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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022042673
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】多孔質セラミックス構造体
(51)【国際特許分類】
   B01J 35/04 20060101AFI20220308BHJP
   C04B 35/195 20060101ALI20220308BHJP
   C04B 38/00 20060101ALI20220308BHJP
   B01D 53/94 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
B01J35/04 301P
C04B35/195
C04B38/00 303Z
B01D53/94 222
B01D53/94 ZAB
B01D53/94 245
B01D53/94 280
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148171
(22)【出願日】2020-09-03
(71)【出願人】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110847
【弁理士】
【氏名又は名称】松阪 正弘
(74)【代理人】
【識別番号】100136526
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100136755
【弁理士】
【氏名又は名称】井田 正道
(72)【発明者】
【氏名】泉 有仁枝
(72)【発明者】
【氏名】日高 憲一
(72)【発明者】
【氏名】三浦 晃弘
【テーマコード(参考)】
4D148
4G019
4G169
【Fターム(参考)】
4D148AA06
4D148AA13
4D148AA18
4D148AB01
4D148AB02
4D148AB09
4D148BA01X
4D148BA03X
4D148BA06X
4D148BA08X
4D148BA19X
4D148BA30Y
4D148BA31Y
4D148BA41X
4D148BB01
4D148BB02
4G019FA12
4G169AA01
4G169AA03
4G169AA11
4G169BA05A
4G169BA05B
4G169BA13C
4G169BB06A
4G169BB06B
4G169BC43A
4G169BC43B
4G169CA03
4G169CA13
4G169CA14
4G169CA15
4G169DA06
4G169EA19
4G169EB07
4G169EB18X
(57)【要約】
【課題】多孔質セラミックス構造体の助触媒能を向上する。
【解決手段】多孔質セラミックス構造体は、主成分がコージェライトである多孔質のハニカム構造体10と、ハニカム構造体10に固定されたCe-Zr含有粒子2と、を備える。Ce-Zr含有粒子2は、CeおよびZrを含む。Ce-Zr含有粒子2は、ハニカム構造体10の内部に位置する固定部21と、固定部21に連続するとともにハニカム構造体10から突出する突出部22と、を備える。これにより、多孔質セラミックス構造体の助触媒能を向上することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質セラミックス構造体であって、
主成分がコージェライトである多孔質の構造体本体と、
CeおよびZrを含むとともに前記構造体本体に固定されたCe-Zr含有粒子と、
を備え、
前記Ce-Zr含有粒子は、
前記構造体本体の内部に位置する固定部と、
前記固定部に連続するとともに前記構造体本体から突出する突出部と、
を備えることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項2】
請求項1に記載の多孔質セラミックス構造体であって、
CeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で6.0質量%以上かつ20質量%以下であることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項3】
請求項1または2に記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Ceの含有率は、CeO換算で5.0質量%以上かつ15質量%以下であることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1つに記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Zrの含有率は、ZrO換算で1.0質量%以上かつ5.0質量%以下であることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれか1つに記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Ceの少なくとも一部はCeOとして存在することを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項6】
請求項5に記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Zrの少なくとも一部はCeOに固溶していることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項7】
請求項6に記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合は、10%以上かつ20%以下であることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1つに記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Ce-Zr含有粒子の平均粒径は、10nm以上かつ2μm以下であることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1つに記載の多孔質セラミックス構造体であって、
Ce-Zr含有粒子に触媒粒子が担持されていることを特徴とする多孔質セラミックス構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多孔質セラミックス構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等のエンジンから排出される排ガス中に含まれるHC 、CO 、NOx等の有害物質の浄化処理のため、ハニカム構造を有する多孔質セラミックス構造体が触媒コンバータとして利用されている。このような多孔質セラミックス構造体では、比表面積を増大させて触媒担持量を増加させるために、γ-アルミナ等によるコート処理が行われる場合があるが、当該コート処理により圧力損失が増大するおそれがある。
【0003】
そこで、特許文献1では、ハニカム構造体の気孔表面に二酸化セリウムの粒子の一部を露出させ、当該二酸化セリウムの粒子に白金族元素の触媒微粒子を担持させることにより、上述のコート処理を不要とする技術が提案されている。当該二酸化セリウムの粒子は、酸素貯蔵放出能を有しており、酸素を貯蔵または放出することで排ガス中の空燃比の変動を抑制することにより、触媒微粒子の触媒能を高く維持する助触媒として働く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-171543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、自動車からの排ガスに対する種々の規制が厳格化されており、触媒コンバータにおける触媒能の更なる増大が求められている。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、多孔質セラミックス構造体の助触媒能を向上することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい一の形態に係る多孔質セラミックス構造体は、主成分がコージェライトである多孔質の構造体本体と、CeおよびZrを含むとともに前記構造体本体に固定されたCe-Zr含有粒子と、を備える。前記Ce-Zr含有粒子は、前記構造体本体の内部に位置する固定部と、前記固定部に連続するとともに前記構造体本体から突出する突出部と、を備える。
【0008】
好ましくは、CeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で6.0質量%以上かつ20質量%以下である。
【0009】
好ましくは、Ceの含有率は、CeO換算で5.0質量%以上かつ15質量%以下である。
【0010】
好ましくは、Zrの含有率は、ZrO換算で1.0質量%以上かつ5.0質量%以下である。
【0011】
好ましくは、Ceの少なくとも一部はCeOとして存在する。
【0012】
好ましくは、Zrの少なくとも一部はCeOに固溶している。
【0013】
好ましくは、Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合は、10%以上かつ20%以下である。
【0014】
好ましくは、Ce-Zr含有粒子の平均粒径は、10nm以上かつ2μm以下である。
【0015】
好ましくは、Ce-Zr含有粒子に触媒粒子が担持されている。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、多孔質セラミックス構造体の助触媒能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】多孔質セラミックス構造体の斜視図である。
図2】隔壁の一部を拡大して示す模式図である。
図3】隔壁の表面を示すSEM画像である。
図4】Ce-Zr含有粒子近傍の部位の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、本発明の一の実施の形態に係る多孔質セラミックス構造体1を示す斜視図である。多孔質セラミックス構造体1は、例えば、エンジンから排出される排ガスの浄化に利用される排ガス浄化用触媒担体である。図1では、後述するセル13の数を実際よりも少なく描いている。
【0019】
多孔質セラミックス構造体1は、多孔質の構造体本体であるハニカム構造体10と、ハニカム構造体10に固定されるCe-Zr含有粒子と、を備える。当該Ce-Zr含有粒子は、セリウム(Ce)およびジルコニウム(Zr)を含む微粒子である。Ce-Zr含有粒子には、上述の貴金属(例えば、白金(Pt)やパラジウム(Pd)等の白金族元素)等の酸化触媒粒子が担持されている。多孔質セラミックス構造体1では、Ce-Zr含有粒子に加えて、Ce-Zr含有粒子以外の微粒子等がハニカム構造体10に固定されてもよい。
【0020】
ハニカム構造体10は、筒状外壁11と、隔壁12とを備える。筒状外壁11は、長手方向(すなわち、図1中の略左右方向)に延びる筒状である。長手方向に垂直な筒状外壁11の断面形状は、例えば円形であり、多角形等であってもよい。隔壁12は、筒状外壁11の内部に設けられ、当該内部を複数のセル13に仕切る。ハニカム構造体10は、内部が隔壁12により複数のセル13に仕切られたセル構造体である。筒状外壁11および隔壁12は、多孔質材料により形成される。多孔質セラミックス構造体1の強度を向上するという観点からは、隔壁12の厚さは、例えば、50μm(マイクロメートル)以上であり、好ましくは100μm以上であり、より好ましくは150μm以上である。隔壁12における圧力損失を低減するという観点からは、隔壁12の厚さは、例えば500μm以下であり、好ましくは450μm以下である。
【0021】
各セル13は、長手方向に延びる空間であり、エンジンからの排ガスが流れる流路である。長手方向に垂直なセル13の断面形状は、例えば多角形(三角形、四角形、五角形、六角形等)であり、円形等であってもよい。複数のセル13は、典型的には同じ断面形状を有する。複数のセル13には、異なる断面形状のセル13が含まれてもよい。多孔質セラミックス構造体1の酸化性能を向上するという観点からは、セル密度は、例えば8セル/cm(平方センチメートル)以上であり、好ましくは15セル/cm以上である。圧力損失を低減するという観点からは、セル密度は、例えば95セル/cm以下であり、好ましくは78セル/cm以下である。
【0022】
ハニカム構造体10の主成分はコージェライト(2MgO・2Al・5SiO)である。ハニカム構造体10は、コージェライトのみにより形成されてもよく、コージェライト以外の材料(例えば、金属、または、コージェライト以外のセラミック)を含んでいてもよい。ハニカム構造体10におけるコージェライトの含有率は、例えば75質量%以上であり、好ましくは80質量%以上である。本実施の形態では、ハニカム構造体10は、実質的にコージェライトのみにより形成される。
【0023】
多孔質セラミックス構造体1の圧力損失を低減するという観点からは、ハニカム構造体10の隔壁12の開気孔率は、例えば25%以上であり、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上である。多孔質セラミックス構造体1の強度を確保するという観点からは、隔壁12の開気孔率は、例えば70%以下であり、好ましくは65%以下である。当該開気孔率は、例えば、純水を媒体としてアルキメデス法により測定可能である。
【0024】
ハニカム構造体10の隔壁12の平均細孔径は、例えば5μm以上であり、好ましくは8μm以上である。開気孔率と同様に、隔壁12の平均細孔径が大きいほど、多孔質セラミックス構造体1の圧力損失が低くなる。多孔質セラミックス構造体1の触媒能を向上するという観点からは、ハニカム構造体10の平均細孔径は、例えば40μm以下であり、好ましくは30μm以下であり、より好ましくは25μm以下である。当該平均細孔径は、例えば水銀圧入法(JIS R1655準拠)により測定される。
【0025】
図2は、多孔質セラミックス構造体1の隔壁12の一部を拡大して示す模式図である。ハニカム構造体10の隔壁12の表面には、上述のCe-Zr含有粒子2が露出した状態で固定されている。隔壁12の表面とは、隔壁12の外表面(すなわち、セル13を囲む面)、および、隔壁12に設けられている多数の細孔の内表面を意味している。図2では、隔壁12の表面に位置するCe-Zr含有粒子2に平行斜線を付す。また、図2では、Ce-Zr含有粒子2の表面に担持される貴金属等の触媒微粒子3も併せて描いている。Ce-Zr含有粒子2の粒径は、触媒微粒子3の粒径よりも一般的に大きい。なお、図2では、Ce-Zr含有粒子2および触媒微粒子3の粒径を実際よりも大きく描いている。
【0026】
多孔質セラミックス構造体1では、上述のように、隔壁12の表面に露出するCe-Zr含有粒子2に触媒微粒子3が担持されることにより、従来のγ-アルミナによるコート処理(ウォッシュコート)によって隔壁12の比表面積を増大させることなく、触媒微粒子3の担持量を容易に増大させることができる。したがって、γ-アルミナのコート処理により圧力損失の増大等が生じることを防止することができる。なお、触媒微粒子3は、必ずしも全てCe-Zr含有粒子2に担持されている必要はなく、その一部は、ハニカム構造体10の表面に直接的に担持されていてもよい。
【0027】
図3は、ハニカム構造体10の隔壁12の表面を示すSEM(走査型電子顕微鏡)画像である。多孔質セラミックス構造体1では、粒状の複数のCe-Zr含有粒子2(画像中の白い部分)が、ハニカム構造体10の表面上に固定されている。Ce-Zr含有粒子2は、例えば、ハニカム構造体10を形成する多数のコージェライト結晶122(画像中の灰色の部分)の粒界に固定されており、ハニカム構造体10の表面から周囲の空間へと突出(すなわち、露出)している。なお、図3では、上述の触媒微粒子3(図2参照)がCe-Zr含有粒子2に担持される前の状態を示す。
【0028】
図4は、ハニカム構造体10の隔壁12の表面上のCe-Zr含有粒子2近傍の部位の断面図である。図4に示すように、Ce-Zr含有粒子2は、ハニカム構造体10の内部から周囲の空間へと部分的に突出した形態を有する。なお、図4では、Ce-Zr含有粒子2に担持される上述の触媒微粒子3(図2参照)の図示を省略している。
【0029】
Ce-Zr含有粒子2は、固定部21と、突出部22とを備える。固定部21は、ハニカム構造体10の内部に位置する。ハニカム構造体10の内部とは、ハニカム構造体10に設けられた細孔の内部空間という意味ではなく、ハニカム構造体10を構成するコージェライトの内部という意味である。固定部21は、Ce-Zr含有粒子2のうち、ハニカム構造体10の主材料であるコージェライトと結合し、当該コージェライトの内部にて固定化されている結合部である。換言すれば、固定部21は、Ce-Zr含有粒子2のうち、ハニカム構造体10の表面から、当該表面の周囲の空間とは反対側に向かってコージェライトの内部へと潜り込んでコージェライトに取り込まれている部分である。さらに換言すれば、固定部21は、Ce-Zr含有粒子2のうち、当該コージェライトに表面を被覆されている部位である。詳細には、固定部21は、ハニカム構造体10のコージェライト結晶122(図3参照)の粒界に存在し、当該粒界に固定されている。
【0030】
突出部22は、Ce-Zr含有粒子2のうち、ハニカム構造体10の表面から周囲の空間に突出する部分である。換言すれば、突出部22は、上記コージェライトの表面から露出している部位である。詳細には、突出部22は、コージェライト結晶122の粒界から周囲の空間へと突出する。突出部22は、固定部21と連続する。
【0031】
多孔質セラミックス構造体1では、例えば、多数のCe-Zr含有粒子2のうち一部のCe-Zr含有粒子2は、上述のようにハニカム構造体10の表面上に固定されており、他のCe-Zr含有粒子2は、粒子全体がハニカム構造体10の内部に位置する。なお、実質的に全てCe-Zr含有粒子2が、ハニカム構造体10の表面上に固定されていてもよい。なお、上述のように、ハニカム構造体10に対するγ-アルミナ等によるコート処理は行われていないため、Ce-Zr含有粒子2は、当然に、当該コート処理により形成される皮膜を介してハニカム構造体10に固定されることはない。
【0032】
Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は、例えば、10nm以上かつ2μm以下であり、好ましくは10nm以上かつ500nm以下であり、より好ましくは10nm以上かつ200nm以下である。Ce-Zr含有粒子2の当該平均粒径は、SEMで観察可能なCe-Zr含有粒子2の突出部22の平均粒径である。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は、例えば、SEMあるいはFE-SEM(電界放出型SEM)あるいはTEM(透過型電子顕微鏡)を用いてCe-Zr含有粒子2を所定の倍率で撮影した画像において、Ce-Zr含有粒子2の粒径の平均値を算出することにより求められる。なお、X線回折法(XRD)により求められたCe-Zr含有粒子2の結晶子径を、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径とみなしてもよい。
【0033】
多孔質セラミックス構造体1におけるCeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で、例えば、6.0質量%以上かつ20質量%以下である。以下の説明では、多孔質セラミックス構造体1におけるCeおよびZrの合計含有率を、単に「CeおよびZrの合計含有率」とも呼ぶ。CeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で、好ましくは、8.0質量%以上かつ15質量%以下である。CeOおよびZrO換算でのCeおよびZrの合計含有率とは、多孔質セラミックス構造体1に含まれるCe成分が全てCeOとして存在し、多孔質セラミックス構造体1に含まれるZr成分が全てZrOとして存在すると仮定した場合のCeOおよびZrOの合計質量を、多孔質セラミックス構造体1の質量で除算した値の百分率である。
【0034】
多孔質セラミックス構造体1におけるCeの含有率は、CeO換算で、例えば、5.0質量%以上かつ15質量%以下である。以下の説明では、多孔質セラミックス構造体1におけるCeの含有率を、単に「Ceの含有率」とも呼ぶ。Ceの含有率は、CeO換算で、好ましくは、7.0質量%以上かつ12質量%以下である。CeO換算でのCeの含有率とは、多孔質セラミックス構造体1に含まれるCe成分が全てCeOとして存在すると仮定した場合のCeOの質量を、多孔質セラミックス構造体1の質量で除算した値の百分率である。
【0035】
多孔質セラミックス構造体1におけるZrの含有率は、ZrO換算で、例えば、1.0質量%以上かつ5.0質量%以下である。以下の説明では、多孔質セラミックス構造体1におけるZrの含有率を、単に「Zrの含有率」とも呼ぶ。Zrの含有率は、ZrO換算で、好ましくは、2.0質量%以上かつ4.0質量%以下である。ZrO換算でのZrの含有率とは、多孔質セラミックス構造体1に含まれるZr成分が全てZrOとして存在すると仮定した場合のZrOの質量を、多孔質セラミックス構造体1の質量で除算した値の百分率である。
【0036】
多孔質セラミックス構造体1では、ZrO換算でのZrの含有率は、例えば、CeO換算でのCeの含有率の10%以上かつ40%以下であり、好ましくは、20%以上35%以下である。
【0037】
多孔質セラミックス構造体1に含まれるCeの少なくとも一部は、CeOとして存在する。好ましくは、多孔質セラミックス構造体1に含まれるCeの実質的に全量が、CeOとして存在する。多孔質セラミックス構造体1に含まれるZrの少なくとも一部は、CeOに固溶している。好ましくは、多孔質セラミックス構造体1に含まれるZrの実質的に全量が、CeOに固溶している。Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合は、例えば、10%以上かつ20%以下(すなわち、10mol%以上かつ20mol%以下)である。当該割合は、好ましくは、15%以上かつ20%以下である。
【0038】
上述のCeOは、下記式1に示す反応により酸素を貯蔵および放出する。式1の左辺から右辺への反応は、CeOから酸素が放出される反応を示し、右辺から左辺への反応は、CeOに酸素が貯蔵される反応を示す。このように、CeOは、酸素貯蔵放出能を有しており、酸素を貯蔵または放出することで排ガス中の空燃比の変動を抑制することにより、触媒微粒子3(図2参照)の触媒能を高く維持する助触媒として働く。
【0039】
CeO = CeO2-x + (x/2)O (式1)
【0040】
多孔質セラミックス構造体1の製造は、公知の様々な方法により行われてよい。例えば、まず、ハニカム構造体10の材料と、Ce-Zr含有粒子2の材料とが秤量されて混合されることにより、構造体原料が調製される。ハニカム構造体10の材料の主成分は、ハニカム構造体10の骨材であるコージェライトの原料であり、例えば、酸化マグネシウム(MgO)、酸化アルミニウム(Al)および酸化ケイ素(SiO)である。ハニカム構造体10の材料には、造孔剤およびバインダ等も含まれている。Ce-Zr含有粒子2の材料は、例えば、CeOおよびZrOである。続いて、構造体原料がニーダーにより乾式混合された後、水が投入され、さらにニーダーにより混練されて坏土が調製される。上述の乾式混合および混練に要する時間は、例えば、15分間および30分間である。乾式混合時間および混練時間は様々に変更されてよい。
【0041】
上記例では、CeOおよびZrOが、ハニカム構造体10の骨材等に個別に添加されているが、当該添加方法は様々に変更されてよい。例えば、ZrをCeOに含浸させて乾燥および焼成することにより生成された材料を、ハニカム構造体10の骨材等に添加してもよい。当該材料では、Zrの一部が、CeOに固溶または付着していてもよい。
【0042】
上述の坏土は、真空土練機等により柱状に成形された後、押出成形機によりハニカム状のハニカム成形体として押出成形される。当該ハニカム成形体は、内部に排ガス等の流体の流路となる複数のセルを区画形成する格子状の隔壁を備えたものである。なお、ハニカム成形体は、押出成形以外の成形方法により成形されてもよい。
【0043】
続いて、ハニカム成形体が乾燥される。ハニカム成形体の乾燥方法は、特には限定されない。当該乾燥方法は、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥または凍結乾燥等であり、これらの乾燥方法のいずれかの組み合わせであってもよい。例えば、ハニカム成形体は、マイクロ波乾燥により約50%~80%の水分が蒸散された後、熱風により乾燥(60℃~100℃×6時間~20時間)される。好ましくは、ハニカム成形体は、マイクロ波乾燥により約70%の水分が蒸散された後、熱風により乾燥(80℃×12時間)される。次に、ハニカム成形体が、450℃に維持された脱脂炉に投入され、ハニカム成形体に残留する有機物成分が除去(すなわち、脱脂)される。
【0044】
その後、ハニカム成形体の焼成処理(本焼成)が行われることにより、ハニカム構造体10およびCe-Zr含有粒子2を備える多孔質セラミックス構造体1が得られる。当該焼成処理は、例えば、大気圧下において焼成温度1300℃~1500℃にて8時間行われる。当該焼成温度は、好ましくは1350℃以上であり、より好ましくは1370℃以上である。また、当該焼成温度は、好ましくは1450℃以下であり、より好ましくは1430℃以下である。焼成処理の条件は、適宜変更されてよい。触媒微粒子3の担持は、上記焼成処理よりも後に行われる。
【0045】
次に、表1および表2を参照しつつ、上述の多孔質セラミックス構造体1の実施例、および、多孔質セラミックス構造体1と比較するための比較例の多孔質セラミックス構造体について説明する。表1および表2中の数値等は、触媒微粒子3が担持される前の多孔質セラミックス構造体1(すなわち、Ce-Zr含有粒子2が固定されたハニカム構造体10)のものである。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
表1中における多孔質セラミックス構造体1の材料組成における各成分の含有率(質量%)は、ICP発光分光分析法(Inductivity Coupled Plasma Atomic Emission Spectroscopy)に基づき分析を行うことで算出した。また、表2中のCe-Zr含有粒子2の質量%は、CeOおよびZrOの質量%の合計である。
【0049】
表2中において、Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合(以下、「Zr固溶率」とも呼ぶ。)は、次のように求めた。まず、多孔質セラミックス構造体1について、X線回折装置(回転対陰極型X線回折装置:理学電機株式会社製、RINT)を用いて測定したX線回折データを解析することでCeOの格子定数を求めた。そして、Zr固溶量が既知のサンプルについて同様に求めた格子定数に対し検量線を作成し、この検量線を用いてZr固溶率(mol%)を求めた。
【0050】
表2中において、多孔質セラミックス構造体1におけるCe-Zr含有粒子2の平均粒径は、上述のSEM画像において測定したCe-Zr含有粒子2の粒径の算術平均である。
【0051】
表2中において、多孔質セラミックス構造体1の酸素貯蔵能は、以下のように求めた。まず、容器に多孔質セラミックス構造体1を収容し、当該容器の内部空間に酸素(O)を含む第1ガスを供給することにより、Ce-Zr含有粒子2を酸化して酸素を貯蔵させた。当該第1ガスは、Oと窒素(N)等の不活性ガスとの混合ガスであり、当該混合ガスにおけるOの含有率は20体積%とした。続いて、容器の内部空間から第1ガスを除去し、Hを含む第2ガスを当該内部空間に供給して多孔質セラミックス構造体1の多数のセル13を通過させた。当該第2ガスは、HとN等の不活性ガスとの混合ガスであり、当該混合ガスにおけるHの含有率は5体積%とした。
【0052】
第2ガス中のHは、セル13を通過する際に、Ce-Zr含有粒子2から放出された酸素(すなわち、第1ガスの供給によりCe-Zr含有粒子2に貯蔵された酸素)と反応し、HOを生成する。したがって、多孔質セラミックス構造体1を通過した第2ガス中のHOの量を、ガスクロマトグラフ等により測定することにより、当該測定値からCe-Zr含有粒子2に貯蔵されていた酸素の量を算出することができる。表1では、第2ガス中のHOの測定値から算出されたOの物質量(mol)を、多孔質セラミックス構造体1に含有されるCeの物質量(mol)で除算した値を、多孔質セラミックス構造体1における酸素貯蔵能として記載した。当該酸素貯蔵能が高いほど、Ce-Zr含有粒子2の酸素貯蔵放出能が高く、上述のように、排ガス中の空燃比の変動を抑制する機能が高い。すなわち、当該酸素貯蔵能が高いほど、Ce-Zr含有粒子2の助触媒能が高い。
【0053】
実施例1では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、6.1質量%および2.0質量%である。ZrOの含有率は、CeOの含有率の約1/3である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、8.1質量%であった。Zr固溶率は、17.2mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は55nmであった。酸素貯蔵能は、0.0007と高かった。
【0054】
実施例2では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、7.9質量%および2.6質量%である。ZrOの含有率は、CeOの含有率の約1/3である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、10.6質量%であった。Zr固溶率は、18.3mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は120nmであった。酸素貯蔵能は、0.0008と高かった。
【0055】
実施例3では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、9.6質量%および3.2質量%である。ZrOの含有率は、CeOの含有率の約1/3である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、12.9質量%であった。Zr固溶率は、17.8mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は630nmであった。酸素貯蔵能は、0.0007と高かった。
【0056】
実施例4では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、11.3質量%および3.8質量%である。ZrOの含有率は、CeOの含有率の約1/3である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、15.0質量%であった。Zr固溶率は、17.2mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は1200nmであった。酸素貯蔵能は、0.0006と高かった。
【0057】
実施例1~4を比較すると、Ce-Zr含有粒子2の含有率は実施例1~4の順に高くなり、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は実施例1~4の順に大きくなる。多孔質セラミックス構造体1では、Ce-Zr含有粒子2の含有率が高いほど、上述の式1に示す反応による酸素の放出量および貯蔵量が増大し、酸素貯蔵能が高くなる。また、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は小さいほど、Ce-Zr含有粒子2の表面積が増大するため、酸素貯蔵能が高くなる。実施例1~4では、Ce-Zr含有粒子2の含有率が比較的高く、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径が比較的小さい実施例2において、酸素貯蔵能が最も高い。
【0058】
実施例5では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、8.1質量%および1.0質量%である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、9.1質量%であった。Zr固溶率は、11.7mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は130nmであった。酸素貯蔵能は、0.0006と高かった。
【0059】
実施例6では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、8.0質量%および2.0質量%である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、10.0質量%であった。Zr固溶率は、18.3mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は125nmであった。酸素貯蔵能は、0.0008と高かった。
【0060】
実施例7では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、7.9質量%および3.0質量%である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、10.9質量%あった。Zr固溶率は、16.1mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は126nmであった。酸素貯蔵能は、0.0007と高かった。
【0061】
実施例8では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、7.8質量%および3.9質量%である。Ce-Zr含有粒子2の含有率は、11.7質量%であった。Zr固溶率は、12.2mol%であった。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は128nmであった。酸素貯蔵能は、0.0006と高かった。
【0062】
実施例5~8を比較すると、材料組成におけるCeOの含有率を約8質量%とし、材料組成におけるZrOの含有率を1.0質量%~3.9質量%まで約1.0質量%ずつ増大させた。その結果、Zr固溶率は、実施例6で最も高く、実施例7が2番目に高かった。また、酸素貯蔵能も、実施例6で最も高く、実施例7が2番目に高かった。なお、実施例5~8では、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は125nm~130nmであり、ほぼ同じであった。
【0063】
比較例1では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、8.1質量%および0.0質量%である。すなわち、比較例1では、材料組成におけるCeOの含有率は実施例2,5~8と略同じであり、Zrは材料に含まれない。比較例1では、酸素貯蔵能は、0.0005と低かった。
【0064】
比較例2では、材料組成におけるCeOおよびZrOの含有率はそれぞれ、0.0質量%および0.0質量%である。すなわち、比較例2では、CeおよびZrは材料に含まれない。比較例2では、酸素貯蔵能は、0.0000であった。
【0065】
以上に説明したように、多孔質セラミックス構造体1は、主成分がコージェライトである多孔質の構造体本体(上記例では、ハニカム構造体10)と、当該構造体本体に固定されたCe-Zr含有粒子2と、を備える。Ce-Zr含有粒子2は、CeおよびZrを含む。Ce-Zr含有粒子2は、構造体本体の内部に位置する固定部21と、固定部21に連続するとともに構造体本体から突出する突出部22と、を備える。これにより、上述のように、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能を向上することができる。
【0066】
好ましくは、多孔質セラミックス構造体1では、Ce-Zr含有粒子2に触媒粒子(すなわち、触媒微粒子3)が担持されている。多孔質セラミックス構造体1では、上述のように、Ce-Zr含有粒子2により助触媒能が向上されているため、触媒微粒子3による触媒能を向上することができる。また、触媒能を向上するための上記コート処理等が不要となるため、当該コート処理に起因する圧力損失の増大を防止することができる。したがって、多孔質セラミックス構造体1における触媒の高活性化および圧力損失の低減を両立することができる。
【0067】
上述のように、多孔質セラミックス構造体1では、CeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で6.0質量%以上かつ20質量%以下であることが好ましい。これにより、実施例1~8に示すように、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能をさらに向上することができる。
【0068】
上述のように、多孔質セラミックス構造体1では、Ceの含有率は、CeO換算で5.0質量%以上かつ15質量%以下であることが好ましい。これにより、実施例1~8に示すように、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能をさらに向上することができる。
【0069】
上述のように、多孔質セラミックス構造体1では、Zrの含有率は、ZrO換算で1.0質量%以上かつ5.0質量%以下であることが好ましい。これにより、実施例1~8に示すように、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能をさらに向上することができる。
【0070】
上述のように、多孔質セラミックス構造体1では、Ceの少なくとも一部はCeOとして存在することが好ましい。これにより、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能を好適に発揮することができる。
【0071】
上述のように、多孔質セラミックス構造体1では、Zrの少なくとも一部はCeOに固溶していることが好ましい。これにより、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能を好適に発揮することができる。より好ましくは、Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合は、10%以上かつ20%以下である。これにより、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能を向上することができる。
【0072】
上述のように、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は、10nm以上かつ2μm以下であることが好ましい。Ce-Zr含有粒子2の平均粒径が10nm以上であることにより、Ce-Zr含有粒子2による触媒微粒子3の担持を好適に実現することができる。また、Ce-Zr含有粒子2の平均粒径が2μm以下であることにより、ハニカム構造体10から露出するCe-Zr含有粒子2の比表面積を増大させ、多孔質セラミックス構造体1の助触媒能を好適に向上することができる。
【0073】
上述の多孔質セラミックス構造体1では、様々な変更が可能である。
【0074】
例えば、Ce-Zr含有粒子2の形状は、粒状には限定されず、他の様々な形状(例えば、繊維状)であってもよい。また、Ce-Zr含有粒子2の固定部21は、必ずしもコージェライト結晶122の粒界に存在する必要はなく、突出部22も、必ずしも当該粒界から突出する必要はない。
【0075】
Ce-Zr含有粒子2の平均粒径は、10nm未満であってもよく、2μmよりも大きくてもよい。
【0076】
多孔質セラミックス構造体1では、CeおよびZrの合計含有率は、CeOおよびZrO換算で6.0質量%未満であってもよく、20質量%よりも大きくてもよい。また、Ceの含有率は、CeO換算で5.0質量%未満であってもよく、15質量%よりも大きくてもよい。Zrの含有率は、ZrO換算で1.0質量%未満であってもよく、5.0質量%よりも大きくてもよい。
【0077】
多孔質セラミックス構造体1では、Zrが固溶しているCeOにおいて、CeおよびZrの合計物質量に対するZrの物質量の割合は、10%未満であってもよく、20%よりも大きくてもよい。なお、Zrは必ずしもCeOに固溶している必要はない。また、Ceは、CeO以外の態様で存在していてもよい。
【0078】
多孔質セラミックス構造体1では、上述の構造体本体の形状は、ハニカム状には限定されず、ハニカム以外の様々な形状(例えば、略円筒状)であってもよい。
【0079】
多孔質セラミックス構造体1の製造方法は、上述のものには限定されず、様々に変更されてよい。
【0080】
多孔質セラミックス構造体1は、排ガス浄化用触媒担体以外の用途に利用されてもよい。
【0081】
上記実施の形態および各変形例における構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わされてよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明の多孔質セラミックス構造体は、自動車排ガス浄化用触媒担体等の触媒担体として利用可能である。
【符号の説明】
【0083】
1 多孔質セラミックス構造体
2 Ce-Zr含有粒子
3 触媒微粒子
10 ハニカム構造体
21 固定部
22 突出部
図1
図2
図3
図4