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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043728
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ショッピングカートの殺菌装置
(51)【国際特許分類】
   A61L 2/10 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149175
(22)【出願日】2020-09-04
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-15
(71)【出願人】
【識別番号】518019189
【氏名又は名称】株式会社JOIN PLANNING
(71)【出願人】
【識別番号】510143125
【氏名又は名称】ニイヌマ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520342622
【氏名又は名称】ケイツーエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100185270
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 貴史
(72)【発明者】
【氏名】大宮 康慎
(72)【発明者】
【氏名】堀 晴樹
(72)【発明者】
【氏名】木下 修一
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK43
(57)【要約】
【課題】コストを可及的に抑制しながらショッピングカートを衛生的に使用する。
【解決手段】本開示のショッピングカートの殺菌装置は、ショッピングカートを収容する収容ゲートと、収容ゲートの内側に配置され該収容ゲート内に紫外線を照射する殺菌灯と、を備える。収容ゲートは、ショッピングカートが進入可能に構成された開口部と、開口部から該収容ゲート内に進入したショッピングカートがその前後方向に列をなして収容されるように、該ショッピングカートの横方向の移動を規制するガイド部を有する。殺菌灯は、ガイド部によって前後方向に列をなすように収容ゲートに収容されたショッピングカートのハンドルが存在する位置から上方に投影した領域に含まれ、収容ゲートの内側からショッピングカートのハンドルに向かって紫外線を照射可能な位置に配置される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショッピングカートを収容する収容ゲートと、前記収容ゲートの内側に配置され該収容ゲート内に紫外線を照射する殺菌灯と、を備えたショッピングカートの殺菌装置であって、
前記収容ゲートは、前記ショッピングカートが進入可能に構成された開口部と、前記開口部から該収容ゲート内に進入した前記ショッピングカートがその前後方向に列をなして収容されるように、該ショッピングカートの横方向の移動を規制するガイド部を有し、
前記殺菌灯は、前記ガイド部によって前後方向に列をなすように前記収容ゲートに収容された前記ショッピングカートのハンドルが存在する位置から上方に投影した領域に含まれ、前記収容ゲートの内側から前記ショッピングカートのハンドルに向かって紫外線を照射可能な位置に配置される、
ショッピングカートの殺菌装置。
【請求項2】
前記収容ゲートは、
該収容ゲート内に収容された前記ショッピングカートの前後方向に対応する長手方向において、その上面の高さが、前記開口部を含んだ開口領域と、その他の一般領域と、で異なり、該開口領域の高さが該一般領域の高さよりも高くなるように構成される、
請求項1に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【請求項3】
前記開口領域に配置された前記殺菌灯の照射強度は、前記一般領域に配置された前記殺菌灯の照射強度よりも高くなるように構成される、
請求項2に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【請求項4】
前記収容ゲートは、
該収容ゲート内に収容された前記ショッピングカートを前記開口部に向かって押圧する押圧部と、前記押圧部によって押圧された前記ショッピングカートが前記開口部から外に飛び出すことを抑止するストッパー部と、を更に有する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【請求項5】
前記収容ゲートは、
該収容ゲート内に収容された前記ショッピングカートのキャスターが接地する底面部であって、その高さが前記開口部に向かって低くなるように傾斜する底面部と、前記底面部に配置された前記ショッピングカートが前記開口部から外に飛び出すことを抑止するストッパー部と、を更に有する、
請求項1から請求項3の何れか1項に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ショッピングカートの殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スーパーマーケット等において買い物客によって使用されるショッピングカートは広く知られている。買い物客は、ショッピングカートに備えられたハンドルを握って該ショッピングカートの移動の操作を行うことができる。
【0003】
このようなショッピングカートは、スーパーマーケット等を訪れた複数の買い物客に共用されるものであって、該買い物客が握るハンドルにはウイルスや菌が付着し易くなる傾向がある。
【0004】
ここで、従来技術として、特許文献1には、マイクを収納可能なケース内に殺菌ランプを備えたカラオケマイク殺菌器が開示されている。これによれば、殺菌器にマイクを入れるだけで簡単に使用の都度マイクを殺菌できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3045002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般に殺菌方法としては塩素などによる薬剤殺菌、加熱殺菌、紫外線殺菌、オゾン殺菌などが知られているが、薬剤による弊害や環境意識の高まりから、紫外線(UV)を用いた殺菌方法、すなわち紫外線殺菌が広く用いられるようになってきている。この場合、殺菌する部分に紫外線を照射する必要があるが、紫外線が直接に照射されない陰の部分、あるいは紫外線の照射強度が著しく弱くなる部分では、紫外線による殺菌効果が低下してしまうという問題があった。
【0007】
従来技術によれば、ケース内の殺菌ランプから該ケース内に収納されたマイクに紫外線を照射することで、該マイクを殺菌することができる。しかしながら、ショッピングカートのように殺菌対象が比較大きいものである場合、利用者(買い物客)の利便性を確保しつつショッピングカートを効果的に殺菌しようとすると、それを実現する装置にかかるコストが高くなってしまう虞がある。
【0008】
本開示の目的は、コストを可及的に抑制しながらショッピングカートを衛生的に使用できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のショッピングカートの殺菌装置は、ショッピングカートを収容する収容ゲートと、前記収容ゲートの内側に配置され該収容ゲート内に紫外線を照射する殺菌灯と、を備えたショッピングカートの殺菌装置であって、前記収容ゲートは、前記ショッピングカートが進入可能に構成された開口部と、前記開口部から該収容ゲート内に進入した前記ショッピングカートがその前後方向に列をなして収容されるように、該ショッピングカートの横方向の移動を規制するガイド部を有し、前記殺菌灯は、前記ガイド部によって前後方向に列をなすように前記収容ゲートに収容された前記ショッピングカートのハンドルが存在する位置から上方に投影した領域に含まれ、前記収容ゲートの内側から前記ショッピングカートのハンドルに向かって紫外線を照射可能な位置に配置される。
【0010】
上記の構成において、ショッピングカートは、収容ゲート内でガイド部によって横方向への移動が規制されるため、前後方向に列をなして収容されることになる。そうすると、ショッピングカートのハンドルは、収容ゲート内において決まった位置に列をなして存在することになる。
【0011】
ここで、殺菌灯から照射される紫外線によって殺菌対象を効果的に殺菌するためには、所定の照射強度以上の紫外線が殺菌対象に直接照射される必要がある。本開示のショッピングカートの殺菌装置では、複数の利用者(買い物客)が握るハンドルへの紫外線の照射強度を可及的に高くできる位置に殺菌灯が配置される。そうすると、ショッピングカートにおいてウイルスや菌が付着し易くなるハンドルが効果的に殺菌されることになる。つまり、ショッピングカートにおいて具体的な殺菌対象を定めずにショッピングカート全体に紫外線を照射する場合と比較して、コストを抑制しながらショッピングカートに付着したウイルス等を効果的に不活化することができる。
【0012】
なお、本開示のショッピングカートの殺菌装置では、上記の構成において、前記収容ゲートは、該収容ゲート内に収容された前記ショッピングカートの前後方向に対応する長手方向において、その上面の高さが、前記開口部を含んだ開口領域と、その他の一般領域と、で異なり、該開口領域の高さが該一般領域の高さよりも高くなるように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、コストを可及的に抑制しながらショッピングカートを衛生的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第1実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す第1の図である。
図2】第1実施形態におけるショッピングカートの概略構成を示す図である。
図3】本開示における殺菌灯の配置を説明するための図である。
図4】収容ゲートの上面部の高さと、殺菌灯の照射強度と、の関係を説明するための図である。
図5】第1実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す第2の図である。
図6】第2実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す図である。
図7】第3実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本開示の実施の形態を説明する。以下の実施形態の構成は例示であり、本開示は実施形態の構成に限定されない。
【0016】
<第1実施形態>
第1実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概要について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す第1の図である。本実施形態に係るショッピングカートの殺菌装置100は、ショッピングカート200を収容する収容ゲート110と、収容ゲート110の内側に配置され該収容ゲート110内に紫外線を照射する殺菌灯120と、を備える。
【0017】
収容ゲート110は、上面部111と、側面部112と、を有し、床面の上に設置されることで、ショッピングカート200を収容可能な内部空間113が画定される。そして、収容ゲート110には、ショッピングカート200が進入可能に構成された開口部114が設けられる。更に、収容ゲート110には、開口部114から該収容ゲート110内に進入したショッピングカート200がその前後方向に列をなして収容されるように、該ショッピングカート200の横方向の移動を規制するガイド部115が設けられる。ここで、図1(a)によると、ガイド部115は、収容ゲート110の横方向における左右端と略中央とに配置されている。このような構成では、収容ゲート110内に、ショッピングカート200の列を2列収容することができる。なお、図1(b)に示すように、収容ゲート110の側面部112がガイド部として機能するように構成されてもよい。この場合、収容ゲート110内に、ショッピングカート200の列を1列収容することができる。
【0018】
また、本実施形態において、収容ゲート110は、長手方向において、上面部111の高さが、開口部114を含んだ開口領域111aと、その他の一般領域111bと、で異なり、該開口領域111aの高さが該一般領域111bの高さよりも高くなるように構成される。なお、長手方向とは、収容ゲート110において、該収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200の前後方向に対応する方向である。これによれば、利用者(買い物客)が収容ゲート110からショッピングカート200を取り出す際に、該利用者が該ショッピングカート200にアクセスするための空間が比較的大きくなる。そうすると、利用者は収容ゲート110からショッピングカート200を取り出し易くなり、以て、利用者の利便性が向上する。
【0019】
殺菌灯120は、殺菌作用を奏する光源としてLEDを有する。このLEDは、例えば、260nm付近の波長域に主発光ピークを有する紫外線を放射する発光チップを備える。一般に殺菌方法としては塩素などによる薬剤殺菌、加熱殺菌、紫外線殺菌、オゾン殺菌などが知られているが、薬剤による弊害や環境意識の高まりから、殺菌する対象物が変質しないこと、不要な残留物がないこと、環境に優しいことなどの観点から、より質の高い殺菌技術が求められている。そして、本開示の殺菌灯120は、紫外線(UV)によってウイルスを不活化するものであって、これによれば、薬剤のように残留するものがなく、安全性において優れている。また、紫外線はウイルスのDNAまたはRNAを破壊すると言われ、薬剤殺菌と違い耐性菌を作らないという利点もある。
【0020】
図2は、本実施形態におけるショッピングカート200の概略構成を示す図である。本実施形態に係るショッピングカート200は、周知の構成であって、フレーム210と、ハンドル220と、バスケット230と、キャスター240と、を備える。このようなショッピングカート200は、スーパーマーケット等を訪れた複数の利用者(買い物客)に共用されるものであって、該利用者が握るハンドル220にはウイルスや菌が付着し易くなる傾向がある。
【0021】
そこで、本実施形態に係るショッピングカートの殺菌装置100では、殺菌灯120が、ガイド部115によって前後方向に列をなすように収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のハンドル220が存在する位置から上方に投影した領域に含まれ、収容ゲート110の内側からショッピングカート200のハンドル220に向かって紫外線を照射可能な位置に配置される。これについて、図3に基づいて説明する。図3は、本開示における殺菌灯120の配置を説明するための図である。
【0022】
ここで、殺菌灯120から照射される紫外線によって殺菌対象を効果的に殺菌するためには、所定の照射強度以上の紫外線が殺菌対象に直接照射される必要がある。そのため、本開示では図3に示すように、複数の利用者が握るハンドル220への紫外線の照射強度を可及的に高くできる位置に殺菌灯120が配置される。詳しくは、図3(a)に示すように、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のハンドル220の上方の領域Aに殺菌灯120が配置される。なお、領域Aとは、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200の上視図である図3(b)に示されるハンドル220が存在する位置から上方に投影した領域である。ここで、殺菌灯120は、収容ゲート110の上面部111に含まれる開口領域111aおよび一般領域111bにおける、内部空間113側に配置される。そのため、殺菌灯120は、収容ゲート110の内側からショッピングカート200のハンドル220に向かって紫外線を照射することができる。そして、このように殺菌灯120が配置されることで、複数の利用者が握るハンドル220への紫外線の照射強度を可及的に高くできる。その結果、ショッピングカート200においてウイルスや菌が付着し易くなるハンドル220が効果的に殺菌されることになる。
【0023】
以上に述べたショッピングカートの殺菌装置100において、上面部111の開口領域111aに配置された殺菌灯120の照射強度は、上面部111の一般領域111bに配置された殺菌灯120の照射強度よりも高くなるように構成されてもよい。これについて、図4に基づいて説明する。図4は、収容ゲート110の上面部111の高さと、殺菌灯120の照射強度と、の関係を説明するための図である。
【0024】
図4に示す例では、上面部111の開口領域111aに配置された殺菌灯120と、ショッピングカート200のハンドル220と、の距離aが20cmであって、上面部111の一般領域111bに配置された殺菌灯120と、ショッピングカート200のハンドル220と、の距離bが10cmである。なお、図4に示す例では、開口領域111aに配置された殺菌灯120の長手方向の長さcが25cmであって、一般領域111bに配置された殺菌灯120の長手方向の長さdが50cmである。ここで、仮に、開口領域111aに配置された殺菌灯120の照射強度(例えば、殺菌灯120のLEDから1cm離れた中心線上の照射強度)と、一般領域111bに配置された殺菌灯120の照射強度(例えば、殺菌灯120のLEDから1cm離れた中心線上の照射強度)とが同一である場合には、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のうち開口部114側に位置するショッピングカート200のハンドル220への紫外線の照射強度が不足し、該ハンドル220が十分に殺菌されない虞がある。これに対して、開口領域111aに配置された殺菌灯120の照射強度が一般領域111bに配置された殺菌灯120の照射強度よりも高くされることで、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のうち開口部114側に位置するショッピングカート200のハンドル220も十分に殺菌することができる。
【0025】
ここで、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のうち開口部114側に位置するショッピングカート200は、比較的早期に利用者に使用される。そこで、このように比較的早期に利用者に使用されるショッピングカート200のハンドル220に対する紫外線照射による殺菌の即効性を狙うために、開口領域111aに配置された殺菌灯120の照射強度が、一般領域111bに配置された殺菌灯120の照射強度よりも高くなるように構成されてもよい。この場合、例えば、ショッピングカート200のハンドル220における、開口領域111aに配置された殺菌灯120からの照射強度が0.25mW/cm2よりも大きく、一般領域111bに配置された殺菌灯120からの照射強度が0.2mW/cm2よりも大きくなるように構成されてもよい。
【0026】
そして、殺菌灯120からの紫外線の照射は、継続的に連続して行われてもよいし、電源スイッチの操作によって行われてもよい。殺菌灯120からの紫外線の照射が電源スイッチの操作によって行われる場合、電源スイッチが押されている期間だけ殺菌灯120から紫外線が照射されるようにしてもよいし、電源スイッチが押されてから所定の期間(例えば、3分間)だけ殺菌灯120から紫外線が照射されるようにしてもよい。
【0027】
以上に述べたショッピングカートの殺菌装置100によれば、複数の利用者(買い物客)が握るショッピングカート200のハンドル220への紫外線の照射強度を可及的に高くできる位置に殺菌灯120が配置されることで、ショッピングカート200においてウイルスや菌が付着し易くなるハンドル220が効果的に殺菌される。つまり、ショッピングカート200において具体的な殺菌対象を定めずにショッピングカート200全体に紫外線を照射する場合と比較して、コストを抑制しながらショッピングカート200に付着したウイルス等を効果的に不活化することが可能となる。したがって、コストを可及的に抑制しながらショッピングカート200を衛生的に使用することができる。更に、収容ゲート110の上面部111の開口領域111aの高さが一般領域111bの高さよりも高くなるように構成されることで、利用者は収容ゲート110からショッピングカート200を取り出し易くなり、以て、利用者の利便性が向上する。つまり、コストを可及的に抑制しながら、利用者の利便性を確保しつつショッピングカートを衛生的に使用することができる。
【0028】
なお、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置は、図5に示されるような態様であってもよい。図5は、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す第2の図である。図5によると、収容ゲート110の上面部111の開口領域111aが、開口部114に向かって高さが低くなるように傾斜している。このような構成では、例えば、上述した殺菌灯120の電源スイッチを、このように傾斜した上面部111の開口領域111aに配置することで、該電源スイッチの操作性が向上する。
【0029】
<第2実施形態>
第2実施形態について、図6に基づいて説明する。図6は、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係るショッピングカートの殺菌装置100において、収容ゲート110は、該収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200を開口部114に向かって押圧する押圧部116と、押圧部116によって押圧されたショッピングカート200が開口部114から外に飛び出すことを抑止するストッパー部117と、を更に有する。
【0030】
押圧部116は、ばね部116aと押圧板116bとにより構成される。ばね部116aは、一方の端部が収容ゲート110の側面部112(収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200を取り囲む側面部112のうち開口部114と対向する部分)に固定され、他方の端部が押圧板116bに固定される。そして、押圧板116bは、ショッピングカート200を開口部114に向かって押圧可能な位置に設けられ、例えば、ショッピングカート200のキャスター240を開口部114に向かって(例えば、図6における矢Bによって例示される)押圧するように配置される。
【0031】
また、ストッパー部117は、収容ゲート110の開口部114付近に設けられ、例えば、ショッピングカート200のキャスター240に当接するように配置される。
【0032】
このような構成においては、前後方向に列をなすように収容ゲート110に収容されたショッピングカート200の前後端の位置が、押圧部116とストッパー部117とによって規制されることになる。なお、このとき、押圧部116のばね部116aは、圧縮に対する反力を発生できるばね長に調整されている。そのため、ばね部116aの反力が押圧板116bを介してショッピングカート200に伝えられる。そして、このように押圧部116によって押圧されたショッピングカート200は、ストッパー部117によって、その押圧力が受け止められる。
【0033】
以上に述べたショッピングカートの殺菌装置100では、ショッピングカート200が開口部114に向かって押圧されることで、収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200が自動的に開口部114付近に配置されることになる。そうすると、利用者は収容ゲート110からショッピングカート200を取り出し易くなり、以て、利用者の利便性が向上する。なお、本実施形態においては、ストッパー部117が床面から突起することで、該ストッパー部117によってショッピングカート200のキャスター240が受け止められている。そのため、利用者は、キャスター240が床面から突起したストッパー部117を乗り越えられるように、ショッピングカート200を持ち上げながら取り出すことができる。
【0034】
また、上述したように、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のうち開口部114側に位置するショッピングカート200は、比較的早期に利用者に使用される。そして、このように比較的早期に利用者に使用されるショッピングカート200のハンドル220に対する紫外線照射による殺菌の即効性を狙うために、開口領域111aに配置された殺菌灯120の照射強度が、一般領域111bに配置された殺菌灯120の照射強度よりも高くなるように構成されてもよい。この場合、収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200が自動的に開口部114付近に配置されると、比較的早期に利用者に使用されるショッピングカート200のハンドル220がより効果的に殺菌されることになり、ショッピングカートをより衛生的に使用することができる。
【0035】
以上に述べたショッピングカートの殺菌装置100によれば、コストを可及的に抑制しながら、利用者の利便性を確保しつつショッピングカートを衛生的に使用することができる。
【0036】
なお、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置において、ショッピングカート200に付加される押圧力は、ばねの反力によるものに限定されない。この押圧力は、例えば、油圧や空圧や電気的駆動力によるものであってもよい。
【0037】
<第3実施形態>
第3実施形態について、図7に基づいて説明する。図7は、本実施形態におけるショッピングカートの殺菌装置の概略構成を示す図である。本実施形態に係るショッピングカートの殺菌装置100において、収容ゲート110は、該収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200のキャスター240が接地する底面部118であって、その高さが開口部114に向かって低くなるように傾斜する底面部118と、底面部118に配置されたショッピングカート200が開口部114から外に飛び出すことを抑止するストッパー部117と、を更に有する。
【0038】
底面部118は、略水平な床面に対して角度をなすように配置され、その高さが、収容ゲート110の側面部112(収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200を取り囲む側面部112のうち開口部114と対向する部分)から開口部114に向かって低くなるように傾斜している(例えば、図7における矢Cによって例示される)。そうすると、この傾斜に沿ってショッピングカート200のキャスター240が転がり、結果的にストッパー部117によってショッピングカート200のキャスター240が受け止められることになる。なお、ストッパー部117の構成は、上述した第2実施形態と同様である。
【0039】
以上に述べたショッピングカートの殺菌装置100においても、収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200が自動的に開口部114付近に配置されることになる。これによれば、コストを可及的に抑制しながら、利用者の利便性を確保しつつショッピングカートを衛生的に使用することができる。
【符号の説明】
【0040】
100・・・ショッピングカートの殺菌装置
110・・・収容ゲート
111・・・上面部
111a・・開口領域
111b・・一般領域
114・・・開口部
115・・・ガイド部
120・・・殺菌灯
200・・・ショッピングカート
220・・・ハンドル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-06-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ショッピングカートを収容する収容ゲートと、前記収容ゲートに設けられ、かつ、前記収容ゲートに収容された前記ショッピングカートのハンドルに向かって紫外線を照射する殺菌灯と、を備えたショッピングカートの殺菌装置であって、
前記収容ゲートは、
前記ショッピングカートを前後方向に列をなして収容する内部空間と、
前記内部空間に設けられ、かつ、前記内部空間に収容された前記ショッピングカートの横方向の移動を規制するガイド部と、
前記内部空間を形成し、かつ、前記内部空間の上に設けられた上面部と、
を有し、
前記上面部は、
前記内部空間に前記ショッピングカートが進入する入口である開口部を形成するように水平に設けられた開口領域と、
前記内部空間に収容される前記ショッピングカートの前後方向で前記開口領域よりも前方に位置するように水平に設けられた一般領域と、
を有し、
前記開口領域の下面の高さは、前記一般領域の下面の高さよりも高く、
前記殺菌灯は、前記開口領域の下面及び前記一般領域の下面にそれぞれ設けられている、ショッピングカートの殺菌装置。
【請求項2】
前記開口領域に配置された前記殺菌灯の照射強度は、前記一般領域に配置された前記殺菌灯の照射強度よりも高くなるように構成される、
請求項に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【請求項3】
前記収容ゲートは、
前記内部空間に収容された前記ショッピングカートを前記開口部に向かって押圧する押圧部と、
前記押圧部によって押圧された前記ショッピングカートが前記開口部から前記内部空間の外に飛び出すことを抑止するストッパー部と、を更に有する、
請求項1または2に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【請求項4】
前記収容ゲートは、
前記内部空間に収容された前記ショッピングカートのキャスターが接地され、かつ、その高さが前記開口部に向かって低くなるように傾斜する底面部と、
前記底面部に配置された前記ショッピングカートが前記開口部から前記内部空間の外に飛び出すことを抑止するストッパー部と、
を更に有する、
請求項1または2に記載のショッピングカートの殺菌装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】
収容ゲート110は、上面部111と、側面部112と、を有し、床面の上に設置されることで、ショッピングカート200を収容可能な内部空間113が画定される。そして、収容ゲート110には、ショッピングカート200が内部空間113に進入する入口を形成する開口部114が設けられる。更に、収容ゲート110には、開口部114から該収容ゲート110内に進入したショッピングカート200がその前後方向に列をなして収容されるように、該ショッピングカート200の横方向の移動を規制するガイド部115が設けられる。ここで、図1(a)によると、ガイド部115は、収容ゲート110の横方向における左右端と略中央とに配置されている。このような構成では、収容ゲート110内に、ショッピングカート200の列を2列収容することができる。なお、図1(b)に示すように、収容ゲート110の側面部112がガイド部として機能するように構成されてもよい。この場合、収容ゲート110内に、ショッピングカート200の列を1列収容することができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
また、本実施形態において、収容ゲート110は、長手方向において、上面部111の高さが、開口部114を含んだ開口領域111aと、その他の一般領域111bと、で異なり、該開口領域111aの高さが該一般領域111bの高さよりも高くなるように構成される。上面部111は内部空間113の上方に設けられ、開口領域111a及び一般領域111bは、後述する図4図6及び図7のように、水平に設けられている。一般領域111bは、内部空間113に進入されるショッピングカート200の前後方向で、開口領域111aより前方に位置する。なお、長手方向とは、収容ゲート110において、該収容ゲート110内に収容されたショッピングカート200の前後方向に対応する方向である。これによれば、利用者(買い物客)が収容ゲート110からショッピングカート200を取り出す際に、該利用者が該ショッピングカート200にアクセスするための空間が比較的大きくなる。そうすると、利用者は収容ゲート110からショッピングカート200を取り出し易くなり、以て、利用者の利便性が向上する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】
ここで、殺菌灯120から照射される紫外線によって殺菌対象を効果的に殺菌するためには、所定の照射強度以上の紫外線が殺菌対象に直接照射される必要がある。そのため、本開示では図3に示すように、複数の利用者が握るハンドル220への紫外線の照射強度を可及的に高くできる位置に殺菌灯120が配置される。詳しくは、図3(a)に示すように、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200のハンドル220の上方の領域Aに殺菌灯120が配置される。なお、領域Aとは、収容ゲート110に収容されたショッピングカート200の上視図である図3(b)に示されるハンドル220が存在する位置から上方に投影した領域である。ここで、殺菌灯120は、収容ゲート110の上面部111に含まれる開口領域111aおよび一般領域111bにおける、内部空間113側に配置される。殺菌灯120は、後述する図4図6及び図7のように、開口領域111aの下面10、および一般領域111bの下面11にそれぞれ設けられている。そのため、殺菌灯120は、収容ゲート110の内側からショッピングカート200のハンドル220に向かって紫外線を照射することができる。そして、このように殺菌灯120が配置されることで、複数の利用者が握るハンドル220への紫外線の照射強度を可及的に高くできる。その結果、ショッピングカート200においてウイルスや菌が付着し易くなるハンドル220が効果的に殺菌されることになる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正の内容】
図4
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6
【補正方法】変更
【補正の内容】
図6
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7