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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043710
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】X線透視撮影装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/00 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
A61B6/00 300D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149145
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】320011683
【氏名又は名称】富士フイルムヘルスケア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000888
【氏名又は名称】特許業務法人 山王坂特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 薫
【テーマコード(参考)】
4C093
【Fターム(参考)】
4C093AA01
4C093CA39
4C093EC02
4C093EC15
4C093EC52
4C093FA15
4C093FA54
(57)【要約】
【課題】X線発生器を素早く、滑らかに、かつ、広範囲に移動させ、視野(X線照射範囲)を容易に調整できるX線透視撮影装置を提供する。
【解決手段】支柱の下端に第1のスライド機構を、上端に第2のスライド機構を配置する。制御部は、操作部がユーザから所定の方向へのX線発生器の移動の指示を受け付けた場合、第2のスライド機構を動作させ、X線支持腕を前記支柱の上端に対して所定の方向へ移動させることにより、X線発生器を前記所定の方向に移動させる第1モードを実行する。その後、第1のスライド機構を動作させ、支柱の下端を支柱支持腕に対して所定の方向へ予め定めた第1速度で移動させながら、第2のスライド機構を動作させ、X線支持腕を支柱の上端に対して所定の方向とは逆方向へ第1速度よりも小さい第2速度で移動させる第2モードを実行する。これにより、X線発生器を所定の方向へ移動させる。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に載置されるスタンドと、
前記スタンドの一側面から所定の方向に突出した支柱支持腕と、
前記支柱支持腕に下端が搭載され、前記支柱支持腕により支持された支柱と、
前記支柱の上端から前記所定の方向に平行な方向に突出したX線支持腕と、
前記X線支持腕により支持されたX線発生器と、
前記支柱支持腕と前記支柱の下端との間に配置され、前記支柱の下端を前記支柱支持腕に対して前記所定の方向に平行にスライドさせる第1のスライド機構と、
前記支柱の上端と前記X線支持腕との間に配置され、前記X線支持腕を前記支柱の上端に対して前記所定の方向に平行にスライドさせる第2のスライド機構と、
前記第1および第2のスライド機構の動作を制御する制御部と、
ユーザから前記X線発生器の前記所定の方向への移動の指示を受け付ける操作部とを有し、
前記制御部は、前記操作部がユーザから前記所定の方向への前記X線発生器の移動の指示を受け付けた場合、
前記第2のスライド機構を動作させ、前記X線支持腕を前記支柱の上端に対して前記所定の方向へ移動させることにより、前記X線発生器を前記所定の方向に移動させる第1モードと、
前記第1のスライド機構を動作させ、前記支柱の下端を前記支柱支持腕に対して前記所定の方向へ予め定めた第1速度で移動させながら、前記第2のスライド機構を動作させ、前記X線支持腕を前記支柱の上端に対して前記所定の方向とは逆方向へ前記第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより、前記X線発生器を前記所定の方向へ移動させる第2モードとを
順に実行させることを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、前記制御部は、前記第1モードにより前記X線発生器が前記第2スライド機構の可動範囲の予め定めた位置に到達した場合、前記第2モードを実行させることを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項3】
請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、前記制御部は、前記第1モードまたは第2モードの後にユーザからの移動指示が停止した場合、第3モードを実行し、
前記第3モードは、直前に実行した第1モードまたは第2モードにおいて前記ユーザから移動が指示された方向に、前記支柱の下端を前記支柱支持腕に対して第3速度で移動させながら、前記X線支持腕を前記支柱の上端に対して前記ユーザから移動が指示された方向とは逆方向へ前記第3速度と等しい第4速度で移動させることを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項4】
請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、前記操作部は、低速の移動モードと、高速の移動モードの選択の指示をユーザから受け付ける機能を備え、
前記制御部は、前記操作部が前記高速の移動モードを受け付けた場合、前記第2モードを前記第1モードよりも優先的に実行させることを特徴とすることを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項5】
請求項1に記載のX線透視撮影装置であって、透視撮像とX線撮影とをユーザが指示する撮影スイッチをさらに有し、前記制御部は、少なくとも前記X線撮影が指示された場合には、前記第1および第2モードの実行を停止させることを特徴とするX線透視撮影装置。
【請求項6】
請求項3に記載のX線透視撮影装置であって、前記制御部は、前記X線発生器の陽極回転が開始された場合には、前記第3モードを停止させることを特徴とするX線透視撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被検体の透視撮影を行うX線透視撮影装置に関し、特に、インターベンショナルラジオロジー(Inter-Ventional Radiology:IVR)に好適なX線透視撮影装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、被検体に対してX線透視を行いながら手技を行うIVRの中でも、内視鏡的逆行性胆管膵管造影(endoscopic retrograde cholangiopancreatography:ERCP)や内視鏡的乳頭括約筋切開術(endoscopic sphincterotomy:EST)においてX線透視撮影装置が広く用いられるようになってきた。
【0003】
内視鏡を用いたIVRでは、被検体の中で内視鏡を移動させてその位置を確認しながら手技が行われるため、透視撮影中に被検体に対するX線の照射位置(撮像位置)を変更可能な構成を有するX線透視撮影装置が望まれている。
【0004】
透視撮影中に撮像位置を変更可能なX線透視撮影装置の一例が特許文献1に開示されている。このX線透視撮影装置は、被検体を搭載した天板を、その支持枠ごと天板の短軸方向や長軸方向にスライドさせることができ、また、天板の短軸方向に平行な軸を中心にX線発生器とX線検出器を回転させたりしながら被検体の透視撮影位置を変えることができる(特許文献1の図8参照)。また、特許文献1には、X線発生器や天板支持枠を支持するスタンドを立位にし、X線発生器からX線が床面に向かって照射されるようにX線発生器の向きを変え、X線発生器と床面との間に、ストレッチャーに搭載された被検体を配置して撮像する方法も開示されている(特許文献1の図7(b)参照)。後者の撮像方法では、X線発生器を床面に水平に移動させることができるが、X線発生器と被検体との距離を調節することはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11-137540号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の図8等に記載された従来のX線透視撮影装置では、透視撮影中にX線照射範囲(視野)を天板の長軸方向および短軸方向に沿って移動させたい場合には、天板を移動(スライド)させる構造であるため、天板上の被検体に対して負荷がかかる恐れがある。例えば、IVRを行う場合、内視鏡が挿入された被検体を、天板の移動により水平方向に移動させながら、内視鏡を被検体内で移動させる手技を行うこととなり、術者にとっても被検体にとっても負荷が大きい。
【0007】
一方、特許文献1の図7(b)に開示されているように、X線発生器を支柱に対して移動させることも考えられるが、X線発生器は、その内部にX線管や絞り羽根などが備えられており、重量が大きい。従来のX線透視撮影装置のように、X線発生器の支持位置をスライドあるいは回転させる構成では、重量の大きなX線発生器を、床面に固定されているスタンド部から遠ざける方向に移動させる際に、支持位置の移動機構部に加わる負荷が大きく、姿勢を安定させて移動させることは容易ではない。また、重量の大きなX線発生装置の移動を素早く開始させ、所望の位置で正確に停止させることができるように、X線発生装置の移動機構部を設計することも可能であるが、その場合、移動機構部の構造が大掛かりになり、さらにX線発生装置の支持機構の重量がさらに大きくなる。
【0008】
本発明は、X線発生器を素早く、滑らかに、かつ、広範囲に移動させ、視野(X線照射範囲)を容易に調整できるX線透視撮影装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のX線透視撮影装置は、床面に載置されるスタンドと、スタンドの一側面から所定の方向に突出した支柱支持腕と、支柱支持腕に下端が搭載され、支柱支持腕により支持された支柱と、支柱の上端から所定の方向に平行な方向に突出したX線支持腕と、X線支持腕により支持されたX線発生器と、支柱支持腕と支柱の下端との間に配置され、支柱の下端を支柱支持腕に対して所定の方向に平行にスライドさせる第1のスライド機構と、支柱の上端とX線支持腕との間に配置され、X線支持腕を支柱の上端に対して所定の方向に平行にスライドさせる第2のスライド機構と、第1および第2のスライド機構の動作を制御する制御部と、ユーザからX線発生器の所定の方向への移動の指示を受け付ける操作部とを有する。制御部は、以下の第1モードと第2モードを順に実行させる。第1モードは、操作部がユーザから所定の方向へのX線発生器の移動の指示を受け付けた場合、第2のスライド機構を動作させ、X線支持腕を支柱の上端に対して所定の方向へ移動させることにより、X線発生器を所定の方向に移動させる。第2モードは、第1のスライド機構を動作させ、支柱の下端を支柱支持腕に対して所定の方向へ予め定めた第1速度で移動させながら、第2のスライド機構を動作させ、X線支持腕を支柱の上端に対して所定の方向とは逆方向へ第1速度よりも小さい第2速度で移動させることにより、X線発生器を所定の方向へ移動させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、X線発生器を素早く、滑らかに、かつ、広範囲に移動させ、視野(X線照射範囲)を容易に調整できるX線透視撮影装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】X線透視撮影システムSYの全体構成を示す上面から見た図。
図2】X線透視撮影装置1の構成例を示す斜視図。
図3】(A)、(B)はX線透視撮影装置1Aの動作例を示す部分側面図。
図4】X線透視撮影装置1の構成例を示すブロック図。
図5】X線透視撮影装置の各機構の制御系の構成例を示すブロック図。
図6】スライド機構51mの構成を示す部分斜視図。
図7】スライド機構52mの構成を示す部分斜視図。
図8】X線透視撮影装置1の動作を示すフローチャート。
図9】X線透視撮影装置1の実施形態1の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図10】X線透視撮影装置1の実施形態1の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図11】X線透視撮影装置1の実施形態1の第1および第2スライド機構の動作を示す説明図。
図12】X線透視撮影装置1の実施形態2の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図13】X線透視撮影装置1の実施形態2の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図14】X線透視撮影装置1の実施形態2の第1および第2スライド機構の動作を示す説明図。
図15】X線透視撮影装置1の実施形態3の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図16】X線透視撮影装置1の実施形態3の装置制御部120の制御動作を示すフローチャート。
図17】X線透視撮影装置1の実施形態3の第1および第2スライド機構の動作を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0013】
まず、本実施形態のX線透視撮影システムSYの全体構成について説明する。
【0014】
X線透視撮影システムSYは、図1に示すように、X線透視撮影装置1と、この撮影装置1に電力を供給する高電圧発生器3と、撮影した像を表示する表示装置80と、これらの機器を統合的に操作する遠隔操作卓2および近接操作卓4とを備えている。これらの機器のうち、X線透視撮影装置1、高電圧発生器3および表示装置80は、被検体Pの透視撮影を行なう撮影室100に配置されている。また遠隔操作卓2は、X線透視撮影装置1の各部を動作させる機構への指示など、撮影技師W1による各種操作を受け付ける操作部122を備えており、撮影室100に隣接する操作室200に設けられている。または、撮影室100内に同様の機能を持った近接操作卓4により、術者OP1から操作を受け付けることも可能である。近接操作卓4により術者OP1から操作を受け付ける場合には、フットペダルなど、術者OP1が手技を行いながらX線を照射できる機構を近接操作卓3が備えていることが好ましい。
【0015】
撮影室100は、室内でX線透視撮影装置1が発生するX線を遮蔽できる構造を有している。そのため、操作室200内にいる撮影技師W1は、X線透視撮影装置1からX線が出射されても被曝しない。なお、撮影室100と操作室200との間には窓200wが設けられており、撮影技師W1が操作室200から撮影室100内の様子を監視できる。この窓200wは、撮影室100からのX線を遮蔽できるように、鉛入りガラスなどで形成されている。
【0016】
この撮影システムSYを用いて、被検体Pの透視撮影とカテーテル挿入等の手技とを並行して行う、いわゆるIVR等の手技を行う場合、X線の強度や照射間隔などのX線条件の入力は撮影技師W1が遠隔操作卓2で行ってもよいし、近接操作卓4により術者OP1が行ってもよい。高電圧発生器3は、そのX線条件に基づき、パルス波形を有する管電流をX線透視撮影装置1に供給する。X線透視撮影装置1は、X線透視撮影装置1の天板40上に寝かせられた被検体Pに対して間歇的にX線を照射し、被検体Pを透過したX線を検出することにより被検体Pの透視画像を生成して、連続的に透視画像を表示装置80に表示させる。術者OP1は、被検体Pの周囲に立ち、表示装置80に表示される透視画像を見ながら、手技を行う。
【0017】
術者OP1は、透視画像を見ながら手技を行っている最中に、必要に応じて、後述するX線透視撮影装置1の機構を動作させて、被検体PへのX線照射位置を変化させ、透視画像の視野に照射し透視撮影を行う。
【0018】
<実施形態1>
実施形態1として、上述したX線透視撮影システムSYに備えられているX線透視撮影装置1について説明する。
【0019】
[主要部の構成]
まず、本実施形態のX線透視撮影装置1の特徴的な構成について説明する。
【0020】
X線透視撮影装置1は、図2に示すように、床面に載置されるスタンド10と、スタンド10の一側面から所定の軸方向(ここでは床面に水平なx軸方向であって、突出の向きは-x方向)に突出した支柱支持腕20と、支柱支持腕20に下端が搭載された支柱50と、支柱50の上端に搭載されたX線支持腕90と、X線支持腕90により支持されたX線発生器60とを備えている。支柱50は、支柱支持腕20によりその荷重を支持されている。
【0021】
また、支柱支持腕90には、被検体Pを搭載する天板40を支持する支持枠30も支持されている。天板40の長軸方向はy方向に平行である。支柱50は、スタンド10と支持枠30の間の支柱支持腕20に搭載されている。支持枠30内には、X線検出器70が配置されている。
【0022】
X線検出器60は、支柱50とX線支持腕90により、天板40の上部に支持される。X線検出器60は、天板40に搭載された被検体Pに対してX線を照射し、被検体Pを透過したX線は、X線検出器70によって検出される。
【0023】
図3(A)に示すように、支柱支持腕20と支柱50の下端との間には、支柱50の下端を支柱支持腕10に対してx軸方向に平行な矢印A4の方向にスライドさせる第1のスライド機構51mが配置されている。また、支柱50の上端とX線支持腕90との間には、X線支持腕90を支柱50の上端に対して所定の方向に平行な矢印A5の方向にスライドさせる第2のスライド機構52mが配置されている。
【0024】
このように、支柱50の下端と上端にそれぞれ第1スライド機構51mと第2スライド機構52mを配置したことにより、X線発生器60が接続されたX線支持腕90のみならず、支柱50全体をx軸方向に平行にスライドさせることができる。よって、本実施形態のX線透視撮影装置1は、X線検出器60のx軸方向について広い範囲で移動させることができる。
【0025】
第1および第2のスライド機構51には、図4に示すように、装置制御部120が機構制御部124を介して接続されており、装置制御部120は、これらの動作を制御する。
【0026】
装置制御部120には、ユーザからX線発生器60の少なくともx軸方向への移動の指示を受け付ける操作部122が接続されている。
【0027】
本実施形態では、操作部122がユーザからx軸方向(例えば、-x方向)へのX線発生器60を移動させるように指示を受け付けた場合、装置制御部120は、下記第1モードと第2モードとを順に実行させる。
【0028】
第1モードでは、装置制御部120が、図3(B)に示したように、第2のスライド機構52mを動作させ、X線支持腕90を支柱50の上端に対してx軸方向へ移動させる。
【0029】
つぎに、第2モードでは、装置制御部120が、第1のスライド機構51mを動作させることにより、支柱50の下端を支柱支持腕20に対してユーザから指示を受けた方向(ここでは、-x方向)へ予め定めた第1速度で移動させながら、第2のスライド機構52mを動作させ、X線支持腕90を支柱50の上端に対して、ユーザから指示を受けた方向(-x方向)とは逆方向(+x方向)へ第1速度よりも小さい第2速度で移動させる。これにより、X線発生器60は、第1速度と第2速度の差分の速度でユーザから指示を受けた方向(ここでは、-x方向)に移動する。
【0030】
このように第1モードにより、まず第2スライド機構52mを動作させてX線発生器60の移動を開始することにより、X線発生器60を支持するX線支持腕90のみを移動させるため、第1スライド機構51mによりX線支持腕90を支持する支柱50ごと移動させる場合と比較して、移動させる構造体の重量を小さくできる。よって、素早く、かつ、滑らかに移動を開始させることができる。
【0031】
第1モードにより移動させた後、第2モードによって支柱50を第1スライド機構51mにより移動させることにより、第2スライド機構52mのスライドのみでは到達できない範囲までX線発生器60を移動させることができる。
【0032】
この第2モードにおいて、支柱50を移動させながら、支柱50の移動方向とは逆方向にX線支持腕90を支柱50の移動速度よりも小さい速度で移動させる。これにより、第1モードによって第2スライド機構52mのスライド可動範囲の端部近くまで移動したX線支持腕90を、スライド可動範囲の中央部まで戻すことができる。
【0033】
これにより、支柱50が第1スライド機構51mの可動範囲の端部まで移動した後、さらにX線支持腕90を第2スライド機構52mによりスライドさせてX線発生器60を移動させることができる。よって、X線発生器60が所望の位置まで到達したならば、X線支持腕90をスライドさせる第2スライド機構52の動作を停止させることにより、X線発生器60の移動を停止させる。すなわち、支柱50の移動を停止させる場合よりも重量の小さいX線支持腕90の移動を停止させることにより、停止の指示に対してレスポンスがよく、かつ、慣性力も小さいため、振動等を発生させずに滑らかにX線発生器60の移動を停止させることができる。
【0034】
第1モードから第2モードへの変更のタイミングは、所望のタイミングで行うことができる。例えば、装置制御部120は、第1モードによりX線発生器60が第2のスライド機構52mの可動範囲の予め定めた位置に到達した場合、第2モードを実行させる構成にすることができる。また、操作部122が低速の移動と、高速の移動の指示をユーザから受け付ける機能を備えた構成(例えばジョイスティック)である場合、装置制御部120は、低速の移動を受け付けた時点でまず第1モードを実行させ、操作部122が低速の移動から高速の移動へ切り替えられた時点で、第1モードから第2モードの実行に切り替える構成にすることができる。
【0035】
[詳細な構成]
X線透視撮影装置1のさらに詳細な構成について説明する。
【0036】
第1スライド機構51mと第2スライド機構52mの具体的な構成については後述する。
【0037】
スタンド部10は、その内部に、天板40の支持枠30や、X線発生器60を支える支柱50を支持する支柱支持腕20を昇降および回転させる駆動機構が配置されている。具体的には、スタンド部10は、支柱支持腕20を図2の矢印A1方向に昇降可能とする昇降機構221(以下、A1昇降機構という)と、支柱支持腕20をその中心軸を中心に矢印A2のように回転させる回動機構222(以下、A2回動機構という)とを内蔵している(図4参照)。
【0038】
機構221により、X線発生器60とX線検出器70との距離、すなわちX線管焦点・受像面間距離(SID)を維持した状態で支持枠30を昇降させることができる。また支持枠30を昇降させることにより、天板40の高さを、天板40上に被検体Pを乗せやすい位置、あるいは術者が作業を行ないやすい位置に調節することができる。
【0039】
スタンド部10は、天板40の短軸方向に平行な軸を中心として、支柱支持腕20を回転可能な(矢印A2)回動機構222(以下、A2回動機構という)を有している(図4参照)。この機構222による支持枠30の回動可能範囲は、床面に対して水平な状態から約±90°程度、合計約180°程度であることが好ましい。支柱支持腕20がこのように回転可能な構成であるため、天板40上の被検体Pの体勢を立たせた状態(立位)と寝かせた状態(臥位)との間で任意の角度に設定することができる。
【0040】
支柱支持腕20には、支柱50を支柱支持腕20に対して天板40の長手方向(図2のA3方向;y方向)に移動可能とするスライド機構223(以下、A3スライド機構という)を有している(図4参照)。
【0041】
支持枠30はさらにその内部に、X線検出器70を天板40の短軸方向(矢印A7方向)、及び長軸方向(矢印A8方向)にスライドさせる検出器移動機構(以下、検出器スライド機構という)227(図4参照)を有している。
【0042】
これらの機構221~223、227は公知の構成を用いることができるため、詳細な機構の説明を省略する。
【0043】
X線発生器60はX線管球を内蔵しており、図5に示すように高電圧発生器3から図示しないケーブルを介して電力供給を受けてX線管球からX線を発生させる。X線発生器60は、X線の照射範囲を制限するX線可動絞り200や、特定のエネルギーのX線を選択的に透過させるX線フィルタなどを有していてもよい。
【0044】
X線検出器70は、イメージインテンシファイヤとTVカメラとを組み合わせたものや、X線平面検出器(Flat Panel Detector:FPD)等を使用することができる。特に、X線検出器を支持枠内に配置することを考慮すれば、小型・軽量のFPDを使用することが好ましい。X線検出器70は、X線発生器60に対向するように支持枠30の内部に配置され、被検体Pを透過したX線を検出する。本実施形態では、X線発生器60から照射されるX線の光軸が、X線検出器70の中心を常に貫くように、X線発生器60の位置に連動してスライド機構227が天板の短軸(A7)方向および長軸(A8)方向に移動させる。
【0045】
[制御系の構成]
X線透視撮影装置1は図5に示すように、X線検出器70から出力されたX線信号に対して画像処理を行なう画像処理部116と、画像処理部116により処理されたX線画像などの各種情報を記憶する記憶部114と、各構成要素を統合して制御する装置制御部120とを備えている。画像処理部116により処理されたX線画像は、装置制御部120を介して表示装置80に表示される。
【0046】
装置制御部120は、CPU或いはGPUに搭載されるソフトウェアとしてその機能が実現される。また装置制御部120の、一部または全部の機能は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programable Gate Array)などのハードウェアで実現することも可能である。
【0047】
X線透視撮影装置1には、上述した装置制御部120とともに、各部の動作を制御するためのX線制御部123と機構制御部124とが備えられている。
【0048】
X線制御部123は、X線発生器60やX線可動絞り200の制御をしてX線発生器60から出射されるX線量を調整する。
【0049】
機構制御部124は、装置の各部を移動させる機構を制御する。機構制御部124は、図4に示すように、X線の照射位置(撮像位置)を調整する撮像系制御部6と、撮像位置に応じてX線検出器70の位置を調整する検出器制御部7とを有している。
【0050】
また、装置制御部120は、操作部122に接続されており、操作部122が受け付けた撮影技師W1による操作情報を受信すると、その情報に基づいて機構制御部124等に指示を送る。
【0051】
前述した機構、すなわちA1昇降機構221、A2回動機構222、A3スライド機構223、第1スライド機構51m(A4)、および、第2スライド機構52m(A5)は、撮像系制御部6に接続されている。撮像系制御部6は、操作部122が受け付けた各部を動作させる指示情報に従ってこれらの機構の動作を制御し、撮像位置を調整する。また、検出器スライド機構227は検出器制御部7に接続されており、X線発生器60の位置に連動させてX線検出器70の位置を調整する。
【0052】
操作部122は、装置の移動条件を受け付けるレバー(例えばジョイスティック)やボタンを備えていたり、移動条件を数値入力などにより受け付けるキーボードやタッチパネルなどのUIを有していたりしてもよい。撮影技師W1は操作部122を介してその移動方向や移動量等の移動条件を入力することで、検出器制御部7の制御のもと、X線透視撮影装置1の矢印A1~A5、A7、A8方向の動作を制御することができる。なお以上で説明した制御部は、その一部又は全部が撮影室200内に設けられていてもよい。
【0053】
[第1及び第2スライド機構51m,52mの構成]
【0054】
次に、支柱50および第1スライド機構51mの具体的な構成について図3(A),(B)および図6を参照し説明する。図3(A),(B)および図6は、説明のために装置の外装を外した状態を示している。なお、図6は、図2の外装を外した状態で、第1スライド機構51mをC1矢印方向から(すなわち、スタンド10側からみた)矢視図である。
【0055】
支柱支持腕20上には、第1スライド機構51mを支持するための基底部251が固定されている。第1スライド機構51mは、基底部251の上端に固定された2本の支柱用ガイドレール501と、支柱50の下端に固定された矩形の板状の支柱用スライド部530とを含む。支柱用ガイドレール501の長軸方向は、x軸方向に平行である。支柱用スライド部530は、支柱用ガイドレール501と係合し、支柱用ガイドレール501上を+x方向および-x方向に移動することができる。
【0056】
2本の支柱用ガイドレール501の間には、支柱用ガイドレール501と平行にラック500が配置されている。一方、支柱用スライド部530の底面には、ラック500と噛み合うピニオン504が配置されている。支柱用スライド部530には、ピニオン504を回転させるためのモータ502と、モータ502の回転をピニオン504に伝える減速ギア503が搭載されている。
【0057】
モータ502の動作は、機構制御部124を介して装置制御部120により制御される。これにより、装置制御部120が機構制御部124を介して、モータ502に回転を指示し、モータ502の回転に伴いピニオン504が回転することにより、ピニオン504が501に沿って移動する。これにより、支柱50を搭載した支柱用スライド部530を、支柱用ガイドレール501に沿ってx軸方向に移動させることができる。また、モータ502の回転方向を変えることにより、支柱50の移動方向を-x方向または+x方向に切り替えることができる。
【0058】
なお、支柱50の側面には、撮影時に被検体Pの関心領域を圧迫する圧迫筒54が配置されている。
【0059】
つぎに、第2スライド機構52mの構成について、図7を参照して説明する。
【0060】
第2スライド機構52mは、支柱50の上端に固定された2本のガイドレール511と、X線支持腕90のスタンド10側の端部に固定されたX線用スライド部53とを備えている。ガイドレール511の長軸方向は、x軸方向に平行である。X線用スライド部53は、ガイドレール511と係合し、ガイドレール511上を+x方向および-x方向に移動することができる。
【0061】
2本のガイドレール511の間には、ガイドレール511と平行にラック510が配置されている。一方、X線用スライド部53の内側に、ラック510と噛み合うピニオン513が配置されている。X線用スライド部53には、ピニオン513を回転させるためのモータ512が搭載されている。
【0062】
モータ512の動作は、機構制御部124を介して装置制御部120により制御される。これにより、装置制御部120が機構制御部124を介して、モータ512に回転を指示し、モータ512の回転に伴いピニオン513が回転することにより、ピニオン513がラック510に沿って移動する。これにより、X線支持腕90に固定されたX線用スライド部53を、ガイドレール511に沿ってx軸方向に移動させることができる。また、モータ512の回転方向を変えることにより、支柱50の移動方向を-x方向または+x方向に切り替えることができる。
【0063】
X線透視撮影装置1では、第1スライド機構51mの可動範囲は、例えば200mm、第2スライド機構52mの可動範囲は、例えば400mmに設計することができる。これにより、X線発生器60は、600mm移動可能となる。これによりX線の照射可能範囲(すなわち撮像可能範囲)を天板40の短軸方向の一端から他端まで移動させることができる。
【0064】
[動作]
以下、X線透視撮影装置1の透視撮影およびX線撮影の動作例について図8等を参照し説明する。
【0065】
[ステップs1]
撮影技師W1は、操作部122を操作して、被検体Pが天板40上に載りやすい高さとなるようにA1昇降機構221を動作させて支持枠30の高さを調整する。この時点では、図5(A)に示すように、支柱本体52は最もスタンド部10に近づいて収納された状態となっている。
【0066】
[ステップs2]
この状態で、術者OP1は、天板40の上に被検体Pを横たわらせる。
【0067】
[ステップs3]
装置制御部120は、操作部122が撮影技師W1により操作されて撮像位置を移動させる操作を受け付けたかどうかを判断し、撮影位置の移動操作を受け付けた場合にはステップs4に進み、移動操作を受け付けていない場合にはステップs5に進む。
【0068】
[ステップs4]
撮影系制御部6は、撮影技師W1が入力した撮像位置に応じて、各機構の動作を制御し、X線発生器60を天板40の長軸方向及び短軸方向に移動させて、透視撮影の開始位置に配置する。支持枠30の傾きを変える場合は、X線発生器60とX線検出器70との距離(SID)を維持した状態で行う。
【0069】
[ステップs5]
装置制御部120は、操作部122が撮影技師W1から透視撮影の開始の指示を受け付けたかどうかを判断し、透視撮影の指示を受け付けている場合には、ステップs6に進み、受け付けていない場合には、ステップs3に戻る。
【0070】
[ステップs6]
X線発生器60から所定の間隔でX線が照射され、透視撮影を開始する。撮影された透視画像は表示装置80に表示され、術者は表示装置80に表示される透視画像を見ながら被検体Pに対して手技を行う。
【0071】
[ステップs7]
装置制御部120は、操作部122が撮影技師W1により撮像位置をx軸方向(天板40の短軸方向)に移動させる指示を受け付けているかどうかを判断し、受け付けている場合にはステップs8に進み、受け付けていない場合には、ステップs9へ進む。
【0072】
[ステップs8]
撮像系制御部6は、透視撮影が継続した状態で、図3(B)に示すように第1及び第2スライド機構51m、52mを駆動させて、X線発生器60を、天板40の短軸方向の被検体P側(矢印A4)に移動させる。具体的には、撮像系制御部6は、装置制御部120が受け付けた指示に応じ、第1および第2スライド機構51m、52mを動作させて、X線発生器60を移動させる。
【0073】
同時に、検出器スライド機構227は、第1および第2スライド機構51mと連動してX線検出器70の位置を移動させ、照射されるX線の光軸が、X線検出器70の中心を常に貫くようにする。
【0074】
[ステップs9]
装置制御部120は、操作部122が撮影技師W1からX線撮影の指示を受け付けたかどうかを判定し、受け付けている場合には、ステップs10に進み、受け付けていない場合には、ステップs11に進む。
【0075】
[ステップs10]
撮影系制御部6が、X線発生器60のX線管の陽極を回転数を上昇させ、所定の管電流・管電圧を高電圧発生装置3からX線管に供給することにより、透視時よりも大きなエネルギーのX線を出射させる。このとき、陽極の回転数を上昇させるタイミングで、第1及び第2スライド機構51m、52mによるX線発生器60の移動を一時停止させる。これにより、X線発生器60が位置決めされた状態で、X線を照射されてX線画像を撮影することができる。X線画像は表示装置80に表示される。X線撮影が終了したら、X線発生器60とX線検出器70の移動、及び透視撮影が再開される。
【0076】
[ステップs11]
装置制御部120は、操作部122が撮影技師W1から受け付けた所定位置まで透視撮影したかどうかを判定し、所定位置まで到達している場合にはステップs12に進み、到達していない場合には、ステップs6へ戻る。
【0077】
[ステップs12]
所定位置まで透視撮影が到達しているため、投影撮影を終了する。具体的には、装置制御部120は、X線発生器60によるX線の照射を停止させるとともに、第1及び第2スライド機構51m,52mの動作を停止させる。
【0078】
[ステップS13]
撮像系制御部6は、被検体Pが天板40上から降りやすい高さとなるように支持枠30の高さを調整する。
【0079】
このようにして、実施形態1のX線透視撮影装置1による、被検体の透視撮影が行われる。
【0080】
<X線発生器60のx軸方向への移動>
次に、ステップs8におけるX線発生器60のx軸方向への移動時の装置制御部120の制御動作について、図9および図10のフローおよび図11を用いてさらに詳しく説明する。
【0081】
図11は、支柱支持腕20に固定された支柱用ガイドレール501と、その上を支柱50とともにスライドする支柱用スライド部530との位置関係と、支柱50の上端に固定されたX線用ガイドレール511と、その上をX線発生器60およびX線支持腕90とともにスライドするX線用スライド部53との位置関係を模式的に示す図である。図11では、支柱50の高さ等は、実際のサイズとは異なっている。なお、図11の「I-00」は、初期状態である。X線用ガイドレール511のスタンド10側の端部をa3、中央位置をa2、スタンド10から最も遠い側の端部をa1とする。また、支柱用ガイドレール501のスタンド10側の端部をb3、中央位置をb2、スタンド10から最も遠い側の端部をb1とする。支柱用ガイドレール501とX線用ガイドレール511は、ここでは同じ長さであり、全長が、支柱用スライド部530,53の可動範囲であるとして以下説明する。
【0082】
第1および第2のスライド機構51m、52mを動作させていない初期状態(I-00)では、第2スライド機構52mのX線用スライド部(以下、A5軸接続点とも呼ぶ)53は、ガイドレール511の中央位置a2に位置する。支柱用スライド部530は、支柱用ガイドレール501の中央位置b2に位置する。初期状態(I-00)では、ガイドレール511は、支柱用ガイドレール501の真上、すなわち、位置a1、a2、a3が、それぞれ位置b1、b2、b3とx軸方向について同位置(対応する位置)にある。
【0083】
図8のステップs7において、操作部122が撮影技師W1により撮像位置をx軸方向に移動させる指示を受け付けた場合、装置制御部120は、ステップs8に進み、図9および図10のフローを実行する。
【0084】
[ステップ131]
まず、装置制御部120は、ステップs7で受け付けた移動方向が、x軸のプラス方向(+x方向:スタンド10に近づく方向)かマイナス方向(-x方向:スタンド10から遠ざかる方向)かを判定する。受け付けた移動方向が-x方向である場合、ステップ132に進む。+x方向である場合、図10のステップ142に進む。
【0085】
[ステップ132]
ステップ132では、装置制御部120は、第2のスライド機構52mのモータ512を動作させ、X線用スライド部(A5軸接続点)53をガイドレール511に対して-x方向に移動させる(第1モード)。これにより、X線発生器60およびX線支持腕90が、支柱50の上端に対して-x方向へ移動する(図11のI-00からI-11への移動)。
【0086】
このように、ステップ132では、X線発生器60を移動させるために、支柱50に支持されたX線支持腕90とX線発生器60のみを移動させ、支柱50を移動させないため、移動させる部分の重量を抑制でき、素早い反応で滑らかに移動を開始することができる。
【0087】
[ステップ133]
装置制御部120は、モータ512の駆動量からX線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の位置a1とa2との間の予め定めた位置R1(図11のI-11参照)に到達したかどうか判定し、到達した場合にはステップ134へ進む。到達していない場合は、ステップ132に戻って移動を続ける。
【0088】
[ステップ134]
ステップ134においては、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向に第2の速度v2で移動させながら、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を-x方向に第1の速度v1で移動させる(図11のI-12)。なお、装置制御部120は、第1の速度v1を第2の速度v2より大きく設定する(第2モード)。
【0089】
これらの動作により、X線発生器60は、第1の速度v1と第2の速度v2の差分の速度で、-x方向に進み、X線用スライド部(A5軸接続点)53は、+x方向にガイドレール511上を戻るため、ガイドレール511上のX線用スライド部(A5軸接続点)53の位置は、中央位置a2に近づく。よって、この後、操作部122が受け付ける移動の指示の方向が、-x方向であっても+方向であっても、X線用スライド部53(A5軸接続点)をガイドレール511上で移動させることが可能な状態になり、X線発生器60を素早く、滑らかに移動させることが可能になる。
【0090】
[ステップ135]
ステップ135において、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の中央位置a2に到達し、かつ、このガイドレール511の中央位置a2が支柱用ガイドレール501の端部b1に到達した(図11のI-12が示す位置関係(a2,(a2,b1)))かどうかをステップ135において判定し、到達した場合にはステップ136へ進む。
【0091】
[ステップ136]
ステップ136では、装置制御部120は、X線用スライド部53(A5軸接続点)をガイドレール511上で-x方向に移動させる(図11のI-13)。
【0092】
[ステップ137]
そして、装置制御部120は、X線用スライド部53(A5軸接続点)がガイドレール511の位置a1とa2との間の予め定めた位置R1に到達したかどうか判定し、到達したならばステップ138へ進む。到達していない場合は、ステップ136に戻ってさらに移動させる。
【0093】
[ステップ138]
ステップ138においては、装置制御部120は、ステップ134と同様に、X線用スライド部53(A5軸接続点)を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向にガイドレール511に対して第2の速度v2で移動させながら、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を-x方向に第1の速度v1で移動させる(図11のI-14)(v1>v2、第2モード)。
【0094】
これにより、X線発生器60は、第1の速度v1と第2の速度b2の差分(v1-v2)の速度で、-x方向にさらに進み、X線用スライド部(A5軸接続点)53は、+x方向にガイドレール511上を戻って、中央位置a2に近づく。
【0095】
[ステップ139]
ステップ139において、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、X線用ガイドレール511の中央位置a2に到達し、かつ、このX線用ガイドレール511の中央位置a2が支柱用ガイドレール501の端部b1に到達した(図11のI-12が示す位置関係(a2,(a3,b1))と表す位置)に到達したかどうかをステップ139において判定し、到達した場合にはステップ140へ進む。
【0096】
[ステップ140]
ステップ140では、装置制御部120は、ステップ132と同様に、X線用スライド部53(A5軸接続点)をX線用ガイドレール511に対して-x方向に移動させる。これにより、X線発生器60が、支柱50の上端に対して-x方向へ移動する(図11のI-14からI-15への移動)。
【0097】
[ステップ141]
装置制御部120は、X線用スライド部53(A5軸接続点)が、X線用ガイドレール511の端部a1に到達し、X線用ガイドレール511のスタンド10側の端部a3が第1のスライド機構51mの支柱用ガイドレール501の端部b1に重なる位置(図11のI-15参照:(a1,(a3,b1)))に到達したかどうかを判定し、到達した場合には移動を停止させ、終了する。
【0098】
[ステップ142~151]
上述のステップ131において、操作部122が受け付けた移動方向が、+x方向である場合には、ステップ142~151を行って、X線検出器60を+x方向に移動させる。
【0099】
ステップ142~151の動作は、移動方向が逆向きになることと、第1モードから第2モードに切り替えるタイミングとなるX線用スライド部53(A5軸接続点)の到達位置R1がR2になること以外は上述のステップ132~141の動作に対応しているので、詳しい説明は省略する。
【0100】
このように、本実施形態では、支柱50の上部および下部にそれぞれスライド機構51m,52mを備え、X線発生器60を移動させるだけでなく、支柱50ごと移動することにより、X線発生器60を大きな可動範囲で移動させることができる構造でありながら、第1モードと第2モードを順に実行する構成としたことにより、X線発生器60の移動を開始および停止させる時には、上部の第2のスライド機構52mのX線用スライド部(A5軸接続点)53の移動を開始および停止させる。よって、支柱50の下部のスライド機構51mにより重量の大きな支柱50の移動を開始および停止させる場合と比較して、素早い反応で滑らかにX線発生器60の移動を開始および停止させることができる。
【0101】
なお、透視撮像とX線撮影とをユーザが指示する撮影スイッチにおいて、透視撮像の指示がなされている場合、装置制御部120は、第1モードおよび第2モードを実行しながらX線発生器からX線を発生させる。一方、撮影スイッチがX線撮影の指示を受けた場合、第1モードおよび第2モードの実行を停止させ、X線発生器60からX線を曝射させる構成としてもよい。
【0102】
<実施形態2>
実施形態2では、装置制御部120は、第1モードまたは第2モードの後にユーザからの移動指示が停止した後においても、第2モードと同様に支柱50を搭載した支柱用X線用スライド部530と、X線支持腕90を搭載したX線用スライド部(A5軸接続点)53とを移動させる第3モードを実行し、次の移動指示を受けたときのための準備をする。すなわち、第3モードでは、支柱用X線用スライド部530をその前のモードにおいてユーザから移動を指示された方向に移動させながら、X線用スライド部(A5軸接続点)53を逆方向に移動させ、かつ、両移動速度を等しくすることによりX線発生器60の位置は変化させないで維持する。これにより、次のステップでユーザから移動指示を受けた場合、X線支持腕90を支柱50に対して移動させることができる距離を長くすることができる。
【0103】
以下、図12および図13のフローおよび図14を用いて実施形態2の装置制御部120の制御動作を具体的に説明する。
【0104】
図14は、図11と同様に、支柱支持腕20に固定された支柱用ガイドレール501と、その上を支柱50を搭載してスライドする支柱用スライド部530との位置関係と、支柱50の上端に固定されたX線用ガイドレール511と、その上をX線発生器60およびX線支持腕90とともにスライドするX線用スライド部53との位置関係を模式的に示す図である。図14の「II-00」は、図11の「I-00」と同様に初期状態である。
【0105】
図8のステップs7において、操作部122が撮影技師W1により撮像位置をx軸方向に移動させる指示を受け付けた場合、装置制御部120は、ステップs8に進み、図12および図13のフローを実行する。
【0106】
[ステップ191]
まず、装置制御部120は、ステップs7で受け付けた移動方向が、x軸のプラス方向(+x方向:スタンド10に近づく方向)かマイナス方向(-x方向:スタンド10から遠ざかる方向)かを判定する。受け付けた移動方向が-x方向である場合、図12のステップ192に進む。+x方向である場合、図13のステップ204に進む。
【0107】
[ステップ192]
ステップ192では、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向に第2の速度v2で移動させながら、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を-x方向に第1の速度v1で移動させる。なお、装置制御部120は、第1の速度v1を第2の速度v2より大きく設定する(第2モード)。ただし、第2モードで移動させる構成に限られるものではなく、装置制御部120は、第2のスライド機構52mのモータ512を動作させ、X線用スライド部(A5軸接続点)53をガイドレール511に対して-x方向に移動させてもよい(第1モード)。これにより、X線発生器60およびX線支持腕90が、支柱50の上端に対して-x方向へ移動する(図11のII-00からII-11への移動)。
【0108】
[ステップ193~195]
ユーザからの移動指示が終了した場合、第3モードで移動を継続する(ステップ193,194)(II-12)。第3モードは、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向に第4の速度v4で移動させながら、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を-x方向に第3の速度v3で移動させる。なお、装置制御部120は、第3の速度v3と第4の速度v4とを等しい速度に設定することにより、X線発生器60の位置を移動させず、支柱50を-x方向に移動させる。
【0109】
ステップ195において、装置制御部120は、モータ512の駆動量からX線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の端部の位置a3に到達し、かつ、このガイドレール511の端部の位置a3が支柱用ガイドレール501の位置bx(b1<bx<b2)に到達した(図14のII-12が示す位置関係(a3,(a3,bx)))かどうかをステップ195において判定し、到達した場合にはステップ196へ進み、移動を停止する。
【0110】
到達していない場合は、ステップ194に戻って第3モードで移動を続ける。
【0111】
[ステップ197、198]
ステップ197において、ユーザからX軸マイナス方向の移動の指示を受け付けたならば、ステップ198に進み、装置制御部120は、第2のスライド機構52mのモータ512を動作させ、X線用スライド部(A5軸接続点)53をガイドレール511に対して-x方向に第5の速度v5で移動させる(第1モード)。このとき、装置制御部120は、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を+x方向に第6の速度v6で移動させてもよい(図14のII-13)。その場合、装置制御部120は、第5の速度v5を第6の速度v6より大きく設定する。
【0112】
[ステップ199~201]
ユーザからの移動指示が終了した場合、第3モードで移動を継続する(ステップ200)。第3モードは、ステップ194と同様である。
【0113】
装置制御部120は、モータ512の駆動量からX線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の端部の位置a2に到達し、かつ、このガイドレール511の端部の位置a3が支柱用ガイドレール501の端部b1に到達した(図14のII-14が示す位置関係(a2,(a3,b1)))かどうかをステップ201において判定し、到達した場合にはステップ202へ進む。
【0114】
図14のII-14に示されているように、この時点でガイドレール511の端部の位置a3が支柱用ガイドレール501の端部b1に到達しているため、ステップ202においては、装置制御部120は、ユーザによるジョイスティック操作等に指示に応じて、X線用スライド部(A5軸接続点)53のみを移動させることで、図14のII-15のように所望の位置まで移動させることができ、最終的にはX線発生器60を図14のII-16が示す(a1,(a3,b1))まで到達させることができる(ステップ202,203)。
【0115】
[ステップ204~215]
上述のステップ191において、操作部122が受け付けた移動方向が、+x方向である場合には、ステップ204~215を行って、X線検出器60を+x方向に移動させる。
【0116】
このように、実施形態2では、ユーザからの移動の指示にしたがって第1モードまたは第2モードによってX線用スライド部(A5軸接続点)53や支柱用X線用スライド部530を移動させた後、ユーザからの移動の指示が停止した後も、第3モードによりX線発生器60の位置を変化させることなく、X線用スライド部(A5軸接続点)53や支柱用X線用スライド部530を移動させて支柱50を、ユーザが指示していた方向に移動させておくことにより、次の移動指示を受けた場合、X線用スライド部(A5軸接続点)53の移動で目的とする位置までX線発生器60を移動させることができる。
【0117】
なお、第3モードは、ユーザの指示がない状態でX線用スライド部(A5軸接続点)53や支柱用X線用スライド部530を移動させるため、ユーザが撮影や透視の実行時には第3モードにより移動を停止させる。例えば、装置制御部120は、X線発生器60の陽極回転(ロートアップ)が開始された場合には、第3モードを停止させる。なお、透視の場合には、第3モードによる移動を許可する構成とすることも可能である。
【0118】
<実施形態3>
実施形態3では、操作部122が、微調整モードαか、高速モードβかの指示をユーザから受け付ける機能を備えた、例えばジョイスティックのような操作部である場合、装置制御部120は、操作部122が受け付けた移動速度が高速モードβであるときには、優先的に第2モードを実行させることにより、支柱50をユーザから指示された方向に移動させつつ、X線用スライド部(A5軸接続点)53を逆方向に移動させる。これにより、ユーザが目的とする位置までX線発生器60を素早く到達させることが可能になり、しかも、最後の微調整をX線用スライド部(A5軸接続点)53のみの移動で行うことが可能になる。
【0119】
以下、図15および図16のフローと、図17を用いて実施形態3の装置制御部120の制御動作を具体的に説明する。
【0120】
図17は、図11と同様に、支柱支持腕20に固定された支柱用ガイドレール501と、その上を支柱50を搭載してスライドする支柱用スライド部530との位置関係と、支柱50の上端に固定されたX線用ガイドレール511と、その上をX線発生器60およびX線支持腕90とともにスライドするX線用スライド部53との位置関係を模式的に示す図である。図17の「III-00」は、図11の「I-00」と同様に初期状態である。
【0121】
図8のステップs7において、操作部122が撮影技師W1により撮像位置をx軸方向に移動させる指示を受け付けた場合、装置制御部120は、ステップs8に進み、図15および図16のフローを実行する。
【0122】
[ステップ251]
まず、装置制御部120は、ステップs7で受け付けた移動方向が、x軸のプラス方向(+x方向:スタンド10に近づく方向)かマイナス方向(-x方向:スタンド10から遠ざかる方向)かを判定する。受け付けた移動方向が-x方向である場合、図15のステップ252に進む。+x方向である場合、図16のステップ204に進む。
【0123】
[ステップ252]
ステップ252では、装置制御部120は、ジョイスティック等の操作部122で指示された速度が高速モードβか、微調整モードαであるかを判定し、微調整モードである場合には、ステップ132~135を実行することにより、図17のIII-00、III-12、III-13に示す位置関係に順次到達する。
【0124】
ステップ135の後、ステップ257において、再び装置制御部120は、ジョイスティック等の操作部122で指示された速度が高速モードβか、微調整モードαであるかを判定し、微調整モードαである場合には、ステップ136~141を実行することにより、図17のIII-15、III-16、III-17に示す位置関係に到達する。
【0125】
ステップ132~135、136~141は、実施形態1と同様の動作であるので、ここでは説明を省略する。
【0126】
一方、ステップ252において、装置制御部120は、ジョイスティック等の操作部122で指示された速度が高速モードβである場合には、ステップ253に進む。
【0127】
[ステップ253]
ステップ253において、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向に第2の速度v2で移動させながら、第1スライド機構51mを動作させ、支柱50が搭載されている支柱用X線用スライド部530を-x方向に第1の速度v1で移動させる。なお、装置制御部120は、第1の速度v1を第2の速度v2より大きく設定する(第2モード)。これにより、X線発生器60およびX線支持腕90が、支柱50の上端に対して-x方向へ移動するとともに、支柱50が-x方向に移動させる高速モードβが開始される(図17のIII-11)。
【0128】
[ステップ254]
装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の位置a2とa3との間の予め定めた位置R3(図17のIII-11参照)に到達したかどうか判定し、到達した場合にはステップ255へ進む。
【0129】
[ステップ255]
ステップ255においては、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向に移動させる。(また、支柱用X線用スライド部530を+x方向に移動させる。)。
【0130】
[ステップ256]
装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の中央位置a2に到達し、かつ、このガイドレール511の中央位置a2が支柱用ガイドレール501の端部b1に到達した(図11のI-12が示す位置関係(a2,(a2,b1)))かどうかをステップ135において判定し、到達した場合(図17のIII-13)にはステップ257へ進む。
【0131】
[ステップ257]
ステップ257において、再び装置制御部120は、ジョイスティック等の操作部122で指示された速度が高速モードβか、微調整モードαであるかを判定し、微調整モードαである場合には、上述したようにステップ136~141を実行する。一方、高速モードβが指示されている場合には、ステップ258に進む。
【0132】
[ステップ258]
ステップ258において、装置制御部120は、ステップ253と同様に、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向とは逆の+x方向に第2の速度v2で移動させながら、支柱用X線用スライド部530を-x方向に第1の速度v1で移動させる。なお、装置制御部120は、第1の速度v1を第2の速度v2より大きく設定する(第2モード)。これにより、X線発生器60およびX線支持腕90が、支柱50の上端に対して-x方向へ移動するとともに、支柱50が-x方向に移動する(図17のIII-14)。
【0133】
[ステップ259]
装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の位置a2とa3との間の予め定めた位置R3(図17のIII-14参照)に到達したかどうか判定し、到達した場合にはステップ260へ進む。
【0134】
[ステップ260]
ステップ260においては、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向に移動させる。また、支柱用X線用スライド部530を+x方向に移動させる。
[ステップ261]
装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53が、ガイドレール511の位置a1とa2との間の予め定めた位置R1(図11のI-11参照)に到達したかどうか判定し、到達した場合にはステップ262へ進む。到達していない場合は、ステップ260に戻って移動を続ける。
【0135】
[ステップ262、263]
ステップ262においては、装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53を、操作部122が移動の指示を受けた-x方向に移動させる。また、支柱用X線用スライド部530を-x方向に移動させる。装置制御部120は、X線用スライド部(A5軸接続点)53と支柱用X線用スライド部530の位置関係が(a1,(a3,b1))に到達したならば、終了する。(図17のIII-17)。
【0136】
[ステップ204~215]
上述のステップ251において、操作部122が受け付けた移動方向が、+x方向である場合には、図16のステップ264~273、142~151を行って、X線検出器60を+x方向に移動させる。
【0137】
このように、実施形態3では、微調整モードαおよび高速モードβを選択的に実行でき、微調整モードαでは、実施形態1と同様にX線用スライド部(A5軸接続点)53の移動により、素早い反応で滑らかに移動を開始および停止させることができる。一方、高速モードβでは、優先的に第2モードを実行させることにより、ユーザが目的とする位置までX線発生器60を素早く到達させることが可能になり、しかも、最後の微調整をX線用スライド部(A5軸接続点)53のみの移動で行うことが可能になる。
【0138】
なお、フローの途中のステップ257において、ユーザは、高速モードβと微調整モードαとの切り替えが可能である。
【符号の説明】
【0139】
1・・・X線透視撮影装置、2・・・遠隔操作卓、3・・・高電圧発生器、4・・・近接操作卓、10・・・スタンド、20・・・支柱支持腕、30・・・支持枠、40・・・天板、50・・・支柱、51m・・・第1スライド機構、52m・・・第2スライド機構、53・・・X線用スライド部、54・・・圧迫筒、60・・・X線発生器、70・・・X線検出器、80・・・表示装置、90・・・X線支持腕、100・・・撮影室、501…ガイドレール、502…モータ、511…ガイドレール、512…モータ、530・・・支柱用スライド部、P・・・被検体、SY・・・X線透視撮影システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17