(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043792
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】座標変換装置及び座標変換方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/55 20170101AFI20220309BHJP
【FI】
G06T7/55
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149254
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】591036457
【氏名又は名称】三菱電機エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003166
【氏名又は名称】特許業務法人山王内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西澤 宏樹
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096AA03
5L096AA06
5L096AA09
5L096BA08
5L096CA18
5L096EA14
5L096FA09
5L096FA25
5L096FA66
5L096FA67
5L096FA69
(57)【要約】
【課題】カメラを用いずに、座標系の変換を可能とする。
【解決手段】複数の座標系毎に、複数の点の位置を示す点群データを取得するデータ取得部11と、座標系毎に、データ取得部11により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得する特徴点取得部12と、特徴点取得部12により取得された特徴点に基づいて、データ取得部11により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための回転行列を算出する回転行列算出部13と、回転行列算出部13により算出された回転行列を用い、データ取得部11により取得された点群データの座標系を変換する座標変換部14とを備えた。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の座標系毎に、複数の点の位置を示す点群データを取得するデータ取得部と、
前記座標系毎に、前記データ取得部により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得する特徴点取得部と、
前記特徴点取得部により取得された特徴点に基づいて、前記データ取得部により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための回転行列を算出する回転行列算出部と、
前記回転行列算出部により算出された回転行列を用い、前記データ取得部により取得された点群データの座標系を変換する座標変換部と
を備えた座標変換装置。
【請求項2】
前記回転行列算出部は、前記データ取得部により取得された点群データのうち、1つの点群データの座標系に、残りの点群データの座標系を変換するための回転行列を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の座標変換装置。
【請求項3】
前記特徴点取得部は、前記データ取得部により取得された点群データの座標系以外の座標系における特徴点を更に取得し、
前記回転行列算出部は、前記データ取得部により取得された点群データの座標系を、当該座標系以外の座標系に変換するための回転行列を算出する
ことを特徴とする請求項1記載の座標変換装置。
【請求項4】
データ取得部が、複数の座標系毎に、複数の点の位置を示す点群データを取得するステップと、
特徴点取得部が、前記座標系毎に、前記データ取得部により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得するステップと、
回転行列算出部が、前記特徴点取得部により取得された特徴点に基づいて、前記データ取得部により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための回転行列を算出するステップと、
座標変換部が、前記回転行列算出部により算出された回転行列を用い、前記データ取得部により取得された点群データの座標系を変換するステップと
を有する座標変換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の点群データの座標系を1つの座標系に変換する座標変換装置及び座標変換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場等では、周囲状況を把握するため、レーザスキャナが導入されている。レーザスキャナは、レーザの走査範囲に存在する物体の各点の位置を示す点群データを取得する。一方、1つの地点に設置された1つのレーザスキャナでは、ある物体の背後に存在する物体に関しては点群データが得られない。そこで、実際の現場では、複数の地点に設置されたレーザスキャナにより点群データの取得が行われることがある。複数の地点に設置されたレーザスキャナにより取得された点群データの座標系は、互いに独立した座標系となる。そのため、複数の地点に設置されたレーザスキャナにより点群データの取得が行われる場合、それぞれの点群データの座標系を1つの座標系に変換する後処理が必要となる。
【0003】
これに対し、例えば特許文献1では、レーザスキャナに映像取得用のカメラを設け、このカメラにより得られた映像を用い、複数の点群データの座標系を1つの座標系に変換する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された方法では、カメラが別途必要となる。
【0006】
本開示は、上記のような課題を解決するためになされたもので、カメラを用いずに、複数の座標系を1つの座標系に変換することが可能な座標変換装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係る座標変換装置は、複数の座標系毎に、複数の点の位置を示す点群データを取得するデータ取得部と、座標系毎に、データ取得部により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得する特徴点取得部と、特徴点取得部により取得された特徴点に基づいて、データ取得部により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための回転行列を算出する回転行列算出部と、回転行列算出部により算出された回転行列を用い、データ取得部により取得された点群データの座標系を変換する座標変換部とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、上記のように構成したので、カメラを用いずに、複数の座標系を1つの座標系に変換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1に係る座標変換装置の構成例を示す図である。
【
図2】実施の形態1に係る座標変換装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図3】
図3A、
図3Bは、実施の形態1に係る座標変換装置のハードウェア構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は実施の形態1に係る座標変換装置1の構成例を示す図である。
座標変換装置1は、複数の点群データの座標系を1つの座標系に変換する。この座標変換装置1は、
図1に示すように、データ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14を備えている。
【0011】
データ取得部11は、座標系毎に、点群データを取得する。点群データは、複数の点の位置を示す。データ取得部11により取得される点群データは、複数の地点に設置されたレーザスキャナにより取得された点群データである。また、複数の地点に設置されたレーザスキャナにより取得された点群データの座標系は、互いに独立した座標系となる。また、点群データには、レーザスキャナから上記点までの距離を示す情報も含まれていてもよい。
なお、レーザスキャナは、現場に1つ以上設置されていればよい。すなわち、複数のレーザスキャナが複数の箇所それぞれに設置されてもよい。また、1つのレーザスキャナが複数の箇所にそれぞれ移動されてもよい。
【0012】
特徴点取得部12は、座標系毎に、データ取得部11により取得されたデータの中から4つ以上の点を特徴点として取得する。上記特徴点は、座標系毎に、同じ箇所に相当する点である。
【0013】
回転行列算出部13は、特徴点取得部12により取得された特徴点に基づいて、回転行列を算出する。回転行列は、データ取得部11により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための行列である。
【0014】
この際、回転行列算出部13は、まず、座標系毎に、特徴点取得部12により取得された特徴点に基づいて、当該特徴点のうちの1つの点の位置が0となるように、当該特徴点のうちの残りの各点の位置を平行移動させる。
そして、回転行列算出部13は、平行移動の結果に用いて、回転行列を算出する。すなわち、回転行列算出部13は、データ取得部11により取得された点群データのうち、1つの点群データの座標系に、残りの点群データの座標系を変換するための回転行列を算出する。
【0015】
座標変換部14は、回転行列算出部13により算出された回転行列を用い、データ取得部11により取得された点群データの座標系を変換する。
【0016】
次に、
図1に示す実施の形態1に係る座標変換装置1の動作例について、
図2を参照しながら説明する。
以下では、2つのレーザスキャナ(第1のレーザスキャナ及び第2のレーザスキャナ)が互いに異なる箇所に設置されて点群データを取得する場合を示す。また以下では、座標変換装置1は、第2のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系を、第1のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系に変換する場合を示す。
【0017】
図1に示す実施の形態1に係る座標変換装置1の動作例では、
図2に示すように、まず、データ取得部11は、座標系毎に、点群データを取得する(ステップST201)。ここでは、データ取得部11は、第1のレーザスキャナにより取得された点群データ及び第2のレーザスキャナにより取得された点群データを取得する。
【0018】
次いで、特徴点取得部12は、座標系毎に、データ取得部11により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得する(ステップST202)。ここでは、特徴点取得部12は、第1のレーザスキャナにより取得された点群データの中から4つの点(点A~D)を特徴点として取得し、第2のレーザスキャナにより取得された点群データの中から4つの点(点A~D)を特徴点として取得するものとする。
【0019】
ここで、第1のレーザスキャナにより取得された点群データのうち、点Aの位置を(xαA,yαA,zαA)とし、点Bの位置を(xαB,yαB,zαB)とし、点Cの位置を(xαC,yαC,zαC)とし、点Dの位置を(xαD,yαD,zαD)とする。
また、第2のレーザスキャナにより取得された点群データのうち、点Aの位置を(xβA,yβA,zβA)とし、点Bの位置を(xβB,yβB,zβB)とし、点Cの位置を(xβC,yβC,zβC)とし、点Dの位置を(xβD,yβD,zβD)とする。
【0020】
なお、特徴点取得部12により取得される4つ以上の特徴点は、座標変換装置1を使用するユーザが手動で指定可能である。例えばレーザスキャナの走査範囲上に車が存在する場合、ユーザは、例えば、当該車のホイール又はミラー等の箇所に相当する点を特徴点として指定可能である。
また、特徴点取得部12により取得される4つ以上の特徴点は、互いに離れた点であることが好ましい。すなわち、座標変換装置1は、ある座標系での特徴点から得られた面を、他の座標系での特徴点から得られた面に合わせることで、当該ある座標系を当該他の座標系に合わせ込む。そのため、座標変換装置1では、面を構成する4つ以上の特徴点は互いに離れた点である方が、合わせ込みの誤差が低くなると考えられる。
【0021】
また上記では、特徴点取得部12により取得される4つ以上の特徴点が、ユーザにより手動で指定される場合を示した。しかしながら、これに限らず、座標変換装置1がマッチング法等により自動で4つ以上の特徴点を指定してもよい。
【0022】
次いで、回転行列算出部13は、座標系毎に、特徴点取得部12により取得された特徴点に基づいて、当該特徴点のうちの1点の位置が0となるように、当該特徴点のうちの残りの各点の位置を平行移動させる(ステップST203)。ここでは、回転行列算出部13は、点Aの位置が0となるように、点B~Dの位置を平行移動させる。
【0023】
ここで、第1のレーザスキャナにおける平行移動後の点Bの位置を(x’αB,y’αB,z’αB)とし、平行移動後の点Cの位置を(x’αC,y’αC,z’αC)とし、平行移動後の点Dの位置を(x’αD,y’αD,z’αD)とする。
また、第2のレーザスキャナにおける平行移動後の点Bの位置を(x’βB,y’βB,z’βB)とし、平行移動後の点Cの位置を(x’βC,y’βC,z’βC)とし、平行移動後の点Dの位置を(x’βD,y’βD,z’βD)とする。
【0024】
また、上記各点の位置は、下式(1)~(18)のように表される。
x’αB=xαB-xαA(1)
y’αB=yαB-yαA(2)
z’αB=zαB-zαA(3)
x’αC=xαC-xαA(4)
y’αC=yαC-yαA(5)
z’αC=zαC-zαA(6)
x’αD=xαD-xαA(7)
y’αD=yαD-yαA(8)
z’αD=zαD-zαA(9)
x’βB=xβB-xβA(10)
y’βB=yβB-yβA(11)
z’βB=zβB-zβA(12)
x’βC=xβC-xβA(13)
y’βC=yβC-yβA(14)
z’βC=zβC-zβA(15)
x’βD=xβD-xβA(16)
y’βD=yβD-yβA(17)
z’βD=zβD-zβA(18)
【0025】
次いで、回転行列算出部13は、平行移動の結果に基づいて、回転行列を算出する(ステップST204)。ここでは、回転行列算出部13は、第2のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系を、第1のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系に変換するための回転行列を算出する。
【0026】
ここで、第2のレーザスキャナにより取得された点群データのうちの平行移動後の点B~Dを、第1のレーザスキャナにより取得された点群データのうちの平行移動後の点B~Dに変換する式は、下式(19)~(21)で表される。
【0027】
式(19)~(21)から、回転行列は、下式(22)で表される。式(22)において、Rは回転行列である。また、e~mは変数である。
【0028】
式(22)におけるe~gの連立方程式は、下式(23)で表される。
【0029】
式(23)を行列で表すと、下式(24)のようになる。
【0030】
そして、式(24)から、クラメールの公式を用いて、e~gは下式(25)~(27)のように求められる。
【0031】
式(22)におけるh~jの連立方程式は、下式(28)で表される。
【0032】
式(28)を行列で表すと、下式(29)のようになる。
【0033】
そして、式(29)から、クラメールの公式を用いて、h~jは下式(30)~(32)のように求められる。
【0034】
式(22)におけるk~mの連立方程式は、下式(33)で表される。
【0035】
式(33)を行列で表すと、下式(34)のようになる。
【0036】
そして、式(34)から、クラメールの公式を用いて、k~mは下式(35)~(37)のように求められる。
【0037】
よって、回転行列算出部13は、任意の点A~Dの位置が既知である場合、回転行列を求めことができる。
【0038】
次いで、座標変換部14は、回転行列算出部13により算出された回転行列を用い、データ取得部11により取得された点群データの座標系を変換する(ステップST205)。ここでは、座標変換部14は、下式(38)に示すように、回転行列算出部13により算出された回転行列を用い、第2のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系を、第1のレーザスキャナにより取得された点群データの座標系に変換する。式(38)において、(x,y,z)は第2のレーザスキャナにより取得された点群データにおける座標変換前の点の位置を示し、(x’,y’,z’)は第2のレーザスキャナにより取得された点群データにおける座標変換後の点の位置を示している。
【0039】
なお、第1のレーザスキャナ及び第2のレーザスキャナの座標系に変化がない場合、座標変換装置1は、回転行列算出部13により算出された回転行列を繰返し使用可能である。すなわち、レーザスキャナの配置が変更等されなければ、一度求めた回転行列をそのまま継続して使用可能である。一方、第1のレーザスキャナ及び第2のレーザスキャナのうちの少なくとも一方の座標系に変化があった場合、座標変換装置1は、回転行列の算出を再度行う必要がある。
【0040】
なお上記では、座標変換装置1が、データ取得部11により取得された点群データのうち、1つの点群データの座標系に、残りの点群データの座標系を変換する場合を示した。この場合、座標変換部14は、各レーザスキャナにより取得された特徴点(測地系)の位置が既知である場合、複数の点群データの座標系を、ある1つのレーザスキャナでの座標系に合わせ込むことが可能となる。
【0041】
一方、これに限らず、座標変換装置1は、データ取得部11により取得された点群データの座標系を、当該座標系とは異なる他の座標系に変換することも可能である。この場合、特徴点取得部12は、データ取得部11により取得された点群データの座標系以外の座標系における特徴点を更に取得する。また、回転行列算出部13は、データ取得部11により取得された点群データの座標系を、当該座標系以外の座標系に変換するための回転行列を算出する。この場合、座標変換装置1は、例えばレーザスキャナで測定する場所が図面化されており、特徴点の図面上での位置が既知である場合、複数の点群データの座標系を図面上での座標系に合わせ込むことが可能となる。また、座標変換装置1は、GPS(Global Positioning System)からの情報を用いて、複数の点群データの座標系を世界測地系に合わせ込むことも可能である。
【0042】
以上のように、この実施の形態1によれば、座標変換装置1は、複数の座標系毎に、複数の点の位置を示す点群データを取得するデータ取得部11と、座標系毎に、データ取得部11により取得された点群データの中から4つ以上の点を特徴点として取得する特徴点取得部12と、特徴点取得部12により取得された特徴点に基づいて、データ取得部11により取得された点群データの座標系を、1つの座標系に変換するための回転行列を算出する回転行列算出部13と、回転行列算出部13により算出された回転行列を用い、データ取得部11により取得された点群データの座標系を変換する座標変換部14とを備えた。これにより、実施の形態1に係る座標変換装置1は、カメラを用いずに、座標系の変換が可能となる。
【0043】
また、カメラを用いずに座標系の変換を行う方法としては、従来から、各レーザスキャナの位置関係、姿勢及び向き等を用いて変換を行う方法も知られている。しかしながら、この場合には、上記のような各種の情報が既知である必要がある。よって、レーザスキャナの設置等が煩雑であり、測定作業に時間を要する。
これに対し、実施の形態1に係る座標変換装置1は、事前に各レーザスキャナの位置関係、姿勢及び向き等を決めることなく、1回の測定によって得られた点群データの特徴点から座標系を合わせ込むことが可能である。よって、この座標変換装置1では、上記の各種情報を正確に把握する必要はないため、より簡便に作業を行うことが可能となる。
【0044】
この座標変換装置1を用いることで、建設現場等において複数の地点に設置されたレーザスキャナにより点群データが取得される場合に、当該点群データを1つの座標系にまとめることができ、死角となる箇所を補完しつつ周囲状況を把握可能となる。これにより、例えば建設現場において、土砂又は建機等により死角となる箇所を補完しつつ掘削状況を把握可能となる。
【0045】
最後に、
図3を参照して、実施の形態1に係る座標変換装置1のハードウェア構成例を説明する。
座標変換装置1におけるデータ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14の各機能は、処理回路51により実現される。処理回路51は、
図3Aに示すように、専用のハードウェアであってもよいし、
図3Bに示すように、メモリ53に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、又はDSP(Digital Signal Processor)ともいう)52であってもよい。
【0046】
処理回路51が専用のハードウェアである場合、処理回路51は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、又はこれらを組み合わせたものが該当する。データ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14の各部の機能それぞれを処理回路51で実現してもよいし、各部の機能をまとめて処理回路51で実現してもよい。
【0047】
処理回路51がCPU52の場合、データ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14の機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又はソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェア及びファームウェアはプログラムとして記述され、メモリ53に格納される。処理回路51は、メモリ53に記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、各部の機能を実現する。すなわち、座標変換装置1は、処理回路51により実行されるときに、例えば
図2に示した各ステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリ53を備える。また、これらのプログラムは、データ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14の手順及び方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、メモリ53としては、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)等の不揮発性又は揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、又はDVD(Digital Versatile Disc)等が該当する。
【0048】
なお、データ取得部11、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェア又はファームウェアで実現するようにしてもよい。例えば、データ取得部11については専用のハードウェアとしての処理回路51でその機能を実現し、特徴点取得部12、回転行列算出部13及び座標変換部14については処理回路51がメモリ53に格納されたプログラムを読み出して実行することによってその機能を実現することが可能である。
【0049】
このように、処理回路51は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
【0050】
なお、実施の形態の任意の構成要素の変形、若しくは実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1 座標変換装置、11 データ取得部、12 特徴点取得部、13 回転行列算出部、14 座標変換部、51 処理回路、52 CPU、53 メモリ。