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特開2022-43249保護キャップ層を用いるプラチナ含有薄膜のエッチング
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043249
(43)【公開日】2022-03-15
(54)【発明の名称】保護キャップ層を用いるプラチナ含有薄膜のエッチング
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20220308BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 21/8238 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 29/417 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 21/306 20060101ALI20220308BHJP
   H01L 21/308 20060101ALI20220308BHJP
【FI】
H01L29/78 301P
H01L27/088 D
H01L27/092 F
H01L21/88 Q
H01L21/88 T
H01L29/50 M
H01L21/28 301S
H01L21/28 301R
H01L21/306 F
H01L21/308 F
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021212952
(22)【出願日】2021-12-27
(62)【分割の表示】P 2019539226の分割
【原出願日】2018-01-19
(31)【優先権主張番号】62/448,138
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/714,169
(32)【優先日】2017-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】230129078
【弁護士】
【氏名又は名称】佐藤 仁
(72)【発明者】
【氏名】セバスティアン マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】ヘルムト リンク
(72)【発明者】
【氏名】マイク ミッテルステッド
(57)【要約】      (修正有)
【課題】保護キャップ層を用いたプラチナ含有薄膜のエッチング方法を提供する。
【解決手段】マイクロ電子デバイス(200)の基板(202)上にプラチナ含有層(220)を形成し、キャップ層(232)が、キャップ層とプラチナ含有層との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層上に形成される。キャップ層は、プラチナ含有層もエッチングするエッチャント中でエッチング可能であり、プラチナ酸化物がプラチナ含有層上に生じる前に、プラチナ含有層上に形成される。或いは、プラチナ含有層上のプラチナ酸化物は、キャップ層を形成する前に除去される。プラチナ含有層は、プラチナシリサイド(226)を形成するために用いられ、ウェットエッチャントをブロックするために、プラチナ含有層の頂部表面の一部の上にハードマスク又はマスキングプラチナ酸化物(264)を形成することによってパターニングされる。
【選択図】図2E
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
基板、及び
前記基板の頂部表面上のプラチナ含有層、
を含み、
前記プラチナ含有層が、前記基板の前記頂部表面とは反対に位置する頂部表面を有し、前記プラチナ含有層が、第1のセグメント及び前記第1のセグメントに隣接する第2のセグメントを含み、
前記第1のセグメントにおける前記プラチナ含有層の前記頂部表面から前記第2のセグメントにおける前記プラチナ含有層の前記頂部表面まで測定したときの、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第1の離間が、前記第1のセグメントにおける前記基板の前記頂部表面から前記第2のセグメントにおける前記基板の前記頂部表面まで測定したときの、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第2の離間より大きく、
前記第1のセグメントにおける前記プラチナ含有層の前記頂部表面に沿って測定したときの前記第1のセグメントの幅が、前記第1のセグメントの厚みの二倍より小さく、
前記第2の離間が前記第1のセグメントの前記厚みの2倍より小さい、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記マイクロ電子デバイスが、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の前記基板の前記頂部表面上にプラチナ含有残留物がない、マイクロ電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層の少なくとも一部が抵抗器を提供する、マイクロ電子デバイス。
【請求項4】
マイクロ電子デバイスを形成する方法であって、
頂部表面を有する基板を提供すること、
前記基板の前記頂部表面上にプラチナ含有層を形成することであって、前記プラチナ含有層が、前記基板の前記頂部表面とは反対に位置する頂部表面を有すること、
前記プラチナ含有層の前記頂部表面上にキャップ層を形成することであって、前記プラチナ含有層の前記頂部表面における前記キャップ層と前記プラチナ含有層との間の界面にプラチナ酸化物がないこと、及び
ウェットエッチングプロセスによって前記キャップ層と前記プラチナ含有層の少なくとも一部とを除去し、前記基板の前記頂部表面を露出させること、
を含む、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、
前記キャップ層が主としてアルミニウムを含む、方法。
【請求項6】
請求項4に記載の方法であって、
前記キャップ層が、前記マイクロ電子デバイスの相互接続ラインにおける層の組成に等しい組成を有する、方法。
【請求項7】
請求項4に記載の方法であって、
前記ウェットエッチングプロセスが王水を用いる、方法。
【請求項8】
請求項4に記載の方法であって、
前記キャップ層が、前記プラチナ含有層が酸化環境に晒される前に形成される、方法。
【請求項9】
請求項4に記載の方法であって、
前記キャップ層が、前記プラチナ含有層の前記頂部表面からプラチナ酸化物を除去した後、形成される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記プラチナ酸化物を除去することが、スパッタエッチングプロセスを用いて実施される、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、
前記プラチナ酸化物を除去することが、前記プラチナ含有層を加熱することによって実施される、方法。
【請求項12】
請求項4に記載の方法であって、
前記キャップ層を形成する前に、前記プラチナ含有層の一部の上にハードマスクを形成することを更に含み、前記キャップ層が前記ハードマスクの上に形成される、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、
前記ハードマスクが誘電材料を含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法であって、
前記ハードマスクが導電性である、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、
前記キャップ層と前記プラチナ含有層の前記少なくとも一部とを前記ウェットエッチングプロセスを用いて除去した後、前記プラチナ含有層の残っている部分上に、前記ハードマスクをパターニングすることを更に含む、方法。
【請求項16】
請求項4に記載の方法であって、
前記プラチナ含有層の一部の上の前記キャップ層を除去すること、及び
前記キャップ層と前記プラチナ含有層の前記一部とを前記ウェットエッチングプロセスを用いて除去する前に、前記キャップ層によって露出された箇所の前記プラチナ含有層上にマスキングプラチナ酸化物を形成すること、
を更に含み、
前記マスキングプラチナ酸化物が、前記マスキングプラチナ酸化物の下の前記プラチナ含有層の除去をブロックする、方法。
【請求項17】
請求項4に記載の方法であって、
前記プラチナ含有層が、露出されたシリコン含有半導体材料に接し、
前記方法が更に、前記キャップ層と前記プラチナ含有層の前記少なくとも一部とを除去する前に、プラチナシリサイドを形成するために前記プラチナ含有層を加熱することを含む、方法。
【請求項18】
請求項4に記載の方法であって、
前記プラチナ含有層の少なくとも一部が、局所的相互接続を提供する、方法。
【請求項19】
請求項4に記載の方法であって、
前記局所的相互接続がプラチナシリサイドへの電気的接続を提供する、方法。
【請求項20】
請求項4に記載の方法であって、
前記プラチナ含有層の少なくとも一部がボンドパッドを提供する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、全般的に、マイクロ電子デバイスに関し、特に、マイクロ電子デバイスにおける金属層に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロ電子デバイスにおいて、プラチナ含有金属のパターニングされた層を形成することが望ましいことがある。プラチナ含有金属をエッチングすることは難しい。ウェットエッチングは、王水などの極めて強い酸を必要とし、また、エッチングされたエリアにプラチナ含有残留物を残す。また、ウェットエッチングは、非均一になる傾向があり、有意なオーバーエッチングを必要とし、それによって、パターニングされた層の横方向寸法において望ましくない変動が生じる。ドライエッチングは、イオンミリングとも称されるスパッタエッチングによって達成され得るが、マイクロ電子デバイス上に望ましくない再堆積されたプラチナ含有材料を生じさせる結果となり、それがマイクロ電子デバイスの信頼性を低下させ得る。また、スパッタエッチングは、スパッタエッチングチャンバの内部表面上に望ましくないプラチナ含有残留物を堆積させる結果となり得、それは、後に処理されるウェハ上に汚染を引き起こし得る。スパッタエッチングはまた、プラチナ含有金属の下の層における材料の選択性に乏しい。
【発明の概要】
【0003】
マイクロ電子デバイスの基板上にプラチナ含有層を形成することによって、マイクロ電子デバイスが形成される。キャップ層が、キャップ層とプラチナ含有層との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層上に形成される。キャップ層は、プラチナ含有層をエッチングするために用いられるエッチング液中でエッチング可能である。1つの態様において、キャップ層は、プラチナ含有層が酸化環境に曝される前にプラチナ含有層上に形成され得る。別の態様において、プラチナ含有層上のプラチナ酸化物は、キャップ層を形成する前に除去され得る。キャップ層及びプラチナ含有層は、その後、ウェットエッチングプロセスによって除去される。
【0004】
1つの態様において、キャップ層を形成する前に、ハードマスクが、プラチナ含有層の一部の上に形成され得る。プラチナ酸化物は、キャップ層が形成される前に、ハードマスクによって露出される箇所のプラチナ酸化物から除去される。エッチング液を用いる後続のウェットエッチングプロセスがキャップ層を除去し、ハードマスクによって露出された箇所のプラチナ含有層を除去し、パターニングされたエリアにプラチナ含有層を残す。
【0005】
別の態様において、キャップ層は、プラチナ含有層の一部の上から除去され得、パターニングされたエリアにおいてプラチナ含有層を露出させる。その後、露出されたプラチナ含有層上にマスキングプラチナ酸化物が形成され得る。エッチング液を用いる後続のウェットエッチングプロセスが、残りのキャップ層を除去し、キャップ層の下のプラチナ含有層を除去し、マスキングプラチナ酸化物の下のプラチナ含有層をパターニングされたエリアに残す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1A】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1B】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1C】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1D】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1E】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1F】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1G】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図1H】例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【0007】
図2A】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2B】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2C】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2D】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2E】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2F】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2G】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図2H】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【0008】
図3A】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図3B】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図3C】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図3D】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図3E】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図3F】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【0009】
図4A】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4B】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4C】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4D】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4E】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4F】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4G】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図4H】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【0010】
図5A】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図5B】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図5C】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図5D】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図5E】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図5F】別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【0011】
図6A】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6B】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6C】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6D】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6E】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6F】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6G】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6H】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
図6I】更に別の例示の形成方法の連続的段階の1段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図面は一定の縮尺で描かれているわけではない。例示の実施形態は、行為又は事象の図示される順に限定されず、幾つかの行為又は事象が、異なる順で及び/又は他の行為又は事象と同時に起こり得る。また、或る方法論を実装するために図示される行為又は事象の全てが必要とされるわけではない。
【0013】
プラチナ含有層を有する構成要素を含むマイクロ電子デバイスが、マイクロ電子デバイスのその時点の頂部表面上にプラチナ含有層を形成することを含む方法によって形成され得る。本明細書の目的のため、マイクロ電子デバイスの「その時点の頂部表面(instant top surface)」とは、開示されている特定の工程において存在するマイクロ電子デバイスの頂部表面を指すものと理解される。その時点の頂部表面の正体は、マイクロ電子デバイスの形成における工程毎に変化し得る。1つの工程において、その時点の頂部表面は、露出された半導体材料及び露出されたフィールド酸化物を示し得る。別の工程において、その時点の頂部表面は、相互接続領域における誘電体層を示し得る。更に別の工程において、その時点の頂部表面は、相互接続領域の上の保護的オーバーコート(PO)層示し得る。
【0014】
方法の一実装において、プラチナ含有層は、本質的にプラチナで構成され得る。別の実装において、プラチナ含有層は、イリジウム、ロジウム、ニッケル、パラジウム、又はそれらの組み合わせ等のその他のいくらかの金属と共に、主としてプラチナを含み得る。
【0015】
キャップ層がプラチナ含有層上に形成される。キャップ層は、キャップ層とプラチナ含有層との間の界面にプラチナ酸化物がないように形成される。本開示の目的のため、用語「プラチナ酸化物」は、プラチナの任意の化学量論的又は非化学量論的酸化物を指すと理解され、PtO、Pt、PtO、及びPtOを含むがそれらに限定されない。本開示の目的のため、用語「自然プラチナ酸化物」は、半導体製造施設においてウェハが通常遭遇する温度、例えば、20℃から50℃において大気に晒される結果としてプラチナ含有層上に生じるプラチナ酸化物を指すと理解される。自然プラチナ酸化物はまた、プラチナ含有層が室温近くで水に晒された結果としても生じ得る。自然プラチナ酸化物は、半導体製造プロセスにおいてプラチナ及びプラチナ含有材料をエッチングするために通常用いられるウェットエッチャント中で低エッチング速度を有する。また、自然プラチナ酸化物は、通常、ウェットエッチャントを完全にブロックすることはなく、そのため、プラチナ含有層の頂部表面上の自然プラチナ酸化物が、プラチナ含有層の不均一なエッチングを引き起こし得、またマイクロ電子デバイス上にプラチナ含有残留物を生じさせ得る。
【0016】
方法の一実装において、キャップ層は、例えば、プラチナ含有層が大気などの酸化環境に晒される前にキャップ層を形成することによって、プラチナ含有層上に自然プラチナ酸化物が生じる前に、プラチナ含有層上に形成され得る。別の態様において、プラチナ含有層上の自然プラチナ酸化物は、プラチナ含有層上にキャップ層が形成される前に除去され得る。
【0017】
キャップ層は、プラチナ含有層も除去するウェットエッチング液中でキャップ層が除去されることを提供する組成を有する。方法の一実装において、キャップ層は、主としてアルミニウムを含み得る。一例において、アルミニウム含有キャップ層が、アルミニウムのみを含み得る。別の例において、アルミニウム含有キャップ層が、マイクロ電子デバイスにおけるエッチングされたアルミニウム相互接続のために用いられる金属を含み得、そのため、数原子パーセントのシリコン、銅、チタン等を含み得る。キャップ層に対するそのような組成は、有利にも、エッチングされたアルミニウム相互接続を形成する製造施設において実装され得る。方法の別の実装において、キャップ層は、主として銅を含み得、或いは、本質的に銅で構成され得る。キャップ層に対するそのような組成は、有利にも、銅電気メッキプロセスのためのシード層のためにスパッタリングされた銅フィルムが用いられるダマシン銅相互接続を形成する製造施設において実装され得る。
【0018】
キャップ層及びプラチナ含有層は、その後、ウェットエッチングプロセスによって除去される。ウェットエッチングプロセスは、通常、王水と称され得る硝酸(HNO)1部と塩酸(HC1)3~4部の不希釈混合液を用い得る。ウェットエッチングプロセスは、水で希釈された、硝酸及び塩酸の混合液を用い得る。ウェットエッチングプロセスは、硝酸、塩酸、及びリン酸(HPO)の混合液を用い得る。或いは、ウェットエッチングプロセスは、過酸化水素及び塩酸の混合液を用い得る。ウェットエッチングプロセスのためのエッチング液のその他の組成は、本開示の範囲内である。ウェットエッチングプロセスは、キャップ層を除去し得、キャップ層とプラチナ含有層との間の界面に自然プラチナ酸化物が存在しないため、マイクロ電子デバイスにわたって均一にプラチナ含有層内に進行する。ウェットエッチングプロセスにおけるキャップ層及びプラチナ含有層の均一なエッチング速度は、オーバーエッチングの低減を可能にし得る。界面において自然プラチナ酸化物が存在しないことはまた、ウェットエッチングプロセスの間にプラチナ含有層上に自然プラチナ酸化物が存在する製造プロセスに比べ、有利にも、マイクロ電子デバイス上のプラチナ含有残留物を低減し得る。
【0019】
図1Aから図1Hは、例示の形成方法の連続的段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図1Aを参照すると、マイクロ電子デバイス100は基板102を有し、基板102は半導体材料104及びフィールド酸化物106を含む。フィールド酸化物106は、図1Aに示されるように、シャロートレンチアイソレーション(STI)構造を有し得、又はシリコンの局所酸化(LOCOS)構造を有し得る。この例のマイクロ電子デバイス100は、図1Aにおいてpチャネル金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタ108として示される構成要素108を含む。構成要素108は、基板102の頂部表面112まで延在する半導体材料104の領域を有し得る。図1Aにおいて、領域110の2つがPMOSトランジスタ108のp-型ソース及びドレイン領域110として示されている。この例において、PMOSトランジスタ108は、マイクロ電子デバイス100のその時点の頂部表面まで延在する多結晶シリコンを含むゲート114を有する。マイクロ電子デバイス100は、n-型ウェルコンタクト領域116等、基板の頂部表面112まで延在する半導体材料104の付加的な領域を含み得、n-型ウェルコンタクト領域116は、PMOSトランジスタ108の下に延在するn-型ウェル118への電気的接続を提供する。nチャネル金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタのソース及びドレイン領域、バイポーラ接合トランジスタのコレクタ、ベース、及びエミッタ領域、及び基板コンタクト領域等、基板102の頂部表面112まで延在するか又はマイクロ電子デバイス100のその時点の頂部表面まで延在する半導体材料のその他の領域も、この例の範囲内にある。
【0020】
プラチナ含有層120が、マイクロ電子デバイス100のその時点の頂部表面上に形成され、基板102の頂部表面112において、PMOSトランジスタ108のソース及びドレイン領域110、及びウェルコンタクト領域116を含む、基板102の露出された半導体材料に接する。プラチナ含有層120はまた、図1Aに示されるように、PMOSトランジスタ108のゲート114において多結晶シリコンに接し得る。この例の1つのバージョンにおいて、プラチナ含有層120は、本質的にプラチナで構成され得る。別のバージョンにおいて、プラチナ含有層120は、10%以下のニッケル又はその他の金属と共に、主としてプラチナを含み得る。プラチナ含有層120は、例えば、20ナノメートルから200ナノメートルの厚みを有し得る。プラチナ含有層120は、例えば、スパッタリングプロセス、蒸着プロセス、又は有機金属化学気相堆積(MOCVD)プロセスを用いて形成され得る。プラチナ含有層120を形成するためのその他のプロセスもこの例の範囲内にある。プラチナ含有層120は、基板102の頂部表面112とは反対に位置する頂部表面124を有する。
【0021】
プラチナ含有層120が形成された後、プラチナ含有層120は、例えば、プラチナ含有層120が形成された装置から基板102を除去することによって、空気等の酸化環境に晒され得る。酸化環境に対する晒された結果、プラチナ含有層120の頂部表面124上に自然プラチナ酸化物122が生じ得る。この例において、頂部表面124は、プラチナ含有層120と基板102の頂部表面112との間の境界とは反対に位置するプラチナ含有層120の表面である。自然プラチナ酸化物122は、例えば、1つから2つの単層の厚みとし得る。
【0022】
図1Bを参照すると、基板102及びプラチナ含有層120が加熱され、プラチナ含有層120におけるプラチナを、基板102の頂部表面112において露出された半導体材料におけるシリコンと反応させて、プラチナ含有層120と基板102の頂部表面112との間の境界をまたいでプラチナシリサイド126を形成する。
【0023】
この例において、プラチナシリサイド126は、PMOSトランジスタ108のソース及びドレイン領域110、及びウェルコンタクト領域116上に、及び任意選択的にPMOSトランジスタ108のゲート114上に、並びに、マイクロ電子デバイス100のその他の露出された半導体領域上に形成される。基板102及びプラチナ含有層120は、例えば、急速熱処理ツールにおいて、図1Bに示されるように輻射加熱処理128によって、又は炉処理によって、加熱され得る。自然プラチナ酸化物122は、基板102及びプラチナ含有層120の加熱時の周囲条件に依存して、プラチナシリサイド126を形成するプロセスの間に厚みを増加させる場合や、厚みを減少させる場合、又は厚みを有意に変化させない場合がある。シリコン原子の酸化によって、二酸化シリコンの薄い層がプラチナシリサイド126の上に形成し得る。
【0024】
図1Cを参照すると、マイクロ電子デバイス100は、図1Cに概略で示されるようなアルゴンイオン等のイオン130を用いるスパッタエッチングプロセスに晒される。イオン130は、図1Bの自然プラチナ酸化物122を除去し、プラチナ酸化物のないプラチナ含有層120の頂部表面124を残す。スパッタエッチングプロセスは、例えば、プラチナ含有層120の頂部表面124から自然プラチナ酸化物122を充分に除去するように、3秒間から10秒間継続され得る。スパッタエッチングプロセスは、プラチナシリサイド126の上の二酸化シリコンの薄膜が除去される前に終了する。
【0025】
図1Dを参照すると、キャップ層132が、キャップ層132とプラチナ含有層120との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層120の頂部表面124上に形成される。これは、例えば、図1Bの自然プラチナ酸化物122が除去された後に、プラチナ含有層120の頂部表面124を酸化環境に晒すことなく、キャップ層132を形成することによって達成され得る。この例の1つのバージョンにおいて、単一のプロセスツール内にある間に、自然プラチナ酸化物122が除去され得、キャップ層132が形成され得、その際マイクロ電子デバイス100は一貫して非酸化環境に維持される。
【0026】
キャップ層132は、後にプラチナ含有層120の少なくとも一部を除去するために用いられるものと同じウェットエッチャント中でエッチング可能である。ウェットエッチャントにおけるキャップ層132のエッチング速度は、ウェットエッチャントにおけるプラチナ含有層120のエッチング速度の少なくとも2倍である。この例の1つのバージョンにおいて、キャップ層132は、主としてアルミニウムを含み得、また、例えばスパッタリングによって形成され得る。例えば、キャップ層132は、マイクロ電子デバイス100のエッチングされたアルミニウム相互接続ラインにおけるアルミニウム層に類似する組成を有し得、その場合、キャップ層132は、少なくとも90パーセントのアルミニウムを含み、数パーセントのシリコン、チタン、銅等を有する。この例の別のバージョンにおいて、キャップ層132は、本質的にアルミニウムで構成され得、例えば、蒸着又はスパッタリングによって形成され得る。この例の更なるバージョンにおいて、キャップ層132は、主として銅を含み得、例えば、スパッタリング又は蒸着によって形成され得る。例えば、キャップ層132は、マイクロ電子デバイス100のダマシン銅相互接続ラインにおける銅シード層に類似する組成を有し得る。
【0027】
キャップ層132は、マイクロ電子デバイス100にわたってプラチナ含有層120の均一な除去を提供するために充分な厚みを有する。この例の一態様において、これは、プラチナ含有層120の頂部表面124を完全に覆うのに充分な厚みによって達成され得る。別の態様において、これは、酸素ガス(0)及び水蒸気(H0)等の酸化性物質がキャップ層132を介してプラチナ含有層120の頂部表面124に拡散することを防止するのに充分な厚みによって達成され得る。更に別の態様において、これは、プラチナ含有層120がウェットエッチャントによって除去されるまで、キャップ層132における非酸化金属の層を維持するのに充分な厚みによって達成され得る。キャップ層132が主としてアルミニウムを含むこの例の或るバージョンにおいて、キャップ層132は、少なくとも10ナノメートルの厚さとし得る。キャップ層132が主として銅を含むこの例の或るバージョンにおいて、キャップ層132は、少なくとも6ナノメートルの厚みとし得る。
【0028】
キャップ層132の厚み範囲は更に、その他の考察によって影響され得る。この例の一態様において、キャップ層132は、キャップ層132を形成するための所望のプロセス自由度を提供するために充分な厚みとし得、それはキャップ層132を形成するために用いられるプロセスに応じて、50ナノメートルから100ナノメートルの厚みによって達成され得る。別の態様において、キャップ層132は、PMOSトランジスタ108のゲート114の側面上等、マイクロ電子デバイス100の非平面状の表面上に所望のカバレッジを提供するために充分な厚みとし得、それはキャップ層132の形成に用いられるプロセスに応じて、100ナノメートルから150ナノメートルの厚みによって達成され得る。150ナノメートル以上のキャップ層132もこの例の範囲内である。
【0029】
マイクロ電子デバイス100は、この時点で、プラチナ含有層120の頂部表面124にプラチナ酸化物を形成することなくストア又は処理され得る。これは、有利にも、後続のプロセス工程に対する待ち時間を変化させることを可能にすることによって、マイクロ電子デバイス100を形成するためのプロセスシーケンスにおける柔軟性を可能にし、従って、マイクロ電子デバイス100を形成する製造施設運営の総コストを低減する。
【0030】
図1Eを参照すると、ウェットエッチャント134を用いるウェットエッチングプロセスがキャップ層132を除去する。この例の1つのバージョンにおいて、ウェットエッチャント134は、1部の硝酸及び3~4部の塩酸の不希釈混合液とし得、それは所望の高速のエッチング速度を提供する。別のバージョンにおいて、ウェットエッチャント134は、水で希釈された硝酸及び塩酸の混合液とし得、それは、より低速のエッチング速度を提供し、より緻密なプロセス制御を可能にする。更に別のバージョンにおいて、ウェットエッチャント134は、硝酸、塩酸、及びリン酸の混合液とし得る。更なるバージョンにおいて、ウェットエッチャント134は、過酸化水素及び塩酸の混合液とし得る。ウェットエッチャント134その他の配合が、この例の範囲内にある。図1Eは、キャップ層132の除去の途中のウェットエッチングプロセスを示す。ウェットエッチングプロセスは、プラチナ含有層120が除去されるまで継続される。
【0031】
図1Fを参照すると、図1Eの残りのキャップ層132が完全に除去され、ウェットエッチングプロセスがプラチナ含有層120を除去するように、ウェットエッチングプロセスが継続される。図1Fは、プラチナ含有層120の除去の途中のウェットエッチングプロセスを図示する。図1C及び図1Dに関連して開示されるように、キャップ層132の下のプラチナ含有層120の図1Eの頂部表面124がプラチナ酸化物を含んでいないため、ウェットエッチングプロセスは、キャップ層132を介して円滑且つ均一にプラチナ含有層120の中に進行し得る。ウェットエッチャント134は、キャップ層132より有意に遅い速度、例えば、10倍から100倍遅い速度で、プラチナ含有層120を除去し得る。プラチナシリサイド126の上の二酸化シリコンの薄層がウェットエッチャント134をブロックするため、ウェットエッチングプロセスは、プラチナシリサイド126を除去しない。
【0032】
図1Gを参照すると、ウェットエッチングプロセスは、図1Fの残りのプラチナ含有層120が完全に除去されるように、継続される。ウェットエッチャント134は、プラチナシリサイド126の一部を除去し得る。ウェットエッチングプロセスは終了し、マイクロ電子デバイス100がリンスされ、マイクロ電子デバイス100の適正な機能性のために充分な量、例えば、10ナノメートルから100ナノメートルの、プラチナシリサイド126を適所に残す。プラチナ含有層120の均一な除去は、プラチナ含有層120の頂部表面上にプラチナ酸化物が存在するプロセスシーケンスに比較して、有利にも、マイクロ電子デバイス100を含むウェハの全てのエリアからプラチナ含有層120を除去するために必要とされるオーバーエッチング時間を低減することを可能にする。プラチナシリサイド126の一部がオーバーエッチングの間に除去され得るので、低減されたオーバーエッチング時間は、マイクロ電子デバイス100を含むウェハにわたり、プラチナシリサイド126の一層一貫した厚みを提供し得る。
【0033】
図1Hを参照すると、図1Eのキャップ層132の下のプラチナ含有層120の図1Eの頂部表面124がプラチナ酸化物を含んでいないため、基板102の頂部表面112は、有利にも、プラチナ含有残留物をなくし得る。プラチナ酸化物の存在は、プラチナ含有残留物を生じさせ得る。
【0034】
プリメタル誘電体(PMD)層136が、マイクロ電子デバイス100のその時点の頂部表面の上に形成され得る。PMD層136は、例えば、窒化シリコンのPMDライナー、高密度プラズマ、又はテトラエチルオルソシリケート(TEOS)及びオゾンを用いる化学気相堆積(CVD)プロセスによって形成される、二酸化シリコンベースの材料の層、ホスホシリケートガラス(PSG)又はボロホスホシリケートガラス(BPSG)等の二酸化シリコンベースの材料の層、及び、窒化シリコン、酸窒化シリコン、炭化シリコン、又は炭化物、又は炭化窒化シリコンのキャップ層等の、1つ又は複数の誘電材料のサブ層を含み得る。
【0035】
プラチナシリサイド126への電気的接続を成すために、PMD層136を介してコンタクト138が形成され得る。コンタクト138は、PMD層136を介してコンタクトホールをエッチングし、スパッタリング又はイオン化プラズマ金属(IMP)プロセスによって、PMD層136上及びコンタクトホール内へ延在するにチタンライナー140を形成することによって形成され得る。窒化チタンライナー142が、反応スパッタリング又は原子層堆積(ALD)によって、チタンライナー上に形成され得る。その後、タングステン144の層が、MOCVDプロセスによって窒化チタンライナー上に形成され得、コンタクトホールを充填する。タングステン144、窒化チタンライナー142、及びチタンライナー140は、タングステンCMPプロセスによって、PMD層136の頂部表面の上から除去され、コンタクトホール内にタングステン144、窒化チタンライナー142、及びチタンライナー140を残して、コンタクト138を提供する。
【0036】
図2Aから図2Hは、別の例示の形成方法の連続的段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図2Aを参照すると、マイクロ電子デバイス200は基板202を有し、基板202は半導体材料204及びフィールド酸化物206を含む。この例のマイクロ電子デバイス200は、基板202の頂部表面212まで延在するp-型ソース及びドレイン領域210と、多結晶シリコンを含むゲート214とを備える、PMOSトランジスタ208として図2Aに示される第1の構成要素208を含む。この例のマイクロ電子デバイス200は、更に、基板202の頂部表面212まで延在するn-型ソース及びドレイン領域248と多結晶シリコンを含むゲート250とを備える、NMOSトランジスタ246として図2Aに示される第2の構成要素246を含む。基板202は、PMOSトランジスタ208の下のn-型ウェル218、及びNMOSトランジスタ246の下のp-型ウェル252を含み得る。基板202の頂部表面212まで延在するか又はマイクロ電子デバイス200のその時点の頂部表面まで延在する半導体材料のその他の領域、ウェルコンタクト領域、バイポーラ接合トランジスタのコレクタ、ベース、及びエミッタ領域、並びに、基板コンタクト領域も、この例の範囲内にある。
【0037】
プラチナ含有層220が、マイクロ電子デバイス200のその時点の頂部表面上に形成され、頂部表面212において、PMOSトランジスタ208のソース及びドレイン領域210及びNMOSトランジスタ246のソース及びドレイン領域248を含む基板202の露出された半導体材料に接する。プラチナ含有層220はまた、図2Aに示すように、PMOSトランジスタ208のゲート214において、及びNMOSトランジスタ246のゲート250において多結晶シリコンに接し得る。プラチナ含有層220は、本質的にプラチナで構成され得、或いは、主としてプラチナを含み得、10パーセント未満のその他の金属を含み得る。プラチナ含有層220は、例えば、20ナノメートルから200ナノメートルの厚みを有し得る。自然プラチナ酸化物222がプラチナ含有層220の頂部表面224上に存在する。
【0038】
図2Bを参照すると、基板202及びプラチナ含有層220は加熱され、プラチナ含有層220内のプラチナを、基板202の頂部表面212において露出される半導体材料内のシリコンと反応させて、プラチナ含有層220と基板202の頂部表面212との間の境界にまたがるプラチナシリサイド226を形成する。この例において、プラチナシリサイド226は、PMOSトランジスタ208のソース及びドレイン領域210上及びNMOSトランジスタ246のソース及びドレイン領域248上、及び任意選択的に、PMOSトランジスタ208のゲート214上及びNMOSトランジスタ246のゲート250上に形成される。基板202及びプラチナ含有層220は、例えば、図2Cに示されるように、炉壁256による炉処理254によって、又は、急速熱処理ツールにおける輻射加熱プロセスによって、或いは、他の加熱プロセスによって加熱され得る。
【0039】
図2Cを参照すると、図2Bの自然プラチナ酸化物222は、例えば、図1Cに関連して開示されるようにスパッタエッチングプロセスによって、除去される。或いは、自然プラチナ酸化物222は、プラチナ含有層220を真空において加熱する等の別のプロセスによって除去され得る。キャップ層232が、キャップ層232とプラチナ含有層220との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層220の頂部表面224上に形成される。この例において、これは、自然プラチナ酸化物222の除去の後、プラチナ含有層220の頂部表面224を酸化環境に晒すことなくキャップ層232を形成することによって達成され得る。キャップ層232は、その後、プラチナ含有層220の少なくとも一部を除去するために用いられるものと同じウェットエッチャント中でエッチング可能である。キャップ層232は、図1Dに関連して開示されるような組成及び厚みを有し得、図1Dに関連して開示されるようなプロセスのいずれかによって形成され得る。
【0040】
図2Dを参照すると、エッチングマスク258が、キャップ層232の上に形成される。エッチングマスク258は、PMOSトランジスタ208のソース及びドレイン領域210の一方とNMOSトランジスタ246のソース及びドレイン領域248の一方との間の局所相互接続のためのエリア260を露出させる。エッチングマスク258は更に、付加的な局所相互接続のために付加的なエリアを露出させ得る。エッチングマスク258は、フォトリソグラフプロセスによって形成されるフォトレジストを含み得、また、任意選択で底部反射防止コート(BARC)等の反射防止層を含み得る。或いは、エッチングマスク258は、二酸化シリコン、窒化シリコン、非晶質炭素等のハードマスク材料を含み得る。
【0041】
キャップ層232は、エッチングマスク258によって露出されるエリアにおいて除去され、プラチナ含有層220の頂部表面224を露出する。キャップ層232がアルミニウムを含むこの例の1つのバージョンにおいて、キャップ層232は、図2Dに示されるように、塩素イオン262を用いる反応性イオンエッチング(RTE)プロセスによって除去され得る。キャップ層232がアルミニウムを含むこの例のバージョンにおいて、キャップ層232は、ウェットエッチングによって除去され得る。エッチングマスク258によって露出されたエリアにおいてキャップ層232を除去するためのその他のプロセスも、この例の範囲内にある。
【0042】
エッチングマスク258は、その後、例えば、アッシャプロセス等、酸素ラジカルを用いるプラズマプロセスによって除去される。或いは、エッチングマスク258は、ウェットクリーンプロセスと酸素プラズマプロセスとの組み合わせによって除去され得る。エッチングマスク258の除去の結果、キャップ層232が除去されたエリアにおいて、プラチナ含有層220の頂部表面224上にプラチナ酸化物の層が形成され得る。
【0043】
図2Eを参照すると、マスキングプラチナ酸化物264が、キャップ層232によって露出された箇所のプラチナ含有層220の頂部表面224上に形成される。本明細書の目的のため、用語「マスキングプラチナ酸化物」は、後にプラチナ含有層220をエッチングするために用いられるウェットエッチャントをブロックするために充分に連続的であり充分な厚みを持つように意図的に形成されるプラチナ酸化物を指す。マスキングプラチナ酸化物264の一部又は全てが、図2Dのエッチングマスク258を除去するために用いられるプロセスによって形成され得る。付加的なマスキングプラチナ酸化物264が所望される場合、マイクロ電子デバイス200は、エッチングマスク258が除去された後、図2Eに概略で示されるような酸素プラズマ、高温の酸素、紫外線によって活性化されたオゾン、一酸化炭素(CO)等の酸化環境266に晒され得る。マスキングプラチナ酸化物264は、図2Eに示されるように、キャップ層232によって露出された箇所のプラチナシリサイド226上に延在し得る。
【0044】
図2Fを参照すると、ウェットエッチャント234を用いるウェットエッチングプロセスが、図2Eのキャップ層232を除去し、また、図1Eから図1Gに関連して説明されるように、マスキングプラチナ酸化物264によって露出された箇所のプラチナ含有層220を除去する。ウェットエッチャント234は、図1Eに関連して開示される組成のいずれかを有し得る。図2Fは、ウェットエッチングプロセスの完了時のマイクロ電子デバイス200を図示する。ウェットエッチャント234中のマスキングプラチナ酸化物264のエッチング速度は非常に遅いので、マスキングプラチナ酸化物264は、ウェットエッチャント234が、マスキングプラチナ酸化物264の下のプラチナ含有層220を除去するのを防止する。
【0045】
図2Gは、図2Fのウェットエッチングプロセスが完了した後のマイクロ電子デバイス200を図示する。残りのプラチナ含有層220は、PMOSトランジスタ208のソース及びドレイン領域210の一方の上のプラチナシリサイド226と、MOSトランジスタ246のソース及びドレイン領域248の一方の上のプラチナシリサイド226とを電気的に接続する局所的相互接続268を提供する。プラチナシリサイド226を形成するために用いられたプラチナ含有層220から局所的相互接続268を形成することは、局所的相互接続268とプラチナシリサイド226との間の低いコンタクト抵抗を提供し得、従って、有利にも、PMOSトランジスタ208のソース及びドレイン領域210の一方とNMOSトランジスタ246のソース及びドレイン領域248の一方との間の電気的接続に対し低抵抗を提供する。
【0046】
図2Hを参照すると、PMD層236が、マイクロ電子デバイス200のその時点の頂部表面の上に形成され得る。プラチナシリサイド226への電気的接続を成すため、コンタクト238がPMD層236を介して形成され得る。PMD層236及びコンタクト238は、図1Hに関連して開示されたものに類似した構造を有し得る。プラチナシリサイド226は、プラチナ含有残留物のないものとし得、それは、有利にも、コンタクト238とプラチナシリサイド226との間で一貫した抵抗を提供し得る。この例において、図2Hに図示されるように、コンタクト238の1つ又は複数が局所的相互接続268上に形成され得る。コンタクト238の形成の間、局所的相互接続268上のマスキングプラチナ酸化物264は、コンタクトホールを形成するプロセスによって、及びコンタクトホール内にコンタクト金属を堆積する前の後続のスパッタエッチングプロセスによって除去され、コンタクト238と局所的相互接続268との間の低抵抗を提供する。
【0047】
図3Aから図3Fは、更なる例示の形成方法の連続的段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図3Aを参照すると、マイクロ電子デバイス300は基板302を有し、基板302は、基板302の頂部表面312まで延在する誘電材料372を含み得る。誘電材料372は、例えば、フィールド酸化物、PMD層、同じメタライゼーションレベルにおける相互接続ライン間の金属間誘電体(IMD)層、又はメタライゼーションレベル間のレベル間誘電体(ILD)層を含み得る。基板302の頂部表面312まで延在するマイクロ電子デバイス300のその他の誘電体層も、この例の範囲内にある。プラチナ含有層320が基板302の頂部表面312の上に形成される。プラチナ含有層320を形成する前に、基板302の頂部表面312の上に形成される、図3Aに示されない導電性又は非導電性の任意選択の接着層も、この例の範囲内にある。
【0048】
この例の1つのバージョンにおいて、プラチナ含有層320は、本質的にプラチナで構成され得る。別のバージョンにおいて、プラチナ含有層320は、少なくとも50パーセントのプラチナを含み得、残りは、ニッケル、ロジウム、レニウム、パラジウム、イリジウム等を含む。プラチナ含有層320は、例えば、20ナノメートルから2ミクロンの厚みを有し得る。プラチナ含有層320は、例えば、スパッタリングプロセス、蒸着プロセス、又はMOCVDプロセスを用いて形成され得る。プラチナ含有層320を形成するためのその他のプロセスもこの例の範囲内にある。
【0049】
ハードマスク層374がプラチナ含有層320の頂部表面324の上に形成される。この例の1つのバージョンにおいて、図3Aに示されるように、ハードマスク層374を形成する前に、プラチナ含有層320の頂部表面324上に自然プラチナ酸化物322が存在し得る。自然プラチナ酸化物322は、例えば、ハードマスク層374を形成する前に、プラチナ含有層320の頂部表面324を大気に晒すことによって形成され得る。この例の別のバージョンにおいて、プラチナ含有層320の頂部表面324は、例えば、プラチナ含有層320の頂部表面324を酸化環境に晒すことなく、同じプロセスツールにおいてハードマスク層374及びプラチナ含有層320を形成することによって、プラチナ酸化物がない可能性があり得る。この例では、ハードマスク層374は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム等の誘電材料の1つ又は複数の層を含み得る。プラチナ含有層320を除去するために用いられるウェットエッチャント中のハードマスク層374のエッチング速度は、同じウェットエッチャント中のプラチナ含有層320のエッチング速度より有意に遅い。この例では、ハードマスク層374の厚みは、幾つかのエリアにおける自然プラチナ酸化物322の除去、及び同エリアにおけるプラチナ含有層320の除去を含む後続のプロセス工程を介して無傷で残るために充分である。ハードマスク層374の厚みは、後に形成される誘電材料及び金属の層の平面性等の、マイクロ電子デバイス300を形成するため及びハードマスク層374を介してビアをエッチングするための、後続の製造工程の実践的観点によって制限され得る。例えば、プラチナ含有層320がフィールド酸化物上に又は第1又は第2のメタライゼーションレベルにおける誘電体層上に形成されるこの例のバージョンにおいて、ハードマスク層374の厚みは、10ナノメートルから200ナノメートルとし得る。プラチナ含有層320が、頂部メタライゼーションレベルに近い誘電体層上に形成されるこの例の或るバージョンにおいて、ハードマスク層374の厚みは10ナノメートルから1000ナノメートルとし得る。
【0050】
エッチングマスク376が、プラチナ含有構成要素のためのエリアを覆うようにハードマスク層374の上に形成され得る。エッチングマスク376は、フォトリソグラフプロセスによって形成されるフォトレジストを含む。エッチングマスク376は、BARC等の反射防止層を含み得る。エッチングマスク376は、プラチナ含有構成要素のためのエリアの外のエリアにおいて、ハードマスク層374を露出させる。
【0051】
図3Bを参照すると、図3Aのハードマスク層374は、ハードマスク378を形成するためにエッチングマスク376によって露出される箇所で除去される。ハードマスク層374は、例えば、RLEプロセス又は他のプラズマエッチングプロセスによって、除去され得る。或いは、ハードマスク層374は、任意選択的にウェットエッチングプロセスによって除去され得る。自然プラチナ酸化物322は、ハードマスク層374によって露出された箇所で除去され得るが、自然プラチナ酸化物322は、大気等の酸化環境に露出されると再び急速に形成し得る。
【0052】
エッチングマスク376はその後除去されて、プラチナ含有構成要素のためのエリアを覆う適所にハードマスク378を残す。エッチングマスク376は、例えば、アッシャプロセスによって除去され得、ウェットクリーンプロセスがその後続く。
【0053】
この例の別のバージョンにおいて、ハードマスク378は、付加的なプロセスによって、即ち、プラチナ含有層320の上の必要とされる箇所のみにハードマスク材料を形成することによって、形成され得る。付加的なプロセスの例としては、インクジェットプロセス、スクリーン印刷、静電成膜、及びダイレクトレーザ転写が含まれ得る。
【0054】
図3Cを参照すると、プラチナ含有層320は、真空、或いは、窒素、アルゴン、ヘリウム等の低圧環境等の、非酸化環境において加熱される。プラチナ含有層320は、例えば、図3Cに示されるような輻射加熱プロセス380によって、又は炉処理によって、加熱され得る。プラチナ含有層320は、ハードマスク378によって露出された箇所の自然プラチナ酸化物322を除去するために充分な温度まで充分な時間加熱される。例えば、プラチナ含有層320は、30分から120分間300℃から350℃まで加熱され得る。
【0055】
図3Dを参照すると、キャップ層332が、キャップ層332とプラチナ含有層320との間の界面にプラチナ酸化物がないように、ハードマスク378の上、及びハードマスク378によって露出された箇所のプラチナ含有層320の頂部表面324上に形成される。例えば、キャップ層332は、プラチナ含有層320の頂部表面324を酸化環境に晒すことなく、図3Cに関連して開示されるようにプラチナ含有層320を加熱するために用いられるツールと同じツールで形成され得る。キャップ層332は、図1Dに関連して開示されるような組成及び厚みを有し得、図1Dに関連して開示されるプロセスのいずれかによって形成され得る。
【0056】
図3Eを参照すると、ウェットエッチャント334を用いるウェットエッチングプロセスが、図3Dのキャップ層332、及び図1Eから図1Gに関連して説明されるように、ハードマスク378によって露出された箇所のプラチナ含有層320を除去する。ウェットエッチャント334は、図1Eに関連して開示される組成のいずれかを含み得る。図3Eは、ウェットエッチングプロセスの完了時のマイクロ電子デバイス300を図示する。ハードマスク378及び存在する場合は自然プラチナ酸化物322は、ハードマスク378のウェットエッチャント334中のエッチング速度が充分遅いので、ウェットエッチャント334がハードマスク378の下のプラチナ含有層320を除去することを防止する。図3Dに関連して説明されるように、間にプラチナ酸化物を備えないプラチナ含有層320上にキャップ層332を形成することは、ウェットエッチングプロセスに、長いオーバーエッチングを必要とせずにハードマスク378によって露出された箇所のプラチナ含有層320を完全に除去させ得、従って、有利にも、ハードマスク378のエッジの下のプラチナ含有層320のアンダーカットを低減し、また、有利にも、残りのプラチナ含有層320の一貫した横方向寸法を提供する。
【0057】
図3Fを参照すると、図3Eのウェットエッチングプロセスが完了した後、残りのプラチナ含有層320の露出された横方向表面上に、付加的な自然プラチナ酸化物322が生じ得る。残りのプラチナ含有層320はプラチナ含有構成要素382を提供し、プラチナ含有構成要素382は、例えば、抵抗器、相互接続、センサ要素、サーモカップル要素、又はヒータ要素を含み得る。
【0058】
この例の1つのバージョンにおいて、ハードマスク378は、図3Fに示されるように、適所に残され得る。別のバージョンにおいて、ハードマスク378は、図3Eのウェットエッチングプロセスが完了した後、除去され得る。
【0059】
PMD層、IMD層、又はILD層とし得る誘電体層336が、マイクロ電子デバイス300のその時点の頂部表面の上に形成され得る。プラチナ含有構成要素382への電気的接続を成すために、コンタクト又はビアであり得る垂直接続338が、誘電体層336を介して、及び存在する場合はハードマスク378を介して形成され得る。垂直接続338の形成の間、垂直接続338とプラチナ含有構成要素382との間の低抵抗を可能にするために、プラチナ含有層320の頂部表面324上の自然プラチナ酸化物322は、容易に除去される。
【0060】
図4Aから図4Hは、別の例示の形成方法の連続的段階において示される、プラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図4Aを参照すると、マイクロ電子デバイス400は基板402を有し、基板402は、この例において、基板402の頂部表面412まで延在する誘電材料472を含む。プラチナ含有層420が、基板402の頂部表面412の上に形成される。プラチナ含有層420は、図3Aのプラチナ含有層320に類似する組成及び構成を有し得る。
【0061】
ハードマスク層474が、プラチナ含有層420の頂部表面424上に形成される。この例において、ハードマスク層474は、導電性であり、ハードマスク層474とプラチナ含有層420との間にプラチナ酸化物が存在しないように、プラチナ含有層420の頂部表面424上に形成される。ハードマスク層474は、プラチナ含有層420に対する電気的接続を成し、例えば、そのコンタクト抵抗率は10-8ohm-cm未満である。この例の1つのバージョンにおいて、これは、プラチナ含有層420の頂部表面424を酸化環境に晒すことなく、同じプロセスツールにおいてハードマスク層474及びプラチナ含有層420を形成することによって達成され得る。この例の別のバージョンにおいて、プラチナ含有層420の頂部表面424上のプラチナ酸化物が、ハードマスク層474を形成する前に除去され得る。ハードマスク層474は、プラチナ含有層420を除去するために用いられるウェットエッチャント中のエッチング速度が、同じウェットエッチャント中のプラチナ含有層420のエッチング速度より有意に遅い導電性材料の1つ又は複数の層を含み得る。ハードマスク層474は、例えば、チタン、窒化チタン、タングステン、チタンタングステン、タンタル、窒化タンタル、又はクロムを含み得る。この例において、ハードマスク層474の厚みは、幾つかのエリアにおけるプラチナ含有層420からのプラチナ酸化物の除去、及び同じエリアにおけるプラチナ含有層420の除去を含む、後続のプロセス工程を介して無傷で残るために充分であり、また、後に形成されるコンタクト又はビアのためのランディングパッドを提供するために充分である。ハードマスク層474の厚みは、後に形成される、誘電材料及び金属の層の平面性等、マイクロ電子デバイス400を形成するための後続の製造工程の実践的観点によって制限され得る。例として、ハードマスク層474の厚みは30ナノメートルから200ナノメートルとし得る。
【0062】
エッチングマスク476が、プラチナ含有構成要素のためのエリアを覆うようにハードマスク層474の上に形成される。エッチングマスク476は、図3Aのエッチングマスク376に関連して開示されるものに類似するプロセスによって形成され得る。
【0063】
図4Bを参照すると、図4Aのハードマスク層474は、ハードマスク478を形成するためにエッチングマスク476によって露出される箇所で除去される。ハードマスク層474は、例えば、ハロゲンラジカルを用いるRIEプロセス又はその他のプラズマエッチングプロセスによって除去され得る。或いは、ハードマスク層474は、任意選択的に、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、過酸化水素、又はそれらの任意の組み合わせを含むエッチャントの混合液を用いるウェットエッチングプロセスによって除去され得る。自然プラチナ酸化物422が、ハードマスク478によって露出された箇所のプラチナ含有層420の頂部表面424上に生じ得る。エッチングマスク476は、その後、除去されて、ハードマスク478をプラチナ含有構成要素のためのエリアを覆う適所に残す。
【0064】
図4Cを参照すると、図4Bの自然プラチナ酸化物422は、ハードマスク478によって露出された箇所のプラチナ含有層420の頂部表面424から除去される。自然プラチナ酸化物422は、図4Cに示されるように、ヘリウム又はアルゴン等の希ガスイオン430を用いるスパッタエッチングによって除去され得る。或いは、自然プラチナ酸化物422は、非酸化環境においてプラチナ含有層420を加熱することなどの別の方法によって、又は自然プラチナ酸化物422を物理的及び化学的メカニズムの組み合わせによって除去する活性ハロゲンイオンを用いるプラズマプロセスによって、除去され得る。自然プラチナ酸化物422を除去するためのその他のプロセスもこの例の範囲内にある。
【0065】
図4Dを参照すると、キャップ層432が、キャップ層432とプラチナ含有層420との間の界面にプラチナ酸化物がないように、ハードマスク478の上に、及びハードマスク478によって露出された箇所のプラチナ含有層420の頂部表面424上に形成される。例えば、キャップ層432は、プラチナ含有層420の頂部表面424を酸化環境に露出することなく、図4Cに関連して開示されるようにプラチナ含有層420を除去するために用いられるものと同じツールにおいて形成され得る。キャップ層432は、図1Dに関連して開示されるような組成及び厚みを有し得、図1Dに関連して開示されるプロセスのいずれかによって形成され得る。
【0066】
図4Eを参照すると、ウェットエッチャント434を用いるウェットエッチングプロセスが、図4Dのキャップ層432、及び図1Eから図1Gに関連して説明されるように、ハードマスク478によって露出された箇所のプラチナ含有層420を除去する。ウェットエッチャント434は、図1Eに関連して開示される組成のいずれかを有し得る。図4Eは、ウェットエッチングプロセスの完了時のマイクロ電子デバイス400を図示する。ハードマスク478は、ハードマスク478のウェットエッチャント434中のエッチング速度が充分に遅いので、ウェットエッチャント434がハードマスク478の下のプラチナ含有層420を除去するのを防止する。図4Dに関連して説明されるように、間にプラチナ酸化物を備えずにプラチナ含有層420上にキャップ層432を形成することは、ウェットエッチングプロセスに、長いオーバーエッチングを必要とすることなく、ハードマスク478によって露出された箇所のプラチナ含有層420を完全に除去させることが可能になり、従って、有利にも、ハードマスク478のエッジの下のプラチナ含有層420のアンダーカットを低減し、また有利にも、残りのプラチナ含有層420の一貫した横方向寸法を提供する。
【0067】
図4Fを参照すると、残りのプラチナ含有層420は、プラチナ含有構成要素482を提供し、プラチナ含有構成要素482は、例えば、抵抗器、相互接続、センサ要素、サーモカップル要素、又はヒータ要素を含み得る。ランディングパッドマスク484が、プラチナ含有構成要素482上のランディングパッドのためのエリアを覆うようにハードマスク478の上に形成される。ランディングパッドマスク484は、フォトレジストを含み得、また、任意選択的にBARC層を含み得る。図4Fに図示されるように、新規の自然プラチナ酸化物422が、プラチナ含有構成要素482の露出された表面上に生じ得る。
【0068】
図4Gを参照すると、図4Fのハードマスク478は、ランディングパッドマスク484によって露出された箇所で除去されて、ハードマスク478の残りの一部のランディングパッド486を形成する。ハードマスク478は、例えば、図4Bに関連して説明される、図4Aのハードマスク層474の除去に関連して開示されるプロセスのいずれかによって除去され得る。付加的な自然プラチナ酸化物422が、図4Gに図示されるように、ハードマスク478の除去によって露出されるプラチナ含有構成要素482の表面上に生じ得る。ランディングパッドマスク484は、その後、例えば、アッシャプロセスによって除去され、その後、ウェットクリーンプロセスが続く。
【0069】
図4Hを参照すると、PMD層、IMD層、又はILD層とし得る誘電体層436が、マイクロ電子デバイス400のその時点の頂部表面の上に形成され得る。コンタクト又はビアであり得る垂直接続438が、ランディングパッド486に対する電気的接続を成すために、誘電体層436を介して形成される。ランディングパッド486とプラチナ含有構成要素482との間にプラチナ酸化物が存在しないことは、有利にも、ランディングパッド486とプラチナ含有構成要素482との間の低い電気的抵抗を提供し得る。
【0070】
図5Aから図5Fは、別の例示の形成方法の連続的段階において示される、ボンドパッドにおけるプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図5Aを参照すると、マイクロ電子デバイス500は基板502を有し、基板502は、この例において、ILD層580、ILD層580の上のIMD層588、ILD層580の上にありIMD層588によって横方向に囲まれている相互接続590、IMD層588の上のPO層592、及び相互接続590上のボンドパッド下部層594を含む。PO層592は、ボンドパッドのためのエリアにおいてボンドパッド下部層594の少なくとも一部を露出させる。PO層592は、二酸化シリコン、酸窒化シリコン、窒化シリコン等を含み得る。ボンドパッド下部層594は、ニッケル、パラジウム、又はボンドパッドの支持に適切なその他の金属の1つ又は複数の層を含み得る。ボンドパッド下部層594は、例えば、無電解メッキを用いて形成され得る。
【0071】
プラチナ含有層520が、基板502の頂部表面512の上に形成され、ボンドパッド下部層594に接する。プラチナ含有層520を形成する前に基板502の頂部表面512の上に形成され得る、図5Aには示されていない任意選択の接着金属層もこの例の範囲内にある。この例において、プラチナ含有層520は、ワイヤボンディングのためのボンドパッドを提供し、従って、主としてプラチナを含み得、或いは、本質的にプラチナで構成され得る。プラチナ含有層520は、例えば、1ミクロンから5ミクロンの厚みを有し得る。
【0072】
キャップ層532が、キャップ層532とプラチナ含有層520との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層520の頂部表面524上に形成される。この例の1つのバージョンにおいて、キャップ層532は、プラチナ含有層520と共にそのままで(in situ)形成され得、即ち、プラチナ含有層520と同じプロセスツールにおいて形成され得る。別のバージョンにおいて、プラチナ酸化物は、キャップ層532を形成する前に、プラチナ含有層520の頂部表面524から除去され得る。
【0073】
図5Bを参照すると、キャップ層532の上にエッチングマスク558が形成される。エッチングマスク558は、ボンドパッドためのエリアにおいてキャップ層532を露出させる。キャップ層532は、エッチングマスク558によって露出された箇所で除去される。キャップ層532は、プラズマエッチングによって、ウェットエッチングによって、又は別のプロセスによって除去され得る。エッチングマスク558は、その後、プラチナ酸化物形成工程に進む前に除去され得るか、或いは、適所に残され、プラチナ酸化物形成工程が完了した後に除去され得る。
【0074】
図5Cを参照すると、キャップ層532によって露出された箇所のプラチナ含有層520の頂部表面524上にマスキングプラチナ酸化物564が形成される。この例において、マスキングプラチナ酸化物564は、図5Cに図示されるように、湿式酸化剤596によって形成され得る。湿式酸化剤596は、例えば、過酸化水素、硝酸、又は類似のものを含み得る。マスキングプラチナ酸化物564を形成するためのその他のプロセスも、この例の範囲内にある。
【0075】
図5Dを参照すると、マイクロ電子デバイス500は、図5Cの湿式酸化剤596との接触から外される。マスキングプラチナ酸化物564は、ボンドパッドのためのエリアの上に延在する。
【0076】
図5Eを参照すると、ウェットエッチャント534を用いるウェットエッチングプロセスが、図5Dのキャップ層532、及び図1Eから図1Gに関連して説明されるように、マスキングプラチナ酸化物564によって露出された箇所のプラチナ含有層520を除去する。ウェットエッチャント534は、図1Eに関連して開示される組成のいずれかを有し得る。図5Eは、ウェットエッチングプロセスの完了時のマイクロ電子デバイス500を図示する。マスキングプラチナ酸化物564は、ウェットエッチャント534が、マスキングプラチナ酸化物564の下のプラチナ含有層520を除去することを防止する。図5Dに関連して説明されるように、間にプラチナ酸化物520を備えないプラチナ含有層520上にキャップ層532を形成することは、本明細書の他の例を参照して説明したように、低オーバーエッチング、及び従って、低アンダーカット及び一貫した横方向寸法の利点を提供し得る。
【0077】
図5Fを参照すると、残りのプラチナ含有層520はボンドパッド582を提供し、ボンドパッド582は、ボンドパッド下部層594を介して、相互接続590への電気的接続を成す。自然プラチナ酸化物522が、ボンドパッド582の露出された横方向表面上に生じ得る。
【0078】
ワイヤボンド598として図5Fに示されるボンド接続598が、その後、ボンディングオペレーションによってボンドパッド582上に形成され得る。超音波ボンディングプロセスを用いて、マスキングプラチナ酸化物564を適所に備えるプラチナパッド上の、金及びプラチナワイヤを備えるワイヤボンドが実証されている。マスキングプラチナ酸化物564を介するワイヤボンディングのプロセスの結果、ワイヤボンド598がプラチナ含有層520に直接接触される。或いは、ボンド接続598は、ボンドパッド582の上にメッキされるインジウム又はその他の金属を有するバンプボンドを含み得る。バンプボンドを形成するプロセスは、バンプボンドが溶融されるリフローオペレーションを含み、その結果、バンプボンド金属がプラチナ含有層520に直接接触される。プラチナ含有金属のボンドパッド582を形成することは、アルミニウム又は反応性の高い別の金属に比べ、マイクロ電子デバイス500に対して所望の信頼性を提供し得る。
【0079】
図6Aから図6Iは、更なる例示の形成方法の連続的段階において示される、パターニングされたプラチナ含有層を備えるマイクロ電子デバイスの断面図である。図6Aを参照すると、マイクロ電子デバイス600は基板602を有し、基板602は、この例において、基板602の頂部表面612まで延在する誘電材料672を含む。プラチナ含有層620が、基板602の頂部表面612の上に形成される。プラチナ含有層620は、図3Aに関連して開示されるプラチナ含有層320に類似する組成及び構造を有し得る。この例の1つのバージョンにおいて、図6Aに示されるように、プラチナ含有層620の頂部表面624上に自然プラチナ酸化物622aが存在し得る。
【0080】
図6Bを参照すると、図6Aの自然プラチナ酸化物622aは、プラチナ含有層620の頂部表面624から除去される。この例の1つのバージョンにおいて、自然プラチナ酸化物622は、図6Bに示されるように、スパッタエッチングプロセスのイオン630によって除去され得る。別のバージョンにおいて、自然プラチナ酸化物622aは、プラチナ含有層620を加熱することによって除去され得る。自然プラチナ酸化物622aを除去するその他の方法もこの例の範囲内にある。
【0081】
図6Cを参照すると、キャップ層632が、キャップ層632とプラチナ含有層620との間の界面にプラチナ酸化物がないように、プラチナ含有層620の頂部表面624上に形成される。この例において、これは、図6Aの自然プラチナ酸化物622aを除去した後、プラチナ含有層620の頂部表面624を酸化環境に晒すことなく、キャップ層632を形成することによって達成され得る。この例の別のバージョンにおいて、キャップ層632は、自然プラチナ酸化物622aを最初に生じさせることなく、プラチナ含有層620上に形成され得る。キャップ層632は、後にプラチナ含有層620の少なくとも一部を除去するために用いられるものと同じウェットエッチャント中でエッチング可能である。キャップ層632は、図1Dに関連して開示されるような組成及び厚みを有し得、図1Dに関連して開示されるプロセスのいずれかによって形成され得る。
【0082】
図6Dを参照すると、エッチングマスク658がキャップ層632の上に形成される。エッチングマスク658は、プラチナ含有構造のためのエリア660を露出させる。この例の1つのバージョンにおいて、エッチングマスク658は、フォトリソグラフプロセス又は電子ビームリソグラフプロセス等のリソグラフプロセスによって形成されるレジストを含み得る。別のバージョンにおいて、エッチングマスク658は、付加的なプロセスによって形成される有機ポリマー材料を含み得る。更に別のバージョンにおいて、エッチングマスク658は、マスキング及びエッチングプロセスにより、又は付加的なプロセスにより形成される無機材料を含み得る。
【0083】
図6Eを参照すると、キャップ層632は、エッチングマスク658によって露出された箇所で除去される。キャップ層632は、プラズマエッチングプロセスによって、ウェットエッチングプロセスによって、又は別の方法によって除去され得る。自然プラチナ酸化物622bの新規の層が、キャップ層632の除去によって露出された箇所のプラチナ含有層620の頂部表面624上に生じ得る。
【0084】
図6Fを参照すると、マスキングプラチナ酸化物664が、キャップ層632によって露出された箇所のプラチナ含有層620の頂部表面624の上に形成される。マスキングプラチナ酸化物664は、図6Eの自然プラチナ酸化物622bに置き換わり得るか又はそれに追加され得る。マスキングプラチナ酸化物664は、酸化電解質700を用いる電気化学プロセスによって形成され得、プラチナ含有層620は、図6Fに概略的に示されるように、酸化電解質700に対して正の電位にバイアスされる。酸化電解質700は、例えば、硫酸(HSO)の水溶液又は水酸化ナトリウム(NaOH)の水溶液を含み得る。酸化電解質700は他の配合も有し得る。或いは、マスキングプラチナ酸化物664は、例えば、本明細書に説明される例の任意のもの等のその他の方法によって形成され得る。エッチングマスク658は、任意選択的に、キャップ層632の頂部表面を保護するために、マスキングプラチナ酸化物664の形成の間、適所に残され得る。エッチングマスク658は、その後除去される。
【0085】
図6Gは、図6Fのエッチングマスク658が除去された後のマイクロ電子デバイス600を図示する。マスキングプラチナ酸化物664は、プラチナ含有構造のためのエリアにおいてプラチナ含有層620を覆う。マスキングプラチナ酸化物664は、後続のウェットエッチングプロセスの間、プラチナ含有構造のためのエリアにおけるプラチナ含有層620の除去を防止するために充分な厚みを持つ。
【0086】
図6Hを参照すると、ウェットエッチャント634を用いるウェットエッチングプロセスが、図6Gのキャップ層632、及び、図1Eから図1Gに関連して説明されるように、マスキングプラチナ酸化物664によって露出された箇所のプラチナ含有層620を除去する。ウェットエッチャント634は、図1Eに関連して開示される組成のいずれかを有し得る。図6Hは、ウェットエッチングプロセスの完了時のマイクロ電子デバイス600を図示する。マスキングプラチナ酸化物664は、ウェットエッチャント634が、マスキングプラチナ酸化物664の下のプラチナ含有層620を除去することを防止する。図6Aから図6Cに関連して説明されるように、間にプラチナ酸化物を備えないプラチナ含有層620上にキャップ層632を形成することは、ウェットエッチングプロセスに、長いオーバーエッチングを必要とすることなく、マスキングプラチナ酸化物664によって露出された箇所のプラチナ含有層620を完全に除去することを可能にし、従って、有利にも、残りのプラチナ含有層620の一貫した横方向寸法を提供する。
【0087】
図6Iは、図6Hのウェットエッチャント634に対する暴露から外された後の、マイクロ電子デバイス600を図示する。付加的な自然プラチナ酸化物622cが、プラチナ含有層620のすべての露出された表面上に生じ得る。プラチナ含有層620はプラチナ含有構造682を提供し、プラチナ含有構造682は、抵抗器、センサ、インダクタ、キャパシタ、相互接続等の一部とし得る。
【0088】
図6Hに関連して説明されるようにウェットエッチングプロセスによってプラチナ含有構造682を形成することは、プラチナ含有構造682におけるプラチナ含有層620のセグメントにおいて、特有の特徴を生成し得る。第1の特有の特徴は、1つのセグメントの頂部表面624から隣接するセグメントの頂部表面624を測定したときの、プラチナ含有層620の隣接するセグメント間の第1の離間702が、基板602の頂部表面612に沿って測定したときの、同じ2つの隣接するセグメント間の第2の離間704より大きくなり得ることである。第1の特有の特徴は、図6Hのウェットエッチャント634によるエッチングの等方性の結果である。
【0089】
第2の特有の特徴は、基板602の頂部表面612に沿って測定したときのセグメントの幅706が、同じセグメントの厚み708の2倍より小さくなり得ることである。プラチナ含有層620において第2の特有の特徴を持つことは、有利にも、プラチナ含有構造682に対して、及び従ってマイクロ電子デバイス600に対して、より低面積を提供し得る。第2の特有の特徴の達成は、プラチナ酸化物を備えずに、プラチナ含有層620上に図6Cのキャップ層632を形成することによって可能にされ、それは、最小のオーバーエッチングを用いた、第2の離間704におけるプラチナ含有層620の完全な除去を可能にする。
【0090】
第3の特有の特徴は、プラチナ含有層620のセグメントに隣接する第2の離間704が、同じセグメントの厚み708の2倍より小さくなり得ることである。プラチナ含有層620において第3の特有の特徴を有することは更に、プラチナ含有構造682に対して、及び従ってマイクロ電子デバイス600に対して、より低面積を提供し得る。第3の特有の特徴の達成は、同様に、プラチナ酸化物を備えずに、プラチナ含有層620上に図6Cのキャップ層632を形成することによって可能にされる。
【0091】
第4の特有の特徴は、プラチナ含有層620上に再堆積されたスパッタリングが存在しないことである。再堆積されたスパッタリング残留物は、ポリマー材料及び場合によってはプラチナ含有材料を含み得るが、イオンミリングプロセスによって形成される構造の典型であり、本明細書における例に開示されるウェットエッチングプロセスによって形成されない。再堆積されたプラチナ含有残留物のないプラチナ含有層620を有することは、汚染及び関連する欠陥を低減し得、従って、有利にも、プラチナ含有構造682を含むマイクロ電子デバイス600の回路に対して、より一貫性の高い性能及び信頼性を提供する。
【0092】
第5の特有の特徴は、プラチナ含有層620のセグメントに隣接する基板602の頂部表面612上にプラチナ含有残留物が存在しないことである。基板602の頂部表面612上のプラチナ含有残留物は、ウェットエッチング工程の間にプラチナの頂部表面上にプラチナ酸化物を備えてウェットエッチングプロセスによって形成されるプラチナ含有構造の典型である。プラチナ含有残留物は、ウェットエッチング工程において用いられるウェットエッチャント中のプラチナ酸化物のエッチング速度が非常に遅い場合に生じる。第5の特有の特徴の達成は、間にプラチナ酸化物を備えずにプラチナ含有層620上に図6Cのキャップ層632を形成することによって可能にされる。プラチナ含有残留物のない、基板602の頂部表面612を有することは、有利にも、マイクロ電子デバイス600の信頼性を改善し得る。本明細書の例において説明されるようにプラチナ含有構造を備えるマイクロ電子デバイスを形成することは、マイクロ電子デバイスの歩留まりを改善し得、それは、有利にも、生産されるマイクロ電子デバイスに対する製造コストを低減し得る。
【0093】
特許請求の範囲内で、説明した実施形態における変更が可能であり、他の実施形態が可能である。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図2G
図2H
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図5F
図6A
図6B
図6C
図6D
図6E
図6F
図6G
図6H
図6I
【手続補正書】
【提出日】2022-01-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロ電子デバイスであって、
基板
前記基板の上のプラチナ含有層であって第1の表面と、前記第1の表面と反対であって前記第1の表面よりも前記基板近い第2の表面を有し、
その厚さの2倍よりも小さい幅を有する第1のセグメントと、
前記第1のセグメントに隣接する第2のセグメント
前記第1の表面における前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第1の間隔と
前記第2の表面における前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第2の間隔であって、前記第1の間隔よりも小さく、前記第1のセグメントの厚みの倍より小さ、前記第2の間隔と、
を含む、前記プラチナ含有層と、
を含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記マイクロ電子デバイスが、前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の前記基板の頂部表面上にプラチナ含有残留物がない、マイクロ電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成される抵抗器を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項4】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成される相互接続を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項5】
請求項4に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記相互接続が局所相互接続である、マイクロ電子デバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記相互接続がプラチナシリサイドに対する電気的接続を作る、マイクロ電子デバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成されるボンドパッドを更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項8】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成されるセンサ要素を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項9】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成されるサーモカップル要素を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項10】
請求項1に記載のマイクロ電子デバイスであって、
前記プラチナ含有層に形成されるヒーター要素を更に含む、マイクロ電子デバイス。
【請求項11】
集積回路であって、
基板と、
第1及び第2の隣接するセグメントを含む複数のプラチナ含有導電性セグメントであって、前記プラチナ含有導電性セグメントがコプレーナの頂部表面とコプレーナの底部表面とを有し、前記底部表面が前記頂部表面よりも広く、前記底部表面が前記頂部表面よりも前記基板の頂部表面に近い、前記複数のプラチナ含有導電性セグメントと、
を含み、
前記頂部表面における前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第1の間隔が前記底部表面における前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の第2の間隔よりも大きくなるように、前記第1及び第2のセグメントが台形の断面プロファイルを有し、
前記頂部表面に沿った前記第1のセグメントの幅が前記第1のセグメントの厚さの2倍よりも小さく、
前記第2の間隔が前記第1のセグメントの厚さの2倍よりも小さい、集積回路。
【請求項12】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとの間の前記基板の頂部表面にプラチナ含有残留物がない、集積回路。
【請求項13】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成される抵抗器を更に含む、集積回路。
【請求項14】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成される相互接続を更に含む、集積回路。
【請求項15】
請求項14に記載の集積回路であって、
前記相互接続が局所相互接続である、集積回路。
【請求項16】
請求項15に記載の集積回路であって、
前記相互接続がプラチナシリサイドに対する直接的電気的接続を作る、集積回路。
【請求項17】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成されるボンドパッドを更に含む、集積回路。
【請求項18】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成されるセンサ要素を更に含む、集積回路。
【請求項19】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成されるサーモカップル要素を更に含む、集積回路。
【請求項20】
請求項11に記載の集積回路であって、
前記複数のプラチナ含有導電性セグメントに形成されるヒーター要素を更に含む、集積回路。