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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043581
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】コイル基板とモータ用コイル基板
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/26 20060101AFI20220309BHJP
   H01F 5/04 20060101ALI20220309BHJP
   H01F 5/00 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
H02K3/26 E
H01F5/04 R
H01F5/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020148920
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000000158
【氏名又は名称】イビデン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095795
【弁理士】
【氏名又は名称】田下 明人
(72)【発明者】
【氏名】森田 治彦
(72)【発明者】
【氏名】三輪 等
(72)【発明者】
【氏名】加藤 忍
(72)【発明者】
【氏名】横幕 俊彦
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久始
(72)【発明者】
【氏名】平澤 貴久
(72)【発明者】
【氏名】村木 哲也
(72)【発明者】
【氏名】古野 貴之
【テーマコード(参考)】
5H603
【Fターム(参考)】
5H603AA09
5H603BB01
5H603BB04
5H603BB13
5H603CA02
5H603CA05
5H603CC19
5H603CD25
5H603CE06
(57)【要約】
【課題】 適切な長さを有するコイル基板の提供
【解決手段】 実施形態のモータ用コイル基板20は、一端22Lと一端22Lと反対側の他端22Rとを有するフレキシブル基板22と、フレキシブル基板22上に形成されている複数のコイルC、とを有する。コイルCの数はKであって、コイルは一端22Rと他端22Lとの間にほぼ一列に配置されていて、1番目の第1コイルC1は一端22Lに近く、K番目のコイルCKと他端22Rとの間に所定間隔220が形成されている。Kは2以上の整数である。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端と前記一端と反対側の他端とを有するフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に形成されている複数のコイル、とを有するコイル基板であって、
前記コイルの数はKであって、前記コイルは前記一端と前記他端との間にほぼ一列に配置されていて、1番目の前記コイルは前記一端に近く、K番目の前記コイルと前記他端との間に所定間隔が形成されている。
Kは2以上の整数である。
【請求項2】
請求項1のコイル基板であって、前記フレキシブル基板は主な部分と前記主な部分から延びている副の部分で形成されていて、前記副の部分は前記所定間隔を形成し、前記副の部分上に前記コイルは形成されていない。
【請求項3】
請求項2のコイル基板であって、前記副の部分は前記フレキシブルの一部である。
【請求項4】
請求項2のコイル基板をN回巻くことで形成されるモータ用コイル基板であって、
前記フレキシブル基板の長さは、1周分の長さ(所定の長さ)のN倍であって、前記副の部分の長さは前記所定の長さより短い。
Nは2以上の整数である。
【請求項5】
請求項1のコイル基板であって、前記フレキシブル基板は第1面と前記第1面と反対側の第2面とを有し、前記コイルのそれぞれは、中央スペースと前記中央スペースを囲む配線で形成されていて、前記コイルを形成する前記配線は前記第1面上の第1回路と前記第2面上の第2回路と前記フレキシブル基板を貫通し前記第1回路と前記第2回路を繋ぐビア導体で形成されていて、前記第1回路と前記ビア導体と前記第2回路で1ターンのコイルが形成され、m番目の前記コイルの前記中央スペース下に(m-1)番目の前記コイルの前記第2回路が位置し、m番目の前記コイルの前記中央スペース上に(m+1)番目の前記コイルの前記第1回路が位置する。
mは2以上の整数である。
【請求項6】
請求項1のコイル基板であって、前記コイルは、U相コイルとV相コイルとW相コイルを含む。
【請求項7】
請求項4のモータ用コイル基板であって、前記フレキシブル基板は第1フレキシブル基板と前記第1フレキシブル基板から延びている第2フレキシブル基板を含み、前記第1フレキシブル基板は前記主な部分の一部であって、前記副の部分は前記第2フレキシブル基板の一部であって、前記第2フレキシブル基板は前記第1フレキシブル基板の周りに巻かれていて、前記第1フレキシブル基板の長さと前記第2フレキシブル基板の長さと前記所定の長さはほぼ等しく、前記第2フレキシブル基板上にK番目の前記コイルが形成されている。
【請求項8】
請求項7のモータ用コイル基板であって、前記所定間隔は前記コイルの幅より大きい。
【請求項9】
請求項7のモータ用コイル基板であって、前記所定間隔は前記所定の長さの約半分である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイル基板とモータ用コイル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、モータコイル基板を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-140762号公報
【発明の概要】
【0004】
[特許文献の課題]
特許文献1の図1(B)は、モータコイル基板の展開図を示している。その図によれば、コイルは絶縁基板上に均等に配置されていると考えられる。特許文献1の図3(D)はモータコイル基板の断面を示している。その図によれば、測定箇所により、外径D1が異なると考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係るコイル基板は、一端と前記一端と反対側の他端とを有するフレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に形成されている複数のコイル、とを有する。そして、前記コイルの数はKであって、前記コイルは前記一端と前記他端との間にほぼ一列に配置されていて、1番目の前記コイルは前記一端に近く、K番目の前記コイルと前記他端との間に所定間隔が形成されている。
Kは2以上の整数である。
【0006】
[実施形態の効果]
本発明の実施形態によれば、コイル基板は、一端と他端を有するフレキシブル基板とフレキシブル基板上の複数のコイルで形成されている。そして、コイルの数はKであって、K番目のコイルと他端との間に所定間隔が形成されている。従って、所定間隔を調整することで、コイル基板の長さを自由に調整することができる。
実施形態のコイル基板を巻くことで、モータ用コイル基板を製造することができる。フレキシブル基板の長さはLである。コイル基板を巻く回数はNである。モータ用コイル基板内で、最も内側に位置するフレキシブル基板は、第1フレキシブル基板である。最も外側に位置するフレキシブル基板は、第Nフレキシブル基板である。第Nフレキシブル基板は、第(N-1)フレキシブル基板から延びている。そして、第Nフレキシブル基板は、第(N-1)フレキシブル基板の周りに巻かれる。1周分のフレキシブル基板の長さはL1である。所定間隔を調整することで、L/L1を調整することができる。例えば、L/L1を2以上の整数に調整することができる。その場合、各周に配置されるフレキシブル基板の長さがほぼ等しい。第Nフレキシブル基板は、第(N-1)フレキシブル基板をほぼ完全に覆う。
実施形態のモータ用コイル基板と磁石でモータが製造される。モータ用コイル基板がモータの回転方向と平行な面で切断されると、モータ用コイル基板の断面が形成される。モータ用コイル基板は厚みを有する。モータ用コイル基板の厚みは断面で測定される。モータ用コイル基板の厚みは各周に配置されるフレキシブル基板を含む。そのため、所定間隔を調整することで、0度から360度までモータ用コイル基板の厚みをほぼ等しくすることができる。モータ用コイル基板の真円度を高くすることができる。真円度はモータ用コイル基板の断面で観察される。モータ用コイル基板がスムーズに回転する。モータ用コイル基板が回転する時、エネルギーの損失を小さくすることができる。偏心が発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1(A)は実施形態のモータの模式図であり、図1(B)は実施形態のモータ用コイル基板の模式図であり、図1(C)は配線の平面図であり、図1(D)はコイルの平面図である。
図2】実施形態のコイル基板を示す図。
図3図3(A)は実施形態のモータ用コイル基板の断面の模式図であり、図3(B)はコイル基板の断面を示し、図3(C)は実施形態のコイルの重なりを示す模式図であり、図3(D)は参考例のモータ用コイル基板の断面の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図2に示されるコイル基板201が準備される。図2に示されるように、コイル基板201は第1面Fと第1面Fと反対側の第2面Sとを有するフレキシブル基板22とフレキシブル基板22上のコイルCで形成されている。さらに、フレキシブル基板22は、短辺20Sと長辺20Lとを有する。フレキシブル基板22は、一端22Lと一端22Lと反対側の他端22Rを有する。一端22Lは短辺20Sを兼ねる。長辺20Lは上辺20LUと上辺20LUと反対側の下辺20LBを有する。コイルCの数はMである。Mは2以上の整数である。Mの最大値はKである。図2の例では、コイルC1、C2、C3、C4、C5、C6の数は6である。各コイルCは模式的に示されている。図2(A)は第1面F上のコイルCを示し、図2(B)は第2面S上のコイルCを示す。
【0009】
図1(C)にコイルCの例が示される。コイルCは中央スペースSCと中央スペースSCを囲む配線wで形成される。そして、配線wは外端OEと内端IEを有する。配線wは外端OEと内端IEとの間に形成されている。コイルCを形成する配線wは渦巻き状に形成されている。
【0010】
図1(C)に示されるように、配線wは、複数の第1回路51と複数の第2回路52と複数のビア導体VAで形成される。図3(B)に示されるように、第1回路51は第1面F上に形成され、第2回路52は第2面S上に形成されている。ビア導体VAはフレキシブル基板22を貫通している。第1回路51と第2回路52はビア導体VAを介して接続されている。1つの第1回路51と1つの第2回路52と1つのビア導体VAは、ほぼ1ターンのコイルを形成する。1ターンを形成する配線wの内、第1回路51は一端22Lに近く、第2回路52は他端22Rに近い。複数のビア導体VAは第1ビア導体VA1と第2ビア導体VA2に分けられる。第1ビア導体VA1は上辺20LUに近く、第2ビア導体VA2は下辺20LBに近い。第1回路51と第2回路52とビア導体VAは、第1回路51、第2ビア導体VA2、第2回路52、第1ビア導体VA1の順で繋がっている。第1ビア導体VA1を介し隣接するターンを形成する配線wが接続される。
【0011】
図1(D)では、配線wが纏められている。第1回路51を纏めることで、第1回路群51gが形成される。第2回路52を纏めることで、第2回路群52gが形成される。図2中のコイルCは第1回路群51gと第2回路群52gで描かれている。
【0012】
図1(D)に示されるように、コイルCは一端51Eと他端52Eを有する。コイルCの一端51Eはフレキシブル基板22の一端22Lに最も近い。コイルCの他端52Eはフレキシブル基板22の他端22Rに最も近い。コイルCの一端51EとコイルCの他端52Eとの間の距離はコイルCの幅Wである。各コイルCの幅は略等しい。
【0013】
実施形態のコイルCはプリント配線板の技術で形成されている。コイルCを形成する配線wはめっきにより形成されている。あるいは、コイルCを形成する配線wは銅箔をエッチングすることで形成される。コイルCを形成する配線wは、セミアディティブ法やM-Sap法やサブトラクティブ法で形成される。
【0014】
コイルCを形成する配線wはプリント配線板の技術で形成されている。そのため、配線wの断面形状は略矩形である。実施形態によれば、コイルの占積率を高くすることができる。
【0015】
フレキシブル基板22上に形成されている複数のコイルCは同時に形成される。例えば、共通のアライメントマークを用いることで、複数のコイルCはフレキシブル基板22上に形成される。そのため、各コイルCの位置は関連している。
【0016】
図3(C)は、m番目のコイルCmと(m+1)番目のコイルCm+1と(m-1)番目のコイルCm-1の重なりを示す。mが2の時、m番目のコイルCmは第2コイルC2であり、(m+1)番目のコイルCm+1は第3コイルC3であり、(m-1)番目のコイルCm-1は第1コイルC1である。図3(C)の例では、mは2である。
m番目のコイルCmの中央スペースSC下に(m-1)番目のコイルCm-1の第2回路群52gが位置し、m番目のコイルCmの中央スペースSC上に(m+1)番目のコイルC(m+1)の第1回路群51gが位置する。図3(C)では、m番目のコイルCmの中央スペースSCの外周は点線で描かれている。コイルCを形成する配線wの密度を高くすることができる。コイルCの占積率を高くすることができる。モータのトルクを大きくすることができる。
【0017】
コイルCはU相コイルCUとV相コイルCVとW相コイルCWを含む。U相コイルCUとV相コイルCVとW相コイルCWは、U相コイルCU、V相コイルCV、W相コイルCWの順で並んでいる。一端22Lに最も近いコイルCはU相コイルCUである。
【0018】
コイル基板201は、1つのフレキシブル基板22で形成される。コイルCは、フレキシブル基板22の長辺20Lに沿って並んでいる。一端22Lに最も近いコイルCは第1コイルC1である。他端22Rに最も近いコイルは第KコイルCKである。第1コイルC1から第KコイルCKまでコイルCは順に並んでいる。フレキシブル基板22の一端22Lから他端22Rに向かって、コイルCは一列に並んでいる。しかしながら、図2に示されるように、コイルCは均等に配置されていない。コイルCは他端22Rを含む所定の領域220に配置されていない。所定の領域220は所定間隔220と称される。所定間隔220は第KコイルCKと他端22Rとの間に形成されている。所定間隔220を形成するフレキシブル基板22は副の部分22-2である。副の部分22-2以外のフレキシブル基板22は主な部分22-1である。フレキシブル基板22は、主な部分22-1と副の部分22-2で形成される。副の部分22-2は主な部分22-1から延びている。主な部分22-1上にコイルCが形成されている。副の部分22-2上にコイルCは形成されていない。
【0019】
図2の例では、一端22Lから他端22Rに向かって6のコイルCが並べられている。第1コイルC1から第6コイルC6までのコイルCは、主な部分22-1上に形成されている。
【0020】
図2に示されるように、フレキシブル基板22の長さはLである。主な部分22-1の長さはL5である。長さL5は一端22Lと第KコイルCKの他端52Eとの間の距離である。副の部分22-2の長さはL3である。長さL3は第KコイルCKの他端52Eとフレキシブル基板22の他端22Rとの間の距離である。長さLは長さL5と長さL3との和である。実施形態のフレキシブル基板22は所定間隔220を有するので、コイル基板201の長さLを自由に調整することができる。
【0021】
コイル基板201を巻くことで、図1(B)に示されるモータ用コイル基板20が得られる。例えば、コイル基板201は筒状に巻かれる。モータ用コイル基板20は空洞AHの周りに巻かれる。例えば、モータ用コイル基板20の形状は円筒である。巻く回数Nは、2以上、3以下である。Nは複数である。図1(B)は模式図である。
主な部分22-1と副の部分22-2で形成されるコイル基板20が巻かれると、図1(B)に示されるように、副の部分22-2は主な部分22-1の外側に巻かれる。
【0022】
図1(B)に示されるように、フレキシブル基板22は2周以上巻かれている。モータ用コイル基板20の観点からフレキシブル基板22が観察されると、フレキシブル基板22は各周を形成するフレキシブル基板の集まりと考えられる。モータ用コイル基板20内で、最も内側に位置するフレキシブル基板は、1周目のフレキシブル基板である。1周目のフレキシブル基板は第1フレキシブル基板221である。2周目のフレキシブル基板は第2フレキシブル基板222である。第2フレキシブル基板222は第1フレキシブル基板221から延びている。さらに、第2フレキシブル基板222は、第1フレキシブル基板221の周りに巻かれている。このように、モータ用コイル基板20を形成するフレキシブル基板22は、第1から第Nまでのフレキシブル基板で形成される。第Nフレキシブル基板22Nは、最も外側に位置するフレキシブル基板である。第Nフレキシブル基板22Nは、第(N-1)フレキシブル基板22(N-1)から延びている。そして、第Nフレキシブル基板22Nは、第(N-1)フレキシブル基板22(N-1)の周りに巻かれる。
【0023】
1周分のフレキシブル基板の長さ(所定の長さ)はL1である。長さL1は図2(A)に示される。図2(A)に示されるように、長さL1は第1フレキシブル基板221の長さで代表される。あるいは、長さL1は各周を形成するフレキシブル基板の長さの平均値で代表される。所定間隔220を調整することで、L/L1を自由に調整することができる。例えば、L/L1を2以上の整数に調整することができる。その場合、各周に配置されるフレキシブル基板の長さがほぼ等しい。第Nフレキシブル基板22Nは、第(N-1)フレキシブル基板22(N-1)をほぼ完全に覆う。LとL1とNは次の関係1を満足する。
関係1:L≒N×L1
図1(B)の例では、Nは2である。コイル基板201は丁度2回巻かれる。フレキシブル基板22の長さLは2×L1である。
【0024】
各フレキシブル基板上にコイルCは形成されている。各フレキシブル基板と各フレキシブル基板上のコイルCで各コイル基板が形成される。例えば、第1フレキシブル基板221と第1フレキシブル基板221上のコイルCで第1コイル基板2011が形成される。第Nフレキシブル基板22Nと第Nフレキシブル基板22N上のコイルCで第Nコイル基板201Nが形成される。第1から第(N-1)までのコイル基板では、フレキシブル基板上にコイルCがほぼ均等に配置されている。それに対し、第Nコイル基板201Nでは、第Nフレキシブル基板22N上にコイルCが均等に配置されていない。第Nフレキシブル基板22Nは他端22Rを含む所定間隔220を有する。従って、所定間隔220の長さを調整することで、第Nフレキシブル基板22Nの長さLNを自由に調整することができる。
【0025】
図2の例では、フレキシブル基板22は第1フレキシブル基板221と第1フレキシブル221から延びている第2フレキシブル基板222で形成されている。第1から第4までのコイルC1、C2、C3、C4は第1フレキシブル基板221上に形成されている。第5と第6コイルC5、C6は第1と第2フレキシブル基板221、222上に形成されている。第1フレキシブル基板221の長さはL1である。第1フレキシブル基板221の長さL1と所定の長さは等しい。図2の例では、長さL1はフレキシブル基板22の一端22Lと第4コイルC4の他端52E間の距離である。第2フレキシブル基板222の長さはL2である。図2の例では、長さL2はフレキシブル基板22の他端22Rと第4コイルC4の他端52E間の距離である。第2フレキシブル基板222の長さL2と所定の長さL1はほぼ等しい。
【0026】
副の部分22-2の長さL3と第Nフレキシブル基板22Nの長さLNが比較される。図2では、第Nフレキシブル基板22Nの長さLNは長さL2である。第Nフレキシブル基板22N上に第KコイルCKが形成されている。そして、副の部分22-2の長さL3は、第KコイルCKの他端52Eとフレキシブル基板22の他端22Rとの間の距離である。そのため、第Nフレキシブル基板22Nの長さLNは、副の部分22-2の長さ(所定間隔の長さ)L3より長い。所定間隔の長さL3はコイルCの幅Wより大きい。所定間隔の長さL3は、所定の長さL1の約半分である。第Nコイル基板20Nは軽さと強度を有することができる。
【0027】
図1(A)に示されるように、モータ用コイル基板20内に磁石48を配置することで、モータ10が得られる。図1(A)は模式図である。モータ用コイル基板20は、空洞AHを介し磁石48の周りに配置されている。モータ10の例は、ブラシレスモータである。実施形態では、磁石48が回転するが、モータ用コイル基板20が回転してもよい。図1(B)にモータ10の回転方向MRが示される。
【0028】
モータ10の回転方向MRと平行な面で、モータ10を切断することで得られるモータ用コイル基板20の断面が図3(A)に示される。図3(A)は模式図である。図3(A)では、コイルCは省略されていて、フレキシブル基板22のみが描かれている。
【0029】
図3(A)に示されるように、モータ用コイル基板20は厚みMTを有し、モータ用コイル基板20の厚みMTは断面で測定される。モータ用コイル基板20の厚みMTは各周に配置されるフレキシブル基板を含む。実施形態では、第Nフレキシブル基板22Nが所定間隔220を有する。そのため、第Nフレキシブル基板22Nの長さLNと所定の長さL1がほぼ一致する。各周のフレキシブル基板の長さがほぼ等しい。そのため、所定間隔の長さL3を調整することで、0度から360度まで、モータ用コイル基板20の厚みMTをほぼ等しくすることができる。モータ用コイル基板20をモータ10内に確実に固定することができる。モータ用コイル基板20の真円度を高くすることができる。真円度はモータ用コイル基板20の断面で観察される。モータ用コイル基板20がスムーズに回転する。モータ用コイル基板20が回転する時、エネルギーの損失を小さくすることができる。偏心が発生し難い。
【0030】
図3(A)の例では、図2に示されるコイル基板201を巻くことで、モータ用コイル基板20が製造されている。図3(A)に示されるモータ用コイル基板20は、第1コイル基板2011と第1コイル基板2011の周りに巻かれている第2コイル基板2012で形成されている。そして、第1フレキシブル基板221の長さL1と第2フレキシブル基板222の長さL2は等しい。そのため、コイル基板201は丁度2回巻かれる。モータ用コイル基板20の厚みMTがほぼ均等である。
【0031】
フレキシブル基板22が所定間隔220を有しないと、第Nフレキシブル基板22Nの長さLNと所定の長さL1が一致し難い。その場合、長さLNは長さL1より短い。このようなコイル基板は参考例である。参考例のコイル基板を巻くことで参考例のモータ用コイル基板が製造される。参考例のモータ用コイル基板の断面の模式図が図3(D)に示される。図3(D)に示されるように、モータ用コイル基板20の厚みMTが部分的に異なる。図3(D)のモータ用コイル基板20が回転すると、偏心が発生しやすい。
【符号の説明】
【0032】
20 モータ用コイル基板
22 フレキシブル基板
48 磁石
51 第1回路
52 第2回路
201 コイル基板
C コイル
SC 中央スペース
VA ビア導体
図1
図2
図3