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特開2022-44062情報処理システム、端末装置、サーバ、媒体、情報処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044062
(43)【公開日】2022-03-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、端末装置、サーバ、媒体、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/10 20180101AFI20220309BHJP
【FI】
G16H20/10
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004727
(22)【出願日】2022-01-14
(62)【分割の表示】P 2021148110の分割
【原出願日】2017-04-25
(31)【優先権主張番号】P 2016199365
(32)【優先日】2016-10-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】596079138
【氏名又は名称】東日本メディコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100127384
【弁理士】
【氏名又は名称】坊野 康博
(74)【代理人】
【識別番号】100152054
【弁理士】
【氏名又は名称】仲野 孝雅
(72)【発明者】
【氏名】松本 卓也
(72)【発明者】
【氏名】野本 禎
(72)【発明者】
【氏名】渋川 和彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 光幸
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
5L099AA25
(57)【要約】
【課題】薬剤師と患者とのコミュニケーションをより適切に支援すること。
【解決手段】情報処理システム1において、薬局用コンピュータ10の処方箋データ取得部51は患者の処方箋のデータを取得する。処方箋データ送信部52は処方箋のデータをサーバ20に送信する。サーバ20の変更点取得部155は、処方箋のデータと、当該患者の過去の処方箋のデータとに基づいて、過去の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する変更点薬情を取得する。変更点データ送信部156は変更点薬情のデータを薬剤師用端末30に送信する。薬剤師用端末30の画面表示部254は、変更点薬情のデータに基づいて、変更点薬情を含む処方箋に関連する薬剤の情報を患者に提示するための画面を表示する。操作受付部251は画面に入力された操作を受け付ける。画面表示部254は、その操作に応じて、薬剤の情報の表示内容を変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置とサーバとを含み、薬剤の提供時における薬剤師と患者との対話を支援する情報処理システムであって、
前記サーバは、
患者の現在までの処方の履歴を含む薬剤情報及び薬剤に関する説明を行う際に選択される選択部を表示させるための情報を、患者に対して情報を提示するための前記端末装置に送信する送信手段と、
前記端末装置から、説明された内容に対応する選択部への操作内容を受信する操作内容受信手段と、
患者に説明された内容の履歴について、印刷のためのデータを生成または電子データとして記憶する出力手段と、を備え、
患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータには含まれていない患者への説明のためのデータであって、前記患者の現在までの処方の履歴の変化に対応して予め用意され、前記選択部に対する操作によって非表示状態から表示状態となるデータ、または、前記薬剤情報を表す文章表現形式とは異なる患者への説明のための前記対話で用いられる文章表現形式のデータを含むことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータに対し、薬剤師が追加した内容または変更した内容を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータとは異なるデータとして記憶されることを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
薬剤の提供時における薬剤師と患者との対話を支援し、患者に対して情報を提示するための端末装置であって、
患者の現在までの処方の履歴を含む薬剤情報及び薬剤に関する説明を行う際に選択される選択部を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段によって表示された画面において、説明された内容に対応する選択部への操作を受け付け、前記選択部に対する操作の内容を、患者に説明された内容の履歴を記憶するコンピュータに送信する操作内容送信手段と、
を備え、
患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータには含まれていない患者への説明のためのデータであって、前記患者の現在までの処方の履歴の変化に対応して予め用意され、前記選択部に対する操作によって非表示状態から表示状態となるデータ、または、前記薬剤情報を表す文章表現形式とは異なる患者への説明のための前記対話で用いられる文章表現形式のデータを含むことを特徴とする端末装置。
【請求項5】
端末装置とサーバとを含み、薬剤の提供時における薬剤師と患者との対話を支援する情報処理システムにおけるサーバであって、
患者の現在までの処方の履歴を含む薬剤情報及び薬剤に関する説明を行う際に選択される選択部を表示させるための情報を、患者に対して情報を提示するための前記端末装置に送信する送信手段と、
前記端末装置から、説明された内容に対応する選択部への操作内容を受信する操作内容受信手段と、
患者に説明された内容の履歴について、印刷のためのデータを生成または電子データとして記憶する出力手段と、を備え、
患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータには含まれていない患者への説明のためのデータであって、前記患者の現在までの処方の履歴の変化に対応して予め用意され、前記選択部に対する操作によって非表示状態から表示状態となるデータ、または、前記薬剤情報を表す文章表現形式とは異なる患者への説明のための前記対話で用いられる文章表現形式のデータを含むことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
端末装置とサーバとを含み、薬剤の提供時における薬剤師と患者との対話を支援する情報処理システムで実行される情報処理方法であって、
前記サーバが、
患者の現在までの処方の履歴を含む薬剤情報及び薬剤に関する説明を行う際に選択される選択部を表示させるための情報を、患者に対して情報を提示するための前記端末装置に送信する送信ステップと、
前記端末装置から、説明された内容に対応する選択部への操作内容を受信する操作内容受信ステップと、
患者に説明された内容の履歴について、印刷のためのデータを生成または電子データとして記憶する出力ステップと、を含み、
患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータには含まれていない患者への説明のためのデータであって、前記患者の現在までの処方の履歴の変化に対応して予め用意され、前記選択部に対する操作によって非表示状態から表示状態となるデータ、または、前記薬剤情報を表す文章表現形式とは異なる患者への説明のための前記対話で用いられる文章表現形式のデータを含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項7】
端末装置とサーバとを含み、薬剤の提供時における薬剤師と患者との対話を支援する情報処理システムにおけるサーバを構成するコンピュータに、
患者の現在までの処方の履歴を含む薬剤情報及び薬剤に関する説明を行う際に選択される選択部を表示させるための情報を、患者に対して情報を提示するための前記端末装置に送信する送信機能と、
前記端末装置から、説明された内容に対応する選択部への操作内容を受信する操作内容受信機能と、
患者に説明された内容の履歴について、印刷のためのデータを生成または電子データとして記憶する出力機能と、を実現させ、
患者に説明された内容のデータは、前記薬剤情報のデータには含まれていない患者への説明のためのデータであって、前記患者の現在までの処方の履歴の変化に対応して予め用意され、前記選択部に対する操作によって非表示状態から表示状態となるデータ、または、前記薬剤情報を表す文章表現形式とは異なる患者への説明のための前記対話で用いられる文章表現形式のデータを含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、端末装置、サーバ、媒体、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、調剤薬局において調剤が行われる場合、患者が処方箋を提出し、薬剤師は患者に問診等を行った後に、処方箋に基づく薬剤の調製を行う。そして、薬剤師が患者に対して薬剤に関する説明等を行った後に、患者に薬剤が交付される。
このような調剤行為において、薬剤師と患者とのコミュニケーションを支援する技術として、特許文献1に記載された技術が知られている。
即ち、特許文献1には、被処方者毎の状況(シチュエーション)とその状況に応じて出力すべき服薬関連情報を選択するためのプロトコルに基づき服薬関連情報を出力することにより、薬剤師の能力を問わず、被処方者ごとに適切かつきめ細やかな服薬指導を行うための服薬情報システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-122253号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された技術を含め、従来の技術においては、患者にとって薬剤師は親しみを感じ難いものであり、このことは薬剤師が患者とコミュニケーションを取る上で阻害要因となる場合がある。また、薬剤師から患者に説明された薬剤についての情報(処方薬剤の変更等)を、患者が十分に理解できていないことがあり、患者は薬剤師による説明内容を薬剤の服用時に十分活用できない場合がある。さらに、薬剤が複数処方された場合や薬剤師から患者に特別な指導(日常生活を考慮した服用スケジュールの指導等)が行われた場合等には、薬剤の服用方法が複雑となること等があり、患者は適切に薬剤を服用できない可能性がある。
このように、従来の技術においては、薬剤師と患者とのコミュニケーションを適切に支援することが困難であった。
【0005】
本発明の課題は、薬剤師と患者とのコミュニケーションをより適切に支援することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
薬局に設置される薬局用コンピュータと、薬剤師によって使用される薬剤師用端末と、前記薬局で用いられるデータを管理するサーバとを含む情報処理システムであって、
前記薬局用コンピュータは、
患者の処方箋のデータを取得する処方箋データ取得手段と、
前記処方箋データ取得手段によって取得された前記処方箋のデータを前記サーバに送信する処方箋データ送信手段と、
を備え、
前記サーバは、
前記薬局用コンピュータから送信された前記処方箋のデータと、当該処方箋のデータに対応する前記患者の過去の処方箋のデータとに基づいて、当該患者における過去の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する変更点薬情を取得する変更点取得手段と、
前記変更点薬情のデータを前記薬剤師用端末に送信する変更点データ送信手段と、
を備え、
前記薬剤師用端末は、
前記サーバから送信された前記変更点薬情のデータに基づいて、前記変更点薬情を含む前記処方箋に関連する薬剤の情報を前記患者に提示するための画面を表示する画面表示手段と、
前記画面表示手段によって表示された前記画面に対して入力された操作を受け付ける操作受付手段と、
を備え、
前記画面表示手段は、前記画面に対して入力された操作に応じて、前記薬剤の情報の表示内容を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薬剤師と患者とのコミュニケーションをより適切に支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成を示す図である。
図2】各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図3】薬局用コンピュータ10の機能的構成を示すブロック図である。
図4】サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
図5】薬剤師用端末30の機能的構成を示すブロック図である。
図6】薬局用コンピュータ10が実行する薬情出力処理の流れを示すフローチャートである。
図7】サーバ20が実行するデータ生成処理の流れを示すフローチャートである。
図8】薬剤師用端末30が実行するコミュニケーション支援処理の流れを示すフローチャートである。
図9】コミュニケーション支援処理において表示される初期画面の一例を示す模式図である。
図10】薬剤師のプロフィール画面の一例を示す模式図である。
図11】アンケート画面の一例を示す模式図である。
図12】アンケートに対する回答が行われた状態の一例を示す模式図である。
図13】変更点薬情の内容を示す表示画面の一例を示す模式図である。
図14図13に示す表示画面において、薬剤師が患者に処方内容を説明するための操作を行った状態の一例を示す模式図である。
図15】一覧表示された項目の配置が変更される状態の一例を示す模式図である。
図16】患者に提示されるスケジュールの一例を示す模式図である。
図17】スタンプのデータを入力するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図18】手書き文字を入力するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図19】新規の予定を登録するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図20】既に入力された予定を編集するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図21】任意の相談事項を受け付ける旨のメッセージを表示する画面例を示す模式図である。
図22】患者に提供される提供文書(変更点薬情)の一例を示す模式図である。
図23】患者に提供される提供文書(変更点薬情)の一例を示す模式図である。
図24】患者に提供される提供文書(関連文書)の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
本実施形態に係る情報処理システム1は、調剤薬局において薬剤師が患者と対話を行う場合に、薬剤師の所定のプロフィールを表示しながら、薬剤に関する情報を表示することにより、薬剤師に対する患者の興味や親近感を喚起し、より円滑な対話を支援するものである。また、本実施形態に係る情報処理システム1は、患者に発行された処方箋に記載されている情報(処方内容)に関し、薬剤師から当該患者に薬剤についての情報(過去の処方内容と今回の処方内容とにおける処方薬剤の変更等)を説明した場合に、その説明内容を反映させた薬剤情報提供文書(以下、適宜「薬情」と呼ぶ。)を発行することにより、服用時においても、薬剤師から患者への説明内容をより容易に参照できるよう支援するものである。さらに、本実施形態に係る情報処理システム1は、処方された薬剤の服用方法等、薬剤師から患者に説明された内容を患者が把握し易い形態の情報として提示し、患者における適切な薬剤の服用を支援するものである。
以下、具体的な構成について説明する。
【0011】
[情報処理システム1のシステム構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、薬局用コンピュータ10と、サーバ20と、薬剤師用端末30とを含んで構成され、薬局用コンピュータ10、サーバ20及び薬剤師用端末30はネットワーク40を介して互いに通信可能に構成される。また、薬局用コンピュータ10及び薬剤師用端末30は、同一の調剤薬局に設置されている。さらに、本実施形態に係る情報処理システム1は、例えば、所定の地域を単位として運用されるものであり、当該地域に属する複数の調剤薬局に設置された薬局用コンピュータ10及び薬剤師用端末30に対して、1つのサーバ20が設置される。なお、図1においては、説明の便宜のため、薬局用コンピュータ10及び薬剤師用端末30をそれぞれ1つのみ示している。
【0012】
薬局用コンピュータ10は、PC(Personal Computer)あるいはサーバコンピュータによって構成され、薬歴管理機能及び診療報酬明細書(レセプト)作成機能を備えている。そして、薬局用コンピュータ10は、患者の処方箋のデータの入力を受け付けて、受け付けた処方箋のデータを蓄積して管理する。また、薬局用コンピュータ10は、処方箋に基づく患者への調剤について、診療報酬の明細を算出する。さらに、薬局用コンピュータは、薬剤情報提供文書(薬情)及び所定の関連文書を含む患者への提供文書(後述)の印刷データをサーバ20から受信し、調剤薬局に設置されたプリンタによって、提供文書を印刷する。なお、本実施形態において、薬剤情報提供文書(薬情)は、薬剤の名称、用法、用量、効能、効果、副作用及び相互作用等に関する情報を表す文書または文書に準ずるもの(例えば、手帳に貼付可能なシール等)で構成される。
【0013】
サーバ20は、サーバコンピュータによって構成され、薬局用コンピュータ10によって受け付けられた処方箋のデータを取得し、当該患者に提示される薬剤師のプロフィール画面のデータを生成する。また、サーバ20は、薬局用コンピュータ10によって受け付けられた処方箋のデータを蓄積して管理し、当該患者に処方される薬剤の変更点(過去(ここでは前回とする)の処方内容と今回の処方内容とで変更された点)のデータを生成する。この変更点のデータは、薬剤師用端末30に送信されて画面表示されたり、薬局用コンピュータ10に送信されて薬情に含めて印刷されたりする。さらに、サーバ20は、患者それぞれについて、薬剤の服用スケジュール(服薬スケジュール)あるいは来局スケジュール等のスケジュールのデータを管理する。
【0014】
薬剤師用端末30は、タブレット端末あるいはノートPCによって構成され、サーバ20によって生成されたプロフィール画面のデータを取得し、薬剤師が患者とのコミュニケーションを行う場合に、薬剤師のプロフィールを表示画面に表示する。また、薬剤師用端末30は、サーバ20によって生成された薬剤の変更点のデータを取得し、薬剤師が患者とのコミュニケーションを行う場合に、変更前の薬剤と変更後の薬剤とを対比して表示する。さらに、薬剤師用端末30は、当該患者について、薬剤の服用スケジュールあるいは来局スケジュール等のスケジュールデータの入力を受け付け、入力されたスケジュールデータをサーバ20に送信する。
【0015】
[ハードウェア構成]
次に、情報処理システム1における各装置のハードウェア構成を説明する。
情報処理システム1において、各装置はPC、サーバコンピュータあるいはタブレット端末等の情報処理装置によって構成され、その基本的構成は同様である。
【0016】
図2は、各装置を構成する情報処理装置800のハードウェア構成を示す図である。
図2に示すように、各装置を構成する情報処理装置800は、CPU(Central Processing Unit)811と、ROM(Read Only Memory)812と、RAM(Random Access Memory)813と、バス814と、入力部815と、出力部816と、記憶部817と、通信部818と、ドライブ819と、撮像部820と、を備えている。
【0017】
CPU811は、ROM812に記録されているプログラム、または、記憶部817からRAM813にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM813には、CPU811が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0018】
CPU811、ROM812及びRAM813は、バス814を介して相互に接続されている。バス814には、入力部815、出力部816、記憶部817、通信部818、ドライブ819及び撮像部820が接続されている。
【0019】
入力部815は、各種釦等で構成され、指示操作に応じて各種情報を入力する。
出力部816は、ディスプレイやスピーカ等で構成され、画像や音声を出力する。
なお、情報処理装置800がスマートフォンやタブレット端末として構成される場合には、入力部815と出力部816のディスプレイとを重ねて配置し、タッチパネルを構成することとしてもよい。
記憶部817は、ハードディスクあるいはDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各サーバで管理される各種データを記憶する。
通信部818は、ネットワークを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0020】
ドライブ819には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア831が適宜装着される。ドライブ819によってリムーバブルメディア831から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部817にインストールされる。
撮像部820は、レンズ及び撮像素子等を備えた撮像装置によって構成され、被写体のデジタル画像を撮像する。
なお、情報処理装置800がサーバ20として構成される場合には、撮像部820を省略した構成とすることも可能である。また、情報処理装置800がタブレット端末として構成される場合には、入力部815をタッチセンサによって構成し、出力部816のディスプレイに重ねて配置することにより、タッチパネルを備える構成とすることも可能である。
【0021】
[機能的構成]
次に、情報処理システム1における各装置の機能的構成について説明する。
[薬局用コンピュータ10の機能的構成]
図3は、薬局用コンピュータ10の機能的構成を示すブロック図である。
図3に示すように、薬局用コンピュータ10のCPU811においては、処方箋データ取得部51と、処方箋データ送信部52と、患者属性取得部53と、患者属性送信部54と、印刷データ受信部55と、印刷制御部56とが機能する。また、薬局用コンピュータ10の記憶部817には、処方箋データベース(処方箋DB)71と、患者属性データベース(患者属性DB)72とが形成される。
【0022】
処方箋DB71には、薬局用コンピュータ10において受け付けられた処方箋のデータが記憶される。この処方箋のデータには、患者の氏名、年齢、性別、保険者番号等の患者を識別する情報と、処方箋を発行した医療機関名、医師名、医療機関の連絡先等の医療機関を識別する情報と、処方された薬剤の名称、剤型、用法・用量、ジェネリック医薬品への変更の可否等の処方内容を表す情報とが含まれている。
患者属性DB72には、患者の住所、氏名、年齢、性別及び患者個人の特徴を表す情報(患者属性)のデータが記憶される。この患者属性は、薬剤師が患者との対話において取得した情報や、患者がアンケート(ヒアリング)等に回答して提供した情報等によって構成され、例えば、患者の趣味、仕事内容、家族構成、好きな食べ物、好きな色、好きなキャラクター、日常生活において気になること(身体の痛み等、医療と直接的に関係すること、あるいは、子供の進学に関する懸念等、医療と直接的には関係しないこと)等が含まれている。
【0023】
処方箋データ取得部51は、患者が持参することにより調剤薬局で受け付けた処方箋の内容を表すデータ(処方箋のデータ)を取得する。本実施形態において、処方箋データ取得部51は、患者が持参した処方箋の内容を、調剤薬局の薬剤師やオペレータが入力部815を介して入力して生成される処方箋のデータを取得する。なお、処方箋が電子データとして発行されている場合、処方箋データ取得部51は、その処方箋のデータが記憶された記憶媒体からデータを読み出したり、ネットワークを介してデータを受信したりすることにより、処方箋のデータを取得することとしてもよい。
【0024】
また、処方箋データ取得部51は、取得した処方箋のデータを処方箋DB71に記憶する。なお、処方箋のデータのうち、患者を識別する情報は、新規の患者である場合や患者を識別する情報に変更があった場合等には、患者属性DB72にも適宜記憶される。
処方箋データ送信部52は、処方箋データ取得部51によって取得された処方箋のデータをサーバ20に送信する。
【0025】
患者属性取得部53は、処方箋のデータに対応する患者の患者属性のデータを取得する。患者属性のデータは、今回の来局以前に、薬剤師が患者と対話を行い、薬剤師が薬剤師用端末30を用いて入力したり、患者にアンケートを行った結果を調剤薬局の薬剤師やオペレータが入力部815を介して入力したりすることにより生成され、患者属性DB72に記憶されたものである。
【0026】
患者属性送信部54は、患者属性取得部53によって取得された患者属性のデータをサーバ20に送信する。
印刷データ受信部55は、サーバ20から送信された薬剤情報提供文書(薬情)を含む患者への提供文書の印刷データを受信する。
印刷制御部56は、印刷データ受信部55によって受信された印刷データに基づいて、調剤薬局に設置されたプリンタから薬情を含む患者への提供文書を印刷する。
【0027】
[サーバ20の機能的構成]
図4は、サーバ20の機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、サーバ20のCPU811においては、処方箋データ受信部151と、患者属性受信部152と、プロフィール画面データ生成部153と、プロフィール画面データ送信部154と、変更点取得部155と、変更点データ送信部156と、操作内容受信部157と、印刷データ生成部158と、印刷データ送信部159とが機能する。また、サーバ20の記憶部817には、薬剤師プロフィールデータベース(薬剤師プロフィールDB)171と、処方箋データベース(処方箋DB)172と、患者属性データベース(患者属性DB)173と、薬剤データベース(薬剤DB)174と、薬局別使用薬剤データベース(薬局別使用薬剤DB)175と、変更点薬情データベース(変更点薬情DB)176と、スケジュールデータベース(スケジュールDB)177とが形成される。
【0028】
薬剤師プロフィールDB171には、各調剤薬局に所属する薬剤師のプロフィール(薬剤師の写真、氏名、年齢、既婚/未婚の区別、性別、専門分野、地域活動の内容、現在力を入れている分野及び力を入れたきっかけ、薬剤師になった理由、薬剤師になって嬉しかったこと、趣味等)のデータが記憶される。この薬剤師のプロフィールのデータは、各薬剤師が調剤薬局に所属した際に、逐次、入力して記憶される。また、薬剤師の希望等に応じて、薬剤師のプロフィールを適宜変更することも可能である。
【0029】
処方箋DB172には、各調剤薬局の薬局用コンピュータ10に記憶されている処方箋DB71それぞれのデータが記憶される。即ち、処方箋DB172には、サーバ20が運用される所定の地域等について、各調剤薬局の処方箋DB71のデータが集約して記憶される。
患者属性DB173には、各調剤薬局の薬局用コンピュータ10に記憶されている患者属性DB72それぞれのデータが記憶される。即ち、患者属性DB173には、サーバ20が運用される所定の地域等について、各調剤薬局の患者属性DB72のデータが集約して記憶される。
【0030】
薬剤DB174には、各種薬剤に関する情報を表すデータが記憶される。例えば、薬剤DB174には、各種薬剤について、添付文書に記載される情報や、薬価に関する情報等のデータが記憶される。
薬局別使用薬剤DB175には、各調剤薬局で調剤に使用されている薬剤を表すデータが記憶される。この薬局別使用薬剤DB175に記憶されるデータは、各調剤薬局において使用される薬剤が切り替えられた場合等には、調剤薬局からの申請に基づいて適宜更新される。
【0031】
変更点薬情DB176には、患者における前回の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する情報(以下、適宜「変更点薬情」と呼ぶ。)が記憶される。例えば、変更点薬情DB176には、同一の患者において、前回の処方内容に対して追加された薬剤、前回の処方内容に対して処方中止となった薬剤、あるいは、前回の処方内容に含まれていた薬剤から変更された他の薬剤等に関する情報が変更点薬情として記憶される。
スケジュールDB177には、各患者に関するスケジュールのデータが記憶される。このスケジュールのデータは、薬剤師が患者と対話を行い、薬剤師用端末30を用いて入力した患者の具体的な各種スケジュール(薬剤の服用スケジュールや来局スケジュール等)が反映されたものである。
【0032】
処方箋データ受信部151は、薬局用コンピュータ10から送信された処方箋のデータを受信する。そして、処方箋データ受信部151は、受信した処方箋のデータを処方箋DB172に記憶する。
患者属性受信部152は、薬局用コンピュータ10から送信された患者属性のデータを受信する。そして、患者属性受信部152は、受信した患者属性のデータを患者属性DB173に記憶する。
【0033】
プロフィール画面データ生成部153は、薬剤師用端末30から、薬剤師のプロフィールを患者に提示するためのプロフィール画面の生成が要求された場合に、プロフィール画面の生成対象となる薬剤師のプロフィールのデータと、プロフィール画面の提示を受ける患者の患者属性とを、薬剤師プロフィールDB171及び患者属性DB173からそれぞれ読み出す。そして、プロフィール画面データ生成部153は、プロフィール画面の生成対象となる薬剤師のプロフィールのデータと、プロフィール画面の提示を受ける患者の患者属性とに基づいて、当該薬剤師のプロフィールを当該患者に提示するためのプロフィール画面のデータを生成する。プロフィール画面データ生成部153がプロフィール画面のデータを生成する場合、固定的に表示されるプロフィールの項目と、薬剤師の全てのプロフィールのデータのうち、患者と属性が共通する項目とを選択する。このとき、患者の属性に応じて、プロフィール画面データ生成部153が、薬剤師のプロフィール以外の画面の要素(背景、色合い、文字のサイズ、表示枠の種類等)を選択することとしてもよい。
【0034】
プロフィール画面データ送信部154は、プロフィール画面データ生成部153によって生成されたプロフィール画面のデータを、プロフィール画面の生成を要求した薬剤師用端末30に送信する。
変更点取得部155は、処方箋データ受信部151によって処方箋のデータが受信された場合に、当該処方箋のデータが示す患者における前回の処方箋のデータを処方箋DB172から読み出す。そして、変更点取得部155は、処方箋データ受信部151によって受信された処方箋のデータと、処方箋DB172から読み出した前回の処方箋のデータとを比較し、当該患者における前回の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する情報(変更点薬情)を取得する。さらに、変更点取得部155は、取得した変更点薬情のデータを変更点薬情DB176に記憶する。なお、薬剤DB174に薬剤の写真(例えばカラー写真)等の画像(包装や薬剤自体の外観等)を記憶しておき、同一の薬剤が処方されているものの、当該患者における前回の処方時と今回の処方時とで、薬剤の包装等に変更があった場合には、薬剤の写真等の画像を変更点薬情に含めることとしてもよい。
【0035】
変更点データ送信部156は、薬剤師用端末30から特定の患者に関する変更点薬情の送信が要求された場合に、変更点薬情DB17に記憶されている変更点薬情のデータを薬剤師用端末30に送信する。
操作内容受信部157は、薬剤師用端末30において入力された表示画面に対する操作の内容を薬剤師用端末30から受信する。薬剤師用端末30において入力された表示画面に対する操作の内容には、例えば、薬情における項目の印刷対象の指定、薬情における項目の配置の変更、薬情における詳細説明の表示の指定、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示等が含まれる。これらの操作内容は、薬剤師用端末30において表示画面に対する操作が行われる毎、あるいは、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示が行われた場合にまとめて薬剤師用端末30からサーバ20に送信される。
【0036】
印刷データ生成部158は、薬剤師用端末30からサーバ20に、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示が送信された場合に、当該患者に提供される薬情及び薬剤師から患者に説明された各種内容を記載した所定の関連文書を含む提供文書の印刷データを生成する。例えば、薬情には、変更点薬情を含む薬剤情報が記載され、所定の関連文書には、薬剤師が薬剤師用端末30において患者に説明した薬剤の服用スケジュールあるいは来局スケジュール等のスケジュールに関する情報が記載される。
印刷データ送信部159は、印刷データ生成部158によって生成された印刷データを薬局用コンピュータ10に送信する。
【0037】
[薬剤師用端末30の機能的構成]
図5は、薬剤師用端末30の機能的構成を示すブロック図である。
図5に示すように、薬剤師用端末30のCPU811においては、操作受付部251と、プロフィール画面データ受信部252と、変更点データ受信部253と、画面表示部254と、操作内容送信部255とが機能する。
操作受付部251は、表示画面に表示されている内容に対して入力される各種操作を受け付ける。例えば、操作受付部251は、薬情における項目の印刷対象の指定、薬情における項目の配置の変更、薬情における詳細説明の表示の指定、当該患者に提示されるスケジュールに対する書き込み、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示等の操作を受け付ける。
【0038】
プロフィール画面データ受信部252は、サーバ20から送信されるプロフィール画面のデータを受信する。
変更点データ受信部253は、サーバ20から送信される変更点薬情のデータを受信する。
画面表示部254は、薬剤師用端末30における初期画面(各種メニューの選択画面等)、プロフィール画面のデータに基づくプロフィール画面、変更点薬情のデータに基づく変更点薬情の表示画面、あるいは、患者に関するスケジュールの画面等、各種表示画面をディスプレイに表示する。このとき、画面表示部254は、プロフィール画面のデータの生成や、変更点薬情の送信等を適宜サーバ20に要求することにより、各種表示画面をディスプレイに表示する。
【0039】
操作内容送信部255は、操作受付部251によって受け付けられた表示画面に対する操作の内容をサーバ20に送信する。これらの操作内容は、上述のように、薬剤師用端末30において表示画面に対する操作が行われる毎、あるいは、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示が行われた場合にまとめてサーバ20に送信される。
【0040】
[動作]
次に、情報処理システム1の動作を説明する。
【0041】
[薬局用コンピュータ10の処理]
図6は、薬局用コンピュータ10が実行する薬情出力処理の流れを示すフローチャートである。
薬情出力処理は、薬局用コンピュータ10の入力部815を介して薬情出力処理の実行が指示入力されることに対応して開始される。
【0042】
薬情出力処理が開始されると、ステップS1において、処方箋データ取得部51は、患者が持参することにより調剤薬局で受け付けた処方箋の内容を表すデータ(処方箋のデータ)を取得する。このとき取得された処方箋のデータは、処方箋DB71に記憶される。
ステップS2において、処方箋データ送信部52は、処方箋データ取得部51によって取得された処方箋のデータをサーバ20に送信する。
ステップS3において、処方箋のデータに対応する患者の患者属性のデータを取得する。
ステップS4において、患者属性送信部54は、患者属性取得部53によって取得された患者属性のデータをサーバ20に送信する。この後、薬局用コンピュータ10では、サーバ20から送信される印刷データの受信を待つ待機状態となる。
【0043】
ステップS5において、印刷データ受信部55は、サーバ20から送信された薬剤情報提供文書(薬情)を含む患者への提供文書の印刷データを受信する。
ステップS6において、印刷制御部56は、印刷データ受信部55によって受信された印刷データに基づいて、調剤薬局に設置されたプリンタから薬情を含む患者への提供文書を印刷する。
ステップS6の後、薬情出力処理は終了となる。
【0044】
[サーバ20の処理]
図7は、サーバ20が実行するデータ生成処理の流れを示すフローチャートである。
データ生成処理は、サーバ20の起動と共に開始され、繰り返し実行される。
【0045】
データ生成処理が開始されると、ステップS11において、処方箋データ受信部151は、薬局用コンピュータ10から送信された処方箋のデータを受信する。このとき受信された処方箋のデータは、処方箋DB172に記憶される。
ステップS12において、患者属性受信部152は、薬局用コンピュータ10から送信された患者属性のデータを受信する。このとき受信された患者属性のデータは、患者属性DB173に記憶される。
【0046】
ステップS13において、プロフィール画面データ生成部153は、薬剤師用端末30から、薬剤師のプロフィールを患者に提示するためのプロフィール画面のデータの生成が要求されることに対応して、当該薬剤師のプロフィール画面のデータを生成する。
ステップS14において、プロフィール画面データ送信部154は、プロフィール画面データ生成部153によって生成されたプロフィール画面のデータを、プロフィール画面の生成を要求した薬剤師用端末30に送信する。
【0047】
ステップS15において、変更点取得部155は、処方箋データ受信部151によって処方箋のデータが受信されることに対応して、処方箋のデータに対応する患者における前回の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する情報(変更点薬情)を取得する。このとき取得された変更点薬情のデータは、変更点薬情DB176に記憶される。
【0048】
ステップS16において、変更点データ送信部156は、薬剤師用端末30から特定の患者に関する変更点薬情の送信が要求されることに対応して、変更点薬情DB17に記憶されている変更点薬情のデータを薬剤師用端末30に送信する。この後、サーバ20では、薬剤師用端末30から送信される、表示画面に対する操作の内容の受信を待つ待機状態となる。
ステップS17において、操作内容受信部157は、薬剤師用端末30において入力された表示画面に対する操作の内容を薬剤師用端末30から受信する。
【0049】
ステップS18において、印刷データ生成部158は、薬剤師用端末30からサーバ20に、薬情を含む患者への提供文書の印刷指示が送信されることに対応して、当該患者に提供される薬情及び薬剤師から患者に説明された各種内容を記載した所定の関連文書を含む提供文書の印刷データを生成する。
ステップS19において、印刷データ送信部159は、印刷データ生成部158によって生成された印刷データを薬局用コンピュータ10に送信する。
ステップS19の後、データ生成処理が繰り返される。
【0050】
[薬剤師用端末30の処理]
図8は、薬剤師用端末30が実行するコミュニケーション支援処理の流れを示すフローチャートである。
コミュニケーション支援処理は、薬剤師用端末30の入力部815を介してコミュニケーション支援処理の実行が指示入力されることに対応して開始される。
【0051】
コミュニケーション支援処理が開始されると、ステップS21において、画面表示部254は、プロフィール画面のデータの生成をサーバ20に要求する。
ステップS22において、プロフィール画面データ受信部252は、サーバ20から送信されるプロフィール画面のデータを受信する。
ステップS23において、画面表示部254は、変更点薬情のデータの送信をサーバ20に要求する。
【0052】
ステップS24において、変更点データ受信部253は、サーバ20から送信される変更点薬情のデータを受信する。
ステップS25において、画面表示部254は、薬剤師のプロフィール画面及び変更点薬情の表示画面を含む各種表示画面を順次ディスプレイに表示する。
ステップS26において、操作受付部251は、表示画面に表示されている内容に対して入力される各種操作を受け付ける。
【0053】
ステップS27において、操作内容送信部255は、操作受付部251によって受け付けられた表示画面に対する操作の内容をサーバ20に送信する。
ステップS28において、画面表示部254は、コミュニケーション支援処理の終了が指示されたか否かの判定を行う。
コミュニケーション支援処理の終了が指示されていない場合、ステップS28においてNOと判定されて、処理はステップS25に移行する。
一方、コミュニケーション支援処理の終了が指示された場合、ステップS28においてYESと判定されて、コミュニケーション支援処理は終了となる。
【0054】
[表示画面例]
次に、コミュニケーション支援処理において表示される表示画面例について説明する。
図9は、コミュニケーション支援処理において表示される初期画面の一例を示す模式図である。
図9に示すように、画面表示部254は、初めに、患者の氏名、生年月日及び年齢等を表す初期画面を表示する。本実施形態において、初期画面の背景、色合いあるいは表示枠の種類等は、サーバ20において患者属性に応じて選択されたものとなっている。
【0055】
図10は、薬剤師のプロフィール画面の一例を示す模式図である。
図10に示すように、初期画面に続いて、画面表示部254は、薬剤師のプロフィール画面を表示する。薬剤師のプロフィール画面は、固定的に表示されるプロフィールの項目と、サーバ20において、患者属性に応じて選択された項目とを含むものとなっている。例えば、図10に示す例では、固定的に表示されるプロフィールの項目として、薬剤師の写真、氏名、年齢、既婚/未婚の区別、地域活動の内容、いま力を入れている分野等が表示されている。また、図10に示す例では、患者属性に応じて選択された項目として、「趣味:ウォーキング」が表示されている。即ち、図10のプロフィール画面が提示される患者の患者属性には、「趣味:ウォーキング」のデータが含まれており、薬剤師のプロフィールのデータにおいて、患者の属性情報と共通する「趣味:ウォーキング」の項目が選択され、プロフィール画面に表示されている。
【0056】
図11は、アンケート画面の一例を示す模式図である。
図11に示すように、画面表示部254は、表示画面に対する薬剤師の操作に応じて、薬剤の服用に関するアンケート内容を表示し、操作受付部251によって、このアンケートの項目に対する選択肢の選択操作が受け付けられる。
【0057】
図12は、アンケートに対する回答が行われた状態の一例を示す模式図である。
図12に示す例では、「おくすりは好きですか?」というアンケートに対して、患者の回答である「飲んで安心したい」という選択肢が選択されている。また、図12に示す例では、「おくすりを飲み忘れることはありますか?」というアンケートに対して、患者の回答である「たまにある」という選択肢が選択されている。なお、本実施形態においては、アンケートの表示画面等、薬剤師のプロフィール画面以外の表示画面においても、図12に示すように、内容が簡易なものとされた薬剤師のプロフィールが表示される。
【0058】
図13は、変更点薬情の内容を示す表示画面の一例を示す模式図である。
図13に示すように、画面表示部254は、表示画面に対する薬剤師の操作に応じて、変更点薬情の内容を表示する。図13に示す例では、前回の処方内容として、処方した医師の所属医療機関名、診療科、医師名、処方年月日等と、前回処方された薬剤の一覧とが表示されている。同様に、図13に示す例では、今回の処方内容として、処方した医師の所属医療機関名、診療科、医師名、処方年月日等と、今回処方された薬剤の一覧とが表示されている。薬剤師は、図13に示す表示画面を患者に提示しながら、表示画面を操作して、患者にわかり易く処方変更の内容を説明することができる。
【0059】
図14は、図13に示す表示画面において、薬剤師が患者に処方内容を説明するための操作を行った状態の一例を示す模式図である。
図14に示すように、「A錠」及び「B錠」については、前回の処方内容と今回の処方内容とで変更がないことから、薬剤師が「A錠」及び「B錠」の項目を操作すると、同一の処方であることを示す矢印によって、処方に変更がないことが識別して表される。一方、「C錠」については、前回の処方内容に含まれていたものの、今回の処方内容には含まれていないことから、薬剤師が「C錠」の項目を操作すると、処方が中止されたことを示す破線の×印と、「×飲まないで持ってきて」というメッセージが「C錠」の項目に重ねて表示される。さらに、「Dカプセル」については、「Gカプセル」に処方が切り替えられているものの、処方済みの「Dカプセル」を飲み切ってから「Gカプセル」に切り替える必要があることから、薬剤師が「Dカプセル」の項目を操作すると、「Dカプセル」の残薬を飲み切る指示「○飲みきって」というメッセージが「Dカプセル」の項目に重ねて表示される。また、「Dカプセル」から「Gカプセル」に、処方が変更されたことを示す矢印及び「飲みきってから変更」のメッセージによって、処方の変更方法が識別して表される。
【0060】
また、薬剤師が「A錠」及び「Fカプセル」等のように今回の処方内容で処方されている薬剤の項目を操作すると、「◎飲み忘れないでね」というメッセージがこれらの項目に重ねて表示される。さらに、薬剤師が「Gカプセル」のように今回の処方内容において、前回の処方内容から変更されたことにより患者にとって利点を有する項目を操作すると、患者にとっての利点(例えば、「今日から○○を食べて良いですよ!」等、患者のクオリティオブライフが向上すること)を示すメッセージがこの項目に重ねて表示される。その他、薬剤の包装や薬剤自体の外観等に変更があった場合に、薬剤の包装や薬剤自体の外観等の変更を患者に通知する「包装(外観)が変わりました」のメッセージ等を表示することも可能である。この場合、前回の処方内容には変更前の薬剤の包装や薬剤自体の外観等を示す写真等の画像が表示され、今回の処方内容には変更後の薬剤の包装や薬剤自体の外観等を示す写真等の画像が表示される。これら「飲まないで持ってきて」、「飲みきって」、「飲み忘れないでね」、「今日から○○を食べて良いですよ!」、「包装(外観)が変わりました」等のメッセージは、前回の処方箋のデータと今回の処方箋のデータとを比較した結果や薬剤師の操作結果に基づいて、自動的に表示することが可能である。
なお、これらのメッセージが示す表示内容としては、上述した例の他、処方内容の変更に伴い、患者に対して報知すべき内容(薬剤師からの注意やアドバイス等)を含めることができる。これにより、患者が処方内容の変更をより強く意識することを促すことができる。
【0061】
ここで、変更点薬情の内容を示す表示画面において、一覧表示された各項目は、説明のし易さ等の目的のために、前回の処方内容及び今回の処方内容の中で配置を変更することができる。
図15は、一覧表示された項目の配置が変更される状態の一例を示す模式図である。
図15に示すように、前回の処方内容における「C錠」が、今回の処方内容において、同一の効能を有する「Fカプセル」に変更されている場合、「C錠」の位置を「Fカプセル」と並ぶ位置に移動して配置を変更することができる。これにより、処方変更の内容を患者にとってよりわかり易く表示することができる。
【0062】
図16は、患者に提示されるスケジュールの一例を示す模式図である。
図16においては、患者の2週間分のスケジュールが表示されている。図16に示すスケジュールの例では、日にち、曜日、天気予報によって構成されるスケジュール欄において、調剤された薬剤の服用期間を示す「おくすり」の文字を含む帯と、患者の同窓会の日程を示す「同窓会」の文字と、患者の旅行の日程を示す「旅行」の文字が付された両矢印とが入力された状態となっている。また、このスケジュールに対して、薬剤師は、手書き入力やスタンプのデータによる入力を行うことが可能である。例えば、「同窓会」の日程には、薬剤師によって「飲み忘れ注意」のスタンプのデータが入力され、「旅行」の初日には、薬剤師によって「おくすり持っていく」のスタンプのデータが入力されている。また、調剤された薬剤の服用期間の末日には、次回の来局を促す「次回来局」のスタンプのデータが入力されている。「次回来局」のスタンプのデータは、調剤された薬剤の服用期間の末日に自動的に入力したり、薬剤師の判断で入力したりすることが可能である。さらに、図16に示すスケジュールの例では、スケジュール欄の下端に、薬剤師の出勤予定が示されており、患者は薬剤師の出勤予定に合わせて、調剤薬局を訪れる日にちを決定することができるようになっている。
このようなスケジュールの機能を利用して、薬剤師は、患者の日常生活を十分に考慮した薬剤の服用スケジュールを設定することができる。例えば、頭痛に対する薬剤の処方が行われている患者が、子供の運動会に体調を整えたいという願望がある場合、薬剤師は、運動会の当日に患者の症状が軽減された状態となるよう薬剤の服用スケジュールの指導を行うことができる。
【0063】
図17は、スタンプのデータを入力するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図16に示すスケジュールの表示画面において、いずれかの日にちのスケジュール欄を選択した状態で、スケジュールの表示画面最下欄に配置されている「スタンプ」のアイコンを選択する操作(タップ等)を行うと、図17に示すように、スタンプを入力するためのインターフェース画面が表示される。薬剤師は、いずれかのスタンプを選択する操作を行うことで、目的とする日にちに、目的とするスタンプのデータを入力することができる。
【0064】
図18は、手書き文字を入力するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図16に示すスケジュールの表示画面において、いずれかの日にちのスケジュール欄を選択した状態で、スケジュールの表示画面最下欄に配置されている「手書き」のアイコンを選択する操作(タップ等)を行うと、図18に示すように、手書き文字を入力するためのインターフェース画面が表示される。薬剤師は、手書き文字を入力するための領域に、任意の文字を手書き入力することで、入力された文字が文字認識され、目的とする日にちに、目的とする文字のデータを入力することができる。なお、手書き文字を入力するためのインターフェース画面においては、入力される文字の色を選択可能となっており、色を選択した後に手書き文字を入力することで、目的とする色の文字を入力することができる。
【0065】
図19は、新規の予定を登録するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図16に示すスケジュールの表示画面において、スケジュールの表示画面最下欄に配置されている「予定追加」のアイコンを選択する操作(タップ等)を行うと、図19に示すように、新規の予定を登録するためのインターフェース画面が表示される。薬剤師は、期間、予定の選択肢、両矢印の表示色を選択することで、選択した期間を示す両矢印が選択した色で表示されると共に、予定の選択肢から選択した予定を示す文字を入力することができる。
【0066】
図20は、既に入力された予定を編集するためのインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図16に示すスケジュールの表示画面において、既に入力された予定を選択する操作(ダブルタップ等)を行うと、図19に示すように、予定を編集するためのインターフェース画面が表示される。薬剤師は、期間、予定の選択肢、両矢印の表示色を目的とするものに変更する選択を行うことで、選択した期間を示す両矢印が選択した色で表示されると共に、予定の選択肢から選択した予定を示す文字を入力することができる。
【0067】
図21は、任意の相談事項を受け付ける旨のメッセージを表示する画面例を示す模式図である。
図21に示す画面例では、「気になることはありますか?」、「話しづらいと思いますけど。遠慮なく気軽にきいてくださいね」、「ご家族のことでも」、「おくすり以外のことでも」というメッセージが表示されている。このような画面を提示することで、薬剤師は、患者が気軽に相談できる雰囲気を高めることができる。
【0068】
[薬剤情報提供文書の具体例]
次に、患者に提供される提供文書の具体例について説明する。
図22及び図23は、患者に提供される提供文書(変更点薬情)の一例を示す模式図である。
上述の図13図15に例示される変更点薬情の内容を示す表示画面において、薬情に印刷する薬剤は、薬剤師が患者との対話等に基づいて適宜選択することができる。
例えば、図22は、処方変更が行われた薬剤及び処方変更が行われていない薬剤を含む主要な薬剤を印刷対象として選択した場合の例を示している。図22においては、処方変更が行われていない「A錠」及び「B錠」、処方が中止された「C錠」、新規に処方された「Fカプセル」、処方が切り替えられた「Dカプセル」と「Gカプセル」が印刷対象として選択されている。
【0069】
一方、図23は、処方変更が行われた薬剤を印刷対象として選択した場合の例を示している。図23においては、新規に処方された「Fカプセル」、処方が切り替えられた「Dカプセル」と「Gカプセル」、処方が中止された「C錠」が印刷対象として選択されている。
なお、図22及び図23に示すように、処方変更が行われた薬剤のうち、服用に注意を要する薬剤については、処方がなくなったため飲まずに調剤薬局へ持参するよう促す「飲まないで持ってきてね」のマーク、今回処方された薬剤を飲み始める前に、前回処方された薬剤を飲み切ることを促す「飲みきってね」のマーク、今回の処方内容で新しく追加されたため、飲み忘れを注意喚起する「飲み忘れないでね」のマーク、処方内容の変更に伴い、患者のクオリティオブライフが向上することを示す「今日から○○を食べて良いですよ!」のマークが付加されている。その他、薬剤の包装や薬剤自体の外観等に変更があった場合に、薬剤の包装や薬剤自体の外観等の変更を患者に通知する「包装(外観)が変わりました」のマーク等を付加することも可能である。この場合、前回の処方内容には変更前の薬剤の包装や薬剤自体の外観等を示す写真等の画像が印刷され、今回の処方内容には変更後の薬剤の包装や薬剤自体の外観等を示す写真等の画像が印刷される。これら「飲まないで持ってきてね」、「飲みきってね」、「飲み忘れないでね」、「今日から○○を食べて良いですよ!」、「包装(外観)が変わりました」等のマークは、前回の処方箋のデータと今回の処方箋のデータとを比較した結果や薬剤師の操作結果に基づいて、自動的に付加することが可能である。
なお、これらのマークが示す表示内容としては、上述した例の他、処方内容の変更に伴い、患者に対して報知すべき内容(薬剤師からの注意やアドバイス等)を含めることができる。これにより、患者が処方内容の変更をより強く意識することを促すことができる。
【0070】
図24は、患者に提供される提供文書(関連文書)の一例を示す模式図である。
図24に示す関連文書は、患者が家の壁や冷蔵庫等、目に付き易い場所に貼っておき、気になったことを気軽にメモすると共に、次回の来局時に持参することを主な目的として患者に受け渡される書面である。
図24に示すように、患者に提供される提供文書のうち、所定の関連文書には、図16に例示される表示画面において、薬剤師が患者に説明した薬剤の服用スケジュール、来局スケジュール、患者の予定等のスケジュールに関する情報が記載される。また、スケジュールにおける各日にちについて、朝、昼、夜、就寝前(寝前)それぞれの服薬のチェック欄が記載される。
【0071】
また、所定の関連文書において、スケジュール欄の下には、一日における服薬タイミングの目安となる時間が時間軸上に表されている。即ち、図24に示す例では、朝7時、昼13時、夜19時が服薬タイミングの目安として示されている。
また、服薬タイミングの目安を示す時間軸のさらに下には、患者が気になったことをメモする欄、及び、特に服薬に注意を要する薬剤の写真等の画像が印刷されている。
さらに、図24に示す所定の関連文書の最下欄には、薬剤師から患者へのメッセージ及び調剤薬局の連絡先が印刷されている。
【0072】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1では、調剤薬局において薬剤師が患者と対話を行う場合に、薬剤師の所定のプロフィールを表示しながら、薬剤に関する情報を表示することにより、薬剤師に対する患者の興味や親近感を喚起し、より円滑な対話を支援することができる。
また、情報処理システム1では、薬剤師から患者に薬剤についての情報(処方薬剤の変更等)を説明した場合に、その説明内容を反映させた薬剤情報提供文書(薬情)を発行することにより、患者は、服用時においても、薬剤師からの説明内容をより容易に参照することができる。
さらに、情報処理システム1は、処方された薬剤の服用方法等、薬剤師から患者に説明された内容を患者が把握し易い形態の情報(スケジュール等)として提示し、患者における適切な薬剤の服用を支援することができる。
したがって、本実施形態に係る情報処理システム1によれば、薬剤師と患者とのコミュニケーションをより適切に支援することができる。
【0073】
[変形例1]
上述の実施形態において、印刷データ生成部158が提供文書の印刷データを生成する場合、今回の処方内容に含まれる薬剤の用法を説明する画像を薬情に含めることとしてもよい。
例えば、飲み薬である場合には口から薬剤を飲むピクトグラム、貼付剤である場合には身体に薬剤を貼付するピクトグラム、座薬である場合には肛門から薬剤を挿入するピクトグラム、塗り薬である場合には身体に薬剤を塗るピクトグラム等を薬情に印刷することができる。
これにより、患者が用法を誤って薬剤を使用する事態を防ぐことができる。
【0074】
[変形例2]
上述の実施形態において、今回処方された薬剤を薬剤師用端末30の表示画面に表示する場合、あるいは、薬情に印刷する場合に、処方された薬剤を表示あるいは印刷する順番を所定の条件に従って、自動的に設定することとしてもよい。
例えば、処方を行った医師が、主要な薬剤として処方したものを最上段に表示し、補助的な薬剤等、相対的な重要度が低いもの程、下段に表示することができる。一例として、頭痛を抑えるために処方された薬剤を最上段に表示し、当該薬剤を服用することによる副作用を抑える薬剤(胃が荒れる副作用を抑えるために胃粘膜を保護する薬剤等)を下段に表示すること等が可能である。
また、例えば、服用タイミングが朝、昼、夜等で異なる薬剤であれば、服用タイミングの順に上段から下段に表示すること等が可能である。
【0075】
[変形例3]
上述の実施形態において、提供文書は患者に対して提供される場合を例に挙げて説明したが、これに限られない。即ち、提供文書の提供対象としては、患者の他、患者の家族、介護者(介護福祉士等)、看護師等、患者の処方内容を参照する可能性がある各種主体を想定することができる。この場合、提供文書の提供を受ける提供者の知識等に応じて、提供文書で示される情報の内容(難易度や粒度等)を変更することができる。
また、提供文書のうち、薬剤情報提供文書(薬情)と所定の関連文書とを異なる対象者向けのものとすることも可能である。例えば、薬剤情報提供文書(薬情)を患者の介護者に提供し、所定の関連文書を患者に提供することを想定して、提供文書の内容を生成することができる。これにより、提供文書の提供を受ける対象者に応じて、目的に合った内容の提供文書(薬情または関連文書)を生成することができる。
【0076】
なお、上述の実施形態及び変形例において、患者に提供される提供文書として、変更点薬情や関連文書等、所定の書面の形態のものを例として説明したが、これに限られない。例えば、提供文書を薬袋の形態で患者に提供することとしてもよい。即ち、本実施形態において、印刷データ生成部158が生成する印刷データは、薬袋や薬情等、情報を印刷可能な各種媒体に印刷して患者に提供することができる。情報を印刷可能な各種媒体の素材としては、紙、ビニールあるいは電子ペーパー等の種類を問わない。また、印刷データを複数の媒体に分割して印刷することも可能である。例えば、今回の処方箋のデータを印刷した薬情の提供文書と、その提供文書に貼付することにより、全体として処方箋のデータの変更を患者に提示するシール(過去の処方箋のデータ及び処方変更の内容が印刷されたシール等)とによって、1つの媒体を構成することも可能である。
さらに、患者に提供される提供文書を、情報を印刷可能な各種媒体に印刷して患者に提供することの他、電子お薬手帳、スマートフォン等のアプリ(手帳あるいはスケジュール帳等のアプリ)、その他、電子機器において情報を閲覧可能な電子データの形態で出力して患者に提供(例えば、通信あるいは記憶媒体により提供)することとしてもよい。
【0077】
また、上述の実施形態及び変形例において、患者に提供される提供文書には、前回の処方箋のデータと今回の処方箋のデータ等、過去の1つの処方箋のデータと今回の処方箋のデータとを比較した結果を示す場合を例として説明したが、これに限られない。例えば、過去の複数の処方箋のデータと今回の処方箋のデータとを対象として、これらを比較した結果を提供文書に示すこととしてもよい。一例として、前回及び前々回の処方箋のデータと今回の処方箋のデータとは同一であるものの、3回前の処方箋のデータで変更があった場合、3回前の処方箋のデータと、前回(または前々回)の処方箋のデータと、今回の処方箋のデータとを対象として、これらを比較した結果を提供文書に示すことができる。これにより、前回に限らず、患者に提示することが有用な過去の処方箋のデータを抽出し、今回の処方箋のデータと比較した結果を示すことができる。
なお、比較される処方箋のデータとして、今回の処方箋のデータを含まない場合も可能であり、例えば、前回の処方箋のデータと前々回の処方箋のデータとを比較した結果を示すことも可能である。
【0078】
また、上述の実施形態及び変形例において、図13に示す変更点薬情の内容を示す表示画面が表示される場合、初期状態では、成分(または効能)が同一の薬剤が過去の処方箋のデータと今回の処方箋のデータとで自動的に対応付けられて配置した表示とすることができる。この場合、例えば、変更されていない薬剤同士や、同一の成分(または効能)を有する変更前後の薬剤同士が対応付けられて配置した表示となる。そして、このように表示された変更点薬情の内容を示す表示画面に対して、薬剤師がいずれかの薬剤の表示位置を移動させた場合、その移動結果の位置に対応して、予め設定された表示内容を自動的に表示することができる。例えば、過去の処方箋のデータにおける薬剤のいずれかが、今回の処方箋のデータにおいて対応するものがない表示位置に移動された場合、当該薬剤の処方が中止されたことを示すメッセージ(「おくすりがなくなりました」等)を表示することができる。同様に、今回の処方箋のデータにおける薬剤のいずれかが、過去の処方箋のデータにおいて対応するものがない表示位置に移動された場合、当該薬剤の処方が追加されたことを示すメッセージ(「おくすりが追加になりました」等)を表示することができる。これにより、処方された薬剤の変更の内容をよりわかり易く患者に示すことができる。
【0079】
以上のように、本実施形態に係る情報処理システム1は、薬局用コンピュータ10と、サーバ20と、薬剤師用端末30とを備える。
薬局用コンピュータ10は、処方箋データ取得部51と、処方箋データ送信部52とを備える。
処方箋データ取得部51は、患者の処方箋のデータを取得する。
処方箋データ送信部52は、処方箋データ取得部51によって取得された処方箋のデータをサーバ20に送信する。
サーバ20は、変更点取得部155と、変更点データ送信部156とを備える。
変更点取得部155は、薬局用コンピュータ10から送信された処方箋のデータと、当該処方箋のデータに対応する患者の過去の処方箋のデータとに基づいて、当該患者における過去の処方内容と今回の処方内容とで変更された薬剤に関する変更点薬情を取得する。
変更点データ送信部156は、変更点薬情のデータを薬剤師用端末30に送信する。
薬剤師用端末30は、画面表示部254と、操作受付部251とを備える。
画面表示部254は、サーバ20から送信された変更点薬情のデータに基づいて、変更点薬情を含む処方箋に関連する薬剤の情報を患者に提示するための画面を表示する。
操作受付部251は、画面表示部254によって表示された画面に対して入力された操作を受け付ける。
画面表示部254は、画面に対して入力された操作に応じて、薬剤の情報の表示内容を変更する。
このような構成により、情報処理システム1では、薬局において薬剤師が患者と対話を行う場合に、変更点薬情を含む処方箋に関連する薬剤の情報を表示することができると共に、画面に対して入力した操作に応じて、薬剤の情報の表示内容を変更することができる。
したがって、薬剤師と患者とのコミュニケーションをより適切に支援することができる。
【0080】
薬剤師用端末30は、操作内容送信部255を備える。
操作内容送信部255は、操作受付部251によって受け付けられた操作の内容をサーバ20に送信する。
これにより、薬剤師用端末30において入力された画面に対する操作の内容をサーバ20において把握することができる。
【0081】
サーバ20は、印刷データ生成部158と、印刷データ送信部159とを備える。
印刷データ生成部158は、操作内容送信部255によって送信された操作の内容に基づいて、変更点薬情を含む患者への提供文書の出力用データ(印刷データあるいは記憶媒体等への出力のためのデータ)を生成する。
印刷データ送信部159は、印刷データ生成部158によって生成された出力用データを薬局用コンピュータ10に送信する。
薬局用コンピュータ10は、印刷制御部56を備える。
印刷制御部56は、サーバ20から送信された出力用データに基づいて、患者に受け渡す媒体として、提供文書を出力する。
これにより、薬剤師用端末30において入力された操作内容に応じた提供文書を薬局用コンピュータ10において出力(印刷あるいは記憶等)することができる。
【0082】
サーバ20は、プロフィール画面データ生成部153と、プロフィール画面データ送信部154とを備える。
プロフィール画面データ生成部153は、薬剤師のプロフィールのデータと、患者の属性とに基づいて、患者に提示するための薬剤師のプロフィール画面のデータを生成する。
プロフィール画面データ送信部154は、プロフィール画面のデータを薬剤師用端末30に送信する。
薬剤師用端末30の画面表示部254は、サーバ20から送信されたプロフィール画面のデータに基づいて、薬剤師のプロフィール画面を表示する。
これにより、患者の属性に応じた薬剤師のプロフィール画面が表示されるため、薬剤師に対する患者の興味や親近感を喚起し、より円滑な薬剤師と患者との対話を支援することができる。
【0083】
プロフィール画面データ生成部153は、薬剤師のプロフィールのデータのうち、患者の属性と共通するデータを選択して、薬剤師のプロフィール画面のデータを生成する。
これにより、薬剤師に対する患者の興味や親近感をより強く喚起することができる。
【0084】
画面表示部254は、患者の処方箋に含まれる薬剤の服用スケジュールを含む当該患者に関するスケジュールの画面を表示する。
操作受付部251は、スケジュールの画面に対して入力された操作を受け付ける。
操作内容送信部255は、操作受付部251によって受け付けられたスケジュールの画面に対する操作の内容をサーバ20に送信する。
これにより、患者のスケジュールに入力した内容を反映させて、サーバ20が患者のスケジュールのデータを生成したり、印刷データを生成したりすることが可能となる。
【0085】
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
例えば、上述の実施形態において、薬局用コンピュータ10において、処方箋DB71あるいは患者属性DB72を備えることなく、サーバ20が一括してデータを管理することとしてもよい。この場合、薬局用コンピュータ10は、サーバ20とデータを逐次送受信することにより、サーバ20の処方箋DB172あるいは患者属性DB173に記憶されたデータを利用して、上述の実施形態と同様の処理を実行することができる。
また、本発明に係る情報処理システム1は、上述の実施形態における各装置によって構成することの他、上述の実施形態における複数の装置の機能を1つの装置にまとめて実装したり、あるいは、1つの装置の機能を複数の装置に分散して実装したりすることが可能である。
【0086】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、上述の実施形態における機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システム1を構成するいずれかのコンピュータに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に示した例に限定されない。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0087】
また、上述した一連の処理を実行するためのプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布されるリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0088】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限るものではない。また、本実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0089】
1 情報処理システム、10 薬局用コンピュータ、20 サーバ、30 薬剤師用端末、40 ネットワーク、51 処方箋データ取得部、52 処方箋データ送信部、53 患者属性取得部、54 患者属性送信部、55 印刷データ受信部、56 印刷制御部、71 処方箋データベース、72 患者属性データベース、151 処方箋データ受信部、152 患者属性受信部、153 プロフィール画面データ生成部、154 プロフィール画面データ送信部、155 変更点取得部、156 変更点データ送信部、157 操作内容受信部、158 印刷データ生成部、159 印刷データ送信部、171 薬剤師プロフィールデータベース、172 処方箋データベース、173 患者属性データベース、174 薬剤データベース、175 薬局別使用薬剤データベース、176 変更点薬情データベース、177 スケジュールデータベース、251 操作受付部、252 プロフィール画面データ受信部、253 変更点データ受信部、254 画面表示部、255 操作内容送信部、800 情報処理装置、811 CPU、812 ROM、813 RAM、814 バス、815 入力部、816 出力部、817 記憶部、818 通信部、819 ドライブ、820 撮像部、831 リムーバブルメディア
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