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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042611
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】カーテン設備
(51)【国際特許分類】
   A47F 9/00 20060101AFI20220308BHJP
   A47G 5/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
A47F9/00 Z
A47G5/00 E
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148068
(22)【出願日】2020-09-03
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】500065358
【氏名又は名称】株式会社新居伝
(74)【代理人】
【識別番号】100199451
【弁理士】
【氏名又は名称】和田 隆滋
(72)【発明者】
【氏名】新居 啓一
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、火災時におけるスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害することなく、かつ飛沫によるウィルス感染を防止するための、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備を提供することである。
【解決手段】ビニールカーテン30は、透明樹脂で構成される透明シート35と複数のフックとカーテンレールを備えている。透明シート35の縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材5aが取り付けられる。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂で構成される透明シートと複数のフックとカーテンレールを備えたカーテン設備であって、
前記透明シートの縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材が取り付けられ、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備。
【請求項2】
透明樹脂で構成される透明シートと複数の糸通部とウェイトバーと昇降装置を備えたカーテン設備であって、
前記透明シートの縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材が取り付けられ、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーテン設備に関し、特に、飛沫によるウィルス感染を防止するための、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半透明のカーテンが開発されている(例えば、特許文献1)。また、飛沫によるウィルス感染を防止するための、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテンに透明のカーテンが用いられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-78025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に示すカーテンは、全面が水や空気を通さないビニールシート等の樹脂で構成されるため、特許文献1に示すカーテンを天井に設けたスプリンクラーや火災報知器の近くに設置すると、火災時において、スプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害してしまうという安全上の問題がある。
【0005】
本発明の目的は、このようなことに鑑みてなされたものであり、火災時におけるスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害することなく、かつ飛沫によるウィルス感染を防止するための、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、
透明樹脂で構成される透明シート(35)と複数のフックとカーテンレールを備えたカーテン設備(30)であって、
前記透明シート(35)の縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材(5a)が取り付けられる、カーテン設備(30)
によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、火災時におけるスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害することなく、かつ飛沫によるウィルス感染を防止するための、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施形態によるカーテン1の正面図である。
図2】本発明の第二の実施形態によるカーテン10の正面図である。
図3】本発明の第三の実施形態による上下に開閉するビニールシェード20の正面図と背面図である。
図4】本発明の第三の実施形態による上下に開閉するビニールシェード20の平面図と底面図である。
図5】発明の第三の実施形態による上下に開閉するビニールシェード20の右側面図と左側面図である。
図6】発明の第四の実施形態による左右に開閉するビニールカーテン30の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1を用いて、本発明の第一の実施形態によるカーテン1を説明する。なお、以下の全ての図面においては、理解を容易にするため、各構成要素の寸法や比率などは適宜異ならせて図示している。
【0010】
図1は、カーテン1の正面図である。図1に示すように、カーテン1は、口孔が複数設けられたメッシュ部3aを有する樹脂で構成される上部シート3と透明な樹脂で構成される下部シート5を継ぎ合せてなるカーテンである。カーテン1は、図6に示すようにカーテンフックを上部シート3の上端につけてカーテンレールに吊るして使用することや、図3図5に示すように上下に開閉するシェードとしても使用することやロールスクリーンとしても使用することができる。なお、カーテン1は、上部シート3と下部シート5が一つの材料で構成される場合があってもよい。
【0011】
上部シート3は、防火性、抗菌性、および防臭性のある樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエステルが用いられる。上部シート3は、複数の縦紐と複数の横紐で構成されるメッシュ部3aと枠3bで構成される。なお、上部シート3は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂材料が用いられてもよいし、ポリ塩化ビニル製の樹脂材料が用いられてもよい。また、上部シート3は、紙、麻、綿等の自然素材が用いられる場合があってもよい。
【0012】
下部シート5は、防火性、抗菌性、および防臭性のある樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエステルが用いられる。また、下部シート5の裏面の左側、右側、及び下側の縁に沿うように、凹状の補強部材5aが取り付けられる。補強部材5aは、横糸が約0.1-0.5mmの等間隔で編み込まれた糸入りの樹脂材料であり、下部シート5よりも剛性の高い材料で構成されるが、補強部材5aと下部シート5が同じ樹脂で構成される場合があってもよい。なお、下部シート5、補強部材5aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂材料が用いられてもよいし、ポリ塩化ビニル製の樹脂材料が用いられてもよい。
【0013】
このように、本実施形態のカーテン1は、メッシュ部3aを有する樹脂で構成される上部シート3と透明な樹脂で構成される下部シート5を継ぎ合せてなることで、対面する人の飛沫を適切に防止しつつも、火災時のスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害しないようにすることが可能となるため、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備に好適である。
【0014】
図2を用いて、本発明の第二の実施形態によるカーテン10を説明する。なお、上述の実施形態と同じ構成については符号を同一にすることでその説明を省略する場合がある。
【0015】
図2は、カーテン10の正面図である。図2に示すように、カーテン10は、上部シート3と半透明な樹脂で構成される下部シート15を継ぎ合せてなるカーテンである。カーテン2は、図6に示すようにカーテンフックを上部シート3の上端につけてカーテンレールに吊るして使用することや、図3図5に示すように上下に開閉するシェードとしても使用することやロールスクリーンとしても使用することができる。なお、カーテン2は、上部シート3と下部シート15が一つの材料で構成される場合があってもよい。
【0016】
下部シート15は、防火性、抗菌性、および防臭性のある樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエステルが用いられる。また、下部シート15の裏面の左側、右側、及び下側の縁に沿うように、凹状の補強部材5aが取り付けられる。補強部材5aは、下部シート15よりも剛性の高い材料で構成されるが、補強部材5aと下部シート15が同じ樹脂で構成される場合があってもよい。また、下部シート15には、複数の縦糸と横糸が封入されている。なお、下部シート15、補強部材5aは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂材料が用いられてもよいし、ポリ塩化ビニル製の樹脂材料が用いられてもよい。
【0017】
このように、本実施形態のカーテン10は、メッシュ部3aを有する樹脂で構成される上部シート3と半透明な樹脂で構成される下部シート15を継ぎ合せてなることで、プライバシーの確保と人の飛沫を適切に防止しつつも、火災時のスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害しないようにすることが可能となるため、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備に好適である。
【0018】
図3図5を用いて、本発明の第三の実施形態によるビニールシェード20を説明する。なお、上述の実施形態と同じ構成については符号を同一にすることでその説明を省略する場合がある。
【0019】
図3(a)は、ビニールシェード20の正面図であり、図3(b)は、ビニールシェード20の背面図であり、図4(a)は、ビニールシェード20の平面図であり、図4(b)は、ビニールシェード20の底面図であり、図5(a)は、ビニールシェード20の右側面図であり、図5(b)は、ビニールシェード20の左側面図である。
【0020】
ビニールシェード20は、昇降装置21、透明樹脂で構成される透明シート25、およびウェイトバー23で構成される。透明シート25は、全体が透明である。また、ウェイトバー23は、透明シート25の下部に巻き込まれて保持される。透明シート25の左、真中、および右にある縦方向に延伸する帯は、縦糸と横糸が編み込まれた糸入りの樹脂製の補強部材25b1、25b2、25b3である。この補強部材25b1、25b2、25b3は、透明シート25の背面側に設けられる。透明シート25は、5つの透明シートをつなぎ合わせて構成される。4本のシートのつなぎ目と3本の縦方向に延伸する補強部材25b1、25b2、25b3のそれぞれの接点にリング状の糸通部22が合計12個設けられ、これらの糸通部22に昇降機21の3本の紐21b1、21b2、21b3を通し、これらの紐が透明シート25の下部に取り付けられる。なお、透明シート25は、半透明であってもよい。
【0021】
透明シート25は、防火性、抗菌性、および防臭性のある樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエステルが用いられる。また、補強部材5aは、透明シート25よりも剛性の高い材料で構成されるが、補強部材5aと透明シート25が同じ樹脂で構成される場合があってもよい。なお、透明シート25は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂材料が用いられてもよいし、ポリ塩化ビニル製の樹脂材料が用いられてもよい。
【0022】
このように、本実施形態のビニールシェード20は、透明シート25を上下に開閉することが可能なため、人の飛沫を適切に防止しつつも、透明シート25を上に開くことで、火災時のスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害しないようにすることが可能となるため、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備に好適である。
【0023】
図6を用いて、本発明の第三の実施形態によるビニールカーテン30を説明する。なお、上述の実施形態と同じ構成については符号を同一にすることでその説明を省略する場合がある。
【0024】
図6は、ビニールカーテン30の斜視図である(ビニールカーテン30の下部を省略している。)。図6に示すように、ビニールカーテン30は、透明な樹脂で構成される透明シート35をカーテンレールに吊るして使用するカーテン設備である。
【0025】
透明シート35は、防火性、抗菌性、および防臭性のある樹脂材料が好ましく、例えば、ポリエステルが用いられる。また、補強部材5aは、透明シート35よりも剛性の高い材料で構成されるが、補強部材5aと透明シート35が同じ樹脂で構成される場合があってもよい。なお、透明シート35は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂材料が用いられてもよいし、ポリ塩化ビニル製の樹脂材料が用いられてもよい。
【0026】
このように、本実施形態のビニールカーテン30は、透明シート35を左右に開閉することが可能なため、人の飛沫を適切に防止しつつも、透明シート35を左右に開くことで、火災時のスプリンクラーの消火機能や火災報知器の検知機能を阻害しないようにすることが可能となるため、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備に好適である。
【0027】
上述の実施形態は、本発明の好適な一例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上述の説明によって不当に限定されるものではない。また、上述の実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。また、上述の実施形態で説明される構成は相互に付け足したり組み合わせたりしてもよい。
【0028】
本発明は、上述に示したカーテン設備以外のあらゆるカーテン設備においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明は、カーテン設備において広く利用可能である。
【符号の説明】
【0030】
1、10 カーテン
20 ビニールシェード
30 ビニールカーテン
3 上部シート
3a メッシュ部
3b 枠
5、15 下部シート
5a、25b1~25b3 補強部材
21 昇降装置
25、35 透明シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂または半透明樹脂で構成されるシートと複数のフックとカーテンレールを備えたカーテン設備であって、
記シートの縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材が取り付けられ、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備。
【請求項2】
透明樹脂または半透明樹脂で構成されるシートと複数の糸通部とウェイトバーと昇降装置を備えたカーテン設備であって、
記シートの縁の一部に、糸入りの透明樹脂で構成される帯状の補強部材が取り付けられ、オフィスや役所や病院等の窓口カウンターに設けられるカーテン設備。