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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022043973
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】電気自動車の充電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220309BHJP
   B60L 53/50 20190101ALI20220309BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20220309BHJP
【FI】
H02J7/00 P
B60L53/50
B60L53/53
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021026180
(22)【出願日】2021-02-22
(31)【優先権主張番号】202010919421.X
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
【住所又は居所原語表記】No.3,Tungyuan Road,Chungli Industrial Zone,Chungli City,Taoyuan County Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐 瑞源
(72)【発明者】
【氏名】謝 明憲
(72)【発明者】
【氏名】黄 凱鴻
【テーマコード(参考)】
5G503
5H125
【Fターム(参考)】
5G503AA08
5G503BA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503GB01
5G503GB03
5G503GB06
5H125AA01
5H125AC12
5H125BE02
5H125CD06
5H125CD07
5H125DD02
5H125FF14
(57)【要約】
【課題】熱エネルギーの回収による自己充電が可能な電気自動車の充電モジュールを提供する。
【解決手段】キャビネット内に設置されている電力変換モジュールを含み、電力を出力する電力変換ユニットと、電力変換ユニットを放熱させる放熱ユニットと、電力変換ユニットと放熱ユニットが動作する時の両者の間の温度差に基づいて電気エネルギーを発生する熱電モジュールと、を含む電気自動車の充電モジュールである。上述の電気エネルギーは電力変換ユニット及び/又は放熱ユニットに供給される。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気自動車の充電モジュールであって、
キャビネット内に設置されている電力変換モジュールを含み、電力を出力する電力変換ユニットと、
電力変換ユニットを放熱させる放熱ユニットと、
前記電力変換ユニット及び前記放熱ユニットが動作する時の両者の間の温度差を利用して、電気エネルギーを発生する熱電モジュールと、
を含み、
前記電気エネルギーは、前記電力変換ユニット及び/又は前記放熱ユニットに供給されることを特徴とする電気自動車の充電モジュール。
【請求項2】
液冷式放熱する時、前記放熱ユニットは液冷ポンプであることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項3】
前記放熱ユニットと前記熱電モジュールは、前記キャビネット内に設置されていることを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項4】
前記放熱ユニットと前記熱電モジュールは、前記キャビネット内に設置されていないことを特徴とする請求項2に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項5】
さらに、前記電力変換ユニットと前記液冷ポンプとの間に接続された第1配管と第2配管とを含み、
前記電力変換ユニットにより発生される熱エネルギーは前記第1配管を介して前記液冷ポンプに輸送され、前記液冷ポンプは前記第2配管を介して冷水を前記電力変換ユニットに輸送し、
前記熱電モジュールは前記第1配管の第1温度と前記第2配管の第2温度を伝導され、前記第1温度と前記第2温度との前記温度差に基づいて前記電気エネルギーを発生することを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項6】
空冷式放熱する時、前記放熱ユニットは空冷ファンであることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項7】
前記放熱ユニットは、前記キャビネット内に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項8】
前記熱電モジュールは前記電力変換ユニット上に設置され、前記電力変換ユニットの第1温度と前記キャビネット内の第2温度を伝導され、前記第1温度と前記第2温度との間の前記温度差に基づいて前記電気エネルギーを発生することを特徴とする請求項7に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項9】
前記熱電モジュールは前記キャビネットの吸気口に設置され、前記キャビネット内の第1温度と前記キャビネット外の第2温度を伝導され、前記第1温度と前記第2温度との間の前記温度差に基づいて前記電気エネルギーを発生することを特徴とする請求項7に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項10】
前記熱電モジュールは前記キャビネットの排気口に設置され、前記キャビネット内の第1温度と前記キャビネット外の第2温度を伝導され、前記第1温度と前記第2温度との間の前記温度差に基づいて前記電気エネルギーを発生することを特徴とする請求項7に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項11】
前記キャビネットに取り付けられているか、または、取り付けられていない配電ユニットをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項12】
前記熱電モジュールに結合され、第1電力を入力され、前記第1電力を第2電力に変換する第1電力変換器と、
前記第1電力変換器に結合され、前記第2電力を入力されエネルギーを蓄積する蓄電ユニットと、
前記第1電力変換器と前記蓄電ユニットに結合され、前記第2電力を入力され、前記第2電力を前記電気エネルギーに変換して前記電力変換ユニット及び/又は前記放熱ユニットに供給する、第2電力変換器と、
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項13】
前記第1電力変換器は交流/直流変換器又は直流/直流変換器であり、
前記第2電力変換器は直流/直流変換器又は直流/交流変換器である、ことを特徴とする請求項12に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項14】
前記熱電モジュールは熱電発生装置であり、前記電力変換モジュールは交流/直流変換器であることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【請求項15】
前記電気自動車の充電モジュールは充電装置内に設置され、前記電力変換ユニットの出力電力は前記充電装置に電力を供給するのに用いられることを特徴とする請求項1に記載の電気自動車の充電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電気自動車の充電モジュールに関し、特に、熱エネルギーの回収による自己充電が可能な電気自動車の充電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
電気自動車の充電モジュールは、一般的に、電気自動車の充電システムにおける重要な電力変換部材であり、電気自動車の充電システムはこの電気自動車の充電モジュールを介して電力を変換し、充電装置により電力を電気自動車に供給する。図1及び図2のそれぞれは、従来の電気自動車の充電モジュールが気体方式で放熱することを示す図と、従来の電気自動車の充電モジュールが液体方式で放熱することを示す図である。キャビネット式電力変換装置を有する電気自動車の充電モジュールを例とする場合、従来の電気自動車の充電モジュールの設計は、一般的に、気体(例えば、風)又は液体(例えば、水)を介して熱を連れ出す手段によりシステムにおける電力変換装置の放熱効果を達成する。図1の空冷式を例とする場合、冷風をキャビネット90内に送り込んでキャビネット90内の電力変換装置95により発生された熱を連れ出すことにより、電力変換装置95に対する冷却を実現する。また、図2の液冷式を例とする場合、液冷式冷却機80に冷水配管82と熱水配管84を組み合わせて使用することにより、電力変換装置95により発生された熱を、熱水配管84を経由して液冷式冷却機80に連れ出し、液冷式冷却機80により供給される冷水が冷水配管82を経由して電力変換装置95を冷却するようにする。しかしながら、上記放熱手段によっては、余分の熱エネルギーを空気中に放出し、又は液体と空気を経由して熱交換するしかなく、即ち、空気に放出された熱エネルギーはその他の用途に利用されることなく、エネルギーの無駄、環境破壊、経済的実益が好ましくない等の問題を引き起こす。
【0003】
このため、熱エネルギーの回収により環境保護と省エネを兼ね経済的実益を向上させる目的を実現するための、電気自動車の充電モジュールを如何に設計するかが、本願の発明者が検討すべき重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、電気自動車の充電モジュールを提供し、充電過程に発生した余分の熱エネルギーが空気中に放出され、その他の用途に提供できないため、エネルギーの無駄、環境破壊、経済的実益が好ましくない問題を引き起こすことを解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するため、本発明により提供される電気自動車の充電モジュールは、キャビネット内に設置された電力変換モジュールを含み、電力を出力する電力変換ユニットと、電力変換ユニットを放熱させる放熱ユニットと、電力変換ユニットと放熱ユニットが動作する時に両者の間に発生する温度差を利用して電気エネルギーを発生する熱電モジュールと、を含む。上述の電気エネルギーは電力変換ユニット及び/又は放熱ユニットに供給される。
【0006】
一実施形態において、液冷放熱する時、放熱ユニットは液冷ポンプである。
【0007】
一実施形態において、放熱ユニットと熱電モジュールは、キャビネット内に設置されている。
【0008】
一実施形態において、放熱ユニットと熱電モジュールは、キャビネット内に設置されていない。
【0009】
一実施形態において、電気自動車の充電モジュールは、さらに、電力変換ユニットと液冷ポンプとの間に接続されている第1配管と第2配管を含む。電力変換ユニットにより発生された熱エネルギーは第1配管を介して液冷ポンプに輸送される。液冷ポンプは第2配管を介して冷水を電力変換ユニットに輸送する。熱電モジュールは第1配管の第1温度と第2配管の第2温度を伝導され、第1温度と第2温度との温度差に基づいて電気エネルギーを発生する。
【0010】
一実施形態において、空冷放熱する時、放熱ユニットは空冷ファンである。
【0011】
一実施形態において、放熱ユニットは、キャビネット内に設置される。
【0012】
一実施形態において、熱電モジュールは電力変換ユニット上に設置され、電力変換ユニットの第1温度とキャビネット内の第2温度を伝導され、第1温度と第2温度との温度差に基づいて電気エネルギーを発生する。
【0013】
一実施形態において、熱電モジュールはキャビネットの吸気口に設置され、キャビネット内の第1温度とキャビネット外の第2温度を伝導され、第1温度と第2温度との温度差に基づいて電気エネルギーを発生する。
【0014】
一実施形態において、熱電モジュールはキャビネットの排気口に設置され、キャビネット内の第1温度とキャビネット外の第2温度を伝導され、第1温度と第2温度との温度差に基づいて電気エネルギーを発生する。
【0015】
一実施形態において、電気自動車の充電モジュールは、キャビネットに取り付けられているか、または、取り付けられていない配電ユニットをさらに含む。
【0016】
一実施形態において、電気自動車の充電モジュールは、さらに、熱電モジュールに結合され、第1電力を入力され、第1電力を第2電力に変換する第1電力変換器と、第1電力変換器に結合され、第2電力を入力されてエネルギーを蓄積する蓄電ユニットと、第1電力変換器と蓄電ユニットに結合され、第2電力を入力され、第2電力を電気エネルギーに変換して電力変換ユニット及び/又は放熱ユニットに供給する第2電力変換器と、を含む。
【0017】
一実施形態において、第1電力変換器は交流/直流変換器又は直流/直流変換器であり、第2電力変換器は直流/直流変換器又は直流/交流変換器である。
【0018】
一実施形態において、熱電モジュールは熱電発生装置であり、電力変換モジュールは交流/直流変換器である。
【0019】
一実施形態において、電気自動車の充電モジュールは充電装置内に設置され、出力電力は充電装置に電力を供給するのに用いられる。
【0020】
一実施形態において、電力変換モジュールは交流/直流変換器である。
【0021】
一実施形態において、電気自動車の充電モジュールは充電装置内に設置され、電力変換ユニットの出力電力は充電装置に電力を供給するのに用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】従来の電気自動車の充電モジュールの気体方式により放熱することを示す図である。
図2】従来の電気自動車の充電モジュールの液体方式により放熱することを示す図である。
図3】本発明の電気自動車の充電モジュールのブロック図である。
図4A】本発明の熱電モジュールにより発生する電圧が供給電圧に変換されることを示すブロック図である。
図4B図4Aの電路を示す図である。
図5】本発明の電気自動車の充電モジュールが液冷式で放熱することを示す図である。
図6A】本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第1実施形態を示す図である。
図6B】本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第2実施形態を示す図である。
図6C】本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第3実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の目的を達成するために用いられる技術、手段及び効果をより深く理解できるように、図面を参照しながら本発明の内容を詳細に説明する。よって、本発明の目的、特徴と特性をより深く且つ具体的に理解することができるが、添付の図面は参考と説明のためのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0024】
以下、図面に合わせて本発明の技術内容及び詳細な内容を説明する。
【0025】
図3は本発明の電気自動車の充電モジュールのブロック図である。電動自動車の充電モジュールは、電力変換ユニット10、放熱ユニット20及び熱電モジュール30を含む。本発明において、電気自動車の充電モジュールにより発生される電力は充電装置100に電力を供給するのに用いられる。実際の応用において、電気自動車の充電モジュールは充電装置100内に設置されてもよく、又は充電装置100外に設置されてもよいが、いずれも発生された電力を充電装置100に供給するのに用いられる。図3に示された実施形態において、電気自動車の充電モジュールが充電装置100外に設置された電力供給手段を示す。しかし、電気自動車の充電モジュールが充電装置100内に設置された図との違いは、電気自動車充電モジュールが充電装置100内に描かれたことのみであり、給電接続手段は設計により充電装置100に電力を供給することができる。
【0026】
充電装置は電気自動車(バッテリー式電気自動車及びプラグインハイブリッド電気自動車を含む)のために電気エネルギーを補充するデバイスであり、ガソリン自動車に使用されるガソリンスタンド又は天然ガススタンドに類似し、充電装置は電気自動車充電施設の一つである。充電装置により提供される出力電力に従って分類する場合、充電装置は交流充電装置と直流充電装置に分けることができる。一般的に、高速充電装置はいずれも直流充電装置(但し、全ての直流充電装置が高速充電装置とは限らない)である。
【0027】
電力変換ユニット10は、キャビネット内に設置された電力変換モジュール11を含み、又は、さらに出力電力VOUTを提供する配電ユニット12を含む。ここで、配電ユニット12はキャビネット内に設置されてもよく、キャビネット外(即ち、キャビネット内でない)に設置されてもよい。言い換えれば、電力変換ユニット10は電力変換モジュール11(キャビネット内に設置)のみを含んでもよく、又は、同時に電力変換モジュール11(キャビネット内に設置)及び配電ユニット12(キャビネット内に設置されてもよく、キャビネット外に設置されてもよい)を含んでもよい。ここで、電力変換モジュール11は電力を変換するのに用いられ、電力変換の操作を実現するための電力変換回路を有することができる。配電ユニット12(又は、電力配分器、電力配分ユニット(power distribution unit、PDU)とも呼ばれる)は電力を配分するのに用いられ、保護及び警報の機能を有し、キャビネット内に設置される場合、キャビネット式電力配分器(rack power distribution unit、rPDU)とすることができ、異なる顧客のニーズにより、周辺機器の配電をより効率化し、高密度配電のニーズを満たすのにより適切である。
【0028】
放熱ユニット20は電力変換ユニット10に対し液冷又は空冷式放熱を実行する。図3に示すように、電力変換ユニット10は、電力変換モジュール11と配電ユニット12が動作する時、充電装置100に対する電力供給過程に発熱エネルギーEHGを発生するようにし、即ち、充電装置100に対し電力を供給する過程において、電力変換ユニット10を発熱する熱源と見なすことができる。
【0029】
放熱ユニット20は電力変換ユニット10に対し液冷又は空冷式放熱し、従って、冷却エネルギーEHDを提供することとして見なすことができ、電力変換ユニット10の温度を下げるために、電力変換ユニット10の放熱に用いられる。
【0030】
熱電モジュール30の冷熱両端が同時に異なる温度(即ち、発熱エネルギーEHGにより発生される高温及び冷却エネルギーEHDにより発生される低温)に接触する場合、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、熱電効果(thermoelectric effect)又はペルチェゼーベック効果(Peltier-Seebeck effect)を形成し、それによって、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。ここで、熱電モジュール30は熱電発生装置であってもよい。このため、熱電モジュール30は電力変換ユニット10により発生される発熱エネルギーEHGと放熱ユニットにより提供される冷却エネルギーEHDを受け取り、発熱エネルギーEHGと冷却エネルギーEHDとの(即ち、電力変換ユニット10及び放熱ユニット20が動作する時の両者の間)の温度差(存在する熱エネルギー)に基づいて一部の発熱エネルギーEHGを電気エネルギーに変換する。これにより、熱電モジュール30により発生される電気エネルギーは、電力変換ユニット10及び/又は放熱ユニット20に必要な電力を供給するのに用いられる。本実施形態において、熱電モジュール30の電力変換ユニット10に対する供給電圧は電圧V10であり、熱電モジュール30の放熱ユニット20に対する供給電圧は電圧V20である。これにより、熱エネルギーの回収と再利用により、電力変換ユニット10と放熱ユニット20に電力を供給することができる電力を発生し、環境保護、省エネ及び経済的実益の向上を兼ねて実現する。
【0031】
図4A図4Bのそれぞれは、本発明の熱電モジュールにより発生される電圧を供給電圧に変換することを示すブロック図と概略図である。一実施形態において、以下に説明するように、電力変換ユニット10に対する供給電圧V10と放熱ユニット20に対する供給電圧V20は、熱電モジュール30により発生される電力を変換しエネルギーを蓄積することにより実現することができる。電気自動車の充電モジュールは、さらに、第1電力変換器31、蓄電ユニット32及び第2電力変換器33を含む。上記のように、熱電モジュール30は発熱源と放熱器との間に設置され、発熱源は電力変換ユニット10であり、放熱器は放熱フィンであり、熱電モジュール30の冷熱両端が同時に異なる温度に接触する場合、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、それによって、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。
【0032】
具体的に、第1電力変換器31は熱電モジュール30に結合され、第1電力V1を入力され、第1電力V1を第2電力V2に変換する。異なる実施形態において、熱電モジュール30により出力される第1電力V1は直流電力又は交流電力であることができるため、第1電力変換器31は交流/直流変換器(AC-to-DC converter)又は直流/直流変換器(DC-to-DC converter)であり、電圧の低い第1電力V1を電圧の高い第2電力V2に上昇させるために、電圧上昇式の変換器であることができる。
【0033】
蓄電ユニット32は第1電力変換器31に結合され、第2電力V2を入力されてエネルギーを蓄積する。ここで、蓄電ユニット32は蓄電池(又は充電式電池と称する)である。
【0034】
第2電力変換器33は、第1電力変換器31と蓄電ユニット32に結合され、第2電力を入力され、第2電力V2を前記電気エネルギーに変換して電力変換ユニット10の供給電圧V10及び/又は放熱ユニット20の供給電圧V20を提供する。異なる実施形態において、供給電圧V10と供給電圧V20は直流電力又は交流電力であってもよく、従って、第2電力変換器33は直流/直流変換器(DC-to-DC converter)又は直流/交流変換器(DC-to-AC converter)である。
【0035】
さらに、実際の応用において、蓄電ユニット32はエネルギーを蓄積するだけでなく、熱電モジュール30が電力を出力しない(例えば、第1電力V1を出力しない)時、蓄積された電気エネルギーを出力し、第2電力変換器33によって変換された後、供給電圧V10及び/又は供給電圧V20として使用される。
【0036】
このため、第2電力変換器33が直流/直流変換器である時、直流の第2電力V2又は蓄電ユニット32により出力された電圧をその他の電圧値の直流供給電圧V10又は供給電圧V20に変換することができる。又は、第2電力変換器33が直流/直流変換器である時、直流の第2直流電力V2又は蓄電ユニット32により出力された電圧を交流供給電圧V10又は供給電圧V20に変換することができ、これにより、電力変換ユニット10又は放熱ユニット20に直流又は交流の電力を供給することができる。
【0037】
図5は本発明の電気自動車の充電モジュールが液冷式で放熱することを示す図である。キャビネット(未図示)内に設置された電力変換ユニット10は交流入力母線(AC input bus bar)BACを介して、交流電力VACを供給し、変換された交流電力VACは直流出力母線(DC output bus bar)BDCを介して直流電力VDCを出力し充電装置100に電力を供給(充電)する。しかしながら、これに限定されず、電力変換ユニット10は交流電力を出力して充電装置100に電力を供給(充電)することもできる。さらに、液冷式冷却機20(本発明の放熱ユニット20の一実施形態であり、ここで、液冷式冷却機20は主に液冷ポンプを含む)を冷水配管22と熱水配管24と組み合わせて使用することにより、電力変換ユニット10により発生された熱を、熱水配管24を経由して液冷式冷却機20に輸送し、液冷式冷却機20により提供された冷水を、冷水配管22により電力変換ユニット10に輸送して電力変換ユニット10を冷却させる。
【0038】
さらに、熱電モジュール30は冷水配管22と熱水配管24との間に設置され、即ち、熱電モジュール30の冷熱両端は同時に異なる温度(冷水配管22の温度は熱水配管24の温度より低い)に接触するため、冷水配管22と熱水配管24との温度差は冷熱端に電子を流動させて熱電モジュール30に電流を発生するようにし、それによって、熱電モジュール30は熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。本実施形態において、熱電モジュール30は電力変換ユニット10に対する供給電圧である電圧V10及び液冷式冷却機20に対する供給電圧である電圧V20を直接提供することができ、これにより、電力変換ユニット10と液冷式冷却機20の必要とする電力を供給する。又は、熱電モジュール30は図4A(又は図4B)のような電力変換及びエネルギー蓄積構造を介して、その出力された電力を変換しエネルギーを蓄積することができ、さらに電力変換ユニット10及び液冷式冷却機20に対する電力を供給する。従って、電力変換ユニット10により発生される熱エネルギーは熱電モジュール30を介して電気エネルギーに変換され、熱エネルギーを回収し再利用する目的を達成することができ、環境保護、省エネ及び経済的実益を向上させる優位性を兼ねて備える。
【0039】
異なる実施形態において、熱電モジュール30の数は複数であってもよい。言い換えれば、熱電モジュール30の数は複数以上であり、冷水配管22と熱水配管24との間に配置されてもよく、同様に冷水配管22と熱水配管24との温度差によって冷熱端に電子を流動させて熱電モジュール30に電流を発生し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効果を達成することができ、よって、電力変換ユニット10に対する供給電圧V10及び放熱ユニット20に対する供給電圧V20を発生することにより、電力変換ユニット10と放熱ユニット20が必要とする電力を供給する。
【0040】
さらに、異なる実施形態において、液冷式冷却機20(即ち、放熱ユニット20の一実施形態である)と熱電モジュール30はキャビネット内でない所(即ち、キャビネット外)に設置されてもよく、又は、設計を介して液冷式冷却機20と熱電モジュール30とをキャビネット内に統合的に設置してもよい。
【0041】
図6Aは本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第1実施形態を示す図である。本実施形態において、熱電モジュール30は電力変換ユニット10上に設置され、即ち、電力変換モジュール11及び/又は配電ユニット12に設置されてもよく、両者のうちより多くの熱エネルギーを発生するいずれかを考慮することができる。冷風をキャビネットに送り込むことにより、キャビネット内の電力変換ユニット10が発生する熱を連れ出し、電力変換ユニット10を冷却することができる。放熱すると同時に、熱電モジュール30の一端は電力変換ユニット10に貼り付けられるため、電力変換ユニット10の温度(第1温度)を伝導されることができ、熱電モジュール30の他端はキャビネット内の(位置する)温度(第2温度)を伝導されることができ、この温度は冷風がキャビネットに送り込まれることによる温度である。従って、熱電モジュール30の冷熱両端は同時に異なる温度(即ち、第1温度が第2温度より高い)と接触し、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、そのため、熱エネルギーは電気エネルギーに変換される。従って、熱電モジュール30は電力変換ユニット10に対する供給電圧である電圧V10及び給排気するファン装置又は空冷ファン(未図示)の供給電圧を供給することができ、これにより、電力変換ユニット10とファン装置又は空冷ファンが必要とする電力を供給することができる。
【0042】
図6Bは本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第2実施形態を示す図である。本実施形態において、熱電モジュール30はキャビネットの吸気口91に設置され、キャビネット外に露出する。同様に、吸気口91から冷風をキャビネットに送り込むことにより、キャビネット内の電力変換ユニット10が発生する熱を連れ出し、電力変換ユニット10を冷却する。放熱すると同時に、熱電モジュール30の一端がキャビネット内に露出されるため、キャビネット内の温度(第1温度)を伝導されることができ、熱電モジュール30の他端はキャビネット外に露出され、キャビネット外の温度(第2温度)を伝導されることができる。従って、熱電モジュール30の冷熱両端は同時に異なる温度(即ち、第1温度が第2温度より高い)と接触し、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、そのため、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。従って、熱電モジュール30は電力変換ユニット10に対する供給電圧である電圧V10及び給排気するファン装置又は空冷ファン(未図示)の供給電圧を供給することができ、これにより、電力変換ユニット10とファン装置又は空冷ファンが必要とする電力を供給することができる。
【0043】
図6Cは本発明の電気自動車の充電モジュールが空冷式で放熱する第3実施形態を示す図である。本実施形態において、熱電モジュール30はキャビネットの排気口92に設置され、キャビネット外に露出する。同様に、吸気口91から冷風をキャビネットに送り込むことにより、キャビネット内の電力変換ユニット10により発生された熱を排気口92から連れ出し、電力変換ユニット10を冷却することができる。放熱すると同時に、熱電モジュール30の一端がキャビネット内に露出されるため、キャビネット内の温度(第1温度)を伝導されることができ、熱電モジュール30の他端はキャビネット外に露出され、キャビネット外の温度(第2温度)を伝導されることができる。従って、熱電モジュール30の冷熱両端は同時に異なる温度(即ち、第1温度が第2温度より高い)と接触し、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、そのため、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する。そのため、熱電モジュール30は電力変換ユニット10に対する供給電圧である電圧V10及び給排気するファン装置又は空冷ファン(未図示)の供給電圧を供給することができ、これにより、電力変換ユニット10とファン装置又は空冷ファンが必要とする電力を供給することができる。
【0044】
異なる実施形態において、熱電モジュール30が設置される位置は図6A図6B又は図6Cに設置された位置に限定されず、言い換えれば、熱電モジュール30はキャビネット内の温度に敏感な位置に設置されてもよい。又は、熱電モジュール30は同時に、電力変換ユニット10(図6A)上、キャビネットの吸気口91(図6B)及びキャビネットの排気口92(図6C)に設置されてもよく、即ち熱電モジュール30の数は複数であってもよく、さらに複数の位置に設置され使用されることができる。同様に、熱電モジュール30の冷熱両端を利用して同時に異なる温度に接触し、その温度差は冷熱端に電子を流動させて電流を発生し、そのため、熱エネルギーを電気エネルギーに変換し、電力変換ユニット10に対する供給電圧である電圧V10及び給排気するファン装置又は空冷ファン(未図示)の供給電圧を提供し、これにより、電力変換ユニット10とファン装置又は空冷ファンが必要とする電力を供給する。
【0045】
要するに、本発明は以下のような特徴と利点を有する。簡単な素子である熱電モジュールを使用し、その熱電変換の特性を利用し、熱エネルギーを電気エネルギーに変換してシステムデバイスに必要な電力を供給することにより、熱エネルギーを回収し再利用する目的を達成し、環境保護、省エネ及び経済的実益を向上させる優位性を兼ねて備える。
【0046】
上記は、本発明の好ましい具体的な実施形態の詳細な説明と図に過ぎないが、本発明の特徴はこれに限定されず、本発明を限定するためのものではなく、本発明の全ての範囲は特許請求の範囲に準じ、本発明の特許請求の範囲の精神とそれに類似する変化に適合する実施形態であれば、いずれも本発明の範囲に含まれており、当業者が本発明の分野において、簡単に想到できる変更や修飾はいずれも本願の特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0047】
90 キャビネット
95 電力変換装置
80 液冷式冷却機
82 冷水配管
84 熱水配管
100 充電装置
10 電力変換ユニット
20 放熱ユニット(液冷式冷却機)
30 熱電モジュール
11 電力変換モジュール
12 配電ユニット
31 第1電力変換器
32 蓄電ユニット
33 第2電力変換器
91 吸気口
92 排気口
22 冷水配管
24 熱水配管
AC 交流電力
DC 直流電力
OUT 出力電力
HG 発熱エネルギー
HD 冷却エネルギー
V1 第1電力
V2 第2電力
10 供給電圧
20 供給電圧
AC 交流入力バス
DC 直流出力バス
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図6C