(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043953
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】ディスペンサー容器の補助具
(51)【国際特許分類】
B65D 47/34 20060101AFI20220309BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
B65D47/34 200
B65D83/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020159078
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】520368600
【氏名又は名称】増田 靖
(72)【発明者】
【氏名】増田 靖
【テーマコード(参考)】
3E014
3E084
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PA03
3E014PB03
3E014PB04
3E014PC03
3E014PD12
3E014PD13
3E014PE14
3E014PE23
3E084AA04
3E084AA12
3E084AB06
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB02
3E084DA01
3E084GB11
3E084KB01
3E084LB02
3E084LD22
(57)【要約】
【課題】既製品のディスペンサー容器に簡単に取り付けて、指や手のひらでポンプヘッドに触れずに、片手で泡や液体を手のひらに受けることが出来るディスペンサー容器の補助具を提供する。
【解決手段】ディスペンサー容器12のポンプヘッドに、ヘッドカバー2と、ネックカバー3と、ウィング状の押し板4と、からなる本体20を、キャップ1により取り付けて、吐出口9より下に新たな作用点11を有するウィング状の押し板4が出来たことにより、新たな実施の方法として、手のひらを上に向け、ネックカバー3を挟むように手の指を差し込み、かつ、手指の甲でウィング状の押し板4を押し下げることにより、その手のひらの上に泡や液体を受けることが出来る。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスペンサー容器にかぶせる本体部分と、
前記本体部分を前記ディスペンサー容器のポンプヘッドに挟んで固定するためのオネジ状の押し棒を中心部に構成するキャップと、
からなり、
前記本体部分は、
前記ディスペンサー容器の前記ポンプヘッドに正面から差し込むヘッドカバーと、
前記ヘッドカバーの下方に繋がり、前記ヘッドカバーの幅より小さく、U字型の断面形状を有する半筒状のネックカバーと、
前記ネックカバーの下方に繋がり、かつ、前記ディスペンサー容器の吐出口より下方の左右に設置されるウィング状の押し板と、
から構成されるディスペンサー容器の補助具。
【請求項2】
請求項1記載のディスペンサー容器の補助具において、
前記ウィング状の押し板は、
前記ネックカバーとつながる部分から外側に向かって下方へ傾斜する形状を一部に有し、
前記ウィング状の押し板のエッジ部分が曲線で構成されたディスペンサー容器の補助具。
【請求項3】
請求項1または2記載のディスペンサー容器の補助具において、
前記ネックカバーを、上向きにした片手の指と指の間に挟むように差し込み、
前記ウィング状の押し板を前記片手の甲で押し下げて、
前記ディスペンサー容器の内容物を、前記片手の手のひらの上に取り出せるディスペンサー容器の補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本ディスペンサー容器の補助具は一般に広く販売され普及しているハンドソープのポンプ容器を片手が使えない時や指先が汚れていてポンプヘッドを押したくない状況、また他の人が使った後ポンプヘッドを指先や手のひらで押したくない状況を考慮して、ポンプヘッドに指先で触ることなく手指の甲により操作できる補助器具である。
【背景技術】
【0002】
ディスペンサー容器自体をてこの原理を応用して押し下げるタイプの製品や、電動ポンプとセンサーを連動させた製品は既に流通しているが、これら製品はディスペンサー容器を交換しなくてはならず、本ディスペンサー容器の補助具は昨今どこの家庭にもあるいはオフィスのような場所にも置いてあるハンドソープ等の容器に後付けして機能する物であり、使用中の容器を廃棄処分しないという利点もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開第2000-185755号公報
【特許文献2】特開第2008-230619号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1(特開第2000-185755号広報)に記載のポンプ式シャンプー容器を片手で操作するための器具は、既存のディスペンサー容器に後付けする方式ではあるが、指先を使って不特定の複数人と共有するという点で感染症等のリスクを否定できない。
【0005】
また、特許文献2(特開第2008-230619号広報)の片手で操作可能なポンプ容器は、手の甲で押し下げるという点では類似しているが、てこの原理を応用した複雑な構造の専用容器であり、また既存のハンドソープの容器を交換して廃棄する必要性が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施の形態におけるディスペンサー容器の補助具は、ディスペンサー容器にかぶせる本体部分と、本体部分をディスペンサー容器のポンプヘッドに挟んで固定するためのオネジ状の押し棒を中心部に備えるキャップとからなる。さらに、本体部分は、ディスペンサー容器のポンプヘッドに正面から差し込むヘッドカバーと、ヘッドカバーの下方に繋がり、前記ヘッドカバーの幅より小さく、U字型の断面形状を有する半筒状のネックカバーと、ネックカバーの下方に繋がり、かつ、ディスペンサー容器の吐出口より下方の左右に設置されるウィング状の押し板とから構成されている。
【発明の効果】
【0007】
本ディスペンサー容器の補助具を取り付けることにより、普段から使い慣れた市販のハンドソープ容器に、新たな追加機能として、片手の手指の甲で一回の操作をすれば、手指の表面で触れることなく、泡や液体ソープを手のひらに吐出することができる。
また、本ディスペンサー容器の補助具は、ディスペンサー容器のポンプヘッド部分にのみ取付けて作用するものであり、ノズルや蓋など他の部分に影響を及ぼす事がない。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態によるディスペンサー容器の補助具を、上から見た平面図である。
【
図2】
図4のA-A′線に示す、ディスペンサー容器の補助具のネックカバー部分の断面図である。
【
図3】
図4のB-B′線に示す、ディスペンサー容器の補助具のネックカバー部分の断面図である。
【
図4】実施の形態によるディスペンサー容器の補助具を、正面から見た立面図である。
【
図5】実施の形態によるディスペンサー容器の補助具を、側面から見た立面図である。
【
図7】ディスペンサー容器の補助具をディスペンサー容器に装着した状態の断面図である。
【
図8】
図1のD-D′線に示す、ディスペンサー容器に装着した状態の断面図である。
【
図9】ディスペンサー容器に装着した状態の正面から見た立面図である。
【
図10】ディスペンサー容器に装着した状態の斜視図である。
【
図11】実施の形態によるディスペンサー容器の補助具を、片手での実施状態を示す斜視図である。
【
図12】実施の形態によるディスペンサー容器の補助具を、両手での実施状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の実施形態において、本ディスペンサー容器補助具を、市販されているK社の泡ハンドソープ容器に取り付けて使用する例を説明する。K社およびL社の泡ハンドソープは、販売シェアが高く、泡ハンドソープ容器の形状サイズもほぼ同等であり、市場の標準品と考えられる。
【0010】
以下の形状を説明するうえで、ディスペンサー容器とは、泡ハンドソープや、液体ソープ以外にも、シャンプー等のポンプ式容器を示している、また、ヘッド、あるいはポンプヘッドとは、ディスペンサー容器の頂上部であり、かつ、手で押し下げてディスペンサー容器のポンプを作動させる部分である。
【0011】
また、押し下げるストロークについては、ディスペンサー容器のポンプヘッドと容器の間に補助具が入り、手指を入れるスペースを確保するため、どうしてもオリジナルのままのストロークは得られないことになるが、図面上で約15ミリのストロークが確保できている、実際に試してみると、13ミリ以上あれば充分な泡や液体が吐出できる。
【0012】
本ディスペンサー容器の補助具で最上部に位置する、
図1及び、
図4のキャップ1は、円形でヘッドカバー2の幅と同じ寸法の直径である、
図6、
図7及び、
図8断面図に示すようにキャップ1を構成する樹脂自体の厚みは薄く軽量化を図っているが、円周の縁部分を折り返して強度を保っており、かつ、取付時のキャップをねじ込む祭に手掛かりにするためのものである。
【0013】
キャップ1の中心部には、直径15ミリメートル程度のオネジ加工をした押し棒5が設けてあり、その先端部分は、ポンプヘッド8の上面頂部に接して押し当てる部分である、そのため、先端部は中心がへこんだ形状で、円周部分で接する形状を有している、これはポンプヘッド頂部に対し点接触にならないようにすることで、接触面が大きくとれキャップの逆転防止効果があり、キャップの緩み止めに期待できるものである。
【0014】
前述のキャップ1とは別構造のパーツで本体20がある、ここでいう本体とは、ヘッドカバー2と、ネックカバー3と、ウィング状の押し板4と、で構成されるものである、本体上部のヘッドカバー2の上面に円筒型の突起6があり、円筒の内側にはメネジ加工がしてある、突起部分は、前記キャップ1の円周部の折り返しの中に隠れる程度の突出で、外からは見えにくい構造にしてある、また、突起を付けることによりメネジに厚みが出来るのでタップを切る量が増えて、オネジを垂直に保持することが出来る。
また、前記突起部分のメネジはヘッドカバー2を貫通しており、前述のキャップのオネジ加工をした押し棒5が、メネジ6を貫通してポンプヘッド頂部に接する、これにより前記押し棒5と、ヘッドカバーの固定支持部7で、ポンプヘッド8を挟み本体20を固定する。
【0015】
ヘッドカバー2は、
図4から見て取れるように、正面の9が開口部になっており、ディスペンサー容器の吐出口が出るようになっている、また
図3ヘッドカバー下面の10も開口部となっている、これは、実施した時に、吐出口から泡または液体が射出されるための開口であり、かつ、液だれをヘッドカバー内部に残さないようにするためのものである。
前記吐出口部分9から左右につながる側面は、
図1に示すように、前記キャップの円形に合わせて丸みを持たせて、最大幅部分から奥方向は直線部で構成される、ここを直線部で構成したのは、ヘッドカバーをディスペンサー容器のポンプヘッドに正面から差し込み、甲端の開口部から中心部まで直線で移動するためのスペース確保の必然性もあるが、応力が伝わる部分であるため、単純な形状で伝達ロスが少なく、かつ、スムーズに伝えるためでもある。
【0016】
前記の直線部分の断面を正面から見た図面が
図8である、この断面は、ディスペンサー容器の補助具を上面から見たときの直線の部分であるが、正面から見た断面では、ウィング状の押し板4、ネックカバー3からヘッドカバー2にかけて、ポンプヘッド8の形状に合わせて、ネックカバーの幅がヘッドカバーの幅より小さくなり4カ所が折れ曲がっている。
本形態を実施するときにウィング状の押し板4に応力11が加わると、
図8の斜線部分のネックカバー3から、ヘッドカバー2を経由してキャップ1の押し棒に応力が伝わり、ディスペンサー容器のポンプヘッド8を押し下げる構造体であり、直線構成で一体化した形状である。
【0017】
前述の、応力を伝える一連の構成の中で、
図2、及び
図3のネックカバー3の直線部分は、前方から後端部にかけて厚みが増すようにテーパー形状を有している、これは、ネックカバーの後端部が、ディスペンサー容器に差し込む為の開口を形成しているために、後端部にたわみが生じないようにするためであり、かつ、前述の縦方向に折れ曲がって応力を伝える構造の補強でもある。
図2、及び
図3に示すU字型断面を有するネックカバー3の前面にあたる曲面状の部分は、前記左右の直線部で構成された一体化構造を、アーチ形状で繋ぎ、実施した時のウィング状の押し板4にかかる応力11が外側に逃げたり、内側へ入り込まないように構成されており、かつ、応力が加わったときにアーチ構造で柔軟に力を分散させて、部分的に力が加わって破損する事を防ぐためである。
【0018】
図2に示す、ネックカバー3の下端部に左右に繋がる部分が、ウィング状の押し板4である、前述の構造において、実施の時の作用点を面状に持ち、作用点からの応力をポンプヘッドに伝える最初の部分である、本ディスペンサー容器の補助具において、見た目でも一番特徴がある部分で、実施の際に一番重要な部分に位置する。
前記ウィング状の押し板の形状特徴として、
図4に示す、吐出口9の下に当たる部分、つまりネックカバーの前端部のアーチ状の部分で左右に分かれて、液だれが溜まるのを防止している、また、ウィング状の押し板の前端部分は手指を入れやすいように、
図5の4に示すように、手前を下方に傾斜をつけて、かつ、
図1の4に示すように、先端を丸く仕上げている、
また、ネックカバーに繋がる部分から外側に向かって下方へ傾斜する形状を一部に有したことにより、ウィング状の押し板の上に水や泡などが溜まらず、清潔な状態を維持できるものである。
【0019】
また、
図2の4のように、ウィング状の押し板を上から見た状態で、後方部分が手指を模した形状にすることにより、直感的にこの部分に手を乗せて押し下げるためのものと分かるようにした、さらに、ウィング状の押し板が吐出口9より下にあるので、手のひらを上に向け、ネックカバー3を指と指の間に挟むように差し込み、手指の甲の部分で押し下げることにより、吐出口から泡や液体を手のひらに受けることが出来ると容易に理解出来るようにした(ここでいう、手指の甲とは、指の裏側と手の甲の部分を言う)。
【0020】
つまり、通常使用している、ディスペンサー容器のポンプヘッドに触れずに泡や液体ソープを出すことを考えたとき、ポンプヘッド以外に新たな押し板が、吐出口より下に付いているのが見て取れれば、その押し板を手指の甲で押し下げることにより、手のひらに泡や液体ソープが吐出されると想像できる構造である。
【0021】
図10は、ディスペンサー容器の補助具を、K社の泡ハンドソープの容器12に装着した状態の斜視図である、既製品のハンドソープの容器のポンプヘッド以外に、新たな作用点、すなわちウィング状の押し板4が付いた状態を示している。
【0022】
図11は、片手13を吐出口より下に位置するウィング状の押し板4に手のひらを上に向けて、ネックカバー3を指と指の間に挟むように差し込み、手指の甲で押し下げ、泡または液体を手のひらに受ける状態を示している。通常は前述の、片手の甲で押し下げる使い方を想定しているが、手の力が弱い小さな子供や高齢者には、
図12の斜視図に示すように両手14を使って左右からネックカバー3を挟むように、ウィング状の押し板に手指の甲を当て押し下げることにより、前述同様の結果が得られる。
【0023】
前述の使用方法は典型的な使用方法の一例であり、これらの方法に限定しているものでは無いことは言うまでもない。
また、本ディスペンサー容器の補助具は前述のとおりキャップと本体の2つのパーツにより構成されており、構造も単純であり、既製品ディスペンサー容器の素材と同様の樹脂で構成しており、汚れにくい配慮をしているので、特にメンテナンスの必要が無い。
【産業上の利用可能性】
【0024】
上記の実施例にあるように、容易に取り付けて簡単な操作で使用方法が理解しやすい点を考えると、一般家庭ではもちろん、保育園や学校などの共用手洗い場や小規模なオフィスなどで市販のハンドソープを使用している環境には、利用しやすいディスペンサー容器の補助具である。
【符号の説明】
【0025】
1 キャップ(ねじ込み式キャップ)
2 ヘッドカバー
3 ネックカバー
4 ウィング状の押し板
5 オネジ押し棒
6 メネジ(貫通型)
7 固定支持部
8 ディスペンサー容器のポンプヘッド
9 吐出口開口部
10 吐出口下方開口部
11 新たな作用点
12 ハンドソープ等のディスペンサー容器
13 片手の手のひら
14 小さな両手の手のひら
20 本体