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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043907
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】監視装置および制御方法
(51)【国際特許分類】
   G05B 23/02 20060101AFI20220309BHJP
   G06F 16/9038 20190101ALI20220309BHJP
【FI】
G05B23/02 301X
G05B23/02 301Q
G06F16/9038
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149409
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】窪岡 史章
【テーマコード(参考)】
3C223
5B175
【Fターム(参考)】
3C223BA03
3C223CC02
3C223DD03
3C223EB02
3C223FF13
3C223FF16
3C223FF45
3C223GG01
3C223HH03
3C223HH08
5B175DA10
5B175JC07
(57)【要約】
【課題】所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、ユーザの確認に適した表示態様によって表示させる。
【解決手段】監視装置(1)において、制御部(10)は、ユーザが入力部(30)に入力した検索条件を用いてイベント情報DB(23)からターゲット異常イベント候補を抽出する。制御部(10)は、ユーザがターゲット異常イベント候補の内から選択したターゲット異常イベントの発生時刻であるターゲット異常イベント発生時刻をイベント情報DB(23)から取得し、当該ターゲット異常イベント発生時刻を含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定する。制御部(10)は、ターゲット異常イベントに対応する計測値について、計測値DB(22)からトレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得し、取得した当該時系列データをトレンドグラフとして表示部(31)に表示させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の監視対象機器を監視する監視装置であって、
上記監視装置は、
上記複数の監視対象機器のそれぞれにおける、複数種類の計測値のそれぞれの時系列データが記録されている計測値データベースと、
上記複数の監視対象機器のそれぞれに発生したイベントに係る情報が記録されているイベント情報データベースと、
ユーザの入力を受け付ける入力部と、
表示部と、に通信可能に接続されており、
上記監視装置は、
上記ユーザが上記入力部に入力した検索条件を用いて、上記イベント情報データベースから、上記検索条件を満たす少なくとも1つの異常イベントであるターゲット異常イベント候補を抽出し、
上記ユーザが上記ターゲット異常イベント候補の内から選択したターゲット異常イベントの発生時刻であるターゲット異常イベント発生時刻を、上記イベント情報データベースから取得し、
上記ターゲット異常イベント発生時刻を含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定し、
上記ターゲット異常イベントに対応する計測値について、上記計測値データベースから上記トレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得し、取得した当該時系列データをトレンドグラフとして上記表示部に表示させる、監視装置。
【請求項2】
上記監視装置は、
上記ターゲット異常イベント発生時刻を所定の時間単位でラウンドアップしたラウンドアップ時刻を設定し、
上記ラウンドアップ時刻が上記トレンドグラフ表示時間範囲の中央時刻となるように、上記トレンドグラフ表示時間範囲における起点時刻および終点時刻を設定する、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
上記監視装置は、
上記ターゲット異常イベント発生時刻を所定の時間単位でラウンドダウンしたラウンドダウン時刻を設定し、
上記ラウンドダウン時刻が上記トレンドグラフ表示時間範囲の中央時刻となるように、上記トレンドグラフ表示時間範囲における起点時刻および終点時刻を設定する、請求項1に記載の監視装置。
【請求項4】
上記監視装置は、上記ターゲット異常イベント発生時刻が上記トレンドグラフ表示時間範囲の中央時刻となるように、上記トレンドグラフ表示時間範囲における起点時刻および終点時刻を設定する、請求項1に記載の監視装置。
【請求項5】
複数の監視対象機器を監視する監視装置を制御する制御方法であって、
上記監視装置は、
上記複数の監視対象機器のそれぞれにおける、複数種類の計測値のそれぞれの時系列データが記録されている計測値データベースと、
上記複数の監視対象機器のそれぞれに発生したイベントに係る情報が記録されているイベント情報データベースと、
ユーザの入力を受け付ける入力部と、
表示部と、に通信可能に接続されており、
上記制御方法は、
上記ユーザが上記入力部に入力した検索条件を用いて、上記イベント情報データベースから、上記検索条件を満たす少なくとも1つの異常イベントであるターゲット異常イベント候補を抽出する工程と、
上記ユーザが上記ターゲット異常イベント候補の内から選択したターゲット異常イベントの発生時刻であるターゲット異常イベント発生時刻を、上記イベント情報データベースから取得する工程と、
上記ターゲット異常イベント発生時刻を含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定する工程と、
上記ターゲット異常イベントに対応する計測値について、上記計測値データベースから上記トレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得し、取得した当該時系列データをトレンドグラフとして上記表示部に表示させる工程と、を含んでいる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の一態様は、複数の監視対象機器を監視する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
監視装置に関して、ユーザ(例:監視対象機器の監視者)による監視作業を補助するための様々な技術が提案されている。例えば、特許文献1には、ある監視対象機器における異常なイベント(異常イベント)の発生をユーザに容易に把握させ、かつ、当該異常イベントに対応するトレンドグラフ(異常イベントに対応する計測値の時間推移を示すグラフ)を容易に確認させることを目的とした技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6625296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
但し、後述するように、特許文献1の技術では、所望の異常イベント(ユーザが注目している異常イベント)に対応するトレンドグラフを、ユーザが容易に確認できない場合も想定される。本発明の一態様の目的は、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、ユーザの確認に適した表示態様によって表示することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る監視装置は、複数の監視対象機器を監視する監視装置であって、上記監視装置は、上記複数の監視対象機器のそれぞれにおける、複数種類の計測値のそれぞれの時系列データが記録されている計測値データベースと、上記複数の監視対象機器のそれぞれに発生したイベントに係る情報が記録されているイベント情報データベースと、ユーザの入力を受け付ける入力部と、表示部と、に通信可能に接続されており、上記監視装置は、上記ユーザが上記入力部に入力した検索条件を用いて、上記イベント情報データベースから、上記検索条件を満たす少なくとも1つの異常イベントであるターゲット異常イベント候補を抽出し、上記ユーザが上記ターゲット異常イベント候補の内から選択したターゲット異常イベントの発生時刻であるターゲット異常イベント発生時刻を、上記イベント情報データベースから取得し、上記ターゲット異常イベント発生時刻を含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定し、上記ターゲット異常イベントに対応する計測値について、上記計測値データベースから上記トレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得し、取得した当該時系列データをトレンドグラフとして上記表示部に表示させる。
【0006】
また、上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る制御方法は、複数の監視対象機器を監視する監視装置を制御する制御方法であって、上記監視装置は、上記複数の監視対象機器のそれぞれにおける、複数種類の計測値のそれぞれの時系列データが記録されている計測値データベースと、上記複数の監視対象機器のそれぞれに発生したイベントに係る情報が記録されているイベント情報データベースと、ユーザの入力を受け付ける入力部と、表示部と、に通信可能に接続されており、上記制御方法は、上記ユーザが上記入力部に入力した検索条件を用いて、上記イベント情報データベースから、上記検索条件を満たす少なくとも1つの異常イベントであるターゲット異常イベント候補を抽出する工程と、上記ユーザが上記ターゲット異常イベント候補の内から選択したターゲット異常イベントの発生時刻であるターゲット異常イベント発生時刻を、上記イベント情報データベースから取得する工程と、上記ターゲット異常イベント発生時刻を含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定する工程と、上記ターゲット異常イベントに対応する計測値について、上記計測値データベースから上記トレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得し、取得した当該時系列データをトレンドグラフとして上記表示部に表示させる工程と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、ユーザの確認に適した表示態様によって表示できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態1における監視システムの要部の構成を示すブロック図である。
図2】項目一覧DBを例示する図である。
図3】計測値DBを例示する図である。
図4】イベント情報DBを例示する図である。
図5】トレンドグラフが表示される前のトレンドグラフ表示画面を例示する図である。
図6】異常イベント検索画面を例示する図である。
図7】トレンドグラフが表示された後のトレンドグラフ表示画面を例示する図である。
図8】トレンドグラフ表示処理の流れを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
〔実施形態1〕
以下、実施形態1の監視システム100について説明する。説明の便宜上、実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、以降の各実施形態では、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。また、簡潔のため、公知技術と同様の事項についても、説明を適示省略する。
【0010】
(監視システム100の概要)
図1は、監視システム100の要部の構成を示すブロック図である。監視システム100は、設備1000内の監視対象機器1001を監視するシステムである。設備1000は、特に限定されないが、例えば取受水設備である。監視システム100は、監視装置1およびネットワーク1100を備える。ネットワーク1100は、監視装置1と設備1000とを接続する通信ネットワークである。一例として、ネットワーク1100は、無線通信ネットワークである。但し、ネットワーク1100は、有線通信ネットワークであってもよい。
【0011】
図1の例における監視対象機器1001は、複数の(n個の)監視対象機器(監視対象機器1001a、監視対象機器1001b、…、および監視対象機器1001n)を総称的に表す。nは、2以上の整数である。本明細書では、k番目の監視対象機器を、第k監視対象機器とも称する。kは、1以上かつn以下の整数である。例えば、監視対象機器1001aは、第1監視対象機器と称されてもよい。第k監視対象機器は、特に限定されないが、例えば取水井である。
【0012】
図1の例における設備1000では、n個の監視対象機器1001に1対1に対応するn個のセンサ群1002が設けられている。図1の例におけるセンサ群1002は、n個のセンサ群(センサ群1002a、センサ群1002b、…、およびセンサ群1002n)を総称的に表す。本明細書では、k番目のセンサ群(第k監視対象機器に対応するセンサ群)を、第kセンサ群とも称する。例えば、センサ群1002a(監視対象機器1001aに対応するセンサ群)は、第1センサ群と称されてもよい。
【0013】
第kセンサ群は、各時刻における第k監視対象機器の状態を監視するための複数のセンサを含んでいる。一例として、第kセンサ群は、水位センサおよび流量センサを含んでいる。第kセンサ群は、第k監視対象機器の状態に係る複数種類の計測値(検出値)を計測(検出)する。なお、本明細書における「時刻」は、「時点」の一例である。従って、「時刻」は、「時点」に適宜読み替えることができる。なお、本明細書における時刻は、いわゆる「年/月/日 時/分/秒」形式(「yyyy/mm/dd /hh/mm/ss」形式)によって表現されている。
【0014】
(監視装置1の概要)
監視装置1は、制御部10、記憶部20、入力部30、および表示部31を備えている。また、監視装置1は、ネットワーク1100を介して、各時刻における計測値(計測値の時系列データ)をセンサ群1002から取得するための、不図示の通信インターフェースを備えている。
【0015】
制御部10は、監視装置1の各部を統括的に制御する。制御部10は、異常イベント検索部11、表示時間範囲設定部12、および表示制御部13を有する。制御部10の各機能部の動作の具体例については、後述する。記憶部20は、制御部10の処理に用いられる各種のデータおよびプログラムを格納する。記憶部20には、項目一覧DB(database)21、計測値DB22(計測値データベース)、イベント情報DB23(イベント情報データベース)が予め格納されている。
【0016】
入力部30は、ユーザによる監視装置1への各種の入力操作を受け付ける入力インターフェースである。図1の例では、入力部30と表示部31とが別体の機能部として図示されている。但し、タッチパネルを用いた場合には、入力部30と表示部31とを一体化できる。表示部31は、表示制御部13の指令に応じて、各種の画像を表示する。
【0017】
図2は、項目一覧DB21を例示する図である。項目一覧DB21では、監視対象機器1001の各計測値の種類についての各種情報が、項目番号別にリストアップされている。項目番号は、監視対象機器1001の計測値の種類を示す項目(以下、単に項目)を区別するための識別子である。
【0018】
項目一覧DB21では、項目番号ごとに、(i)項目名称(上記項目の名称)と、(ii)設備ID(監視対象機器1001が属する設備1000の設備の識別子)と、(iii)設備名称(設備1000の名称)とが記録されている。図2の例では、設備1000(取受水設備)には、設備ID「0001」が割り当てられている。
【0019】
項目一覧DB21における「No.1取水井」は、監視対象機器1001の一例である。以下の説明では「No.1取水井」は、監視対象機器1001aを指すものとする。項目番号「0001」および項目番号「0002」はそれぞれ、項目「No.1取水井 水位」(監視対象機器1001aの水位を示す項目)および項目「No.1取水井 流量」(監視対象機器1001aの流量を示す項目)に対応している。監視対象機器1001aの水位および流量はそれぞれ、センサ群1002a内の水位センサおよび流量センサによって計測される。図2の例では、項目一覧DB21には、データ210が含まれている。データ210は、項目番号「0001」に対応する。換言すれば、データ210は、項目名称「No.1取水井 水位」に対応する。
【0020】
図3は、計測値DB22を例示する図である。計測値DB22には、監視対象機器1001のそれぞれについて、各項目の計測値の時系列データが格納されている。計測値DB22は、監視装置1がセンサ群1002から計測値を取得するたびに更新されてよい。
【0021】
図3の例では、計測値DB22には、データ220が含まれている。データ220は、ある時刻(図3の例では、時刻「2020年01月03日 07時12分20秒」)における項目「No.1 取水井 水位」の計測値を示す。なお、当該時刻は、後述する時刻tbに該当する。図3の例では、当該時刻における計測値が、「48.7」であることが、データ220によって示されている。なお、当該計測値の単位は、m(メートル)である(後述の図7を参照)。
【0022】
図4は、イベント情報DB23を例示する図である。イベント情報DB23では、設備1000において発生したイベントについての各種情報が、当該イベントの発生時刻(以下、単に発生時刻)別にリストアップされている。項目一覧DB21では、発生時刻ごとに、(i)イベントのカテゴリと、(ii)項目番号と、(iii)項目名称と、(iv)設備IDと、(v)設備名称と、(vi)イベント内容(上記イベントの内容)とが記録されている。図4の例におけるイベント情報DB23には、データ230aおよびデータ230bが含まれている。
【0023】
データ230aは、ある1つの時刻(図4の例では、時刻「2020年01月02日 12時34分45秒」)(便宜上、時刻taとも称する)において発生したイベントについての情報が示されている。データ230aには、taにおいて、監視対象機器1001aの水位(項目「No.1取水井 水位」)について、イベント「上限異常発生」が生じたことが示されている。当該イベントは、異常イベントの一例である。以下では、データ230aに記録されているイベントを、便宜上、第1異常イベントとも称する。
【0024】
データ230bは、上記ある時刻とは別の時刻(図4の例では、時刻「2020年01月03日 07時12分20秒」)(便宜上、時刻tbとも称する)において発生したイベントについての情報が示されている。データ230bには、tbにおいて、監視対象機器1001aの水位(項目「No.1取水井 水位」)について、イベント「上限異常発生」が生じたことが示されている。以下では、データ230bに記録されているイベントを、便宜上、第2異常イベントとも称する。
【0025】
(トレンドグラフが表示される前のトレンドグラフ表示画面)
表示制御部13は、ユーザによる所定の入力操作(例:本発明の一態様に係る制御方法を実行するアプリケーションプログラムを起動するための入力操作)を入力部30が受け付けたことを契機として、トレンドグラフ表示画面500を表示部31に表示する。トレンドグラフ表示画面500は、後述するターゲット異常イベントに対応するトレンドグラフ(以下、単に「トレンドグラフ」とも称する)をユーザに提示するための画面である。
【0026】
トレンドグラフとは、ターゲット異常イベントに対応する所定の監視対象機器の所定の計測値(監視対象機器1001aの水位)の時系列データを表すグラフである。トレンドグラフは、上記所定の計測値の時間推移を示すグラフとも表現できる。
【0027】
本明細書では、トレンドグラフが表示される前のトレンドグラフ表示画面(換言すれば、ターゲット異常イベントが選択される前のトレンドグラフ表示画面)を、トレンドグラフ表示画面500aとも称する。図5は、トレンドグラフ表示画面500aの一例を示す図である。これに対し、トレンドグラフが表示された後のトレンドグラフ表示画面を、トレンドグラフ表示画面500bとも称する。トレンドグラフ表示画面500bについては、後述する。
【0028】
表示制御部13は、トレンドグラフ表示画面500a内に、異常イベント検索ボタン510、サブエリア520、およびグラフエリア530を表示させる。サブエリア520は、トレンドグラフに関連する各種情報がテキスト表示されるエリアである。グラフエリア530は、トレンドグラフが表示されるエリアである。トレンドグラフ表示画面500aでは、サブエリア520およびグラフエリア530には、有意な情報が何ら表示されていない。
【0029】
異常イベント検索ボタン510は、表示部31の表示画面を、以下に述べる異常イベント検索画面600へと切り替えるためのボタンである。一例として、ユーザによる異常イベント検索ボタン510に対するクリック操作を入力部30が受け付けたことを契機として、表示制御部13は、異常イベント検索画面600を表示部31に表示させる。
【0030】
(異常イベント検索画面)
図6は、異常イベント検索画面600の一例を示す図である。表示制御部13は、異常イベント検索画面600内に、検索条件入力エリア610、検索ボタン620、検索結果表示エリア630、および選択完了ボタン640を表示させる。
【0031】
検索条件入力エリア610は、ユーザに検索条件を入力させるためのエリアである。図6の例では、検索条件入力エリア610は、(i)「起点時刻」(異常イベントの検索対象時間範囲の起点時刻)、(ii)「終点時刻」(異常イベントの検索対象時間範囲の終点時刻)、(iii)「設備名称」、(iv)項目名称、および、(v)「検索ワード」の、5つの入力覧を含んでいる。検索条件入力エリア610には、ユーザによって入力された検索条件が表示される。
【0032】
図6の例では、
(検索条件1)起点時刻:「2000年01月01日 00時00分00秒」
(検索条件2)終点時刻:「2000年02月01日 00時00分00秒」
(検索条件3)設備名称:「未入力(空白)」
(検索条件4)項目名称:「No.1取水井 水位」
(検索条件5)検索ワード:「上限異常発生」
の通り、ユーザによって検索条件が入力されている。本明細書における検索条件は、検索条件1~5を総称的に表す。但し、当然ながら、本発明の一態様に係る検索条件は、図6の例の限定されないことに留意されたい。
【0033】
検索条件1および2はそれぞれ、「異常イベントの検索対象時間範囲の起点時刻を指定する条件」および「記異常イベントの検索対象時間範囲の終点時刻を指定する条件」とも表現できる。検索条件3は、「監視対象機器が属する設備を指定する条件」とも表現できる。検索条件4は、「監視対象機器1001を指定する条件」と「計測値を指定する条件」とを組み合わせた条件とも表現できる。検索条件5は、「異常イベントの内容を指定する条件」とも表現できる。図6の例における検索条件5は、「異常イベントの種類を指定する条件」と理解されてもよい。
【0034】
検索ボタン620は、ユーザによって入力された検索条件(検索条件入力エリア610に入力された検索条件)を満たす異常イベントの検索を、制御部10(より詳細には、異常イベント検索部11)に開始させるためのボタンである。一例として、ユーザによる検索条件入力エリア610に対するクリック操作を入力部30が受け付けたことを契機として、異常イベント検索部11は、検索条件を満たす異常イベントの検索を開始する。
【0035】
具体的には、異常イベント検索部11は、イベント情報DB23から、検索条件1~5を満たす異常イベントを検索する。異常イベント検索部11による異常イベントの検索には、公知のデータマッチング手法が用いられてよい。異常イベント検索部11は、検索結果としてヒットした少なくとも1つの異常イベントを、ターゲット異常イベント候補として抽出する。
【0036】
図4の例における、第1異常イベント(データ230aに記録されているイベント)および第2異常イベント(データ230bに記録されているイベント)はいずれも、検索条件1~5を満たす。従って、異常イベント検索部11は、イベント情報DB23から、第1異常イベントおよび第2異常イベントを、ターゲット異常イベント候補(所望の異常イベントの候補)として抽出する。
【0037】
制御部10は、異常イベント検索部11の検索結果(すなわち、ターゲット異常イベント候補)を、ユーザに提示する。具体的には、表示制御部13は、ターゲット異常イベント候補を、検索結果表示エリア630に表示させる。図6の例では、検索結果表示エリア630内には、複数の検索結果表示バー632が設けられている。
【0038】
図6の例では、異常イベント検索部11は、第1異常イベント情報(第1異常イベントに係る情報)を、データ230aから取得する。一例として、異常イベント検索部11は、(i)ta(第1異常イベントの発生時刻)、(ii)第1異常イベントに係る項目名称(No.1取水井 水位)、および、(iii)第1異常イベントの種類(上限異常発生)、を示す情報を、第1異常イベント情報として取得する。
【0039】
同様に、異常イベント検索部11は、第2異常イベント情報(第2異常イベントに係る情報)を、データ230bから取得する。異常イベント検索部11は、(i)tb(第2異常イベントの発生時刻)、(ii)第2異常イベントに係る項目名称(No.1取水井 水位)、および、(iii)第2異常イベントの種類(上限異常発生)、を示す情報を、第2異常イベント情報として取得する。
【0040】
表示制御部13は、(i)1つ目の検索結果表示バー632(便宜上、検索結果表示バー632aと称する)に、第1異常イベント情報を表示させるとともに、(ii)2つ目の検索結果表示バー632(便宜上、検索結果表示バー632bと称する)に、第2異常イベント情報を表示させる。なお、図6に示されるように、表示制御部13は、異常イベント検索部11によって抽出されたターゲット異常イベント候補の数(すなわち、検索結果のヒット数)(図6の例では2件)を、検索結果表示エリア630内に表示させてもよい。
【0041】
図6の例では、検索結果表示エリア630内には、複数の検索結果表示バー632に1対1に対応する複数のチェックボックス633が設けられている。チェックボックス633は、ターゲット異常イベント候補から、ターゲット異常イベント(所望の異常イベント)をユーザに選択させるためのGUI(Graphical User Interface)の一例である。図6におけるチェックボックス633aおよびチェックボックス633bはそれぞれ、検索結果表示バー632aおよび検索結果表示バー632bに対応する。従って、チェックボックス633aおよびチェックボックス633bはそれぞれ、第1異常イベントおよび第2異常イベントに対応する。
【0042】
図6には、入力部30に対するユーザ操作によって、チェックボックス633bが押下された場合(すなわち、第2異常イベントがターゲット異常イベントとしてユーザに選択された場合)が、例示されている。異常イベント検索部11は、ユーザの選択操作(チェックボックス633の押下)を受けて、ターゲット異常イベントを選択する。図6の例では、異常イベント検索部11は、第2異常イベントをターゲット異常イベントとして選択する。
【0043】
続いて、異常イベント検索部11は、ターゲット異常イベント発生時刻(ターゲット異常イベントの発生時刻)を取得する。以下、ターゲット異常イベント発生時刻を、時刻tevとも称する。図6の例では、異常イベント検索部11は、第2異常イベント情報に記録されているtb(図4の例では、時刻「2020年01月03日 07時12分20秒」)を、tevとして取得する。
【0044】
表示時間範囲設定部12は、異常イベント検索部11によって取得されたtevに応じて、トレンドグラフ表示画面500における、トレンドグラフ表示時間範囲(トレンドグラフを表示すべき時間範囲)を設定する。なお、トレンドグラフ表示時間範囲は、トレンドグラフ表示期間と称されてもよい。以下、トレンドグラフ表示時間範囲における起点時刻および終点時刻をそれぞれ、t1およびt2と称する。表示時間範囲設定部12は、tevに応じて、t1およびt2を設定する。
【0045】
具体的には、表示時間範囲設定部12は、tevがトレンドグラフ表示時間範囲に含まれるように、当該トレンドグラフ表示期間を設定する。すなわち、表示時間範囲設定部12は、t1<tev<t2となるように、t1およびt2を設定する。実施形態1では、トレンドグラフ表示時間範囲の長さの初期値(T0)が予め設定されているものとする。実施形態1では、T0=6hである場合を例示する。
【0046】
実施形態1では、表示時間範囲設定部12は、tev(図6の例では、時刻「2020年01月03日 07時12分20秒」)を所定の時間単位で丸めた(ラウンドした)時刻を、時刻tmとして設定する。一例として、表示時間範囲設定部12は、tevを1時間単位で切り上げた(ラウンドアップした)時刻を、tmとして設定する。実施形態1におけるtmは、ラウンドアップ時刻と称されてもよい。ラウンドアップ時刻は、後述するラウンド時刻の一例である。図6の例では、表示時間範囲設定部12は、時刻「2020年01月03日 08時00分00秒」を、tm(ラウンドアップ時刻)として設定する。
【0047】
そして、表示時間範囲設定部12は、以下の式(1)および(2)、
t1=tm-T0/2 …(1)
t2=tm+T0/2 …(2)
を用いて、t1およびt2をそれぞれ設定する。上述の式(1)~(2)によれば、tmがトレンドグラフ表示時間範囲の中央時刻となるように、t1およびt2を設定できる。図6の例では、表示時間範囲設定部12は、(i)時刻「2020年01月03日 05時00分00秒」を、t1として設定するとともに、(ii)時刻「2020年01月03日 11時00分00秒」を、t2として設定する。
【0048】
選択完了ボタン640は、ターゲット異常イベントの選択完了後に、表示部31の表示画面を、トレンドグラフ表示画面500へと再び切り替えるためのボタンである。一例として、ユーザによる選択完了ボタン640に対するクリック操作を入力部30が受け付けたことを契機として、表示制御部13は、表示部31にトレンドグラフ表示画面500を再び表示させる。より詳細には、表示制御部13は、以下に述べるトレンドグラフ表示画面500bを表示部31に表示させる。
【0049】
(トレンドグラフが表示された後のトレンドグラフ表示画面)
図7は、トレンドグラフ表示画面500bの一例を示す図である。表示制御部13は、グラフエリア530内に、トレンドグラフ540を表示させる。具体的には、表示制御部13は、計測値DB22から、ターゲット異常イベントに対応する項目(図7の例では「No.1取水井」)の計測値の時系列データを、t1からt2までの範囲に亘って取得する。そして、表示制御部13は、取得した当該時系列データを、グラフエリア530内に、トレンドグラフ540として表示させる。
【0050】
また、表示制御部13は、サブエリア520に、トレンドグラフに関連する各種情報をテキスト表示する。図7の例では、サブエリア520には、(i)ターゲット異常イベントに対応する設備名称(取受水設備)、(ii)ターゲット異常イベントに対応する項目名称(No.1取水井 水位)、(iii)ターゲット異常イベント発生時刻における計測値(48.7)、および、(iv)当該計測値の単位(m)が、テキスト表示されている。表示制御部13は、上記(i)および(ii)の情報を、データ230bから取得してよい。
【0051】
なお、図7に示されるように、表示制御部13は、ターゲット異常イベントの内容(種類)を示す補助情報545を、グラフエリア530内にさらに表示してもよい。図7の例では、表示制御部13は、データ230bから取得したイベント内容を、補助情報545としてテキスト表示する。
【0052】
(監視装置1におけるトレンドグラフ表示処理の流れ)
図8は、監視装置1におけるトレンドグラフ表示処理の流れを例示する図である。なお、図8のS1に先立ち、表示部31に異常イベント検索画面600が表示されているものとする。
【0053】
まず、入力部30は、ユーザによる検索条件の入力を受け付ける(S1)。続いて、制御部10は、検索条件を満たす異常イベントを検索する。具体的には、制御部10は、イベント情報DB23から、検索条件を満たす異常イベントであるターゲット異常イベント候補を抽出する(S2)。
【0054】
続いて、入力部30は、ユーザがターゲット異常イベント候補の内からターゲット異常イベントを選択する選択操作を受け付ける。そして、制御部10は、当該選択操作に応じて、ターゲット異常イベントを選択する(S3)。
【0055】
続いて、制御部10は、イベント情報DB23から、ターゲット異常イベント発生時刻(tev)を取得する(S4)。そして、制御部10は、tevに応じて、トレンドグラフ表示時間範囲を設定する(S5)。具体例には、制御部10は、tevが含まれるように、トレンドグラフ表示時間範囲を設定する。実施形態1では、制御部10は、上述の式(1)および(2)を用いて、t1およびt2を設定する。
【0056】
その後、ユーザによる選択完了ボタン640に対するクリック操作を入力部30が受け付けたことを契機として、制御部10は、表示部31にトレンドグラフ表示画面500bを表示させる。そして、制御部10は、ターゲット異常イベントに対応する計測値について、計測値DB22からトレンドグラフ表示時間範囲に亘る時系列データを取得する。続いて、制御部10は、取得した当該時系列データを、グラフエリア530内にトレンドグラフ540として表示させる(S6)。
【0057】
(効果)
従来技術(例:特許文献1の技術)では、まず、ユーザによって、所望の監視対象機器についての計測値(監視データ)が選択される。そして、監視データのトレンドグラフが、グラフエリア内に表示される。なお、特許文献1の技術では、トレンドグラフ表示時間範囲は、ユーザによって設定される。特許文献1の技術では、ユーザによって設定されたトレンドグラフ表示時間範囲内に生じたイベントが、グラフエリア内にさらに表示される。
【0058】
このため、特許文献1の技術では、所望の異常イベント(ターゲット異常イベント)に対応するトレンドグラフをグラフエリアに表示させるためには、ユーザによって適切なトレンドグラフ表示時間範囲が設定される必要があった。すなわち、所望の異常イベントが発生した時刻(ターゲット異常イベント発生時刻)を含むトレンドグラフ表示時間範囲を、ユーザが手動で設定する必要があった。このため、ユーザは、ターゲット異常イベント発生時刻を、監視装置内に格納された各データ(特に、特許文献1のイベント情報格納部および異常原因図格納部に格納された各データ)から見つけ出す必要があった。このように、特許文献1の技術では、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフが、必ずしもユーザの確認に適した表示態様によって表示されるとは限らない。それゆえ、特許文献1の技術では、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、必ずしもユーザに容易に確認させることはできない。
【0059】
これに対し、監視装置1によれば、はじめにユーザに、ターゲット異常イベントを検索するための検索条件を入力させることができる。従って、ユーザに、検索条件に応じたターゲット異常イベント候補を提示できる。続いて、ユーザに、ターゲット異常イベント候補の内から、ターゲット異常イベントを選択させることができる。
【0060】
そして、監視装置1は、ユーザによって選択されたターゲット異常イベントについて、tev(ターゲット異常イベント発生時刻)を取得する。監視装置1は、tevに応じてトレンドグラフ表示時間範囲を設定する。具体的には、監視装置1は、tevを含むトレンドグラフ表示時間範囲を設定する。続いて、監視装置1は、設定したトレンドグラフ表示時間範囲を用いて、グラフエリア530内にトレンドグラフ540を表示させる。
【0061】
以上のように、監視装置1によれば、従来技術とは異なり、ユーザにトレンドグラフ表示期間を手動設定させることが不要となる。実施形態1では、ユーザによって選択されたターゲット異常イベントに応じて、tevを含むトレンドグラフ表示時間範囲が、監視装置1によって自動的に設定される。それゆえ、監視装置1によれば、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、ユーザの確認に適した表示態様によって表示できる。このように、監視装置1によれば、所望の異常イベントに対応するトレンドグラフを、従来よりも容易にユーザに確認させることが可能となる。
【0062】
(補足)
本願の発明者(以下、発明者)は、「ユーザがあるトレンドグラフを閲覧しようとする場合、当該ユーザの主な動機は、ターゲット異常イベント発生時刻およびその周辺の時間帯において、ターゲット異常イベントに対応するトレンドグラフを確認することにあると考えられる。」という着想を得た。そこで、発明者は、特許文献1の技術とは異なり、トレンドグラフの表示に先立ちターゲット異常イベントをユーザに選択させることができるように、監視装置1を創作した。上記着想については、特許文献1には何ら言及されていない。このように、監視装置1は、特許文献1の技術とは異なる技術的思想に基づいている。
【0063】
〔変形例〕
(1)実施形態1では、表示時間範囲設定部12によって、tev(例:時刻「2020年01月03日 07時12分20秒」)を所定の時間単位で切り上げた(ラウンドアップした)時刻が、tmとして設定される場合を例示した。但し、表示時間範囲設定部12は、tevを所定の時間単位で切り下げた(ラウンドダウンした)時刻を、tmとして設定してもよい。この場合、tmは、ラウンドダウン時刻と称されてもよい。ラウンドダウン時刻は、以下に述べるラウンド時刻の別の例である。
【0064】
例えば、表示時間範囲設定部12は、tevを1時間単位で切り下げた時刻を、tm(ラウンドダウン時刻)として設定してもよい。図6の例では、表示時間範囲設定部12は、時刻「2020年01月03日 07時00分00秒」を、tmとして設定してよい。そして、表示時間範囲設定部12は、上述の式(1)および(2)を用いて、t1およびt2をそれぞれ設定すればよい。この場合、表示時間範囲設定部12は、(i)時刻「2020年01月03日 04時00分00秒」を、t1として設定するとともに、(ii)時刻「2020年01月03日 10時00分00秒」を、t2として設定する。
【0065】
以上の通り、tevを所定の時間単位で丸めた(ラウンドした)時刻tmを基準として、t1およびt2を設定することにより、t1およびt2を区切りの良い時刻に設定できる。tmは、総称的にラウンド時刻と称されてもよい。
【0066】
(2)但し、表示時間範囲設定部12は、必ずしもtmを基準として、t1およびt2を設定しなくともよい。例えば、表示時間範囲設定部12は、tevを基準として、t1およびt2を設定してもよい。一例として、表示時間範囲設定部12は、以下の式(3)および(4)、
t1=tev-T0/2 …(3)
t2=tev+T0/2 …(4)
を用いて、t1およびt2をそれぞれ設定してもよい。
【0067】
この場合、表示時間範囲設定部12は、(i)時刻「2020年01月03日 04時12分20秒」を、t1として設定するとともに、(ii)時刻「2020年01月03日 10時12分20秒」を、t2として設定する。上述の式(3)~(4)によれば、tevがトレンドグラフ表示時間範囲の中央時刻となるように、t1およびt2を設定できる。
【0068】
(3)実施形態1では、項目一覧DB21、計測値DB22、イベント情報DB23が、監視装置1の記憶部20に格納されている場合を例示した。但し、これらのDBは、必ずしも監視装置1内に格納されていなくともよい。監視システム100において、監視装置1は、これらのDBと通信可能に接続されていればよい。
【0069】
一例として、項目一覧DB21、計測値DB22、イベント情報DB23の少なくともいずれかは、ネットワーク1100内のサーバ(不図示)に格納されていてもよい。サーバの例としては、クラウドサーバを挙げることができる。
【0070】
(4)実施形態1では、監視装置1が入力部30および表示部31を備えている場合を例示した。但し、入力部30および表示部31は、必ずしも監視装置1に設けられていなくともよい。監視システム100において、監視装置1は、入力部30および表示部31と通信可能に接続されていればよい。
【0071】
〔実施形態2〕
実施形態1では、トレンドグラフ表示時間範囲の長さが一定値(初期値であるT0)に維持されている場合を例示した。但し、トレンドグラフ表示時間範囲の好適な長さは、ターゲット異常イベントに応じて異なりうるとも考えられる。そこで、監視装置1において、トレンドグラフ表示時間範囲は、変更可能であるように設定されてもよい。例えば、トレンドグラフ表示時間範囲は、グラフエリア530内にトレンドグラフ540が表示された後に、ユーザ入力に応じて変更(再設定)されてよい。
【0072】
そこで、表示制御部13は、t1およびt2をユーザに指定させるための入力インターフェースを、トレンドグラフ表示画面500b内に表示させてもよい。一例として、トレンドグラフ表示画面500b内に、(i)t1をユーザに指定させるための入力覧(起点時刻入力覧)と、(ii)t2をユーザに設定させるための入力覧(終点時刻入力覧)とを、トレンドグラフ表示画面500b内に表示させる。
【0073】
表示時間範囲設定部12は、ユーザによって起点時刻入力フォームに入力された値を取得し、t1を当該値に更新する。同様に、表示時間範囲設定部12は、ユーザによって終点時刻入力フォームに入力された値を取得し、t2を当該値に更新する。これにより、ユーザは、トレンドグラフ表示時間範囲の長さを、ターゲット異常イベントに応じて随意に変更できる。t1およびt2は、t1<tev<t2の関係が満たされる限り、任意に設定されてよい。
【0074】
なお、t1およびt2をユーザに設定させるための入力インターフェースは、上記の例に限定されない。別の例として、表示制御部13は、(i)t1をユーザに指定させるためのスライドバー(起点時刻指定用スライドバー)と、(ii)t2をユーザに指定させるためのスライドバー(終点時刻指定用スライドバー)とを、トレンドグラフ表示画面500b内に表示させる。この場合、ユーザは、起点時刻指定用スライドバーおよび終点時刻指定用スライドバーをスライドさせる入力操作を行うことにより、t1およびt2を変更できる。これらのスライドバーによれば、より直感的な入力インターフェースをユーザに提供できる。
【0075】
〔ソフトウェアによる実現例〕
監視システム100の制御ブロック(特に制御部10)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0076】
後者の場合、監視システム100は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の一態様の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0077】
〔付記事項〕
本発明の一態様は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の一態様の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0078】
1 監視装置
10 制御部
11 異常イベント検索部
12 表示時間範囲設定部
13 表示制御部
20 記憶部
21 項目一覧DB
22 計測値DB(計測値データベース)
23 イベント情報DB(イベント情報データベース)
30 入力部
31 表示部
100 監視システム
500 トレンドグラフ表示画面
500a トレンドグラフ表示画面(トレンドが表示される前のトレンドグラフ表示画面)
500b トレンドグラフ表示画面(トレンドが表示された後のトレンドグラフ表示画面)
530 グラフエリア
540 トレンドグラフ
600 異常イベント検索画面
610 検索条件入力エリア
630 検索結果表示エリア
1000 設備
1001、1001a、1001b、1001n 監視対象機器
1002、1002a、1002b、1002n センサ群
1100 ネットワーク
tev 時刻(ターゲット異常イベント発生時刻)
tm 時刻(ラウンドアップ時刻)
t1 時刻(トレンドグラフ表示時間範囲における起点時刻)
t2 時刻(トレンドグラフ表示時間範囲における終点時刻)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8