(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043940
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】箱
(51)【国際特許分類】
B65D 5/24 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
B65D5/24 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149470
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074181
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 明博
(74)【代理人】
【識別番号】100206139
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 匡
(72)【発明者】
【氏名】大根田 真也
(72)【発明者】
【氏名】畠山 知也
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB15
3E060BB01
3E060BC02
3E060BC04
3E060DA25
3E060EA03
3E060EA04
(57)【要約】
【課題】 一枚のシートから組み立てられる箱であって、組み立てが容易であり、また、取扱に便利な箱を得る。
【解決手段】 底部2の相対向する二辺に第1側壁部4を設け、他の相対向する二辺に第2側壁部6を設け、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に、内方に二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれる折込部10を設け、第2側壁部2の開放辺に第6折線11を介して連接し、第2側壁部6の横幅L2と同幅の横幅L1となっている押し込み片12を設けており、押し込み片12を第6折線11から180度折り曲げて対向する第1側壁部1間に押し込み、二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれている折込部10を押さえてなる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一枚のシートから組み立てられる箱であって、矩形状の底部の相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする正方形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として内方に二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれる折込部が設けられ、前記第2側壁部の開放辺に第6折線を介して連接し、前記第2側壁部の横幅と同幅の横幅となっている押し込み片が設けられており、前記押し込み片が第6折線から180度折り曲げられて対向する前記第1側壁部間に押し込まれ、二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれている前記折込部を押さえてなることを特徴とする箱。
【請求項2】
前記シートは、紙製であることを特徴とする請求項1に記載の箱。
【請求項3】
前記シートは、段ボールシートであることを特徴とする請求項1または2に記載の箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、特に粉体や液状物の収容に適した箱に関する。
【背景技術】
【0002】
一枚のシートから組み立てられる箱として、
図4に示すように、箱本体の四辺形の底壁50の四周側辺にそれぞれ側壁51、51、52、52が連接され、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって外方に2つ折りされる連結片53が連接され、箱本体の各側壁51、51、52、52の上縁および連結片53の外側片部上縁に外方に折り返される折り返し片54、55が連接されていると共に、この外側片部の折り返し片56が一対の対向側壁の折り返し片54の両端に連接され、他の一対の対向側壁の折り返し片55の先端に連結片と側壁との間に折り込まれる折り込み片57が連接され、この折り込み片57が折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込まれた状態のもとで、一対の対向側壁上部に手掛け部が形成されるものとする段ボール箱が知られている(例えば特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されている段ボール箱は、底壁50の四周側辺から側壁51、51、52、52を立ち上げ、隣接する側壁51、52の側辺間に跨がって連接されている連結片53を外方に2つ折りし、各側壁51、51、の上縁に連接されている折り返し片54と、連結片53の外側片部上縁に連接されている折り返し片56を外方に折り返し、外方に2つ折りされた連結片53、53と、連結片53の外側片部上縁に連接され外方に折り返される折り返し片56を側壁52,52の外面に重ね、その上から側壁52、52の上縁に連接されている折り返し片55を外方に折り返して重ね、折り返し片55の先端に連接されている折り込み片57を折り返し片56、連結片53と側壁52との間に折り込むようにして組み立てられるので、組み立てが非常に面倒であるといった問題があった。
【0005】
また、隣接する側壁51,52の側辺間に跨がって連接され外方に2つ折りされた連結片53、53と、連結片53の外側片部上縁に連接され外方に折り返される折り返し片56が側壁52,52の外面に重ねられ、その上から更に側壁52、52の上縁に連接され外方に折り返される折り返し片55が重ねられるので、箱本体の側壁52,52の外面に出っ張り部ができ、取扱中に、この出っ張り部が障害になる場合があるといった問題があった。
【0006】
本発明の目的は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、組み立てが容易であり、また、取扱に便利な箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、一枚のシートから組み立てられる箱であって、矩形状の底部の相対向する二辺にそれぞれ第1折線を介して連接する第1側壁部が設けられ、前記底部の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線を介して連接する第2側壁部が設けられ、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に、両側端縁にそれぞれ第3折線、第4折線を介して連接し、前記両側端縁を2辺とする正方形に形成され、第3折線、第4折線の間の対角線を第5折線として内方に二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれる折込部が設けられ、前記第2側壁部の開放辺に第6折線を介して連接し、前記第2側壁部の横幅と同幅の横幅となっている押し込み片が設けられており、前記押し込み片が第6折線から180度折り曲げられて対向する前記第1側壁部間に押し込まれ、二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれている前記折込部を押さえてなることを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、隣り合う前記第1側壁部と前記第2側壁部の間に設けられている前記折込部を、前記第3折線、前記第4折線を谷折りし前記第5折線を山折りして内方に二つ折りしながら、前記底部から前記第1側壁部と前記第2側壁部を前記第1折線、前記第2折線から谷折りして立ち上げ、二つ折りした前記折込部を前記第2側壁部の内面側に折り込み前記第2側壁部の内面に重ね、この状態から、前記第2側壁部の開放辺に設けられている前記押し込み片を前記第6折線から谷折りして180度折り曲げ、対向する前記第1側壁部間に押し込み、二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれている前記折込部を押さえるといった簡単な作業で一枚のシートから箱を組み立てることができる。
【0009】
このようにして組み立てられた箱にあって、対向する前記第1側壁部間に押し込んだ前記押し込み片は、その横幅が前記第2側壁部の横幅と同幅となっているので、前記押し込み片の横幅は、シートの厚み分だけ対向する前記第1側壁部間の長さより僅かに長くなる。この結果、対向する前記第1側壁部間に押し込んだ前記押し込み片の両側縁が前記第1側壁部の内面に圧接し、対向する前記第1側壁部間に押し込んだ前記押し込み片が対向する前記第1側壁部の内面で挟まれた状態となる。これにより、二つ折りされ三角形となって前記第2側壁部の内面側に折り込まれている前記折込部を前記押し込み片で確実に押さえることができ、組み立てられた箱の形態を保持することができる。
また、組み立てられた箱の前記第1側壁部と前記第2側壁部の外面には障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、取扱に便利な箱を得ることができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記シートは、紙製であることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、前記シートは紙製であるので、使用後の廃棄が容易で有り、また資源としての再利用が可能となる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記シートは、段ボールシートであることを特徴とする。
【0013】
請求項3に記載の発明によれば、前記シートは、段ボールシートであるので、軽量で且つ堅牢な箱を得ることができ、また、取扱や製造が容易である。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明に係る箱によれば、組み立てが容易であり、また、取扱に便利な箱を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る箱の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る箱の形態の一例を、図面を参照して詳細に説明する。
図1~
図4は本発明に係る箱の実施の形態の一例を示すものであり、
図1は箱の斜視図、
図2は
図1に示す箱の展開図、
図3は
図1に示す箱を組み立てる過程を示す説明図である。
【0017】
本例の箱1は、一枚のシートから組み立てられる。
使用されるシートとしてはシート状の材料であれば特に限定されないが、例えば、紙製シート、プラスチック製シート等が使用される。紙製シートとしては厚紙シート、白板紙シート、紙段ボールシート等があり、またプラスチック製シートとしては、プラスチック板状シート、プラスチック段ボールシート等がある。本例では紙製の段ボールシートが使用されている。
【0018】
このような段ボールシートで形成される箱1は、
図2の展開図で示すように、矩形状の底部2の相対向する二辺にそれぞれ第1折線3を介して第1側壁部4が設けられ、底部2の他の相対向する二辺にそれぞれ第2折線5を介して第2側壁部6が設けられている。
【0019】
隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間には、両側端縁にそれぞれ第3折線7、第4折線8を介して連接し、両側端縁を2辺とする正方形に形成され、第3折線7、第4折線8の間の対角線を第5折線9として内方に二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれる折込部10が設けられている。
【0020】
第2側壁部6の開放辺に第6折線11を介して連接する押し込み片12が設けられている。押し込み片12にあっては、その横幅L1が第2側壁部6の横幅L2と同じ長さとなっている。また押し込み片12の縱幅L3は第2側壁部6の縱幅(箱1の内寸深さ)L4と同じ長さ、あるいは第2側壁部6の縱幅L4より短い長さであれば特に限定されないが、押し込み片12の縱幅L3と第2側壁部6の縱幅L4は同じ長さであることが好ましい。本例では押し込み片12の縱幅L3と第2側壁部6の縱幅L4は同じ長さとなっている。
また、押し込み片12の上辺には、指掛け用凹部13が設けられている。
【0021】
このような展開構造を有する本例の箱1は、次のようにして組み立てられる。
先ず、底部2の相対向する二辺に設けられている第1側壁部4を第1折線3から谷折りして立ち上げるとともに、底部2の他の相対向する二辺に設けられている第2側壁部6を第2折線5から谷折りして立ち上げ、この第1側壁部4と第2側壁部6の立ち上げと同期して、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている正方形の折込部10を、対角線となる第5折線9を山折りし、第3折線7、第4折線8を谷折りして内方に二つ折りして三角形とし、第2側壁部6の内面側に折り込んで第2側壁部6の内面に重ねる。
【0022】
次に、この状態から、第2側壁部6の開放辺に設けられている押し込み片12を第6折線11から谷折りして180度折り曲げ、対向する第1側壁部4間に押し込み、二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれている前記折込部を押さえる(
図3参照。)。
このようにして箱1の組み立てが完了する。
【0023】
このように本例の箱1は、隣り合う第1側壁部4と第2側壁部6の間に設けられている折込部10を内方に二つ折りしながら、底部2から第1側壁部4と第2側壁部6を立ち上げ、二つ折りした折込部を第2側壁部6の内面側に折り込んで第2側壁部6の内面に重ね、この状態から、第2側壁部6の開放辺に設けられている押し込み片12を第6折線11から谷折りして180度折り曲げ、対向する第1側壁部4間に押し込み、二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれている前記折込部を押さえるといった簡単な作業で容易に組み立てることができる。
【0024】
このようにして組み立てられた箱1にあっては、対向する第1側壁部4間に押し込んだ押し込み片12は、その横幅L1が第2側壁部6の横幅L2と同幅となっているので、押し込み片12の横幅L1は、シートの厚み分だけ対向する第1側壁部4間の長さより僅かに長くなる。この結果、対向する第1側壁部4間に押し込んだ押し込み片12の両側縁が第1側壁部4の内面に圧接し、対向する第1側壁部4間に押し込んだ押し込み片12が対向する第1側壁4部の内面で挟まれた状態となる。
【0025】
これにより、二つ折りされ三角形となって第2側壁部6の内面側に折り込まれている折込部10を押し込み片12で確実に押さえることができ、組み立てられた箱の形態を保持することができる。
【0026】
また、組み立てられた箱の第1側壁部4と第2側壁部6の外面には障害となるような出っ張り部を生じさせるようなことは無いので、取扱に便利な箱1を得ることができる。
【0027】
また、本例では、押し込み片12の上辺には、指掛け用凹部13が設けられているので、分解時に、対向する第1側壁部4間に押し込まれている押し込み片12の指掛け用凹部13に指を掛けることにより押し込み片12を対向する第1側壁部4間から容易に引き出すことができ、使用後の箱1の分解作業を容易に行うことができる。
【符号の説明】
【0028】
1 箱
2 底部
3 第1折線
4 第1側壁部
5 第2折線
6 第2側壁部
7 第3折線
8 第4折線
9 第5折線
10 折込部
11 第6折線
12 押し込み片
13 指掛け用凹部
L1 押し込み片の横幅
L2 第2側壁部の横幅
L3 押し込み片の縱幅
L4 第2側壁部の縱幅