(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043012
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】放熱システム及びサーバシステム
(51)【国際特許分類】
H01L 23/473 20060101AFI20220308BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220308BHJP
F28B 1/02 20060101ALI20220308BHJP
F28F 9/26 20060101ALI20220308BHJP
G06F 1/20 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 P
F28B1/02
F28F9/26
G06F1/20 A
G06F1/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021143707
(22)【出願日】2021-09-03
(31)【優先権主張番号】202010914496.9
(32)【優先日】2020-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521390154
【氏名又は名称】ベイジン ツセン ジートゥー テクノロジー カンパニー, リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】マ ジフア
(72)【発明者】
【氏名】ハオ ジャンアン
【テーマコード(参考)】
3L065
5E322
5F136
【Fターム(参考)】
3L065FA19
5E322AA01
5E322AA05
5E322AA10
5E322BB03
5E322DA01
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5E322FA01
5E322FA04
5F136BC01
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5F136CB13
5F136CB21
5F136FA03
5F136FA53
5F136GA04
(57)【要約】
【課題】放熱システム及びサーバシステムの提供。
【解決手段】本発明は、サーバの放熱性能が悪く、冷媒が漏洩し、ひいては、発熱コンポーネントに接触するという課題を解決するための、放熱システム及びサーバシステムを開示した。放熱システムはケース内の発熱要素を放熱させるために使用される。放熱システムは、ケースの内部に配置される水冷式放熱要素と、ケースの内部に配置される第1パイプラインセットと、ケースの外部に配置される水冷デバイスと、を備える。水冷式放熱要素が発熱要素に連結される。第1パイプラインセットが第1端と第2端とを有する。第1端が水冷式放熱要素に溶接される。水冷デバイスが第2端に接続される。水冷デバイスの冷媒が第1パイプラインセット及び水冷式放熱要素を通して流れ、発熱要素を放熱させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケース内の少なくとも1つの発熱要素を放熱させるための放熱システムであって、
前記ケースの内部に配置され、前記少なくとも1つの発熱要素に連結される少なくとも1つの水冷式放熱要素と、
第1パイプラインセットであって、前記第1パイプラインセットは、前記ケースの内部に配置され、第1端及び第2端を有し、前記第1端は、前記少なくとも1つの水冷式放熱要素に溶接される、第1パイプラインセットと、
前記ケースの外部に配置され、前記第2端に接続された水冷デバイスであって、前記水冷デバイスの冷媒が前記第1パイプラインセット及び前記少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流れ、前記少なくとも1つの発熱要素を放熱させる、水冷デバイスと、を備える、放熱システム。
【請求項2】
前記ケースが筐体を備え、前記第2端が前記筐体の開口を通して前記水冷デバイスに接続される、請求項1に記載の放熱システム。
【請求項3】
前記少なくとも1つの水冷式放熱要素は、前記少なくとも1つの発熱要素を放熱させるように、前記少なくとも1つの発熱要素に接触するように配置される、請求項1又は2に記載の放熱システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの発熱要素が複数の発熱要素を備え、前記少なくとも1つの水冷式放熱要素が複数の水冷式放熱要素を備え、前記複数の発熱要素のそれぞれは、前記複数の水冷式放熱要素のうちの少なくとも1つに対応する、請求項1~3の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項5】
前記第1パイプラインセットが複数の第1パイプラインを備え、前記複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、溶接により前記複数の第1パイプラインのうちの少なくとも1つに接続され、前記冷媒が前記複数の第1パイプライン及び前記複数の水冷式放熱要素を通して流れて、前記複数の発熱要素を放熱させる、請求項4に記載の放熱システム。
【請求項6】
前記少なくとも1つの水冷式放熱要素が溶接により前記第1パイプラインセットに接続され、前記冷媒が前記第1パイプラインセット及び前記少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流れて、前記少なくとも1つの発熱要素を放熱させ、前記第1パイプラインセット及び溶接によりそれに接続される前記少なくとも1つの水冷式放熱要素は、前記ケースにおいて前記冷媒の密閉された流通経路を提供する、請求項1~5の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項7】
前記水冷デバイスは、
前記冷媒を格納するための水タンクと、
前記水タンクに取り付けられ、前記冷媒を加圧するための水ポンプと、
前記水タンクと前記第1パイプラインセットの前記第2端との間に接続される第2パイプラインセットと、を備え、前記水ポンプにより加圧された前記冷媒が前記第2パイプラインセットと前記第1パイプラインセットをその順で通って前記少なくとも1つの水冷式放熱要素の中に流され、前記少なくとも1つの水冷式放熱要素からの前記冷媒が前記第1パイプラインセットと前記第2パイプラインセットをその順で通って前記水タンクの中に流される、請求項1~6の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項8】
前記水冷デバイスは、前記冷媒を冷却するための水冷式ラジエーターを更に備え、前記水冷式ラジエーターが前記第2パイプラインセットを通して前記第1パイプラインセットの前記第2端と前記水タンクとの間に接続される、請求項7に記載の放熱システム。
【請求項9】
水分配器を更に備え、前記第2パイプラインセットが前記水分配器を通して前記第1パイプラインセットの前記第2端に接続され、前記水分配器は、前記第2パイプラインセットからの前記冷媒を前記第1パイプラインセットに分配する、請求項7又は8に記載の放熱システム。
【請求項10】
前記第1パイプラインセット及び前記第2パイプラインセットは、異なる材料から成る、請求項7~9の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項11】
前記第2パイプラインセットが複数のホースを備える、請求項7~10の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項12】
前記少なくとも1つの水冷式放熱要素のそれぞれは、
上部カバーであって、前記上部カバーは、吸込口及び吹出口を備え、前記吸込口及び前記吹出口のそれぞれは、前記第1端において前記第1パイプラインセットの第1パイプラインに接続される、上部カバーと、
水冷放熱層であって、前記水冷放熱層は、内蔵スペースを備え、前記吸込口及び前記吹出口が前記内蔵スペースに接続され、前記冷媒が吸込口を通して前記内蔵スペースの中に流され、前記吹出口を通して前記内蔵スペースから外に流される、水冷放熱層と、
底部プレート開口を含む底部プレートであって、前記上部カバーと前記底部プレートとの間に前記水冷放熱層が配置されており、前記底部プレート開口に露出されることで、前記少なくとも1つの発熱要素に接触される底部プレートと、備える、請求項1~11の何れか1項に記載の放熱システム。
【請求項13】
前記内蔵スペースが複数の放熱構造を備えるヒートシンクを備え、前記複数の放熱構造は、前記冷媒を誘導するための複数の水冷流路を形成する、請求項12に記載の放熱システム。
【請求項14】
ケース内の複数の発熱要素を放熱させるための放熱システムであって、前記複数の発熱要素が中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)又は画像処理装置(Graphics Processing Unit,GPU)を含み、前記放熱システムは、
前記ケースの内部に配置され、前記複数の発熱要素に接触している複数の水冷式放熱要素であって、前記複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、水冷流路を備える、複数の水冷式放熱要素と、
複数の金属導管であって、前記複数の金属導管は、前記ケースの内部に配置され、第1端及び第2端を有し、前記第1端は、前記複数の水冷式放熱要素に溶接される、複数の金属導管と、
前記ケースの外部に配置される水冷デバイスと、を備え、前記水冷デバイスは、
冷媒を格納するための水タンクと、
前記水タンクに取り付けられ、前記冷媒を加圧するための水ポンプと、
前記水タンクと前記複数の金属導管の前記第2端との間に接続されるホースセットと、を備え、前記水ポンプにより加圧された前記冷媒が前記複数の金属導管と前記複数の水冷式放熱要素のそれぞれの前記水冷流路を通して流れて、前記複数の発熱要素を放熱させる、放熱システム。
【請求項15】
少なくとも1つの発熱要素を備えるケースと、
前記ケース内の前記少なくとも1つの発熱要素を放熱させるための請求項1~13の何れか1項に記載の放熱システムと、を備える、サーバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自律運転分野に関し、特に放熱システム及びサーバシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、車両自律運転を実現するために、一般的に自律車両において決定・制御するための1台又は複数台の車載サーバを設ける。自律運転に関連する技術が複雑であり、高度な車載サーバ機能が必要とされ、強い計算能力、高い処理効率だけでなく、長期的な安定運転(例えば、強い耐震能力、良好な放熱性能など)が求められる。したがって、一般的なサーバより車載サーバに取り付けられるデバイスの数がより多い。
【0003】
車両スペースが狭いため、一般的にこれらのコア要素は、限られたスペースを有するケースにぎっしりとコンパクトに配置される。しかしながら、運転中に熱を発する要素(以下、発熱要素という)があり、温度が上昇するにつれて、当該発熱要素に異常が発生する。したがって、コア要素が正常運転できるように発熱要素をタイムリーに放熱させる必要がある。サーバ室におけるサーバに採用される既存の水冷放熱システムの内部接続は、走行車両において動作する場合、緩み、ひいては、冷媒が漏洩するリスクがある。発熱要素は、漏洩した冷媒にさらされると、短絡されるか又は異常運転が発生され、自動運転にとってリスクがある。従って、サーバに設けられる既存の水冷式ラジエーターの構造は車載用として適していない。
【0004】
車載サーバをタイムリーかつ早急に放熱させ、放熱システムが走行車両において動作する場合に冷媒が漏洩し、ひいては、発熱要素に接触するリスクを回避することをいかにして行うかは、当業者にとって至急解決すべき技術課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、サーバの発熱要素を安定運転できるように水冷で発熱要素を早急に放熱させ、走行車両において動作する場合に冷媒が漏洩し、ひいては、発熱要素に接触するリスクを回避することが可能な放熱システムを提供する。
【0006】
本発明は、サーバシステムであって、サーバシステムの放熱システムが、サーバの発熱要素を安定運転できるように水冷で発熱要素を早急に放熱させ、走行車両において動作する場合に冷媒が漏洩し、ひいては、発熱要素に接触するリスクを回避することが可能である、サーバシステムを提供する。
【0007】
本発明のその他の目的及び利点は本発明に掲載される技術特徴により詳しく知ることができる。
【0008】
上記の1つ、一部又は全部の目的又はその他の目的を達成するために、本発明の実施例は、ケース内の少なくとも1つの発熱要素を放熱させるための放熱システムを提供する。放熱システムは、少なくとも1つの水冷式放熱要素と、第1パイプラインセットと、水冷デバイスと、を備える。少なくとも1つの水冷式放熱要素がケースの内部に配置され、少なくとも1つの発熱要素に連結される。第1パイプラインセットがケースの内部に配置され、第1端と第2端とを有する。第1端が少なくとも1つの水冷式放熱要素に溶接される。水冷デバイスがケースの外部に配置され、第2端と接続される。水冷デバイスの冷媒が第1パイプラインセット及び少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流され、少なくとも1つの発熱要素を放熱させる。
【0009】
本発明の一実施例において、上記ケースが筐体を備える。第2端が筐体の開口を通して水冷デバイスに接続される。
【0010】
本発明の一実施例において、上記少なくとも1つの水冷式放熱要素は、少なくとも1つの発熱要素を放熱させるように、少なくとも1つの発熱要素に接触するように配置される。
【0011】
本発明の一実施例において、上記少なくとも1つの発熱要素が複数の発熱要素を備え、少なくとも1つの水冷式放熱要素が複数の水冷式放熱要素を備える。複数の発熱要素のそれぞれは、複数の水冷式放熱要素のうちの少なくとも1つに対応する。
【0012】
本発明の一実施例において、上記第1パイプラインセットが複数の第1パイプラインを備える。複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、溶接により複数の第1パイプラインのうちの少なくとも1つに接続される。冷媒が複数の第1パイプライン及び複数の水冷式放熱要素を通して流れて、複数の発熱要素を放熱させる。
【0013】
本発明の一実施例において、上記少なくとも1つの水冷式放熱要素が溶接により第1パイプラインセットに接続される。冷媒が第1パイプラインセット及び少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流れて、少なくとも1つの発熱要素を放熱させる。第1パイプラインセット及び溶接によりそれに接続される少なくとも1つの水冷式放熱要素は、ケースにおいて冷媒の密閉された流通経路を提供する。
【0014】
本発明の一実施例において、上記第1パイプラインセットが複数の第1パイプラインを備える。複数の第1パイプラインは、銅を含む材料から成る。
【0015】
本発明の一実施例において、上記水冷デバイスは、水タンクと、水ポンプと、第2パイプラインセットと、を備える。水タンクが冷媒を格納するために使用される。水ポンプが水タンクに取り付けられ、冷媒を加圧するために使用される。第2パイプラインセットが水タンクと第1パイプラインセットの第2端との間に接続される。水ポンプにより加圧された冷媒が第2パイプラインセットと第1パイプラインセットをその順で通って少なくとも1つの水冷式放熱要素の中に流される。少なくとも1つの水冷式放熱要素からの冷媒が第1パイプラインセットと第2パイプラインセットをその順で通って水タンクの中に流される。
【0016】
本発明の一実施例において、上記水冷デバイスは、冷媒を冷却するための水冷式ラジエーターを更に備える。水冷式ラジエーターが第2パイプラインセットを通して第1パイプラインセットの第2端と水タンクとの間に接続される。
【0017】
本発明の一実施例において、上記水冷デバイスは、水冷式ラジエーターに配置されるファンセットを更に備える。
【0018】
本発明の一実施例において、上記放熱システムは、水分配器を更に備える。第2パイプラインセットが水分配器を通して第1パイプラインセットの第2端に接続される。水分配器は、第2パイプラインセットからの冷媒を第1パイプラインセットに分配する。
【0019】
本発明の一実施例において、上記放熱システムは、少なくとも1つのクイックコネクタを更に備える。第2パイプラインセットが少なくとも1つのクイックコネクタを通して水分配器に接続される。
【0020】
本発明の一実施例において、上記第1パイプラインセット及び第2パイプラインセットは、異なる材料から成る。
【0021】
本発明の一実施例において、上記第1パイプラインセット及び第2パイプラインセットは、異なる硬度を有する。
【0022】
本発明の一実施例において、上記第2パイプラインセットが複数のホースを備える。
【0023】
本発明の一実施例において、上記第1パイプラインセットが複数の第1パイプラインを備える。少なくとも1つの水冷式放熱要素のそれぞれは、上部カバーと、水冷放熱層と、底部プレートと、を備える。上部カバーが吸込口及び吹出口を有し、当該吸込口及び当該吹出口のそれぞれは、第1端において複数の第1パイプラインのうちの1つに接続される。水冷放熱層が内蔵スペースを有する。吸込口及び吹出口が内蔵スペースに接続される。冷媒が吸込口を通って内蔵スペースの中に流され、吹出口を通って内蔵スペースから外に流される。底部プレートが底部プレート開口を有する。水冷放熱層が上部カバーと底部プレートとの間に配置される。水冷放熱層が底部プレート開口に露出されることで、少なくとも1つの発熱要素に接触される。
【0024】
本発明の一実施例において、上記内蔵スペースがヒートシンクを備える。ヒートシンクが複数の放熱構造を備える。放熱構造は、冷媒を誘導するための複数の水冷流路を形成する。
【0025】
本発明の一実施例において、上記少なくとも1つの発熱要素が中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)又は画像処理装置(Graphics Processing Unit,GPU)を含む。
【0026】
本発明の一実施例において、上記少なくとも1つの発熱要素は、熱伝導シリコーングリースの層が塗布されている。
【0027】
上記の1つ、一部又は全部の目的又はその他の目的を達成するために、本発明の実施例は、ケース内の複数の発熱要素を放熱させるための放熱システムを提供する。複数の発熱要素が中央処理装置又は画像処理装置を含み、放熱システムが複数の水冷式放熱要素と、複数の金属導管と、水冷デバイスと、を備える。複数の水冷式放熱要素がケースの内部に配置され、複数の発熱要素に接触される。複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、水冷流路を備える。複数の金属導管がケースの内部に配置され、第1端と第2端とを有する。第1端が複数の水冷式放熱要素に溶接される。水冷デバイスがケースの外部に配置される。水冷デバイスは、水タンクと、水ポンプと、ホースセットと、を備える。水タンクが冷媒を格納するために使用される。水ポンプが水タンクに取り付けられ、冷媒を加圧するために使用される。ホースセットが水タンクと複数の金属導管の第2端との間に接続される。水ポンプにより加圧された冷媒が複数の金属導管と複数の水冷式放熱要素のそれぞれの水冷流路を通して流れて、複数の発熱要素を放熱させる。
【0028】
上記の1つ、一部又は全部の目的又はその他の目的を達成するために、本発明の実施例は、ケースと上記放熱システムとを備えるサーバシステムを提供する。ケースが少なくとも1つの発熱要素を備える。放熱システムがケース内の少なくとも1つの発熱要素を放熱させるために使用される。
【0029】
上記の1つ、一部又は全部の目的又はその他の目的を達成するために、本発明の実施例は、ケースと上記放熱システムとを備えるサーバシステムを提供する。ケースが複数の発熱要素を備える。放熱システムがケース内の複数の発熱要素を放熱させるために使用される。
【0030】
上記により、本発明の実施例は、下記利点又は効果の少なくとも1つを有する。本発明の実施例により提供されるサーバシステムは放熱システムを備える。放熱システムの発熱要素、水冷式放熱要素及び第1パイプラインセットがケースの内部に配置され、水冷デバイスがケースの外部に配置される。第1パイプラインセットの第1端が水冷式放熱要素に溶接され、第1パイプラインセットの第2端が水冷デバイスに接続される。水冷デバイスの冷媒が第1パイプラインセット及び水冷式放熱要素を通して流され、発熱要素を放熱させる。したがって、放熱システムは、サーバの発熱要素を安定運転できるように水冷で発熱要素を早急に放熱させることができる。また、水冷デバイスがケースの外部に配置され、第1パイプラインセットが溶接により水冷式放熱要素に接続される。したがって、放熱システムは、走行車両において動作する場合に冷媒が漏洩し、ひいては、発熱要素に接触するリスクを回避することができる。
例えば、本願は以下の項目を提供する。
(項目1)
ケース内の少なくとも1つの発熱要素を放熱させるための放熱システムであって、
上記ケースの内部に配置され、上記少なくとも1つの発熱要素に連結される少なくとも1つの水冷式放熱要素と、
第1パイプラインセットであって、上記第1パイプラインセットは、上記ケースの内部に配置され、第1端及び第2端を有し、上記第1端は、上記少なくとも1つの水冷式放熱要素に溶接される、第1パイプラインセットと、
上記ケースの外部に配置され、上記第2端に接続された水冷デバイスであって、上記水冷デバイスの冷媒が上記第1パイプラインセット及び上記少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流れ、上記少なくとも1つの発熱要素を放熱させる、水冷デバイスと、を備える、放熱システム。
(項目2)
上記ケースが筐体を備え、上記第2端が上記筐体の開口を通して上記水冷デバイスに接続される、上記項目に記載の放熱システム。
(項目3)
上記少なくとも1つの水冷式放熱要素は、上記少なくとも1つの発熱要素を放熱させるように、上記少なくとも1つの発熱要素に接触するように配置される、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目4)
上記少なくとも1つの発熱要素が複数の発熱要素を備え、上記少なくとも1つの水冷式放熱要素が複数の水冷式放熱要素を備え、上記複数の発熱要素のそれぞれは、上記複数の水冷式放熱要素のうちの少なくとも1つに対応する、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目5)
上記第1パイプラインセットが複数の第1パイプラインを備え、上記複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、溶接により上記複数の第1パイプラインのうちの少なくとも1つに接続され、上記冷媒が上記複数の第1パイプライン及び上記複数の水冷式放熱要素を通して流れて、上記複数の発熱要素を放熱させる、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目6)
上記少なくとも1つの水冷式放熱要素が溶接により上記第1パイプラインセットに接続され、上記冷媒が上記第1パイプラインセット及び上記少なくとも1つの水冷式放熱要素を通して流れて、上記少なくとも1つの発熱要素を放熱させ、上記第1パイプラインセット及び溶接によりそれに接続される上記少なくとも1つの水冷式放熱要素は、上記ケースにおいて上記冷媒の密閉された流通経路を提供する、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目7)
上記水冷デバイスは、
上記冷媒を格納するための水タンクと、
上記水タンクに取り付けられ、上記冷媒を加圧するための水ポンプと、
上記水タンクと上記第1パイプラインセットの上記第2端との間に接続される第2パイプラインセットと、を備え、上記水ポンプにより加圧された上記冷媒が上記第2パイプラインセットと上記第1パイプラインセットをその順で通って上記少なくとも1つの水冷式放熱要素の中に流され、上記少なくとも1つの水冷式放熱要素からの上記冷媒が上記第1パイプラインセットと上記第2パイプラインセットをその順で通って上記水タンクの中に流される、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目8)
上記水冷デバイスは、上記冷媒を冷却するための水冷式ラジエーターを更に備え、上記水冷式ラジエーターが上記第2パイプラインセットを通して上記第1パイプラインセットの上記第2端と上記水タンクとの間に接続される、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目9)
水分配器を更に備え、上記第2パイプラインセットが上記水分配器を通して上記第1パイプラインセットの上記第2端に接続され、上記水分配器は、上記第2パイプラインセットからの上記冷媒を上記第1パイプラインセットに分配する、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目10)
上記第1パイプラインセット及び上記第2パイプラインセットは、異なる材料から成る、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目11)
上記第2パイプラインセットが複数のホースを備える、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目12)
上記少なくとも1つの水冷式放熱要素のそれぞれは、
上部カバーであって、上記上部カバーは、吸込口及び吹出口を備え、上記吸込口及び上記吹出口のそれぞれは、上記第1端において上記第1パイプラインセットの第1パイプラインに接続される、上部カバーと、
水冷放熱層であって、上記水冷放熱層は、内蔵スペースを備え、上記吸込口及び上記吹出口が上記内蔵スペースに接続され、上記冷媒が吸込口を通して上記内蔵スペースの中に流され、上記吹出口を通して上記内蔵スペースから外に流される、水冷放熱層と、
底部プレート開口を含む底部プレートであって、上記上部カバーと上記底部プレートとの間に上記水冷放熱層が配置されており、上記底部プレート開口に露出されることで、上記少なくとも1つの発熱要素に接触される底部プレートと、備える、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目13)
上記内蔵スペースが複数の放熱構造を備えるヒートシンクを備え、上記複数の放熱構造は、上記冷媒を誘導するための複数の水冷流路を形成する、上記項目のいずれか一項に記載の放熱システム。
(項目14)
ケース内の複数の発熱要素を放熱させるための放熱システムであって、上記複数の発熱要素が中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)又は画像処理装置(Graphics Processing Unit,GPU)を含み、上記放熱システムは、
上記ケースの内部に配置され、上記複数の発熱要素に接触している複数の水冷式放熱要素であって、上記複数の水冷式放熱要素のそれぞれは、水冷流路を備える、複数の水冷式放熱要素と、
複数の金属導管であって、上記複数の金属導管は、上記ケースの内部に配置され、第1端及び第2端を有し、上記第1端は、上記複数の水冷式放熱要素に溶接される、複数の金属導管と、
上記ケースの外部に配置される水冷デバイスと、を備え、上記水冷デバイスは、
冷媒を格納するための水タンクと、
上記水タンクに取り付けられ、上記冷媒を加圧するための水ポンプと、
上記水タンクと上記複数の金属導管の上記第2端との間に接続されるホースセットと、を備え、上記水ポンプにより加圧された上記冷媒が上記複数の金属導管と上記複数の水冷式放熱要素のそれぞれの上記水冷流路を通して流れて、上記複数の発熱要素を放熱させる、放熱システム。
(項目15)
少なくとも1つの発熱要素を備えるケースと、
上記ケース内の上記少なくとも1つの発熱要素を放熱させるための上記項目のいずれか一項に記載の放熱システムと、を備える、サーバシステム。
(摘要)
本発明は、サーバの放熱性能が悪く、冷媒が漏洩し、ひいては、発熱コンポーネントに接触するという課題を解決するための、放熱システム及びサーバシステムを開示した。放熱システムはケース内の発熱要素を放熱させるために使用される。放熱システムは、ケースの内部に配置される水冷式放熱要素と、ケースの内部に配置される第1パイプラインセットと、ケースの外部に配置される水冷デバイスと、を備える。水冷式放熱要素が発熱要素に連結される。第1パイプラインセットが第1端と第2端とを有する。第1端が水冷式放熱要素に溶接される。水冷デバイスが第2端に接続される。水冷デバイスの冷媒が第1パイプラインセット及び水冷式放熱要素を通して流れ、発熱要素を放熱させる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図面は、本発明のより深い理解を促すために提供され、明細書の一部を形成し、本発明の実施例と合わせて本発明を例示するために提供され、本発明を限定するためのものではない。
【0032】
【
図1】本発明の実施例に係るサーバシステムの構造の模式図(ケースの筐体を含む)である。
【0033】
【
図2】本発明の
図1の実施例に係るサーバシステムの構造の模式図(ケースの筐体を省略する)である。
【0034】
【
図3】本発明の
図1の実施例に係るサーバシステムの平面図(ケースの筐体を含む)である。
【0035】
【
図4】本発明の
図1の実施例に係るサーバシステムの平面図(ケースの筐体を省略する)である。
【0036】
【
図5】本発明の
図1の実施例に係る1つの水冷式放熱要素及びその対応する第1パイプラインセットの構造の模式図である。
【0037】
【
図6】本発明の
図1の実施例に係る2つの水冷式放熱要素及びその対応する第1パイプラインセットの構造の模式図である。
【0038】
【
図7】本発明の
図1の実施例に係る1つの水冷式放熱要素及びその対応する発熱要素の分解図である。
【0039】
【
図8】本発明の
図7の実施例に係る水冷放熱層の構造の模式図である。
【0040】
【
図9】本発明の
図7の実施例に係る上部カバーの構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
当業者が本発明の技術的解決手段を詳しく理解できるように、次に、本発明の実施例の図面を参照して、本発明の実施例の技術的解決手段を詳しく説明する。説明する実施例は、本発明の一実施例であり、全部の実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な工夫せずに得られたその他の全ての実施例は、本発明により保護される範囲に属される。
【0042】
本発明の実施例により提供される放熱システムは、自律車両の車載サーバに適用されてもよく、ドローンのサーバ、自律船のサーバ、ロボット、その他の放熱が必要とされる全てのサーバにも適用されてもよく、本願では適用場面は詳しく限定されない。
【0043】
図1、
図2、
図3及び
図4を参照する。
図2及び
図4では、ケース200内部の要素を詳しく示すために、ケース200の筐体220を省略する。本実施例において、サーバシステム100が、例えば、お互いに直交する第1軸X、第2軸Y及び第3軸Zによって定義されるスペースにある。これにより、本実施例において、サーバシステム100にある要素間の相対位置を詳しく理解することができる。ところが、サーバシステム100にある要素の対応する配置は、本発明の一実施例であり、限定されるものではない。
【0044】
本実施例において、サーバシステム100は、ケース200及び放熱システム300を備える。ケース200が少なくとも1つの発熱要素210を備え、例えば、複数の発熱要素210を備える(
図2及び
図4を参照)。これらの発熱要素210は、中央処理装置(Central Processing Unit,CPU)、画像処理装置(Graphics Processing Unit,GPU)、複数の拡張カード、電源又はその他のタイプの発熱要素を含んでもよい。ケース200が筐体220を備えてもよく、これらの発熱要素210が、例えば、ケース200の筐体220の内部に配置される。
【0045】
放熱システム300は、少なくとも1つの水冷式放熱要素400と、第1パイプラインセット320と、水冷デバイス330と、を備える。本実施例において、放熱システム300は、例えば、複数の水冷式放熱要素400を備える。これらの水冷式放熱要素400及び第1パイプラインセット320がケース200の内部に配置される。これらの発熱要素210がそれぞれこれらの水冷式放熱要素400の少なくとも1つに対応して配置されてもよい。幾つかの実施例において、これらの発熱要素210及びこれらの水冷式放熱要素400の数及び種類は、実際の必要に応じて提供されてもよい。これらの水冷式放熱要素400が、例えば、これらの発熱要素210に一対一で対応して配置されてもよく、実際の必要に応じて、1つの発熱要素210に対応して複数の水冷式放熱要素400が配置されてもよいが、本発明はこれらに限定されない。1つの水冷式放熱要素400は、例えば、一辺の長さが50センチである矩形又は正方形であってもよく、或いは、発熱要素210の寸法及びその他の必要に応じて、1つの水冷式放熱要素400は、異なる寸法及び形で提供されてもよい。
【0046】
本実施例において、これらの水冷式放熱要素400が少なくとも1つの発熱要素210に連結され、例えば、これらの発熱要素210に連結される。良好な放熱効果を果たすために、これらの水冷式放熱要素400が、例えば、これらの発熱要素210を放熱させるように、これらの発熱要素210に直接接触するように配置されてもよい。ところが、幾つかの実施例において、これらの水冷式放熱要素400がこれらの発熱要素210に間接的に接触されてもよく、例えば、1つ又は複数のその他のデバイス又はコーティングを通して、これらの発熱要素210に間接的に接触されるが、本発明はこれらに限定されない。具体的に、これらの発熱要素210の熱がこれらの水冷式放熱要素400に均一的に伝導されるように、これらの発熱要素210は、例えば、熱伝導シリコーングリースの層が塗布されている。これらの発熱要素210は、実際の必要に応じて、その他のタイプの放熱材料を提供されてもよい。また、これらの発熱要素210の上に、放熱フィン又はその他の放熱デバイスが提供されてもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0047】
本実施例において、第1パイプラインセット320が第1端と第2端とを有する。第1端は、例えば、
図2において第2軸Yの矢印方向に向く第1パイプラインセット320の一端であり、第2端は、例えば、
図2において第2軸Yの矢印反対方向に向く第1パイプラインセット320の一端である。第1パイプラインセット320の第1端が少なくとも1つの水冷式放熱要素に溶接され、例えば、これらの水冷式放熱要素400に溶接される。第1パイプラインセット320の第2端が水冷デバイス330に接続される。筐体220が開口を有してもよいが、第1パイプラインセット320の第2端が筐体220の開口を通して水冷デバイス330に接続される。
【0048】
本実施例において、放熱システム300がケース200内の少なくとも1つの発熱要素を放熱させ、例えば、これらの発熱要素210を放熱させるために使用される。具体的に、水冷デバイス330の冷媒が第1パイプラインセット320及びこれらの水冷式放熱要素400を通して流れ、これらの発熱要素210を放熱させる。
【0049】
図2、
図5及び
図6を同時に参照する。
図5では、水冷式放熱要素400に対応する発熱要素210は、例えば、画像処理装置であり、
図6では、これらの水冷式放熱要素400に対応するこれらの発熱要素210は、例えば、中央処理装置である。具体的に、幾つかの実施例において、サーバシステム100は、実際の必要に応じて異なる数の中央処理装置、画像処理装置又はその他のタイプのデバイスが提供され、それに合わせて水冷式放熱要素400の数及び配置関係、並びに第1パイプラインセット320の配置を調整してもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0050】
本実施例において、第1パイプラインセット320が複数の第1パイプライン322を備える。これらの水冷式放熱要素400のそれぞれは、溶接によりこれらの第1パイプライン322の少なくとも1つに接続される。水冷デバイス330からの冷媒がこれらの第1パイプライン322及びこれらの水冷式放熱要素400を通して流れてこれらの発熱要素210を放熱させる。例として、
図5では、1つの水冷式放熱要素400及び溶接によりこの水冷式放熱要素400に接続される2つの第1パイプライン322が示されている。ところが、その他の実施例において、実際の必要に応じて適切な数の第1パイプライン322が1つの水冷式放熱要素400に接続されるように提供されてもよい。幾つかの実施例において、第1パイプライン322が固定金物により水冷式放熱要素400に固定され、水冷式放熱要素400に接続されてもよい。また、例として、
図6では、2つの水冷式放熱要素400及び溶接によりこれらの水冷式放熱要素400に接続される4つの第1パイプライン322が示されている。また、これらの水冷式放熱要素400に対応するこれらの発熱要素は、例えば、中央処理装置であり、メインボード450に配置されている。
【0051】
図2及び
図4を参照する。本実施例において、水冷デバイス330は、水タンク332と、水ポンプ334と、第2パイプラインセット335と、水冷式ラジエーター336と、ファンセット337と、を備える。水タンク332が冷媒を格納するために使用され、水ポンプ334が水タンク332に取り付けられ、冷媒を加圧する。第2パイプラインセット335が水タンク332と第1パイプラインセット320の第2端との間に接続される。具体的に、水ポンプ334により加圧された冷媒が第2パイプラインセット335と第1パイプラインセット320をその順で通ってこれらの水冷式放熱要素400の中に流れる。これらの水冷式放熱要素400からの冷媒が第1パイプラインセット320と第2パイプラインセット335をその順で通って水タンク332の中に流れる。本実施例において、水冷式ラジエーター336が冷媒を冷却するために、第2パイプラインセット335を通して第1パイプラインセット320の第2端と水タンク332との間に接続される。ファンセット337が、例えば、より良好な冷却効果を果たすために、水冷式ラジエーター336に配置される。具体的に、本実施例において、ファンセット337が、例えば、
図1~
図4に示されるように、二層ファンウォールであり、水冷式ラジエーター336が二層ファンウォールの間に配置される。ファンセット337及び水冷式ラジエーター336の配置は高出力の放熱要求、例えば、1400ワット(W)の放熱要求に対応することができ、冷媒を放熱させるように十分な風速及び風量を提供する。ところが、幾つかの実施例において、ファンセット337が単層又は多層のファンウォールであってもよい。ファンセット337のファン数及び配列は実際の放熱要求に応じて調整してもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0052】
本実施例において、放熱システム300は、水分配器340と、少なくとも1つのクイックコネクタ350を更に備え、例えば、複数のクイックコネクタ350を備える。第2パイプラインセット335がこれらのクイックコネクタ350を通して水分配器340に接続され、水分配器340を通して第1パイプラインセット320の第2端に接続される。具体的に、水分配器340は、第2パイプラインセット335からの冷媒を第1パイプラインセット320に分配する。ケース200の外部にあるパイプライン数を削減するように、水分配器340の配置により、第2パイプラインセット335のパイプライン数は、例えば、第1パイプラインセット320のパイプライン数以下であってもよい。また、これらのクイックコネクタ350の配置により、第1パイプラインセット320と第2パイプラインセット335との間の接続部は、少なくとも異なるサーバーモジュールの構造及び放熱要求に応じて、早急に確立及び調整を行うことができる。
【0053】
図2及び
図4を引続き参照する。本実施例において、第2パイプラインセット335は、第2パイプライン335Aと、第2パイプライン335Bと、第2パイプライン335Cと、第2パイプライン335Dと、を備える。第2パイプライン335Aが水ポンプ334と第1パイプラインセット320との間に接続され、第2パイプライン335Bが第1パイプラインセット320と水冷式ラジエーター336との間に接続され、第2パイプライン335Cが水冷式ラジエーター336と水タンク332との間に接続され、第2パイプライン335Dが水タンク332と水ポンプ334との間に接続される。具体的に、水タンク332からの冷媒が水ポンプ334により加圧され、第2パイプライン335Aを通して流れて第1パイプラインセット320のこれらの第1パイプライン322の中に流れる。続いて、冷媒がこれらの第1パイプライン322及びこれらの水冷式放熱要素400を通して流れ、これらの発熱要素210を放熱させ、これらの第1パイプライン322を流れて第2パイプライン335Bに入る。冷媒が続いて第2パイプライン335B及び水冷式ラジエーター336を通して第2パイプライン335Cの中に流れ、水冷式ラジエーター336及びファンセット337が冷媒を更に放熱させる。第2パイプライン335Cに入った冷媒が続いて水タンク332に戻って循環する。
【0054】
本実施例において、第1パイプラインセット320(第1パイプライン322)及び第2パイプラインセット335は、異なる材料から成り、異なる硬度を有する。これらの第1パイプライン322は、例えば、複数の金属導管であり、これは、例えば、銅を含む材料から成り、又は、例えば、熱伝導及び溶接を促す金属又は非金属材料から成る。本実施例において、第2パイプライン335A、第2パイプライン335B、第2パイプライン335C及び第2パイプライン335Dは、水タンク332、水ポンプ334、水冷式ラジエーター336及びファンセット337が実際の必要に応じてケース200に対する適切な位置に配置できるように、例えば、曲げることが可能なホースであり、ホースセットが形成される。
【0055】
図7、
図8及び
図9を参照する。本実施例において、これらの水冷式放熱要素400のそれぞれは、上部カバー420と、水冷放熱層430と、底部プレート440と、を備える。水冷放熱層430が上部カバー420と底部プレート440との間に配置される。底部プレート440が底部プレート開口442を備える。例えば、発熱要素210を放熱させるように、水冷放熱層430が底部プレート開口442により露出されることで、少なくとも1つの発熱要素210に接触される。具体的に、上部カバー420が吸込口422及び吹出口424(
図7及び
図9)を備え、当該吸込口422及び当該吹出口424のそれぞれが第1パイプラインセット320の第1端においてこれらの第1パイプライン322の1つに接続される。水冷放熱層430が内蔵スペース432を備え、吸込口422及び吹出口424が内蔵スペース432に接続される。冷媒が吸込口422を通して内蔵スペース432の中に流れ、吹出口424を通して内蔵スペース432から外に流れる。また、内蔵スペース432がヒートシンク434を備え、ヒートシンク434が複数の放熱構造436を備える。これらの放熱構造436は、冷媒を誘導するための複数の水冷流路438を形成する(
図9)。本実施例において、発熱要素210の熱がヒートシンク434に伝導され、放熱構造436を通して放熱される。これらの第1パイプライン322からの冷媒が吸込口422を通して内蔵スペース432の中に流れ、ヒートシンク434の熱を吸収する。続いて、冷媒が吹出口424を通して内蔵スペース432から外に流れ、これらの第1パイプライン322を通してケース200から外に流れる(例えば、第2パイプラインセット335に流れる)。具体的に、これらの放熱構造436が、放熱の表面積を増加させるように、例えば、銅スリット構造であってもよく、又はその他の放熱構造であってもよいが、本発明はこれらに限定されない。
【0056】
図5~
図9を参照する。本実施例において、第1パイプラインセット320及び溶接によりそれに接続される1つの水冷式放熱要素400又は複数の水冷式放熱要素400は、ケース200において冷媒の密閉された流通経路を提供する。具体的に、
図5に示されるように、少なくとも、水冷式放熱要素400が溶接によりこれらの第1パイプライン322の1つ又は複数に接続され、接続部を通した冷媒の流出を防ぎ、ひいては冷媒の密閉された流通経路を提供するように、溶接の位置で確実に頑丈に接続される。第2パイプラインセット335(例えば、第2パイプライン335A)からの冷媒がケース200の中に流れ、第1パイプライン322を通して水冷式放熱要素400に流れる場合、冷媒が第1パイプライン322及び水冷式放熱要素400の内部に形成される密閉された流通経路のみを通して流れるが、第1パイプライン322と水冷式放熱要素400との間の接続部又はその他の位置を通して流出することはない。
【0057】
本実施例において、サーバシステム100は、放熱システム300を備える。放熱システム300のこれらの発熱要素210、これらの水冷式放熱要素400及び第1パイプラインセット320がケース200の内部に配置され、水冷デバイス330がケース200の外部に配置される。第1パイプラインセット320の第1端がこれらの水冷式放熱要素400に溶接され、第1パイプラインセット320の第2端が水冷デバイス330に接続される。水冷デバイス330の冷媒が第1パイプラインセット320及びこれらの水冷式放熱要素400を通して流れ、これらの発熱要素210を放熱させる。したがって、放熱システムは、サーバのこれらの発熱要素210を安定運転できるように水冷で発熱要素210を早急に放熱させることができる。また、水冷放熱システムは風冷放熱システムよりも小体積及びノイズ除去などの特徴を有する。
【0058】
具体的に、水冷デバイス330がケース200の外部に配置され、第1パイプラインセット320が溶接により水冷式放熱要素400に接続される。これらの発熱要素210が水冷デバイス330と遮断されるため、幾つかのサーバシステム100が動作される場合、例えば、走行車両又はその他の振動環境において、水冷デバイス330の冷媒が、例えば、水タンク332、水ポンプ334、水冷式ラジエーター336、ファンセット337又は第2パイプラインセット335の接続部から漏洩した場合、ケース200(例えば、ケース200の筐体220)の遮断によって、冷媒とこれらの発熱要素210との接触が回避される。その他に、本実施例において、これらの発熱要素210、これらの水冷式放熱要素400及びこれらの第1パイプライン322が、例えば、溶接により接続され、ケース200において、完全な全体を形成する。例示として、これらの水冷式放熱要素400及びこれらの第1パイプライン322によって、ケース200において冷媒の密閉された流通経路を提供する。幾つかのサーバシステム100が動作する幾つかの場合、例えば、走行車両又はその他の振動環境において、冷媒がケース200に漏洩することが防止される。即ち、サーバシステム100及びその放熱システム300は、走行車両において動作する場合に、冷媒が漏洩し、ひいては、これらの発熱要素210に接触するリスクを回避することができ、発熱要素の短絡又は異常運転のリスクの軽減に繋がり、更に自律運転によるリスクの軽減に繋がり、自律運転の運転安定性が向上される。
【0059】
本発明の上記実施例について説明したが、当業者が創造的な基本コンセプトを理解した上で、これらの実施例に対してその他の変更及び修正を実施することができる。従って、請求項が上記実施例及び本発明の範囲内である全ての変更及び修正を含むと理解すべきである。
【0060】
勿論、当業者は、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、本発明に対して様々な修正や変更を行うことができる。このように、本発明のこれらの修正や変更が本発明の請求項及びその同等な技術の範囲内にある場合、本発明は、これらの修正や変更を含むことも意図している。
【外国語明細書】