(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043580
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】真空構造体及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
B32B 3/26 20060101AFI20220309BHJP
F25D 23/06 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B32B3/26 Z
F25D23/06 V
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148918
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】520341968
【氏名又は名称】塚野 光男
(71)【出願人】
【識別番号】520342286
【氏名又は名称】宇佐美 遵
(74)【代理人】
【識別番号】100123489
【弁理士】
【氏名又は名称】大平 和幸
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 遵
(72)【発明者】
【氏名】塚野 光男
【テーマコード(参考)】
3L102
4F100
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102MB23
4F100AK01A
4F100AR00B
4F100BA02
4F100BA03
4F100CB00C
4F100DC01A
4F100DC03A
4F100DC04A
4F100EC03B
4F100EJ24
4F100GB07
4F100GB48
4F100JD02B
4F100JH01
4F100JJ02
4F100JL11C
4F100YY00A
(57)【要約】
【課題】一部が破損しても全体としての断熱性および/または防音性が保たれる真空構造体及びその使用方法を提供する。
【解決手段】中空の円柱、多角柱、ならびに/または、平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の中空部が減圧ないし真空になるように、ガスバリア膜またはガスバリア板によりシールした真空構造体。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の円柱、多角柱、ならびに/または、平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の中空部が減圧ないし真空になるように、ガスバリア膜またはガスバリア板によりシールした真空構造体。
【請求項2】
前記ガスバリア膜の一部をシールした、請求項1の真空構造体。
【請求項3】
各中空部が独立に減圧ないし真空である、請求項1または2の真空構造体
【請求項4】
円柱、多角柱、ならびに/または、平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の材質が、樹脂である、請求項1~3のいずれか1項に記載の真空構造体。
【請求項5】
前記円柱、多角柱、ならびに/または、平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物がハニカム構造を形成することを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の真空構造体。
【請求項6】
突起を設けた板を貼り合わせて区画を作り、該区画を減圧ないし真空にした真空構造体。
【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を断熱用途に使用する方法。
【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を防音用途に使用する方法。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を用いたクーラーボックス、コンテナ、または保冷庫、冷凍庫。
【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を用いて、超低温で保冷する方法。
【請求項11】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を用いて、保冷して移送する方法。
【請求項12】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を有する輸送手段。
【請求項13】
請求項1~6のいずれか1項に記載の真空構造体を有する建築物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空構造体およびその使用方法に関する。より詳しくは、中空の柱状構造を有する真空構造体及びその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断熱材としては、ガスバリア性積層フィルムで芯材を減圧密封したものが使用されてきた。芯材としては、例えば、グラスウール等が使用されていた(例えば、特許文献1)。しかしながら、グラスウールを芯材として用いる場合、ガスバリア性積層フィルムに穴が開くと真空が保てなくなることから断熱材を交換する必要があった。
【0003】
そこで、一部に穴が開いたり、クラックが発生しても取り替えなくて済む断熱材が求められていた。
【0004】
また、運送業においても、クール便や冷凍便があるが、配送のコスト削減が求められていた。通常の乗用車などにおいても、より使いやすい断熱材の開発が求められていた。さらに、建築業においても、新規な断熱材の開発が求められていた。
効率のよい防音素材の開発も求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一部が破損しても全体としての断熱性が保たれる真空構造体及びその使用方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)中空の円柱、多角柱、ならびに/または平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の中空部が減圧ないし真空になるように、ガスバリア膜またはガスバリア板によりシールした真空構造体。ここで円柱には楕円柱も含まれる。「平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物」とは、柱状物の上面または底面から見た場合に、多角形の形状の一部に曲線や円弧を含むものを含む意味である。例えば、
図3および
図4のように、円柱や多角柱が変形して不規則な多角柱状になる場合があるが、
図3および
図4のような、不規則で、いびつな形状も含む趣旨である。すなわち、本発明の真空構造体は、減圧ないし真空の中空部分を有し、その上面および底面にガスバリア性のフィルムまたは板を接着させて密封した構造を有する。
(2)前記ガスバリア膜の一部をシールした、(1)の真空構造体。例えば、
図4のように、柱状物のブロックを分け、その間をシールすることで、ブロックごとに断熱性を有する真空構造体を製造することができる。
(3)各中空部が独立に減圧ないし真空である、(1)または(2)の真空構造体。
(4)円柱、多角柱ならびに/または平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の材質が、樹脂および/または金属である、(1)~(3)のいずれか1に記載の真空構造体。ここで樹脂には、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンのいずれか1、またはこれらのうち2以上の混合物であるものを含む。金属としては、例えば、鉄、アルミニウム、ステンレスなどが含まれるが、これらに限られない。要は本発明の目的を達成できる材質であれば特に限定されない。
(5)前記円柱、多角柱、ならびに/または平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物がハニカム構造を形成することを特徴とする、(1)~(4)のいずれか1に記載の真空構造体。
(6)突起を設けた板を貼り合わせて区画を作り、該区画を減圧ないし真空にした真空構造体。例えば、L字型の突起を上の板と下の板に作り、貼り合わせることで、直方体の空間ができるようにし、該直方体の空洞を減圧ないし真空にして真空構造体を作ることができる。区画の形状は特に制限されず、四角形などの多角形、円形、楕円形、不規則な形状であってもよい。
(7)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を断熱用途に使用する方法。
(8)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を防音用用途に使用する方法。
(9)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を備えたクーラーボックス、コンテナ、保冷庫または冷凍庫。
(10)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を用いて、超低温で保冷する方法。ここで、超低温とは、-70℃以下を言い、-80℃以下、-90℃以下、-100℃以下、-110℃以下、-120℃以下、-130℃以下、-140℃以下、-150℃以下、-160℃以下も含む。
(11)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を用いて、保冷して移送する方法。
(12)(1)~(6)のいずれか1に記載の真空構造体を有する輸送手段。輸送手段には、保冷車、冷凍車、車両、航空機、船舶、または潜水艦を含む。車両、航空機、船舶、または潜水艦には、例えば、天井、ドア、床などに本発明の真空構造体(および防音材)を設置することができる。
(13)(1)~(6)のいずれか1または複数の真空構造体を有する建築物。
建築物としては、例えば、住宅、ホテル、ビル、農業、畜産および水産用の冷蔵または冷凍倉庫や一般工場などが挙げられるが、これらに限られない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、簡易な構造で断熱性能を有する真空構造体が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の真空構造体の柱状物の単位の斜視図(a)、本発明の真空構造体の平面図(b)および側面図(c)である。
【
図2】
図2は、本発明の真空構造体の全体図(a)、拡大図(b)および(c)を示す図である。
【
図3】
図3は、本発明の真空構造体(ハニカム構造)の全体図(a)、拡大図(b)および(c)を示す図である。
【
図4】
図4は、本発明の真空構造体(ハニカム構造、中間でシールしたもの)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、保冷および/または防音などに使用する真空構造体に関する。本発明の真空構造体は、簡易な構造で、高い断熱性能および防音性能を有し、一部が破損した場合でも残りの部分で断熱性能を発揮できる構造である。
【0011】
本発明の真空構造体は、内部が空洞になっている柱状物、すなわち、円柱(
図1a参照)、多角柱、または、平面図で見た場合に曲線、円の一部および/もしくは多角形の一部が含まれる柱状物の上面および底面の両面をガスバリア性のフィルムまたは板状体などで密封し、各空洞を個別に減圧ないし真空にした構造を有する(
図1bおよびc参照)。円柱には楕円中も含まれる。円の一部には、楕円の一部も含まれる。
図3および4に示すように、円や多角形のつぶれたような不規則な形状の柱状物を含む真空構造体も本発明の範囲に含まれる。
本発明の真空構造体の大きさに特に制限はなく、必要に応じて大きくも小さくもできる。例えば、クーラーボックスに使用する場合は、クーラーボックスの壁面の設置場所に応じた大きさで製造すればよく、建築物の壁面に埋め込む場合は壁面の大きさに応じた大きさで製造すればよい。または、使用する面積よりも大きな真空構造体を製造し、適宜カットして使用することもできる。
【0012】
円柱で作成する場合、例えば、多数のストローを束ねてストローの長軸方向に直角に切断したものの切断面の両側に、ガスバリア性のある樹脂等の膜または、プラスチックもしくは金属などの板を減圧下で接着(例えば、溶着または接着剤による接着など)させ、独立した円筒形の減圧ないし真空の空間を多数有する真空構造体を製造する(
図1および
図2参照)。
【0013】
かかる内部が中空の柱状物の材質としては、減圧ないし真空にした場合に構造が崩れない程度の剛性があり、超低温に耐えられる材質であれば特に制限されないが、たとえば、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレンなどが好ましく用いられる。これらのうち、1種類のみを用いてもよく、2種類以上を混合して用いてもよい。また、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン、アクリロニトリル・スチレン、ポリメチルメタアクリル、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデンなどの汎用プラスチックを用いてもよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属を用いることもできる。
【0014】
かかる中空の柱状物を密封するガスバリア性の膜またはフィルムの材質としては、ナイロン、ポリエチレンなどが好ましく用いられる。また、密封するために、ガスバリア性の板状のプラスチックや金属(例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなど)を用いても良い。
【0015】
ガスバリア性のフィルムはガスを全く通さないか、通しにくい材質であればよく、必要に応じて金属でコート(蒸着)したフィルムを用いてもよい。
【0016】
ガスバリア性フィルムを柱状物に接着させるには、溶着してもよく、接着剤により結合させてもよい。例えば、ハニカム構造の上下の開口部をガスバリア性部材でヒートシールしてもよい。接着剤を用いる場合は、例えば、酢酸ビニル樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シアノアクリレート樹脂、アクリル樹脂、クロロプレンゴム、スチレンブタジエンゴムなどを主成分として含む接着剤が好ましく用いられるが、これらに限られない。要は、柱状部分の中空部分が減圧ないし真空に保たれるように接着できるものであれば制限なく使用できる。
【0017】
本発明の真空構造体は、各真空部分が独立していることから、一部に穴が開いたり、破れたり、釘を打ったりしても、残りの空洞部分は真空が保たれるので、残りの部分で十分な断熱効果が得られる。そのため、大きな真空構造体の一部をカットして用いることもできる。
【0018】
さらに、柱状物をブロックにして、各ブロック間のガスバリア膜をシール(例えば、ヒートシールなど)することにより、一部のブロックの真空が破損しても他のブロックの断熱性、保冷性は影響を受けないようにすることもできる。
【0019】
本発明の真空構造体の柱状部分の形状は、平面図で見た場合に、円や楕円であってもよく、多角形であってもよく、不規則な多角形や多角形の一部に丸みを帯びた形状(例えば、多角形の一部に曲線や円弧を含むなど)の形状であってもよい(例えば、
図3および
図4参照)。要は、ガスバリア膜により円筒などの中空の空洞部分が上下面でシールされ、中空部分が減圧ないし真空状態になって、断熱効果を発揮するものであれば、特に形状は限定されない。減圧ないし真空の程度は特に限定されないが、大気圧を1気圧(101325パスカル)とした場合に真空部分は、上限が、0.9気圧以下が望ましく、より好ましくは0.8気圧以下、0.7気圧以下、0.6気圧以下、0.5気圧以下、0.4気圧以下、0.3気圧以下、0.2気圧以下、0.1気圧以下であってもよい。真空の下限としては、1×10
-6パスカル以上が好ましく、1×10
-5パスカル以上、1×10
-4パスカル以上、1×10
-3パスカル以上、1×10
-2パスカル以上であってもよい。
【0020】
本発明の真空構造体は、ハニカム構造を一部または全部に有していてもよい。すなわち、ストローを切断した円柱を用いる代わりに、ハニカム構造を有する構造体の上下をガスバリア膜やガスバリア板でシールし、ハニカム構造の内部を減圧ないし真空にすることで断熱効果および/または防音効果を得ることもできる。
【0021】
ただし、円柱などの柱状部分は真空にした場合に変形しない程度の剛性を有することが好ましい。すなわち、
図1aの中心軸方向1には変形しないことが好ましい。
【0022】
本発明の真空構造体は、肉、魚、野菜などを冷蔵状態で配送する場合に使用できる。また、肉、魚、アイスクリーム、氷菓などを冷凍状態で配送する場合にも使用できる。使用方法としては、保冷剤の外側に本発明の真空構造体を配置すればよい。必要に応じてクーラーボックスや保冷カーゴのような保冷容器に本発明の真空構造体を適用することもできる。長期間保冷できるクーラーボックスや保冷カーゴなどを用いることにより、常温の荷物と保冷荷物の混載が可能になり、輸送コストを削減できる。
【0023】
本発明の真空構造体を輸送手段に用いることもできる。輸送手段としては、車両、鉄道、航空機、ヘリコプター、ドローン、船舶または潜水艦などあらゆる輸送手段を含む。例えば、クール宅配便のトラックや冷凍庫付きのトラックの保冷性能を高めることもできる。また、車両の屋根部分、ドア、など断熱が望ましい部分に本発明の真空構造体を設置することで車内の温度変化を少なくすることができる。さらに、航空機、船舶、または潜水艦などで断熱または防音が必要な箇所に本発明の真空構造体を適用することができる。例えば、航空機、船舶、または潜水艦などの壁面、天井、ドアなどに本発明の真空構造体を埋め込むことで、断熱および/または防音効果が得られる。
【0024】
あるいは、本発明の真空構造体を使用することで、宅配便のクール便、冷凍便も通常温度の配送車で配送できるようにできると期待できる。
【0025】
本発明の真空構造体は、各柱状部分の中空部分が独立して減圧ないし真空であることから、一部が破損してもその他の部分には影響を与えず、真空構造体としての性能を保持できる。
【0026】
さらに、真空構造体をブロック毎に分け、各ブロック間をシール(例えば、ヒートシールなど)することで、1つのブロックが破損などしても、破損した部分以外のシールされた部分は問題なく使用できるという特徴がある。
【0027】
本発明の他の実施形態としては、超低温(例えば、-100~―270℃)物の保冷に使用することができる。一般の保冷剤では、-80℃以下になると保冷剤の材質によっては変性して使用できなくなる場合がある。しかしながら、本発明の真空構造体の場合は、保冷剤を含まないため超低温物体の保冷用に使用可能である。
【0028】
本発明の真空構造体は、建築物に使用することもできる。例えば、住宅、宿泊施設(例えば、ホテル、旅館など)、倉庫、工場、保冷庫、冷凍庫、保冷室、冷凍室、恒温室、防音室などの壁面、天井、床面および/またはドアなどに本発明の真空構造体を使用することで、断熱および/または防音効果が得られる。建築物などの天井または壁などに本発明の真空構造体を設置することにより、断熱効果が発揮され、エアコンなどの使用頻度が下がり、省エネ効果も得られ、かつ防音効果も得られる。また、従来の断熱材または防音材に比べ、劣化が遅いため長期間使用できる。
【実施例0029】
(実施例1)
製造方法
図1に、本発明の1実施形態を示す。ストロー(半径3~10mm)を束ねて、ストローの長軸に対して直角に切断して円筒を作成した。円筒の高さは、0.5mmになるように切断した。真空または減圧状態で、その切断面に対してガスバリア性のフィルムを溶着させた(
図2)。
他の製造方法としては、1つの切断面にガスバリア性のフィルムを溶着(ヒートシール)させた後真空または減圧状態にしてから他方の切断面にガスバリア性のフィルムを溶着させてもよい。また、溶着以外に、接着剤を用いて接着させてもよい。
【0030】
(実施例2)
図3は、ハニカム構造を有する真空構造体の実施形態である。ハニカム状の多角柱形状の空洞を有する構造物をガスバリア性フィルムで両側から溶着または接着して製造する。真空状態で溶着または接着してもよく、一方を溶着または接着後真空に引いてから他方を溶着または接着してもよい。ハニカムの構造は規則正しい形状であってもよく、
図3、
図4のように、柱状物の形状は、上面(または底面)からみて、いびつな多角形や、一部に曲線を含む多角形の形状を有する柱状物であってもよく、各多角形の形状がそれぞれ異なっていてもよい。ここで、上面とは、柱状物の開口面の上側の部分をいい、底面とは、該開口面の下側をいう。
【0031】
(実施例3)
図4は、
図3のハニカム構造を有する真空構造体を分割して各部分毎にヒートシールしたものである。一定の大きさ毎にシールすることで、一部が破損してもその他の部分は影響を受けず、他の部分で断熱性が保たれるという効果を有する。
【0032】
(実施例4)
倉庫やプレハブの壁面やパネルに本発明の真空構造体を入れることで、断熱および/または防音効果を高めた倉庫やプレハブなどが製造できる。
【0033】
(実施例5)
乗り物、例えば、車両、航空機、船舶、潜水艦などの壁面に本発明の真空構造体を組み込むことができる。それにより、断熱および/または防音効果を有する乗用車、トラック、コンテナ車、航空機、船舶、潜水艦などを製造することができる。この場合、必要に応じて本発明の真空構造体を曲げるなどしてもよく、または、最初から壁面にフィットするような曲面を有する真空構造体を製造してもよい。