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特開2022-42657乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042657
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 1/18 20060101AFI20220308BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B66B1/18 L
B66B1/18 K
B66B3/00 M
B66B3/00 Q
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148144
(22)【出願日】2020-09-03
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-24
(71)【出願人】
【識別番号】390025265
【氏名又は名称】東芝エレベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】門馬 直秀
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303AA05
3F303CA01
3F303CA03
3F303CB29
3F303DB11
3F303DC06
3F303DC12
3F303DC13
3F502HB01
3F502HB02
3F502JA05
3F502JA47
3F502JA75
3F502KA10
3F502MA02
3F502MA03
3F502MA43
3F502MA48
3F502MA49
(57)【要約】
【課題】 利用者の利便性を確保しつつ、意図したタイミングで乗場呼び登録方式を切替えることができる。
【解決手段】 外部からの切替え操作又はエレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力し、切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定し、既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機し、選定号機の既割当てをバンク内の他号機へ割当て変更し、割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ行先階情報を変更し、既登録乗場呼びが割当て変更された後、上下呼び登録方式へ乗場呼び登録方式を切替える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗場で行先階を指定してエレベータの乗りかごを呼ぶ乗場行先階呼びを登録する乗場行先階呼び登録装置と、行先階の方向を指定して前記エレベータの乗りかごを呼ぶ上下呼びを登録する上下呼び登録装置とを備え、前記乗場行先階呼び又は上下呼びが登録された場合に当該呼びを、バンク内の所望の号機に割当てて応答させる群管理制御装置が実行する乗場呼び登録方式切替え方法であって、
外部からの切替え操作又は前記エレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力し、
前記切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定し、
既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、前記バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機とし、
前記選定号機の既割当てを前記バンク内の他号機へ割当て変更し、
割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には前記選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ行先階情報を変更し、
前記既登録乗場呼びが割当て変更された後、上下呼び登録方式へ前記乗場呼び登録方式を切替える、
乗場呼び登録方式切替え方法。
【請求項2】
前記乗場呼び登録方式が切替えられた後、前記各号機の切替え前の前記既登録乗場呼びを確認し、
前記既登録乗場呼び割当てが無くなった号機を前記切替え後の乗場呼びの割当て対象号機とする、
請求項1に記載の乗場呼び登録方式切替え方法。
【請求項3】
前記乗場行先階呼びが割当てられた場合に、前記行先階を前記乗場に設置された行先階表示装置に表示させる、
請求項1又は2に記載の乗場呼び登録方式切替え方法。
【請求項4】
乗場で行先階を指定してエレベータの乗りかごを呼ぶ乗場行先階呼びを登録する乗場行先階呼び登録装置と、行先階の方向を指定して前記エレベータの乗りかごを呼ぶ上下呼びを登録する上下呼び登録装置とに接続され、前記乗場行先階呼び又は上下呼びが登録された場合に当該呼びを、バンク内の所望の号機に割当てて応答させる群管理制御装置であって、
外部からの切替え操作又は前記エレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力する切替え指令出力手段と、
前記切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定する既登録乗場呼び判定手段と、
既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、前記バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機とする既割当て最小号機選定手段と、
前記選定号機の既割当てを前記バンク内の他号機へ割当て変更する既登録乗場呼び割当て変更手段と、
割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には前記選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ行先階情報を変更する乗場行先階表示変更手段と、
前記既登録乗場呼びが割当て変更されると、前記乗場呼び登録方式を切替える乗場呼び登録方式切替え制御手段と、
前記乗場呼び登録方式が切替えられた後、前記各号機の切替え前の前記既登録乗場呼びを確認し、前記既登録乗場呼び割当てが無くなった号機を前記切替え後の乗場呼びの割当て対象号機とする切替え後乗場呼び割当て対象号機選定手段と、
を備える群管理制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
群管理されたエレベータでは、建屋の入り口付近に乗場呼び登録装置(「乗場行先階登録装置」とも称する)を設け、入場を許可された利用者に対して割当てられた乗りかご情報を報知するエレベータシステムがある。また、各号機エレベータの乗場には、号機毎に上下呼び登録装置を設けたエレベータシステムもある。
【0003】
乗場呼び登録装置と上下呼び登録装置の両方の乗場呼び登録方式を備えたエレベータシステムでは、切替えスイッチによって切替えたり、時間帯や利用者数によって自動で切替えたりする。
【0004】
行先階呼びは、呼び登録個数から乗降者数を計算し、利用者に乗車号機を指定する。これに対して、上下呼びでは、乗降者数が不確定であり、上下呼び利用者と行先階呼び利用者とが同一号機に乗り合わせると、行先階呼び利用者が指定号機に乗り込むことができないケースが発生する。
【0005】
このため、従来、乗場呼び登録方式の切替え時に、既登録の乗場呼びがある場合、切替え前の乗場呼びが全て無くなった後に切替えるのが一般的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-052952号公報
【特許文献2】特開2016-141558号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、既登録の乗場呼びが全て無くなるのを待つ場合、状況によっては切替えに時間を要するため、意図したタイミングで乗場呼び登録方式の切替えができないという課題がある。
【0008】
本発明は上記事情に鑑み、利用者の利便性を確保しつつ、意図したタイミングで乗場呼び登録方式を切替えることができる乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための態様は、乗場で行先階を指定してエレベータの乗りかごを呼ぶ乗場行先階呼びを登録する乗場行先階呼び登録装置と、行先階の方向を指定して前記エレベータの乗りかごを呼ぶ上下呼びを登録する上下呼び登録装置とを備え、前記乗場行先階呼び又は上下呼びが登録された場合に当該呼びを、バンク内の所望の号機に割当てて応答させる群管理制御装置が実行する乗場呼び登録方式切替え方法であって、外部からの切替え操作又は前記エレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力し、前記切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定し、既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、前記バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機とし、前記選定号機の既割当てを前記バンク内の他号機へ割当て変更し、割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には前記選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ行先階情報を変更し、前記既登録乗場呼びが割当て変更された後、上下呼び登録方式へ前記乗場呼び登録方式を切替える乗場呼び登録方式切替え方法である。
【0010】
また、他の態様は、乗場で行先階を指定してエレベータの乗りかごを呼ぶ乗場行先階呼びを登録する乗場行先階呼び登録装置と、行先階の方向を指定して前記エレベータの乗りかごを呼ぶ上下呼びを登録する上下呼び登録装置とに接続され、前記乗場呼び又は上下呼びが登録された場合に当該呼びを、バンク内の所望の号機に割当てて応答させる群管理制御装置であって、外部からの切替え操作又は前記エレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力する切替え指令出力手段と、前記切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定する既登録乗場呼び判定手段と、既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、前記バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機とする既割当て最小号機選定手段と、前記選定号機の既割当てを前記バンク内の他号機へ割当て変更する既登録乗場呼び割当て変更手段と、割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には前記選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ前記行先階情報を変更する乗場行先階表示変更手段と、前記既登録乗場呼びが割当て変更されると、前記乗場呼び登録方式を切替える乗場呼び登録方式切替え制御手段と、前記乗場呼び登録方式が切替えられた後、前記各号機の切替え前の前記既登録乗場呼びを確認し、前記既登録乗場呼び割当てが無くなった号機を前記切替え後の乗場呼びの割当て対象号機とする切替え後乗場呼び割当て対象号機選定手段と、を備える群管理制御装置である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置の実施形態の構成を示すブロック図。
図2】乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置の実施形態の処理手順を示すフローチャート。
図3】乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置の実施形態の動作を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
《実施形態の構成》
図1は乗場呼び登録方式切替え方法及び群管理制御装置の実施形態が適用されるエレベータ制御システム100の構成を示すブロック図である。
【0013】
図1に示すように、エレベータ制御システム100は、群管理制御装置10と、この群管理制御装置10の制御下において、A号機制御装置30Aと、B号機を制御するB号機制御装置30Bと、C号機を制御するC号機制御装置30Cとを備えている。A号機制御装置30Aは乗りかご40Aの運転制御を、B号機制御装置30Bは乗りかご40Bの運転制御を、C号機を制御するC号機制御装置30Cは乗りかご40Cの運転制御を実行する。
【0014】
また、基準階(例えば、1階)には、乗場行先階登録装置50が設置されており、他階の乗場には、上下呼びボタン60,70が設置されている。
【0015】
群管理制御装置10は、割当て制御部11と、割当て指令出力部12と、乗場呼び登録方式切替え判定部13とを備えている。割当て制御部11は、行先呼び割当て制御部14と、上下呼び割当て制御部15とから構成されている。
【0016】
各号機制御装置30A,30B,30Cは同一の機能構成を有しており、それぞれ、割当て応答制御部31と、エレベータ情報出力部32と、かご呼び登録部33と、上下呼び登録部34とを備えている。
【0017】
割当て制御部11の行先呼び割当て制御部14は、乗場行先階登録装置50からの行先呼び登録情報と各エレベータのエレベータ情報出力部32からの上下呼び情報を含む応答情報、かご方向性、かご荷重等の各エレベータ情報と、エレベータの需要情報とから各エレベータを評価し、登録された行先階呼び毎に最適な割当て号機を決定する。
【0018】
割当て制御部11の上下呼び割当て制御部15は、上下呼びボタン60,70で登録された上下呼び情報と各エレベータのエレベータ情報出力部32からの各エレベータ情報とから、各エレベータを評価し、最適な上下呼び割当て号機を決定する。
【0019】
割当て指令出力部12は、行先呼び割当て制御部14と上下呼び割当て制御部15からの割当て号機情報に基づき、各エレベータへ割当て指令を出力する。また、割当て号機情報が行先呼び割当て制御部14から入力された場合は割当て号機へ行先階登録指令を出力する。
【0020】
実施形態の群管理制御装置10において、乗場呼び登録方式切替え判定部13は、コンピュータのソフトウェア機能として、外部からの切替え操作又はエレベータの需要に基づき、乗場呼び登録方式の切替え指令を出力する切替え指令出力手段を有する。また、切替え指令が出力された場合に、バンク内の既登録の乗場呼びが有るか否かを判定する既登録乗場呼び判定手段を有する。また、既登録の乗場呼びが有ると判定された場合には、バンク内の号機から既登録の乗場呼びの割当てが最も少ない号機を選定号機とする既割当て最小号機選定手段を有する。また、選定号機の既割当てをバンク内の他号機へ割当て変更する既登録乗場呼び割当て変更手段を有する。また、割当て変更された既登録乗場呼びが乗場行先階呼びであった場合には選定号機の乗場行先階表示装置から割当て変更先号機の乗場行先階表示装置へ行先階情報を変更する乗場行先階表示変更手段を有する。また、既登録乗場呼びが割当て変更されると、乗場呼び登録方式を切替える乗場呼び登録方式切替え制御手段を有する。更に、乗場呼び登録方式が切替えられた後、各号機の切替え前の既登録乗場呼びを確認し、既登録乗場呼び割当てが無くなった号機を切替え後の乗場呼びの割当て対象号機とする切替え後乗場呼び割当て対象号機選定手段を有する。
【0021】
各号機制御装置30A,30B,30Cの割当て応答制御部31は、割当て指令出力部12からの割当て指令により各エレベータを乗場行先階呼び又は上下呼びの登録階へ応答させ、戸開させる。
【0022】
エレベータ情報出力部32は、上下呼び情報を含む応答情報、かご方向性、かご荷重等の各エレベータ情報を群管理制御装置10に出力する。
【0023】
かご呼び登録部33は、群管理制御装置10の割当て指令出力部12からの行先階登録指令に基づき行先階のかご呼びを登録する。
【0024】
上下呼び登録部34は、上下呼びボタン60,70からの上下呼び情報を登録する。
【0025】
《実施形態の処理手順》
以下、第1実施形態のエレベータ制御システム100の処理手順を図2のフローチャートに基づいて説明する。
【0026】
図2に示すように、先ず、乗場呼び登録方式の切替え条件が成立するか否かを判定する(ステップS1)。
【0027】
乗場呼び方式の切替え条件が成立すると、次にバンク内に既登録の乗場呼びが有るか否かを判定する(ステップS2)。
【0028】
バンク内に既登録の乗場呼びが有る場合には、バンク内の全号機に既登録の乗場呼びの割当てが有るか否かを判定する(ステップS3)。
【0029】
全号機に既登録の乗場呼びが割当てられている場合には、既登録乗場呼びの割当て最小号機を選定する(ステップS4)。
【0030】
次いで、選定された号機の割当てを他号機に割当て変更する(ステップS5)。
【0031】
次いで、割当て変更した乗場呼びは行先階呼びで有るか否かを判定する(ステップS6)。
【0032】
乗場呼びが行先階呼びで有れば、乗場行先階表示を変更する(ステップS7)。その後、乗場呼び登録方式を切替える(ステップS8)。
【0033】
バンク内に既登録の乗場呼びが無い場合(ステップS2NO)、バンク内の一部の号機に既登録の乗場呼びの割当てが有る場合(ステップS3NO)、割当て変更した乗場呼びが行先呼びで無い場合(ステップS6NO)にも乗場呼び登録方式を切替える(ステップS8)。
【0034】
乗場呼び登録方式が切替えられると、ステップS9~S10の号機ループ処理が開始される。すなわち、乗場呼び登録方式が切替えられた当該号機に切替え前の乗場呼び登録方式による割当てが無いか否かを判定する(ステップS10)。
【0035】
当該号機に切替え前の乗場呼び登録方式の割当てが無い場合には、当該号機を切替え後の乗場呼び割当て対象号機とする(ステップS11)。
【0036】
ステップS9~S12の号機ループにより、全号機が切替え後の乗場呼び対象号機となった場合には、乗場呼び登録方式の切替え処理を終了する(ステップS13YES)。
【0037】
以上の処理を図3に示す模式図を用いて具体的に説明する。
【0038】
図3に示す例は、行先階呼びから上下呼びに切替える際、全号機(A号機、B号機、C号機)に既登録乗場呼びの割当てが有るケースを想定している。
【0039】
今、図3(1)に示すように、A号機には、6階と8階、B号機には5階と7階、C号機には3階の乗場行先階呼びが割当てられている。それぞれの行先階表示パネル80A,80B,80Cには行先階を示す数字が表示されている。この状態では、上下呼びボタン60,70からの上下呼びは受付けていない。
【0040】
乗場呼び登録方式の切替え時には、(処理1)として、先ず、行先階呼び割当てが最小であるC号機の乗場行先階呼びを割当て変更する。C号機の割当ては3階であるので、3階をB号機に割当てる。次いで、(処理2)として、C号機の行先階表示パネル80Cから乗場行先階表示を消し、B号機の行先階表示パネル80Bの乗場行先階呼びに3階を追加表示する。この状態では、(処理3)に示すように、利用者が上下呼びボタン60,70から上下呼び登録が可能となる。利用者から上下呼びが登録されると、(処理4)に示すように、乗場行先階呼びの割当てが無いC号機に上下呼びが割当てられる。そして、(処理5)に示すように、上下呼び割当て号機であるC号機のホールランタン90Cが点灯し、上下呼びが割当てられた旨が利用者に報知される。
【0041】
このように、本実施形態によれば、利用者の利便性を確保しつつ、意図したタイミングで即座に乗場呼び登録方式を切り替えることができる。また、需要に即して割当てを切替えるので、輸送効率を向上させることができる。
【0042】
なお、乗場行先階呼びから上下呼びに切替え時において、割当て変更元の号機の割当てを全て割当て可能な他の号機が有る場合には、当該号機を割当て変更先号機に選定することもできる。この場合には、割当て変更先の号機を1つの号機に定めることができるので、利用者にとっては、変更状況を分かり易くなり、利用者の利便性が一層向上することとなる。
【0043】
また、乗場行先階割当て号機と上下呼び割当て号機とが混在する場合、乗場において切替え後の乗場呼びの割当て対象号機を表示する。これにより、利用者は、どの割当て号機に乗ったらよいか迷うことがないので、利用者の利便性が一層向上することとなる。
【0044】
また、既登録の乗場呼びの割当てが無い号機があっても、その乗りかごが満員の場合には、他に割当ての無い号機を作り、切替え後の乗場呼びを確実に割り当てることができるようにしてもよい。
【0045】
さらに、上記実施形態では、需要に応じて割当てを切替えるようにした。しかし、外部から切替えスイッチにより、割当て指令出力部12に対して切替え指令を出力するように構成してもよい。また、タイマー設定により、時間帯により、割当て指令出力部12に対して切替え指令を出力するように構成してもよい。
【0046】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
100…エレベータ制御システム、10…群管理制御装置、11…割当て制御部、12…割当て指令出力部、13…乗場呼び登録方式切替え判定部、30A…A号機制御装置、30B…B号機制御装置、30C…C号機制御装置、31…割当て応答制御部、32…エレベータ情報出力部、33…かご呼び登録部、34…上下呼び登録部、40A,40B,40C…乗りかご、50…乗場行先階登録装置、60,70…上下呼びボタン、80A,80B,80C…行先階表示パネル、90A,90B,90C…ホールランタン
図1
図2
図3