(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044048
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】演出出力玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/00 20060101AFI20220309BHJP
A63H 33/26 20060101ALI20220309BHJP
【FI】
A63H33/00 C
A63H33/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189182
(22)【出願日】2021-11-22
(62)【分割の表示】P 2020148945の分割
【原出願日】2020-09-04
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】岡田 惠二
(72)【発明者】
【氏名】勝野 真弥
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 克也
(72)【発明者】
【氏名】古谷 純平
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150BB03
2C150CA15
2C150DF01
2C150DG01
(57)【要約】
【課題】演出制御の正確性に優れ興趣性の高い演出出力玩具を提供する。
【解決手段】演出出力玩具1は、演出を起動する起動ボタン36b,38fを備える副玩具体30と、副玩具体30の着脱が可能な主玩具体と10、を備え、主玩具体は10、起動ボタン36b,38fを動作させるボタン動作部46,48と、リンク機構40,50と、リンク機構40,50を介してボタン動作部46,48を駆動する操作トリガー16と、を有し、リンク機構40,50は、操作トリガー16による一回目の前記ボタン動作部46,48の駆動と同時に、操作トリガー16によるボタン動作部46,48の操作を無効とするロック機構を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
演出を起動する起動部を備える副玩具体と、
前記副玩具体の着脱が可能な主玩具体と、を備え、
前記主玩具体は、前記起動部を動作させる動作部と、リンク機構と、前記リンク機構を介して前記動作部を駆動する操作トリガーと、を有し、
前記リンク機構は、前記操作トリガーによる一回目の前記動作部の駆動と同時に、前記操作トリガーによる前記動作部の操作を無効とするロック機構を備えている、
演出出力玩具。
【請求項2】
請求項1に記載の演出出力玩具であって、
前記ロック機構は、前記操作トリガーによる前記動作部の操作を有効化するためのロック解除部材を含む、
演出出力玩具。
【請求項3】
請求項2に記載の演出出力玩具であって、
前記ロック解除部材は、前記主玩具体において露出して設けられ、前記副玩具体の前記主玩具体からの着脱を検出可能である、
演出出力玩具。
【請求項4】
請求項1~3何れか一項に記載の演出出力玩具であって、
前記リンク機構は、
前記副玩具体の装着により前記副玩具体に押されて前記主玩具体の内部に向う第1の移動が可能なロック解除部材と、
前記ロック解除部材の前記第1の移動により押圧されて前記第1の移動とは直交する方向の第2の移動が可能な第1ロック部材と、
前記第1ロック部材を移動可能に内装し前記第2の移動と同一平面上で直交する方向に移動して前記起動部のうち第1起動部を押圧する第4の移動が可能な第1部材と、
前記操作トリガーに押圧されて前記第4の移動と平行な面上を前記第4の移動と同一方向に移動して前記起動部のうち第2起動部を押圧する第3の移動が可能な第2部材と、
前記第2部材の前記第3の移動により押圧され前記第1ロック部材に接して前記第1ロック部材及び前記第1部材を前記第4の移動をさせつつ、前記第1の移動とは反対方向に移動する第5の移動が可能な第2ロック部材と、を含み、
前記操作トリガーによる前記第2部材の前記第3の移動の完了と略同時に、前記第2ロック部材と前記第1ロック部材との係合位置がずれ前記第2ロック部材が前記第2部材との係合位置から外れて前記第1ロック部材に拘束され、前記拘束と同時に前記第1ロック部材及び前記第1部材が前記第4の移動とは逆方向に戻る第6の移動が誘発される、
演出出力玩具。
【請求項5】
請求項4に記載の演出出力玩具であって、
前記第2ロック部材が前記第2部材との係合位置から外れて前記第1ロック部材に拘束された状態において、
前記副玩具体の取外しによって、前記ロック解除部材が前記第1の移動とは逆方向に移動する第7の移動をし、前記第7の移動によって前記第1ロック部材の位置規制が解除され、前記第2ロック部材は、第1ロック部材の前記拘束から解放されて前記第5の移動とは逆方向に移動する第8の移動により元の位置に戻る、
演出出力玩具。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の演出出力玩具であって、
前記リンク機構は、
前記操作トリガーに押圧されて第1のスライド方向に移動可能な第1スライドパーツと、
前記第1スライドパーツに係合し前記第1のスライド方向の移動により第1の回動方向に回動可能な第1回動パーツと、
前記第1回動パーツを、前記第1の回動方向の回動と同時に当該回動の回動軸線方向の第2のスライド方向に移動した状態で前記第1スライドパーツとの当接位置から外す状態にて位置規制するロックパーツと、
前記第1回動パーツに付勢されて前記第1の回動方向とは逆向きの第2の回動方向に回動可能な第2回動パーツと、
前記第2回動パーツに付勢されて前記第2回動パーツの回動により前記第2回動パーツの回動面とは略直交する第3の回動方向に回動し、前記起動部を押圧する押圧移動が可能な第3回動パーツと、を含み、
前記第1回動パーツは、前記第1スライドパーツによる前記第1の回動方向と共に前記第2のスライド方向に移動し、前記第2のスライド方向に移動の終段において前記ロックパーツが係合し前記第1スライドパーツによる前記第1の回動が不能なる位置に位置規制される、
演出出力玩具。
【請求項7】
請求項6に記載の演出出力玩具であって、
前記リンク機構には、前記ロックパーツに係合し、前記第1回動パーツを前記第1スライドパーツとの当接可能な初期位置に復帰するように位置規制を解除するロック解除パーツが設けられている、
演出出力玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、演出出力玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演出出力玩具には所定の操作に基づいて音等を発生するものが知られている(例えば特許文献1参照)。特許文献1に記載された演出出力玩具は、タグリーダ部と、動作出力部と、記憶部と、制御部と蓋部等を備える筐体部と、この筐体部とは別体でICタグを備える別部材と、等を備える。そして、筐体部のタグリーダ部に対してICタグを備える別部材を近づけてICタグの情報を読み込むことで発音可能に構成された発音玩具である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1においては、二つの別部材を接近させることでICタグの情報を読み取る構成である。このように別部材を近づけたり装着したりボタン操作をして所定の演出を開始する演出出力玩具においては、玩具の演出出力制御は、多くの場合、電子制御にて行われる。しかしながら、この種の演出出力玩具では、特定の演出が、所定電子制御のルーティンで繰り返し行われ、操作者の意に沿わない演出がされてしまうという問題があった。このような問題をソフト開発で解決しようとすると、ソフト開発に多くの時間を要するだけでなく、誤動作のリスクも残されため、この種の課題を電子制御に頼らず解決できる興趣性の高い演出出力玩具が切望されていた。
【0005】
本発明は、演出出力の制御が確実で興趣性の高い演出出力玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る演出出力玩具は、
演出を起動する起動部を備える副玩具体と、
前記副玩具体の着脱が可能な主玩具体と、を備え、
前記主玩具体は、前記起動部を動作させる動作部と、リンク機構と、前記リンク機構を介して前記動作部を駆動する操作トリガーと、を有し、
前記リンク機構は、前記操作トリガーによる一回目の前記動作部の駆動と同時に、前記操作トリガーによる前記動作部の操作を無効とするロック機構を備えている、ことを特徴としている。
【0007】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記ロック機構は、前記操作トリガーによる前記動作部の操作を有効化するためのロック解除部材を含む、ようにしてもよい。
【0008】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記ロック解除部材は、前記主玩具体において露出して設けられ、前記副玩具体の前記主玩具体からの着脱を検出可能である、ようにしてもよい。
【0009】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記リンク機構は、
前記副玩具体の装着により前記副玩具体に押されて前記主玩具体の内部に向う第1の移動が可能なロック解除部材と、
前記ロック解除部材の前記第1の移動により押圧されて前記第1の移動とは直交する方向の第2の移動が可能な第1ロック部材と、
前記第1ロック部材を移動可能に内装し前記第2の移動と同一平面上で直交する方向に移動して前記起動部のうち第1起動部を押圧する第4の移動が可能な第1部材と、
前記操作トリガーに押圧されて前記第4の移動と平行な面上を前記第4の移動と同一方向に移動して前記起動部のうち第2起動部を押圧する第3の移動が可能な第2部材と、
前記第2部材の前記第3の移動により押圧され前記第1ロック部材に接して前記第1ロック部材及び前記第1部材を前記第4の移動をさせつつ、前記第1の移動とは反対方向に移動する第5の移動が可能な第2ロック部材と、を含み、
前記操作トリガーによる前記第2部材の前記第3の移動の完了と略同時に、前記第2ロック部材と前記第1ロック部材との係合位置がずれ前記第2ロック部材が前記第2部材との係合位置から外れて前記第1ロック部材に拘束され、前記拘束と同時に前記第1ロック部材及び前記第1部材が前記第4の移動とは逆方向に戻る第6の移動が誘発される、ようにしてもよい。
【0010】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記第2ロック部材が前記第2部材との係合位置から外れて前記第1ロック部材に拘束された状態において、
前記副玩具体の取外しによって、前記ロック解除部材が前記第1の移動とは逆方向に移動する第7の移動をし、前記第7の移動によって前記第1ロック部材の位置規制が解除され、前記第2ロック部材は、第1ロック部材の前記拘束から解放されて前記第5の移動とは逆方向に移動する第8の移動により元の位置に戻る、ようにしてもよい。
【0011】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記リンク機構は、
前記操作トリガーに押圧されて第1のスライド方向に移動可能な第1スライドパーツと、
前記第1スライドパーツに係合し前記第1のスライド方向の移動により第1の回動方向に回動可能な第1回動パーツと、
前記第1回動パーツを、前記第1の回動方向の回動と同時に当該回動の回動軸線方向の第2のスライド方向に移動した状態で前記第1スライドパーツとの当接位置から外す状態にて位置規制するロックパーツと、
前記第1回動パーツに付勢されて前記第1の回動方向とは逆向きの第2の回動方向に回動可能な第2回動パーツと、
前記第2回動パーツに付勢されて前記第2回動パーツの回動により前記第2回動パーツの回動面とは略直交する第3の回動方向に回動し、前記起動部を押圧する押圧移動が可能な第3回動パーツと、を含み、
前記第1回動パーツは、前記第1スライドパーツによる前記第1の回動方向と共に前記第2のスライド方向に移動し、前記第2のスライド方向に移動の終段において前記ロックパーツが係合し前記第1スライドパーツによる前記第1の回動が不能なる位置に位置規制される、ようにしてもよい。
【0012】
また、本発明に係る演出出力玩具においては、
前記リンク機構には、前記ロックパーツに係合し、前記第1回動パーツを前記第1スライドパーツとの当接可能な初期位置に復帰するように位置規制を解除するロック解除パーツが設けられている、ようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、演出制御の正確性に優れ興趣性の高い演出出力玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の演出出力玩具の第1実施形態の斜視図である。
【
図2】
図1に示す演出出力玩具における主玩具体の斜視図である。
【
図3】
図1に示す演出出力玩具における副玩具体の斜視図である。
【
図4】
図3に示す副玩具体の底面を示す底面図である。
【
図5】
図1に示す演出出力玩具におけるリンク機構を玩具表側から見た時の分解斜視図である。
【
図6】
図5に示すリンク機構を玩具裏側から見た時の分解斜視図である。
【
図7】
図6に示すリンク機構におけるロック機構の要部拡大斜視図である。
【
図8】
図5に示すリンク機構の動作前の状態を示す斜視図である。
【
図9】
図5に示すリンク機構の動作初期の状態を示す斜視図である。
【
図10】
図5に示すリンク機構の動作中段の状態を示す斜視図である。
【
図11】
図5に示すリンク機構の動作終段においてロック機構が作動した状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の第2実施形態の主玩具体を示す斜視図である。
【
図13】
図12に示す演出出力玩具におけるリンク機構を玩具表側から見た時の分解斜視図である。
【
図14】
図13に示すリンク機構を玩具裏側から見た時の分解斜視図である。
【
図15】
図14に示すリンク機構において、ロック機構の作動前の状態を示す要部拡大斜視図である。
【
図16】
図15に示すリンク機構において、ロック機構が作動した状態を示す要部拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態の演出出力玩具1について、
図1~
図11を参照して説明する。
図1は、第1実施形態の演出出力玩具1の全体を示す斜視図である。
【0016】
図1に示すように、演出出力玩具1は、その構成を大別すると、剣の形状を模った主玩具体10(以下、「剣10」と云う)と、識別情報を有する矩形状のブックを模った副玩具体30(以下、「ブック30」と云う)と、を含む構成である。演出出力玩具1は、例えば戦うヒーローが使用する剣を模った主玩具体10のブック装着部23(
図2参照)にブック30を着脱して遊ぶときの演出が可能な玩具である。
【0017】
図2は、演出出力玩具1における剣10の斜視図である。
図2に示すように、剣10は、例えば、片刃タイプの刃部11と、握り部12と、ブック装着部23と、有した形状である。この剣10は、内部にブック30の情報を、検出可能な不図示の検出部、電源及び制御部を備えている。したがって、ブック30がブック装着部23に装着されたときに、検出部によって、ブック30が持っている識別情報を読み取ることができる。
【0018】
ブック装着部23は、ブック30を横向きに装着するように、ブック装着部23の内側に向かって張り出す係止片24mが設けられている。この係止片24mは、例えば、剣上部側及び前後両側の3個設けられている。また、係止片24mは、ブック30を押し込んだ時にブック外側方向に後退するように弾性変形可能(
図5参照)に構成されている。また、ブック取り出しボタン25が設けられており、このブック取り出しボタン25を押すことで、係止片24mが動作してブック30の取り出しが行うことができる。
【0019】
ブック装着部23には、握り部12側に、操作トリガー16により後述するリンク機構40を介して動作可能なボタン動作部(動作部)46,48が設けられている。また、ブック装着部23の底面には、ブック30の着脱を検出可能な後述するロック解除部材40Rが突出している。
【0020】
剣10は、その外部には、操作する部分として、電源スイッチ及び操作トリガー16が設けられている。操作トリガー16は、握り部12を握った状態のままで指先にて操作可能なように、握り部12の前方側に設けられている。
【0021】
音出力部は、その設置については特に制限されるものでないが、例えば、刃部11の最も幅の広い部位に配置されている。また、光出力部は、例えば、刃部11の適所にLED等の光源を配置して剣10が光る演出をすることができる。
【0022】
図3は、ブック30の斜視図であり、
図4は、ブック30の底面を示す底面図である。
図3に示すように、ブック30は、ブック装着部23に固定される本体部30bと、本体部30bに対して開閉軸30sfを有するヒンジ部30hを介して開閉動可能な開閉部30aと、を備えている。この開閉部30aは、本体部30bとの間に配置されたトーションばね38tによって、その回動方向に付勢されている。要するに、後述する第2起動ボタン38fを操作することで、自動的に開く、見開きが可能な本の形を模した略直方体の形状に構成されている。
【0023】
また、本体部30bは、その外周の凹溝に係止片24mが係合して保持される。そして、この保持状態で開閉部30aが回動することができる(
図1の一点鎖線にて示す状態)。ブック30は、開閉部30aが開いた時には、当然のことながらその開きページが現れる。この開きページには、例えば、所定のキャラクターや特別な情報の画像を表することができる。また、ブック30内には、そのブック固有の識別情報が記録されたICダグが内蔵されている。
【0024】
図4に示すように、ブック30の本体部30bのブック底面30bbには、起動ボタン(起動部)が2個設けられている。例えば、ヒンジ部30hに近い側に、音声ボタンである第1起動ボタン(第1起動部)36bが設けられ、少し離れて開閉側に第2起動ボタン(第2起動部)38fが設けられている。第1起動ボタン36bは、このボタンが押されることで、ブック内の所定の情報に基づいた音声を出力する。また、展開ボタンである第2起動ボタン38fは、このボタンが押されることで、開閉部30aが自動的に開く。
【0025】
以下、演出出力玩具1の遊び方の一例について簡単に説明する。
ブック30は、単体としても操作して音声出力をして遊ぶことができるが、遊び方のメインは、
図1に示すように、剣10に装着して遊ぶ。その場合、剣10の電源スイッチを操作後に、ブック30装着する。これによって、ブック30の識別情報は剣10側に読み取られる。
【0026】
また、操作トリガー16を操作すると、ブック30は、ボタン動作部46,48により第1起動ボタン36b及び第2起動ボタン38fが押される。これによって、開閉部30aが回動するのと同時に、ブック30から最初の音声出力がされる。その後、操作トリガー16を操作することで、最初の音声出力とは異なった音声出力、さらには、発光演出が主玩具体10によって行うことができる。
【0027】
ここで、操作トリガー16は、最初の操作では、ブック30の音声出力と開閉部30aの回動動作をする。しかし、その後(二回目以降)の操作では、後述するリンク機構4によりブック30を操作することができないよう、後述するリンク機構より構成されている。
【0028】
図5は、演出出力玩具1におけるリンク機構40を玩具表側から見た時の分解斜視図であり、
図6は、リンク機構40を玩具裏側から見た時の分解斜視図である。また、
図7は、ロック機構の要部拡大斜視図である。なお、以下
図5~
図11を参照した説明において、玩具前後方向とは主玩具体10の長手方向を云い、玩具左右方向とは長手方向とは直交する方向で主玩具体10の刃部11の高さ方向(幅方向)を云う。また、玩具厚み方向とは、左右方向とは直交する方向で主玩具体10の厚み方向を云うものとする。更に、玩具先端方向或いは玩具先端側とは、主玩具体10の刃部11の先端に向かった方向或いは先端側を云い、玩具後端方向或いは玩具後端側とは、玩具先端方向とは反対方向或いは反対側を云うものとする。また、玩具表側とは、ブック30が装着される側を云い、玩具裏側とはその反対側を云う。
【0029】
図5及び
図6に示すように、リンク機構40は、操作トリガー16に係合して移動する第2部材42と、第2部材42に係合して移動する第2ロック部材42Lと、第2ロック部材42Lに係合して第2ロック部材42Lの動きを係止する第1ロック部材41Lと、第1ロック部材41Lが内装された第1部材41と、第1ロック部材41L及び第2ロック部材42Lによるロック状態を解除するロック解除部材40Rと、を備えている。
【0030】
操作トリガー16は、その一部が握り部12から露出し、トリガー回転軸16CLを中心にして回転操作可能に設けられている。また、トリガー回転軸16CLから玩具本体幅方向に延出されたトリガーアーム16aを備えている。このトリガーアーム16aは、そのアーム先端16eが第2部材42に係合している。
【0031】
また、操作トリガー16は、その背面側にはコイルばねP4が設けられており、操作方向(押し込み方向)とは、反対方向に付勢されている。また、操作トリガー16の背面側には、ラバーコンタクトスイッチ10siが設けられている。したがって、操作トリガー16の押し込み動作によって、ラバーコンタクトスイッチ10siがスイッチングされて各種の演出を行うことができる。
【0032】
第2部材42は、トリガー回転軸16CLに接近した部位(基部)から玩具先端方向に延びる第一押圧アーム42aと、第一押圧アーム42aの基部から玩具左右方向に延びる基部42bと、基部42bの一端側から玩具厚み方向に延出された第二押圧アーム42cと、第二押圧アーム42cの先端に玩具先端方向に向かって突出したボタン動作部48と、を備えている。
【0033】
第2部材42は、玩具前後方向にスライド移動可能に設けられている。したがって、操作トリガー16に連結されていることで、操作トリガー16の押し込み操作によって玩具先端方向に向かう移動、すなわち、本実施形態で云う第3の移動M3が可能である。この第3の移動M3により、後述するように、ボタン動作部48が起動ボタンのうち第2起動ボタン38fを押圧する。また、操作トリガー16の押し込みを止めると、コイルばねP4により操作トリガー16の回転に連動して玩具後端方向に戻る。
【0034】
第2ロック部材42Lは、ブロック状の比較的小さな部材で、一端側には、第2部材42の第一押圧アーム42aに係合する傾斜面42Le(
図7参照)を有している。第2ロック部材42Lは、第1部材41及び第1ロック部材41Lを玩具厚み方向に貫通し、玩具厚み方向にスライド移動可能に設けられている。また、第2ロック部材42Lは、他端側がコイルばねP1(
図5参照)によって玩具裏側にむかって付勢されている。
【0035】
したがって、第2部材42の第3の移動M3により押圧されることで、2方向に移動する。要するに、第2ロック部材42Lは、傾斜面42Leが押されることで、玩具表方向への移動と、第3の移動M3と同方向への移動とが生じる。また、第2ロック部材42Lは、玩具先端側の側面が第1ロック部材41Lに接触可能に構成されている。この結果、本実施形態で云う第5の移動M5(玩具表方向への移動)をしながら、第1ロック部材41L及び第1部材41を、本実施形態で云う第4の移動M4をさせることができる。
【0036】
第1部材41は、矩形状の本体胴部41aと、本体胴部41aから玩具先端方向に延びる先端突部41tと、本体胴部41aから玩具後端方向に延びたのちに玩具表側に向かって延びる脚部41cと、脚部41cの先端において玩具先端方向に突出するボタン動作部46と、を備えている。また、本体胴部41aは、第1ロック部材41Lを玩具左右方向に移動可能に内装している。詳細には、本体胴部41aには玩具左右方向に沿った溝部41g(
図7及び
図8参照)が形成されている。そして、第1ロック部材41Lは、溝部41gに嵌合してスライド移動可能に保持されている。
【0037】
また、第1部材41は、玩具前後方向にスライド可能に保持されている。本体胴部41aは、コイルばねP3によって玩具後端方向に付勢されている。そして、第1部材41は、第1ロック部材41L及び第2ロック部材42Lを介し第2部材に押圧されることによって、第1起動ボタン36bを押圧する本実施形態で云う第4の移動M4が可能であり、押圧が解除されると、玩具後端方向に移動する。
【0038】
第1ロック部材41Lは、全体形状が略矩形で、矩形状の開口41Lhを有する。この開口41Lhは、前掲の第2ロック部材42Lが貫通している。また、玩具前後方向の両側には、スライド突起41Lbが突出しており、このスライド突起41Lbが第1部材41の溝部41gに嵌合している(
図8参照)。したがって、第1ロック部材41Lは、第1部材41のスライド面41s上を玩具左右方向にスライド移動可能に取り付けられている。
【0039】
第1ロック部材41Lは、本体胴部41aとの間にコイルばねP2により玩具左右方向の一方側へ付勢されている(
図6及び
図7参照)。そして、ロック解除部材40Rの移動により押圧されることで、付勢力に抗して本実施形態で云う第2の移動M2をする。
【0040】
ロック解除部材40Rは、ブロック形状に構成され、玩具表側の一端側がブック装着部23の底面から突出(
図2参照)し、玩具厚み方向に移動可能に設けられている。ロック解除部材40Rは、その玩具裏面側の他端部には、ロック傾斜面40Re(
図9参照)が設けられている。このロック傾斜面40Reは、第1ロック部材41Lの開口41Lhの一端縁に係合可能である。したがって、ロック解除部材40Rは、ブック30の装着により押され玩具裏面方向に移動する。これにより、ロック傾斜面40Reが第1ロック部材41Lを押圧して、コイルばねP2の付勢力に抗して第1ロック部材41Lの本実施形態で云う第1の移動M1が実行される。
【0041】
上記のごとく構成されたリンク機構40の動作について、
図8~
図11を参照して説明する。
図8は、リンク機構40動作前の状態を示す斜視図である。
図9は、リンク機構40の動作初期の状態を示す斜視図である。
図10は、リンク機構40の動作中段の状態を示す斜視図である。
図11は、リンク機構40の動作終段においてロック機構が作動した状態を示す斜視図である。
【0042】
先ず、ブック30をブック装着部23に装着する前の状態は、
図8に示すように、第2部材42の第一押圧アーム42aは、その先端の先端傾斜面42aeが第2ロック部材42Lの傾斜面42Leに対面した状態にある。また、リンク機構40の他の構成要素も、各コイルばねに付勢されて所定の位置に位置している。
【0043】
ブック30が装着されると、ブック30の外面が、ロック解除部材40Rを玩具内側に押し込む第1の移動M1が実行される。これにより、
図9に示すように、第1ロック部材41LがコイルばねP2の付勢力に抗して第1部材41内を玩具左右方向に沿って第2の移動M2が実行される。これにより、第1ロック部材41Lは、開口41Lhの縁部に設けられた突出縁部41Ldが第2ロック部材42Lの段部42Ldの玩具表側(
図8において下側)に入り込む。
図7を参照して更に詳しく説明すると、第2の移動M2によって、第1ロック部材41Lは、突出縁部41Ldが第2ロック部材42Lの窪み部42Lk内に進入する。これにより、窪み部42Lkの壁面42Ltと突出縁部41Ldの縁部41Leとが対面状態となる。
【0044】
次に、操作トリガー16を操作することで、
図10に示すように、第2部材42によって第3の移動M3が実行される。この第3の移動M3によって第2起動ボタン38fが押され、ブック30の開閉部30aが開かれる。
【0045】
また、この第3の移動M3によって、第一押圧アーム42aは、先端傾斜面42aeが傾斜面42Leを押しながら玩具先端方向に移動する。これによって、第1部材41は、コイルばねP3の付勢力に抗して玩具先端方向に移動し、第4の移動M4が実行される。この第4の移動M4によって、第1起動ボタン36bが押され、ブック30の音声出力による演出が実行される。
【0046】
このように、操作トリガー16による第2部材42の第3の移動M3の完了と略同時に、
図11に示すように、第2ロック部材42Lと第1ロック部材41Lとの係合位置がずれる。これは、第2ロック部材42Lは、第一押圧アーム42aに押されることで、先端傾斜面42aeと傾斜面42Leとの当接で玩具表面側に向かって第5の移動M5(
図10参照)が実行される。この第5の移動M5によって、第2ロック部材42Lの段部42Ldが第1ロック部材41Lの突出縁部41Ldを乗り越えるように移動し、段部42Ldが突出縁部41Ldの玩具表側(
図11中の下側)に入り込んで係止(拘束)される。
【0047】
第2ロック部材42Lが、第2部材42との係合位置から外れて第1ロック部材41Lに拘束された状態となると、第1部材41に対して、第一押圧アーム42aによる押圧がなくなる。これにより、第1部材41は、第4の移動M4とは逆方向に戻る第6の移動M6が実行される。
【0048】
この状態においては、操作トリガー16を操作しても、第1部材41は動作することはなく、ブック30の音声は出力されない。しかし、操作トリガー16に操作によって、ラバーコンタクトスイッチ10siはスイッチング操作されるので、ブック30の初期の演出以外は行うことができる。
【0049】
ブック30を主玩具体10から取り外す。これによって、ロック解除部材40Rは、コイルばねP1の付勢力によって玩具表側の方向に押しも出される、第7の移動M7が実行される。この第7の移動M7によって、第1ロック部材41Lに対するロック解除部材40Rの係合が外れる。これによって、第1ロック部材41Lは、コイルばねP2の付勢力によって元の位置に押し戻され、第2ロック部材42Lの拘束を解除する。この結果、第2ロック部材42Lは、玩具裏面側に押し戻され、第8の移動M8が実行されて元の位置に復帰する。
【0050】
以上述べたように、本実施形態の演出出力玩具1によれば、ブック30による演出を不必要に繰り返すことが無くなり、ユーザーの意図とは異なる無駄な演出による興趣性の低下を回避でき、操作性の良い興趣性の高い玩具を提供できる。
【0051】
また、本実施形態の演出出力玩具1では、リンク機構40が、操作トリガー16の動作を無効にするロック機構のロックを解除するロック解除部材40Rが設けられているので、ロック機能を解除して元に戻すことができる。
【0052】
また、本実施形態の演出出力玩具1では、ロック解除部材40Rがブック装着部23に露出して設けられているので、ブック30の着脱を検出し、例えば、ブック30の離脱動作によりロック機構を動かすことができる。この結果、ロック解除部材40Rを、ブック30の取外しと連動するロック解除機構とすることができる。
【0053】
本実施形態の演出出力玩具1では、リンク機構40は、操作トリガー16の1回目の操作によって両起動ボタン36b,38fが操作できるが、操作トリガー16の2回目以降の操作ではボタン操作が出来ない。
【0054】
また、本実施形態の演出出力玩具1では、ブック30の取外し操作に基づくロック解除部材40Rの移動により、リンク機構40はロック状態が解除されて初期状態に戻ることができる。
【0055】
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態の主玩具体10について、
図12~
図16を参照して説明する。なお、本実施形態においては、第1実施形態と同様の構成要素については、同じ符号を付して説明を省略する。また、リンク機構50において付勢力を付与するばね部材については記載を省略する。
【0056】
図12は、第2実施形態の主玩具体10を示す斜視図である。
本実施形態の主玩具体10においては、ブック30を立て向きに装着するブック装着部23を備える構成である。ブック装着部23に装着されたブック30は、最初の操作トリガー16の操作によって、第1実施形態と同様に、ブック30による音声出力と同時に、ブック30の開閉部30aが開かれる。なお、この場合、開閉部30aは、玩具前方側に向かって開かれる。また、本実施形態においては、後述するリンク機構50によって、ボタン動作部46,48が動作する。操作トリガー16の二回目以降の操作では、ブック30が作動しないように構成されている。
【0057】
また、以下の説明においては、第1実施形態と同様に、玩具前後方向とは主玩具体10の長手方向、玩具左右方向とは長手方向とは直交する方向で主玩具体10の刃部11の高さ方向(幅方向)、更に、玩具厚み方向とは、左右方向とは直交する方向で主玩具体10の厚み方向を云うものとする。玩具先端方向或いは玩具先端側とは、主玩具体10の刃部11の先端に向かった方向或いは先端の側を云い、玩具後端方向或いは玩具後端側とは、玩具先端方向とは反対方向或いは反対側を云うものとする。また、玩具表側とは、ブック30が装着される側を云い、玩具裏側とはその反対側を云う。
【0058】
図13は、本実施形態の主玩具体10におけるリンク機構50を玩具表側から見た時の分解斜視図である。
図14は、リンク機構50を玩具裏側から見た時の分解斜視図である。
【0059】
リンク機構50は、
図13及び
図14に示すように、操作トリガー16に係合し玩具前後方向にスライド可能に設けられた第1スライドパーツ54と、第1スライドパーツ54に係合して所定方向に回動可能な第1回動パーツ51Rと、第1回動パーツ51Rを、位置規制可能なロックパーツ59と、第1回動パーツ51Rに係合して所定の方向に回動可能な第2回動パーツ52Rと、第2回動パーツ52Rに係合して、所定の方向に回動可能な第3回動パーツ53Rと、を備えている。
【0060】
操作トリガー16は、その一部が握り部12から露出し、玩具左右方向にスライド可能に設けられている。また、図示しない付勢部材により所定方向に付勢されている。また、操作トリガー16は、操作方向(押し込み方向)とは、反対方向に付勢されている。この付勢は、操作トリガー16自体が直接バネ等で付勢される構成であっても良いが、例えば第1スライドパーツ54の付勢力を利用した付勢であっても良い。また、操作トリガー16の背面側の斜め横方向には、ラバーコンタクトスイッチ10siが設けられている。このラバーコンタクトスイッチ10siは、操作トリガー16の押し込み動作によって、スイッチングされて各種の演出を行うことができる。
【0061】
第1スライドパーツ54は、幅広な胴部54aと、胴部54aから玩具先端方向に延びる第一係合端54tと、胴部54aから玩具後方端方向に延びる第二係合端54eと、を備えている。第一係合端54tには、第1回動パーツ51Rと係合可能な第一傾斜面54cが設けられている。第二係合端54eには、操作トリガー16と係合可能な第二傾斜面54sが設けられている。第1スライドパーツ54は、付勢部材によって玩具先端方向に付勢されている。
【0062】
第1スライドパーツ54は、操作トリガー16の押込み操作(玩具左右方向のスライド移動)により、トリガー傾斜面16sによって第二傾斜面54sが押圧される。これによって、第1スライドパーツ54は、玩具後方端方向に向かう本実施形態で云う第1のスライド方向S1に移動する。
【0063】
第1回動パーツ51Rは、回動軸部51bと、第1スライドパーツ54と係合する係合凸部51fと、回動軸部51bから玩具後方端方向に向かって延出された第1アーム部51aと、第1アーム部51aの先端部に玩具厚み方向に延びる係合軸部51eと、を備えている。そして、玩具厚み方向に延びる回動軸部51bの第1回転軸線C1を中心に回動可能に設けられている。また、第1回動パーツ51Rは、回動軸部51bが第1回転軸線C1に沿って玩具厚み方向にスライド可能に設けられていると共に、玩具裏面方向に付勢されている。
【0064】
係合凸部51fには、第1スライドパーツ54の第一傾斜面54cに対面する傾斜面に形成された第三傾斜面51c(
図16参照)が設けられている。また、係合凸部51fにおいて第三傾斜面51cよりも玩具表側(
図14において下側)には、第三傾斜面51cが形成された部分よりも、回動軸部51bの径方向に突出した係止突起51dが形成されている。
【0065】
したがって、第1回動パーツ51Rは、第三傾斜面51cと第一傾斜面54cとの係合により、第1スライドパーツ54の移動に伴って、本実施形態で云う第1の回動方向R1に回動すると共に玩具表面側へ向かって第2のスライド方向S2に移動する。
【0066】
第2回動パーツ52Rは、玩具厚み方向に延びる第2回転軸線C2を中心に回動可能な第2アーム部52aと、第2アーム部52aの途中から第2アーム部52aに対し同一回転面上において交差して延出された第3アーム部52bと、を備えている。
【0067】
第2アーム部52aは、その先端には長孔52eが設けられおり、第1回動パーツ51Rの係合軸部51eに係合している。したがって、第1回動パーツ51Rの動きに付勢されて第1の回動方向R1とは逆向きの本実施形態で云う第2の回動方向R2に回動する。また、第3アーム部52bの先端部には、玩具表側に向かって開口する断面U字状のU字係合部52tが設けられている。また、第2回動パーツ52Rは、所定の方向(
図13においては時計回りの方向、
図14において反時計回りの方向)に付勢されている。
【0068】
第3回動パーツ53Rは、玩具厚み方向に延出され且つ玩具前後方向に沿う第3回転軸線C3を中心に回動可能なU字胴部53aと、U字胴部53aの一端側に玩具左右方向に沿って突出する一対のボタン動作部46,48と、ボタン動作部46,48とは反対側(玩具裏側)に設けられた係合端部53eと、を備えている。
【0069】
ボタン動作部46,48は、ブック30の第1起動ボタン36b及び第2起動ボタン38fを動作させる。一方、係合端部53eは、第3アーム部52bのU字係合部52tに係合している。したがって、第3回動パーツ53Rは、第3アーム部52bの回動により、第2回動パーツ52Rの回動面とは略直交する本実施形態で云う第3の回動方向R3に回動する。
【0070】
上記のごとく構成されたリンク機構50の動作について、主に
図15及び
図16を参照して説明する。
図15は、リンク機構50の作動前の状態を示す要部拡大斜視図である。
図16は、ロック機構が作動した状態を示す要部拡大斜視図である。
【0071】
先ず、ブック30をブック装着部23に装着した状態で、操作トリガー16を押す。この操作によって、第1スライドパーツ54は、操作トリガー16引っ張られるようにして玩具後端方向である第1のスライド方向S1に移動する。
【0072】
この移動によって、
図15に示すように、第1回動パーツ51Rは、第三傾斜面51cが第一傾斜面54cに押されて第1の回動方向R1に回動される。第2回動パーツ52Rは、第1の回動方向R1に連動して第2の回動方向R2に回動される。更に、第3回動パーツ53Rは、第2の回動方向R2に連動して第3の回動方向R3に回動される。
【0073】
図16に示すように、第1回動パーツ51Rは、第1の回動方向R1の回動と同時に、第三傾斜面51cが押されて、玩具表側方向である第2のスライド方向S2に移動する。この第2のスライド方向S2に移動の終段において、係止突起51dが、ロックパーツ59の先端59eよりも玩具表側へ移動する。この結果、ロックパーツ59の先端59eが係止突起51dの段部に係合する。要するに、ロックパーツ59は、第1回動パーツ51Rの方向に常時付勢されているので、係止突起51dが軸線方向に移動することで先端59eが係止突起51dの段部に係合し、第1回動パーツ51Rを玩具表側寄りの位置に拘束する。
【0074】
このように、第1回動パーツ51Rが玩具表側寄りの位置に拘束されると、例えば、操作トリガー16を動作しても、ブック30を動作できないロック状態となる。すなわち、第1スライドパーツ54は、操作トリガー16の操作によって玩具前後方向に動くが、係合凸部51fの上方においてスライド移動するだけで第1回動パーツ51Rに付勢力を付与することはできない。また、第1回動パーツ51Rが拘束された際には、第1スライドパーツ54による付勢が解除され、第1回動パーツ51R、第2回動パーツ52R及び第3回動パーツ53Rは元の位置に戻る方向に回動する。したがって、この状態では、ボタン動作部46,48は動くことがなく、ブック30の操作はできない状態である。
【0075】
また、ロック状態の解除は、ロック解除パーツ50Rによって行うことができる。このロック解除パーツ50Rは、主玩具体10の本体から一部が突出して設けられており(
図12参照)、これを押すことで、ロック解除をすることができる。
【0076】
ロック解除パーツ50Rについて、
図14に戻って説明する。
ロック解除パーツ50Rは、例えば、ロックパーツ59を一端側56tが軸支し第4回転軸線C4を中心に回動する棒状の連結棒56と、連結棒56の他端側56eに当接して一端側が主玩具体10の外側に露出する操作部55と、一端側の第5回転軸線5Cを中心に回動可能で他端側が操作部55を軸支した支持棒57と、を備えている。
【0077】
ロック解除パーツ50Rは、操作部55を押すことで、ロックパーツ59をその付勢力に抗して第1回動パーツ51Rから離間させる。これにより、ロックパーツ59の先端59eによる係止突起51dの係止が解除される。この結果、第1回動パーツ51Rは、玩具裏側の方向に移動し、第1スライドパーツ54と係合可能な状態に復帰する。
【0078】
本実施形態の演出出力玩具1は、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0079】
また、本実施形態においては、リンク機構50は、操作トリガー16の1回目の操作によって第1起動ボタン36b及び第2起動ボタン38fを操作すると共に、第1回動パーツ51Rの第2のスライド方向S2への移動によって第1回動パーツ51Rが回動方向においてフリー状態になる。この結果、操作トリガー16の2回目以降の操作では第1回動パーツ51Rが動くことがなく、起動ボタンの操作が出来ない。
【0080】
また、本実施形態においては、操作トリガー16によるブック30の操作のロック状態を解除するのは、ブック30の着脱と連動することなく任意に行うことができる。
【0081】
また、本実施形態においては、ロック解除パーツ50Rは、連結棒56を介して動作するよう構成されているので、例えば、操作部55のロック解除の動作量(動作距離)と、ロックパーツ59の動作量とを適宜調整することができる。
【0082】
以上、本発明の第1及び第2実施形態について説明したが、本発明はその技術思想の範囲で適宜変更することができる。例えば、リンク機構40,50におけるリンク要素の形状につては適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0083】
1 演出出力玩具
10 剣(主玩具体)
16 操作トリガー
30 ブック(副玩具体)
36b 第1起動ボタン(起動ボタン)
38f 第2起動ボタン(起動ボタン)
40,50 リンク機構
40R ロック解除部材
46,48 ボタン動作部
50R ロック解除パーツ(ロック解除部材)
51R 第1回動パーツ
52R 第2回動パーツ
53R 第3回動パーツ
54 第1スライドパーツ
59 ロックパーツ