(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043122
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】表示プログラム、及び、表示装置
(51)【国際特許分類】
G09G 5/34 20060101AFI20220308BHJP
G06F 3/0485 20220101ALI20220308BHJP
G06F 3/04845 20220101ALI20220308BHJP
G09G 5/00 20060101ALI20220308BHJP
G09G 5/38 20060101ALI20220308BHJP
G09G 5/377 20060101ALI20220308BHJP
G09G 5/36 20060101ALI20220308BHJP
G09G 5/22 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
G09G5/34 Z
G06F3/0485
G06F3/0484 150
G09G5/00 510H
G09G5/38 A
G09G5/36 520M
G09G5/36 520B
G09G5/22 630D
G09G5/36 520F
G09G5/36 520G
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021198278
(22)【出願日】2021-12-07
(62)【分割の表示】P 2020113881の分割
【原出願日】2011-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】甲斐 卓文
(72)【発明者】
【氏名】池之上 智子
(57)【要約】 (修正有)
【課題】非スクロール時に画像の内容を把握し易くなるとともに、スクロール時に現在どの画像が表示されているかを容易に判断できる表示プログラムを提供する。
【解決手段】表示プログラムは、画面に複数のサムネイル画像21を表示する一方、各サムネイル画像21に付与されているページ番号31を画面に表示しない表示処理と、スクロール処理と、を携帯電話に実行させ、スクロール処理において、各サムネイル画像21の上に当該サムネイル画像21のページ番号31を重ねて表示し、表示したページ番号31をサムネイル画像21とともに移動させる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示部と操作部とを備える表示装置で実行される表示プログラムであって、
前記表示部に複数の画像を表示する一方、各前記画像に付与されている識別子を前記表示部に表示しない表示処理と、
前記操作部によってスクロール操作が受け付けられると、前記表示部に表示されている前記画像を前記スクロール操作に応じた方向に移動させて新たな画像を前記表示部に表示するスクロール処理と、
を前記表示装置に実行させ、
前記スクロール処理において、各前記画像の上に当該画像の前記識別子を重ねて表示し、表示した前記識別子を前記画像とともに移動させる、表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記スクロール操作の終了のタイミング、又は、前記画像の移動の終了のタイミングに基づいて前記識別子を非表示にする、表示プログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の表示プログラムであって、
前記画像にはページ番号が付与されており、前記識別子は前記ページ番号である、表示プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記識別子を前記画像の画像領域内に表示する、表示プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記表示部に一部の領域のみが表示されている前記画像についても前記識別子を表示する、表示プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記画像のサイズに応じて前記識別子を拡大又は縮小して表示する、表示プログラム。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記表示部に表示されている前記画像を選択する選択処理を前記表示装置に実行させ、 前記選択処理において、選択した画像であることを示す図形を当該選択した前記画像の上に重ねて表示し、
前記スクロール処理において、前記識別子と前記図形とを前記画像に重ねて表示する、表示プログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の表示プログラムであって
前記表示処理によって前記画像が表示される前に、各前記画像の表示領域を示す表示領域画像を前記表示部に表示するとともに、各前記表示領域画像の上に前記画像の前記識別子を重ねて表示し、前記表示処理によって前記画像が表示されるタイミングに基づいて前記表示領域画像及び前記識別子を非表示にする初期表示処理を前記表示装置に実行させる、表示プログラム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、各前記画像を当該画像より低解像度の画像、あるいは当該画像の輪郭を示す枠に置き換えて移動させる、表示プログラム。
【請求項10】
請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記操作部によって拡大縮小操作が受け付けられると、前記画像を前記拡大縮小操作に応じたサイズに拡大又は縮小する拡大縮小処理と、
前記拡大縮小処理に応じて、前記表示部に表示する前記画像の数を変更する変更処理と、
を前記表示装置に実行させ、
前記拡大縮小処理において、拡大又は縮小後の前記画像を表示する前に、前記表示部に拡大又は縮小後の各前記画像の表示領域を示す表示領域画像を表示するとともに、各前記表示領域画像の上に前記画像の前記識別子を重ねて表示し、拡大又は縮小した前記画像を表示するタイミングに基づいて前記表示領域画像及び前記識別子を非表示にする、表示プログラム。
【請求項11】
画像を表示する表示部と、
操作部と、
制御部とを備え、
前記制御部は、
前記表示部に複数の画像を表示する一方、各前記画像に付与されている識別子を前記表示部に表示しない表示処理と、
前記操作部によってスクロール操作が受け付けられると、前記表示部に表示されている前記画像を前記スクロール操作に応じた方向に移動させて新たな画像を前記表示部に表示するスクロール処理と、
を実行し、
前記スクロール処理において、各前記画像の上に当該画像の前記識別子を重ねて表示し、表示した前記識別子を前記画像とともに移動させる、表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の画像をスクロールさせる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の画像を表示するとともに、各画像の上方にページ番号を表示し、スクロール操作が受け付けられると、画像とページ番号とを移動させて別の画像を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-293496号公報(
図7等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来の技術によると、各画像の上方に表示されているページ番号によって表示部の表示領域の一部が占有されるので、その分だけ画像を小さく表示しなければならず、特に表示面積が小さい表示部の場合には画像の内容を把握し難いという問題がある。
本明細書では、非スクロール時に画像の内容を把握し易くなるとともに、スクロール時に現在どの画像が表示されているかを容易に判断できる技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される表示プログラムは、画像を表示する表示部と操作部とを備える表示装置で実行される表示プログラムであって、前記表示部に複数の画像を表示する一方、各前記画像に付与されている識別子を前記表示部に表示しない表示処理と、前記操作部によってスクロール操作が受け付けられると、前記表示部に表示されている前記画像を前記スクロール操作に応じた方向に移動させて新たな画像を前記表示部に表示するスクロール処理と、を前記表示装置に実行させ、前記スクロール処理において、各前記画像の上に当該画像の前記識別子を重ねて表示し、表示した前記識別子を前記画像とともに移動させる。
【0006】
また、上記表示プログラムは、前記スクロール処理において、前記スクロール操作の終了のタイミング、又は、前記画像の移動の終了のタイミングに基づいて前記識別子を非表示にしてもよい。
【0007】
また、上記表示プログラムは、前記画像にはページ番号が付与されており、前記識別子は前記ページ番号であってもよい。
【0008】
また、上記表示プログラムは、前記スクロール処理において、前記識別子を前記画像の画像領域内に表示してもよい。
【0009】
また、上記表示プログラムは、前記スクロール処理において、前記表示部に一部の領域のみが表示されている前記画像についても前記識別子を表示してもよい。
【0010】
また、上記表示プログラムは、前記スクロール処理において、前記画像のサイズに応じて前記識別子を拡大又は縮小して表示してもよい。
【0011】
また、上記表示プログラムは、前記表示部に表示されている前記画像を選択する選択処理を前記表示装置に実行させ、前記選択処理において、選択した画像であることを示す図形を当該選択した前記画像の上に重ねて表示し、前記スクロール処理において、前記識別子と前記図形とを前記画像に重ねて表示してもよい。
【0012】
また、上記表示プログラムは、前記表示処理によって前記画像が表示される前に、各前記画像の表示領域を示す表示領域画像を前記表示部に表示するとともに、各前記表示領域画像の上に前記画像の前記識別子を重ねて表示し、前記表示処理によって前記画像が表示されるタイミングに基づいて前記表示領域画像及び前記識別子を非表示にする初期表示処理を前記表示装置に実行させてもよい。
【0013】
また、上記表示プログラムは、前記スクロール処理において、各前記画像を当該画像より低解像度の画像、あるいは当該画像の輪郭を示す枠に置き換えて移動させてもよい。
【0014】
また、上記表示プログラムは、前記操作部によって拡大縮小操作が受け付けられると、前記画像を前記拡大縮小操作に応じたサイズに拡大又は縮小する拡大縮小処理と、前記拡大縮小処理に応じて、前記表示部に表示する前記画像の数を変更する変更処理と、を前記表示装置に実行させ、前記拡大縮小処理において、拡大又は縮小後の前記画像を表示する前に、前記表示部に拡大又は縮小後の各前記画像の表示領域を示す表示領域画像を表示するとともに、各前記表示領域画像の上に前記画像の前記識別子を重ねて表示し、拡大又は縮小した前記画像を表示するタイミングに基づいて前記表示領域画像及び前記識別子を非表示にしてもよい。
【0015】
本明細書によって開示される表示装置は、画像を表示する表示部と、操作部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記表示部に複数の画像を表示する一方、各前記画像に付与されている識別子を前記表示部に表示しない表示処理と、前記操作部によってスクロール操作が受け付けられると、前記表示部に表示されている前記画像を前記スクロール操作に応じた方向に移動させて新たな画像を前記表示部に表示するスクロール処理と、を実行し、前記スクロール処理において、各前記画像の上に当該画像の前記識別子を重ねて表示し、表示した前記識別子を前記画像とともに移動させる。
【0016】
なお、この発明は、表示方法、表示プログラムを記録した記録媒体等の種々の態様で実現することができる。
【発明の効果】
【0017】
画像の識別子を常に表示しないようにすると、識別子によって占有される表示領域の面積を低減できるので、その分画像を大きく表示できる。しかしながら、識別子を表示しないと、画像を移動させるスクロールをさせたとき、現在どの画像が表示部に表示されているかを移動している画像の内容から判断しなければならず、判断が困難になる。
この場合、識別子を常に画像の上に重ねて表示すれば、識別子によって占有される面積を低減できるとともに、スクロールさせたときに現在どの画像が表示されているかを識別子から判断できる。しかしながら、その場合は識別子が常に画像の上に重なっていることとなり、非スクロール時に画像の内容を把握し難くなる。
【0018】
上記の表示プログラム、及び、表示装置によると、スクロール処理が実行されていないときは識別子を表示しないので、各画像の近傍に識別子を表示するための領域を確保しなくてよく、その分画像を大きく表示できる。
更に、上記の表示プログラム、及び、表示装置によると、スクロール処理によって画像を移動させるときは各画像の識別子を表示するので、現在どの画像が表示されているかを容易に判断できる。
更に、上記の表示プログラム、及び、表示装置によると、スクロール処理によって画像を移動させるとき、識別子を画像の上に重ねて表示するので、各画像の近傍に識別子を表示するための領域がない場合であっても識別子を視認可能な大きさで表示できる。
【0019】
よって上記の表示プログラム、及び、表示装置によると、非スクロール時に画像の内容を把握し易くなるとともに、スクロール時に現在どの画像が表示されているかを容易に判断できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施形態1に係る携帯電話と、携帯電話と通信可能に接続されているプリンタとを示す模式図。
【
図2】携帯電話の電気的構成を簡略化して示すブロック。
【
図4】表示プログラムによって表示される画面の一例を示す模式図。
【
図5】画面にサムネイル画像を表示する処理を説明するための模式図。
【
図6】サムネイル画像を表示する処理の流れを示すフローチャート。
【
図8】
図7に示す画面20Eを拡大して示す模式図。
【
図9】スクロール処理の流れを示すフローチャート。
【
図11】拡大縮小処理の流れを示すフローチャート。
【
図12】サムネイル画像の数が1つだけになるまでサムネイル画像が拡大された場合を時系列で示す模式図。
【
図13】実施形態2に係るスクロール処理を説明するための模式図。
【
図14】実施形態3に係る画面の一例を示す模式図。
【
図15】実施形態3に係るスクロール処理を説明するための模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<実施形態1>
本発明の実施形態1を
図1ないし
図12によって説明する。
(1)全体構成
図1は、本発明の実施形態1に係る携帯電話1(表示装置の一例)と、携帯電話1と通信可能に接続されているプリンタ2とを示す模式図である。携帯電話1は通話機能に加えて無線通信機能を有しており、無線LANルータ3などを介してLAN(Local Aria Network)やインターネットなどの通信ネットワーク4に無線接続される。携帯電話1は通信ネットワーク4を介してプリンタ2に印刷を指示することにより、プリンタ2に画像を印刷させることができる。
【0022】
(2)携帯電話の電気的構成
図2は、携帯電話1の電気的構成を簡略化して示すブロック図である。携帯電話1は、制御部11、送受信部12、音声入出力部13、無線通信部14、表示部15、操作部16、記憶部17を備えて構成されている。
【0023】
制御部11は、アプリケーションプロセッサ、ROM、RAMなどを備えて構成されている。アプリケーションプロセッサは、ROMや記憶部17に記憶されている各種のプログラムを実行することによって携帯電話1の各部を制御する。ROMはアプリケーションプロセッサが実行するための各種のプログラムやデータなどを記憶している。RAMはアプリケーションプロセッサが各種の処理を実行するための主記憶装置として用いられる。
【0024】
送受信部12は、アンテナ、RF(Radio Frequency)回路、ベースバンドプロセッサなどを備えて構成されており、アンテナを介して基地局5との間で音声信号の送受信を行う。また、送受信部12は基地局5との間でパケット通信を行うことも可能に構成されている。
音声入出力部13は、マイク、スピーカ、音声処理回路などを備えて構成されている。
マイクによって入力された音声信号は送受信部12によって基地局5に送信され、送受信部12によって基地局5から受信した音声信号はスピーカによって発音される。
【0025】
無線通信部14は、Wi-Fi(登録商標)に準拠して構成されており、無線LANルータ3などを介して通信ネットワーク4に無線接続される。
なお、携帯電話1を通信ネットワーク4に無線接続できる規格であれば無線通信の規格はWi-Fiに限られない。例えば、携帯電話1はBluetooth(登録商標)によって無線接続される構成であってもよいし、IrDAなどの赤外線による光無線データ通信によって無線接続される構成であってもよい。
また、本実施形態では携帯電話1を通信ネットワーク4に無線接続する場合を例に説明するが、携帯電話1は通信ネットワーク4に有線接続されてもよい。
また、携帯電話1が通信ネットワーク4を介さずにプリンタ2に直接接続される構成であってもよい。
【0026】
表示部15は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示デバイス、表示デバイスを駆動する駆動回路などを備えて構成されている。
操作部16は、表示デバイスの表示面を覆う略透明なタッチパネル、タッチパネルを制御する制御回路、各種の操作ボタンなどを備えて構成されている。ユーザは操作部16を操作することにより、電話番号の入力やアプリケーションプログラムの操作などを行うことができる。
【0027】
記憶部17は、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリを用いて各種のプログラムやデータを記憶する装置である。記憶部17には、オペレーティングシステム(OS)、アプリケーションプログラム(表示プログラム、印刷プログラムなど)、表示プログラムによって表示される電子文書などが記憶される。
【0028】
電子文書のデータ形式は、PDF(Portable Document Format)であってもよいし、ワードプロセッサに固有のデータ形式であってもよいし、その他のデータ形式であってもよい。実施形態1では電子文書のデータ形式はPDFであるものとし、以降の説明では電子文書のことをPDF文書というものとする。
【0029】
また、実施形態1では
図3に示すPDF文書を例に説明する。図示するPDF文書はページ毎にアルファベットA~Oのいずれか一文字を複数表すものである。各ページには1から順にページ番号(識別子の一例)が付与されている。
【0030】
(3)表示プログラム
図4は、表示プログラムによって表示部15に表示される画面20の一例を示す模式図である。表示プログラムは、1以上のページからなるPDF文書について、ページ毎に当該ページの内容を表すサムネイル画像21(画像の一例)を作成し、作成したサムネイル画像21を画面20に一覧表示し、一覧表示したサムネイル画像21の中から印刷するページのサムネイル画像21をユーザに選択させるプログラムである。
【0031】
表示プログラムを実行する制御部11(以下「表示プログラム」という)は、画面20でサムネイル画像21が選択されると、選択されたサムネイル画像21に対応するページを印刷するよう印刷プログラムに指示する。印刷プログラムを実行する制御部11(以下「印刷プログラム」という)は、印刷が指示されると、プリンタ2を制御してそのページを印刷させる。
【0032】
各サムネイル画像21の上に表示されている円形の画像22は、そのサムネイル画像21が選択されている状態であることを示す選択マーク(図形の一例)である。選択マーク22が表示されている状態のサムネイル画像21にタッチすると、そのサムネイル画像21の選択が解除されるとともに、選択マーク22が非表示になる。一方、選択マーク22が表示されていない状態のサムネイル画像21にタッチすると、そのサムネイル画像21が選択されるとともに、サムネイル画像21の上に選択マーク22が表示される。
【0033】
各サムネイル画像21のデフォルトの状態は選択されている状態である。このため、表示プログラムが起動された直後には、各サムネイル画像21の上に選択マーク22が表示される。
【0034】
「-(マイナス)」ボタン23はサムネイル画像21を一段階縮小するボタンであり、「+(プラス)」ボタン24はサムネイル画像21を一段階拡大するボタンである。
【0035】
「Select All」ボタン25は、全てのサムネイル画像21を一括して選択するボタンである。ここでいう全てのサムネイル画像21には、画面20に表示されていないサムネイル画像21も含まれる。
「Deselect All」ボタン26は、サムネイル画像21の選択を一括して解除するボタンである。
【0036】
「Done」ボタン27は、選択されているサムネイル画像21に対応するページの印刷を印刷プログラムに指示し、その後に表示プログラムを終了するボタンである。
「Cancel」ボタン28は、画像を印刷させずに表示プログラムを終了するボタンである。
【0037】
(3-1)サムネイル画像の表示
図5は、画面20にサムネイル画像21を表示する処理を説明するための模式図であって、表示プログラムが起動された直後の画面20の変化を時系列で示す模式図である。サムネイル画像21は表示プログラムが起動されると直ぐに画面20に表示されるのではなく、先ず表示領域画像30とページ番号31とが表示される。なお、画面20Aでは一つの表示領域画像にのみ符号を付している。同様に、画面20Aでは一つのページ番号にのみ符号を付している。
【0038】
具体的には、表示プログラムが起動されると、画面20Aに示すように、サムネイル画像21が表示される各領域に、サムネイル画像21が表示される領域であることを示す表示領域画像30が表示される。
表示領域画像30は、サムネイル画像21が表示される領域の輪郭を表す枠であってもよいし、サムネイル画像21より低解像度の画像であってもよいし、画面20の背景色やページ番号の表示色とは異なる色で塗りつぶされた画像であってもよい。画面20Aでは表示領域画像30として領域の輪郭を表す枠を表示している。
表示領域画像30のサイズは、1画面に表示するサムネイル画像21の行列の数に応じて予め設定されている。
【0039】
そして、表示された各表示領域画像30の上に、その表示領域画像30が表示されている領域に表示されるサムネイル画像21に対応するページのページ番号31が重ねて表示される。
図示するようにページ番号31は表示領域画像30の画像領域内に表示される。言い換えると、ページ番号31は表示領域画像30からはみ出さないように表示される。
なお、表示領域画像30とページ番号31とを別々に表示するのではなく、表示領域画像30にページ番号31を上から重ねて合成した画像を表示させてもよい。
【0040】
上述した表示領域画像30やページ番号31が表示されている間、表示プログラムによって各ページからサムネイル画像21が作成される。そして、サムネイル画像21の作成が完了すると、表示領域画像30とページ番号31とが非表示にされ、画面20Bに示すように、各表示領域画像30が表示されていた領域にサムネイル画像21が表示される。
ただし、ページ番号31は表示されない。なお、画面20Bでは一つのサムネイル画像にのみ符号を付している。
サムネイル画像21は、当該サムネイル画像21の縦横比を維持しつつ、表示領域画像30によって示される領域内に表示可能な最大のサイズで表示される。
【0041】
図6は、上述したサムネイル画像21を表示する処理の流れを示すフローチャートである。本処理は表示プログラムが起動されると開始される。
ここで、実施形態1に係る表示プログラムはマルチスレッドプログラムとして実装されており、複数の処理を並列に実行できるものである。
【0042】
S101では、表示プログラムはサムネイル画像21を表示する各領域に表示領域画像30を表示する。
S102では、表示プログラムは各表示領域画像30の上にページ番号31を重ねて表示する。
【0043】
S103では、表示プログラムは、S101及びS102の処理と並行して、各ページのサムネイル画像21を作成する。なお、表示プログラムがシングルスレッドプログラムである場合には、S103の処理はS101及びS102の処理が終了した後に実行される。
【0044】
S104では、表示プログラムは表示領域画像30とページ番号31とを非表示にする。
S105では、表示プログラムはS103で作成したサムネイル画像21を画面20の各領域に表示する。ここで、表示プログラムは、サムネイル画像21を各領域に表示する一方、ページ番号31は表示しない。
【0045】
S101、S102、及びS104は初期表示処理の一例であり、S103及びS105は表示処理の一例である。
【0046】
(3-2)サムネイル画像のスクロール
図7は、画面20に表示されているサムネイル画像21をスクロールさせるスクロール処理を説明するための模式図であって、スクロール中の画面20の変化を時系列で示す模式図である。
PDF文書のページ数が多い場合は、一部のサムネイル画像21だけが画面20に表示される。一部のサムネイル画像21だけが画面20に表示されている場合、ユーザはタッチパネルに指を接触させ、接触させた指を上方向又は下方向に移動させることにより、サムネイル画像21を上下方向にスクロールさせることができる。これにより、ユーザは全てのサムネイル画像を表示させることができる。以下の説明では指を上方向に移動させる場合を例に説明する。
【0047】
なお、詳しくは後述するが、横方向のスクロールは全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21が拡大された場合にのみ可能となり、それ以外の場合は上下方向のスクロールだけが可能である。
【0048】
画面20Dに示すように、ユーザの指が上方向に移動すると上方向のスクロール操作が受け付けられ、画面20E~20Iに示すように、サムネイル画像21が上方向へ移動する。そして、それまで表示されていたサムネイル画像21が非表示になるとともに、新たなサムネイル画像21が画面20に表示される。
そして、ユーザの指が停止すると、あるいはユーザの指がタッチパネルから離れるとスクロール操作が終了し、サムネイル画像21の移動が停止する。図示する例では画面20Iに示す位置で指の移動が停止している。
【0049】
そして、本実施形態に係る表示プログラムでは、スクロール操作が受け付けられると、画面20Eに示すように、各サムネイル画像21の上にそのサムネイル画像21に対応するページのページ番号31が重ねて表示される。そして、画面20F~画面20Iに示すように、表示されたページ番号31がサムネイル画像21とともに移動する。
【0050】
それまで表示されていたサムネイル画像21が非表示になって新たなサムネイル画像21が表示された場合には、新たなサムネイル画像21の上にもページ番号31が表示され、表示されたページ番号31が当該新たなサムネイル画像21とともに移動する。
【0051】
各ページ番号31は、それぞれサムネイル画像21の画像領域内に表示される。
また、
図8に示すように、各ページ番号31は選択マーク22に重ならない位置に表示される。ここで、
図8は画面20Eを拡大して示す模式図である。なお、ページ番号31又は選択マーク22の一方が透過して表示されていれば、ページ番号31と選択マーク22とを重ねて表示してもよい。
また、画面20E~20Iに示すように、ページ番号31は画面20に一部の領域のみが表示されているサムネイル画像21についても表示される。
【0052】
そして、ユーザの指が停止すると、サムネイル画像21の移動が終了するとともに、画面20Jに示すようにページ番号31が非表示にされる(「画像の移動の終了のタイミングに基づいて識別子を非表示にする」の一例)。
【0053】
図9は、上述したサムネイル画像21をスクロールさせるスクロール処理の流れを示すフローチャートである。本処理はタッチパネルでスクロール操作が受け付けられると開始される。
S201では、表示プログラムは各サムネイル画像21の上にページ番号31を重ねて表示する。
【0054】
S202では、表示プログラムはサムネイル画像21をスクロール操作に応じた方向に所定距離移動させる。
S203では、表示プログラムは新たに画面20に表示されたサムネイル画像21の上にページ番号31を重ねて表示する。
【0055】
S204では、表示プログラムはスクロール操作が終了したか否かを判定し、終了した場合はS205に進み、終了していない場合はS202に戻って処理を繰り返す。
S205では、表示プログラムはページ番号31を非表示にする。
【0056】
(3-3)サムネイル画像の拡大縮小
図10は、画面20に表示されているサムネイル画像21を拡大縮小する拡大縮小処理を説明するための模式図であって、拡大縮小中の画面20の変化を時系列で示す模式図である。
【0057】
ユーザが「+」ボタン24を押すと、先ず、画面20Kに示すように、拡大後のサムネイル画像21が表示される各領域に、拡大後のサムネイル画像21が表示される領域であることを示す表示領域画像30が表示される。
そして、表示された各表示領域画像30の上に、その表示領域画像30によって示される領域に表示されるサムネイル画像21に対応するページのページ番号31が重ねて表示される。画面20Kに示すように、ページ番号31は表示領域画像30の画像領域内に表示される。
【0058】
上述した表示領域画像30やページ番号31が表示されている間、表示プログラムによって各ページから新しい大きさのサムネイル画像21が作成される。そして、サムネイル画像21の作成が完了すると、表示領域画像30とページ番号31とが非表示にされ、画面20Lに示すように、各表示領域画像30が表示されていた領域に、その表示領域画像30の上に重ねて表示されていたページ番号31のページに対応する新しい大きさのサムネイル画像21が表示される。
【0059】
ユーザが「-」ボタン23を押したときの処理は「+」ボタン24を押したときの処理と拡大縮小が逆になった点を除いて実質的に同一であるので説明は省略する。
【0060】
図11は、上述したサムネイル画像21を拡大縮小する拡大縮小処理の流れを示すフローチャートである。本処理は「-」ボタン23又は「+」ボタン24が押されると開始される。「-」ボタン23又は「+」ボタン24を押す操作は拡大縮小操作の一例である。
S301では、表示プログラムは画面20に表示するサムネイル画像21の数を拡大又は縮小後のサムネイル画像21のサイズに応じて変更するとともに(変更処理の一例)、各サムネイル画像21を表示するレイアウトを決定する。
【0061】
S302では、表示プログラムは拡大又は縮小後のサムネイル画像21を表示する各領域に、拡大又は縮小後のサムネイル画像21が表示される領域であることを示す表示領域画像30を表示する。
S303では、表示プログラムは各表示領域画像30の上にページ番号31を重ねて表示する。
【0062】
S304では、表示プログラムは、S302及びS303の処理と並行して、各ページから新しい大きさのサムネイル画像21を作成する。
S305では、表示プログラムは表示領域画像30とページ番号31とを非表示にする。
S306では、表示プログラムはS304で作成した新しい大きさのサムネイル画像21を各領域に表示する。
【0063】
(3-4)サムネイル画像を拡大した後のスクロール方向
図12は、全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21が拡大された場合を時系列で示す模式図である。全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21が拡大された場合は、横方向のスクロールが可能となり、上下方向のスクロール操作は受け付けられなくなる。
【0064】
このようにした理由は、印刷プログラムのユーザインタフェースと合わせるためである。印刷プログラムのユーザインタフェースは、全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21を拡大して表示し、横スクロールさせることによって別のサムネイル画像21を表示させるインタフェースである。
【0065】
このため、表示プログラムは、全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21が拡大された場合は、印刷プログラムのユーザインタフェースに合わせるために、横方向のスクロール操作だけを受け付ける。
【0066】
なお、ユーザインタフェースを他のプログラムと合わせる必要がない場合は、全体を画面20に表示できるサムネイル画像21の数が1つだけになるまでサムネイル画像21が拡大された場合であっても上下方向のスクロール操作だけを受け付けるようにしてもよい。
【0067】
(3-5)ページ番号のサイズ
図10に示す画面20K及び画面20Mに示すように、ページ番号31は拡大縮小後のサムネイル画像21のサイズに応じて拡大縮小される。例えば、サムネイル画像21を拡大した場合にはページ番号31も大きく表示され、サムネイル画像21を縮小した場合にはページ番号31も小さく表示される。
【0068】
そして、拡大縮小後にサムネイル画像21をスクロールさせる場合には、拡大縮小後のサムネイル画像21のサイズに応じてページ番号31も拡大又は縮小される。例えば、サムネイル画像21を画面20Kに示すサイズに拡大した後にスクロールさせたとすると、画面20Kに示すページ番号31と同じサイズのページ番号31がサムネイル画像21の上に重ねて表示される。一方、サムネイル画像21を画面20Mに示すサイズに縮小した後にサムネイル画像21をスクロールさせたとすると、画面20Mに示すページ番号31と同じサイズのページ番号31が重ねて表示される。
【0069】
(4)実施形態の効果
以上説明した実施形態1に係る表示プログラムによると、スクロール処理が実行されていないときはページ番号31を表示しないので、各サムネイル画像21の近傍にページ番号31を表示するための領域を確保しなくてよく、その分サムネイル画像21を大きく表示できる。
更に、表示プログラムによると、スクロール処理によってサムネイル画像21を移動させるときは各サムネイル画像21のページ番号31を表示するので、現在どのサムネイル画像21が表示されているかを容易に判断できる。
更に、表示プログラムによると、スクロール処理によってサムネイル画像21を移動させるとき、ページ番号31をサムネイル画像21の上に重ねて表示するので、各サムネイル画像21の近傍にページ番号31を表示するための領域がない場合であってもページ番号31を視認可能な大きさで表示できる。
よって表示プログラムによると、非スクロール時にサムネイル画像21の内容を把握し易くなるとともに、スクロール時に現在どのサムネイル画像21が表示されているかを容易に判断できる。
【0070】
更に、表示プログラムによると、サムネイル画像21の移動が終了した時にページ番号31を非表示にするので、重ねて表示したページ番号31によって非スクロール時にサムネイル画像21の内容が把握し難くならないようにすることができる。
【0071】
更に、表示プログラムによると、識別子としてページ番号31を表示するので、スクロール時に全サムネイル画像21のうち現在何ページ目のサムネイル画像21が画面20に表示されているかを容易に知ることができる。
【0072】
更に、表示プログラムによると、ページ番号31がサムネイル画像21の画像領域内に表示されるので、サムネイル画像21の周囲にページ番号31がはみ出す分の領域を確保しておかなくてよい。このため、サムネイル画像21をより大きく表示することができる。これにより、スクロール処理が実行されていないときのサムネイル画像21の把握がより容易になる。
【0073】
更に、表示プログラムによると、画面20に一部の領域のみが表示されているサムネイル画像21についてもページ番号31を表示するので、画面20に一部の領域のみが表示されているサムネイル画像21についてもページ番号31を確認できる。
【0074】
更に、表示プログラムによると、サムネイル画像21の拡大縮小後にサムネイル画像21をスクロールさせる時、サムネイル画像21のサイズに応じてページ番号31を拡大又は縮小して表示する。
例えばサムネイル画像21のサイズが大きい場合はページ番号31も大きくすることにより、ページ番号31をより容易に確認できる。また、例えばサムネイル画像21のサイズが小さい場合はページ番号31のサイズも小さくすることにより、ページ番号31においてサムネイル画像21の画像領域からはみ出す部分を小さくできる。これにより、サムネイル画像21の周囲にページ番号31がはみ出す分の領域を確保しなくてよく、より多くのサムネイル画像21を表示できる。
【0075】
更に、表示プログラムによると、サムネイル画像21の選択において、選択したサムネイル画像21であることを示す選択マーク22(図形の一例)をサムネイル画像21の上に表示する。これにより、選択されたサムネイル画像21であるか否かを選択マーク22の有無によって容易に判断できる。更に、表示プログラムによると、スクロール中にページ番号31を選択マーク22と重ならない位置に表示するので、スクロール中であっても選択されたサムネイル画像21であるか否かを容易に判断できる。
【0076】
更に、表示プログラムによると、当該表示プログラムが起動されたとき、サムネイル画像21が表示される前に、各サムネイル画像21の表示領域を示す表示領域画像30を画面20に表示するとともに、各表示領域画像30の上にサムネイル画像21のページ番号31を重ねて表示する。
各ページからサムネイル画像21を作成して表示する場合は、サムネイル画像21が表示されるまでに時間を要する。同時に表示されるサムネイル画像21の数が多い場合や、ページが高解像度である場合は特に時間を要する。表示プログラムによると、サムネイル画像21が表示される前に表示領域画像30とページ番号31とを表示するので、ユーザは表示されるサムネイル画像21の数や各領域にどのページのサムネイル画像21が表示されるかをより早い段階で知ることができる。
また、表示プログラムによると、表示処理によってサムネイル画像21が表示される前に表示領域画像30及びページ番号31を非表示にするので(「画像が表示されるタイミングに基づいて表示領域画像30及び前記識別子を非表示にする」の一例)、ページ番号31によってサムネイル画像21の内容を把握し難くなってしまわないようにすることができる。
【0077】
更に、表示プログラムによると、拡大縮小処理において、拡大又は縮小後のサムネイル画像21を表示する前に、画面20に拡大又は縮小後の各サムネイル画像21の表示領域を示す表示領域画像30を表示するとともに、各表示領域画像30の上にサムネイル画像21のページ番号31を重ねて表示する。
各ページからサムネイル画像21を作成して表示する場合は、サムネイル画像21が表示されるまでに時間を要する。同時に表示されるサムネイル画像21の数が多い場合や、ページが高解像度である場合は特に時間を要する。また、サムネイル画像21を拡大縮小すると画面20に表示されるサムネイル画像21の数も変化する。
表示プログラムによると、拡大縮小されたサムネイル画像21が表示される前に拡大縮小後のサムネイル画像21の表示領域画像30とページ番号31とを表示するので、ユーザは拡大縮小後に表示されるサムネイル画像21の数や各領域にどのページのサムネイル画像21が表示されるかをより早い段階で知ることができる。
また、表示プログラムによると、拡大又は縮小したサムネイル画像21が表示される前に表示領域画像30及びページ番号31を非表示にするので(「拡大又は縮小した画像を表示するタイミングに基づいて表示領域画像30及び識別子を非表示にする」の一例)、ページ番号31によってサムネイル画像21の内容を把握し難くなってしまわないようにすることができる。
【0078】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を
図13によって説明する。
実施形態2では、スクロール処理において、各サムネイル画像21を当該サムネイル画像21の輪郭を示す枠に置き換えて移動させる。
【0079】
図13は、実施形態2に係るスクロール処理を説明するための模式図であって、スクロール中の画面20の変化を時系列で示す模式図である。実施形態2に係る表示プログラムは、スクロール操作を受け付けると、画面20T~画面20Xに示すように、各サムネイル画像21を当該サムネイル画像21の輪郭を示す枠32に置き換えて移動させ、サムネイル画像21の移動が終了した時に、輪郭を示す枠32を非表示にして各サムネイル画像21を表示する。輪郭を示す枠32の内側の色は画面20の背景画像と同じ色である。
【0080】
以上説明した実施形態2に係る表示プログラムによると、輪郭を示す枠32は元のサムネイル画像21に比べてデータ量が少なくてよいので、スクロール処理の負担を軽減できる。
また、表示プログラムによると、サムネイル画像21の代わりに輪郭を示す枠32を表示することによってサムネイル画像21の内容の視認性を低くしている。これにより、ページ番号31をより明確にユーザに視認させることができる。
なお、各サムネイル画像21を枠32に置き換えるのではなく、当該サムネイル画像21より低解像度の画像に置き換えてもよい。
実施形態2に係る表示プログラムはその他の点において実施形態1と実質的に同一である。
【0081】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を
図14ないし
図15によって説明する。
実施形態1では表示装置として携帯電話1を例に説明したが、実施形態3では携帯電話1よりも表示部15の表示面積が大きいタブレット型コンピュータを例に説明する。
【0082】
図14は、実施形態3に係る画面40の一例を示す模式図である。PDF文書のページ数が2ページ以上である場合は、
図14に示すように、各ページのサムネイル画像21が一覧表示されるサムネイル表示領域50と、選択マーク22によって選択されているサムネイル画像21に対応するページのうちいずれか一つのページの印刷プレビュー画像33が表示されるプレビュー領域51と、現在設定されている印刷条件(印刷に用いるプリンタ、用紙サイズ、印刷部数など)や、印刷条件を設定するための画面を呼び出す[Settings]ボタンなどが表示される印刷情報領域52と、印刷を指示する[Print]ボタンなどが表示される操作領域53とに画面40が4分割される。
【0083】
プレビュー領域51に表示される印刷プレビュー画像33は、現在設定されている印刷条件を反映して生成される。例えば、
図14の印刷情報領域52には示していないが、2つのページを縮小して1枚の印刷用紙の同じ面に印刷する所謂2in1印刷を行う設定がされている場合は、2つのページから1つの印刷プレビュー画像33が生成されて表示される。
【0084】
実施形態3でも各サムネイル画像21のデフォルトの状態は選択された状態であるとする。この場合、表示プログラムを起動した直後は、1ページ目の印刷プレビュー画像33が表示される。
【0085】
ユーザは、プレビュー領域51に印刷プレビュー画像33が表示されているページとは異なるページの印刷プレビュー画像33を表示させたい場合は、そのページのサムネイル画像21にタッチする。
ユーザがタッチしたサムネイル画像21が選択されていないサムネイル画像21である場合、言い換えると、選択マーク22が表示されていないサムネイル画像21である場合は、そのサムネイル画像21が選択されるとともに、そのサムネイル画像21に対応するページの印刷プレビュー画像33がプレビュー領域51に表示される。
【0086】
一方、ユーザがタッチしたサムネイル画像21が選択されているサムネイル画像である場合は、その選択が解除される。ユーザは、そのサムネイル画像21にもう一度タッチすることにより、そのサムネイル画像21を選択された状態に戻すことができるとともに、そのサムネイル画像21に対応するページの印刷プレビュー画像33をプレビュー領域51に表示させることができる。
【0087】
また、プレビュー領域51に印刷プレビュー画像33が表示されているページに対応するサムネイル画像21の選択が解除された場合には、その印刷プレビュー画像33が非表示にされ、選択されているサムネイル画像21のうち選択が解除されたサムネイル画像21の次のサムネイル画像21に対応するページの印刷プレビュー画像33がプレビュー領域51に表示される。
【0088】
例えば、印刷プレビュー画像33として表示されているページのサムネイル画像21の選択が解除されると、そのページの後のサムネイル画像21であって選択状態であるサムネイル画像21のページが印刷プレピュー画像33として替わりに表示される。
一方、ユーザにより新たにサムネイル画像21が選択されると、既に表示されている印刷プレビュー画像33に替えて、新たに選択されたサムネイル画像21のページが印刷プレビュー画像33として表示される。
【0089】
PDF文書のページ数が1ページのみである場合は、サムネイル表示領域50は表示されず、その1ページの印刷プレビュー画像33がプレビュー領域51に表示される。
なお、実施形態3に係る画面40にも、実施形態1と同様に「Select All」ボタンや「Deselect All」ボタンを設けてもよい。
【0090】
(5-1)サムネイル画像の表示
サムネイル表示領域50にサムネイル画像21を表示する処理は実施形態1と同様であり、サムネイル画像21が表示される各領域にサムネイル画像21の表示領域を示す表示領域画像30が表示され、その表示領域画像30によって示される領域に表示されるサムネイル画像21に対応するページのページ番号31が表示領域画像30の上に重ねて表示される。そして、サムネイル画像21の作成が完了すると、表示領域画像30とページ番号31とが非表示にされ、各表示領域画像30が表示されていた領域に、その表示領域画像30に対応するサムネイル画像21が表示される。
【0091】
(5-2)サムネイル画像のスクロール
PDF文書のページ数が多い場合は、一部のサムネイル画像21だけがサムネイル表示領域50に表示される。ユーザはサムネイル画像21を横にスクロールさせることにより、全てのサムネイル画像21を画面40に表示させることができる。
【0092】
図15は、実施形態3に係るスクロール処理を説明するための模式図である。サムネイル画像21をスクロールさせる処理は実施形態1と同様であり、ユーザがスクロール操作を行うと、表示されている各サムネイル画像21に対応するページのページ番号31がサムネイル画像21の上に重ねて表示される。そして、サムネイル画像21がページ番号31とともに移動され、サムネイル画像21の移動が終了するとページ番号31が非表示にされる。
【0093】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を説明する。
実施形態4では、サムネイル画像21のサイズが大きいほどサムネイル画像21のサイズに対するページ番号31のサイズの比率を小さくする。言い換えると、サムネイル画像21のサイズが小さくなるほどサムネイル画像21のサイズに対するページ番号31のサイズの比率を大きくする。
【0094】
具体的には例えば、サムネイル画像21が拡大縮小されても、その後のスクロール時に表示するページ番号31のサイズを常に一定にする。このようにすれば、サムネイル画像21のサイズが大きくなるほどサムネイル画像21のサイズに対するページ番号31のサイズの比率を小さくすることができる。
【0095】
なお、スクロール時にサムネイル画像21のサイズに応じてページ番号31を拡大又は縮小して表示する場合であっても、サムネイル画像21のサイズが大きいほどサムネイル画像21のサイズに対するページ番号31のサイズの比率を小さくすることもできる。
【0096】
例えば、サムネイル画像21が元のサイズから2倍に拡大された場合はページ番号31を1.5倍に拡大し、サムネイル画像21が元のサイズから3倍に拡大された場合はページ番号31を2倍に拡大する。
このようにすれば、サムネイル画像21を元のサイズから2倍に拡大した場合のサムネイル画像21の倍率に対するページ番号31の倍率の比は0.75(=1.5/2)となり、サムネイル画像21を元のサイズから3倍に拡大した場合のサムネイル画像21の倍率に対するページ番号31の倍率の比は0.66(=2/3)となる。その結果、サムネイル画像21のサイズに応じてページ番号31を拡大しつつ、サムネイル画像21のサイズが大きいほどサムネイル画像21のサイズに対するページ番号31のサイズの比率が小さくなる。
【0097】
以上説明した実施形態4に係る表示プログラムによると、サムネイル画像21のサイズが変化してもページ番号31の表示サイズが大きく変化しないようにすることができる。
これにより、ページ番号31の視認性を維持することができる。
また、サムネイル画像21の詳細を確認したいユーザにとっては大きい画像サイズに対してページ番号31を小さくすることが望ましく、複数のサムネイル画像21の全体を確認したいユーザにとっては小さい画像サイズに対してページ番号31を大きく表示することでサムネイル画像21の識別を容易にすることができる。
【0098】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0099】
(1)上記実施形態では表示部15に表示する画像として電子文書のページを表すサムネイル画像21を例に説明したが、表示部15に表示する画像はこれに限られない。例えば、特定のフォルダに格納されている1以上のデジタル画像についてそのサムネイル画像21を表示してもよい。
【0100】
(2)上記実施形態では表示プログラムがサムネイル画像21を作成する場合を例に説明したが、画像にサムネイル画像21が添付されている場合はそのサムネイル画像21を用いてもよい。
【0101】
(3)上記実施形態では表示部15に表示する画像としてサムネイル画像21を例に説明したが、表示する画像はサムネイル画像21に限られない。例えば、画像自体のサイズが元から小さい場合は、サムネイル画像21ではなく元の画像をそのまま表示させてもよい。
【0102】
(4)上記実施形態では、初期表示処理において、表示処理によってサムネイル画像21が表示される前にページ番号31を非表示にする場合を例に説明したが、サムネイル画像21が表示された少し後にページ番号31を非表示にしてもよい。
【0103】
(5)上記実施形態では画面20にサムネイル画像21を表示させるとき、初期表示処理によって表示領域画像30やページ番号31を表示する場合を例に説明したが、初期表示処理は必ずしも実行しなくてよい。つまり、表示領域画像30やページ番号31を表示することなくサムネイル画像21を表示してもよい。
【0104】
(6)上記実施形態では識別子としてページ番号31を例に説明したが、識別子は画像の移動中に現在どの画像が表示されているかをユーザが容易に判断できる情報であればページ番号31以外であってもよい。
【0105】
(7)上記実施形態ではページ番号31を表示領域画像30の画像領域内に表示する場合を例に説明したが、ページ番号31の一部が表示領域画像30からはみ出してもよい。
ただし、ページ番号31において表示領域画像30からはみ出す部分は極力小さいことが望ましい。
【0106】
(8)上記実施形態ではスクロール操作が終了すると画像の移動も終了していたが、スクロール操作を終了してもしばらくは画像の移動を続けるように構成してもよい。この場合、画像の移動を終了したタイミングではなく、スクロール操作を終了したときや、終了した少し後に、ページ番号31を非表示にしてもよい。
【0107】
(9)上記実施形態では画像の移動が終了した時にページ番号31を非表示にする場合を例に説明したが、画像の移動が終了した少し後(例えば0.5秒後)にページ番号31を非表示にしてもよい。
また、画像の移動が終了する少し前(例えば0.5秒前)にページ番号31を非表示にしてもよい。
【0108】
(10)上記実施形態では、拡大縮小処理において、拡大又は縮小したサムネイル画像21が表示される前にページ番号31を非表示にする場合を例に説明したが、拡大又は縮小したサムネイル画像21が表示される少し前、あるいは表示された少し後にページ番号31を非表示にしてもよい。
【0109】
(11)上記実施形態ではタッチパネルに指を接触させて移動させることによってスクロール操作を行う場合を例に説明したが、[上]ボタンや[下]ボタンを設け、これらのボタンを押すことでスクロール操作を行ってもよい。
【0110】
(12)上記実施形態では選択されたページを印刷する場合を例に説明したが、選択されたページをどのように利用するかは適宜に選択可能である。例えば選択されたページを電子メールに添付して送信してもよい。
【0111】
(13)上記実施形態では表示装置として携帯電話1やタブレット型コンピュータを例に説明したが、パーソナルコンピュータや携帯情報端末に本発明を適用してもよい。
また、画像を表示可能なディスプレイとタッチパネルとを備えるプリンタに本発明を適用してもよい。例えば、プリンタにおいては、着脱可能に装着されたリムーバブルメモリに記憶されている複数のデジタル画像のサムネイル画像21をディスプレイに一覧表示し、ユーザが選択したサムネイル画像21に対応するデジタル画像を印刷するダイレクトプリント機能が知られている。このダイレクトプリント機能において、一覧表示されているサムネイル画像21をディスプレイ上でスクロール表示させる場合に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0112】
1・・・携帯電話、11・・・制御部、15・・・表示部、16・・・操作部、17・・・記憶部、20(20A~20Y)・・・画面、21・・・サムネイル画像、30・・・表示領域画像、31・・・ページ番号、32・・・枠、33・・・印刷プレビュー画像、40・・・画面
【手続補正書】
【提出日】2021-12-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルと表示部を備える表示装置で実行される表示プログラムであって、
画像を表示する画像表示領域と、前記画像に対応する識別子と、を表示する表示処理と、
前記画像表示領域に対して第1方向を示すタッチ操作が受け付けられた場合、前記画像を前記第1方向に移動させて新たな画像を画像表示領域に表示し、当該新たな画像に対応する識別子を表示するスクロール処理と、
印刷ボタンを表示する表示領域を表示する印刷ボタン表示処理と、
前記印刷ボタンに対してタッチ操作が受け付けられると、前記画像表示領域に表示された画像に対応するデータの印刷を前記表示装置と通信可能なプリンタに指示する印刷指示処理と、
を前記表示装置に実行させ、
前記スクロール処理において、前記新たな画像の前記第1方向への移動にともない、前記画像に対応する前記識別子は非表示となる、
表示プログラム。
【請求項2】
請求項1に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記新たな画像の前記第1方向への移動の終了にともない、前記画像に対応する前記識別子は非表示となる、表示プログラム。
【請求項3】
請求項1に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記新たな画像の前記第1方向への移動が終了してから、前記画像に対応する前記識別子は非表示となる、表示プログラム。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記画像にはページ番号が付与されており、前記識別子は前記ページ番号である、表示プログラム。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記識別子を前記画像の画像領域内に表示する、表示プログラム。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記表示部に一部の領域のみが表示されている前記画像についても前記識別子を表示する、表示プログラム。
【請求項7】
請求項1に記載の表示プログラムであって、
前記表示処理において、前記画像表示領域に全体を表示する前記画像の数は一つのみである、表示プログラム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記画像表示領域に対して前記第1方向と直交する第2方向のスクロール操作は受け付けない、表示プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の表示プログラムであって、
前記第2方向は前記画像の横方向である、表示プログラム。
【請求項10】
請求項9に記載の表示プログラムであって、
前記第2方向は左右方向である、表示プログラム。
【請求項11】
請求項1乃至請求項10のいずれか一項に記載の表示プログラムであって、
前記スクロール処理において、前記タッチ処理が継続されている間は、前記タッチ処理に応じて前記表示領域に前記画像の一部及び前記新しい画像の一部を移動させながら表示させ、前記識別子を表示させる、表示プログラム。