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▶ 長屋 幸助の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043958
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】窓用シート貼付け液
(51)【国際特許分類】
   C09J 105/00 20060101AFI20220309BHJP
【FI】
C09J105/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020160212
(22)【出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】514237024
【氏名又は名称】長屋 幸助
(72)【発明者】
【氏名】長屋 幸助
【テーマコード(参考)】
4J040
【Fターム(参考)】
4J040HB43
4J040KA38
4J040MA05
4J040MB05
4J040NA12
4J040PA42
(57)【要約】
【課題】窓面にシートを貼る方法として、ガラス面にシートを吸着させる「水貼り」という技術が用いられている。この「水貼り」は、ガラスが完全に平面でなければならないうえ、剥がれやすく、乾くまで四隅をテープで止めておく等の処置を行うのが一般的であるが、後に取り除く等の手間がかかる。また、平面度の低いガラス、たとえば網入りガラス等には適用できないという難点がある。そこで、シート貼り付け時に仮止めテープを必要とせず、かつ窓材料をガラスに限定することなく、さらに窓面の平面度が低くとも透明度を維持したまま吸着が安定し、自重とかシートの弾性ではがれることがなく、窓に外乱が与えられても吸着が安定していること、さらに、シートを簡単にはがすことができて窓を完全に元の状態に戻すことができること、等の特徴を有するシート貼り付け液が必要とされている。本発明の課題は、以上のような特徴を有するシート貼り付け液を提供することである。
【解決手段】本発明に係わるシート貼り付け液は、透明な砂糖液と少量の透明な防虫液を水で希釈して構成する。さらに、少量の透明な界面活性剤を混入することで貼り付け液のシート貼り付け面の展開性を容易にしている。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水に溶けると透明になる糖と透明な防虫液あるいは殺虫液を水で希釈混合して形成されるシート貼り付け液。
【請求項2】
請求項1の液に少量の透明な界面活性剤を混入して形成されるシート貼り付け液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートを容易に窓に貼り付けることができ、貼り付けが安定しているが、それを容易に剥がすこともできて、窓を元通りに復元するのに好的なシート貼り付け液に関する。
【背景技術】
【0002】
窓の目隠しとか断熱のため、窓に透明の単層あるいは複層のシートを貼ることが古くから行われているが、接着剤を用いた方法では、貼り付け時にしわがよるため貼り付けが難しい、位置調整が難しい、かつ、一時的に貼り付ける場合は、剥がして元通りにすることが難しいなどの難点がある。そこで、シート貼り付けが簡単で、あとでシートを取り外すことが容易になるよう、水でシートを貼る吸着貼り付けの方法が一般的に用いられている。この方法は「水貼り」と言われている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】装飾用シートの2つの施工方法(ガラス面),https://www.nakagawa.co.jp/yakudachi/pasting.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記「水貼り」によれば、貼り付けが容易で、大型のシートでも位置調整が簡単で、透明色を確保でき、取り外しも容易なため、多用されているが、問題がないわけではない。
【0005】
上述のように「水貼り」には他の貼り付け法にない長所があるが、水を使ってシートをガラスに吸着させるので、ガラスが完全に平面でなければならないうえ、剥がれやすく、乾くまで四隅をテープで止めておくことが一般的に行われる。しかし、美観を損なうのでこれを外すことになるが、手間がかかり、窓が高いところにある場合などは、仕事量が増大する。とくに、テープを取り去った後は外乱で剥がれ易く、さらに、平面度の低いガラス、たとえば網入りガラス等には適用できないという難点がある。
【0006】
本発明は、上述の欠点を解消する下記のような特徴を有するシート貼付け液を提供する。すなわち、窓材料をガラスに限定することなく、平面度が低くとも透明度を維持したままシートの吸着が安定し、自重とかシートの弾性ではがれることがなく、窓に外乱が与えられても吸着が安定している。一方、シートを仮止めテープを用いないで簡単に窓面に貼り付けることができ、また、簡単にシートをはがすことができ、そのあと窓面を水拭きすることで、窓が完全に元の状態にもどるような特徴を有する水に代わるシート貼り付け液を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係わるシート貼り付け液20は、水に溶けると透明な糖11と透明な防虫液あるいは殺虫液(以下防虫液と称する)12を水10で希釈混合して形成する。
【0008】
前記シート貼り付け液20にさらに少量の透明な界面活性剤を混入したシート貼り付け液21を形成する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の貼り付け液20あるいは21を用いると、透明度を維持したままシートを窓に貼り付けることができ、テープの仮止め無しに吸着が安定し、自重とかシートの弾性ではがれることがなく、窓に外乱が与えられても吸着が安定している。
【0010】
本発明のシートは糖と水で構成された粘度の低い液で窓とシートとの吸着を粘着で補助しているだけで、通常の接着剤と異なり、粘着力は小さいので、簡単にはがすことができる。また、糖は水に溶けるので、シートを剥がした後、水拭きすることで、窓面を完全に元の状態に戻すことができる。
【0011】
平らなガラスのみならず、窓面の平面度が低い窓、たとえば網入りガラスおよびガラスでない窓にも適用できる。
【0012】
本発明の貼り付け液は飲用しない限り、人体に無害であるので、素手で作業をすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の糖としては、グラニュー糖あるいは白砂糖(砂糖30と称する)を使用できる。そこで、砂糖30を水10に混入した希釈砂糖液25を作る。このとき、通常のシートに対しては、砂糖30の重量パーセントは数パーセント程度で、わずかな粘度が発生する程度で良い。ここで、砂糖の量が大きいほど粘度が大きくなり、粘着力は大きくなるので、密度が高く厚いシートを貼り付ける場合は、砂糖の量を多くする。なお、本発明で用いる糖の種類に限定はない。
【0014】
本発明では、シート貼り付けの後、貼り付け液はシートと窓の間にあるので、直接糖が露出することは少ないが、シートの端とか、その他に貼り付け液が付着すると思われる。そこで、虫が集まることを防止するため、上記砂糖液25に透明の防虫液を混入して防虫液入りシート貼り付け液20を形成する。防虫液の量は使う薬剤の仕様にしたがって決定される。
【0015】
前記貼り付け液20でシートを貼ることができるが、液20を窓全面にまんべんなく延ばすため、界面活性剤としての透明な洗剤を少量貼り付け液20に混入し、貼り付け液21を形成する。このときの界面活性剤の量は砂糖に対して、数パーセント(重量パーセント)で良い。
【符号の説明】
【0016】
10…水、11…砂糖液、12…防虫液、20…シート貼り付け液、21…界面活性剤入りシート貼り付け液、25…希釈砂糖液、30…砂糖