(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043213
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】通信制御装置、無線通信装置、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 16/14 20090101AFI20220308BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220308BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20220308BHJP
H04W 88/18 20090101ALI20220308BHJP
【FI】
H04W16/14
H04W72/04 131
H04W28/06 130
H04W88/18
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021210054
(22)【出願日】2021-12-24
(62)【分割の表示】P 2018529380の分割
【原出願日】2017-05-23
(31)【優先権主張番号】P 2016147614
(32)【優先日】2016-07-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古市 匠
(57)【要約】 (修正有)
【課題】デュプレクスモードに係る情報を用いて共存制御を実施することが可能な通信制御装置、無線通信装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】通信システムにおいて、通信制御装置10は、1以上の無線通信装置30が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報、動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報又は伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、情報を用いて、無線通信装置30のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、無線通信装置30の各々に推奨される動作パラメータを選定することを実施する判定部と、選定された動作パラメータを無線通信装置30へ通知する通知部と、を備える。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次システムに割り当てられている周波数帯域の少なくとも一部を二次利用する複数の無線通信装置の制御を行う通信制御装置であって、
前記複数の無線通信装置に関する情報を取得する情報取得部と、
前記複数の無線通信装置に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々に推奨されるTDDフレーム構成を選定する判定部と、
選定された前記推奨されるTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知する通知部と、
を備え、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
通信制御装置。
【請求項2】
前記TDDフレーム構成に関する情報は、前記無線通信装置の各々から取得される、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記無線通信装置の各々から情報を取得する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記無線通信装置によって指定された前記TDDフレーム構成への適用が可能か判定する、請求項2又は請求項3に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記情報取得部は、他の通信制御装置から情報を取得する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項6】
一次システムに割り当てられている周波数帯域の少なくとも一部を二次利用する無線通信装置であって、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置に通知し、前記通信制御装置により前記情報に基づいて選定された推奨されるTDDフレーム構成を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記推奨されるTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定する制御部と、
を備え、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
無線通信装置。
【請求項7】
通信制御装置が、
複数の無線通信装置に関する情報を取得することと、
前記複数の無線通信装置に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々に推奨されるTDDフレーム構成を選定することと、
選定された前記推奨されるTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知することと、
を実施するための方法であって、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
方法。
【請求項8】
無線通信装置が、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置へ通知することと、
前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨されるTDDフレーム構成を取得することと、
取得された前記推奨されるTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定することと、
を実施するための方法であって、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
方法。
【請求項9】
通信制御装置を、
複数の無線通信装置に関する情報を取得する情報取得部と、
前記複数の無線通信装置に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々に推奨されるTDDフレーム構成を選定することを実施する判定部と、
選定された前記推奨されるTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知する通知部と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
プログラム。
【請求項10】
無線通信装置を、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置へ通知し、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨されるTDDフレーム構成を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記推奨されるTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定する制御部と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信制御装置、無線通信装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
将来の周波数リソースの枯渇を緩和するための対策の1つとして、周波数の二次利用についての議論が進められている。周波数の二次利用とは、あるシステムに優先的に割り当てられている周波数チャネルの一部又は全部を、他のシステムが二次的に利用することをいう。一般的に、周波数チャネルが優先的に割り当てられているシステムは一次システム(Primary System)、当該周波数チャネルを二次利用するシステムは二次システム(Secondary System)と呼ばれる。
【0003】
TVホワイトスペースは、二次利用が議論されている周波数チャネルの一例である。TVホワイトスペースは、一次システムとしてのTV放送システムに割り当てられている周波数チャネルのうち、地域に応じて当該TV放送システムにより利用されていないチャネルを指す。このTVホワイトスペースを二次システムに開放することで、周波数リソースの効率的な活用が実現され得る。TVホワイトスペースの二次利用を可能とするための物理層(PHY)及びMAC層の無線アクセス方式の仕様として、例えば、IEEE802。22、IEEE802。11af、及びECMA(European Computer Manufacturer Association)-392(CogNea)などの複数の標準仕様が存在する。
【0004】
米国においては、周波数の2次利用に基づくCBRS(Citizens Broadband Radio Service)という新たな周波数利用形態を、新規に採択されたFCC(Federal Communications Commission)規則第96部(Part 96)を基に3550-3700MHz帯への導入を進める動きが加速している。CBRSで運用される無線アクセスシステムとして、現時点ではLTE(Long Term Evolution)や、LTEをベースとして近年開発が進められているMulteFireが主流になることが想定されている。
【0005】
このような周波数2次利用に関し、下記特許文献1では、位置情報と周波数情報が対応付けられた位置/周波数リストを保持する保持部と、位置情報に基づき、当該位置情報に対応する周波数情報を前記位置/周波数リストから抽出して使用可能周波数リストを作成するリスト作成部と、前記使用可能周波数リストの利用主体である基地局に前記使用可能周波数リストを送信する送信部と、前記基地局に送信した前記使用可能周波数リストと、前記基地局から返送される使用可能周波数リストとを比較するリスト比較部とを備え、前記リスト作成部は、前記基地局により前記使用可能周波数リストのうちで利用されている周波数を示す情報に基づき、前記使用可能周波数リストを再作成する、管理サーバが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献1などで提案されている周波数2次利用のための技術は、複数の異なる事業者が運用するセルラーシステムが混在することを想定していない。米国のCBRSにおいては、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)を用いてLTEの運用を行うことが実施形態の1つとして想定され、その場合、共存のために異なる基地局間で同期をとる必要がある。同一事業者内であれば、LTEの場合、X2インタフェースと呼ばれる基地局間インタフェースを利用することが可能である。しかしながら、異なる事業者間では同期が困難である。これによって、同一チャネル干渉のみならず、隣接チャネル干渉が問題となる。将来的には、LTEと無線フレーム等が異なる5G(5th Generation)、または5G以降の無線アクセス技術(RAT:Radio Access Technology)のように異なるRATが周波数2次利用で運用されると容易に予測されるため、より基地局間の同期が困難になるものと考えられる。
【0008】
そこで、本開示では、複数の異なるRAT間、異なる事業者ネットワーク間での共存を行うことが可能な、新規かつ改良された通信制御装置、無線通信装置、装置、方法及びプログラムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示によれば、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することを実施する判定部と、選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知する通知部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0010】
また、本開示によれば、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行う判定部と、前記判定部で抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知する通知部と、を備える通信制御装置が提供される。
【0011】
また、本開示によれば、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得する通信部と、前記通信部で取得される推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定する制御部と、を備える無線通信装置が提供される。
【0012】
また、本開示によれば、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得することと、前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することと、選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知することと、を実施するための方法が提供される。
【0013】
また、本開示によれば、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得することと、前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行うことと、抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知することと、を実施するための方法が提供される。
【0014】
また、本開示によれば、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得することと、前記推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定することと、を実施するための方法が提供される。
【0015】
また、本開示によれば、コンピュータを、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することを実施する判定部と、選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知する通知部と、を機能させるためのプログラムが提供される。
【0016】
また、本開示によれば、コンピュータを、1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行う判定部と、前記判定部で抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知する通知部と、を機能させるためのプログラムが提供される。
【0017】
また、本開示によれば、コンピュータを、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得する通信部と、前記通信部で取得される推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定する制御部と、を機能させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本開示によれば、複数の異なるRAT間、異なる事業者ネットワーク間での共存を行うことが可能となる。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本開示の一実施形態に係る通信システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】本実施形態に係るアーキテクチャを説明するための図である。
【
図3】本実施形態に係る通信制御装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】本実施形態に係る無線通信装置の配置例を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る無線通信装置の配置例を示す図である。
【
図6】本実施形態に係る無線通信装置の配置例を示す図である。
【
図7】本実施形態に係る無線通信装置の配置例を示す図である。
【
図8】本実施形態に係る無線通信装置の配置例を示す図である。
【
図9】本実施形態に係る無線通信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】本実施形態に係る通信制御装置及び無線通信装置間で実施されるプロシージャの一例を説明するための図である。
【
図11】本実施形態に係る通信制御装置及び無線通信装置間で実施されるプロシージャの一例を説明するための図である。
【
図12】本開示の一実施形態に係る通信システムの概要を説明するための説明図である。
【
図13】本実施形態に係る複数の通信制御装置間で実施されるプロシージャの一例を説明するための図である。
【
図14】本実施形態に係る複数の通信制御装置間で実施されるプロシージャの一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて通信制御装置10A及び10Bのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、通信制御装置10A及び10Bを特に区別する必要が無い場合には、単に通信制御装置10と称する。
【0022】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.概要
1.1.システムの全体的な構成
1.2.技術的課題
2.第1の実施形態
2.1.アーキテクチャ
2.2.通信制御装置の構成例
2.3.通信制御装置の技術的特徴
2.4.無線通信装置の構成例
2.5.無線通信装置の技術的特徴
2.6.プロシージャ
3.第2の実施形態
3.1.通信制御装置の構成例
3.2.通信制御装置の技術的特徴
3.3.プロシージャ
4.まとめ
【0023】
<<1.概要>>
<1.1.システムの全体的な構成>
図1は、本開示の一実施形態に係る通信システムの概要を説明するための説明図である。
【0024】
図1を参照すると、第1の通信事業者Aによって運用される複数の無線通信装置30A、及び第2の通信事業者Bによって運用される複数の無線通信装置30Bが示されている。また、無線通信装置30Cは、通信事業者に管理されない無線通信装置である。
図1に示すように、無線通信装置30は、典型的には基地局又はアクセスポイント等の送信局である。送信局である無線通信装置30Aは、サービスエリアの内部に位置する受信局に通信事業者Aのサービスを提供する。送信局である無線通信装置30Bも同様に、サービスエリアの内部に位置する受信局に通信事業者Bのサービスを提供する。
【0025】
無線通信装置30A及び30Bは、ネットワーク管理装置20A及び20Bにそれぞれ接続される。ネットワーク管理装置20は、通信事業者が複数の無線通信装置30の管理や、制御のために導入する装置である。
【0026】
なお、LTEにおいては、例えば、EMS(Element Management System)やDM(Domain Manager)と呼ばれるものであってよい。または、WInnF(Wireless Innovation Forum)で標準化されたアーキテクチャに含まれるDP(Domain Proxy)と呼ばれるエンティティであってもよい。または、EMSやDM、DPを一体的に提供する管理装置や、これらの集まりをネットワーク管理装置として扱ってもよい。
【0027】
ネットワーク管理装置20A及び20Bは、通信制御装置10に接続される。また、独立に存在する無線通信装置30Cも、通信制御装置10に接続される。通信制御装置10は、一次システムに割り当てられた周波数チャネルの2次利用認可を、致命的な干渉を前記一次システムに与えない範囲で、無線通信装置30に対して与える。具体的には、利用可能な周波数のリスト及び/又は送信電力を無線通信装置の各々へ通知する機能、または無線通信装置30が利用を希望する周波数及び/又は送信電力の利用可否判定およびその判定結果を無線通信装置の各々へ通知する機能を有し、典型的には一次システムの保護(Protection)を行う。ネットワーク管理装置20は、配下の複数の無線通信装置30と通信制御装置10との通信を仲介すること及び/または通信制御装置10から知得した情報に基づき無線通信装置30の無線パラメータの再構成補助等を実施する。
【0028】
なお、一次システムとしては、例えばTV放送システム、PMSE(Program Making and Special Events)、レーダ(軍用、艦載、気象等)、固定衛星業務(FSS:Fixed Satellite Service)、移動衛星業務(MSS:Mobile Satellite Service)及び地球探査衛星業務(EESS:Earth Exploration Satellite Service)等が挙げられる。
【0029】
また、通信制御装置10は、複数の無線通信装置30の各々が、他の無線通信装置30に対して致命的な干渉を与えずに運用可能とするような制御判断をも実施する。典型的には共存制御(Coexistence management)を行う。
【0030】
ここで、複数の通信事業者のサービスエリアが、地理的に重複すると共に、利用周波数帯域が重複する場合がある。具体的な例としては、例えば、異なる通信事業者により運用されるLTE(Long Term Evolution)サービスの提供領域とWi-Fiサービスの提供領域とが重複する場合が考えられる。または、例えば、同一通信事業者内であっても、LTE(Long Term Evolution)サービスの提供領域と5G及び/またはその先のサービスの提供領域とが重複する場合が考えられる。または、例えば、通信事業者により運用される無線通信サービス(LTE、5G等)の提供領域と、個人運用の無線通信装置の運用される領域とが重複する場合が考えられる。
【0031】
本実施形態では、このような状況下において、一次システムに割り当てられている周波数帯域の一部又は全部を、1以上の無線通信装置が協調して二次利用することを想定する。そのためには、異なる通信事業者間、異なる無線通信装置間で共存のために適切な情報が交換されることが望ましい。または、適切な情報を用いて通信制御装置による制御判断が実施されることが望ましい。
【0032】
<1.2.技術的課題>
異なる通信事業者間、異なる無線通信装置間で共存の実施において、以下の懸念がある。
【0033】
(1)異なる事業者に属する無線通信装置間の同期
無線通信装置をTDDで運用することが想定される。LTEの場合、アップリンク及びダウンリンクの組み合わせの異なる無線フレーム構成が規定されており、干渉低減のために、無線通信装置間で同一の組み合わせを設定することが必要になる。また、時間同期を取る必要もある。同一事業者内であれば、無線通信装置(基地局)間のインタフェースとして規定されているX2インタフェースを活用することで、無線通信装置間の同期をとることが容易である。
【0034】
(2)異なるRATを具備する無線通信装置間の同期
周波数2次利用において運用されるRATは、LTEだけとは限らない。5Gであってもよいし、さらに次の世代のRATであってもよい。このような場合、RAT間で無線フレーム構成が異なるため、同一事業者内であっても、異なるRATを具備する無線通信装置間の同期は困難となる。異なる事業者に属する無線通信装置であればより一層同期の確保が困難となる。
【0035】
そこで、上記事情を一着眼点にして本開示の実施形態による発明を提供するに至った。これまでの周波数2次利用においては、無線通信装置のデュプレクスモードに着目した共存制御は提供されてこなかった。デュプレクスモードに係る情報の不足により、例えば同一チャネル干渉や隣接チャネル干渉が発生しうる。そこで、本実施形態では、通信制御装置による周波数2次利用管理および共存制御を実施するケースにおいて、デュプレクスモードに係る情報の交換および前記情報に基づいた共存制御判断を行う。これにより、異なる通信事業者間、異なる無線通信装置間の共存が可能となる。
【0036】
<<2.第1の実施形態>>
<2.1.アーキテクチャ>
図2は、本実施形態に係るアーキテクチャを説明するための図である。
【0037】
<2.2.通信制御装置の構成例>
以下では、
図3を参照して、通信制御装置の構成例を説明する。
【0038】
図3は、本実施形態に係る通信制御装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、通信制御装置10は、第1の通信部110、第2の通信部120及び処理部130を具備する。さらに、処理部130は、情報取得部131、判定部132、通知部133を具備する。
【0039】
第1の通信部110は、通信制御装置10と、ネットワーク管理装置20及び/または無線通信装置30との間の通信を仲介する通信インタフェースである。第1の通信部110は、任意の無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルをサポートし、1つ以上のネットワーク管理装置20及び/または無線通信装置30との間の通信接続を確立する。
【0040】
処理部130は、通信制御装置10の様々な機能を提供する。処理部130は情報取得部131、判定部132、通知部133を含む。なお、処理部130は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部130は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。処理部130の機能の詳細については、後に詳しく説明する。
【0041】
<2.3.通信制御装置の技術的特徴>
(1)情報取得機能
情報取得部131は、1以上の無線通信装置30間の共存制御の判断に必要な情報を取得する。少なくとも、無線通信装置が属するネットワークを示す情報と、無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報、位置に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間に係る情報とを取得する。
【0042】
なお、前記情報の一部又は全部は、無線通信装置30から直接取得されてよい。または、外部ネットワークまたはイントラネットワークに属する情報管理装置で前記情報の一部又は全部が管理される場合、前記情報管理装置から取得されてもよい。
【0043】
無線通信装置が属するネットワークを示す情報とは、典型的には、通信事業者を示す識別子である。MNC(Mobile Network Code)やPLMN(Public Land Mobile Network)ID等が想定されうる。通信事業者がさらに無線通信装置のグルーピングを実施している場合、無線通信装置が属するグループを示す識別子が含まれてもよい。さらに、1通信事業者が1以上のネットワーク管理装置20を設けている場合、ネットワーク管理装置を識別する識別子が含まれてもよい。無線通信装置がWi-Fiのような自律分散的なネットワークを提供するRATである場合、SSIDのようにローカルのネットワークを示す識別子であってもよい。
【0044】
無線アクセス技術情報とは、典型的には、無線通信装置が具備するRATを示す識別子である。運用中のRATの識別子だけでなく、無線通信装置が変更可能なRATの識別子も含まれてよい。さらに、LTEで規定されているTransmission Modeのように、共存制御の判断に寄与しうるRAT独自の運用パラメータが含まれてもよい。
【0045】
動作可能周波数帯に係る情報とは、典型的には、無線通信装置のハードウェア構成で動作可能とされる周波数帯域のことである。例えば、始端および終端の周波数が提供されてよい。または、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定される帯域の番号であってもよい。または、例えば、TV周波数帯のように、チャネル番号が振られている場合、チャネル番号が提供されてもよい。または、例えば、中心周波数と帯域幅の組み合わせによって動作可能周波数帯が提供されてもよい。いずれの情報を提供する場合であっても、複数の周波数帯域で動作可能である場合には、動作可能周波数帯に係る情報が複数提供されてもよい。
【0046】
位置に係る情報とは、典型的には、無線通信装置の地理位置及び/又は領域を特定可能な情報である。例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)に代表される位置測位機能を具備する無線通信装置によって取得される座標情報であってよい。典型的には、緯度、経度、高度、測位誤差に係る情報が含まれうる。または、例えば、NRA(National Regulatory Authority)またはその委託機関によって管理される情報管理装置に登録される位置情報であってよい。また、例えば、地理領域を示す情報として、行政上規定される情報として、国勢統計区(Census Tract)や地域名、都道府県名、州名、区市町村名、番地、住所といった情報が含まれうる。または、例えば、3以上の座標情報の組み合わせによって地理領域が表現されてもよい。または、例えば、座標情報と半径情報の組み合わせによって地理領域が表現されてもよい。
【0047】
デュプレクスモードに係る情報とは、無線通信装置において運用中のデュプレクスモードを示す識別子が少なくとも含まれる。周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)、補助ダウンリンク(SDL:Supplemental Downlink)、全二重複信(Full Duplex)などを示す識別子が含まれうる。前記識別子がTDDを示す場合、さらに、下記表1に示すTDDフレーム構成(Configuration)のうち、運用中の構成を示す識別子が含まれる。
【0048】
【0049】
上記表1は3GPP TS 36.300において記載がされている。
【0050】
伝送時間に係る情報とは、典型的には、TTI(Transmission Time Interval)である。さらに、TTIが可変であるならば、無線通信装置が変更可能なTTI値が含まれてもよい。
【0051】
(2)判定機能
判定部132は、典型的には、共存制御に係る判断を行う機能を有する。具体的には、前記情報取得部で取得された1以上の無線通信装置の情報を用いて、前記無線通信装置の各々が提供するサービスエリアまたはカバレッジの比較を行い、前記無線通信装置間の位置関係を判定する。ここでは、以降に示す判定を行う。
【0052】
(ケース1)
図4は、同一事業者に属する複数の無線通信装置30が、同一RATを運用し、かつカバレッジが一部オーバラップしている状況を示している。このような状況においては、LBT(Listen-Before-Talk)のような無線通信装置30が具備するRAT独自の共存メカニズムが利用可能である。さらに、同一事業者内であるため、ネットワーク管理装置20による独自共存アルゴリズムや無線通信装置30間のインタフェース(e.g. LTE X2 interface)を活用することも可能である。TDD時の無線通信装置30間の同期も容易にとれる。
したがって、このような場合においては、無線通信装置30に対して、同一周波数帯を割り当ててもよいし、異なる周波数帯を割り当ててもよい。
【0053】
(ケース2)
図5は、同一事業者に属する複数の無線通信装置30が、異なるRATを運用し、かつカバレッジが一部オーバラップしている状況を示している。このような場合、無線フレーム構成や参照信号等の違いにより、LBTのようなセンシング系の共存メカニズムはあまり有効でないと考えられる。また、無線通信装置30間で時間同期がとれても、無線フレーム構成の違いから、同一事業者内であっても干渉制御は困難であると考えられる。さらに、TDDの場合、隣接チャネル干渉でも大きな問題となりうることからガードバンドを設けることが望ましい。
したがって、このような場合には、通信制御装置10から各無線通信装置30に通知する利用可能周波数帯が、少なくとも異なる周波数帯を含めるようにする。
【0054】
(ケース3)
図6は、異なる事業者に属する無線通信装置30が、同一RATを運用し、かつカバレッジが一部オーバラップしている状況を示している。このような場合、 LBTのような無線通信装置30が具備するRAT独自の共存メカニズムが働く可能性はある。しかしながら、事業者が異なるため、ネットワーク管理装置20による独自共存アルゴリズムや無線通信装置30間のインタフェース(e.g. LTE X2 interface)を活用して事業者間の共存を実現することが困難である。さらに、TDDの場合、隣接チャネル干渉が大きな問題となりうることからガードバンドを設けることが望ましい。したがって、このような場合には、通信制御装置10から各無線通信装置に通知する利用可能周波数帯が、少なくとも異なる周波数帯を含めるようにする。また、さらに、各無線通信装置に隣接カバレッジのTDDフレーム構成情報を提供する。または、通信制御装置10において、各無線通信装置に推奨されるTDDフレーム構成を選定し、それを各無線通信装置に提供する。
【0055】
(ケース4)
図7は、異なる事業者に属する無線通信装置30が、異なるRATを運用し、かつカバレッジが一部オーバラップしている状況を示している。このような場合、無線フレーム構成や参照信号等の違いにより、LBTのようなセンシング系の共存メカニズムはあまり有効でないと考えられる。さらに、事業者が異なるため、ネットワーク管理装置20による独自共存アルゴリズムや無線通信装置間のインタフェース(e.g.LTE X2 interface)を活用して事業者間の共存を実現することが困難である。さらに、TDDの場合、隣接チャネル干渉でも大きな問題となりうることからガードバンドを設けることが望ましい。
したがって、このような場合には、周波数管理データベースから各無線通信装置に通知する利用可能周波数帯が、少なくとも異なる周波数帯を含めるようにする。また、さらに、各無線通信装置に推奨されるTDDフレーム構成を選定し、それを各無線通信装置に提供する。
【0056】
(ケース5)
図8は、事業者やRATを問わず複数の無線通信装置30間で、カバレッジがオーバラップしていない状況を示している。このような場合、事業者やRATの種類を問わず、無線通信装置間で致命的な干渉が発生する可能性は極めて低い。したがって、このような場合は、通信制御装置から各無線通信装置に通知する利用可能周波数帯はなんでもよい.できれば周波数利用効率の観点から同一の周波数帯が利用可能であると通知されることが望ましい。
【0057】
(3)通知機能
通知部133は、典型的には、判定部の判定結果に基づくメッセージを生成し、通信部へ送る機能を有する。具体的には、無線通信装置30の推奨動作パラメータとして、推奨無線アクセス技術情報と、推奨周波数帯に係る情報と、推奨デュプレクスモードに係る情報と、推奨伝送時間間隔に係る情報とのいずれか1以上の情報が含まれうる。
【0058】
推奨無線アクセス技術情報とは、典型的には、運用が推奨されるRATを示す識別子及び/またはRAT独自の運用パラメータである。RAT独自の運用パラメータとは、例えば、LTEで規定されているTransmission Modeである。
【0059】
推奨周波数帯に係る情報とは、例えば、運用が推奨される周波数帯域の始端および終端が提供される。または、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定される帯域の番号であってもよい。または、例えば、TV周波数帯のように、チャネル番号が振られている場合、チャネル番号が提供されてもよい。または、例えば、中心周波数と帯域幅の組み合わせによって推奨周波数帯が提供されてもよい。いずれの情報を提供する場合であっても、複数の周波数帯域での動作が推奨される場合には、推奨周波数帯に係る情報が複数提供されてもよい。
【0060】
推奨デュプレクスモードに係る情報とは、運用が推奨されるデュプレクスモードを示す識別子が少なくとも含まれる。周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)、補助ダウンリンク(SDL:Supplemental Downlink)、全二重複信(Full Duplex)などを示す識別子が含まれうる。前記識別子がTDDを示す場合、さらに、前記表1に示すTDDフレーム構成(Configuration)のうち、運用中の構成を示す識別子が含まれる。
【0061】
推奨伝送時間間隔とは、典型的には、TTI(Transmission Time Interval)である。
【0062】
<2.4.無線通信装置の構成例>
以下では、
図9を参照して、無線通信装置の構成例を説明する。
【0063】
図9は、本実施形態に係る無線通信装置30の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、無線通信装置30は、通信部310、制御部320を具備する。
【0064】
通信部310は、通信制御装置10と、ネットワーク管理装置20及び/または無線通信装置30との間の通信を仲介する通信インタフェースである。通信部310は、任意の無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルをサポートし、通信制御装置及び/またはネットワーク管理装置20及び/または無線通信装置30との間の通信接続を確立する。通信部310は、複数の異なる通信セッションを持つことが可能である。換言すれば、例えば、通信部310はネットワーク管理装置20との有線回線による通信と他の無線通信装置30との無線回線による通信を同時に行うことが可能である。
【0065】
制御部320は、通信部310における通信パラメータの制御、メッセージやパケットの生成の機能を有する。
【0066】
<2.5.無線通信装置の技術的特徴>
(1)通信機能
通信部310は、通信制御装置10における通信制御に必要となる情報を含むメッセージを通信制御装置10へ送達する機能を有する。前記通信制御に必要となる情報は、少なくとも、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報とを含む。また、位置情報が、NRAまたはその委託機関によって管理されず、自身が具備する位置測位機能によって取得し、通信制御装置10へ通知する必要がある場合においては、前記メッセージに位置情報を含む。
これらの情報は、前記「通信制御装置の技術的特徴」における記述と同等のものが使われる。
【0067】
また、通信部310は、通信制御装置10において前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得する機能を有する。推奨動作パラメータには、推奨無線アクセス技術情報と、推奨周波数帯に係る情報と、推奨デュプレクスモードに係る情報と、推奨伝送時間間隔に係る情報の少なくとも1以上の情報が含まれうる。これらの情報は、前記「通信制御装置の技術的特徴」における記述と同等のものが使われる。
【0068】
(2)制御機能
制御部320は、通信制御装置10へ送達する通信制御に必要となる情報を含むメッセージを生成する機能を有する。
【0069】
また、制御部320は、通信部310において取得された推奨動作パラメータに基づき、通信部310において実施する無線通信の運用パラメータの変更を行う機能を有する。
【0070】
<2.6.プロシージャ>
以下では、
図10、
図11を参照して、通信制御装置10および無線通信装置30の導入に伴い実施されるプロシージャ例を説明する。
【0071】
図10に記載のプロシージャは、通信制御のリクエストを実施するためのプロシージャである。通信制御リクエスト(S110)と、通信制御判断(S120)と、通信制御レスポンス(S130)とを実施する。
【0072】
通信制御リクエスト(S110)には、少なくとも、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報とを含む。また、位置情報が、NRAまたはその委託機関によって管理されず、自身が具備する位置測位機能によって取得して通信制御装置10へ通知する必要がある場合においては、前記メッセージに位置情報を含む。
【0073】
通信制御判断(S120)においては、通信制御リクエスト(S110)で取得した1以上の無線通信装置の情報を用いて、前記無線通信装置の各々が提供するサービスエリアまたはカバレッジの比較を行い、前記無線通信装置間の位置関係を判定し、推奨動作パラメータの選定を行う。
【0074】
通信制御レスポンス(S130)には、推奨無線アクセス技術情報と、推奨周波数帯に係る情報と、推奨デュプレクスモードに係る情報と、推奨伝送時間間隔に係る情報とのいずれか1以上の情報が含まれうる。
【0075】
図11に記載のプロシージャは、無線通信装置30がネットワーク管理装置20を介して、通信制御装置10に対して通信制御のリクエストを実施するためのプロシージャである。通信制御リクエスト(S110)と、累積通信制御リクエスト(S111)と、通信制御判断(S120)と、累積通信制御レスポンス(S131)と、通信制御レスポンス(S130)とを実施する。
【0076】
通信制御リクエスト(S110)には、少なくとも、属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報とを含む。また、位置情報が、NRAまたはその委託機関によって管理されず、自身が具備する位置測位機能によって取得して通信制御装置10へ通知する必要がある場合においては、前記メッセージに位置情報を含む。
【0077】
累積通信制御リクエスト(S111)には、1以上の無線通信装置の通信制御リクエストを含む。
【0078】
通信制御判断(S120)においては、通信制御リクエスト(S110)で取得した1以上の無線通信装置の情報を用いて、前記無線通信装置の各々が提供するサービスエリアまたはカバレッジの比較を行い、前記無線通信装置間の位置関係を判定し、推奨動作パラメータの選定を行う。
【0079】
累積通信制御レスポンス(S110)には、1以上の無線通信装置に関する通信制御レスポンスが含まれる。それぞれの通信制御レスポンスには、推奨無線アクセス技術情報と、推奨周波数帯に係る情報と、推奨デュプレクスモードに係る情報と、推奨伝送時間間隔に係る情報とのいずれか1以上の情報が含まれうる。
【0080】
通信制御レスポンス(S110)には、累積通信制御レスポンスから分解された無線通信装置おのおのへの通信制御レスポンスが含まれる。
【0081】
<<3.第2の実施形態>>
図12を参照して、第2の実施形態に係るアーキテクチャの説明を行う。なお、各々の通信制御装置配下の構成に関しては、第1の実施形態と同様の構成を利用できるため、第2の実施形態の説明においては、複数の通信制御装置の通信に係る説明のみを行う。
【0082】
第2の実施形態においては、複数の通信制御装置10Aおよび10Bが存在し、これらの通信制御装置が配下の無線通信装置に係る情報を交換しつつ、共存に係る通信制御判断を実施する。
【0083】
<3.1.通信制御装置の構成例>
第1の実施形態と同様に、
図3に示すブロック図が、本実施形態に係る通信制御装置10の構成の一例を示す。
図3に示すように、通信制御装置10は、第1の通信部110、第2の通信部120及び処理部130を具備する。さらに、処理部130は、情報取得部131、判定部132、通知部133を具備する。
【0084】
第2の通信部120は、他の通信制御装置との間の通信を仲介する通信インタフェースである。第2の通信部120は、任意の無線通信プロトコル又は有線通信プロトコルをサポートし、1つ以上の通信制御装置との間の通信接続を確立する。
【0085】
処理部130は、通信制御装置10の様々な機能を提供する。処理部130は情報取得部131、判定部132、通知部133を含む。なお、処理部130は、これらの構成要素以外の他の構成要素をさらに含み得る。即ち、処理部130は、これらの構成要素の動作以外の動作も行い得る。処理部130の機能の詳細については、後に詳しく説明する。
【0086】
<3.2.通信制御装置の技術的特徴>
(1)情報取得機能
第1の実施形態と同様に、情報取得部131は、1以上の無線通信装置30間の共存制御の判断に必要な情報を取得する。第2の実施形態においては、さらに、他の通信制御装置の配下にある無線通信装置に関する情報も取得する。少なくとも、無線通信装置が属するネットワークを示す情報と、無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報、位置に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間に係る情報とを取得する。
【0087】
(2)判定機能
判定部132は、典型的には、第1の実施形態と同様に共存制御に係る判断を行う機能を有する。具体的には、前記情報取得部で取得された1以上の無線通信装置の情報を用いて、前記無線通信装置の各々が提供するサービスエリアまたはカバレッジの比較を行い、前記無線通信装置間の位置関係を判定する。
【0088】
さらに、判定部132は、他の通信制御装置からの情報取得リクエストに基づき、該当する無線通信装置の情報抽出、選択といった判定処理を実施する。
【0089】
(3)通知機能
通知部133は、典型的には、第1の実施形態と同様に判定部の判定結果に基づくメッセージを生成し、通信部へ送る機能を有する。第2の実施形態においては、具体的には、生成したメッセージを第2の通信部120に対して送る。
【0090】
<3.3.プロシージャ>
以下では、
図13、
図14を参照して、通信制御装置10Aおよび通信制御装置10Bの間で実施されるプロシージャ例を説明する。
【0091】
図13に記載のプロシージャは、通信制御に係る情報の取得リクエストを実施するためのプロシージャである。情報取得リクエスト(S141)と、情報取得に係る判定処理(S151)と、レスポンス(S161)とを実施する。
【0092】
情報取得リクエスト(S141)には、例えば、地理位置及び/又は領域に係る情報が含まれうる。例えば、緯度、経度、高度からなる座標情報が含まれうる。また、例えば、地理領域を示す情報として、行政上規定される情報として、国勢統計区(Census Tract)や地域名、都道府県名、州名、区市町村名、番地、住所といった情報が含まれうる。または、例えば、3以上の座標情報の組み合わせによって地理領域が表現されてもよい。または、例えば、座標情報と半径情報の組み合わせによって地理領域が表現されてもよい。
【0093】
情報取得リクエスト(S141)には、さらに、検索条件として、周波数帯域に係る情報が含まれうる。例えば、周波数帯域の始端および終端が提供される。または、例えば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で規定される帯域の番号であってもよい。または、例えば、TV周波数帯のように、チャネル番号が振られている場合、チャネル番号が提供されてもよい。または、例えば、中心周波数と帯域幅の組み合わせによって周波数帯が指定されてもよい。いずれの情報を提供する場合であっても、複数の周波数帯域に関して無線通信装置の情報を取得したい場合には、周波数帯に係る情報が複数提供されてもよい。
【0094】
情報取得リクエスト(S141)には、さらに、検索条件として、デュプレクスモードに係る情報が含まれうる。周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)、時分割複信(TDD:Time Division Duplex)、補助ダウンリンク(SDL:Supplemental Downlink)、全二重複信(Full Duplex)などを示す識別子が含まれうる。
【0095】
情報取得に係る判定処理(S151)においては、情報取得リクエスト(S141)で取得した情報を検索条件として、該当する無線通信装置を抽出する。
【0096】
レスポンス(S161)においては、情報取得に係る判定処理(S151)で抽出された無線通信装置の情報が含まれる。少なくとも、無線通信装置が属するネットワークを示す情報と、無線アクセス技術情報と、動作周波数帯に係る情報、位置に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間に係る情報とを取得する。
【0097】
なお、前記情報の一部又は全部は、外部ネットワークまたはイントラネットワークに属する情報管理装置で前記情報の一部又は全部が管理される場合、レスポンス(S161)後に前記情報管理装置から取得されてもよい。
【0098】
図14に記載のプロシージャは、他の通信制御装置に対して通信制御リクエストを行うためのプロシージャである。通信制御リクエスト(S142)と、通信制御判定処理(S152)と、通信制御レスポンス(S162)とを実施する。
【0099】
通信制御リクエスト(S142)では、例えば、無線パラメータの変更命令が通達される。この場合、無線通信装置を特定可能な識別子を少なくとも含み、さらに、無線アクセス技術情報と、動作周波数帯に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間に係る情報との1以上の組み合わせが含まれうる。
【0100】
通信制御判定処理(S152)では、通信制御リクエスト(S142)において取得した情報に基づき、対象となる無線通信装置の抽出と、前記情報に含まれるパラメータへの変更に係る可否判定処理と、を実施する。
【0101】
無線通信装置の抽出は、前記通信制御リクエスト(S142)において取得した情報を検索条件として、自身が管理する無線通信装置のリスト等から対象となる無線通信装置を探索する。
【0102】
前記情報に含まれるパラメータへの変更に係る可否判定処理は、例えば、通信制御リクエスト(S142)において具体的に変更パラメータが指定されている場合、抽出された無線通信装置が前記パラメータへの変更が可能かどうかを判定し、パラメータの変更を行う。または、例えば、通信制御リクエスト(S142)において具体的に変更パラメータが指定されていない場合、抽出された無線通信装置が変更すべきパラメータの選定処理と、変更すべきパラメータ値の計算処理を実施する。
【0103】
通信制御レスポンス(S162)では、通信制御判定処理(S152)の結果に基づいて、レスポンスメッセージを生成し、リクエスト元の通信制御装置へメッセージを送達する。典型的には、処理ステータスコードが少なくとも含まれ、処理ステータスコードがSUCCESS以外を示す場合には、エラーメッセージが含まれうる。
【0104】
<<4.まとめ>>
以上、
図1~
図14を参照して、本開示の一実施形態について詳細に説明した。上記説明したように、本実施形態に係る通信制御装置は、自身が管理する無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、位置情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間間隔に係る情報を取得することができる。これにより、無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定することと、判定された位置関係に応じて、当該無線通信装置に推奨される動作パラメータを選定することによって、無線通信装置間の共存制御を実施できるようになる。また、本実施形態に係る第1の通信制御装置は、第2の通信制御装置が管理する無線通信装置に係る無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、位置情報、デュプレクスモードに係る情報、伝送時間間隔に係る情報を取得することができる。これにより、通信制御装置間で、共存のために必要な情報が共有されることとなる。このようにして、複数の通信制御装置間での情報交換と、異なる通信制御装置の配下の無線通信装置を考慮した共存制御を円滑に行うことが可能となる。
【0105】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0106】
また、本明細書の装置(例えば、基地局、基地局装置若しくは基地局装置のためのモジュール、又は、端末装置若しくは端末装置のためのモジュール)に備えられるプロセッサ(例えば、CPU、DSPなど)を上記装置の構成要素(例えば、処理部130など)として機能させるためのコンピュータプログラム(換言すると、上記プロセッサに上記装置の構成要素の動作を実行させるためのコンピュータプログラム)も作成可能である。また、当該コンピュータプログラムを記録した記録媒体も提供されてもよい。また、上記コンピュータプログラムを記憶するメモリと、上記コンピュータプログラムを実行可能な1つ以上のプロセッサとを備える装置(例えば、基地局、基地局装置若しくは基地局装置のためのモジュール、又は、端末装置若しくは端末装置のためのモジュール)も提供されてもよい。また、上記装置の構成要素(例えば、処理部130など)の動作を含む方法も、本開示に係る技術に含まれる。
【0107】
また、本明細書においてフローチャート及びシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0108】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0109】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、
前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することを実施する判定部と、
選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知する通知部と、
を備える通信制御装置。
(2)
前記情報取得部は、少なくとも地理位置及び/又は領域に係る情報とデュプレクスモードに係る情報とを取得し、
前記判定部は、TDDで動作する複数の無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、無線通信装置の各々に対して推奨されるTDDのフレーム構成の選定を行い、
前記通知部は、前記判定部で選定された推奨TDDフレーム構成を無線通信装置の各々へ通知する、前記(1)に記載の通信制御装置。
(3)
前記情報取得部は、無線通信装置から情報を取得する、
前記(1)又は(2)に記載の通信制御装置。
(4)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、
前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行う判定部と、
前記判定部で抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知する通知部と、
を備える通信制御装置。
(5)
前記情報取得部は、他の通信制御装置から情報を取得する、
前記(1)、(2)、又は(4)に記載の通信制御装置。
(6)
属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得する通信部と、
前記通信部で取得される推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定する制御部と、を備える無線通信装置。
(7)
前記通信部は、少なくとも、デュプレクスモードに係る情報を通知することと、通信制御装置によって選定された推奨TDDフレーム構成に係る情報を取得することと、を実施し、
前記制御部は、前記通信部で取得された推奨TDDフレーム構成に係る情報に基づき、TDDの運用パラメータ変更を実施する、前記(6)に記載の無線通信装置。
(8)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得することと、
前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することと、
選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知することと、
を実施するための方法。
(9)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得することと、
前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行うことと、
抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知することと、
を実施するための方法。
(10)
属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得することと、
前記推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定することと、
を実施するための方法。
(11)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、
前記情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、判定された位置関係に応じて、前記無線通信装置の各々に推奨される動作パラメータを選定することを実施する判定部と、
選定された動作パラメータを当該無線通信装置へ通知する通知部と、
を機能させるためのプログラム。
(12)
1以上の無線通信装置が属するネットワークを示す情報、無線アクセス技術情報,動作可能周波数帯に係る情報、地理位置及び/又は領域に係る情報、デュプレクスモードに係る情報、又は、伝送時間間隔に係る情報を取得する情報取得部と、
前記情報に該当する無線通信装置の抽出を行う判定部と、
前記判定部で抽出された無線通信装置に係る前記情報を通知する通知部と、
を機能させるためのプログラム。
(13)
属するネットワークを示す情報と、運用中の無線アクセス技術情報と、動作可能周波数帯に係る情報と、デュプレクスモードに係る情報と、伝送時間間隔に係る情報と、を通信制御装置へ通知することと、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された推奨動作パラメータを取得する通信部と、
前記通信部で取得される推奨動作パラメータに基づいて動作パラメータを設定する制御部と、
を機能させるためのプログラム。
【符号の説明】
【0110】
10 通信制御装置
110 第1の通信部
120 第2の通信部
130 処理部
131 情報取得部
132 判定部
133 通知部
20 ネットワーク管理装置
30 無線通信装置
310 通信部
320 制御部
【手続補正書】
【提出日】2022-01-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次システムに割り当てられている周波数帯域の少なくとも一部を二次利用する複数の無線通信装置の制御を行う通信制御装置であって、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報を取得する情報取得部と、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を選定する判定部と、
選定された前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知する通知部と、
を備え、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
通信制御装置。
【請求項2】
前記TDDフレーム構成に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々から取得される、請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記情報取得部は、前記無線通信装置の各々から、前記複数の無線通信装置の各々に関する情報の少なくとも一部を取得する、
請求項1又は2に記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記TDDフレーム構成に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々が利用を希望するTDDフレーム構成に関する情報を含む、請求項2に記載の通信制御装置。
【請求項5】
前記判定部は、前記TDDフレーム構成に関する情報によって指定された前記TDDフレーム構成への適用が可能か判定する、請求項2~4のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項6】
前記情報取得部は、他の通信制御装置から、前記複数の無線通信装置の各々に関する情報の少なくとも一部を取得する、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項7】
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、TDDフレーム構成に関する情報、及び、属するグループに関する情報を含む、
請求項1に記載の通信制御装置。
【請求項8】
一次システムに割り当てられている周波数帯域の少なくとも一部を二次利用する無線通信装置であって、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置に通知し、前記通信制御装置により前記情報に基づいて選定された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定する制御部と、
を備え、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置が利用を希望するTDDフレーム構成に関する情報を含む、
無線通信装置。
【請求項9】
通信制御装置が、
複数の無線通信装置の各々に関する情報を取得することと、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を選定することと、
選定された前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知することと、
を実施するための方法であって、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
方法。
【請求項10】
一次システムに割り当てられている周波数帯域の少なくとも一部を二次利用する無線通信装置が、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置へ通知することと、
前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成を取得することと、
取得された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定することと、
を実施するための方法であって、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置が利用を希望するTDDフレーム構成に関する情報を含む、
方法。
【請求項11】
通信制御装置を、
複数の無線通信装置の各々に関する情報を取得する情報取得部と、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報を用いて、前記無線通信装置のカバレッジ間の位置関係を判定し、前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を選定することを実施する判定部と、
選定された前記無線通信装置の各々のためのTDDフレーム構成を当該無線通信装置へ通知する通知部と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記複数の無線通信装置の各々に関する情報は、前記複数の無線通信装置の各々の、地理位置に関する情報、及び、TDDフレーム構成に関する情報を含む、
プログラム。
【請求項12】
無線通信装置を、
前記無線通信装置に関する情報を通信制御装置へ通知し、前記通信制御装置によって前記情報を基に選定された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成を取得する通信部と、
前記通信部で取得された前記無線通信装置のためのTDDフレーム構成に基づいてTDDフレーム構成を設定する制御部と、
として機能させるためのプログラムであって、
前記無線通信装置に関する情報は、前記無線通信装置が利用を希望するTDDフレーム構成に関する情報を含む、
プログラム。