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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042632
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】ベルト蛇行戻しシステム
(51)【国際特許分類】
   B65G 43/02 20060101AFI20220308BHJP
   B65G 15/64 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B65G43/02 E
B65G15/64
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148100
(22)【出願日】2020-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000137960
【氏名又は名称】株式会社メイキコウ
(74)【代理人】
【識別番号】110000394
【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小田口 勉
(72)【発明者】
【氏名】松本 翔太
【テーマコード(参考)】
3F023
3F027
【Fターム(参考)】
3F023AA04
3F023BA02
3F023BB01
3F023BC01
3F023CA02
3F023GA05
3F027AA02
3F027CA01
3F027DA25
3F027EA01
3F027FA02
(57)【要約】
【課題】搬送ベルトを的確に蛇行する前の初期位置に向けて戻すベルト蛇行戻しシステムを提供すること。
【解決手段】搬送ベルト20の幅方向に延出して搬送ベルト20に当接するプーリ30が搬送ベルト20のリターン経路に設けられる。プーリ角度調整装置80は、プーリ30を幅方向に対して傾ける。蛇行検出装置50は、搬送ベルト20の幅方向の蛇行を検出する。制御装置が、蛇行検出装置50からの蛇行検出信号に基づいてプーリ角度調整装置80を操作してプーリ30を傾ける。プーリ角度調整装置80は、制御装置によって駆動するサーボモータ41と、サーボモータ41によって搬送ベルト20の搬送方向に沿ってスライドするブロック47とを有する。ブロック47に連結されたプーリ30がブロック47のスライドの位置に応じて傾くことで搬送ベルト20が蛇行する前の初期位置に向いて移動する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルトコンベアの搬送ベルトの蛇行を戻すベルト蛇行戻しシステムであって、
前記搬送ベルトのリターン経路において前記搬送ベルトの幅方向に延出して前記搬送ベルトに当接するプーリと、
前記プーリを前記幅方向に対して傾けるプーリ角度調整装置と、
前記搬送ベルトの前記幅方向の蛇行を検出する蛇行検出装置と、
前記蛇行検出装置からの蛇行検出信号に基づいて前記プーリ角度調整装置を操作して前記プーリを傾ける制御装置と、を有し、
前記プーリ角度調整装置は、前記制御装置によって駆動するサーボモータと、前記サーボモータによって前記搬送ベルトの搬送方向に沿ってスライドするブロックと、を有し、前記ブロックに連結された前記プーリが前記ブロックのスライドの位置に応じて傾いて前記搬送ベルトを蛇行する前の初期位置に向けるベルト蛇行戻しシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のベルト蛇行戻しシステムであって、
前記プーリ角度調整装置は、前記サーボモータによって軸中心に回転する雄ねじ部材と、
前記雄ねじ部材に螺合されかつ前記ブロックに連結される雌ねじ部材と、
前記ブロックを前記搬送方向に沿ってスライド可能に保持するレールと、を有するベルト蛇行戻しシステム。
【請求項3】
請求項2に記載のベルト蛇行戻しシステムであって、
前記プーリ角度調整装置は、前記サーボモータの出力軸部の回転を減速させる減速機構と、前記減速機構と前記雄ねじ部材を連結させるカップリング部材と、を有するベルト蛇行戻しシステム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1つに記載のベルト蛇行戻しシステムであって、
前記プーリは、プーリ本体と、前記プーリ本体の端部を回転可能に保持しかつ前記端部から突出するシャフトを有し、
前記ブロックには、前記プーリの前記シャフトが傾動可能に挿し込まれる挿込孔が形成されているベルト蛇行戻しシステム。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1つに記載のベルト蛇行戻しシステムであって、
前記ベルトコンベアは、前記搬送ベルトのリターン経路において前記搬送ベルトを正方向と逆方向に切り替え可能に移動させるドライブプーリを有し、
前記プーリ角度調整装置は、前記ドライブプーリの前記正方向における下流側に設けられる正方向用プーリ角度調整装置と、前記ドライブプーリの前記逆方向における下流側に設けられる逆方向用プーリ角度調整装置を有するベルト蛇行戻しシステム。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1つに記載のベルト蛇行戻しシステムであって、
前記蛇行検出装置は、前記搬送ベルトの外側から前記搬送ベルトの上方に張出す上アームと、前記搬送ベルトの外側から前記搬送ベルトの下方に張出す下アームと、前記上アームと前記下アームのいずれか一方に設けられて光を発する発光体と、前記上アームと前記下アームのいずれか他方に設けられて前記発光体からの光を感知する受光体を有し、
前記発光体と前記受光体は、互いを結ぶ直線が鉛直に対して傾くように設置され、かつ前記発光体の直上が前記上アームまたは前記下アームに覆われ、前記受光体の直上が前記上アームまたは前記下アームに覆われているベルト蛇行戻しシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベルトコンベアのシステムに関する。詳しくは、ベルトコンベアの搬送ベルトが搬送方向に対して直交する方向に蛇行する場合がある。この場合に、搬送ベルトを蛇行する前の初期位置へ戻すベルト蛇行戻しシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ベルトコンベアは、環状の搬送ベルトを有し、搬送ベルトは、搬送方向に移動する搬送経路と、搬送経路の下側において逆方向に移動するリターン経路を有する。荷物は、搬送経路において搬送ベルトによって搬送される。搬送ベルトは、種々の原因で幅方向に蛇行する。例えば搬送ベルトに加えられるトルク、搬送ベルトに載置される荷物の重さ、気温等が原因で搬送ベルトが蛇行する。搬送ベルトが大きく蛇行すると、搬送ベルトの側縁がフレームに擦れて搬送ベルトが破損する場合もある。
【0003】
搬送ベルトの蛇行を戻すシステムも従来知られていた。例えば特許文献1に開示されたベルト蛇行戻しシステムは、搬送ベルトのリターン経路の一部をW字状に張設する一対のスナッププーリとベンドプーリとを備えている。搬送ベルトの蛇行を検出すると、エアシリンダのロッドを進出させて搬送ベルトの幅方向に対してベンドプーリを傾ける。これにより、初期位置から蛇行した搬送ベルトを蛇行する前の初期位置へ戻すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6-39827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のベルト蛇行戻しシステムは、ベンドプーリを傾ける駆動源がエアシリンダである。エアシリンダは、その性質上、ロッドがシリンダ本体から延出した延出状態と、ロッドがシリンダ本体に収まった収縮状態で変体する。そのため、エアシリンダの全長の微調整ができず、結果、ベンドプーリの傾き量を微調整できなかった。かくして搬送ベルトを好適に蛇行する前の初期位置に向けて戻すことができない場合があった。そこで、搬送ベルトを的確に蛇行する前の初期位置に向けて戻すベルト蛇行戻しシステムが従来求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の1つの特徴は、ベルトコンベアの搬送ベルトの蛇行を戻すベルト蛇行戻しシステムに関する。搬送ベルトの幅方向に延出して搬送ベルトに当接するプーリが搬送ベルトのリターン経路に設けられる。プーリ角度調整装置は、プーリを幅方向に対して傾ける。蛇行検出装置は、搬送ベルトの幅方向の蛇行を検出する。制御装置が、蛇行検出装置からの蛇行検出信号に基づいてプーリ角度調整装置を操作してプーリを傾ける。プーリ角度調整装置は、制御装置によって駆動するサーボモータと、サーボモータによって搬送ベルトの搬送方向に沿ってスライドするブロックとを有する。ブロックに連結されたプーリがブロックのスライドの位置に応じて傾くことで搬送ベルトが蛇行する前の初期位置に向いて移動する。
【0007】
したがってプーリを傾ける駆動源は、サーボモータである。サーボモータは、従来技術のエアシリンダに比べてブロックの位置を微調整して、プーリの傾き角度を微調整できる。その結果、搬送ベルトを蛇行する前の初期位置に向けて好適に戻すことができる。あるいはプーリの傾き角度を好適な位置に保持することができる。例えば従前のエアシリンダでは、搬送ベルトが初期位置を超えて反対側へ蛇行してしまう場合があった。あるいはプーリを好適な角度に保持することで、搬送ベルトを蛇行しない状態に保持することができない場合があった。
【0008】
本開示の他の特徴において、プーリ角度調整装置は、サーボモータによって軸中心に回転する雄ねじ部材と、雄ねじ部材に螺合されかつブロックに連結される雌ねじ部材と、ブロックを搬送方向に沿ってスライド可能に保持するレールとを有する。そのため雄ねじ部材と雌ねじ部材を利用することでブロックの位置を搬送方向に沿って微調整できる。
【0009】
本開示の他の特徴において、プーリ角度調整装置は、サーボモータの出力軸部の回転を減速させる減速機構と、減速機構と雄ねじ部材を連結させるカップリング部材とを有する。そのため、減速機構により雄ねじ部材の回転量を低回転とすることができる。その結果、ブロックの位置をより微調整でき、プーリの角度をより微調整できる。
【0010】
本開示の他の特徴において、プーリは、プーリ本体と、プーリ本体の端部を回転可能に保持しかつ端部から突出するシャフトを有する。ブロックには、プーリのシャフトが傾動可能に挿し込まれる挿込孔が形成されている。そのため、ブロックとプーリを連動させることができる。しかも挿込孔を利用する簡易な構造によってプーリをブロックに対して傾動可能に連結できる。
【0011】
本開示の他の特徴において、ベルトコンベアは、搬送ベルトのリターン経路において搬送ベルトを正方向と逆方向に切り替え可能に移動させるドライブプーリを有する。プーリ角度調整装置は、ドライブプーリの正方向における下流側に設けられる正方向用プーリ角度調整装置と、ドライブプーリの逆方向における下流側に設けられる逆方向用プーリ角度調整装置を有する。
【0012】
一般に、搬送ベルトを逆方向に走行させると、搬送ベルトが大きく蛇行する。この場合においても効果的に搬送ベルトの蛇行を戻すことができる。例えばドライブプーリの上流側にプーリ角度調整装置であるプーリを載置すると、プーリ角度調整装置による搬送ベルトの方向変更がドライブプーリによって小さくなる。これに対して本特徴では、搬送ベルトが正方向に走行する場合は、ドライブプーリの下流に位置する正方向用プーリ角度調整装置によって蛇行が戻される。搬送ベルトが逆方向に走行する場合も、ドライブプーリの逆方向の下流に位置する逆方向用プーリ角度調整装置によって蛇行が戻される。したがっていずれの走行方向においても効果的に搬送ベルトを蛇行する前の初期位置に向けて戻すことができる。
【0013】
本開示の他の特徴において、蛇行検出装置は、搬送ベルトの外側から搬送ベルトの上方に張出す上アームと、搬送ベルトの外側から搬送ベルトの下方に張出す下アームとを有する。光を発する発光体が上アームと下アームのいずれか一方に設けられる。光を感知する受光体が、上アームと下アームのいずれか他方に設けられる。発光体と受光体は、互いを結ぶ直線が鉛直に対して傾くように設置される。発光体の直上が上アームまたは下アームに覆われ、受光体の直上が上アームまたは下アームに覆われている。
【0014】
そのため、下アームに設けられる発光体の発光面または受光体の受光面に対する粉塵やゴミ等の堆積を防止できる。したがって、堆積する粉塵やゴミ等によって光の感知を阻害する恐れがないため、蛇行検出装置の誤作動を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】実施形態に係るベルト蛇行戻しシステムが装着されたベルトコンベアの右側面図である。
図2図1のベルトコンベアの平面図である。
図3図1のベルト蛇行戻しシステムのIII-III線断面図である。
図4図2のベルト蛇行戻しシステムのIV-IV線断面図である。
図5】蛇行検出装置の右側面図である。
図6図5のVI方向からの蛇行検出装置50の平面図である。
図7】ベルト蛇行戻しシステムのブロック図である。
図8】搬送ベルトの正転時において、左側に蛇行した搬送ベルトの蛇行の戻し動作を説明する図である。
図9】搬送ベルトの正転時において、右側に蛇行した搬送ベルトの蛇行の戻し動作を説明する図である。
図10】搬送ベルトの逆転時において、左側に蛇行した搬送ベルトの蛇行の戻し動作を説明する図である。
図11】搬送ベルトの逆転時において、右側に蛇行した搬送ベルトの蛇行の戻し動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1つの実施形態を、図1~11を参照して説明する。以下の説明および図面に記載の上、下、前、後、左、右は、正転時の搬送ベルト20の搬送方向を基準とする方向である。
【0017】
図1に示す第1ベルトコンベア1と第2ベルトコンベア2は、荷物3を搬送するために直列に配置されている。正転時において、上流側の第2ベルトコンベア2から下流側の第1ベルトコンベア1に荷物3が搬送される。逆転時には、第1ベルトコンベア1から第2ベルトコンベア2に荷物3が搬送される。第1ベルトコンベア1は、搬送ベルト20の蛇行を戻すためのベルト蛇行戻しシステム4が設けられている。
【0018】
図1、2に示すように、第1ベルトコンベア1は、左右一対のフレーム10、11を備えている。フレーム10、11の前後のそれぞれに床70に起立する支持脚12が設けられている。左右のフレーム10、11の前後略中央には、下方へ延出するアンダーフレーム11cが設けられる。
【0019】
図1、2に示すように、左右のフレーム10、11の前端部は、ヘッドプーリ13によって連結される。左右のフレーム10、11の後端部は、テールプーリ14に連結されている。ヘッドプーリ13とテールプーリ14は、円筒状のプーリ本体13a、14aと、プーリ本体13a、14aを軸方向に沿って貫通するシャフト13b、14bを有する。シャフト13b、14bは、ベアリング13cを介してプーリ本体13a、14aを回転可能に支持する。シャフト13b、14bの先端部は、フレーム10、11を貫通する。シャフト13b、14bの先端部は、フレーム10、11に取り付けられた取付ブラケット13d、14cに保持されている。これにより、プーリ本体13a、14aがフレーム10、11に対して回転可能に支持される。
【0020】
図1、2に示すように、左右のアンダーフレーム11cの前端部間にドライブプーリ18が連結されている。左右のアンダーフレーム11cの後端部間にテンションプーリ19が連結されている。ドライブプーリ18とテンションプーリ19は、円筒状のプーリ本体18a、19aと、プーリ本体18a、19aを軸方向に沿って貫通するシャフト18b、19bを有する。シャフト18b、19bは、ベアリング(図示しない)を介してプーリ本体18a、19aを回転可能に支持する。シャフト18bの先端部は、左右のアンダーフレーム11cの円孔を貫通する。シャフト19bの先端部は、左右のアンダーフレーム11cの前後方向に長い長孔を貫通する。シャフト18b、19bの先端部は、左右のアンダーフレームに取り付けられた取付ブラケット(図示しない)に保持されている。これにより、プーリ本体18aが左右のアンダーフレームに対して回転可能に支持される。プーリ本体19aは、左右のアンダーフレーム11cに対して回転可能にかつ前後方向に移動可能に支持される。
【0021】
図1、2に示すように、左のアンダーフレーム11cには、ドライブモータ21が設けられている。ドライブモータ21の駆動軸21aとドライブプーリ18のシャフト18bに環状のチェーン22が張設されている。そのため、ドライブモータ21を駆動することでドライブプーリ18が回転する。
【0022】
図1、2に示すように、左右のアンダーフレーム11cには、搬送ベルト20に張力を付与する張力発生装置19cが設けられている。張力発生装置19cは、押しボルト等(図示しない)による位置決めによってテンションプーリ19を常に後側に付勢する。テンションプーリ19には、搬送ベルト20が巻かれている。そのため張力発生装置19cによって搬送ベルト20に張力が常に付与される。
【0023】
図2~4に示すように、左右のフレーム10、11の前後方向中央前寄り位置に前側のスナッププーリ30と後側のスナッププーリ30が連結されている。スナッププーリ30は、円筒状のプーリ本体30aと、プーリ本体30aを軸方向に沿って貫通するシャフト30bを有する。シャフト30bは、ベアリング30cを介してプーリ本体30aを回転可能に支持する。シャフト30bの先端部は、左右のフレーム10、11を貫通する。シャフト30bの左端部は、左のフレーム10に取り付けられた取付ブラケット30dに保持されている。シャフト30bの右端部は、後述するプーリ角度調整装置80のブロック47に保持されている。これにより、プーリ本体30aが左右のフレーム10、11に対して回転可能に支持される。
【0024】
図1、2に示すように、各プーリ13,14,18,19,30に環状の搬送ベルト20が張設されている。詳しくは、搬送ベルト20は、上側の搬送経路と下側のリターン経路を有する。搬送ベルト20の搬送経路は、テールプーリ14とヘッドプーリ13の間において張設されている。搬送ベルト20のリターン経路は、ヘッドプーリ13の下から後方へ延出し、前のスナッププーリ30の上に巻き回される。続いて、前のスナッププーリ30の下から前方へ延出し、ドライブプーリ18の上に巻き回される。続いて、ドライブプーリ18の下から後方へ延出し、テンションプーリ19の下に巻き回される。続いて、テンションプーリ19の上から前方へ延出し、後のスナッププーリ30の下に巻き回される。最後に、後のスナッププーリ30の上から後方へ演出し、テールプーリ14の下に巻き回される。
【0025】
図1に示すようにベルト蛇行戻しシステム4は、搬送ベルト20の蛇行を検出する蛇行検出装置50を前後に有する。前側の蛇行検出装置50は、搬送ベルト20の前側の蛇行を検出するために搬送ベルト20のリターン経路におけるヘッドプーリ13と第1リターンローラ15の間に設けられている。後側の蛇行検出装置50は、搬送ベルト20の後側の蛇行を検出するために搬送ベルト20のリターン経路における第2リターンローラ16と第3リターンローラ17の間に設けられている。
【0026】
図1に示すようにベルト蛇行戻しシステム4は、スナッププーリ30の角度を変えるプーリ角度調整装置80を前後に有する。後のスナッププーリ30の角度を変えると、搬送ベルト20の正転時の蛇行を初期位置に向けて好適に戻すことができる。前のスナッププーリ30の角度を変えると、搬送ベルト20の逆転時の蛇行を初期位置に向けて好適に戻すことができる。
【0027】
図3、4に示すように、右のフレーム11にプーリ角度調整装置80が設けられている。プーリ角度調整装置80は、右のフレーム11に設けられたカバー11bによって覆われている。プーリ角度調整装置80は、サーボモータ41と、減速機構42と、雄ねじ部材43と、雌ねじ部材44と、ブロック47を備えている。サーボモータ41の駆動軸(図示しない)と減速機構42の入力軸(図示しない)が機械的に連結されている。雄ねじ部材43は、ベアリング43bを介した取付部材43aによって右のフレーム11に回転可能に支持されている。減速機構42の出力軸42aと雄ねじ部材43は、カップリング部材45を介して締結されている。雌ねじ部材44は、雄ねじ部材43に螺合されている。
【0028】
図3、4に示すブロック47は、雌ねじ部材44に締結され、リニアガイド46によって前後方向にスライド可能に支持される。リニアガイド46は、ブラケット46cを介してフレーム11に取り付けられたレール46aと、レール46aに対してスライド可能なスライダ46bを備える。スライダ46bがブロック47に締結されている。ブロック47の左面には、挿込孔47aが形成されている。挿込孔47aには、前側のスナッププーリ30のシャフト30bの右端部が挿し込まれる。挿込孔47aとシャフト30bの間には、図示では現れない、僅かな遊び(ガタ)を備えている。そのためシャフト30bの右端部は、挿込孔47a内においてわずかに傾斜することが可能である。
【0029】
図5、6に示すように、蛇行検出装置50は、略U字状であって、上アーム51と、下アーム52と、上アーム51と下アーム52の各基端を繋ぐ中間アーム53を有する。図1、2に示すように、右のフレーム11の前寄り位置には、蛇行検出装置50を取り付けるためのスリット状の取付孔11aが形成されている。前側の蛇行検出装置50は、取付孔11aの長手方向に沿って挿し込まれた状態で略L字状のブラケット54によって右のフレーム11に取り付けられている。
【0030】
図5に示すように、上アーム51と下アーム52の間に搬送ベルト20のリターン経路が位置している。上アーム51の傾斜下面には、上アーム51の基端から先端に向けて所定の間隔で4個の受光体51a、51c、51e、51g(第1受光体51a、第2受光体51c、第3受光体51e、第4受光体51g)が取付材55を介して設けられている。そのため、4個の受光体51a、51c、51e、51gの直上が上アーム51によって覆われている。
【0031】
図5、6に示すように、下アーム52の傾斜下面には、下アーム52の基端から先端に沿って所定の間隔で4個の発光体52a、52c、52e、52g(第1発光体52a、第2発光体52c、第3発光体52e、第4発光体52g)が取付材56を介して設けられている。そのため、4個の発光体52a、52c、52e、52gの直上が下アーム52によって覆われている。第1受光体51aは、第1発光体52aからの光を感知可能である。第2受光体51cは、第2発光体52cからの光を感知可能である。第3受光体51eは、第3発光体52eからの光を感知可能である。第4受光体51gは、第4発光体52gからの光を感知可能である。
【0032】
図5に示すように、上アーム51と下アーム52は、前後方向に位置がずれている。そのため、4個の発光体52a、52c、52e、52gと4個の受光体51a、51c、51e、51gを結ぶ第1直線L1は、鉛直方向に沿った第2直線L2対して傾くように設置されている。したがって、4個の発光体52a、52c、52e、52gの各発光面52b、52d、52f、52hに粉塵やゴミ等が堆積することがない、あるいは少ない。
【0033】
蛇行検出装置50は図7に示す制御装置60を有する。制御装置60は、プログラム等を記憶するメモリと、プログラムに基づいて各種機器を制御する演算処理装置を有する。制御装置60は、各種機器と電気的に接続され、例えばドライブモータ21、前後のサーボモータ41、前後の蛇行検出装置50、タイマ61、警報装置62と接続されている。制御装置60の演算処理装置は、プログラムに基づいてドライブモータ21と前後のサーボモータ41を駆動させる。タイマ61は、予め設定の時間をカウントする。警報装置62は、人に対して報知する機能を備えており、例えば音を発生するブザー、光を発するランプ等を有してもよい。もちろん、これらブザー、ランプ等を有していなくてもよい。
【0034】
図7に示す制御装置60によってドライブモータ21を正転駆動させると、搬送ベルト20が正転方向(図1において、矢印A方向)に駆動する。逆に、ドライブモータ21を逆転駆動させると、搬送ベルト20が逆転方向(図1において、矢印B方向)に駆動する。
【0035】
搬送ベルト20が蛇行する前の初期位置に位置する場合、図6に示すように搬送ベルト20の右縁20bが第2発光体52cと第3発光体52eとの間に位置する。この時、第1受光体51aと第1発光体52aの間および第2受光体51cと第2発光体52cの間には、搬送ベルト20が存在していない。したがって、第1受光体51aと第2受光体51cは、第1発光体52aと第2発光体52cからの光を感知する。すなわち、第1受光体51aと第2受光体51cはON状態である。
【0036】
一方、第3受光体51eと第3発光体52eの間および第4受光体51gと第4発光体52gの間には、搬送ベルト20が存在している。したがって、第3受光体51eと第4受光体51gは、第3発光体52eと第4発光体52gからの光を感知できない。すなわち、第3受光体51eと第4受光体51gはOFF状態である。制御装置60は、これら第1受光体51a~第4受光体51gの動作状態(ON状態またはOFF状態)に関する信号(この場合、蛇行非検出信号)を受信すると、搬送ベルト20の初期状態と判断する。
【0037】
図6に示す状態から、例えば搬送ベルト20が右側に向けて蛇行した場合、第2受光体51cがON状態からOFF状態がOFF状態からON状態に切り替わる。搬送ベルト20が左側に向けて蛇行した場合、第3受光体51eがOFF状態からON状態に切り替わる。制御装置60が蛇行検出装置50から右側蛇行検出信号または左側蛇行検出信号を受信する。そのため、制御装置60は、搬送ベルト20が右側または左側へ蛇行した状態(右側蛇行状態または左側蛇行状態)と判断する。
【0038】
右側蛇行状態から、さらに、搬送ベルト20が右側に向けて蛇行すると、第1受光体51aはON状態からOFF状態に切り替わる。左側蛇行状態から、さらに、搬送ベルト20が左側に向けて蛇行すると、第4受光体51gはOFF状態からON状態に切り替わる。制御装置60が蛇行検出装置50から右側過剰蛇行検出信号または左側過剰蛇行検出信号を受信する。そのため、制御装置60は、搬送ベルト20が右側または左側へ過剰に蛇行した状態(右側過剰蛇行状態または左側過剰蛇行状態)と判断する。
【0039】
図1に示すように、右のフレーム11の後寄り位置にも、上述した右のフレーム11の前寄り位置と同様に、搬送ベルト20の後側の蛇行を検出する蛇行検出装置50が設けられている。そのため、搬送ベルト20の前側の蛇行を前側の蛇行検出装置50によって検出し、搬送ベルト20の後側の蛇行を後側の蛇行検出装置50によって検出する。
【0040】
図8に示すように、搬送ベルト20が正転時に初期位置から左側に向けて蛇行した場合、前側または後側の少なくとも1つの蛇行検出装置50が左側蛇行検出信号を発信する。左側蛇行検出信号に基づいて制御装置60が、後側のサーボモータ41を所定時間だけ連続的に正転駆動させる。これにより、軸中心に雄ねじ部材43が正回転し、雌ねじ部材44がブロック47と共に前側へスライドする。そのため、ブロック47の挿込孔47aの第2内面47c(後側の内面)が後側のスナッププーリ30のシャフト30bの右端部を前方に押す。
【0041】
その結果、図8に示すように後側のスナッププーリ30が左右方向(幅方向)に対して反時計回りに傾斜角θだけ傾く。後側のスナッププーリ30の右端部が、例えば左端部より前寄りに位置する。そのため、搬送ベルト20が右側、すなわち初期位置に向いて移動する。やがて、搬送ベルト20は初期位置に戻る。この時、蛇行検出装置50は、左側蛇行検出信号の発信を停止する。
【0042】
左側蛇行検出信号の発信が停止した際、制御装置60は、後側のスナッププーリ30の角度をその状態に保持する。あるいは制御装置60は、後側のサーボモータ41を所定時間だけ連続的に逆転駆動させる。これにより、軸中心に雄ねじ部材43が逆回転し、雌ねじ部材44がブロック47と共に後側へスライドする。そのため、ブロック47の挿込孔47aの第1内面47bが後側のスナッププーリ30のシャフト30bを押す。したがって、傾いた後側のスナッププーリ30が傾く前の状態に戻る。これにより搬送ベルト20の左側への蛇行を初期位置へ戻すことができる。
【0043】
搬送ベルト20が正転時に初期位置から左側に大きく蛇行した場合は、蛇行検出装置50が左側過剰蛇行検出信号を発信する。左側過剰蛇行検出信号に基づいて制御装置60は、ドライブモータ21を停止させると共に警報装置62によって音や光を報知させる。これにより搬送ベルト20が左側に向けて大きく蛇行したことを作業者が知る。搬送ベルト20が停止することで正転時に左縁20aがフレーム10に擦れて破損することを防止できる。
【0044】
図9に示すように、搬送ベルト20が正転時に初期状態から右側に向けて蛇行する場合がある。この場合、前側または後側の少なくとも1つの蛇行検出装置50が右側蛇行検出信号を発信する。右側蛇行検出信号に基づいて制御装置60が、後側のサーボモータ41を逆転駆動させ、後側のスナッププーリ30のシャフト30bの右端部を後方に押す。その結果、後側のスナッププーリ30が左右方向に対して時計回りに傾斜角θだけ傾く。やがて、搬送ベルト20は初期位置に戻る。
【0045】
右側蛇行検出信号の発信が停止した際、制御装置60は、後側のスナッププーリ30の角度をその状態に保持する。あるいは制御装置60は、後側のサーボモータ41を所定時間だけ連続的に正転駆動させる。これにより後側のスナッププーリ30が傾く前の状態に戻る。かくして右側に蛇行した搬送ベルト20を初期位置に戻すことができる。
【0046】
図10に示すように、搬送ベルト20が逆転時に初期状態から左側に向けて蛇行する場合がある。この場合、前側または後側の少なくとも1つの蛇行検出装置50が左側蛇行検出信号を発信する。左側蛇行検出信号に基づいて制御装置60が、前側のサーボモータ41を正転駆動させ、前側のスナッププーリ30のシャフト30bの右端部を前方に押す。その結果、前側のスナッププーリ30が左右方向に対して反時計回りに傾斜角θだけ傾く。やがて、搬送ベルト20は初期位置に戻る。
【0047】
左側蛇行検出信号の発信が停止した際、制御装置60は、前側のスナッププーリ30の角度をその状態に保持する。あるいは制御装置60は、前側のサーボモータ41を所定時間だけ連続的に逆転駆動させる。これにより前側のスナッププーリ30が傾く前の状態に戻る。かくして左側に蛇行した搬送ベルト20を初期位置に戻すことができる。
【0048】
図11に示すように、搬送ベルト20が逆転時に初期状態から右側に向けて蛇行する場合がある。この場合、前側または後側の少なくとも1つの蛇行検出装置50が右側蛇行検出信号を発信する。右側蛇行検出信号に基づいて制御装置60が、前側のサーボモータ41を逆転駆動させ、前側のスナッププーリ30のシャフト30bの右端部を後方に押す。その結果、前側のスナッププーリ30が左右方向に対して時計回りに傾斜角θだけ傾く。やがて、搬送ベルト20は初期位置に戻る。
【0049】
右側蛇行検出信号の発信が停止した際、制御装置60は、前側のスナッププーリ30の角度をその状態に保持する。あるいは制御装置60は、前側のサーボモータ41を所定時間だけ連続的に正転駆動させる。これにより前側のスナッププーリ30が傾く前の状態に戻る。かくして右側に蛇行した搬送ベルト20を初期位置に戻すことができる。
【0050】
図1に示すようにベルト蛇行戻しシステム4は、搬送ベルト20のリターン経路に設けられるスナッププーリ30を有している。スナッププーリ30は、搬送ベルト20の左右方向に延出して搬送ベルト20に当接する。図8,9に示すようにプーリ角度調整装置80は、スナッププーリ30を左右方向に対して傾ける。蛇行検出装置50は、搬送ベルト20の左右方向の蛇行を検出する。制御装置60(図7参照)が、蛇行検出装置50からの蛇行検出信号に基づいてプーリ角度調整装置80を操作してスナッププーリ30を傾ける。図3,4に示すようにプーリ角度調整装置80は、制御装置60によって駆動するサーボモータ41と、サーボモータ41によって搬送ベルト20の搬送方向に沿ってスライドするブロック47とを有する。ブロック47に連結されたスナッププーリ30がブロック47のスライドの位置に応じて傾くことで搬送ベルト20が蛇行する前の初期位置に向いて移動する。
【0051】
したがってスナッププーリ30を傾ける駆動源は、サーボモータ41である。サーボモータ41は、従来技術のエアシリンダに比べてブロック47の位置を微調整して、スナッププーリ30の傾き角度を微調整できる。その結果、搬送ベルト20を蛇行する前の初期位置に向けて好適に戻すことができる。あるいはスナッププーリ30の傾き角度を好適な位置に保持することができる。
【0052】
図3、4に示すプーリ角度調整装置80は、サーボモータ41によって軸中心に回転する雄ねじ部材43と、雄ねじ部材43に螺合されかつブロック47に連結される雌ねじ部材44と、ブロック47を搬送方向に沿ってスライド可能に保持するレール46aとを有する。そのため雄ねじ部材43と雌ねじ部材44を利用することでブロック47の位置を搬送方向に沿って微調整できる。
【0053】
図3~4に示すプーリ角度調整装置80は、サーボモータ41の駆動軸(出力軸部)の回転を減速させる減速機構42と、減速機構42と雄ねじ部材43を連結させるカップリング部材45とを有する。そのため、減速機構42により雄ねじ部材43の回転量を低回転とすることができる。その結果、ブロック47の位置をより微調整でき、スナッププーリ30の角度をより微調整できる。
【0054】
図1~2に示すスナッププーリ30は、プーリ本体30aと、プーリ本体30aの端部を回転可能に保持しかつ端部から突出するシャフト30bを有する。ブロック47には、スナッププーリ30のシャフト30bが傾動可能に挿し込まれる挿込孔47aが形成されている。そのため、ブロック47とスナッププーリ30を連動させることができる。しかも挿込孔47aを利用する簡易な構造によってスナッププーリ30をブロック47に対して傾動可能に連結できる。
【0055】
図1に示すように、第1ベルトコンベア1は、搬送ベルト20のリターン経路において搬送ベルト20を正方向と逆方向に切り替え可能に移動させるドライブプーリ18を有する。プーリ角度調整装置80は、ドライブプーリ18の正方向における下流側に設けられる後側のプーリ角度調整装置80(正方向用プーリ角度調整装置)と、ドライブプーリ18の逆方向における下流側に設けられる前側のプーリ角度調整装置80(逆方向用プーリ角度調整装置)を有する。
【0056】
一般に、搬送ベルト20を逆方向に走行させると、搬送ベルト20が大きく蛇行する。この場合においても効果的に搬送ベルト20の蛇行を戻すことができる。例えばドライブプーリ18の上流側にプーリ角度調整装置80であるスナッププーリ30を載置すると、プーリ角度調整装置80による搬送ベルト20の方向変更がドライブプーリ18によって小さくなる。これに対して本特徴では、搬送ベルト20が正方向に走行する場合は、ドライブプーリ18の下流に位置する後側のプーリ角度調整装置80によって蛇行が戻される。搬送ベルト20が逆方向に走行する場合も、ドライブプーリ18の逆方向の下流に位置する前側のプーリ角度調整装置80によって蛇行が戻される。したがっていずれの走行方向においても効果的に搬送ベルト20を蛇行する前の初期位置に向けて戻すことができる。
【0057】
図5、6に示すように、蛇行検出装置50は、搬送ベルト20の外側から搬送ベルト20の上方に張出す上アーム51と、搬送ベルト20の外側から搬送ベルト20の下方に張出す下アーム52とを有する。光を発する発光体52a、52c、52e、52gが下アーム52に設けられる。光を感知する受光体51a、51c、51e、51gが、上アーム51に設けられる。発光体52a、52c、52e、52gと受光体51a、51c、51e、51gは、互いを結ぶ第1直線L1が鉛直方向に沿う第2直線L2に対して傾くように設置される。発光体52a、52c、52e、52gの直上が上アーム51に覆われ、受光体51a、51c、51e、51gの直上が下アーム52に覆われている。
【0058】
そのため、下アーム52が発光体52a、52c、52e、52gの発光面52b、52d、52f、52hに対する粉塵やゴミ等の堆積を防止できる。上アーム51が受光体51a、51c、51e、51gの受光面51b、51d、51f、51hに対する粉塵やゴミ等の堆積を防止できる。したがって、堆積する粉塵やゴミ等によって光の感知が阻害されることを抑制でき、蛇行検出装置50の誤作動を防止できる。もちろん、粉塵やゴミ等が少ない環境であれば、このように互いを結ぶ第1直線L1が鉛直方向に沿う第2直線L2に対して傾くように設置する必要もない。また、発光体52a、52c、52e、52gの直上が上アーム51に覆われる必要もない。また、受光体51a、51c、51e、51gの直上が下アーム52に覆わる必要もない。
【0059】
実施形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって実施形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば実施形態は、特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
【0060】
上記構成によると、搬送ベルト20が左側または右側に蛇行した際に、サーボモータ41を所定時間だけ連続的に駆動させる。これによりスナッププーリ30を左右方向に対して傾ける。これに代えて、搬送ベルト20が左側または右側に蛇行した際に、サーボモータ41を所定時間だけ間欠的に駆動させても良い。
【0061】
これによりスナッププーリ30は、徐々に左右方向に対して傾きが大きくなる。間欠的に駆動とは、サーボモータ41の駆動と停止を繰り返す駆動形態である。このとき、サーボモータ41の駆動時間(停止時間)を各駆動(各停止)ごとに変更してもよいし同一でもよい。この間欠的な駆動であれば、例えばスナッププーリ30の左右方向に対する傾きのスピードを抑えることができる。そのため初期位置に向けた搬送ベルト20の移動のスピードを抑えることができる。したがって初期位置に向けて移動させた搬送ベルト20がそのまま(新たに)反対方向に蛇行することを防止できる。
【0062】
スナッププーリ30を傾けて搬送ベルト20を初期位置に移動させる形態を説明した。これに代えて、各種のプーリ(例えばヘッドプーリ13、テールプーリ14、ドライブプーリ18、テンションプーリ19)を傾けて搬送ベルト20を初期位置に移動させる形態でも構わない。また、第1ベルトコンベア1にベンドブーリを備えていれば、ベンドブーリを傾けて搬送ベルト20を初期位置に移動させる形態でも構わない。
【0063】
上アーム51(一方)に4個の受光体51a、51c、51e、51gを設け、下アーム52(他方)に4個の発光体52a、52c、52e、52gを設けた形態を説明した。これに代えて、上アーム51(他方)に4個の発光体52a、52c、52e、52gを設け、下アーム52(一方)に4個の受光体51a、51c、51e、51gを設けた形態でも構わない。
【0064】
雄ねじ部材43と雌ねじ部材44として、例えばボールを有するボールねじとボールナットが考えられる。これに代えて、雄ねじ部材43と雌ねじ部材44として、ボールを有しないねじとナットでも構わない。その場合、ねじの断面形状は、三角形でも台形でも構わない。
【符号の説明】
【0065】
1 第1ベルトコンベア(ベルトコンベア)
4 ベルト蛇行戻しシステム
20 搬送ベルト
30 スナッププーリ(プーリ)
41 サーボモータ
47 ブロック
50 蛇行検出装置
60 制御装置
80 プーリ角度調整装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11