のカバー支持部13aに載置されて支持され、側部21の上端部がカバー係止部13bのフック部13cに掛け止められて固定されている。なお、透光性カバー1に台座2を取り付ける手段は、図示した構成に限定されない。例えば、透光性カバー1に台座2を接着させて取り付ける構成でもよいし、透光性カバー1に対して台座2をスライドさせて取り付ける構成でもよいし、その他の構成でもよい。
【0025】
図3~
図5に示すように、基部20には、カバー主部10の側となる下方向Z2側に位置する下面201に、光源部3が取り付けられている。また、基部20には、透光性カバー1の開口側となる上方向Z1側に位置する上面202に、電源装置としての電源部5と、電線保護具としての電線配置具54および電線保持具55と、取付バネ9(
図2参照)に係合するバネ受具6と、が設けられている。
【0026】
(光源部3)
光源部3は、
図4~
図5に示すように、光源構成部材として、長尺の光源基板30と、光源基板30の一面301側に実装された複数の発光素子31と、を有している。光源基板30は、基部20の光源部3が配置される下面201に、接着部材32などを用いて取り付けられている。すなわち、光源基板30は、発光素子31が実装される一面301とは反対側の他面302側に配置される接着部材32などを介して基部20の下面201に取り付けられている。接着部材32は、液状若しくは半液状の接着剤、または粘着剤が敷設された粘着シート等が採用可能である。また、光源基板30には、電線5bの導線を通すための貫通孔30aが形成されている。さらに、光源基板30の発光素子31が実装される側の一面301には、
図6に示すように、光の反射率を高める反射剤であるレジスト33が設けられている。レジスト33は、光源部3の光源構成部材である。
【0027】
発光素子31は、例えば、発光ダイオード(Light Emitting Diode)素子である。複数の発光素子31は、
図4に示すように、光源基板30の長手方向Xに沿って直線状に実装されており、透光性カバー1のカバー主部10と対向している。なお、
図4では、発光素子31を一部省略して示しているが、実際には、光源基板30の長手方向Xに沿って連続して実装されている。また、発光素子31は、ここでは図示省略するが、一例として、はんだによって光源基板30に接合されている。このとき、はんだと光源基板30および発光素子31との接合部分の表面には、フラックスが敷設される。フラックスは、光源部3の光源構成部材である。
【0028】
光源部3は、電源部5から電力が供給されて発光素子31を発光させる。発光素子31から発光された光は、カバー主部10を介して室内空間等の照明対象空間に照射される。なお、光源部3の動作熱は、台座2を介して灯具101の外部空間等の放熱領域に向けて放熱される。
【0029】
(光源シート部材4)
光源部3の光源構成部材である被覆部としての光源シート部材4は、
図4~
図6に示すように、台座2と光源基板30との間に配置されている。光源シート部材4は、光源部3の光源構成部材である。具体的に、光源シート部材4は、光源部3の外周端部と重なる状態で台座2の光源部3が配置される下面201に敷設される。光源シート部材4は、薄膜状とされ、台座2の基部20の下面201を覆うように配置されている。光源シート部材4は、例えば樹脂材料を用いて形成される。光源シート部材4の厚さ寸法は、例えば0.5mm程度である。
【0030】
光源シート部材4は、スリット状の貫通孔40が長手方向Xに沿って設けられている。貫通孔40は、光源基板30よりも小さい大きさである。貫通孔40には、光源基板30を台座2の基部20に接着させる接着部材32が配置される。光源シート部材4は、接着部材32が硬化することで、基部20と光源基板30との間に挟まれて固定される。つまり、光源シート部材4は、台座2の基部20の下面を覆うと共に、光源基板30の外周端部を覆う。
【0031】
光源シート部材4は、電気絶縁性を有する材料を用いて形成できる。つまり、光源シート部材4は、光源基板30の外周端部付近に敷設された配線パターンおよび当該外周端部付近に実装された電子部品などの光源回路と、台座2との電気絶縁を確保できる。灯具101は、光源シート部材4を設けることにより、光源基板30を小型化することが可能となり、軽量化および材料コストの低減等を図ることができる。なお、光源シート部材4のその他の機能としては、反射率の向上、放熱性の向上、摩擦係数の低減または異物侵入リスクの低減等がある。また、光源シート部材4は、前述した機能以外の機能を有する構成でもよい。
【0032】
(電源部5)
電源部5は、
図2に示す端子台8から供給された電力を光源部3に供給する電源としての機能と、点灯電力の制御を行う機能と、を有している。電源部5は、
図3~
図5に示すように、樹脂材料などからなる長尺状の電源ケース50を有している。また、電源部5は、電源ケース50の内部に収納された電源基板51と、電源基板51に実装され、光源部3に供給するための点灯電力を生成する電源回路52と、電源基板51の下面に設けられた電源シート部材53と、を備えている。電源回路52は、電源基板51に実装された電子部品52aなどで構成される。電子部品52a同士は、電源接着部材45を介して固定されてもよい。電源シート部材53は、例えば絶縁効果または放熱効果を有するものである。
【0033】
電源部5は、
図4に示すように、基部20の上面202に載置され、基部20に設けられた電源支持部23と電源固定部24とによって位置が固定される。そして、電源部5は、基部20に形成された挿通孔20aに通したネジなどの接合部材22を用いて取り付けられている。電源部5は、
図2に示す器具102を被取付部103に取り付けるために用いられる吊りボルト(図示省略)の位置を考慮し、当該吊りボルトと電源ケース50が接触しない位置を選択して配置されている。電源部5は、
図4に示すように、端子台8(
図2参照)と電線5aを介して接続され、光源部3と電線5bを介して接続されている。
【0034】
電線5aの一端部には、
図2に示す端子台8に接続された電線8aのコネクタ8aaに接続するためのコネクタ5aaが設けられている。電線5bは、給電線であり、電源部5から光源部3に点灯電力を供給するための供給経路となる。電線5bは、基部20に形成された不図示の貫通孔である電線挿通孔を経由して配置され、電源部5と光源部3とを電気的に接続する。なお、電源部5の動作熱は、台座2を介して灯具101の外部空間などの放熱領域に向けて放熱される。また、電線5bは、2つで一組とした構成を示しているが、これに限らず、1つでもよいし3つ以上で一組とした構成でもよい。
【0035】
電線固定具は、
図4に示すように、電線配置具54と、電線保持具55と、を有している。電線配置具54は、電線5aおよび5bが吊りボルト(図示省略)と接触しないように配線するために設けられている。電線配置具54は、
図4に示すように、基部20の上面202に載置され、基部20に設けられた固定部25によって位置が固定され、基部20に形成された取付孔26を介して基部20に取り付けられている。
【0036】
電線保持具55は、電線5bの一端部にある給電部の損傷を防止し、且つ、給電部と基部20との絶縁距離を確保する目的で設けられている。電線保持具55は、例えば基部20の上面202に載置され、基部20に設けられた固定部(図示省略)によって位置が固定され、基部20に形成された取付孔(図示省略)を介して基部20に取り付けられている。
【0037】
(バネ受具6)
図2~
図4に示すように、バネ受具6は、器具本体部7に設けられた取付バネ9と係合し、灯具101を器具102に取り付けるために設けられている。バネ受具6は、取付バネ9に対応する位置であって、基部20の長手方向Xにおける両端にそれぞれ設けられている。バネ受具6は、
図4に示すように、基部20の上面202に載置され、基部20に設けられた固定部27によって位置が固定され、基部20に形成された取付孔28を介して基部20に取り付けられている。なお、バネ受具6は、照明装置100の形状および大きさに応じて、位置および個数を適宜変更して設けるものとする。なお、図示省略したが、器具102にバネ受具6を設け、灯具101に取付バネ9を設けてもよい。
【0038】
<器具102>
器具102は、
図1および
図2に示すように、器具本体部7と、端子台8と、取付バネ9と、を備えている。
(器具本体部7)
器具本体部7は、
図1および
図2に示すように、長手方向Xに沿って延びる本体部7aと、本体部7aの長手方向Xにおける両端に取り付けられた端板部7bと、を有している。本体部7aは、板金を折り曲げて形成されている。具体的には、本体部7aは、短手方向Yの断面形状がU字状となるように折り曲げられて形成され、長手方向Xに沿って伸びて設けられた凹部70を有している。そして、本体部7aは、短手方向Yにおける凹部70の開口端縁から被取付部103側となる上方向Z1に向かって斜め上方に折り曲げて形成され、長手方向Xに沿って伸びて設けられた斜面部71を有している。斜面部71は、灯具101から照射される光の一部を反射させて側方に配光するために設けられている。なお、本体部7aは、金属以外の材料を用いて形成してもよく、例えば、樹脂材料を用いて形成してもよい。
【0039】
図2に示すように、凹部70は、長手方向Xに延びる平板状の天面部72と、短手方向Yにおける天面部72の両端縁から灯具101側となる下方向Z2に向かって屈曲させた側面部73と、を有している。側面部73の端縁は、矩形の開口を形成する開口縁部となる。
【0040】
天面部72には、器具102を被取付部103に取り付けるための吊りボルトまたはネジ等の接合部材を通す複数の取付孔(図示は省略)が形成されている。
図2に示すように、器具102は、天面部72が被取付部103に不図示の吊りボルトまたはネジ等の接合部材で接合されることで、被取付部103に取り付けられる。また、図示省略するが、天面部72には、外部電線を照明装置100の内部へ通すための通線孔が形成されている。外部電線は、照明装置100の内部で端子台8に接続される。なお、外部電線には、電力の供給を受けるための外部電源線が含まれている。また、外部電線には、照明装置100の外部と通信を行うための制御線を含んでもよい。
【0041】
端板部7bは、
図1および
図2に示すように、本体部7aの長手方向Xにおける両端面を塞ぐように、本体部7aの長手方向Xにおける両端部に取り付けられる。なお、端板部7bには、複数の照明装置100を長手方向Xに連結設置する場合に、本体部7aの長手方向Xにおける両端部を開放して送り電線を通すノックアウト7cを設けてもよい。
【0042】
図2に示すように、器具102は、器具本体部7の凹部70と端板部7bとで囲まれた部分が灯具装着部7dとなる。灯具装着部7dには、灯具101が着脱自在に装着される。灯具101は、開口から一部分が収容された状態で、灯具装着部7dに装着される。灯具装着部7dの内部には、端子台8および取付バネ9が設けられている。
【0043】
(端子台8)
図2に示すように、端子台8は、器具本体部7の天面部72に固定されている。端子台8は、建物等に設けられた不図示の固定配線に接続されて、商用電源から電力供給を受けると共に、制御用の通信を中継するために設けられている。端子台8は、一端部にコネクタ8aaを有する電線8aを介して電源部5の電線5aに接続される。
【0044】
(取付バネ9)
取付バネ9は、
図2に示すように、バネ受具6と係合して器具102に灯具101を取り付けるために設けられている。取付バネ9は、例えば、ステンレスなどの弾性を有する材質であり、帯状の板材を湾曲させて形成した板バネである。取付バネ9は、基端部が天面部72に取り付けられており、灯具装着部7dの開口側に向かって突き出している。取付バネ9は、この場合、バネ受具6に対応する位置であって、天面部72の長手方向Xにおける両端にそれぞれ1つずつ設けられている。なお、取付バネ9は、図示した2つに限定されない。例えば、照明装置100の長手方向Xの長さが短い場合には、長手方向Xにおける一端側に取付バネ9を設け、長手方向Xにおける他端側にフックなどで固定する機構としてもよい。また、照明装置100の長手方向Xの長さが長い場合には、長手方向Xにおける両端に加え、中央部にも取付バネ9を設けてもよい。要するに、取付バネ9は、照明装置100の形状および大きさに応じて、位置および個数を適宜変更して設けられるものとする。
【0045】
ところで、従来のLEDを光源とする照明装置では、灯具の内部空間を密閉し、空気中に含まれる硫黄化合物の侵入を防止していたが、密閉された内部空間内に実装された光源部の半田フラックスなどの有機物がLEDチップ周辺部を変色させる虞があった。そして、このような変色の原因となる物質(以下、変色物質と称す)は、酸素を供給すると酸化分解(還元)されて、無色化することが知られている。つまり、前述したような変色物質を生成させないためには、ある程度の酸素供給(気体透過性)が必要となる。
【0046】
そこで、実施の形態1に係る照明装置100では、
図6に示すように、内部空間S1を密閉封止することなく気体が透過可能としておき、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を吸着する吸着部材36が含有された樹脂材料を用いて形成された吸着部360が設けられた台座2を有する灯具101を備えている。
【0047】
実施の形態1に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を台座2に設けたことを特徴としている。具体的には、
図6に示すように、台座2が樹脂材料を含む材料からなる基材365(母材)で構成されている。樹脂材料には、吸着部材36が含有されている。吸着部材36は、液体、ジェル状またはペースト状の半液体、個体および気体のいずれでもよい。また、吸着部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。基部20は、吸着部材36が含有された樹脂材料を用いて形成された基材365からなり、当該基部20自体が、硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を有するものとなっている。
【0048】
ここで、吸着部材36には、少なくとも過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、酸化亜鉛、銀、リン、カルシウム、酸素、リン酸銀、或いは、リン酸カルシウム、または、銅を担持したゼオライト系脱硫剤のうちの1種類以上が含まれる。つまり、前述した物質の単体でもよいし、複数の物質を混合してもよい。または、前述した物質が含まれる結晶性粒子が含有されてもよい。
【0049】
また、光源部3の劣化を引き起こす特定の気体とは、硫黄を原料とする硫黄化合物を含む硫黄系ガスが挙げられる。また、かかる特定の気体の原料は、硫黄に限らず、硫黄、塩素、および、臭素のうち、少なくともいずれか一つが含まれるものが挙げられる。
【0050】
なお、
図7は、
図5の要部を示す拡大図であって変形例1の灯具101の吸着部材を示した説明図である。
図7における
図5の要部とは、A部である。吸着部材36は、
図7に示すように、微細成形加工された微細樹脂37に含有された構成としてもよい。樹脂材料は、吸着部材36が含有された微細樹脂37を混合した構成である。具体的には、吸着部材36が混合されたビーズ状の微細樹脂37をフィラとして樹脂材料に混合した構成である。
【0051】
図8は、変形例2の灯具101を説明する縦断面図である。
図9は、
図8の灯具101のB部を拡大した概念図である。次に、実施の形態1に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、金属材料からなる基材(母材)で構成された台座2の表面に、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる塗膜38を敷設した構成としている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、塗膜38の一部を構成する。塗膜38の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜38は、反射率向上、放射性向上、摩擦係数の低減、防錆および防汚等の機能を有する。なお、塗膜38は、その他の機能を有する構成でもよい。なお、このような構成の塗膜38は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む基材と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0052】
吸着部材36が含有された塗膜38は、台座2の表面のうち接着部材32が敷設されない領域に敷設(塗付)される。当該構成は、光源基板30の取付強度を維持するために好ましく、すなわち、接着部材32の剥離強度を維持するために好ましく、また、塗膜38の資料量を抑制することができる。なお、塗膜38は、台座2の表面全体に敷設(塗付)される態様であってもよい。当該構成は、マスキングなどの準備が不要となり、塗膜38を敷設(塗付)する工程を簡略化できる。また、塗膜38は、台座2の表面のうち、上記以外の領域に敷設(塗付)されない態様であってもよい。
【0053】
図10は、変形例3の灯具101を説明する斜視図である。次に、実施の形態1に係る照明装置100の変形例3を説明する。変形例3の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を台座2の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜38および基材の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0054】
吸着部材36が含有された表示印刷部39が、台座2の上面に敷設(貼合)され、器具102と向き合う面に敷設(貼合)される。表示印刷部39は、完成品である灯具101、器具102、或いはこれらの組合せの識別に用いられるものと、部品である台座2或いは中間品の識別に用いられるものとがある。前者の場合は、表示印刷部39は完成品の外側から視認可能な位置に敷設(貼合)されることが好ましい。後者の場合はこれに限らず、完成品の外側から視認不可能な位置、例えば、表示印刷部39は台座2の下面(照射対
象空間と向き合う面)に敷設(貼合)されてもよい。
【0055】
なお、変形例1~3に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0056】
以上のように、実施の形態1に係る照明装置100は、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で台座2に含まれている。また、実施の形態1に係る照明装置100は、台座2の表面に敷設された塗膜38を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で塗膜38に含まれている。また、実施の形態1に係る照明装置100は、台座2の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部39を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部39に含まれている。
【0057】
つまり、実施の形態1に係る照明装置100では、内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態1の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0058】
実施の形態2.
次に、実施の形態2に係る照明装置を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、前述した実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0059】
実施の形態2に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を透光性カバー1に設けたことを特徴としている。具体的には、透光性カバー1が樹脂材料を含む材料からなる基材(母材)で構成されている。樹脂材料には、吸着部材36が含有されている。また、吸着部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。透光性カバー1は、吸着部材36が含有された樹脂材料を用いて形成された基材からなり、当該透光性カバー1自体が、硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を有するものとなっている。なお、
図1~
図5中の透光性カバー1において、吸着部材36の表示を省略している。
【0060】
次に、実施の形態2に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、透光性カバー1の表面に、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる塗膜38を敷設した構成としている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、塗膜38の一部を構成する。塗膜38の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜38は、透過率、拡散率、若しくは、波長弁別等の光学性能の調整、防汚、または、除電(静電気除去)等の機能を有する。なお、塗膜38は、その他の機能を有する構成でもよい。なお、このような構成の塗膜38は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む基材と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0061】
次に、実施の形態2に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を透光性カバー1の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む塗膜38および基材の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0062】
なお、実施の形態2に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0063】
以上のように、実施の形態2に係る照明装置100は、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で透光性カバー1に含まれている。また、実施の形態2に係る照明装置100は、透光性カバー1の表面に敷設された塗膜38を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で塗膜38に含まれている。また、実施の形態2に係る照明装置100は、透光性カバー1の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部39を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部39に含まれている。
【0064】
つまり、実施の形態2に係る照明装置100は、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態2の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0065】
実施の形態3.
次に、実施の形態3に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0066】
実施の形態3に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を光源シート部材4に設けたことを特徴としている。
図4~
図7に示すように、台座2と光源基板30との間には、光源シート部材4が配置されている。実施の形態4に係る照明装置100では、この光源シート部材4が吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、光源シート部材4の一部を構成する。光源シート部材4の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図4~
図7中の光源シート部材4において、吸着部材36の表示を省略している。
【0067】
次に、実施の形態3に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、金属材料からなる基材(母材)で構成された光源シート部材4の表面に、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる塗膜38を敷設した構成としている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、塗膜38の一部を構成する。塗膜38の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。金属材料からなる基材(母材)は、電磁波送受信、電磁界遮蔽率向上、または、放熱性向上等の機能を有する。また、基材(母材)はこれ以外の機能を有するものであってもよい。塗膜38は、反射率向上、放熱性向上、摩擦係数低減、防錆、または、防汚等の機能を有する。また、塗膜38は、その他の機能を有する構成でもよい。なお、このような構成の塗膜38は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む基材と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0068】
次に、実施の形態3に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を光源シート部材4の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む光源シート部材4と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0069】
なお、実施の形態3に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1または2において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0070】
以上のように、実施の形態3に係る照明装置100は、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で光源シート部材4に含まれている。また、実施の形態3に係る照明装置100は、光源シート部材4の表面に敷設された塗膜38を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で塗膜38に含まれている。また、実施の形態3に係る照明装置100は、光源シート部材4の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部39を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部39に含まれている。
【0071】
つまり、実施の形態3に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態3の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0072】
実施の形態4.
次に、実施の形態4に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0073】
実施の形態4に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を光源基板30に設けたことを特徴としている。実施の形態4に係る照明装置100は、光源基板30が、樹脂材料を含む材料からなる基材(母材)で構成されている。光源基板30は、光源部3の光源構成部材である。樹脂材料には、吸着部材36が含有されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図1、
図2、
図4~
図7中の光源基板30において、吸着部材36の表示を省略している。
【0074】
次に、実施の形態4に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、光源基板30の表面に、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる塗膜38を敷設した構成としている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、塗膜38の一部を構成する。塗膜38の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜38は、反射率向上、放熱性向上、摩擦係数低減、防錆、または、防汚等の機能を有する。また、塗膜38は、その他の機能を有する構成でもよい。なお、このような構成の塗膜38は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む基材と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0075】
次に、実施の形態4に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を光源基板30の表面に敷設した構成である。表示印刷部39は、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材36が含有された光源基板30と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0076】
次に、実施の形態4に係る照明装置100の変形例3を説明する。変形例3の照明装置100は、光源基板30の表面に設けられたレジスト33が、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。レジスト33は、光源部3の光源構成部材である。吸着部材36が含有された樹脂材料は、レジスト33の一部を構成する。レジスト33の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成のレジスト33は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む光源基板30および表示印刷部39の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0077】
次に、実施の形態4に係る照明装置100の変形例4を説明する。変形例4の照明装置100は、光源基板30に発光素子31をはんだで接合したはんだ接合部34の表面に敷設されたフラックス35が吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。フラックス35は、光源部3の光源構成部材である。吸着部材36が含有された樹脂材料は、フラックス35の一部を構成する。フラックス35の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成のフラックス35は、前述した吸着部材が含有された樹脂材料を含む光源基板30、表示印刷部39およびレジスト33の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0078】
なお、実施の形態4に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~3において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0079】
以上のように、実施の形態4に係る照明装置100は、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で光源基板30に含まれている。また、実施の形態4に係る照明装置100は、光源基板30の表面に敷設された塗膜38を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で塗膜38に含まれている。また、実施の形態4に係る照明装置100は、光源基板30の表面に敷設されるラベルからなる表示印刷部39を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態で表示印刷部39に含まれている。また、実施の形態4に係る照明装置100は、光源基板30の表面に設けられたレジスト33を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態でレジスト33に含まれている。さらに、実施の形態4に係る照明装置100は、光源基板30に発光素子31をはんだで接合したはんだ接合部34の表面に敷設されたフラックス35を有しており、吸着部材36が樹脂材料に含有された状態でフラックス35に含まれている。
【0080】
つまり、実施の形態4に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態4の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0081】
実施の形態5.
次に、実施の形態5に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0082】
実施の形態5に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を接着部材32に設けたことを特徴としている。
図5~
図7に示すように、光源部3の光源基板30は、台座2の基部20の下面に、接着部材32で接着されている。実施の形態5に係る照明装置100では、この接着部材32が吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、接着部材32の一部を構成する。接着部材32の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図5~
図7中の接着部材32において、吸着部材36の表示を省略している。
【0083】
なお、実施の形態5に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~4において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0084】
以上のように、実施の形態5に係る照明装置100は、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、接着部材32に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態5の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0085】
実施の形態6.
次に、実施の形態6に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0086】
実施の形態6に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を電線配置具54または電線保持具55に設けたことを特徴としている。電線配置具54は、電線5aおよび5bが吊りボルト(図示省略)と接触しないように配線するために設けられている。電線保持具55は、電線5bの一端部にある給電部の損傷を防止し、且つ、給電部と基部20との絶縁距離を確保する目的で設けられている。なお、
図3~
図4中の電線配置具54または電線保持具55において、吸着部材36の表示を省略している。
【0087】
実施の形態6に係る照明装置100では、電線配置具54または電線保持具55が吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、接着部材の一部を構成する。接着部材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、電線配置具54および電線保持具55は、両方とも吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成してもよい。
【0088】
なお、実施の形態6に係る照明装置の各構成は、実施の形態1~5において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0089】
実施の形態6に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、電線配置具54および電線保持具55に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態6の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0090】
実施の形態7.
次に、実施の形態7に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0091】
実施の形態7に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を電源部5の電源ケース50に設けたことを特徴としている。照明装置100は、
図3および
図4に示すように、光源部3に給電される点灯電力を生成する電源部5を備えている。電源部5は、複数の電源構成部材で構成されている。電源構成部材は、
図5に示すように、電源ケース50と、電源ケース50に収納され、光源部3に供給するための電力を生成する電源回路52を有する電源基板51と、電源基板51の下面に設けられた電源シート部材53と、を備えている。なお、
図5中の電源ケース50において、吸着部材36の表示を省略している。
【0092】
電源部5は、金属材料からなる基材(母材)で構成された電源ケース50の表面に、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる塗膜38を敷設した構成である。吸着部材36が含有された樹脂材料は、塗膜38の一部を構成する。塗膜38の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。塗膜38は、反射率向上、放射性向上、摩擦係数の低減、防錆および防汚等の機能を有する。なお、塗膜38は、その他の機能を有する構成でもよい。
【0093】
次に、実施の形態7に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100の電源ケース50は、樹脂材料を含む材料からなる基材(母材)で構成されている。樹脂材料には、吸着部材36が含有されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の基材は、前述した吸着部材が含有された樹脂材料を含む塗膜38と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0094】
次に、実施の形態7に係る照明装置100の変形例2を説明する。変形例2の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を電源ケース50の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材が含有された樹脂材料を含む塗膜38および基材の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0095】
なお、実施の形態7に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~6において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0096】
以上のように、実施の形態7に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、電源ケース50または表示印刷部39に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態7の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0097】
また、実施の形態7に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ電源部5の劣化を引き起こす原因となる特定の気体が侵入する事態を効果的に抑制できるので、当該特定の気体の侵入によって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0098】
実施の形態8.
次に、実施の形態8に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0099】
実施の形態8に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を電源部5の電源基板51に設けたことを特徴としている。具体的には、電源基板51は、樹脂材料を含む材料からなる基材(母材)で構成されている。樹脂材料には、吸着部材36が含有されている。吸着部材が含有された樹脂材料は、基材の一部を構成する。基材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図5中の電源基板51において、吸着部材36の表示を省略している。
【0100】
次に、実施の形態8に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を電源基板51の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0101】
次に、実施の形態8に係る照明装置100の変形例2を説明する。照明装置100は、電源基板51の表面に、光の反射率を高める反射剤であるレジストが設けられている。レジストは、電源部5の電源構成部材である。このレジストが、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、レジストの一部を構成する。レジストの一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成のレジストは、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51および表示印刷部39の少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0102】
次に、実施の形態8に係る照明装置100の変形例3を説明する。照明装置100は、電源基板51に電子部品等をはんだで接合したはんだ接合部を有している。はんだ接合部の表面には、フラックスが敷設されている。フラックスは、電源部5の電源構成部材である。このフラックスが、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、フラックスの一部を構成する。フラックスの一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成のフラックスは、前述した吸着部材36が含有された樹脂材料を含む電源基板51、表示印刷部39およびレジストの少なくとも1つと併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0103】
なお、実施の形態8に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~7において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0104】
以上のように、実施の形態8に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、電源構成部材または表示印刷部39に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態8の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0105】
また、実施の形態8に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ電源部5の劣化を引き起こす原因となる特定の気体が侵入する事態を効果的に抑制できるので、当該特定の気体の侵入によって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0106】
実施の形態9.
次に、実施の形態9に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0107】
実施の形態9に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を電源部5の電源シート部材53に設けたことを特徴としている。電源シート部材53は、電源基板51の下面に設けられ、例えば絶縁効果または放熱効果を有するものである。電源シート部材53は、電源部5の電源構成部材である。この電源シート部材53は、吸着部材を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、電源シート部材53の一部を構成する。電源シート部材53の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図5中の電源シート部材53において、吸着部材36の表示を省略している。
【0108】
次に、実施の形態9に係る照明装置100の変形例1を説明する。変形例1の照明装置100は、吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料からなる表示印刷部39を電源シート部材53の表面に敷設した構成である。表示印刷部39とは、例えば部品または製品の識別管理等の目的で貼り付けられる表示ラベルである。この表示印刷部39に含まれる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、このような構成の表示印刷部39は、前述した吸着部材が含有された樹脂材料を含む電源シート部材53と併用して設けてもよいし、単独で設けてもよい。
【0109】
なお、実施の形態9に係る照明装置100の各構成は、実施の形態1~8において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0110】
以上のように、実施の形態9に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、電源シート部材53または表示印刷部39に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態9の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0111】
また、実施の形態9に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ電源部5の劣化を引き起こす原因となる特定の気体が侵入する事態を効果的に抑制できるので、当該特定の気体の侵入によって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0112】
実施の形態10.
次に、実施の形態10に係る照明装置100を説明する。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0113】
実施の形態10に係る照明装置100は、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体としての硫黄化合物(硫黄ガス)を吸着する吸着機能(脱硫機能)を電源基板51または電源回路52に塗布される接着部材に設けたことを特徴としている。接着部材は、電源部5の電源構成部材である。実施の形態10に係る照明装置100では、この接着部材が吸着部材36を含有した樹脂材料を含む材料で構成されている。吸着部材36が含有された樹脂材料は、接着部材の一部を構成する。接着部材の一部となる樹脂材料は、気体透過性を有していてもよい。なお、
図5中の電源基板51または電源回路52において、塗布される接着部材および吸着部材36の表示を省略している。
【0114】
なお、実施の形態10に係る照明装置の各構成は、実施の形態1~9において説明した各構成と組み合わせて実施してもよい。
【0115】
実施の形態10に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、電源基板51または電源回路52に塗布される接着部材に含まれた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態10の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0116】
また、実施の形態10に係る照明装置100は、電源部5の電源ケース50の内部空間S2へ電源部5の劣化を引き起こす原因となる特定の気体が侵入する事態を効果的に抑制できるので、当該特定の気体の侵入によって電源部5の故障等が生じることがなく、長期に亘って電源部5の動作の安定性が確保できる。
【0117】
実施の形態11.
次に、実施の形態11に係る照明装置100について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、実施の形態11に係る照明装置100の灯具101の主要部を分解して示した斜視部である。なお、実施の形態1で説明した照明装置100と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材36は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0118】
実施の形態11に係る照明装置100は、
図11に示すように、透光性カバー1のカバー端部11に特徴を有している。透光性カバー1は、照射面の側に設けられた湾曲面状の照射面を有する長尺で断面U字状のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口部10aを塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー端部11は、カバー主部10の着脱自在に取り付けられている。カバー端部11は、カバー主部10に取り付けられるU字状のカバー枠部110と、カバー枠部110の内周面を開閉自在に塞ぐカバー蓋部111と、を有している。カバー枠部110とカバー蓋部111とは、下部がヒンジ部112で連結されている。
【0119】
カバー枠部110のU字の両端部には、係合孔110aがそれぞれ形成されている。カバー蓋部111には、カバー枠部110の係合孔110aに係合する係合突起111aが設けられている。また、カバー枠部110には、外面の縁部に沿って段差部が形成されている。そして、カバー蓋部111の縁部には、カバー枠部110の段差部に嵌まる段差部が形成されている。カバー枠部110とカバー蓋部111は、互いの段差部を嵌め合わせることで、位置が固定される。そして、カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aに係合させることで、カバー蓋部111をカバー枠部110に取り付けることができ、カバー蓋部111でカバー主部10の端部の開口部10aを塞ぐことができる。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aから外し、ヒンジ部112を介してカバー蓋部111を下方に回動させることで、カバー主部10の開口部10aを開放できる。
【0120】
カバー蓋部111は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部113が設けられている。吸着剤収容部113は、カバー蓋部111と一体に設けてもよいし、カバー蓋部111とは別部材として別体で設けてもよい。吸着剤収容部113には、ビース状の吸着部材36が収容されている。カバー端部11は、カバー蓋部111の係合突起111aをカバー枠部110の係合孔110aから外し、下方に回動させることで、吸着剤収容部113を露出させることができ、吸着部材を充填できる。
【0121】
なお、実施の形態11に係る照明装置100は、吸着剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部111の内面部に、剥離可能な不図示の粘着部材(固定部材)によって吸着部材36を固定する構成でもよい。
【0122】
次に、実施の形態11に係る照明装置100の変形例を
図12に基づいて説明する。
図12は、実施の形態11に係る照明装置の変形例であって、灯具101の主要部を分解して示した斜視図である。
図12に示すカバー端部11も、カバー主部10に取り付けられるU字状のカバー枠部110と、カバー枠部110の内周面を開閉自在に塞ぐカバー蓋部111と、を有している。カバー枠部110とカバー蓋部111とは、連結されておらず、別部材として構成されている。
【0123】
カバー枠部110のU字の両端部には、係合孔110aがそれぞれ形成されている。カバー蓋部111は、カバー枠部110の係合孔110aに係合する係合突起111a(
図11参照)が設けられている。また、カバー枠部110には、外面の縁部に沿って段差部が形成されている。そして、カバー蓋部111の縁部には、カバー枠部110の段差部に嵌まる段差部が形成されている。カバー枠部110とカバー蓋部111は、互いの段差部を嵌め合わせることで、位置が固定される。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aに係合させることで、カバー蓋部111をカバー枠部110に取り付けることができ、カバー蓋部111でカバー主部10の端部の開口部10aを塞ぐことができる。カバー端部11は、係合突起111aを係合孔110aから外し、カバー蓋部111を上方へスライドさせることで、カバー蓋部111をカバー枠部110から取り外すことができ、カバー主部10の端部の開口部10aを開放できる。
【0124】
カバー蓋部111は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着剤を設置するための吸着剤収容部113が設けられている。吸着剤収容部113は、カバー蓋部111と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部111とは別部材として設けてもよい。吸着剤収容部113には、ビース状の吸着部材36が収容されている。カバー端部11は、カバー蓋部111の係合突起111aをカバー枠部110の係合孔110aから外し、下方に回動させることで、吸着剤収容部113を露出させることができ、吸着部材36を充填させることができる。
【0125】
なお、変形例として説明したカバー端部11は、吸着剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部111の内面部に、剥離可能な粘着部材によって吸着部材36を固定する構成でもよい。
【0126】
また、変形例として説明したカバー蓋部111は、メンテナンス用の交換部品として取り扱われてもよく、リサイクルも可能である。また、カバー端部11または台座2の全体の形状が異なる場合であっても、カバー蓋部111を共通化させるために互換性を有した形状にすることができ、汎用性を向上させることができる。
【0127】
以上のように、実施の形態11に係る照明装置100の透光性カバー1は、内部空間S1に通じる開口部10aが設けられ、該開口部10aを開閉自在に塞ぐカバー蓋部111を有している。カバー蓋部111には、内部空間S1に面した内面部に吸着部材36が設けられている。
【0128】
つまり、実施の形態11に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、カバー蓋部111に設けた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態11の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0129】
また、実施の形態11に係る照明装置100では、長期使用によって吸着部材36の効果を発揮できなくなった場合に、カバー蓋部111を開けて、吸着部材36を容易に取り替えることができ、メンテナンス性に優れている。
【0130】
実施の形態12.
次に、実施の形態12に係る照明装置100について、
図13および
図14を参照しながら説明する。
図13は、実施の形態12に係る照明装置100の灯具101の主要部を示した斜視図である。
図14は、
図13に示したカバー蓋部115の動作を示した説明図である。なお、実施の形態1で説明した照明装置と同一の構成要素については、同一の符号を付して、その説明を適宜省略する。また、吸着部材は、上記実施の形態1で説明した構成と同じである。
【0131】
実施の形態12に係る照明装置100は、
図13および
図14に示すように、透光性カバー1のカバー端部11に特徴を有している。透光性カバー1は、照射面の側に設けられた湾曲面状の照射面を有する長尺で断面U字状のカバー主部10と、カバー主部10の長手方向Xの両端の開口部10aを塞ぐカバー端部11と、を有している。カバー端部11は、カバー主部10に着脱自在に取り付けられている。カバー端部11には、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部114が形成されており、開口部114がカバー蓋部115で塞がれている。カバー蓋部115は、下縁部が開口部114の下縁とヒンジ部116で連結されている。カバー蓋部115の上端縁には、取手部115aが設けられている。カバー端部11は、
図14に示すように、取手部115aを手前に引いて、ヒンジ部112を介してカバー蓋部115を下方に回動させることで、開口部114を開放させることができる。カバー端部11は、ヒンジ部112を介してカバー蓋部115を上方に回動させることで、
図13に示すように、開口部114をカバー蓋部115で塞ぐことができる。
【0132】
カバー蓋部115は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部113が設けられている。吸着剤収容部113は、カバー蓋部115と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部115とは別部材として設けてもよい。吸着剤収容部113には、ビース状の吸着部材36が収容されている。カバー端部11は、取手部115aを手前に引いて、カバー蓋部115を下方に回動させることで、吸着剤収容部113を露出させることができ、吸着部材36を充填させることができる。
【0133】
なお、実施の形態12に係る照明装置100は、吸着剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部115の内面部に、剥離可能な粘着部材によって吸着部材36を固定する構成でもよい。
【0134】
また、ここでは図示省略したが、
図13および
図14に示したカバー端部11の構成は、台座2に適用することもできる。具体的には、台座2の基部20において、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部に相当する台座蓋部で塞がれた構成である。台座蓋部には、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部が設けられている。
【0135】
また、ここでは図示省略したが、
図13および
図14に示したカバー端部11の構成は、電源ケース50に適用することもできる。具体的には、電源ケース50の内部空間S2に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部に相当するケース蓋部で塞がれた構成である。ケース蓋部には、電源ケース50の内部空間S2に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部が設けられている。
【0136】
次に、実施の形態12に係る照明装置100の変形例について、
図15および
図16を参照しながら説明する。
図15は、実施の形態12に係る照明装置100の変形例であって、灯具101の主要部を示した斜視図である。
図16は、
図15に示したカバー蓋部115の動作を示した説明図である。
【0137】
図15および
図16に示すカバー端部11も、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部114が形成されており、開口部114がカバー蓋部115で塞がれている。カバー蓋部115は、開口部114に連結されておらず、別部材として構成されている。カバー蓋部115の上端縁には、取手部115aが設けられている。カバー端部11は、
図15に示すように、カバー蓋部115を開口部114に嵌め込むことで、該開口部114を塞ぐことができる。カバー端部11は、
図16に示すように、カバー蓋部115を上方へスライドさせることで、カバー蓋部115をカバー枠部110から取り外すことができ、カバー端部11の開口部114を開放させることができる。
【0138】
カバー蓋部115は、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部113が設けられている。吸着剤収容部113は、カバー蓋部115と一体的に設けてもよいし、カバー蓋部115とは別部材として設けてもよい。吸着剤収容部113には、ビース状の吸着部材36が収容されている。カバー端部11は、取手部115aを持ってカバー蓋部115を上方へスライドさせることで、吸着剤収容部113を露出させることができ、吸着部材36を充填させることができる。
【0139】
なお、変形例として説明したカバー端部11は、吸着剤収容部113を設けることなく、光源部3が収容される内部空間S1に面したカバー蓋部115の内面部に、剥離可能な粘着部材によって吸着部材36を固定する構成でもよい。
【0140】
また、図示することは省略したが、
図15および
図16に示したカバー端部11の構成は、台座2に適用することもできる。具体的には、台座2の基部20において、光源部3が収容される内部空間S1に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部115に相当する台座蓋部で塞がれた構成である。台座蓋部には、光源部3が収容される内部空間S1に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部が設けられている。
【0141】
また、ここでは図示省略したが、
図15および
図16に示したカバー端部11の構成は、電源ケース50に適用することもできる。具体的には、電源ケース50の内部空間S2に連通する開口部が形成され、該開口部がカバー蓋部115に相当するケース蓋部で塞がれた構成である。ケース蓋部には、電源ケース50の内部空間S2に面した内面部に、吸着部材36を設置するための吸着剤収容部が設けられている。
【0142】
また、変形例として説明したカバー蓋部115は、メンテナンス用の交換部品として取り扱われてもよく、リサイクルも可能である。また、カバー端部11または台座2の全体の形状が異なる場合であっても、カバー蓋部115を共通化させるために互換性を有した形状にすることができ、汎用性を向上させることができる。
【0143】
以上のように、実施の形態12に係る照明装置100の透光性カバー1は、内部空間S1に通じる開口部114が設けられ、該開口部114を開閉自在に塞ぐカバー蓋部115を有している。カバー蓋部115には、内部空間S1に面した内面部に吸着部材36が設けられている。
【0144】
つまり、実施の形態12に係る照明装置100では、透光性カバー1および台座2で囲まれて形成された内部空間S1に侵入しようとする気体のうち、光源部3の劣化を引き起こす原因となる特定の気体を、カバー蓋部115に設けた吸着部材36にて吸着させることができる。これにより、LEDなどからなる発光素子31を光源とする灯具101を用いた場合でも、空気中に含まれる硫黄化合物などの特定の気体を吸着するので、内部空間S1へ侵入し得る空気中に含まれる硫黄化合物によって金属が腐食することを防止できる。そして、発光素子31の劣化を防止可能なため、特定の気体が存在する環境下でも光効率を低下させることなく灯具101および照明装置100を使用できる。また、内部空間S1は密閉された状態ではなく、特定の気体以外の気体は吸着部材36に吸着されることはないことから、空気中に含まれる酸素は透過するので、変色物質である半田フラックスを酸化分解して発光素子31周辺部の変色を防止できる。したがって、実施の形態12の灯具101およびそれを用いた照明装置100によれば、安価で且つ簡単に耐硫化でき、灯具101およびそれを用いた照明装置100の機能および仕様の維持、機械強度等の安全面での長寿命化を実現できるといった長期使用における信頼性を向上できる。
【0145】
また、実施の形態12に係る照明装置100では、長期使用によって吸着部材の効果を発揮できなくなった場合に、カバー蓋部115を開けて、吸着部材36を容易に取り替えることができ、メンテナンス性に優れている。
【0146】
以上、実施の形態に基づいて照明装置を説明したが、照明装置は上述した実施の形態の構成に限定されるものではない。前述した照明装置の構成は、一例であって、他の構成要素を含んでもよい。また、照明装置100は、トラフタイプ以外の直付型でもよいし、埋込型でもよい。また、照明装置100は、図示した長尺状のタイプに限定されない。また、透光性カバー1と台座2は、別物部材で構成した例を示したが、例えば、筒状部材として一体的に形成した構成でもよい。要するに、照明装置は、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更および応用のバリエーションの範囲を含むものである。
【符号の説明】
【0147】
1 透光性カバー、2 台座、3 光源部、4 光源シート部材、5 電源部、5a 電線、5aa コネクタ、5b 電線、6 バネ受具、7 器具本体部、7a 本体部、7b 端板部、7c ノックアウト、7d 灯具装着部、8 端子台、8a 電線、8aa コネクタ、9 取付バネ、10 カバー主部、10a 開口部、11 カバー端部、12 カバー壁面部、13 台座取付部、13a カバー支持部、13b カバー係止部、13c フック部、20 基部、20a 挿通孔、21 側部、22 接合部材、23 電源支持部、24 電源固定部、25 固定部、26 取付孔、27 固定部、28 取付孔、30 光源基板、30a 貫通孔、31 発光素子、32 接着部材、33 レジスト、34 はんだ接合部、35 フラックス、36 吸着部材、37 微細樹脂、38 塗膜、39 表示印刷部、40 貫通孔、45 電源接着部材、50 電源ケース、51 電源基板、52 電源回路、52a 電子部品、53 電源シート部材、54 電線配置具、55 電線保持具、70 凹部、71 斜面部、72 天面部、73 側面部、100 照明装置、101 灯具、102 器具、103 被取付部、110 カバー枠部、110a 係合孔、111 カバー蓋部、111a 係合突起、112 ヒンジ部、113 吸着剤収容部、114 開口部、115 カバー蓋部、115a 取手部、116 ヒンジ部、201 下面、202 上面、301 一面、302 他面、360 吸着部、365 基材、S1 内部空間、S2 内部空間。