(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043636
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】チョッパー
(51)【国際特許分類】
B02C 18/30 20060101AFI20220309BHJP
B02C 18/36 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B02C18/30 A
B02C18/36
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149013
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】594083874
【氏名又は名称】菅原 正博
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】菅原 正博
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA16
4D065CA18
4D065CC01
4D065DD04
4D065DD20
4D065EB07
4D065ED01
4D065ED16
4D065ED50
4D065EE07
4D065EE08
4D065EE13
4D065EE15
4D065EE20
(57)【要約】
【課題】従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことが可能なチョッパーを得る。
【解決手段】チョッパー1は、容積式ポンプ60で本体部10の貯留空間11に押し込まれた原料100によって、貯留空間11内の原料100がプレート20とナイフ30との間に移動し、プレート20とナイフ30との間で原料100が粉砕されて粉砕物101となり、プレート20の複数の貫通孔21から粉砕物101が排出される構成となっている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料が貯留される貯留空間、及び、前記貯留空間と連通し、前記原料の粉砕物が排出される排出口の形成された本体部と、
前記排出口を覆い、複数の貫通孔が形成されたプレートと、
前記貯留空間において前記プレートと対向して設けられ、回転自在なナイフと、
前記ナイフに連結され、前記ナイフに対して該ナイフが回転する駆動力を伝達するナイフ駆動軸と、
前記貯留空間に前記原料を押し込む容積式ポンプと、
を備え、
前記容積式ポンプで前記貯留空間に押し込まれた前記原料によって、前記貯留空間内の前記原料が前記プレートと前記ナイフとの間に移動し、前記プレートと前記ナイフとの間で前記原料が粉砕されて前記粉砕物となり、前記プレートの前記複数の貫通孔から前記粉砕物が排出される構成である
チョッパー。
【請求項2】
前記ナイフ駆動軸は、前記貯留空間を貫通して設けられており、
前記貯留空間に、前記ナイフ駆動軸を覆って前記本体部に固定され、前記ナイフに向かうにしたがって先細となる筒形状のカバーが設けられている
請求項1に記載のチョッパー。
【請求項3】
前記ナイフ駆動軸と該ナイフ駆動軸の駆動源とは、前記プレートを基準として前記貯留空間とは反対側で接続される
請求項1に記載のチョッパー。
【請求項4】
前記容積式ポンプは、筒部と、該筒部内を往復動するピストンとを備えた往復ポンプである
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のチョッパー。
【請求項5】
前記容積式ポンプは、ねじポンプである
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のチョッパー。
【請求項6】
前記容積式ポンプは、ロータリーポンプである
請求項1~請求項3のいずれか一項に記載のチョッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本体部内に供給された食品等の原料を粉砕して粉砕物を生成するチョッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、本体部内に供給された食品等の原料を粉砕し、該原料の粉砕物を生成するチョッパーが知られている(特許文献1参照)。具体的には、従来のチョッパーは、本体部、ロール、ナイフ及びプレートを備えている。本体部は、略円筒形状の内部空間が形成された筒形状をしている。また、本体部には、内部空間に連通する供給口が形成されている。また、本体部の端部には、内部空間に連通する排出口が形成されている。プレートは、複数の貫通孔が形成されており、本体部の排出口を覆うように、本体部に設けられている。ロールは、略円筒形状をしており、外周面にらせん溝が形成されている。ナイフは、ボスから放射状に複数の刃部が延びており、ロールの端部に固定されている。また、ナイフ及びロールは、排出口を覆っているプレートとナイフとが対向するように、本体部の内部空間に収納されている。この際、ナイフとプレートとは、適度に接触している。
【0003】
このように構成された従来のチョッパーにおいては、電動機等の駆動源の駆動力がロールに伝達され、ロール及びナイフが回転する。これにより、供給口から本体部内に供給された食品等の原料は、ロールの外周面に形成されたらせん溝の側壁に押され、排出口を覆っているプレートとナイフとの間に運ばれる。そして、プレートとナイフとの間に運ばれた原料は、プレートとナイフとの間で粉砕されて粉砕物となり、プレートの貫通孔からチョッパーの外部へ排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように、従来のチョッパーは、ロールの外周面に形成されたらせん溝の側壁で原料を押し、排出口を覆っているプレートとナイフとの間に原料を運ぶ構成となっている。このため、従来のチョッパーは、肉塊、浸漬した大豆、及び厚くて弾力のある海藻等、ロールのらせん溝に張り付きにくい原料を粉砕する場合には、長時間の連続運転が可能である。しかしながら、従来のチョッパーは、薄くて柔らかいワカメ片等、ロールのらせん溝に張り付きやすい原料(換言すると絡みつきやすい原料)を粉砕する場合には、ロールのらせん溝に原料が徐々に張り付いていき、やがてはロールのらせん溝が原料で埋まってしまう。そして、ロールのらせん溝が原料で埋まってしまうと、排出口を覆っているプレートとナイフとの間に原料を運ぶことができなくなってしまう。また、ロールのらせん溝が原料で埋まってしまうと、チョッパーを分解してロールのらせん溝から原料を取り除くため、チョッパーを停止させなければならない。このため、従来のチョッパーは、ロールのらせん溝に張り付きやすい原料を粉砕する場合には、長時間の連続運転を行うことが困難であるという課題があった。
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことが可能なチョッパーを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るチョッパーは、原料が貯留される貯留空間、及び、前記貯留空間と連通し、前記原料の粉砕物が排出される排出口の形成された本体部と、前記排出口を覆い、複数の貫通孔が形成されたプレートと、前記貯留空間において前記プレートと対向して設けられ、回転自在なナイフと、前記ナイフに連結され、前記ナイフに対して該ナイフが回転する駆動力を伝達するナイフ駆動軸と、前記貯留空間に前記原料を押し込む容積式ポンプと、を備え、前記容積式ポンプで前記貯留空間に押し込まれた前記原料によって、前記貯留空間内の前記原料が前記プレートと前記ナイフとの間に移動し、前記プレートと前記ナイフとの間で前記原料が粉砕されて前記粉砕物となり、前記プレートの前記複数の貫通孔から前記粉砕物が排出される構成となっている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るチョッパーは、容積式ポンプで本体部の貯留空間に原料を押し込む加圧力により、原料がプレートとナイフとの間に移動して粉砕される。このため、本発明に係るチョッパーは、従来のチョッパーが備えていたロールを必要としない。このため、本発明に係るチョッパーは、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るチョッパーの断面図である。
【
図2】本発明の実施の形態2に係るチョッパーの断面図である。
【
図3】本発明の実施の形態3に係るチョッパーの一例を示す断面図である。
【
図4】本発明の実施の形態3に係るチョッパーの別の一例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係るチョッパーの断面図である。
本実施の形態1に係るチョッパー1は、本体部10と、プレート20と、ナイフ30と、ナイフ駆動軸40と、容積式ポンプ60とを備えている。
【0011】
本体部10は、例えば、略円筒形状をしている。本体部10の内部には、食品等の原料100が貯留される貯留空間11が形成されている。また、本体部10の例えば端部には、貯留空間11と連通する排出口13が形成されている。排出口13からは、原料100の粉砕物101が排出される。また、本体部10には、貯留空間11と連通する供給口12が形成されている。本体部10の貯留空間11には、供給口12から原料100が供給される。供給口12の形成位置は特に限定されないが、本実施の形態1では、本体部10の側面部に供給口12が形成されている。
【0012】
プレート20は、排出口13を覆うものである。プレート20には、粉砕物101が通過する複数の貫通孔21が形成されている。本実施の形態1では、プレート20は、ナット25を用いて、本体部10に取り付けられている。具体的には、本体部10における排出口13が形成されている側の端部には、雄ネジ14が形成されている。該雄ネジ14にナット25の雌ネジ26をねじ込み、本体部10とナット25とでプレート20を挟み込むことにより、プレート20は、本体部10に取り付けられている。なお、雄ネジ14にナット25の雌ネジ26をねじ込む際のねじ込み具合により、ナイフ30とプレート20との接触具合を調整することもできる。
【0013】
ナイフ30は、貯留空間11においてプレート20と対向して設けられている。この際、ナイフ30とプレート20とは、適度に接触している。ナイフ30は、ボスと、該ボスから放射状に延びる複数の刃部とを備えている。換言すると、複数の刃部は、ナイフ30とプレート20との対向方向と垂直な方向に、該ボスから延びている。また、ナイフ30は、回転自在な構成となっている。
【0014】
ナイフ駆動軸40は、ナイフ30に連結され、ナイフ30に対して該ナイフ30が回転する駆動力を伝達するものである。すなわち、ナイフ駆動軸40は、ナイフ30と共に回転するものである。詳しくは、ナイフ駆動軸40は、ナイフ30とプレート20との対向方向に沿って延びている。また、ナイフ駆動軸40は、ナイフ30のボスに連結されている。そして、ナイフ駆動軸40及びナイフ30は、ナイフ30とプレート20との対向方向に沿って延びる回転軸を回転中心として、回転する。なお、ナイフ駆動軸40を回転させる駆動源は、換言するとナイフ30を回転させる駆動力の駆動源は、電動機又は人等である。駆動源が電動機の場合、電動機とナイフ駆動軸40とを直接接続してもよいし、減速機を介して電動機とナイフ駆動軸40とを接続してもよい。また、駆動源が人の場合、人が回すハンドルが、直接又は減速機を介して、ナイフ駆動軸40に接続される。
【0015】
また、本実施の形態1では、ナイフ駆動軸40は、貯留空間11を貫通して設けられている。具体的には、本体部10には、貯留空間11を基準として排出口13とは反対側となる位置に、軸受41を備えている。また、排出口13を覆っているプレート20には、貫通孔22が形成されている。ナイフ駆動軸40は、軸受41及び貫通孔22に挿入され、軸受41及びプレート20に回転自在に支持されている。さらに、本実施の形態1に係るチョッパー1においては、貯留空間11に、ナイフ駆動軸40を覆うカバー42が設けられている。カバー42は、本体部10に固定されている。また、カバー42は、略円錐形状等のように、ナイフ30に向かうにしたがって先細となる筒形状となっている。
【0016】
容積式ポンプ60は、貯留空間11に原料100を押し込むものである。容積式ポンプ60は、本体部10の供給口12に接続されている。本実施の形態1では、容積式ポンプ60として、往復ポンプ70を採用している。往復ポンプ70は、筒部71と、該筒部71内を往復動するピストン73とを備えている。往復ポンプ70は、パッキンが筒部71に設けられているかピストン73に設けられているかによって、ピストンポンプ又はプランジャーポンプと言い分けられることもある。なお、本実施の形態1では、筒部71が本体部10と一体形成されているが、筒部71と本体部10とを別体で形成してもよい。
【0017】
容積式ポンプ60が往復ポンプ70の場合、ピストン73が貯留空間11に向かって移動する際、筒部71内に供給されている原料100が、供給口12を通って貯留空間11に押し込まれる。なお、ピストン73を動かす駆動源は、特に限定されず、電動機又は人等を駆動源とすることができる。
【0018】
なお、本実施の形態1では、筒部71は、供給口12側とは反対側の端部に、ヘルール72を備えている。筒部71がヘルール72を備えることにより、貯留空間11への原料100の供給構成を多様化することができる。例えば、原料100を貯留するホッパー等の原料貯留容器又は原料貯留容器に接続された配管等にヘルールを設け、該ヘルールと筒部71のヘルール72とをクランプバンドで固定することにより、チョッパー1に原料貯留容器を取り付けることができる。この場合、ピストン73が貯留空間11から離れる方向に移動する際、原料貯留容器内の原料100が筒部71内に吸引される。このため、ピストン73が筒部71内を往復動することにより、筒部71内への原料100の供給と、貯留空間11への原料100の押し込みとを連続的に行うことができ、原料100の粉砕作業効率が向上する。また例えば、ピストン73を取り外し、往復ポンプ70以外の容積式ポンプ60(例えば、後述するねじポンプ80等)のヘルールと筒部71のヘルール72とをクランプバンドで固定することにより、往復ポンプ70以外の容積式ポンプ60をチョッパー1に採用することができる。この場合、筒部71は、本体部10の供給口12の一部として機能する。
【0019】
続いて、本実施の形態1に係るチョッパー1の動作について、説明する。
ナイフ駆動軸40を図示せぬ駆動源で回転させることにより、ナイフ駆動軸40に連結されているナイフ30は、ナイフ30とプレート20との対向方向に沿って延びる回転軸を回転中心として、回転する。一方、往復ポンプ70の筒部71内に原料100を供給し、ピストン73を貯留空間11に向かって移動させることにより、筒部71内の原料100は、供給口12を通って貯留空間11に押し込まれ、貯留空間11に貯留される。往復ポンプ70によるこの貯留空間11への原料100の供給を繰り返すことにより、往復ポンプ70で貯留空間11に押し込まれた原料100によって、貯留空間11内の原料100が、プレート20とナイフ30との間に移動する。そして、プレート20とナイフ30との間に移動した原料100は、プレート20とナイフ30との間で粉砕されて粉砕物101となり、プレート20の複数の貫通孔21から排出される。
【0020】
ここで、従来のチョッパーは、本体部内に、外周面にらせん溝が形成されているロールを供えている。そして、従来のチョッパーは、ロールが回転することにより、ロールの外周面に形成されたらせん溝の側壁で原料を押し、排出口を覆っているプレートとナイフとの間に原料を運ぶ構成となっている。このため、従来のチョッパーは、薄くて柔らかいワカメ片等、ロールのらせん溝に張り付きやすい原料(換言すると絡みつきやすい原料)を粉砕する場合には、ロールのらせん溝に原料が徐々に張り付いていき、やがてはロールのらせん溝が原料で埋まってしまう。そして、ロールのらせん溝が原料で埋まってしまうと、排出口を覆っているプレートとナイフとの間に原料を運ぶことができなくなってしまう。また、ロールのらせん溝が原料で埋まってしまうと、チョッパーを分解してロールのらせん溝から原料を取り除くため、チョッパーを停止させなければならない。このため、従来のチョッパーは、ロールのらせん溝に張り付きやすい原料を粉砕する場合には、長時間の連続運転を行うことが困難である。
【0021】
一方、本実施の形態1に係るチョッパー1は、容積式ポンプ60で本体部10の貯留空間11に原料100を押し込む加圧力により、原料100がプレート20とナイフ30との間に移動して粉砕される。このため、本実施の形態1に係るチョッパー1は、従来のチョッパーが備えていたロールを必要としない。このため、本実施の形態1に係るチョッパー1は、ロールのらせん溝に張り付きやすい原料を粉砕する際、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことができる。
【0022】
ここで、本実施の形態1に係るチョッパー1は、上述のように、ナイフ駆動軸40を覆うカバー42を備えている。このため、本実施の形態1に係るチョッパー1は、カバー42を備えていない場合と比べ、さらに長時間の連続運転が可能となっている。具体的には、カバー42がない場合、薄くて柔らかいワカメ片等、張り付きやすい原料100をチョッパー1が粉砕する際、回転するナイフ駆動軸40に原料100が徐々に張り付いていく。このため、従来のチョッパーよりも頻繁ではないが、チョッパー1を定期的に停止させ、ナイフ駆動軸40から原料100を取り除くこととなる。これに対して、カバー42を備えることにより、ナイフ駆動軸40に原料100が張り付くことを抑制できる。このため、カバー42を備えることにより、さらに長時間の連続運転が可能となっている。また、ナイフ駆動軸40から原料100を取り除くためのチョッパー1の分解作業の回数を削減でき、チョッパー1の分解作業の煩わしさから解放されることができる。
【0023】
以上、本実施の形態1に係るチョッパー1は、本体部10と、プレート20と、ナイフ30と、ナイフ駆動軸40と、容積式ポンプ60とを備えている。本体部10には、原料100が貯留される貯留空間11、及び、貯留空間11と連通し、原料100の粉砕物101が排出される排出口13が形成されている。プレート20は、排出口13を覆い、複数の貫通孔21が形成されている。ナイフ30は、貯留空間11においてプレート20対向して設けられ、回転自在となっている。ナイフ駆動軸40は、ナイフ30に連結され、ナイフ30に対して該ナイフ30が回転する駆動力を伝達する。容積式ポンプ60は、貯留空間11に原料100を押し込む。そして、本実施の形態1に係るチョッパー1は、容積式ポンプ60で貯留空間11に押し込まれた原料100によって、貯留空間11内の原料100がプレート20とナイフ30との間に移動し、プレート20とナイフ30との間で原料100が粉砕されて粉砕物101となり、プレート20の複数の貫通孔21から粉砕物101が排出される構成となっている。
【0024】
このため、本実施の形態1に係るチョッパー1は、上述のように、従来のチョッパーが備えていたロールを必要としない。このため、本実施の形態1に係るチョッパー1は、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことができる。
【0025】
実施の形態2.
ナイフ駆動軸40は、本実施の形態2のように駆動源と接続されてもよい。なお、本実施の形態2において、特に記述しない項目については実施の形態1と同様とし、実施の形態1と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0026】
図2は、本発明の実施の形態2に係るチョッパーの断面図である。
本実施の形態2に係るチョッパー1においては、ナイフ駆動軸40と該ナイフ駆動軸40の駆動源50とは、プレート20を基準として、貯留空間11とは反対側で接続される構成となっている。具体的には、ナイフ駆動軸40は、ナイフ30のボスに連結されている。また、ナイフ30は、ナット43によってナイフ駆動軸40に固定されている。また、ナイフ駆動軸40は、ナイフ30との連結位置から排出口13に向かって延びており、該排出口13を覆うプレート20を貫通して本体部10の外部に突出している。ナイフ駆動軸40と該ナイフ駆動軸40の駆動源50とは、ナイフ駆動軸40におけるこの本体部10の外部に突出している箇所で接続されている。
【0027】
本実施の形態2では、ナイフ駆動軸40を回転させる駆動源50として、電動機51及び減速機52を採用している。このため、本実施の形態2では、電動機51の出力軸に減速機52が接続され、減速機52の出力軸53にナイフ駆動軸40が接続される構成となっている。すなわち、本実施の形態2では、電動機51の回転駆動力は、減速機52によって回転数及び回転方向が変更され、ナイフ駆動軸40に伝達される構成となっている。
【0028】
減速機52の出力軸53とナイフ駆動軸40との接続方法は特に限定されないが、本実施の形態2では、減速機52の出力軸53とナイフ駆動軸40とを次のように接続している。ナイフ駆動軸40には、該ナイフ駆動軸40の側面から突出するように、ピン44が設けられている。一方、減速機52の出力軸53のナイフ駆動軸40側の端部には、ナイフ駆動軸40の挿入される挿入孔54が形成されている。挿入孔54の内径は、ナイフ駆動軸40の外径よりもわずかに大きくなっている。また、出力軸53のナイフ駆動軸40側の端部には、ナイフ駆動軸40側に開口し、ピン44の挿入されるU字溝55が形成されている。ナイフ駆動軸40の出力軸53側の端部を挿入孔54に挿入し、ピン44をU字溝55に挿入し、ナット45を出力軸53の雄ネジにねじ込み、ナット45とU字溝55の壁面とでピン44を挟み込むことにより、減速機52の出力軸53とナイフ駆動軸40とが接続される。
【0029】
ここで、実施の形態1でも説明したように、ナイフ駆動軸40を回転させる駆動源50は、電動機51及び減速機52に限定されない。駆動源50は、電動機51のみであってもよいし、人であってもよい。駆動源50が人の場合、プレート20を基準として貯留空間11とは反対側となる位置で、ナイフ駆動軸40と人が回すハンドルとが接続される。このハンドルの位置が、ナイフ駆動軸40と該ナイフ駆動軸40の駆動源50との接続位置である。
【0030】
なお、本実施の形態2に係るチョッパー1は、以下の構成も、実施の形態1と異なっている。
【0031】
実施の形態1でも説明したように、本体部10において、供給口12の形成位置は特に限定されない。本実施の形態2では、本体部10における排出口13とは反対側の端部に、供給口12が形成されている。また、本実施の形態2では、供給口12に接続されている往復ポンプ70の筒部71は、本体部10と別体で形成されている。そして、本体部10と筒部71とは、ヘルール継手構造で接続されている。具体的には、本体部10は、供給口12側の端部に、ヘルール15を備えている。また、筒部71は、供給口12と対向する端部に、ヘルール75を備えている。本体部10のヘルール15と筒部71のヘルール75とを図示せぬクランプバンドで固定することにより、本体部10と筒部71とが接続されている。
【0032】
また、本実施の形態2に係るチョッパー1は、原料100を貯留する原料貯留容器2を備えている。原料貯留容器2は、例えばホッパーである。原料貯留容器2は、往復ポンプ70の筒部71の内部と連通するように、筒部71に取り付けられている。このため、本実施の形態2に係るチョッパー1においては、ピストン73が貯留空間11から離れる方向に移動する際、原料貯留容器2内の原料100が筒部71内に吸引される。このため、ピストン73が筒部71内を往復動することにより、筒部71内への原料100の供給と、貯留空間11への原料100の押し込みとを連続的に行うことができ、原料100の粉砕作業効率が向上する。なお、本実施の形態2では、連接棒74等を介して接続された電動機が、ピストン73を動かす駆動源となっている。しかしながら、実施の形態1で説明したように、ピストン73を動かす駆動源は、特に限定されず、人等を駆動源とすることができる。
【0033】
以上、本実施の形態2のように構成されたチョッパー1も、実施の形態1で示したチョッパー1と同様、従来のチョッパーが備えていたロールを必要としないため、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことができる。また、本実施の形態2に係るチョッパー1においては、上述のように、ナイフ駆動軸40と該ナイフ駆動軸40の駆動源50とは、プレート20を基準として、貯留空間11とは反対側で接続される構成となっている。このため、ナイフ駆動軸40が貯留空間11を貫通する必要がない。したがって、本実施の形態2に係るチョッパー1は、ナイフ駆動軸40に原料100が張り付くことを抑制でき、さらに長時間の連続運転が可能となっている。
【0034】
なお、実施の形態1及び本実施の形態2のようにチョッパー1を長時間の連続運転可能な構成としても、プレート20及びナイフ30の周辺を分解し、プレート20及びナイフ30等を定期的に清掃する必要がある。この清掃作業は、従来のチョッパーにおいても必要な作業である。本実施の形態2に係るチョッパー1の場合、次のように、プレート20及びナイフ30の周辺を分解し、プレート20及びナイフ30等を清掃する。
【0035】
まず、ナット45を減速機52の出力軸53から取り外し、ナイフ駆動軸40を出力軸53の挿入孔54から抜く。これにより、減速機52の出力軸53とナイフ駆動軸40とが、接続されていない状態となる。その後、ナイフ駆動軸40を本体部10に押し込む。これにより、ナイフ駆動軸40と共に、該ナイフ駆動軸40とナット43で固定されているナイフ30も移動し、ナイフ30とプレート20とが非接触状態となる。その後、本体部10からナット25を取り外す。これにより、プレート20、ナット25、ナイフ30、ナイフ駆動軸40、ナット43及びナット45を、本体部10及び駆動源50から取り外すことができる。その後、プレート20及びナイフ30等を清掃する。
【0036】
実施の形態3.
チョッパー1が備える容積式ポンプ60は、実施の形態1で説明したように、往復ポンプ70以外の容積式ポンプであってもよい。本実施の形態3では、往復ポンプ70以外の容積式ポンプ60を備えたチョッパー1を幾つか紹介する。なお、本実施の形態3において、特に記述しない項目については実施の形態1又は実施の形態2と同様とし、実施の形態1又は実施の形態2と同一の機能及び構成については同一の符号を用いて述べることとする。
【0037】
図3は、本発明の実施の形態3に係るチョッパーの一例を示す断面図である。
図3に示すチョッパー1の容積式ポンプ60は、ねじポンプ80となっている。ねじポンプ80は、ステータ81及びロータ83を備えている。
【0038】
ステータ81は、螺線状の内部空間が形成された、略円筒形状をしている。ステータ81の一端部は、ヘルール継手構造で、本体部10の供給口12に接続されている。具体的には、ステータ81は、供給口12と対向する端部に、ヘルール82を備えている。本体部10のヘルール15とステータ81のヘルール82とを図示せぬクランプバンドで固定することにより、本体部10とステータ81とが接続されている。また、本実施の形態3に係るステータ81には、内部空間と連通するように、ホッパー等である原料貯留容器2が取り付けられている。
【0039】
ロータ83は、螺線形状をしており、ステータ81の内部空間に回転自在に設けられている。この際、ステータ81の内面とロータ83の外面との間には、キャビティ84と呼ばれる密閉空間が形成される。そして、ロータ83がステータ81内で回転することにより、キャビティ84は、ロータ83の回転軸方向に移動する。具体的には、ロータ83がステータ81内で回転することにより、キャビティ84は、ステータ81の内部空間と原料貯留容器2との連通位置から、本体部10の供給口12に向かって移動する。このため、ロータ83がステータ81内で回転することにより、原料貯留容器2内の原料100がキャビティ84内に吸引される。そして、ロータ83の回転に伴ってキャビティ84が移動し、キャビティ84内の原料100は、貯留空間11へ押し込まれる。なお、本実施の形態3では、連結部85等を介して接続された電動機が、ロータ83を回転させる駆動源となっている。しかしながら、ロータ83を回転させる駆動源は、特に限定されず、人等を駆動源とすることができる。
【0040】
図4は、本発明の実施の形態3に係るチョッパーの別の一例を示す断面図である。
図4に示すチョッパー1の容積式ポンプ60は、ロータリーポンプ90となっている。ロータリーポンプ90は、ケーシング91及びロータ94を備えている。
【0041】
ケーシング91は、内部に、ロータ94を収納する収納室が形成されている。また、ケーシング91は、収納室と連通する吸込口92及び排出口93を備えている。排出口93は、ヘルール継手構造で、本体部10の供給口12に接続されている。また、吸込口92は、原料貯留容器2と接続されている。本実施の形態3では、吸込口92は、供給配管3を介して、原料貯留容器2と接続されている。また、吸込口92と供給配管3とは、ヘルール継手構造で接続されている。
【0042】
ロータ94は、回転自在に、ケーシング91の収納室に収納されている。ケーシング91の内面とロータ94の外面との間には、ロータ室95が形成される。そして、ロータ94がケーシング91内で回転することにより、ロータ室95もロータ94と共に回転する。このため、ロータ室95が吸込口92と連通する位置では、原料貯留容器2内の原料100が、供給配管3を通って、ロータ室95内に吸引される。そして、ロータ室95が排出口93と連通する位置になると、ロータ室95内の原料100は、排出口93から排出され、貯留空間11へ押し込まれる。なお、本実施の形態3では、ロータ94に接続された電動機が、ロータ94を回転させる駆動源となっている。しかしながら、ロータ94を回転させる駆動源は、特に限定されず、人等を駆動源とすることができる。
【0043】
以上、本実施の形態3のように構成されたチョッパー1も、実施の形態1及び実施の形態2で示したチョッパー1と同様、従来のチョッパーが備えていたロールを必要としないため、従来のチョッパーよりも長時間の連続運転を行うことができる。
【符号の説明】
【0044】
1 チョッパー、2 原料貯留容器、3 供給配管、10 本体部、11 貯留空間、12 供給口、13 排出口、14 雄ネジ、15 ヘルール、20 プレート、21 貫通孔、22 貫通孔、25 ナット、26 雌ネジ、30 ナイフ、40 ナイフ駆動軸、41 軸受、42 カバー、43 ナット、44 ピン、45 ナット、50 駆動源、51 電動機、52 減速機、53 出力軸、54 挿入孔、55 U字溝、60 容積式ポンプ、70 往復ポンプ、71 筒部、72 ヘルール、73 ピストン、74 連接棒、75 ヘルール、80 ねじポンプ、81 ステータ、82 ヘルール、83 ロータ、84 キャビティ、85 連結部、90 ロータリーポンプ、91 ケーシング、92 吸込口、93 排出口、94 ロータ、95 ロータ室、100 原料、101 粉砕物。