IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ イワブチ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043495
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】機器取付金具
(51)【国際特許分類】
   H02G 7/00 20060101AFI20220309BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220309BHJP
   F16B 2/06 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
H02G7/00
H05K5/02 E
F16B2/06 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148794
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】592157076
【氏名又は名称】イワブチ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】中田 正人
(72)【発明者】
【氏名】藤村 竜徳
【テーマコード(参考)】
3J022
4E360
5G367
【Fターム(参考)】
3J022DA11
3J022EA16
3J022EB04
3J022EB14
3J022EC17
3J022EC22
3J022FB12
3J022GA04
3J022GA12
4E360AB64
4E360EA05
4E360EB02
4E360EC01
4E360EC12
4E360ED02
4E360ED17
4E360GA04
4E360GA53
4E360GB36
5G367AC01
5G367AC03
5G367AD03
(57)【要約】
【課題】バンド金具や腕金を使用せずに簡単にアンテナ等の機器を支柱に取付ける。
【解決手段】上側取付金具1は、第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12と、挟持金具同士締結ボルト3およびナット4と、掛止金具13とを有し、支柱5の両側に設けた第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12を支柱5の両側から通した挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって支柱5に固定すると共に、第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に機器6に取付けた掛止金具13の掛止部13cを挿入して機器6の上側を支柱5に固定し、下側取付金具2は、第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22を支柱5の両側から通した挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって支柱5に固定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器の上側に取付ける上側取付金具と、機器の下側に取付ける下側取付金具とによって支柱に機器を取付けるための機器取付金具であって、
前記上側取付金具は、
左右両側にそれぞれボルト孔を有する第1上側挟持金具および第2上側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットと、掛止金具とを有し、前記第1上側挟持金具および第2上側挟持金具で支柱を挟持してそれぞれのボルト孔を通した前記挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって支柱に固定すると共に、機器側となる前記第1上側挟持金具には掛止孔が設けられており、その掛止孔に機器に取付けておいた前記掛止金具の掛止部を掛止して機器の上側を支柱に固定するように構成されている一方、
前記下側取付金具は、
左右両側にそれぞれボルト孔を有する第1下側挟持金具および第2下側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットとを有し、機器に固定された前記第1下側挟持金具および前記第2下側挟持金具で支柱を挟持してそれぞれのボルト孔を通した前記挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって機器の下側を支柱に固定するように構成されていることを特徴とする機器取付金具。
【請求項2】
請求項1記載の機器取付金具において、
前記掛止部は、正面視、下端部から上方へ上がる程、幅広になる先細形状に形成されており、
前記掛止部の最大幅は、前記掛止孔の最大幅よりも大きく形成されていることを特徴とする機器取付金具。
【請求項3】
請求項2記載の機器取付金具において、
前記掛止部の先細形状は、逆三角形または上下逆にした台形の形状であり、その逆三角形または上下逆にした台形の傾斜辺には、折り曲げられた補強フランジ部が設けられていることを特徴とする機器取付金具。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載の機器取付金具において、
前記第1上側挟持金具は、
前記掛止孔が設けられた上側面と、
その上側面に対向して前記掛止孔の下方まで延びる下側面と、
前記上側面と下側面との間に設けられ、前記挟持金具同士締結ボルトが通されるボルト孔が設けられたボルト通し面とを有し、
前記掛止部は、前記上側面に設けられた前記掛止孔に挿入されて掛止された際、前記掛止部の下端部が前記下側面よりも下方へ突出し、前記下側面の先端面に当接することによって前記第1上側挟持金具に対する前記掛止金具の傾きを防止するように構成されていることを特徴とする機器取付金具。
【請求項5】
請求項4記載の機器取付金具において、
前記第1上側挟持金具の下側面の先端面は、その上側面に設けられた掛止孔の内周面よりも当該掛止孔の内側に突出していることを特徴とする機器取付金具。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか一の請求項に記載の機器取付金具において、
前記上側取付金具および下側取付金具の内、機器が取付けられない側となる前記第2上側挟持金具および第2下側挟持金具における前記挟持金具同士締結ボルトが通るボルト通し面には、前記挟持金具同士締結ボルトが通る正面視、円形状の円形ボルト孔と、前記挟持金具同士締結ボルトが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から前記挟持金具同士締結ボルトが入出自在の正面視、U字形状の側方開口ボルト孔とを有することも特徴とする機器取付金具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナ等の各種機器を支柱に取付けるための機器取付金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機器取付金具として、例えば、支柱にバンド金具を固定すると共に、バンド金具に基端側を固定した腕金先端にアンテナ等の機器を取付ける金具が提案されている(例えば、特許文献1,2参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015‐149806号公報
【特許文献2】特開2014‐193066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の特許文献1,2に記載の機器取付金具では、バンド金具や腕金を使用するため、支柱にアンテナ等の機器を取付ける作業に手間がかかるという問題があった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、バンド金具や腕金を使用せずに簡単にアンテナ等の機器を支柱に取付けることができる機器取付金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る機器取付金具は、機器の上側に取付ける上側取付金具と、機器の下側に取付ける下側取付金具とによって支柱に機器を取付けるための機器取付金具であって、前記上側取付金具は、左右両側にそれぞれボルト孔を有する第1上側挟持金具および第2上側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットと、掛止金具とを有し、前記第1上側挟持金具および第2上側挟持金具で支柱を挟持してそれぞれのボルト孔を通した前記挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって支柱に固定すると共に、機器側となる前記第1上側挟持金具には掛止孔が設けられており、その掛止孔に機器に取付けておいた前記掛止金具の掛止部を掛止して機器の上側を支柱に固定するように構成されている一方、前記下側取付金具は、左右両側にそれぞれボルト孔を有する第1下側挟持金具および第2下側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットとを有し、機器に固定された前記第1下側挟持金具および前記第2下側挟持金具で支柱を挟持してそれぞれのボルト孔を通した前記挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって機器の下側を支柱に固定するように構成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る機器取付金具では、前記掛止部は、正面視、下端部から上方へ上がる程、幅広になる先細形状に形成されており、前記掛止部の最大幅は、前記掛止孔の最大幅よりも大きく形成されていることも特徴とする。
また、本発明に係る機器取付金具では、前記掛止部の先細形状は、逆三角形または上下逆にした台形の形状であり、その逆三角形または上下逆にした台形の傾斜辺には、折り曲げられた補強フランジ部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係る機器取付金具では、前記第1上側挟持金具は、前記掛止孔が設けられた上側面と、その上側面に対向して前記掛止孔の下方まで延びる下側面と、前記上側面と下側面との間に設けられ、前記挟持金具同士締結ボルトが通されるボルト孔が設けられたボルト通し面とを有し、前記掛止部は、前記上側面に設けられた前記掛止孔に挿入されて掛止された際、前記掛止部の下端部が前記下側面よりも下方へ突出し、前記下側面の先端面に当接することによって前記第1上側挟持金具に対する前記掛止金具の傾きを防止するように構成されていることも特徴とする。
また、本発明に係る機器取付金具では、前記第1上側挟持金具の下側面の先端面は、その上側面に設けられた掛止孔の内周面よりも当該掛止孔の内側に突出していることも特徴とする。
また、本発明に係る機器取付金具では、前記上側取付金具および下側取付金具の内、機器が取付けられない側となる前記第2上側挟持金具および第2下側挟持金具における前記挟持金具同士締結ボルトが通るボルト通し面には、前記挟持金具同士締結ボルトが通る正面視、円形状の円形ボルト孔と、前記挟持金具同士締結ボルトが通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から前記挟持金具同士締結ボルトが入出自在の正面視、U字形状の側方開口ボルト孔とを有することも特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る機器取付金具では、上側取付金具は、第1上側挟持金具および第2上側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットと、掛止金具とを有し、支柱の両側に設けた第1上側挟持金具および第2上側挟持金具を支柱の両側を通ってそれぞれのボルト孔を通した挟持金具同士締結ボルトおよびナットの締結によって支柱に固定すると共に、第1上側挟持金具および第2上側挟持金具の内、機器側の上側挟持金具には掛止孔が設けられており、その掛止孔に機器に取付けておいた掛止金具の掛止部を掛止して機器の上側を支柱に固定するように構成され、下側取付金具は、第1下側挟持金具および第2下側挟持金具と、挟持金具同士締結ボルトおよびナットとを有し、第1上側挟持金具および第2上側挟持金具の内、機器側の下側挟持金具には予め挟持金具同士締結ボルトを挿してそのネジ部が突出するような状態にして機器に固定しておき、機器側の下側挟持金具に予め挿しておいた挟持金具同士締結ボルトのネジ部を他方の下側挟持金具のボルト孔に挿入しナットによって締結して機器の下側を支柱に固定するように構成されている。
そのため、本発明の機器取付金によれば、バンド金具や腕金を使用せずにアンテナ等の機器を支柱に取付けることができるので、作業性を向上させることができる。
特に、本発明では、上側取付金具は、機器側に固定した掛止金具は支柱にボルトおよびナットによって固定せず、支柱に固定した第1上側挟持金具および第2上側挟持金具の内、機器側の上側挟持金具の掛止孔に掛止部を掛止して機器の上側を支柱に固定するように構成しているので、この点でも作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る実施形態の機器取付金具を使用して機器を支柱に取付けた状態を示す斜視図である
図2】本発明に係る実施形態の機器取付金具を使用して機器を支柱に取付けた状態を示す側面図である
図3】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する上側取付金具の斜視図である。
図4】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する上側取付金具の第1上側挟持金具の斜視図である。
図5】(a)~(e)それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する第1上側挟持金具の第1上側挟持金具の平面図、正面図、底面図、右側面図、図(b)におけるA-A線断面図である。
図6】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する第2上側挟持金具(第2下側挟持金具)の斜視図である。
図7】(a)~(d)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する第2上側挟持金具(第2下側挟持金具)の平面図、正面図、右側面図、ある。
図8】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する掛止金具の斜視図である。
図9】(a)~(c)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する掛止金具の平面図、正面図、右側面図である。
図10】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する掛止金具を第1上側挟持金具に掛止した状態を示す斜視図である。
図11】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する掛止金具を第1上側挟持金具に掛止した状態を示す正面図、右側面図である。
図12】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する掛止金具を第1上側挟持金具に掛止した状態を示す平面図、底面図である。
図13】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する下側取付金具の斜視図である。
図14】本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する下側取付金具の第1下側挟持金具の斜視図である。
図15】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する下側取付金具の第1下側挟持金具の正面図、右側面図である。
図16】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を構成する下側取付金具の第1下側挟持金具の平面図、底面図である。
図17】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を使用して機器を支柱に取付ける手順を示す図であって、上側取付金具を構成する第1上側挟持金具と第2上側挟持金具を支柱に固定した状態を示す斜視図、側面図である。
図18】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を使用して機器を支柱に取付ける手順を示す図であって、支柱に固定した第1上側挟持金具に掛止孔に機器に固定した掛止金具を挿入して掛止した状態を示す斜視図、側面図である。
図19】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具を使用して機器を支柱に取付ける手順を示す図であって、支柱に固定した第1上側挟持金具に掛止孔に機器に固定した掛止金具を挿入して掛止した状態を示す斜視図、側面図である。
図20】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具の第2下側挟持金具の側方開口ボルト孔を使用した第1下側挟持金具との連結方法を示す図であって第1下側挟持金具に第2下側挟持金具を連結したまま支柱をその間に入れた状態を示す斜視図、平面図である。
図21】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具の第2下側挟持金具の側方開口ボルト孔を使用した第1下側挟持金具との連結方法を示す図であって第2下側挟持金具を回転させて第1下側挟持金具と対向させた状態を示す斜視図、平面図である。
図22】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具の第2下側挟持金具の側方開口ボルト孔を使用した第1下側挟持金具との連結方法を示す図であって第1下側挟持金具に取付けておいた挟持金具同士締結ボルトを第2下側挟持金具のボルト通しスリットを介して側方開口ボルト孔に移動させる状態を示す斜視図、平面図である。
図23】(a),(b)、それぞれ、本発明に係る実施形態の機器取付金具の第2下側挟持金具の側方開口ボルト孔を使用した第1下側挟持金具との連結方法を示す図であって第1下側挟持金具に取付けておいた挟持金具同士締結ボルトを第2下側挟持金具の側方開口ボルト孔に移動させた後、ナットにより締結した状態を示す斜視図、平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る機器取付金具の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、下記に説明する実施形態はあくまで本発明の一例であり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0010】
<実施形態の機器取付金具の構成>
本実施形態の機器取付金具は、例えば図1図2等に示すように支柱5にアンテナ等の機器6を取付けるための金具であって、機器6の上側に取付ける上側取付金具1と、機器6の下側に取付ける下側取付金具2と、挟持金具同士締結ボルト3およびナット4等を備えて構成される。尚、本実施形態では、挟持金具同士締結ボルト3として所謂、角根ボルトを使用するが、角根ボルトに限定されるものではない。
【0011】
(上側取付金具1)
上側取付金具1は、機器6の上側を支柱5に取付けるための金具であって、図1図3等に示すように、支柱5の両側に設けた第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12を、支柱5の両側から通した2本の挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって支柱5に固定し、第1上側挟持金具11の上側面11aに設けた後述する掛止孔11a1に掛止金具13の掛止部13cを挿入して機器6の上側を支柱5に掛止する金具である。
【0012】
(第1上側挟持金具11)
第1上側挟持金具11は、図4および図5(a)~(d)に示すように、上下方向に所定の間隔を空けて平行に設けた上側面11aおよび下側面11bと、上側面11aと下側面11bとの間に設けられたボルト通し面11cとにより側面視、断面コ字形状に形成されている。
【0013】
上側面11a、下側面11bおよびボルト通し面11cは、それぞれ、支柱5の径が変わった場合でも支柱5の外周面に確実に当接できるよう湾曲形状に凹み、支柱5表面に確実に当接できるように支柱当接挟持部11abcが形成されている。
【0014】
上側面11aは、図4図5(a)に示すように掛止金具13の掛止部13cが挿入して掛止(掛留め)可能な長方形状の掛止孔11a1が設けられている。そのため、掛止孔11a1は、掛止部13cが挿入して掛止(掛留め)できるように長方形状で、かつ、その最大幅である長手方向の幅W1(図5(a)参照。)は、掛止金具13の掛止部13cの最大幅W3(図9(b)参照。)よりも小、つまりW1<W3の関係を満足するように形成する。
【0015】
また、掛止孔11a1の短手方向の幅W2(図5(a)参照。)は、掛止孔11a1に後述する掛止金具13の掛止部13cが挿入された際、前後方向にグラつかいように、掛止金具13の掛止部13c下端部の補強フランジ部13c1,13c1の高さW4とほぼ同じにしている。
【0016】
下側面11bは、図5(a),(c),(e)に示すように、その先端部が上側面11aの掛止孔11a1に上下方向で数mm程度重なるまで延びて形成され、後述するように掛止金具13の掛止部13c下端部の補強フランジ部13c1,13c1が当接するように形成されている。
【0017】
ここで、下側面11bの先端面11b1は、図5(a),(c),(e)等に示すように、上側面11aに設けられた掛止孔11a1の内周面よりも当該掛止孔11a1の内側に、例えば0.5mm程突出させている。尚、下側面11bの先端面11b1の突出量は、0.5mm未満でも、0.5mmより大きくても勿論良く、さらには掛止孔11a1の内周面まで突出しているだけでも勿論良い。
【0018】
ボルト通し面11cには、支柱当接挟持部11abcの両側にそれぞれ角根ボルトである挟持金具同士締結ボルト3の角根部が嵌る正面視、正方形状のボルト孔11c2,11c2が設けられている。
【0019】
(第2上側挟持金具12)
第2上側挟持金具12は、挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって第2上側挟持金具12と共に支柱5を挟持する金具であって、図6および図7(a)~(c)に示すように構成されており、上下方向に所定の間隔を空けて平行に設けた上側面12aおよび下側面12bと、上側面12aと下側面12bとの間に設けられたボルト通し面12cと、右側面12dと左側面12eとによって、例えば、ボルト通し面12cを底とした蓋無しの箱形状に形成されている。
【0020】
上側面12aおよび下側面12bには、それぞれ、支柱5の径が変わった場合でも支柱5の外周面に確実に当接できるよう湾曲形状に凹んで、支柱5表面に確実に当接できるように支柱当接挟持部12a1,12bが設けられている。
【0021】
ボルト通し面12cには、挟持金具同士締結ボルト3が通る丸孔形状の挟持金具同士締結円形ボルト孔12c1と、挟持金具同士締結ボルト3が通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から挟持金具同士締結ボルト3が入出自在である正面視、U字形状の側方開口ボルト孔12c2が設けられている。
【0022】
右側面12dは、持金具同士締結円形ボルト孔12c1側のボルト通し面12cと連続する側面であるため、何も設けられてない平面である一方、左側面12eは、側方開口ボルト孔12c2側のボルト通し面12cと連続する側面であるため、側方開口ボルト孔12c2と連続するように横から挟持金具同士締結ボルト3を通すためのボルト通しスリット12e1が形成されている。よって、左側面12eは、ボルト通しスリット12e1によって上下方向に分断して形成されている。
【0023】
(掛止金具13)
掛止金具13は、予め機器6側に取付けておき、その掛止部13cを支柱5側に固定した第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入して機器6を支柱5に掛止するための第3の金具であって、図8および図9(a)~(c)に示すように機器6に固定される機器固定面13aと、機器固定面13aに連続し、第1上側挟持金具11の上側面11aに載置される中継面13bと、中継面13b先端で折れ曲がって下方に延びて形成された掛止部13cとを備えている。
【0024】
掛止金具13の機器固定面13aには、機器6をネジ等で固定するため、各種機器6の複数のネジ孔に応じた位置に、例えば、丸穴形状の4つのネジ孔13a1と、長穴形状の2つのネジ孔13a1が設けられている。
【0025】
掛止金具13の中継面13bと掛止部13cとの連続部分には、強度を向上させるため補強用凹部13bcが設けられている。
【0026】
掛止部13cは、図8および図9(b)等に示すように正面視、下方先端が掛けた逆三角形または逆さ台形に近似した形状に形成されており、左右両側の傾斜辺には、例えば、90度折り曲げられた補強フランジ部13c1,13c1が設けられており、補強フランジ部13c1,13c1が後述する図10図12等に示すように第1上側挟持金具11の掛止孔11a1の内周面および第1上側挟持金具11の下側面11bの先端面に当接するように形成されている。尚、補強フランジ部13c1,13c1の折り曲げ角度は、補強できる強度を確保できるのであれば90度以外でも勿論良い。
【0027】
また、掛止部13cには、軽量化を図る事などを目的としてその中央に逆三角形の肉抜き孔である開口部13c2が設けられている。
【0028】
(下側取付金具2)
下側取付金具2は、図1等に示すように機器6の下側を支柱5に取付けるための金具であって、図1図2図13等に示すように、支柱5の両側に設けた一対の第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22を、支柱5の両側から通した2本の挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって支柱5に固定する金具で、第2下側挟持金具22は上側取付金具1の第1下側挟持金具12と同じ物を使用している。よって、第1下側挟持金具12の構成の説明は、省略する。
【0029】
(第1下側挟持金具21)
第1下側挟持金具21は、図14図16等に示すように、機器6に固定される機器固定面21aと、機器固定面21aに連続し機器固定面21aの下端部から折れ曲がる第1水平面21bと、第1水平面21bに連続し第1水平面21bの先端部から90度折れ曲がり第2下側挟持金具22のボルト通し面22cに対向するボルト通し面21cと、ボルト通し面21cの下端部から90度折れ曲がり第1水平面21bと対向する第2水平面21dとを有する。
【0030】
機器固定面21aには、掛止金具13の機器固定面13aと同様に、機器6をビス等で固定するため、各種機器6の複数のネジ孔に応じた位置に、例えば、丸穴形状の4つのネジ孔21a1と、長穴形状の2つのネジ孔21a1が設けられている。
【0031】
第1水平面21b、ボルト通し面22cおよび第2水平面21dには、第1上側挟持金具11の支柱当接挟持部11abcと同様に、支柱5の径が変わった場合でも支柱5の外周面に確実に当接できるよう湾曲形状に凹んで支柱5表面に確実に当接できるよう支柱当接挟持部21bcdが設けられている。
【0032】
また、ボルト通し面21cには、第1上側挟持金具11のボルト通し面11cと同様に、挟持金具同士締結ボルト3が通る正方形状の挟持金具同士締結ボルト孔21c1,21c1が設けられている。
【0033】
(第2下側挟持金具22)
第2下側挟持金具22は、図6図7等に示すように第2上側挟持金具12と同じ物を使用しており、その構成は同じであるため、構成の説明は省略する。
【0034】
(挟持金具同士締結ボルト3およびナット4)
挟持金具同士締結ボルト3としては、いわゆる角根ボルトを使用する。ナット4は、挟持金具同士締結ボルト3のネジ部に螺合する通常のナットである。
【0035】
<本実施形態の機器取付金具を使用した機器6の取付け手順>
次に以上のように構成された本実施形態の機器取付金具を使用して支柱5に機器6と取り付ける手順の一例等について説明する。
【0036】
まずは、図17(a),(b)に示すように第1上側挟持金具11と第2上側挟持金具12とで支柱5を挟持した状態で支柱5の両側から通した2本の挟持金具同士締結ボルト3およびナット4を締結し、支柱5に第1上側挟持金具11と第2上側挟持金具12とを固定する。
【0037】
また、機器6側には、機器6の上側には、掛止金具13をその機器固定面13aの4つのネジ孔13a1と2つのネジ孔13a1(図8図9(b)等参照。)の内、当該機器6に合致するネジ孔を使用してネジやビス等で固定しておく一方、機器6の下側には、第1下側挟持金具21の機器固定面21aの4つのネジ孔21a1と2つのネジ孔21a1(図14図15(a)等参照。)の内、当該機器6に合致するネジ孔を使用してネジやビス等で固定しておく。
【0038】
ここで、機器6の下側に第1下側挟持金具21を固定する際は、図17(a),(b)に示すように、第1下側挟持金具21のボルト通し面21cの挟持金具同士締結ボルト孔21c1,21c1(図14図15(a)等参照。)には、それぞれ挟持金具同士締結ボルト3を予め通しておく。
【0039】
そして、作業員は、図17(a),(b)における矢印αのように機器6の上部に取り付けた掛止金具13の掛止部13cを、支柱5に固定した第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入して、図18(a),(b)に示すような状態に掛止(掛留め)する。
【0040】
図18(a),(b)に示す状態では、機器6はその上部に取り付けた掛止金具13の掛止部13cが支柱5に固定した第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入されて掛止状態にあるため、作業員が機器6から手を離すことが可能となり、第2下側挟持金具22を取り出す等の他の作業を行うことも可能となるので、作業効率を向上させることが出来る。
【0041】
尚、図18(a),(b)に示す状態では、第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22等の下側取付金具2は挟持金具同士締結ボルト3およびナット4で締結して支柱5に固定しておらず、第1上側挟持金具11の下側面11bの先端面11b1は、図5(a),(c),(e)等に示すように、上側面11aに設けられた掛止孔11a1の内周面よりも当該掛止孔11a1の内側に突出していて、第1下側挟持金具21の掛止孔11a1に掛止金具13の掛止部13cを挿入した際、掛止部13cは上側が下側よりも支柱5側に傾斜して挿入され、機器6の下側が上側よりも支柱5よりも離れるため、第1下側挟持金具21の支柱当接挟持部21bcd(図14図15等参照。)は、支柱5表面に当接せず、若干隙間が空いている。
【0042】
次に、作業員は、機器6を支柱5に固定するため、図19(a),(b)に示すように機器6の下側に固定した第1下側挟持金具21のボルト通し面21c左右両側の挟持金具同士締結ボルト孔21c1,21c1(図14図15(a)等参照。)から突出している挟持金具同士締結ボルト3を、それぞれ第2下側挟持金具22のボルト通し面22cの挟持金具同士締結ボルト孔22c1と側方開口ボルト孔22c2に通して、ナット4で締結する。
【0043】
以上のようにして、機器6の上側は第1上側挟持金具11や第2上側挟持金具12、掛止金具13等の上側取付金具1で支柱5に固定する一方、機器6の下側は第1下側挟持金具21や第2下側挟持金具22等で支柱5に固定した場合には、図1図2に示すように機器6の背面は、支柱5の長手方向とほぼ平行になる。
【0044】
これにより、機器6の上側は、上側取付金具1の第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に掛止金具13の掛止部13cを挿入した掛止状態であるが、機器6の下側は、第1下側挟持金具21と第2下側挟持金具22とが2本の挟持金具同士締結ボルト3およびナット5,5による締結によって固定するため、機器を支柱5に確実に固定することができる。
【0045】
また、上側取付金具1のみの固定状態であれば、機器6自体も上側が下側よりも支柱5側に近接して、機器6の下側が上側よりも支柱5よりも離れているが、機器6の下側を下側取付金具12によって固定することにより、図2等に示すように機器6の背面が支柱5に対し平行になった場合、掛止金具13の機器固定面13aや中継面13bが掛止部13cに対し反時計回りに曲がり、掛止部13cの下端部が第1上側挟持金具11の下側面11bの先端面11b1に常時、強く当接する。そのため、上側取付金具11では掛止金具13と第1上側挟持金具11とをボルト・ナットで固定しなくても、下側取付金具12による固定によって掛止金具13が強固に第1上側挟持金具11に取付けられるので、この点でも機器を支柱5に確実に固定することができることになる。
【0046】
(側方開口ボルト孔12c2,22c2の効果的な使い方)
尚、上記実施形態の説明では、第2上側挟持金具12および第2下側挟持金具22は、それぞれ、側方開口ボルト孔12c2,22c2を有するので、円形ボルト孔12c1,22c1それぞれに挟持金具同士締結ボルト3を通し第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12を緩く螺合して取り付けたまま支柱5に固定することも出来る。この固定方法を、第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22を一例に説明する。
【0047】
具体的には、図20(a),(b)に示すように第1下側挟持金具21のボルト孔11c1に通した挟持金具同士締結ボルト3を第2下側挟持金具22の円形ボルト孔22c1にも通してナット4を螺合し、第1下側挟持金具21に第2下側挟持金具22を緩く連結しておく。ここで、第1下側挟持金具21の方形ボルト孔11c1,11c1は、角根ボルトである挟持金具同士締結ボルト3の角根部が嵌るように正方形状に形成されているため、角根部が嵌合していない場合には、図20(a),(b)に示すように左右に挟持金具同士締結ボルト3を開くことができると共に、第2下側挟持金具22は鉛直方向に倒しておくことができるため、第1下側挟持金具21に第2下側挟持金具22を連結したままでも第1下側挟持金具21と第2下側挟持金具22との間に支柱5を挿入することができる。
【0048】
第1下側挟持金具21と第2下側挟持金具22との間に支柱5を挿入した後は、図21(a),(b)に示すように円形ボルト孔22c1に通した挟持金具同士締結ボルト3を回転軸として第2下側挟持金具22を90度回転させて第1下側挟持金具21と対向するように水平にし、その後は、図22(a),(b)に示すように第2下側挟持金具22のボルト通しスリット22e1から挟持金具同士締結ボルト3を通して挟持金具同士締結ボルト3を側方開口ボルト孔22c2へ移動させ、最後に図23(a),(b)に示すようにナット4で締結する。
【0049】
これにより、側方開口ボルト孔12c2,22c2を有する第2上側挟持金具12および第2下側挟持金具22では、それぞれ、第1上側挟持金具11および第1下側挟持金具21に円形ボルト孔12c1,22c1に通した挟持金具同士締結ボルト3によって連結したまま支柱5に固定することができるので、機器6を支柱5に取付ける際の作業性を向上させることができる。
【0050】
<本発明に係る実施形態の機器取付金具のまとめ>
以上説明したように本発明に係る実施形態の機器取付金具は、上側取付金具1は、第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12と、掛止金具13と、挟持金具同士締結ボルト3およびナット4とを有し、支柱5の両側に設けた第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12を支柱5の両側から通した挟持金具同士締結ボルト3およびナット4の締結によって支柱5に固定すると共に、第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12の内、機器6側の第1上側挟持金具11には掛止孔11a1を設け、その掛止孔11a1に機器6に取付けておいた掛止金具13の掛止部13cを挿入して機器6の上側を支柱5に掛止するように構成する一方、下側取付金具2は、一対の第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22と、挟持金具同士締結ボルト3およびナット4とを有し、一対の第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22の内、機器6側の第1下側挟持金具21には予め挟持金具同士締結ボルト3を挿してそのネジ部が突出するような状態にして機器6に固定しておき、機器6側の第1下側挟持金具21に予め挿しておいた挟持金具同士締結ボルト3のネジ部を他方の下側挟持金具のボルト孔に挿入しナット4によって締結して機器6の下側を支柱5に固定するように構成している。
【0051】
そのため、本発明に係る実施形態の機器取付金具によれば、バンド金具や腕金を使用せずにアンテナ等の機器6を支柱5に取付けることができるので、作業性を向上させることができる。
【0052】
特に、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、上側取付金具1は、機器6側に固定した掛止金具13は支柱5に挟持金具同士締結ボルト3およびナット4によって固定せず、支柱5に固定した第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12の内、機器6側の第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に掛止部13cを挿入して機器6の上側を支柱5に掛止するように構成しているため、高所作業でも作業員は、上側取付金具1を構成する第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12を支柱5に固定し、その後、第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に掛止部13cを係止すれば機器6の上側を支柱5に固定することが可能となり、この点でも作業性を向上させることができる。
【0053】
また、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、掛止金具13の掛止部13cは、正面視、逆三角形または上下逆にした台形の形状で下端部から上方へ上がる程、幅広になる先細形状に形成し、掛止部13の最大幅W3(図9(b)参照。)は、第1上側挟持金具11の掛止孔11a1の最大幅W1(図5(a)参照。)よりも大きく、つまりW1<W3の関係を満足するように形成している。
【0054】
そのため、掛止金具13の掛止部13cを第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入して掛止した際には、掛止金具13を掛止孔11a1に単に掛止できるだけでなく、機器6の重量によって掛止部13cが第1上側挟持金具11の掛止孔11a1により深く入り込もうとした際に楔効果を発揮して自然と強力に掛留めすることになるので、第1上側挟持金具11と掛止金具13とを挟持金具同士締結ボルト3およびナット4によって締結しなくても、確実に機器6の上側を支柱5に固定することができる。
【0055】
また、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、掛止部13cにおける正面視、逆三角形または上下逆にした台形の傾斜辺には、例えば、90度折り曲げられた補強フランジ部13c1,13c1を設けている。
【0056】
そのため、掛止金具13の掛止部13cの強度が向上するので、この点でもより強固かつ確実に機器6の上側を支柱5に固定することができる。
【0057】
また、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12の内、第1上側挟持金具11は、掛止孔11a1が設けられた上側面と、その上側面11aに対向して掛止孔11a1の下方まで延びる下側面11bと、上側面11aと下側面11bとの間に設けられ、挟持金具同士締結ボルト3が通される方形ボルト孔11c1,11c1が設けられたボルト通し面11cとを有し、掛止部13cは、上側面11aに設けた掛止孔11a1に挿入して掛止された際、掛止部13cの下端部が下側面よりも下方へ突出して、下側面11bの端面に当接するように構成している。
【0058】
そのため、掛止金具13の掛止部13cを第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入して掛止した際、図10(b)や図11(b)等に示すように掛止金具13の掛止部13cは掛止部13c上部(基端部)が掛止孔11a1の内周面に当接すると共に、掛止部13c下部(先端部)が第1上側挟持金具11下側面11bの端面に当接することにより掛止部13cが上下で第1上側挟持金具11に当接するので、第1上側挟持金具11に対する掛止金具13の傾きを確実に防止することが可能となり、確実に機器6を支柱5に掛留め(掛止)することができる。
【0059】
特に、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、第1上側挟持金具11の下側面11bの先端面11b1は、図5(a),(c),(e)等に示すように、上側面11aに設けられた掛止孔11a1の内周面よりも当該掛止孔11a1の内側に突出させている。
【0060】
そのため、図10図11に示すように掛止孔11a1に掛止金具13の掛止部13cを挿入した際、掛止部13cは上側が下側よりも支柱5側に傾斜するので、機器6自体も上側が下側よりも支柱5側に近接して、機器6の下側が上側よりも支柱5よりも離れる。しかし、図2等に示すように上側取付金具11および下側取付金具12によって機器6の背面が支柱5に対し平行になるように取付けた場合、掛止金具13の機器固定面13aや中継面13bが掛止部13cに対し反時計回りに曲がるか、あるいは仮に曲がらない場合であっても反時計回りの曲げモーメントが掛止金具13全体に作用し、掛止部13cの下端部が第1上側挟持金具11の下側面11bの先端面11b1に常時、強く当接し反力を受ける等して、掛止金具13の掛止部13cが第1上側挟持金具11の掛止孔11a1か抜け難く取付けられることになる。これにより、掛止金具13と第1上側挟持金具11とをボルト・ナットで固定せずに掛止部13cを第1上側挟持金具11の掛止孔11a1に挿入させた状態でも、掛止金具13を第1上側挟持金具11に十分に抜け難い状態で取付けることが可能となるので、機器6の上側を支柱5に確実に固定することができる。
【0061】
また、本発明に係る実施形態の機器取付金具では、上側挟持金具1および下側挟持金具2の内、機器6に固定されない側の第2上側挟持金具12および第2下側挟持金具22それぞれのボルト通し面12c,22cには、挟持金具同士締結ボルト3が通る正面視、円形状の円形ボルト孔12c1,22c1と、挟持金具同士締結ボルト3が通り、かつ、外側に向かって開口し、側方から挟持金具同士締結ボルト3が入出自在の正面視、U字形状の側方開口ボルト孔12c2,22c2とを設けている。
【0062】
そのため、上側挟持金具1を構成する第1上側挟持金具11および第2上側挟持金具12と、下側挟持金具2を構成する第1下側挟持金具21および第2下側挟持金具22では、円形ボルト孔12c1,22c1に挟持金具同士締結ボルト3を通して第1上側挟持金具11に第2上側挟持金具12を連結し、第1下側挟持金具21には第2下側挟持金具22を連結したまま支柱5に固定することができるので、この点でも機器6を支柱5に取付ける際の作業性を向上させることができる。
【0063】
尚、上記実施形態の説明では、掛止金具13の掛止部13cは、正面視、逆三角形または上下逆にした台形に形成して説明したが、本発明ではこれに限定されず、下端部から上方へ上がる程、幅広になる先細形状に形成され、かつ、掛止部13cの最大幅W3が記掛止孔11a1の最大幅W1よりも大きく,掛止部13cが掛止孔11a1に掛止(掛留め)できる形状に形成されていれば十分であり、掛止部13cの左右両側が湾曲して先細形状に形成する等、正面視、逆三角形または上下逆にした台形以外の形状に形成しても勿論良い。
【0064】
また、上記実施形態の説明では、第2上側挟持金具12と第2下側挟持金具22では、作業性の向上を図るため、それぞれ、円形ボルト孔12c1,22c1と側方開口ボルト孔12c2,22c2とを有するように説明したが、本発明ではこれに限らず、側方開口ボルト孔12c2,22c2を設けずに円形ボルト孔12c1,22c1を2つ設けても勿論良い。
【符号の説明】
【0065】
1 上側取付金具
11 第1上側挟持金具
11a 上側面
11a1 掛止孔
11b 下側面
11c ボルト通し面
11c2,11c2 ボト孔
11abc 支柱当接挟持部
12 第2上側挟持金具
12a 上側面
12b 下側面
12c ボルト通し面
12c1 円形ボルト孔
12c2 側方開口ボルト孔
12d 右側面
12e 左側面
12e1 ボルト通しスリット
13 掛止金具
13a 機器固定面
13b 中継面
13bc 補強用凹部
13c 掛止部
13c1,13c1 補強フランジ部
13c2 開口部
2 下側取付金具
21 第1下側挟持金具
21a 機器固定面
21b 第1水平面
21c ボルト通し面
21c1,21c1 挟持金具同士締結ボルト孔
21d 第2水平面
21bcd 支柱当接挟持部
22 第2下側挟持金具
22a 上側面
22b 下側面
22c ボルト通し面
22c1 円形ボルト孔
22c2 側方開口ボルト孔
22d 右側面
22e 左側面
22e1 ボルト通しスリット
3 挟持金具同士締結ボルト
4 ナット
5 支柱
6 機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23