(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043577
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】フォースセンサユニット及びフォースセンサ
(51)【国際特許分類】
G01L 1/26 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
G01L1/26 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148915
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000242633
【氏名又は名称】北陸電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091443
【弁理士】
【氏名又は名称】西浦 ▲嗣▼晴
(74)【代理人】
【識別番号】100130720
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼見 良貴
(74)【代理人】
【識別番号】100130432
【弁理士】
【氏名又は名称】出山 匡
(72)【発明者】
【氏名】林 宏樹
(72)【発明者】
【氏名】奥村 雄也
(57)【要約】
【課題】従来よりも小形のフォースセンサユニット及び該フォースセンサユニットに好適なフォースセンサを提供する。
【解決手段】フォースセンサ3のベース基体7のフランジ部7Aの外縁部7Dに、フォースセンサユニット1の追加位置決め用カバー15の外側周壁部15Cの自由端15Dを接着剤で接着する。フォースセンサ3のベース基体7に、球体11に伝達される力と一緒に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構5を装着すれば、フォースセンサ3をそのまま利用して、フォースセンサユニット1を小形且つ簡単に構成することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース基体の表面上に実装されたフォースセンサ素子と、前記フォースセンサ素子に力を伝達する力伝達部材としての球体と、前記ベース基体との間に間隔を開け且つ前記ベース基体と対向するように配置される対向壁部、前記対向壁部に設けられて前記球体の一部を露出させる開口部、及び前記対向壁部と前記ベース基体との間に位置して前記フォースセンサ素子の周囲を囲む周壁部を備えて、前記球体を前記フォースセンサ素子に直接接触させるように、前記球体を位置決め配置する位置決め用カバーとを具備し、前記位置決め用カバーの前記周壁部の自由端が前記ベース基体に接着剤を介して接着されているフォースセンサと、
前記フォースセンサの前記ベース基体に装着されて前記球体に伝達される力と一緒に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えたフォースセンサユニットであって、
前記ベース基体上には、前記周壁部の前記自由端の周囲を囲むフランジ部が形成されており、
前記衝撃吸収機構は、
前記球体の前記一部と接触し且つ前記球体に力を伝達するとともに前記衝撃を吸収する機能を備えた力印加部材と、
前記位置決め用カバーとの間に間隔を開け且つ前記球体と対向するように配置される対向壁部、前記対向壁部に設けられて前記力印加部材の一部を露出させる外側開口部、及び前記ベース基体と前記対向壁部との間に位置して前記位置決め用カバーの周囲を囲む外側周壁部を備えて、前記力印加部材を前記球体に直接接触させ、前記力印加部材を前記球体に向かって移動可能に保持し且つ前記力印加部材を前記ベース基体に対して位置決め配置する追加位置決め用カバーを具備し、
前記フランジ部には、前記追加位置決め用カバーの前記外側周壁部の自由端が接着剤で接着されていることを特徴とするフォースセンサユニット。
【請求項2】
前記力印加部材は、前記追加位置決め用カバーの外側に位置する操作部と前記追加位置決め用カバーの内側に位置する本体部とからなり、
前記本体部は前記球体と接触する接触部を含んでおり、
前記操作部及び前記本体部の前記接触部以外の部分は、弾性材料によって形成されており、
前記接触部は弾性を有しない硬質材料によって形成されている請求項1に記載のフォースセンサユニット。
【請求項3】
前記力印加部材は、前記追加位置決め用カバーの外側に位置する操作部と前記追加位置決め用カバーの内側に位置する本体部とからなり、
前記本体部は前記球体と接触する接触部を含んでおり、
前記操作部が弾性材料によって形成されており、
前記本体部は弾性を有しない硬質材料によって形成されている請求項1に記載のフォースセンサユニット。
【請求項4】
前記硬質材料は、前記球体の材質の硬度に近い硬度を有する材料である請求項2または3に記載のフォースセンサユニット。
【請求項5】
前記硬質材料がステンレスである請求項4に記載のフォースセンサユニット。
【請求項6】
前記追加位置決め用カバーの前記周壁部の内面と前記本体部の外面との間には、前記力印加部材を前記球体に向かって移動させる際に、前記本体部が前記球体に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように前記本体部をガイドするガイド間隙が形成されている請求項1に記載のフォースセンサユニット。
【請求項7】
前記操作部の外面と前記外側開口部の内面との間には、前記力印加部材を前記球体に向かって移動させる際に、前記本体部が前記球体に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように前記操作部をガイドするガイド間隙が形成されている請求項1に記載のフォースセンサユニット。
【請求項8】
ベース基体の表面上に実装されたフォースセンサ素子と、前記フォースセンサ素子に力を伝達する力伝達部材としての球体と、前記ベース基体との間に間隔を開け且つ前記ベース基体と対向するように配置される対向壁部、前記対向壁部に設けられて前記球体の一部を露出させる開口部、及び前記対向壁部と前記ベース基体との間に位置して前記フォースセンサ素子の周囲を囲む周壁部を備えて、前記球体を前記フォースセンサ素子に直接接触させるように、前記球体を位置決め配置する位置決め用カバーとを具備し、前記位置決め用カバーの前記周壁部の自由端が前記ベース基体に接着剤を介して接着されているフォースセンサであって、
前記ベース基体上には、前記周壁部の前記自由端の周囲を囲むフランジ部が形成されていることを特徴とするフォースセンサ。
【請求項9】
前記フランジ部には、前記自由端と係合して前記周壁部の位置決めをする被係合部が設けられている請求項8に記載のフォースセンサ。
【請求項10】
前記フランジ部には、前記位置決め用カバーの前記自由端が嵌められる環状の段部または凹部が形成されており、
前記環状の段部または凹部が前記被係合部を構成している請求項9に記載のフォースセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォースセンサ素子に力を伝達する力伝達部材として球体を用いるフォースセンサと緩衝機構を有するフォースセンサユニット及びフォースセンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許第6568544号公報には、フォースセンサ素子に力を伝達する力伝達部材として球体を用い、球体に加わる力を緩衝する緩衝機構として接触部材と操作部との間に弾性部材を配置したフォースセンサユニットが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のフォースセンサユニットでは、基板の上にフォースセンサを実装し、この基板に対して筒体の内部に操作部の主要部、接触部材及び緩衝機構を含んだ緩衝構造を装着している。従来のフォースセンサユニットは、フォースセンサを実装する基板の上に、フォースセンサとは別に緩衝構造を組み立てた構造を有している。そのため従来の構造では、フォースセンサユニットの小形化に限界があった。
【0005】
本発明の目的は、従来よりも小形のフォースセンサユニット及び該フォースセンサユニットに好適なフォースセンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ベース基体の表面上に実装されたフォースセンサ素子と、フォースセンサ素子に力を伝達する力伝達部材としての球体と、ベース基体との間に間隔を開け且つベース基体と対向するように配置される対向壁部、対向壁部に設けられて球体の一部を露出させる開口部、及び対向壁部とベース基体との間に位置してフォースセンサ素子の周囲を囲む周壁部を備えて、球体をフォースセンサ素子に直接接触させるように、球体を位置決め配置する位置決め用カバーとを具備し、位置決め用カバーの周壁部の自由端がベース基体に接着剤を介して接着されているフォースセンサと、フォースセンサのベース基体に装着されて球体に伝達される力と一緒に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構を備えたフォースセンサユニットを対象とする。フォースセンサユニットは、フォースセンサが小さくなるほど、組み立てが難しくなる。特に、単純な嵌め合い構造で位置決め用カバーをベース基体に固定することは難しくなる。そのため本発明が対象とするフォースセンサユニットでは、接着剤を用いて位置決め用カバー部材の周壁部の自由端をベース基体に接着している。また本発明のフォースセンサでは、ベース基体上に、位置決め用カバーの周壁部の自由端の周囲を囲むフランジ部が形成されている。このようなフランジ部は、位置決め用カバーをベース基体に接着する際に、余分な接着剤の逃げ場となり、余分な接着剤がベース基体の側面まで流れることを防止できる。またフランジ部を利用して、フォースセンサユニットを構成する際に、衝撃吸収機構を装着することができる。したがって本発明のフォースセンサは、単体で使用することができるのは勿論、フォースセンサユニットに使用する場合でも特別な加工を必要とせずに、そのまま使用できる利点がある。
【0007】
本発明のように、フォースセンサのベース基体に、球体に伝達される力と一緒に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構を装着すれば、フォースセンサをそのまま利用して、フォースセンサユニットを小形且つ簡単に構成することができる。本発明では、衝撃吸収機構を、球体の一部と接触し、球体に力を伝達するとともに衝撃を吸収する機能を備えた力印加部材と、位置決め用カバーとの間に間隔を開け且つ球体と対向するように配置される対向壁部、対向壁部に設けられて力印加部材の一部を露出させる外側開口部、及びベース基体と対向壁部との間に位置して位置決め用カバーの周囲を囲む外側周壁部を備えて、力印加部材を球体に直接接触させ、力印加部材を球体に向かって移動可能に保持し且つ力印加部材を前記ベース基体に対して位置決め配置する追加位置決め用カバーとを具備した構成とする。本発明のフォースセンサユニットでは、フランジ部に、追加位置決め用カバーの外側周壁部の自由端を接着剤で接着する。このようにすれば、フォースセンサのベース基体を利用して、簡単且つ小形にフォースセンサユニットを構成することができる。
【0008】
力印加部材は、追加位置決め用カバーの外側に位置する操作部と追加位置決め用カバーの内側に位置する本体部とからなる。そして本体部は球体と接触する接触部を含んでおり、操作部及び本体部の接触部以外の部分は、弾性材料によって形成されており、接触部は弾性を有しない硬質材料によって形成されているのが好ましい。このような力印加部材を用いると、干渉作用が力検出に影響を与えるのを防止できる。なお力印加部材は、追加位置決め用カバーの外側に位置する操作部と追加位置決め用カバーの内側に位置する本体部とからなり、本体部は球体と接触する接触部を含んでおり、操作部が弾性材料によって形成されており、本体部が弾性を有しない硬質材料によって形成されていてもよい。
【0009】
なお硬質材料は、球体の材質の硬度に近い硬度を有する材料であればよい。このようにすれば、球体と硬質材料とが早期に摩耗することを抑制することができる。特に、硬質材料をステンレスにより形成すれば、長期間の使用によっても硬質材料が錆びることがないため、球体と硬質材料との間の摩擦抵抗が変化して、特性が影響を受けるのを防止できる。
【0010】
さらに追加位置決め用カバーの周壁部の内面と本体部の外面との間には、力印加部材を球体に向かって移動させる際に、本体部が球体に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように本体部をガイドするガイド間隙が形成されているのが好ましい。または操作部の外面と外側開口部の内面との間に、力印加部材を球体に向かって移動させる際に、本体部が球体に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように操作部をガイドするガイド間隙が形成されていてもよい。このようなガイド間隙を設ければ、力印加部材が斜め状態になって、球体を押すようなことを防止することができ、検出精度の低下を防止できる。
【0011】
フランジ部には、自由端と係合して周壁部の位置決めをする被係合部が設けられていてもよい。例えば、フランジ部には、位置決め用カバーの自由端が嵌められる環状の段部または凹部が形成されており、これら環状の段部または凹部が被係合部を構成していてもよい。フランジ部に被係合部を設ければ、接着作業を行う前の位置決めが容易になり、組み立てが容易になる。また被係合部が段部または凹部であれば、接着剤を段部または凹部内で留めることができるので、接着剤の塗布作業が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】第1の実施の形態のフォースセンサユニットの外観の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態のフォースセンサユニットを詳細に説明する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態のフォースセンサユニット1の外観の一例を示す斜視図であり、
図2は
図1の実施の形態の断面図である。これらの図において、フォースセンサユニット1は、フォースセンサ3と衝撃吸収機構5とから構成される。フォースセンサ3は、セラミックス製のベース基体7の表面上に実装されたフォースセンサ素子9と、フォースセンサ素子9に力を伝達する力伝達部材としての球体11と、金属製の位置決め用カバー13とを備えている。フォースセンサ素子9は、半導体基板に拡散抵抗からなるブリッジ回路が形成された半導体フォースセンサ素子である。その他のタイプのフォースセンサ素子を用いることができるのは勿論である。そして位置決め用カバー13は、ベース基体7との間に間隔を開け且つベース基体7と対向するように配置される対向壁部13A、対向壁部13Aに設けられて球体11の一部を露出させる開口部13B、及び対向壁部13Aとベース基体7との間に位置してフォースセンサ素子9の周囲を囲む周壁部13Cを備えて、金属製の球体11をフォースセンサ素子9に直接接触させるように、球体11を位置決め配置する。
【0015】
ベース基体7には、位置決め用カバー13の周壁部13Cの自由端13Dの周囲を囲むフランジ部7Aが形成されている。ベース基体7には、フランジ部7Aの内側にフォースセンサ素子9を収容する収容凹部7Bが形成されている。また位置決め用カバー13の周壁部13Cの自由端13Dは、ベース基体7のフランジ部7Aにエポキシ系の接着剤を介して接着されている。本実施の形態では、フランジ部7Aには、位置決め用カバー13の周壁部13Cの自由端13Dと係合して周壁部13Cの位置決めをする被係合部を構成する環状の段部または凹部7Cが設けられている。フランジ部7Aにこのような被係合部を設ければ、接着作業を行う前の位置決めが容易になり、組み立てが容易になる。また被係合部が段部または凹部7Cであれば、接着剤を段部または凹部7C内で留めることができるので、接着剤の塗布作業が容易になる利点がある。
【0016】
衝撃吸収機構5は、金属製の追加位置決め用カバー15の内部に、球体11の一部と接触し、球体11に力を伝達するとともに衝撃を吸収する機能を備えた力印加部材17を備えている。力印加部材17は、追加位置決め用カバー15の外側に位置する操作部17Aと追加位置決め用カバー15の内側に位置する本体部17Bとからなる。そして本体部17Bは球体11と接触する接触部17Cを含んでおり、操作部17A及び本体部17Bの接触部17C以外の部分は、ゴム等の弾性材料によって形成されており、接触部17Cは弾性を有しない硬質材料によって形成されている。具体的には、球体11がステンレス球から構成されており、接触部17Cも球体11と同じ硬度かまたは硬度が近いステンレス材料によって形成されている。このようにすれば、球体11と硬質材料とが早期に摩耗することを抑制することができる。特に、硬質材料をステンレスにより形成すれば、長期間の使用によっても硬質材料からなる接触部17Cが錆びることがないため、球体11と硬質材料からなる接触部17Cとの間の摩擦抵抗が変化して、特性が影響を受けるのを防止できる。
【0017】
追加位置決め用カバー15は、位置決め用カバー13との間に間隔を開け且つ球体11と対向するように配置される対向壁部15A、対向壁部15Aに設けられて力印加部材17の一部を露出させる外側開口部15B、及びベース基体7と対向壁部15Aとの間に位置して位置決め用カバー13の周囲を囲む外側周壁部15Cを備えて、力印加部材17を球体11に直接接触させ、力印加部材17を球体11に向かって移動可能に保持し且つ力印加部材17をベース基体7に対して位置決め配置する。本実施の形態のフォースセンサユニット1では、フランジ部7Aの外縁部7Dに、追加位置決め用カバー15の外側周壁部15Cの自由端15Dを接着剤で接着している。この接着にもエポキシ系の接着剤を用いている。本実施の形態のように、フォースセンサ3のベース基体7に、球体11に伝達される力と一緒に加わる衝撃を吸収する衝撃吸収機構5を装着すれば、フォースセンサ3をそのまま利用して、フォースセンサユニット1を小形且つ簡単に構成することができる。
【0018】
なお本実施の形態のフォースセンサユニット1は長さ寸法が約2.2mm、幅寸法が1.8mm、高さ寸法が2.0mmである。フォースセンサ素子9の機械的変位の最大許容幅は約0.1μm以下である。
【0019】
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態の断面図である。第2の実施の形態は、
図1及び
図2に示した第1の実施の形態とは、ベース基体7の形状及び力印加部材17の構造が異なる。その他の点は、第1の実施の形態と同じであるので、第1の実施の形態と同じ部分には、
図3には
図1及び
図2に付した符号と同じ符号を付してあり、異なる部分には別の符号を付してある。第2の実施の形態では、フォースセンサ3の位置決め用カバー13をベース基体7のフランジ部7Aに取り付けた場合と同様に、追加加位置決め用カバー15の外側周壁部15Cの自由端15Dの位置決めのために、フランジ部7Aの外縁部7Dに環状の段部7Eを設けてある。また力印加部材17は、本体部17B及び接触部17Cを球体11と硬度が同じか近い硬質材料であるステンレスにより一体に形成してある。本実施の形態によれば、追加位置決め用カバー15の位置決めが容易である。
【0020】
[第3の実施の形態]
図4は、本発明の第3の実施の形態の断面図である。第3の実施の形態は、
図3に示した第1の実施の形態とは、ベース基体7の形状が異なる。その他の点は、第2の実施の形態と同じであるので、
図4には、第2の実施の形態と同じ部分には、
図3に付した符号と同じ符号を付してあり、異なる部分には別の符号を付してある。第3の実施の形態では、ベース基体7として表面に凹凸がないフラットなセラミック基板を用いている。したがってフランジ部7Aには、位置決め用カバー13の自由端13Dと係合する被係合部及び追加位置決め用カバー15の自由端15Dと係合する被係合部は存在しない。このようなフラットなベース基体7であっても、組み立て治具を工夫すれば、問題なく、接着作業を行うことができる。
【0021】
[第4の実施の形態]
図5は、本発明の第4の実施の形態の断面図である。第4の実施の形態は、
図3に示した第2の実施の形態とは、ベース基体7の形状と力印加部材17の形状が異なる。その他の点は、第2の実施の形態と同じであるので、
図5には、第2の実施の形態と同じ部分には、
図3に付した符号と同じ符号を付してある。第4の実施の形態では、ベース基体7として、
図1及び第2に示した第1の実施の形態で用いたベース基体7と同じベース基体を用いている。そして力印加部材17の本体部17Bの形状寸法が、追加位置決め用カバー15の周壁部15Cの内面と本体部17Bの外面との間に、力印加部材17を球体11に向かって移動させる際に、本体部17Bが球体11に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように本体部17Bをガイドする僅かなガイド間隙gが形成されるように定められている。具体的には、15μm程度のガイド間隙gが形成されるのが好ましい。このようなガイド間隙gを設ければ、力印加部材17が斜め状態になって、球体11を押すことを防止することができ、検出精度の低下を防止できる。
【0022】
[第5の実施の形態]
図6は、本発明の第5の実施の形態の断面図である。第5の実施の形態は、
図5に示した第4の実施の形態とは、追加位置決め用カバー15の形状と力印加部材17の形状が異なる。その他の点は、第4の実施の形態と同じであるので、
図6には、第4の実施の形態と同じ部分には、
図5に付した符号と同じ符号を付してある。第5の実施の形態では、追加位置決め用カバー15の外側開口部15Bを筒構造としている。そして力印可部材17の形状を操作部17Aの外面と外側開口部15Bの内面との間に、力印加部材17を球体11に向かって移動させる際に、本体部17Bが球体11に向かって真っ直ぐに移動することを可能にするように操作部17Aをガイドするガイド間隙gが形成されるように定めている。具体的には、15μm程度のガイド間隙gが形成されるのが好ましい。このようなガイド間隙gを設ければ、力印加部材17が斜め状態になって、球体11を押すことを防止できる。なお追加位置決め用カバー部材15の対向壁部15Aの厚みを厚くしておけば、外側開口部15Bを本実施の形態のように筒構造とする必要はない。
【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明によれば、フォースセンサのベース基体を利用して、簡単且つ小形にフォースセンサユニットを構成することができる。
【符号の説明】
【0024】
1 フォースセンサユニット
3 フォースセンサ
5 衝撃吸収機構
7 ベース基体
9 フォースセンサ素子
11 球体
13 位置決め用カバー
15 追加位置決め用カバー
17 力印加部材