(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043756
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】組合せ計量装置
(51)【国際特許分類】
G01G 19/387 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
G01G19/387 Z
G01G19/387 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149211
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000147833
【氏名又は名称】株式会社イシダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001564
【氏名又は名称】フェリシテ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 良二
(72)【発明者】
【氏名】小西 洋江
(57)【要約】
【課題】オーバースケールの頻発を回避することで、稼動率の低下を低減すること。
【解決手段】一実施形態に係る組合せ計量装置1は、搬送部により搬送される物品を一時的に滞留させた後、下流に排出する複数のホッパ4~6と、ホッパ5~6の各々に滞留されている物品の重量値を取得する取得部50と、重量値及び予め設定された目標範囲に基づいて物品を排出させる少なくとも1つのホッパ5~6を特定する制御部30とを備える。組合せ計量装置1は、第1モードでは、ホッパ5に滞留されている物品を残したまま、ホッパ5に対して物品を追加で供給するように動作し、第2モードでは、ホッパ5に対して物品を追加で供給せずに、ホッパ5に滞留されている物品を外部に排出して、ホッパ5に対して新たに物品を供給するように動作する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組合せ計量装置であって、
投入される物品を下流に搬送する搬送部と、
前記搬送部により搬送される前記物品を一時的に滞留させた後、下流に排出する複数のホッパと、
前記ホッパの各々に滞留されている前記物品の重量値を取得する取得部と、
前記重量値及び予め設定された目標範囲に基づいて、前記物品を排出させる少なくとも1つの前記ホッパを特定する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記目標範囲内に収まる前記重量値の組合せが得られない場合、第1モードと第2モードとの間で、前記組合せ計量装置の動作を選択的に切り替え、
前記第1モードでは、前記ホッパに滞留されている前記物品を残したまま、選択したホッパに対して前記物品を追加で供給するように動作し、
前記第2モードでは、選択したホッパに対して前記物品を追加で供給せずに、前記選択したホッパに滞留されている前記物品を外部に排出して、前記選択したホッパに対して新たに前記物品を供給するように動作する、組合せ計量装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記重量値が予め設定された所定値を超える場合、前記重量値に対応する前記ホッパに滞留している前記物品を外部に排出させ、
前記第2モードでは、前記制御部は、前記重量値が前記所定値を超えていない場合であっても、前記重量値に対応する前記ホッパに滞留している前記物品を外部に排出させる、請求項1に記載の組合せ計量装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記組合せ計量装置が前記第1モードで動作している場合で且つ前記重量値が前記所定値を超えた場合、前記組合せ計量装置の動作を前記第1モードから前記第2モードに切り替える、請求項2に記載の組合せ計量装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記ホッパの数が第1の値以上である場合、前記組合せ計量装置の動作を前記第1モードに切り替え、
前記制御部は、前記ホッパの数が前記第1の値未満場合、前記組合せ計量装置の動作を前記第2モードに切り替える、請求項1~3のいずれか一項に記載の組合せ計量装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記ホッパを複数のグループに分割し、
前記制御部は、前記グループに属する前記ホッパの数が前記第1の値以上である場合、前記グループに対する前記組合せ計量装置の動作を前記第1モードに切り替え、
前記制御部は、前記グループに属する前記ホッパの数が前記第1の値未満である場合、前記グループに対する前記組合せ計量装置の動作を前記第2モードに切り替える、請求項4に記載の組合せ計量装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組合せ計量装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、組合せ計量装置は、複数のホッパを有しており、各ホッパ内の物品の重量値に基づいて組合せ計算を行い、かかる重量値の合計が目標値以上で且つ上限値以下の正量範囲(目標範囲)に収まるホッパの組合せを選択して、選択したホッパから物品を排出するように構成されている。
【0003】
例えば、ホッパの数が、10個の場合、ホッパの組合せの数は、1023通りあるが、その内訳をみると、10個のホッパから5個のホッパを選択するケースが最も多い。したがって、各ホッパに滞留される重量値の分布が、目標値の1/5付近にピークが現れ、ある程度のバラツキを持った分布となるように、各ホッパに物品が供給される。
【0004】
ここで、組合せ計量装置は、各ホッパ内の物品の重量値の合計が正量範囲に収まるホッパの組合せが見つからない場合には、各ホッパ内に物品を残したまま、追加の物品の供給を行うように構成されている。したがって、上述の分布において、目標値の2/5付近に第2のピークが現れることになる。
【0005】
しかしながら、ミックスナッツのような複数の種類の物品(計量物)が少量ずつ混ざった商品を生産するために使用される組合せ計量装置では、各ホッパの容量が小さく、且つ、生産スペースの問題から、ホッパの数も少なくなることが多い。
【0006】
このような組合せ計量装置では、1つの種類の物品を計量するのに使用されるホッパの数は、2~4個となるため、計量センサが付いたホッパ(計量ホッパ)の下に、更にホッパが設けられる。
【0007】
この場合、計量ホッパの数が、2個の場合、組合せ計算に使用されるホッパの数は、4個となり、ホッパの組合せの数は、15通りとなるが、その内訳をみると、4個のホッパから2個のホッパを選択するケースが最も多くなる。したがって、各ホッパに滞留される重量値の分布が、目標値の1/2付近にピークが現れ、ある程度のバラツキを持った分布となるように、各ホッパに物品が供給される。
【0008】
この時、各ホッパ内の物品の重量値の合計が正量範囲に収まるホッパの組合せが見つからない場合に、各ホッパ内に物品を残したまま、追加の物品の供給を行うと、上述の分布において、目標値付近に第2のピークが現れることになり、1個のホッパ内の物品の重量値が、正量範囲を超えるケース(オーバースケール)が発生することがある。
【0009】
また、計量ホッパの数が多い場合でも、例えば、単一の重量値が1.5gである物品の正量範囲が、3~4gである場合には、1個のホッパ内の物品の重量値が、正量範囲を超えるケース(オーバースケール)が発生することがある。
【0010】
かかるオーバースケールの発生による稼働率の低下を避けるために、オーバースケールが発生したホッパ内の物品について、包装機等の後工程装置に排出するのではなく、系外(外部)に排出する機構を備えた組合せ計量装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、オーバースケールが発生したホッパ内の物品について、系外(外部)に排出する機構を備えた組合せ計量装置は、オーバースケールが発生していないホッパで、組合せ計算することで稼働率の低下を避けるようにしているが、組合せ計算した結果、各ホッパ内の物品の重量値の合計が正量範囲に収まるホッパの組合せが見つからない場合に、各ホッパ内に物品を残したまま、追加の物品の供給を行うと、オーバースケールが発生するケースがある。かかるケースにおいては、オーバースケールが発生した物品を系外に排出したとしても、組合せ計算に使用できるホッパの数が少なくなり、再び、各ホッパ内の物品の重量値の合計が正量範囲に収まるホッパの組合せが見つからず、稼働率が低下してしまうという問題点があった。
【0013】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、オーバースケールの頻発を回避することで、稼動率の低下を低減することができる組合せ計量装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
一実施形態に係る組合せ計量装置は、投入される物品を下流に搬送する搬送部と、前記搬送部により搬送される前記物品を一時的に滞留させた後、下流に排出する複数のホッパと、前記ホッパの各々に滞留されている前記物品の重量値を取得する取得部と、前記重量値及び予め設定された目標範囲に基づいて、前記物品を排出させる少なくとも1つの前記ホッパを特定する制御部と、を備え、前記制御部は、前記目標範囲内に収まる前記重量値の組合せが得られない場合、第1モードと第2モードとの間で、前記組合せ計量装置の動作を選択的に切り替え、前記第1モードでは、前記ホッパに滞留されている前記物品を残したまま、選択したホッパに対して前記物品を追加で供給するように動作し、前記第2モードでは、選択したホッパに対して前記物品を追加で供給せずに、前記選択したホッパに滞留されている前記物品を外部に排出して、前記選択したホッパに対して新たに前記物品を供給するように動作することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、オーバースケールの頻発を回避することで、稼動率の低下を低減することができる組合せ計量装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る組合せ計量装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、一実施形態に係る組合せ計量装置における物品の流れの一例を説明するための図である。
【
図3】
図3は、一実施形態に係る組合せ計量装置の動作の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、一実施形態に係る組合せ計量装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0018】
(第1実施形態)
以下、
図1~
図4を参照して、本発明の第1実施形態に係る組合せ計量装置1について説明する。
図1は、本実施形態に係る組合せ計量装置1を模式的に示す図であり、
図2は、本実施形態に係る組合せ計量装置1における物品の流れの一例を説明するための図であり、
図3は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の動作の一例を説明するための図であり、
図4は、本実施形態に係る組合せ計量装置1の動作の一例を示すフローチャートである。
【0019】
図1に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置1は、分散フィーダ2と、n個のヘッド40と、排出シュート9と、取得部50と、制御部30とを備える。nは、1以上の自然数であり、2以上の自然数であってもよい。nは、例えば、14である。
【0020】
ヘッド40は、上面視において環状に配置されている。ヘッド40は、1番ヘッド40-1からn番ヘッド40-nまでで構成されている。1番ヘッド40-1~n番ヘッド40-nは、番号順に上面視での反時計回りに配置されている。ここで、「環状」とは、円環状や多角形環状等を含む。本実施形態では、一例として円環状に配置されたヘッド40について説明する。
【0021】
ヘッド40のそれぞれは、放射フィーダ3と、プールホッパ4と、計量ホッパ5と、ブースタホッパ6と、振分けシュート7とを備える。したがって、放射フィーダ3、プールホッパ4、計量ホッパ5、ブースタホッパ6、振分けシュート7も、上面視においてそれぞれ環状に配置されている。
【0022】
分散フィーダ2は、扁平な円錐状の部材である。分散フィーダ2の上方に設けられた供給コンベア90によって、分散フィーダ2に物品が供給される。分散フィーダ2は、分散フィーダ2の下部に設けられた図示しない電磁石によって分散フィーダ2の上面が振動する。分散フィーダ2は、上面に供給された物品を周方向に分散させながら径方向に搬送し、各放射フィーダ3に物品を供給する。
【0023】
各放射フィーダ3は、それぞれステンレス鋼版を折り曲げて成形した板金製の部材である。各放射フィーダ3は、分散フィーダ2の周囲に沿って放射状に配置されている。
【0024】
各放射フィーダ3は、放射フィーダ3の下部に設けられた図示しない電磁石によって搬送面を振動させるように構成されている。各放射フィーダ3は、搬送面の振動によって物品を外方へ搬送するように構成されている。
【0025】
また、
図2に示すように、各放射フィーダ3は、それ自身が属するヘッド40のプールホッパ4に物品を供給するように構成されている。
【0026】
放射フィーダ3の搬送能力は、搬送面での振動強度(振動振幅)及び振動時間によって調整され得る。したがって、振動強度及び振動時間を調整することによって、各プールホッパ4に供給される物品の重量値を所定範囲内に収めることができる。
【0027】
各プールホッパ4は、対応する放射フィーダ3の先端部の下方に配置されている。各プールホッパ4は、放射フィーダ3から供給される物品を、一時的に保持したり排出したりするように構成されている。
【0028】
プールホッパ4には、プールホッパ4の底部を開放及び閉鎖するゲート4aと、ゲート4aを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられている。
【0029】
ゲート4aは、制御部30がステッピングモータを制御することによって開閉動作を行うように構成されている。プールホッパ4は、ゲート4aが閉じている状態では、プールホッパ4の内部に物品を保持し、ゲート4aが開いている状態では、
図2に示すように、自身が属するヘッド40の計量ホッパ5に物品を排出するように構成されている。
【0030】
計量ホッパ5は、物品の計量のために物品を一時的に受け取り、計量された物品を第1方向FD及び第2方向SDのいずれか一方に振り分けて排出するように構成されている。
【0031】
各計量ホッパ5は、自身が属するヘッド40のプールホッパ4の直下に配置されている。計量ホッパ5は、プールホッパ4から供給される物品を保持して、かかる物品の重量値を計量するように構成されている。
【0032】
計量ホッパ5には、計量ホッパ5の底部を開放及び閉鎖するゲート5a、5bと、ゲート5a、5bを駆動するステッピングモータ(図示せず)とが設けられている。
【0033】
計量ホッパ5は、ゲート5a、5bが共に閉じている状態では、その内部に物品を保持するように構成されている。かかる状態は、計量ホッパ5が物品を一時的に受け取っている状態である。
【0034】
計量ホッパ5は、ゲート5a、5bの一方を開くことで、計量された物品を第1方向FD及び第2方向SDのいずれか一方に振り分けて排出するように構成されている。
【0035】
計量ホッパ5は、ゲート5bが開いている状態では、
図2に示すように、物品を第1方向FDに振り分けて排出し、自身が属するヘッド40のブースタホッパ6に物品を排出するように構成されている。
【0036】
一方、計量ホッパ5は、ゲート5aが開いている状態では、
図2に示すように、物品を第2方向SDに振り分けて排出し、自身が属するヘッド40の振分けシュート7に物品を排出するように構成されている。
【0037】
ブースタホッパ6は、第1方向FDに排出された物品を一時的に受け取り、受け取った物品を下流へ排出するように構成されている。各ブースタホッパ6は、自身が属するヘッド40の計量ホッパ5の組合せ計量装置1の中心寄りの下方に配置されている。
【0038】
ブースタホッパ6は、計量ホッパ5から供給された物品を、一時的に保持したり排出したりするように構成されている。
【0039】
ブースタホッパ6は、開閉可能なゲート6aを有する。具体的には、ブースタホッパ6には、ブースタホッパ6の底部を開放及び閉鎖するゲート6aが設けられている。
【0040】
ブースタホッパ6は、ゲート6aが閉じている状態では、その内部に物品を保持するように構成されている。この状態は、ブースタホッパ6が物品を一時的に受け取っている状態である。
【0041】
一方、ブースタホッパ6は、ゲート6aが開いている状態では、
図2に示すように、排出シュート9に物品を排出するように構成されている。
【0042】
なお、ブースタホッパ6に、計量センサが設けられており、ブースタホッパ6に滞留している物品の重量値を計量することができるように構成されていてもよい。
【0043】
振分けシュート7は、第2方向SDに排出された物品を下流へ排出するように構成されている。各振分けシュート7は、自身が属するヘッド40の計量ホッパ5の組合せ計量装置1の外側寄りの下方に配置されている。
【0044】
振分けシュート7は、駆動部によって位置が切り替えられる。
図2に示すように、振分けシュート7は、第1位置では、第2方向SDに排出された物品を排出シュート9へ排出するように構成されており、第2位置では、第2方向SDに排出された物品を排出シュート9の外側(系外)へ排出するように構成されている。
【0045】
排出シュート9では、ブースタホッパ6及び振分けシュート7から排出された物品が滑落する。すなわち、排出シュート9は、かかる物品を下流へ排出するように構成されている。
【0046】
排出シュート9は、組合せ計算により選択された計量ホッパ5及びブースタホッパ6から排出される物品を、一箇所に集合して下方に排出するように構成されている。排出シュート9から排出された物品は、後続の包装装置等へ供給される。
【0047】
したがって、各放射フィーダ3は、投入される物品を下流に搬送する搬送部として機能する。
【0048】
また、各計量ホッパ5及び各ブースタホッパ6は、放射フィーダ3により搬送される物品を一時的に滞留させた後、下流に排出する複数のホッパとして機能する。
【0049】
取得部50は、複数のホッパ(すなわち、各計量ホッパ5及び各ブースタホッパ6)の各々に滞留されている物品の重量値を取得するように構成されている。
【0050】
具体的には、取得部50は、計量ホッパ5に滞留されている物品の重量値として、計量ホッパ5の計量センサによって計量された重量値を取得するように構成されていてもよい。
【0051】
また、取得部50は、ブースタホッパ6に計量センサが設けられている場合は、その計量センサによって計量された重量値を取得し、ブースタホッパ6に計量センサが設けられていない場合は、計量ホッパ5が、ゲート5bを開いて物品を第1方向FDに振り分けて排出する直前に取得していた計量ホッパ5に滞留されている物品の重量値を、ブースタホッパ6に滞留されている物品の重量値として取得するように構成されていてもよい。
【0052】
以下、
図3を用いて、上述の制御部30の動作について説明する。
【0053】
図3の例では、品種Aの目標値は、8.0gであり、品種Aの上限値は、0.5gであり、品種Aの目標範囲(目標値~目標値+上限値)は、8.0g~8.5gであり、品種A用のヘッド40は、40-1~40-4の4個である。
【0054】
同様に、品種Bの目標値は、5.0gであり、品種Bの上限値は、0.6gであり、品種Bの目標範囲は、5.0g~5.6gであり、品種B用のヘッド40は、40-5~40-6の2個である。
【0055】
同様に、品種Cの目標値は、15.0gであり、品種Cの上限値は、0.6gであり、品種Cの目標範囲は、15.0g~15.6gであり、品種C用のヘッド40は、40-7~40-9の3個である。
【0056】
制御部30は、取得部50によって取得された重量値及び予め設定された目標範囲に基づいて、排出シュート9に物品を排出させる少なくとも1つのホッパ(計量ホッパ5及びブースタホッパ6の少なくとも1つ)を特定するように構成されている。
【0057】
図3の例では、制御部30は、品種Aについて、目標範囲(8.0g~8.5g)内に収まる重量値(計量ホッパ5及びブースタホッパ6の重量値)の組合せを得ることができないと判断する。
【0058】
同様に、制御部30は、品種Bについて、目標範囲(5.0g~5.6g)内に収まる重量値(計量ホッパ5及びブースタホッパ6の重量値)の組合せを得ることができないと判断する。
【0059】
一方、制御部30は、品種Cについて、目標範囲(15.0g~15.6g)内に収まる重量値(計量ホッパ5及びブースタホッパ6の重量値)の組合せを得ることができると判断し、例えば、排出シュート9に物品を排出させる少なくとも1つのホッパとして、ヘッダ40-7~40-9に属するブースタホッパ6を特定することができる。
【0060】
ここで、制御部30は、目標範囲内に収まる重量値の組合せが得られない場合、第1モードと第2モードとの間で、組合せ計量装置1の動作を選択的に切り替えるように構成されている。
【0061】
組合せ計量装置1は、第1モードでは、各ホッパに滞留されている物品を残したまま、選択したホッパに対して物品を追加で供給するように動作する。例えば、組合せ計量装置1は、第1モードでは、ホッパに滞留している物品の重量値が軽く、物品を追加で供給してもオーバースケールが発生しないホッパを選択する。
【0062】
一方、組合せ計量装置1は、第2モードでは、選択したホッパに対して物品を追加で供給せずに、かかるホッパに滞留されている物品を外部に排出して、かかるホッパに対して新たに前記物品を供給するように動作する。例えば、組合せ計量装置1は、第2モードでは、ホッパに滞留している物品の重量値が重く、物品を追加で供給するとオーバースケールが発生しやすいホッパを選択する。或いは、組合せ計量装置1は、第2モードでは、長時間、組合せで選択されることなく、ホッパ内に物品が滞留しているホッパを選択してもよい。
【0063】
図3の例(ある動作サイクルT)において、品種A及びBについては、目標範囲に入る重量値の組合せが存在しない。
【0064】
したがって、組合せ計量装置1は、ある動作サイクルTにおいて、計量ホッパ5内の物品をブースタホッパ6に供給するか、或いは、プールホッパ4内の物品を計量ホッパ5に供給するか、或いは、計量ホッパ5内の物品をブースタホッパ6に供給するとともにプールホッパ4内の物品を計量ホッパ5に供給する。
【0065】
ここで、組合せ計量装置1は、ある動作サイクルTにおいて、計量ホッパ5内の物品をブースタホッパ6に供給すると、次の動作サイクルT+1において、上述の物品を排出させるホッパとしてブースタホッパ6が選択されなくなる場合には、ある動作サイクルTにおいて、プールホッパ4内の物品を計量ホッパ5に供給する(第1モード)。
【0066】
しかしながら、組合せ計量装置1は、品種Bについては、ある動作サイクルTにおいて、プールホッパ4内の物品を計量ホッパ5に供給する(第1モード)と、次の動作サイクルT+1において、計量ホッパ5内の物品の重量値が目標範囲外になる可能性が高くなると判断して、ある動作サイクルTにおいて、計量ホッパ5内の物品を外部(系外)に排出した後、プールホッパ4内の物品を計量ホッパ5に供給する(第2モード)。
【0067】
また、制御部30は、取得部50によって取得された重量値が予め設定された所定値(例えば、供給モード判定重量値)を超える場合、かかる重量値に対応するホッパに滞留している物品を外部に排出させるように構成されていてもよい。
【0068】
ここで、第2モードでは、制御部30は、取得部50によって取得された重量値が所定値を超えていない場合であっても、かかる重量値に対応するホッパに滞留している物品を外部に排出させるように構成されていてもよい。
【0069】
かかる構成によれば、ある動作サイクルTにおいて物品が供給されると、次の動作サイクルT+1において、重量値が目標範囲外になる可能性が高くなるホッパに滞留している物品を、ある動作サイクルTにおいて外部に排出させることで、かかるホッパが、次の動作サイクルT+1において、上述の物品を排出させるホッパとして選択される可能性を上げることができる。
【0070】
また、制御部30は、組合せ計量装置1が第1モードで動作している場合で且つ取得部50によって取得された重量値が所定値を超えた場合、組合せ計量装置1の動作を第1モードから第2モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0071】
かかる構成によれば、取得部50によって取得された重量値が所定値を超えた場合、組合せ計量装置1は、第2モードに切り替わることで、かかる重量値に対応するホッパに滞留している物品を外部に排出させた後に、かかるホッパに対して物品を供給することができ、かかるホッパが、上述の物品を排出させるホッパとして選択される可能性を上げることができる。
【0072】
また、制御部30は、ホッパの数が第1の値以上である場合、組合せ計量装置1の動作を第1モードに切り替え、ホッパの数が第1の値よりも小さい第2の値以下未満である場合、組合せ計量装置1の動作を第2モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0073】
ホッパの数が少ない場合には、物品の供給によりオーバースケールが発生すると、組合せ計算で選択され得るホッパの数が少なくなり、目標範囲内に収まる重量値の組合せを得ることができなくなる可能性が高くなる。したがって、上述の構成のように、組合せ計量装置1の動作を第2モードに切り替えることで、各ホッパについて、上述の物品を排出させるホッパとして選択される可能性を上げる。
【0074】
さらに、制御部30は、ホッパを複数のグループに分割し、グループに属するホッパの数が第1の値以上である場合、かかるグループに対する組合せ計量装置1の動作を第1モードに切り替え、グループに属するホッパの数が第1の値未満である場合、組合せ計量装置1の動作を第2モードに切り替えるように構成されていてもよい。ここで、各ホッパは、品種別のグループに分割されてもよい。
【0075】
図3の例において、第1の値は、4であるとすると、品種Aに対応するグループに属するホッパの数は、4であり、品種Bに対応するグループに属するホッパの数は、2であるため、制御部30は、品種Aに対応するグループに対する組合せ計量装置1の動作を第1モードに切り替え、品種Bに対する組合せ計量装置1の動作を第2モードに切り替えるように構成されていてもよい。
【0076】
かかる構成によれば、ミックスナッツのような複数の種類の物品が少量ずつ混ざった商品を生産するために使用される組合せ計量装置においても、オーバースケールの頻発を回避することで、稼働率を向上させることができる。
【0077】
以下、
図4を参照して、本実施形態に係る組合せ計量装置1の動作について説明する。具体的には、ある動作タイミングTにおいてグループGに対する本実施形態に係る組合せ計量装置1の制御部30の動作について説明する。
【0078】
図4に示すように、ステップS101において、制御部30は、取得部50から、グループGに属する計量ホッパ5内の物品の重量値及びブースタホッパ6内の物品の重量値を取得する。
【0079】
ステップS102において、制御部30は、計量ホッパ5内の物品の重量値が目標範囲の上限を超えている(オーバースケール)ために物品を系外に排出する計量ホッパ5-1を選択する。
【0080】
ここで、制御部30は、物品の重量値が適正重量範囲(規格品)内でない計量ホッパ5や、物品の重量値が不適切重量範囲(組合せ計算に選択されない)内の計量ホッパ5に、系外に排出する計量ホッパ5として選択してもよい。
【0081】
ステップS103において、制御部30は、物品を系外に排出するように選択された計量ホッパ5-1を除いた残りの計量ホッパ5及びブースタホッパ6で組合せ計算を行い、目標範囲内となる計量ホッパ5及びブースタホッパ6を選択する。
【0082】
ステップS104において、制御部30は、ステップS103において目標範囲内となる計量ホッパ5-2及びブースタホッパ6-3を選択することができたか否かについて判定する。Yesの場合(すなわち、排出シュート9に物品を排出する計量ホッパ5及びブースタホッパ6の候補が選択できた場合)、本処理フローは、ステップS105に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS106に進む。
【0083】
ステップS105において、制御部30は、ステップ102において物品を系外に排出する計量ホッパ5-1を選択することができたか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS110に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS109に進む。
【0084】
ステップS106において、制御部30は、ステップ102において物品を系外に排出する計量ホッパ5-1を選択することができたか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS108に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS107に進む。
【0085】
ステップS107において、制御部30は、物品が無い(空)のブースタホッパ6-5に物品を供給する計量ホッパ5-4-4、及び、物品が排出される計量ホッパ5-4-4及び物品が無い(空)の計量ホッパ5-6に物品を供給するプールホッパ4-7-4を選択する。
【0086】
ステップS108において、制御部30は、系外に排出するとして選択された計量ホッパ5-1から、物品が無い(空)のブースタホッパ6-5に物品を供給する計量ホッパ5-4-3(計量ホッパ5-1以外)、及び、物品が排出される計量ホッパ5-1/5-4-3や物品が無い(空)の計量ホッパ5-6に物品を供給するプールホッパ4-7-3を選択する。
【0087】
ステップS109において、制御部30は、目標範囲内となる計量ホッパ5-2及びブースタホッパ6-3から、物品が排出されるブースタホッパ6-3や物品が無い(空)のブースタホッパ6-5に物品を供給する計量ホッパ5-4-2(計量ホッパ5-2以外)、及び、物品が排出される計量ホッパ5-2/5-4-2や物品が無い(空)の計量ホッパ5-6に物品を供給するプールホッパ4-7-2を選択する。
【0088】
ステップS110において、制御部30は、目標範囲内となる計量ホッパ5-2、ブースタホッパ6-3及び系外に排出する計量ホッパ5-1から、物品が排出されるブースタホッパ6-3や物品が無い(空)のブースタホッパ6-5に物品を供給する計量ホッパ5-4-1(計量ホッパ5-1/5-2以外)、及び、物品が排出される計量ホッパ5-1/5-2/5-4-1や物品が無い(空)の計量ホッパ5-6に物品を供給するプールホッパ4-7-1を選択する。
【0089】
ステップS111において、制御部30は、ステップ107において計量ホッパ5-4-4及びブースタホッパ6-7-4を選択することができたか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS114に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS112に進む。
【0090】
ステップS112において、制御部30は、物品が入っているブースタホッパ6-8(すなわち、次の動作サイクルT+1で重量値が所定重量値を超えないブースタホッパ6-8)に物品を追加して供給できる計量ホッパ5-4-5、及び、物品が排出される計量ホッパ5-4-5に物品を供給するプールホッパ4-7-5を選択する。
【0091】
ステップS113において、制御部30は、ステップ112において計量ホッパ5-4-5及びブースタホッパ6-7-5を選択することができたか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS114に進み、Noの場合(すなわち、第1モード又は第2モードの供給動作が必要となる場合)、本処理フローは、ステップS115に進む。
【0092】
ステップS114において、制御部30は、選択したホッパを動作させて、本処理フローは、次の動作サイクルT+1に進む。なお、制御部30は、ステップS109/S110において選択したホッパについては、グループG以外の他のグループの処理結果次第で動作させるホッパを変更する場合がある。
【0093】
ステップS115において、制御部30は、グループGに属する計量ホッパ5の数が第1の値未満であるか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS120に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS116に進む。
【0094】
ステップS116において、制御部30は、物品が入っている計量ホッパ5-9の中から物品の重量値の小さい順に所定数の計量ホッパ5-10-1を選択し、かかる計量ホッパ5-10-1に物品を供給するプールホッパ4-7-6を選択する。
【0095】
ステップS117において、制御部30は、ステップS116において選択した計量ホッパ5-10-1の中で、物品の重量値が所定重量値を超えている計量ホッパ5があるか否かについて判定する。Yesの場合、本処理フローは、ステップS119に進み、Noの場合、本処理フローは、ステップS118に進む。
【0096】
ステップS118において、制御部30は、ステップS116において選択したプールホッパ4-7-6を動作させる(第1モード)。
【0097】
ステップS119において、制御部30は、物品の重量値が所定重量値を超えている計量ホッパ5-10-1-1について物品を系外に排出するように動作させ、計量ホッパ5-10-1-1に物品を供給するプールホッパ4-7-6-1を動作させる(第2モード)。また、制御部30は、物品の重量値が所定重量値を超えていない計量ホッパ5-10-1-2については動作させずに、計量ホッパ5-10-1-2に物品を供給するプールホッパ4-7-6-2を動作させる(第1モード)。
【0098】
ステップS120において、制御部30は、物品が入っている計量ホッパ5-9の中から、長時間物品が排出されず滞留している順に所定数の計量ホッパ5-10-2を選択し、その物品が系外に排出される計量ホッパ5-10-2に物品を供給するプールホッパ4-7-5を選択する。
【0099】
ステップS121において、制御部30は、ステップS120において選択した計量ホッパ5-10-2について、その物品を系外に排出するように動作させて、ステップS120において選択したプールホッパ4-7-5を動作させる(第2モード)。
【0100】
本実施形態によれば、組合せ計量装置1において、オーバースケールの頻発を回避することで、稼動率の低下を低減することができる。
【0101】
上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【符号の説明】
【0102】
1…組合せ計量装置
2…分散フィーダ
3…放射フィーダ
4…プールホッパ
4a…ゲート
5…計量ホッパ
5a、5b…ゲート
6…ブースタホッパ
6a…ゲート
7…振り分けシュート
9…排出シュート
30…制御部
40…ヘッド
50…取得部
90…供給コンベア