(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043634
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】測色装置用のマスク部材、測色装置、及び測色方法
(51)【国際特許分類】
G01J 3/46 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
G01J3/46 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149011
(22)【出願日】2020-09-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002820
【氏名又は名称】大日精化工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098707
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 利英子
(74)【代理人】
【識別番号】100135987
【弁理士】
【氏名又は名称】菅野 重慶
(74)【代理人】
【識別番号】100168033
【弁理士】
【氏名又は名称】竹山 圭太
(74)【代理人】
【識別番号】100161377
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 薫
(72)【発明者】
【氏名】藤山 英子
【テーマコード(参考)】
2G020
【Fターム(参考)】
2G020AA08
2G020DA12
2G020DA22
2G020DA23
(57)【要約】
【課題】比較的サイズが小さく、厚みがあって半透明な材質からなる測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色しうる測色装置とすることが可能な測色装置用のマスク部材、このマスク部材を備える測色装置、及びこの測色装置を用いた測色方法を提供する。
【解決手段】その厚さ方向に光学的に貫通する窓部5が中央に形成された、測色対象と光源の間に配置される測色装置用のマスク部材10であり、透明又は半透明である。また、このマスク部材が、測色対象と光源の間であり、かつ測色対象に当接する位置に配設された測色装置、及びこの測色装置を使用して測色対象を測色する工程を有する測色方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
その厚さ方向に光学的に貫通する窓部が形成された、測色対象と光源の間であり、かつ前記測色対象に当接する位置に配設される測色装置用のマスク部材であって、
透明又は半透明であるマスク部材。
【請求項2】
JIS K 7361-1:1997に準拠して測定される波長領域400~700nmの全光線透過率が、80%以上である請求項1に記載のマスク部材。
【請求項3】
前記窓部の最大開口径が、20mm以下である請求項1又は2に記載のマスク部材。
【請求項4】
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、石英、又はガラスにより形成されている請求項1~3のいずれか一項に記載のマスク部材。
【請求項5】
その厚さ方向に光学的に貫通する窓部が形成された、測色対象と光源の間であり、かつ前記測色対象に当接する位置に配設されるマスク部材を備える測色装置であって、
前記マスク部材が、請求項1~4のいずれか一項に記載のマスク部材である測色装置。
【請求項6】
請求項5に記載の測色装置を使用して測色対象を測色する工程を有する測色方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、測色装置用のマスク部材、測色装置、及び測色方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の工業製品等については、一定の品質を担保すべく、製品表面の色彩が製品間でバラつきが生じないよう同一に保持される。このため、製造段階等で測色計を使用して製品表面の色彩を測定し、管理する必要がある。このような測色計は、例えば、製品等の測色対象の表面に照射する照射光を発する光源と、測色対象の表面から発した反射光を受光するセンサー等の受光器とを備えている。
【0003】
測色対象の表面や測色対象自体のサイズ及び形状は、必ずしも一様であるとは限らない。そして、測色対象に応じて異なる測色計を準備することは現実的であるとはいえない。このため、測色対象と本体部との間にノーズコーンやターゲットマスク等の着脱可能なマスク部材を設けた測色計が提案されている(特許文献1及び2参照)。このマスク部材には、測色対象のサイズに応じた、測色対象に比して小さく開口した窓部が形成されている。そして、測色対象を測色する際には、光源及び受光部を含む照明受光部を覆うように、かつ、測色対象に接触するように、測色計の本体部に装着される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000-505887号公報
【特許文献2】特開2015-206638号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1及び2等で提案された測色計を使用して測色対象の表面を測色した場合であっても、目視感の色味と、測色される色味との差(いわゆる色差)が生ずることがあり、測色対象の実際の色彩を正確に評価することが困難な場合があった。なかでも、測色対象のサイズが小さく厚みがあり半透明な場合(例えば、サイズが20mm以下で厚さが1mm以上の場合)には、目視感よりも明度が低く測定されてしまい、色差が顕著に大きくなりやすいといった問題が生じていた。
【0006】
本発明は、このような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その課題とするところは、比較的サイズが小さく、厚みがあって半透明な材質からなる測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色しうる測色装置とすることが可能な測色装置用のマスク部材を提供することにある。また、本発明の課題とするところは、比較的サイズが小さく、厚みがあって半透明な材質からなる測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色することができる測色装置、及びこの測色装置を用いる測色方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明によれば、以下に示す測色装置用のマスク部材が提供される。
[1]その厚さ方向に光学的に貫通する窓部が形成された、測色対象と光源の間であり、かつ前記測色対象に当接する位置に配設される測色装置用のマスク部材であって、透明又は半透明であるマスク部材。
[2]JIS K 7361-1:1997に準拠して測定される波長領域400~700nmの全光線透過率が、80%以上である前記[1]に記載のマスク部材。
[3]前記窓部の最大開口径が、20mm以下である前記[1]又は[2]に記載のマスク部材。
[4]アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、石英、又はガラスにより形成されている前記[1]~[3]のいずれかに記載のマスク部材。
【0008】
また、本発明によれば、以下に示す測色装置が提供される。
[5]その厚さ方向に光学的に貫通する窓部が形成された、測色対象と光源の間であり、かつ前記測色対象に当接する位置に配設されるマスク部材を備える測色装置であって、前記マスク部材が、前記[1]~[4]のいずれかに記載のマスク部材である測色装置。
【0009】
さらに、本発明によれば、以下に示す測色方法が提供される。
[6]前記[5]に記載の測色装置を使用して測色対象を測色する工程を有する測色方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、比較的サイズが小さく、厚みがあって半透明な材質からなる測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色しうる測色装置とすることが可能な測色装置用のマスク部材を提供することができる。また、本発明によれば、比較的サイズが小さく、厚みがあって半透明な材質からなる測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色することができる測色装置、及びこの測色装置を用いる測色方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明のマスク部材の一実施形態を模式的に示す正面図である。
【
図2】本発明のマスク部材の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
【
図3】本発明の測色装置の一実施形態を示す模式図である。
【
図4A】本発明の測色装置の使用態様を説明する模式図である。
【
図4B】本発明の測色装置の使用態様を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<マスク部材>
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明のマスク部材の一実施形態を模式的に示す正面図である。また、
図2は、本発明のマスク部材の一実施形態を模式的に示す斜視図である。
図1及び2に示すように、本実施形態のマスク部材10は、その厚さ方向に貫通する窓部5が略中央に形成された円板状の部材である。窓部5は、マスク部材10の厚さ方向に光学的に貫通するように形成されている。「光学的に貫通」とは、物理的に貫通しているだけでなく、光、なかでも可視光線が透過しうる状態であればよいことを意味する。具体的には、ガラス等の透明材料が設けられた窓部であってもよいが、物理的に貫通した窓部が形成されていることが好ましい。
【0013】
マスク部材の全体形状は、
図1及び2に示す円板状に限定されず、いかなる形状であってもよい。但し、実質的な取り扱い性等を考慮すると、
図1及び2に示す円板状であることが好ましい。また、窓部の形状についても、
図1及び2に示す円形に限定されず、いかなる形状であってもよい。但し、実質的には、円形、楕円形、及び長円形のいずれかであることが好ましい。
【0014】
従来の測色計等に用いられていた一般的なマスク部材は、金属板、金属塗装板、又は樹脂板等の不透明な材料で構成されていた。これに対し、本実施形態の測色装置用のマスク部材10は、透明又は半透明な部材である。本発明者は、このような透明又は不透明なマスク部材10を、測色対象と光源の間であり、かつ測色対象に当接する位置に配設した測色装置を用いることで、比較的サイズの小さい測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色しうることを見出した。
【0015】
マスク部材10の可視光線透過率は、80%以上であることが好ましく、85%以上であることがさらに好ましく、90%以上であることが特に好ましく、95~100%であることが最も好ましい。可視光線透過率を80%以上とすることで、測色対象のサイズが小さくても、目視感の色味との色差をさらに小さくすることができ、より正確に測色することが可能となる。本明細書における「可視光線透過率」は、JIS R 3106:2019に準拠して測定される波長領域380~780nmの可視光線透過率である。
【0016】
マスク部材10は、通常、透明又は半透明な材料(以下、纏めて「透明材料」とも記す)で形成されている。このような透明材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、石英、及びガラス等を挙げることができる。なかでも、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、及びポリスチレン樹脂等の樹脂材料が、形状加工が容易であるとともに、安価で入手しやすい材料であるために好ましい。
【0017】
マスク部材10の窓部5の最大開口径D
1(
図1)は、通常、測色対象(サンプル)の測定可能寸法より小さくする。すなわち、窓部5の最大開口径D
1は、測色対象のサイズ等に応じて適宜設定すればよい。具体的に、マスク部材10の窓部5の最大開口径D
1は、20mm以下とすることが好ましく、15mm以下とすることがさらに好ましく、13mm以下とすることが特に好ましい。なお、窓部5の最大開口径D
1の下限については特に限定されず、実質的には分光光度計の測定径以上(例えば、4mm以上)であればよい。
【0018】
マスク部材10の外径(最大径)D
2(
図1)は特に限定されず、取り付ける測色装置本体の大きさ等に応じて適宜決定すればよい。具体的には、マスク部材10の外径D
2は、30~100mm程度であればよい。また、マスク部材10の厚さT(
図2)についても特に限定されず、実用的な範囲で適宜決定すればよい。具体的には、マスク部材10の厚さTは、0.1~5.0mm程度であればよい。
【0019】
本発明の一実施形態であるマスク部材は、
図1及び2に示すような円板状の部材のみで構成されたものであってもよく、後述する測色装置の本体に装着するための装着部や、測色装置の本体にマスク部材が装着されたことを認識させるための検出部等のその他の構成をさらに備えていてもよい。
【0020】
<測色装置及び測色方法>
次に、本発明の測色装置及び測色方法の実施の形態について説明する。本発明の測色装置の一実施形態は、その厚さ方向に光学的に貫通する窓部が形成された、測色対象と光源の間であり、かつ測色対象に当接する位置に配設されるマスク部材を備える測色装置である。そして、このマスク部材が、前述の本発明の一実施形態のマスク部材である。また、本発明の測色方法の一実施形態は、この測色装置を使用して測色対象を測色する工程を有する。以下、図面を参照しつつ、測色装置及び測色方法の詳細について説明する。
【0021】
図3は、本発明の測色装置の一実施形態を示す模式図である。
図3に示すように、本実施形態の測色装置50は、入射窓2、照射窓4、及び受光窓6が形成された積分球8と、入射窓2及び照射窓4を介して測色対象12の表面に照射する照射光を発生させる光源14と、測色対象12の表面から反射してきた反射光を、受光窓6を介して受光する受光部16と、測色対象12と光源14の間であり、かつ測色対象12に当接する位置に配設されるマスク部材20と、演算制御部18とを備える、いわゆる分光タイプの測色装置である。そして、マスク部材20は、その窓部15が、積分球8の照射窓4と対応する位置となるように設けられている。
【0022】
積分球8の内壁面には、酸化マグネシウム(MgO)や硫酸バリウム(BaSO4)等の白色の拡散反射塗料が塗工されている。光源14から発して入射窓2より積分球8内に入射した光は、積分球8の内壁面で拡散反射し、その一部(照射光)が照射窓4及びマスク部材20の窓部15を介して測色対象12の表面に照射される。そして、測色対象12の表面で反射してきた光(反射光)が、受光窓6を介して受光部16で受光される。
【0023】
光源14は、可視光領域(波長領域380~780nm)の光を発生しうることが好ましい。光源14としては、例えば、キセノンランプ等を用いることができる。特定の波長成分の光を用いる場合には、光源14と入射窓2の間に分光器を設けてもよい。受光部16は、例えば、分光レンズ、分光器、及び複数の受光素子が配列されたアレイセンサを備える。受光部16では、受光窓6を介して受光した反射光を分光レンズで分光して分光器に導入し、アレイセンサの波長成分毎の射出光量の値を演算制御部18に出力する。そして、演算制御部18で処理された情報は、入出力インターフェース35を通じて外部へと出力することができる。
【0024】
本実施形態の測色装置50は、その厚さ方向に貫通する窓部15が形成された、透明又は半透明な前述のマスク部材20を備える。このため、本実施形態の測色装置50を使用すれば、比較的サイズの小さい測色対象12であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色することができる。本発明の測色装置は、
図3に示すような、拡散照明光を用いて測色対象12の表面を測色する、いわゆる拡散照明タイプの測色装置50の他、単方向から照射される光を用いて測色する、いわゆる単方向照明タイプの測色装置であってもよい。
【0025】
図4A及び4Bは、本発明の測色装置の使用態様を説明する模式図である。測色対象22の表面を測色するには、
図4Aに示すように、まず、測色装置60に設けられたマスク部材30の窓部25の前面に測色対象22を配置する(
図4A)。そして、ホルダー32により、測色対象22をマスク部材30に当接させて保持する(
図4B)。この状態で測色装置60を稼働させ、窓部25を通じて測色対象22の表面に照射光を照射する。次いで、生じた反射光を測色装置60内で受光及び分析することで、測色対象22の表面を測色することができる。前述の通り、測色装置60は、その厚さ方向に貫通する窓部25が形成された、透明又は半透明な前述のマスク部材30を備えるため、この測色装置60を使用することで、比較的サイズの小さい測色対象22であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色することができる。また、測色対象22のサイズ等に応じて、窓部25の最大開口径の異なるマスク部材30を適宜選択して装着し、測色することができる。このため、本実施形態の測色装置及び測色方法によれば、測色対象の表面や測色対象自体のサイズ及び形状に柔軟に対応して正確に測色することができる。
【0026】
測色装置は、
図4A及び4Bに示すような横型据え置きタイプの測色装置に限定されず、前述のマスク部材を備えるものであればよい。例えば、その上面に測色対象を載置して測色する据え置きタイプの測色装置であってもよい。さらには、携帯型(ハンディタイプ)の測色装置であってもよい。
【実施例0027】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例、比較例中の「部」及び「%」は、特に断らない限り質量基準である。
【0028】
<試験片の作製>
(試験片1)
軟質透明ポリ塩化ビニル(PVC)100部に、白色顔料1(商品名「ディスコールEP-4050」、大日精化工業社製)0.222部、黒色顔料1(商品名「ディスコールP-4710」、大日精化工業社製)0.00046部、緑色顔料1(商品名「ディスコールEP-4514」、大日精化工業社製)0.0014部、及び黄色顔料1(商品名「ディスコールEP-4440」、大日精化工業社製)0.0218部を添加して混合した後、プレス成形して、厚さ約2mmのプレスシートを得た。得られたプレスシートを適当なサイズに裁断して、黄緑色に着色した半透明の試験片1を得た。
【0029】
(試験片2~10)
着色剤(顔料)を表1に示す組成で用いたこと以外は、上述の試験片1と同様にして、淡黄色に着色した半透明の試験片2~10を得た。表1中の着色剤(顔料)の詳細を以下に示す。
・白色顔料1:商品名「ディスコールEP-4050」、大日精化工業社製
・黒色顔料1:商品名「ディスコールP-4710」、大日精化工業社製
・緑色顔料1:商品名「ディスコールEP-4514」、大日精化工業社製
・黄色顔料1:商品名「ディスコールEP-4440」、大日精化工業社製
・赤色顔料1:商品名「ディスコールP-4120」、大日精化工業社製
・黄色顔料2:商品名「ディスコールP-4443」、大日精化工業社製
・茶色顔料1:商品名「ディスコールP-4820」、大日精化工業社製
・黄色顔料3:商品名「ディスコールP-4490」、大日精化工業社製
・赤色顔料2:商品名「ディスコールEP-4170」、大日精化工業社製
・紫色顔料1:商品名「ディスコールP-4928」、大日精化工業社製
・赤色顔料3:商品名「ディスコールP-4191」、大日精化工業社製
・青色顔料1:商品名「ディスコールP-4620」、大日精化工業社製
【0030】
【0031】
<マスク部材の製造>
(実施例1)
アクリル樹脂(ポリメチルメタクリレート)製の透明な板状部材(厚さ:1mm)を形状加工し、
図1及び2に示すような形状のマスク部材(マスク1)を得た。マスク1の窓部の最大開口径D
1は15mmとし、外径D
2は60mmとした。JIS K 7361-1:1997に準拠して測定したマスク1の波長領域400~700nmの全光線透過率は、90%以上であった。
【0032】
(実施例2~3)
窓部の最大開口径D1を11mm、7mmとしたこと以外は、前述の実施例1と同様にしてマスク部材(マスク2及び3)を得た。
【0033】
(比較例1~4)
市販の分光測色計(商品名「CM-3600A」、コニカミノルタ社製)の付属品である不透明な3種類のターゲットマスク(D1:30mm、11mm、7mm)をマスク4~6とした。また、不透明な板状素材(厚さ:1mm)を形状加工したマスク(D1:15mm)をマスク7とした。これらのマスク4~7の全光線透過率は、いずれも0%であった。
【0034】
<評価>
(色差(ΔE*)の測定及び算出)
マスク1~7を市販の分光測色計(商品名「CM-3600A」、コニカミノルタ社製)の測色箇所(照射窓)にそれぞれ取り付けた。そして、SCI、CIE標準光源D65を使用し、視野:10°、白下地、の条件で試験片1~10を測色し、目視の色味と色差が小さいマスク4(D1:30mm)を「標準」とする色差ΔE*を算出した。結果を表2に示す。
【0035】
本発明の一実施形態であるマスク部材を備える測色装置を用いれば、比較的サイズの小さい測色対象であっても、目視感の色味との色差が小さく、より正確に測色することができる。
アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、硬質ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、メチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、アクリロニトリルスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、石英、又はガラスにより形成されている請求項1又は2に記載のマスク部材。