(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043794
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】前髪カット用補助具
(51)【国際特許分類】
A45D 24/36 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
A45D24/36 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149256
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000205306
【氏名又は名称】大阪シーリング印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 昌子
(72)【発明者】
【氏名】村中 成仁
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カット中の視野が非常に広く、カット後の印象を確認しながらカットすることができる前髪カット用補助具を提供する。
【解決手段】前髪カット用補助具1は、頭部に巻き付けるベルト2と、ベルト2に連設され、カットされた前髪を収納する受け皿3とを備えており、ベルト2と受け皿3は透明である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部に巻き付けるベルトと、
前記ベルトに連設され、カットされた前髪を収納する受け皿と
を備え、
前記ベルトと前記受け皿が透明であることを特徴とする前髪カット用補助具。
【請求項2】
前記ベルトと前記受け皿との境界部分の両端部に切り込みが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の前髪カット用補助具。
【請求項3】
前記切り込みの長さが15mm以上であることを特徴とする請求項2に記載の前髪カット用補助具。
【請求項4】
前記受け皿が、前記切り込みの方向に開口部が設けられた略円錐形状を有することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の前髪カット用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カットされた前髪を収納するための前髪カット用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自分自身で、または第3者の前髪をハサミ等にてカットする場合、カットした髪の毛が顔に付着する場合や、目に入る場合があり、また、散乱した髪の毛の掃除が面倒であるという問題があった。
【0003】
そこで、これらの問題点を解決するための前髪カット用補助具が提案されている。より具体的には、目の部分に透明なフィルムが設けられた不織布からなる前髪カット用補助具であって、不織布の下端部を外側に折り返すことにより形成され、カットした髪の毛を受ける部分と、後頭部に向かうベルト部と、ベルト部を固定するためのファスナーとを備えた前髪カット用補助具が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上記特許文献1に記載の前髪カット用補助具においては、上述のごとく、目の部分にのみ透明なフィルムが設けられているため、カット中の視野が非常に狭くなり、結果として、カット後の印象を確認しながらカットすることが困難であるという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、カット中の視野が非常に広く、カット後の印象を確認しながらカットすることができる前髪カット用補助具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、第1の発明では、頭部に巻き付けるベルトと、前記ベルトに連設され、カットされた前髪を収納する受け皿とを備える前髪カット用補助具であって、ベルトと受け皿が透明であることを特徴とする。
【0008】
上記構成によると、カット中の視野が非常に広くなるため、カット後の印象を確認しながらカットすることが可能になる。
【0009】
また、第2の発明では、第1の発明において、ベルトと受け皿との境界部分の両端部に切り込みが形成されている。
【0010】
上記構成によると、ベルトを頭部に巻き付ける際に、ベルトと受け皿が頭部や顔の形状に追従しやすくなり、受け皿が顔の幅よりも外方に向けて広がるようになるため、受け皿により、カットした前髪を収容しやすくなる。
【0011】
また、第3の発明では、第2の発明において、切り込みの長さが15mm以上である。
【0012】
上記構成によると、受け皿が外方に向けて広がりやすくなる。
【0013】
また、第4の発明では、第2の発明または第3の発明において、受け皿が、切り込みの方向に開口部が設けられた略円錐形状を有する。
【0014】
上記構成によると、受け皿が湾曲状になるため、受け皿がより一層外方に向けて広がりやすくなり、結果として、受け皿により、カットした前髪をより一層収容しやすくなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、カット中の視野が非常に広くなるため、カット後の印象を確認しながらカットすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る前髪カット用補助具の展開図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る前髪カット用補助具の斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る前髪カット用補助具が頭部に取り付けられた状態を示す図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る前髪カット用補助具を用いて、前髪をカットする状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0018】
図1は、本実施形態の前髪カット用補助具1の展開図であり、
図2は本実施形態の前髪カット用補助具1の斜視図である。
【0019】
図1に示すように、前髪カット用補助具1は、頭部に巻き付けるベルト2と、当該ベルト2に連設され、カットされた前髪を収納する受け皿3とを備えている。
【0020】
ベルト2を形成する材料としては、透明な合成樹脂フィルム、例えば、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いることができる。
【0021】
また、
図1に示すように、ベルト2の一端側には、ベルト2を折り返すための折目部4と、折目部4に連設された切り込み部5とが設けられるとともに、ベルト2の他端側には、複数の切り欠き部6が設けられている。
【0022】
受け皿3は、ベルト2に連設され、略三角形状を有する前壁8と、前壁8に連設され、略扇形状を有する側壁9,10とを備えている。
【0023】
この受け皿3は、ベルト2と同様に、上述の透明な合成樹脂フィルムにより形成されており、ベルト2と同一の材料により形成されているため、前髪カット用補助具1の製造が容易になる。
【0024】
また、
図1に示すように、側壁9には折目部21が設けられるとともに、側壁10には折目部22が設けられている。また、前壁8と側壁9との境界部分に折目部11が設けられるとともに、前壁8と側壁10との境界部分に折目部12が設けられている。
【0025】
また、側壁9には、前壁2との境界部分(すなわち、折目部11)以外の端部に、2つの係合突部13,14が設けられている。また、側壁10には、前壁2との境界部分(すなわち、折目部12)以外の端部に、折目部15が設けられるとともに、折目部15に連設された2つ切り込み部16,17とが設けられている。
【0026】
また、
図1に示すように、ベルト2と受け皿3(すなわち、前壁8)との境界部分18の両端部に切り込み20が形成されている。なお、この切り込み20は、境界部分18以外(例えば、境界部分18の両端部の近傍)に設けることもできる。
【0027】
また、ベルト2、及び受け皿3の厚みは特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用する場合は、強度と透明性のバランスの観点から、50μm~1000μmが好ましく、150μm~250μmがより好ましい。また、同様の観点から、ポリプロピレンフィルムを使用する場合は、50μm~2500μmが好ましく、500μm~1000μmがより好ましい。
【0028】
次に、前髪カット用補助具1を頭部に取り付けて、前髪をカットする方法を説明する。
【0029】
まず、
図1に示す展開された状態の前髪カット用補助具1を、側壁10の折目部15に沿って谷折りするとともに、折目部11,12,21,22を谷折りする。次に、側壁10の切り込み部16に側壁9の係合突部14を係合させるとともに、側壁10の切り込み部17に側壁9の係合突部13を係合させる。そうすると、
図2に示すように、側壁9が側壁10に係止され、
図2、
図3に示すように、切り込み20の方向に開口部19が設けられた略円錐形状を有する受け皿3が組み立てられる。
【0030】
そして、
図2に示す状態から、
図3に示すように、受け皿3が前髪の下方に配置された状態で、ベルト2を頭部に巻き付け、次いで、ベルト2を、折目部4に沿って折ることにより、切り込み部5に沿って突起部7が形成され、この突起部7を切り欠き部6に係合させる。そうすると、
図3に示すように、ベルト2の一端側と他端側が係止されて、ベルト2を介して、受け皿3が前髪の下方に配置された状態で、前髪カット用補助具1が頭部に取り付けられる。
【0031】
なお、この際、上述のごとく、複数の切り欠き部6が設けられているため、頭部のサイズに対応して、ベルト2を頭部に巻き付けることが可能になる。
【0032】
そして、
図4に示すように、前髪カット用補助具1が頭部に取り付けられた状態で、ハサミを用いて前髪をカットすることにより、カットされた髪は、前髪の下方に配置された受け皿3内に収納される。従って、カットした前髪が周辺へ散乱することを防止することができるとともに、前髪をカットする際に、カットした髪の毛が顔に付着することを防止することができる。
【0033】
また、上述のごとく、ベルト2と受け皿3との境界部分18の両端部に切り込み20が形成されているため、ベルト2を頭部に巻き付ける際に、
図3に示すように、ベルト2と受け皿3が頭部や顔の形状に追従しやすくなり、
図4に示すように、受け皿3が顔の幅よりも外方に向けて広がるようになるため、受け皿3により、カットした前髪を収容しやすくなる。
【0034】
なお、受け皿3を外方に向けて広がりやすくするとの観点から、切り込み20の長さは15mm以上が好ましい。
【0035】
そして、カット終了後に、頭部から前髪カット用補助具1を外すことにより、切られた髪を容易に廃棄することができる。
【0036】
ここで、本実施形態の前髪カット用補助具1においては、上述のごとく、全体(すなわち、ベルト2、及び受け皿3)が透明な合成樹脂フィルムにより形成されているため、上記従来技術とは異なり、カット中の視野が非常に広くなり、結果として、カット後の印象を確認しながらカットすることが可能になる。
【0037】
また、上述のごとく、受け皿3が、切り込み20の方向に開口部19が設けられた略円錐形状を有しており、受け皿3が湾曲状になるため、受け皿3が、より一層外方に向けて広がりやすくなる。その結果、受け皿3により、カットした前髪をより一層収容しやすくなる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上に説明したように、本発明は、カットされた前髪を収納するための前髪カット用補助具に、特に有用である。
【符号の説明】
【0039】
1 前髪カット用補助具
2 ベルト
3 受け皿
8 前壁
9,10 側壁
20 切り込み