(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044067
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】電子部品の測定装置及び電子部品の測定装置を用いた電子部品の測定方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/02 20060101AFI20220310BHJP
G01B 11/00 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
G01B11/02 Z
G01B11/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149501
(22)【出願日】2020-09-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-14
(71)【出願人】
【識別番号】000212599
【氏名又は名称】中谷 進
(71)【出願人】
【識別番号】597130074
【氏名又は名称】羽田 誠
(72)【発明者】
【氏名】羽田 誠
(72)【発明者】
【氏名】中谷 進
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA03
2F065AA24
2F065BB22
2F065DD13
2F065JJ09
2F065JJ15
2F065MM07
2F065PP03
2F065PP22
2F065QQ13
2F065SS13
2F065TT04
(57)【要約】
【課題】塵、埃、脂などのテーブル面のノイズ源を視認しながら、該ノイズ源の清掃作業を進めることを可能とした測定装置及び測定方法を提供する。
【解決手段】 透明テーブル2の上面に試料Wが載置されていない状態で、ノイズ源測定実行ボタン31をクリックして、透明テーブル2の面の塵、埃、皮脂汚れなどのノイズ源Nsを検出し、モニター9に表示されたノイズ源印Nsmを視認し、ノイズ源Nsの位置及び除去状況を確認しながら清掃作業を行うことが可能となる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明テーブルの下方に設けられた照射部から、前記透明テーブル上面に載置した試料に向けて前記透明テーブルを透過する照射光を照射し、その反射光である試料反射光を前記透明テーブルの下方に設けられた受光部で受光し、その受光情報である試料受光情報を処理して、前記試料の表面の各座標位置(x、y)における高さを示すデータである試料表面高さデータを生成する測定装置において、
前記透明テーブル面に在る塵、脂汚れ、テーブル面の傷などの前記照射光を反射する前記試料以外の反射物であるノイズ源、
前記透明テーブルの上面に前記試料が載置されていない状態で照射された前記照射光の、前記ノイズ源の反射光であるノイズ源反射光、
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するノイズ源データ生成部を、備えたことを特徴とする測定装置。
【請求項2】
前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の測定時に測定域から除いて測定し生成された、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成する試料表面ノイズレス高さデータ生成部を、備えたことを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項3】
前記透明テーブルに載置された前記試料の測定領域を特定ないし設定し、そのデータである測定領域特定データを生成する測定領域特定部と、
前記測定領域特定データの示す前記測定領域の域外を測定から除外した非測定域とし、前記測定領域における前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の表面の測定時に除外して測定し生成された、前記測定領域における前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面領域ノイズレス高さデータを生成する試料表面領域ノイズレス高さデータ生成部と、を備えたことを特徴とする請求項1記載の測定装置。
【請求項4】
前記ノイズ源の位置をモニターに視認できる形態で表示するノイズ源表示部を設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項5】
前記ノイズ源データの各座標位置(x、y)数が、設定された各座標位置(x、y)数の範囲を満たしているかを判定する判定部を設けたことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項6】
新たな前記ノイズ源データを生成する測定処理動作を、自動的に繰返し行わせる繰返し測定指示部を設けたことを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項7】
前記ノイズ源の位置をモニターに視認できる形態で表示するノイズ源表示部が設けられ、
前記モニターに、前記透明テーブルの上面の画像である上面画像が表示可能とされ、
前記モニターに、前記透明テーブルの下面の画像である下面画像が表示可能とされ、
前記上面画像には前記透明テーブルの上面に在る前記ノイズ源の位置が表示され、
前記下面画像には前記透明テーブルの下面に在る前記ノイズ源の位置が表示されることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の測定装置。
【請求項8】
透明テーブルの下方に設けられた照射部から、前記透明テーブル上面に載置した試料に向けて前記透明テーブルを透過する照射光を照射し、その反射光である試料反射光を前記透明テーブルの下方に設けられた受光部で受光し、その受光情報である試料受光情報を処理して、前記試料の表面の各座標位置(x、y)における高さを示すデータである試料表面高さデータを生成する測定装置の測定方法であって、
前記透明テーブル面に在る塵、脂汚れ、テーブル面の傷などの前記照射光を反射する前記試料以外の反射物であるノイズ源、
前記透明テーブルの上面に前記試料が載置されていない状態で照射された前記照射光の、前記ノイズ源の反射光であるノイズ源反射光、
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップ、を有することを特徴とする測定方法。
【請求項9】
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップと、
前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の測定時に測定域から除いて測定し生成された、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成するステップと、を有することを特徴とする請求項8記載の測定方法。
【請求項10】
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップと、
前記透明テーブルに載置された前記試料の測定領域を特定ないし設定し、そのデータである測定領域特定データを生成するステップと、
前記測定領域特定データの示す前記測定領域の域外を測定から除外した非測定域とし、前記測定領域における前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の表面の測定時に除外して測定し生成された、前記測定領域における、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成するステップと、を有することを特徴とする請求項8記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、上面に試料を載置した透明テーブルの下方から試料の表面(下面)の高さを測定する測定装置及び測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、試料を載置した透明テーブルの下方から試料の表面(下面)の高さを測定する測定装置が種々提案されている。
光透過性平面板の下方からレーザーフォーカスセンサーを走査し、試料の光透過性平面板上面からの各位置における高さを測定し、かつ、光透過性平面板の上面で試料の無い箇所の反射光を測定して光透過性平面板上面位置の高さを測定し、光透過性平面板上面からの各位置における高さデータから光透過性平面板上面位置の高さデータを引き演算して、光透過性平面板上面から試料の表面(下面)の高さを測定する測定装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
また、位相シフト法によって測定する測定装置であって、試料が載置されていない透明テーブルの上面を該透明テーブルの下方から撮像部で撮像した画像を処理して各位置の位相θを示す基準位相データを生成し、透明テーブルの上面に載置した複数の突起部を有する試料の表面(下面)を撮像部で撮像した画像を処理して検査試料Aの表面の各位置の位相θを表す検査試料位相データを生成し、検査試料Aを置いた場合の各位置の位相θを表すデータとの差を計算することにより、前記基準位相データと前記検査試料位相データとの各位置の位相差を計算し、その各位置の位相差を高さを示すデータに変換して、検査試料Aの表面と透明テーブルの上面との距離(高さ)を示す表面形状データ(3次元形状データ)を生成し、前記表面形状データにより表されるXY平面において領域を特定し、特定された領域において透明テーブルの上面からの各位置における距離の値の代表値を決定する測定装置及び測定方法が知られている(例えば、特許文献2)。
【0004】
また、透明テーブル上面に載置した多数の下向きの突出端子を有する電子部品の、該突出端子の平坦度を測定する測定装置において、テーブル上面に接触している突出端子の最下部位を基準として、該基準からの他の突出端子の浮き距離(高さ距離)を測定する装置が知られている(例えば、特許文献3)。
【0005】
試料を載置する透明テーブル(以下「試料載置テーブル」ともいう。)の下部ないし下方に透明テーブル(以下「下方テーブル」ともいう。)を有する測定装置が知られている(例えば、特許文献4)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第4849709号公報
【特許文献2】特許第5385703号公報(請求項1、段落[0044])
【特許文献3】特開平08-247735号公報([請求項1]、段落[0011])
【特許文献4】特開2018-028440号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
<定義>
透明テーブルの面に在る埃、塵、脂汚れ、透明テーブル自身(コート膜が施されているものは該コート膜を含む)の傷(視認できない微細な傷を含む)などの反射物を以下「ノイズ源」という。但し、例えば、測定のために透明テーブルの上面に設けた反射膜、治具等はノイズ源には含まれない、ないし、ノイズ源から除外される。
【0008】
上述した従来技術は、試料を載置した透明テーブルの下方から試料の表面(下面)の高さを測定する測定装置であるが、透明テーブル面のノイズ源が各位置の高さレベルに関する情報に影響することを、考慮していなかった。
【0009】
透明テーブル上面に載置した試料を下方から高さデータを測定する場合、透明テーブル上面を基準として高さを測る場合、透明テーブル上面に設けた反射部材の表面(下面)の測定値にもとづいて生成した平面を基準面として高さを測る場合、透明テーブル上面に載置した試料のテーブル上面に接地している位置を基準面として高さを測る場合、センサ基準で高さを測る場合などがある。何れの測定方法としても共通する問題があった。それは、透明テーブル面(上面、下面の両方)のノイズ源である。このノイズ源のために透明テーブルの下方向から投光し、その反射光を受光することにより高さ情報を取得する全ての測定方法において、試料ではないノイズ源部分の高さ情報を取得してしまい、測定誤差となってしまう。光に影響を与える全てのノイズ源が各位置(x、y)の高さレベルに関する情報に影響する。また、高さ情報ではなく、試料からの反射光の輝度情報取得時も同様にノイズ源の影響を受ける。
【0010】
試料を載置しない状態で測定した場合、透明テーブルの両面にノイズ源がなく、試料も無いのであれば、一切の高さ情報が存在しないことになる。ところが、透明テーブルには、ノイズ源(空気中に浮遊していた塵が透明テーブルの上面、下面に付着したもの、透明テーブルに試料から剥離した塵、作業者の手にある脂汚れと透明テーブル自身(コート膜を含む)の傷(視認できない微細な傷を含む)、透明テーブル面の部分変色などが少なからず存在している。これらのノイズ源から反射光が発生し、試料があるかのように高さ情報が発生する。この様なノイズ源がある状態の透明テーブルに、試料を載置し、測定した場合、本来不要であるべきノイズ源部分の高さ情報が混在し、誤った測定データとなってしまうという問題があった。
【0011】
従来の対処方法は、(1)試料の載置前に透明テーブル上面、下面に圧縮空気を吹き付けてノイズ源を吹き飛ばし除去する、(2)透明テーブル上面、下面を布等で拭き取り清掃して除去する、というものであった。また、ノイズ源を判断基準も無く漠然と除去する事のみであった。
上記(1)、(2)の除去方法ではノイズ源が残る場合もあり、また新たなノイズ源が生じる場合があり、また透明テーブル自身の傷(視覚できない微細な傷)は除去できないものである。
こうしたノイズ源は、試料を透明テーブルに載置した状態で測定した場合、ノイズ源の情報(測定値)なのか、試料の表面(下面)の正しい情報(測定値)なのかが不明確であるという問題があった。
また、測定対象部の測定前に、透明テーブル上面に圧縮空気を吹き付けての除去操作、拭き取り清掃操作などを行ったとしても、視認できないようなノイズ源を確実に除去できたか判断ができないという問題があった。
また、ノイズ源が試料の測定精度にどの程度影響を与えるものなのかを判断することができない、ないし、判断が困難なものであった。
結果、ノイズ源を試料部分の表面部分としたデータが生成されることが生じ、試料の測定データが不正確な部分を含むデータになってしまうという問題を有するものであった。
それは、高精度の測定になるに従い、この問題は顕著になってくるものである。
【0012】
また特許文献3の発明は、透明テーブルの下面にノイズ源がある場合、かかるノイズ源を最も低い位置にある突出端子として誤測してしまう恐れがあるものであった。
テーブル面には3つの突出端子が接触しているが、この3つの接触している突出端子の高さ位置を結ぶ平面を平坦基準面として設定することが考えられる、このとき、例えば、1つのノイズ源がテーブル下面にある場合は、かかるテーブル下面の1つのノイズ源と2つの突出端子を結ぶ著しく傾いた平面を基準平面に設定してしまうことが生じる危険があるものであった。
【0013】
特許文献4の発明のものは、透明テーブルが二重構造であることから、上述したノイズ源による問題をさらに深刻にしてしまう可能性が強いものであった。
【0014】
本発明は、上述した従来技術のかかる欠点に鑑みてなされたものであって、ノイズ源を視認しながら該ノイズ源を除去する清掃作業を進めることを可能とした測定装置及び測定方法を提供することを第1の目的としている。
また、ノイズ源の無い域に試料を載置することを可能とした測定装置及び測定方法を提供することを第2の目的としている。
また、ノイズ源が測定結果におよぼす影響を、判別することを可能とした測定装置及び測定方法を提供することを第3の目的としている。
また、ノイズ源に関する情報を、測定結果情報に含めることを可能とした測定装置及び測定方法を提供することを第4の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<第1の発明>
透明テーブルの下方に設けられた照射部から、前記透明テーブル上面に載置した試料に向けて前記透明テーブルを透過する照射光を照射し、その反射光である試料反射光を前記透明テーブルの下方に設けられた受光部で受光し、その受光情報である試料受光情報を処理して、前記試料の表面の各座標位置(x、y)における高さを示すデータである試料表面高さデータを生成する測定装置において、
前記透明テーブル面に在る塵、脂汚れ、テーブル面の傷などの前記照射光を反射する前記試料以外の反射物であるノイズ源、
前記透明テーブルの上面に前記試料が載置されていない状態で照射された前記照射光の、前記ノイズ源の反射光であるノイズ源反射光、
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するノイズ源データ生成部を、備えたことを特徴とする測定装置である。
【0016】
<第2の発明>
第1の発明において、前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の測定時に測定域から除いて測定し生成された、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成する試料表面ノイズレス高さデータ生成部を、備えたことを特徴とする測定装置である。
【0017】
<第3の発明>
第1の発明において、前記透明テーブルに載置された前記試料の測定領域を特定ないし設定し、そのデータである測定領域特定データを生成する測定領域特定部と、
前記測定領域特定データの示す前記測定領域の域外を測定から除外した非測定域とし、前記測定領域における前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の表面の測定時に除外して測定し生成された、前記測定領域における前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面領域ノイズレス高さデータを生成する試料表面領域ノイズレス高さデータ生成部と、を備えたことを特徴とする測定装置である。
【0018】
第1、2、3の発明における「試料表面高さデータ」はZ軸方向の距離を示すものであり、その基準位置は、照射部及び受光部又はいずれか一方の側の位置、透明テーブルの上面の位置、透明テーブルの上面に設けた反射部材の表面(下面)の位置、透明テーブルの上面に設けた反射部材の表面(下面)の3点を結ぶ平面(上下に移動させた平面を含む)の位置などであり、これらを技術的範囲に含むものである。
【0019】
<第4の発明>
前記第1~3のいずれかの発明において、前記ノイズ源の位置をモニターに視認できる形態で表示するノイズ源表示部を設けたことを特徴とする測定装置である。
【0020】
<第5の発明>
前記第1~4のいずれかの発明において、前記ノイズ源データの各座標位置(x、y)数が、設定された各座標位置(x、y)数の範囲を満たしているかを判定する判定部を設けたことを特徴とする測定装置である。
【0021】
<第6の発明>
前記第1~5のいずれかの発明において、新たな前記ノイズ源データを生成する測定処理動作を、自動的に繰返し行わせる繰返し測定指示部を設けたことを特徴とする測定装置である。
【0022】
<第7の発明>
前記第1~6のいずれかの発明において、前記ノイズ源の位置をモニターに視認できる形態で表示するノイズ源表示部が設けられ、
前記モニターに、前記透明テーブルの上面の画像である上面画像が表示可能とされ、
前記モニターに、前記透明テーブルの下面の画像である下面画像が表示可能とされ、
前記上面画像には前記透明テーブルの上面に在る前記ノイズ源の位置が表示され、
前記下面画像には前記透明テーブルの下面に在る前記ノイズ源の位置が表示されることを特徴とする測定装置である。
【0023】
また、前記第1~7のいずれか1の発明において、前記試料の寸法を記憶する試料寸法記憶部が設けられ、
前記寸法の試料をノイズ源の影響を受けずに載置可能な域である載置OK域を判断する試料載置箇所判断部が設けられ、
前記載置OK域が前記モニターに表示可能とされたことを特徴とする測定装置もよい。
【0024】
前記第1~7のいずれか1の発明において、測定時の、前記試料の載置が許容される域を示す試料載置許容域と、前記試料載置許容域における、前記ノイズ源の位置が視認できる形態で示すノイズ源印と、前記試料の形態と位置を視認できる形態で示す試料画像と、を前記モニターに表示できることを特徴とする測定装置もよい。
【0025】
<第8の発明>
透明テーブルの下方に設けられた照射部から、前記透明テーブル上面に載置した試料に向けて前記透明テーブルを透過する照射光を照射し、その反射光である試料反射光を前記透明テーブルの下方に設けられた受光部で受光し、その受光情報である試料受光情報を処理して、前記試料の表面の各座標位置(x、y)における高さを示すデータである試料表面高さデータを生成する測定装置の測定方法であって、
前記透明テーブル面に在る塵、脂汚れ、テーブル面の傷などの前記照射光を反射する前記試料以外の反射物であるノイズ源、
前記透明テーブルの上面に前記試料が載置されていない状態で照射された前記照射光の、前記ノイズ源の反射光であるノイズ源反射光、
前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップ、を有することを特徴とする測定方法である。
【0026】
<第9の発明>
前記第8の発明において、前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップと、
前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の測定時に測定域から除いて測定し生成された、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成するステップと、を有することを特徴とする測定方法である。
【0027】
<第10の発明>
前記第8の発明において、前記ノイズ源反射光を前記受光部で受光し、その受光情報であるノイズ源受光情報を処理して、前記ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するステップと、
前記透明テーブルに載置された前記試料の測定領域を特定ないし設定し、そのデータである測定領域特定データを生成するステップと、
前記測定領域特定データの示す前記測定領域の域外を測定から除外した非測定域とし、前記測定領域における前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の表面の測定時に除外して測定し生成された、前記測定領域における、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成するステップと、を有することを特徴とする測定方法である。
【発明の効果】
【0028】
以上のような構成の本発明は次に述べるような作用効果を奏する。
「ノイズ源」とは、透明テーブル面に在る、前記照射光を反射する前記試料以外の反射物であり、具体例としては、埃、塵、脂汚れ、透明テーブル自身(コート膜を含む)の傷(視認できない微細な傷を含む)、透明テーブルの透過膜の劣化等による変色部位などである。
【0029】
<第1の発明の効果>
透明テーブルに試料が載置されていない状態で測定された、ノイズ源の表面の各座標位置(x、y)の高さ及び輝度又はいずれか一方を示すデータであるノイズ源データを生成するものであるので、次に述べるような作用効果を奏する。
【0030】
(a)ノイズ源の各座標位置(x、y)が明らかなノイズ源データを生成(取得)しているので、該ノイズ源データに基づいてノイズ源の位置を、視認できる形態でモニターに表示させることを可能にできるという作用効果を奏する。
ノイズ源の位置を視認できる形態でモニターへ表示することによって、例えば、試料が載置されていない状態で、第1回目の測定処理動作でモニターに表示されたノイズ源及びその位置を確認し、残っているノイズ源を除去(試料測定域外への移動を含む)する第1回目の清掃操作を行い、第2回目のノイズ源の測定処理を実行させてモニターに表示されたノイズ源及びその位置を確認し、残っているノイズ源を除去する第2回目の清掃操作を行い、・・・・というように、ノイズ源を除去する清掃作業を、ノイズ源の除去状況と残存ノイズ源の位置を確認しながら行うことを可能とする。
それによって、ノイズ源を確実に除去したかを確認できかつ効率的な清掃作業を可能とする。
【0031】
(b)ノイズ源の位置を視認できる形態でモニターへ表示することによって、試料の載置をノイズ源の無い場所にすることが可能となる。また、試料の縦横の寸法を入力・記憶させることでノイズ源を避けた試料を載置することが可能な箇所ないし域を知らせることを可能とする。
また、試料の載置予定領域のノイズ源の状態を知らせることを可能とする。
また、試料の測定領域を特定ないし設定して、該測定領域のみの測定データの生成を行うものにおいては、測定領域のノイズ源の状態を知らせることを可能とする。
(c)測定作業者にノイズ源の場所、ノイズ源が及ぼす影響を適切に知らせることが可能となり、ノイズ源の除去作業後の確認も明確になる。したがって、ノイズ源を適切に除去可能となることから、信頼性の高い測定を可能とする。
また、テーブル面全体の除去清掃をすることなく、試料を載置する箇所のノイズ源の除去(試料測定域外へのノイズ源移動も含む)に絞った除去清掃を可能とする。
(d)測定結果報告書等を、ノイズ源データのあるものとし、例えば、ノイズ源の無い箇所に試料を載置して測定した画像も報告内容とすることで、信頼性の高い測定結果とすることを可能とする。
ノイズ源の有無の判断、該ノイズ源に対してとった対応措置、該ノイズ源の試料の測定結果への影響、又は該ノイズ源の処理の測定結果への影響などを、試料の測定結果の報告書等に記載ないし添付することを可能とし、試料の測定データに高精度化及び高信頼性(安心性及び安定性)を付加することを可能とする。
(e)試料の表面(下面)の高さ測定において、ノイズ源の各座標の全部ないし一部を試料の表面(下面)の高さ測定データから排除した測定データとすることを可能とする。また、試料の表面(下面)の高さ測定において、ノイズ源の各座標位置の全部ないし一部域を測定域から排除して非測定域とした、試料表面の測定を可能にする。この処理により、明らかに有効でないデータであるノイズ源データ部分を含まない(除かれた)という、誤ったデータを含まない正確な試料測定を可能にするものである。
(f)ノイズ源データ(例えば、各座標位置(x、y)数)が設定された条件を満たしているかを判定することを可能とする。また、透明テーブルの汚れ度合い及び位置情報を数値化し、試料の測定に与える影響を判断することも可能とする。
(g)多数の下向きの突出端子を有する電子部品の測定において、テーブル上面に接触している三つの突出端子の最下部位の三点を結ぶ面を基準平面に設定する場合において、ノイズ源が突出端子のテーブル上面の接触箇所に誤認されることのない装置の実現を可能とする。
【0032】
ノイズ源データが、ノイズ源の表面(下面)の各座標位置(x、y)における高さを示す情報を含むものであるので、次に述べるような作用効果を奏する。
(h)ノイズ源データの高さを示す情報にもとづいて、前記ノイズ源が前記透明テーブルの上面に位置するものなのか又は下面に位置するものなのかを判定ないしモニターに表示することを可能とする。
(i)照射光を透過する透明な下方テーブルが設けられ、該下方テーブルの上部ないし上方に試料を載置する透明テーブルを設けた測定装置においては、
ノイズ源が、透明テーブルの上面なのか下面なのか、下方テーブルの上面なのか下面なのかを判別することを可能とするものでる。
【0033】
(j)高さデータではなく該高さデータよりも情報量及びその処理量が少ない輝度データでノイズ源位置を表示することによって、より迅速にノイズ源を求めることが可能となる。
【0034】
<第2の発明の効果>
前記第1の発明と同様な効果を奏するとともに、「前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の測定時に測定域から除いて測定し生成された、前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離(Z軸方向の距離)を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成する試料表面ノイズレス高さデータ生成部」を、備えた構成であるので、
明らかに有効でないデータであるノイズ源データ部分の高さデータを有さない(除かれた)、試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離(Z軸方向の距離)を示すデータである試料表面ノイズレス高さデータを生成するものであり、かかる試料表面ノイズレス高さデータは、ノイズ源部分の誤ったデータを含まない(除いた)正確な試料測定を実現するものである。
試料表面ノイズレス高さデータは、試料表面の高さ距離を示すデータにおいてノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を除いた(データ無し)データである。
【0035】
<第3の発明の効果>
前記第1の発明と同様な効果を奏するとともに、「前記透明テーブルに載置された前記試料の測定領域を特定ないし設定し、そのデータである測定領域特定データを生成する測定領域特定部と、前記測定領域特定データの示す前記測定領域の域外を測定から除外した非測定域とし、前記測定領域における前記ノイズ源データが示す前記ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を、データから除いて生成された又は前記試料の表面の測定時に除外して測定し生成された、前記測定領域における前記試料の表面の各座標位置(x、y)の高さ距離を示すデータである試料表面領域ノイズレス高さデータを生成する試料表面領域ノイズレス高さデータ生成部」と、を備えた構成であるので、
測定領域以外の域のノイズ源情報及び試料表面の高さ情報は除外した、測定領域のみの処理となるので、その情報処理量を少なくでき迅速な測定を実現する。
試料表面領域ノイズレス高さデータは、測定領域における試料表面の高さ距離を示すデーダにおいて、ノイズ源の各座標位置(x、y)部分の一部又は全部を除いた(データ無し)データである。
【0036】
<第4の発明の効果>
前記第1~3のいずれかの発明において、前記ノイズ源の位置をモニターに視認できる形態で表示することができる構成であるので、前記第1の発明の(a)~(i)の事項を実現する。
【0037】
<第5の発明の効果>
前記第1~4のいずれかの発明と同様な効果を奏するとともに、前記ノイズ源データの各座標位置(x、y)数が、設定された各座標位置(x、y)数の範囲を満たしているかを判定する判定部を設けた構成であるので、例えば、ノイズ源のXY平面における各座標位置(x、y)数が設定された各座標位置(x、y)数を、例えば、超えるものがある場合は、測定不可、要清掃ないし不良ノイズ源有りと判定することを可能とする。
【0038】
<第6の発明の効果>
前記第1~5のいずれかの発明と同様な効果を奏するとともに、自動的に繰返しノイズ源データを生成する測定処理動作が行われる中で清掃作業が可能となる。これによって、清掃作業によるノイズ源の除去状況を、例えばモニターで確認しながら進めることを可能とし、集中しかつ効率的に清掃作業を進めることを可能とする。
【0039】
<第7発明の効果>
前記第1~6のいずれかの発明と同様な効果を奏するとともに、透明テーブルの上面と下面のノイズ源が一目で確認でき、また、清掃による除去状況も上面と下面をそれぞれ確認しながら進めることを可能とする。
【0040】
前記第1~6のいずれかの発明において、前記試料の寸法を記憶する試料寸法記憶部が設けられ、
前記寸法の試料をノイズ源の影響を受けずに載置可能な域である載置OK域を判断する試料載置箇所判断部が設けられ、前記載置OK域が前記モニターに表示可能とされた測定装置は、前記第1~6のいずれかの発明と同様な効果を奏するとともに、試料がノイズ源に掛からない載置OK域を視覚的に確認することができ、載置OK域がある場合ノイズ源の清掃作業をすることなく該載置OK域に試料を載置して測定することを可能とする。
【0041】
前記第1~7のいずれかの発明において、測定時の、前記試料の載置が許容される域を示す試料載置許容域と、前記試料載置許容域における、前記ノイズ源の位置が視認できる形態で示すノイズ源印と、前記試料の形態と位置を視認できる形態で示す試料画像と、を前記モニターに表示できることを特徴とする測定装置は、前記第1~台のいずれかの発明と同様な効果を奏するとともに、ノイズ源と試料との位置関係を示す位置関係画像を、測定データの一部ないし測定結果情報とすることが可能なる。よって、信頼性の高い測定を提供することを可能とする。
【0042】
<第8発明の効果>
第1の発明と同様な効果を奏する。
<第9発明の効果>
第2の発明と同様な効果を奏する。
<第10発明の効果>
第3の発明と同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図2】本発明の実施例1の測定前のモニターの画面図。
【
図3】本発明の実施例1の測定後のモニターの画面図。
【
図4】本発明の実施例1の処理ステップを示すチャート図。
【
図5】本発明の実施例1のノイズ源Nsと試料Wの位置関係を示すモニターの画面図。
【
図6】本発明の実施例2の測定後のモニターの画面図。
【
図7】本発明の実施例2の試料寸法画像を移動させた場合のモニターの画面図。
【
図8】本発明の実施例2の試料寸法画像を移動させて測定後のノイズ源Nsと試料Wの位置関係を示すモニターの画面図。
【
図9】本発明の実施例3のノイズ源の第1の処理例を示す説明図。
【
図10】本発明の実施例3のノイズ源の第2の処理例のモニターの表示画面による説明図。
【
図11】本発明の実施例3のノイズ源の第3の処理例のモニターの表示画面による説明図。
【
図12】本発明の実施例3のノイズ源の第4の処理例のモニターの表示画面による説明図。
【
図13】本発明の実施例3のノイズ源の第5の処理例のモニターの表示画面による説明図。
【
図15】本発明の実施例4のノイズ源画面のモニターでの表示画面図。
【
図17】本発明の実施例5の処理ステップを示すチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0044】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例0045】
図1~
図5に示す本発明の実施例1において、測定装置1は次のような構成となっている。
試料W、例えば、側面ないし下面に突出した突起部wt(例えば、電子部品、コネクターなどの金属端子部分。)を上面に載置する水平に配置された透明テーブル2と、
透明テーブル2の下方に設けられた、透明テーブル2を透過する照射光LRを試料Wに向けて照射する照射部3と、
透明テーブル2の下方に設けられた、照射光LRの試料Wからの反射光である試料反射光WREを受光する受光部4と、
照射部3と受光部4とを有する照射受光ユニット6と、
制御部5と、を備えた構成となってる。
照射受光ユニット6は、透明テーブル2に対して水平走査移動(水平走査移動させる駆動手段は図示せず省略)をする。
【0046】
ノイズ源Nsとは、透明テーブル2の面に在る、埃、塵、脂汚れ、透明テーブル2自身(コート膜を含む)の傷(視認できない微細な傷を含む)などであり、透明テーブル2の上面に載置した試料Wの下に位置している場合に、照射光LRの反射光を生じさせる反射物のことである。
【0047】
<定義>
Z軸とは、下方に位置する照射受光ユニットから上方に位置する透明テーブルに向かう直線軸(本実施例では、垂直な軸)のことである。
X軸とは、Z軸に直角な平面上の横向き軸のことである。
Y軸とは、Z軸に直角な平面上の縦向きの軸のことであり、X軸と前記平面上で直交する軸である。
XY平面とは、Z軸に直角に直交するX軸、Y軸を含む平面のことである。
高さ、高さ距離、高さ(距離)とは、Z軸方向の距離のことである。
各座標位置(x、y)(以下「各位置」ともいう。)とは、XY平面における各測定位置のことである。
【0048】
制御部5には、
受光部4で受光した試料反射光WREの受光情報である試料受光情報wreDを処理して、試料Wの表面(下面)の各座標位置(x、y)における高さを示すデータである試料表面ノイズレス高さデータwhDを生成する試料表面ノイズレス高さデータ生成部7と、
試料Wが載置されていない状態の透明テーブル2に向けて照射光LRを照射させ、該照射によって生じた透明テーブル2の面に在るノイズ源Nsからの反射光であるノイズ源反射光NREを受光部4で受光して得られた、ノイズ源反射光NREの受光情報であるノイズ源受光情報nreDを処理して、ノイズ源Nsの表面(下面)の各座標位置(x、y)を示すデータであるノイズ源データnsDを生成するノイズ源データ生成部8と、
ノイズ源データnsDにもとづいて、ノイズ源Nsが透明テーブル2の面の何処の位置にあるのかをモニター9に、視認できる形態で表示させるノイズ源表示部10と、
所定の時間間隔で、ノイズ源の測定を繰返し行う測定処理動作を指示する繰返し測定指示部50と、
ノイズ源データnsDが、設定された条件を満たしているかを判定する判定部11と、が設けられている。
【0049】
ノイズ源データ生成部8は、ノイズ源反射光NREの無いノイズ源受光情報nreDを処理した場合は、ノイズ源Ns無しの情報を生成し、判定部11に送り、判定部11はノイズ源無しの判定を行う。
【0050】
ノイズ源データnsDには、ノイズ源Nsの表面(下面)の各座標位置(x、y)における高さ(距離)を示すノイズ源高さデータnshD、及び、該各座標位置(x、y)における輝度を示すノイズ源輝度データnsLDが含まれる。
判定部11は、ノイズ源高さデータnshDの各位置数又はノイズ源輝度データnsLDの各位置数が所定の各位置数の範囲ないし設定した各位置数の範囲を満たしているかを判定する。
【0051】
ノイズ源高さデータnshD及びノイズ源輝度データnsLDを取得しているが、どちらか一方の取得でもよく、ノイズ源高さデータnshD、ノイズ源輝度データnsLDのいずれかを有するものを技術的範疇としている。
【0052】
測定時ノイズ源位置情報作成部70は、ノイズ処理指示部15のノイズ処理命令nsOを受けて測定時のノイズ源位置を示す測定時ノイズ源位置情報nsiDを作成する。
試料位置情報作成部71は、試料表面ノイズレス高さデータwhD又は試料面輝度データにもとづいて、試料Wの測定時の位置を示す試料位置情報WiDを作成する。
位置関係画像作成部72は、測定時ノイズ源位置情報nsiD及び試料位置情報WiDによって、ノイズ源Nsと試料Wの位置関係を示す位置関係画像NWGを作成する。
位置関係画像NWGは、モニター9に表示される(
図5参照)。
試料位置情報WiDは、位置関係画像NWGにおいては試料位置画像WiGで表示される。試料位置画像WiGの表示は、同位置内に存在するノイズ源印Nsmが視認表示される形態で表示される。
視認表示される形態は、例えば、ノイズ源印Nsmが前方表示(異なる色彩がよい)、ノイズ源印Nsmが視認表示される試料位置画像WiGの透かし表示、試料位置画像WiGの輪郭のみ(輪郭以外は透明)の表示などである。
【0053】
受光部は、CCDカメラ、CMOSカメラ、ラインセンサ、1次元PSD(位置検出素子)、2次元PSD等が知られているが、本発明の受光部はこれらのみに限定されるものではなく、照射光の反射光を検出して、試料までの距離を測定可能とする受光情報を取得できる光電センサは本発明の技術的範囲に含まれる。
照射部は、レーザ光線が一般的であるが、本発明の照射部はこれらのみに限定されるものではなく、試料までの距離を測定可能とする受光情報(検出画像)を受光部との組合せによって取得できる照射光を照射する照射部は本発明の技術的範囲に含まれる。
【0054】
<清掃作業1>
測定装置1は、ノイズ源Nsの測定処理と透明テーブル2の面の清掃作業とを組み合わせた操作を可能としている。
試料が載置されていない状態で、ノイズ源処理画面19のノイズ源測定実行ボタン31をクリックする。そして、第1回目の測定処理動作でモニター9に表示されたノイズ源印Nsmを確認しながら、ノイズ源Nsを除去(試料測定域外への移動を含む)する第1回目の清掃操作を行い、
ノイズ源測定実行ボタン31をクリックして、第2回目のノイズ源の測定処理を実行させて、モニター9に表示された残存しているノイズ源印Nsmを確認し、残存のノイズ源及びその位置を確認し、残っているノイズ源を除去する第2回目の清掃操作を行い、・・・・というように、ノイズ源Nsを除去する清掃作業を、ノイズ源の除去状況と残存のノイズ源の位置を目視で確認しながら行うことを可能としているものである。
これによって、ノイズ源を確実に除去したことを視認で確認できかつ効率的な清掃作業を実現する。
また、ノイズ源Nsの影響のない域に試料Wを載置することが可能となり、その測定データを得ることができるとともに、その測定時のノイズ源データ情報も添付した報告書などが作成でき、高い信頼性のある測定を可能とする。
【0055】
<清掃作業2>
測定装置1は、ノイズ源Nsの測定処理を所定時間間隔で自動的に繰返し行う自動測定処理動作と透明テーブル2の面の清掃作業とを組合せた操作を可能としている。
ノイズ源処理画面19の右下部にある、繰返し測定指示部50の一部である繰返し時間入力ボックス51には「5」秒が初期間隔として表記されている。該繰返し時間入力ボックス51に「8」、「10」等の任意の数字を入力して、好みの測定時間間隔を設定することができる。
ノイズ源処理画面19の右下にある、繰返し測定指示部50の一部である繰返し測定ボタン50aを試料が載置されていない状態でクリックすると、初期設定のままでは5秒間隔で測定が行われ、測定毎に試料載置許容域20(測定時における、試料Wの載置可能とされる域)に残存するノイズ源印Nsmが表記される。
繰返し測定指示部50の一部である停止ボタン50bをクリックすると繰返し測定は終了する。
この5秒間隔の繰返し測定動作を実行させながら、透明テーブル2の面の清掃作業を行うことで、該清掃作業でも残っている残存のノイズ源Nsを5秒ごとの測手結果を適宜に確認しながら、例えば、悪影響を与えるノイズ源Nsが試料Wを載置しようとする域から完全に除去(移動を含む)されるまで清掃作業を進めるなどのことができ、それを機器の操作をせずに、残存のノイズ源Nsを迅速に目視で確認をしながら、集中した清掃作業で行うことを実現する。
これによって、ノイズ源Nsの影響のない試料Wの測定データの取得を可能にするとともに、その測定時のノイズ源データ情報も添付した報告書などが作成でき、高い信頼性の測定結果の提供を可能とする。
繰返し測定ボタン及び停止ボタン(兼用した一つのボタンでもよい)は、ノイズ源処理画面19に設けるものに限定されない、例えば、透明テーブル2を収めている筐体70に指で押す形態の押しボタン、停止ボタンとして設けるのもよい。
【0056】
繰返し行う測定処理動作は、所定の時間間隔が、例えば3秒間隔、4秒間隔、5秒間隔、10秒間隔、20秒間隔・・・などと1つに固定されている形態でもよい。
また、所定の時間間隔は1つに固定とはしないで、オペレーターが好みの時間間隔を入力して設定することができる、繰返し測定時間設定部を設けるのもよい。
また、表示されている複数の時間間隔から好みの時間間隔を選択する、繰返し測定時間選択設定部を設けるのもよい。
【0057】
<ノイズ源の測定処理>
試料Wを透明テーブル2に載置しない状態で測定を行い、ノイズ源受光情報nreDをノイズ源処理部13のノイズ源データ生成部8で受光情報を処理して、ノイズ源高さデータnshD、ノイズ源輝度データnsLDを有するノイズ源データnsDを生成する(
図1及び
図4参照)。
ノイズ源データnsDは、ノイズ源処理部13のノイズ源表示部10と判定部11に送られて処理され、その処理結果がモニター9に表示される。その際、判定部11においては、設定されている条件又は入力手段14(キーボード、マウス、タッチパネルなど)により入力された条件に対応した判定処理が行われ、その判定結果がモニター9のノイズ比率表示ボックス37に表示(
図1及び
図3参照)される。不良判定は、例えば、ノイズ比率表示ボックス37の色が変わりかつ点滅するなどの、警報表示でしらされる。
【0058】
<試料の測定・判定>
試料Wを透明テーブル2に載置した状態で該試料Wの測定を行い、その試料受光情報wreDを試料表面ノイズレス高さデータ生成部7で処理して試料表面ノイズレス高さデータwhDを生成する。
その際、測定時ノイズ源位置情報作成部70による測定時ノイズ源位置情報nsiDを反映し、試料Wの測定において、ノイズ源の各座標位置部分を試料表面高さデーダから除き、試料表面ノイズレス高さデータwhDとする。この処理によりノイズ源の高さデータ部分を排除した試料表面ノイズレス高さデータwhDが生成される。
また、試料Wの測定において、ノイズ源の各位置部分の全部又は一部域を非測定域として測定から除いた測定を行い、試料表面ノイズレス高さデータwhDとするのもよい。
判定部16において、試料表面ノイズレス高さデータwhDが所定の条件を満たしているかの判定が行われ、その判定データjuDが測定結果出力部17からモニター9に表示される(
図1参照)。
【0059】
「試料表面高さデータ」はZ軸方向の距離(高さ距離)を示すものであり、その基準位置は、例えば、照射部3及び受光部4又はいずれか一方の側の位置、例えば、透明テーブル2の上面の位置(該上面を実測)、例えば、透明テーブル2の上面に設けた反射部材の表面(下面)の位置、透明テーブル2の上面に設けた反射部材の表面(下面)の3点を結ぶ平面(上下に移動させた平面を含む)の位置、又は、透明テーブル2上の試料面Wの接地部位の位置などであり、これらを技術的範囲に含むものである。
【0060】
<3次元形状データの生成>
試料表面3次元形状データ生成部18において、試料表面ノイズレス高さデータwhDにもとづいて、試料Wの表面(下面)の各座標位置(x、y)の高さ(z方向の距離)で示される、試料Wの表面の3次元形状を表すデータである試料表面3次元形状データw3Dが生成され、モニター9画面上の3次元表示ボタン44をクリックすると測定結果出力部17からモニター9に表示されるようになっている。(
図1、
図2参照)。
試料表面3次元形状データw3Dを、透明テーブル2の上面位置、透明テーブル2の上面に設けた反射部材の下面(表面)の位置、又は、透明テーブル2の上面に載置された試料Wの該上面に接している部位の位置を基準面として、各座標位置(x、y)における該基準面から試料の表面(下面)の高さ(距離)で表されるものとするのもよい。
【0061】
<ノイズ源処理画面>
図2、
図3によって、モニター9に表示されたノイズ源処理画面19について説明する。
100mm×100mmの範囲を試料載置許容域20とした大きさの透明テーブル2のXY平面を示すテーブル画面21が表示され、該テーブル画面21には試料載置許容域20内の位置を把握しやすくするための目盛(mm)設けた形態で表示されている。
ノイズ源処理画面19の右側には、指定した範囲ないし指定したノイズ源を拡大表示する拡大表示画面45が設けられている。
ノイズ源処理画面19の下方には、ノイズ源測定を実行させるノイズ源測定実行ボタン31が設けられている。
図2はノイズ源の測定前の画面である。
画面の左最上部に、ノイズ源処理画面19を表示させるノイズ源処理画面ボタン48が設けられている。
【0062】
試料寸法入力部22におけるノイズ許容域の指定(設定)について説明する。
図2に示す測定前(測定後でも入力指定可能)の画面において、例えば、側部に端子が突出して設けられた四角形の試料Wの外周寸法が29mm×29mm、端子の無い部分の寸法が22mm×22mmである場合、入力ボックス23aに「29」を入力し、入力ボックス23bに「29」を入力し、入力ボックス24aに「22」を入力し、入力ボックス24bに「22」を入力し、ノイズ源測定実行ボタン31をクリックし、ノイズ源測定処理を実行する(
図3参照)。
これらの試料Wの寸法入力にもとづいてテーブル画面21は、かかる寸法のノイズ許容域25を有する試料寸法画像38が表示される(
図3参照)。
試料寸法画像38は、最初は画面中央に表示されるが、マウスポインターを当てマウス操作によって任意の箇所に移動させることができる。
また、最初の表示箇所を、試料Wをセットする四角いセット域の角に試料寸法画像38の角を位置させて表示するようにするのもよい。
入力ボックスへの入力は、ノイズ源の測定後に入力してもよい。また、入力ボックスへの入力は必須ではなく任意であり、入力が無くてもよい。
【0063】
前記寸法の試料Wをノイズ源Nsの影響を受けずに載置可能な域である載置OK域を判断する試料載置箇所判断部が設けられ、載置OK域66がテーブル画面21に表示される(
図3参照)。
試料Wがノイズ源Nsに掛からない載置OK域66を視覚的に確認することができ、載置OK域66がある場合は、例えば、ノイズ源Nsの清掃作業をすることなく該載置OK域66に試料Wを載置して測定することを可能としている。試料Wが小さいものであればあるほど載置OK域66が多くなる、ないし広くなる。
【0064】
拡大表示画面45について説明する。
拡大表示させたいノイズ源印Nsmにマウス操作でポインターを当てクリック操作することで、該当するノイズ源Ns画像を拡大表示(以下「ノイズ源拡大画像」ともいう。)させることができる。
ノイズ源拡大画像は、ノイズ源輝度データnsLDにもとづく、例えば、白黒256諧調の濃淡画像ないし白黒二値画像(「濃淡画像」に含む)である。但し、これに限定されるものではない。
図3では、ノイズ源Nsのエッジが視認しやすい白黒二値画像で表示している。
濃淡画像ないし白黒二値画像の拡大表示によって、ノイズ源Nsの種類が特定し易くなり、ノイズ源Nsの種類に対応した適切な清掃作業が行いやすくなる。
ノイズ源拡大画像は各位置を個々に表現されているが、複数の各位置(例えば、10×10)内にノイズ源が1箇所以上あれば、一つのノイズ源とした印で表現表示するのもよい。
拡大表示されているノイズ源印Nsmは、拡大表示中であることを色がかわるとか点滅するとか等によって視認できるようにされる。
【0065】
<許容ノイズ比率>
試料寸法画像38の載置する箇所のノイズ許容域25箇所の各位置数を除く域に在るノイズ源Nsの各位置数が、該試料寸法画像38のノイズ許容域25域の各位置数を除く各位置数の何%(比率)であるかが、ノイズ比率表示ボックス37に示される。
図3では、ノイズ源が全く無いのでノイズ比率表示ボックス37の表示は0.00%となっている。
【0066】
透明テーブル2の上面の画面と下面の画面を別々に表示することを可能とするのもよい。例えば、透明テーブル2の上面のノイズ源Nsを示す試料載置テーブル上面のノイズ源画面とし、透明テーブル2の下面のノイズ源Nsを示す試料載置テーブル下面のノイズ源画面として、表示可能とするのがよい。一画面に透明テーブル2の上面と下面のノイズ源Nsを表示することも可能とするのがよい。
【0067】
主に
図4を参照して処理ステップ例について説明する。
透明テーブル2の上面には試料Wが載置されていない状態にしておく。
・step1
モニター9にノイズ源処理画面19を表示させ、必要であれば試料寸法入力部22に必要情報を入力する(
図3参照)。
・step2
ノイズ源処理画面19のノイズ源測定実行ボタン31をクリックして(
図3参照)、試料Wが載置されていない状態の透明テーブル2の面のノイズ源Nsからのノイズ源反射光NREを受光し、ノイズ源受光情報nreDを取得する。
・step3
(1)ノイズ源受光情報nreDは、ノイズ源データ生成部8において処理され、ノイズ源Nsが在る場合は、ノイズ源Nsの表面(下面)の各座標位置(x、y)を示すデータであるノイズ源データnsDが生成される。
(2)ノイズ源反射光NREの無い(ノイズ源Nsが無い)場合は、ノイズ源データ生成部8は、ノイズ源Ns無しのデータが生成される。
・step4
ノイズ源データnsDは判定部11に送られ、ノイズ源Nsを形成している各位置数が所定各位置数範囲ないし設定した各位置数範囲を満たしているかの判定を行い、該判定にもとづいてノイズ処理指示部15においてノイズ処理命令nsOを作成する。
ノイズ源Nsが無い場合は、ノイズ処理命令nsOの命令は試料Wの測定となる。
・step5
ノイズ源データnsD及びノイズ処理命令nsOのデータは、テーブル画面21にノイズ源Nsの位置が視認できる形態の「×」印又は「○」印でモニター9に表示する(
図3参照)。
清掃が不要(清掃不要)である場合は、step7、8に進む。
清掃の必要性がある場合は、step6に進む。
・step6
清掃が必要である場合は、繰返し測定ボタン50aをクリックし、繰返し測定を実行させる。
該繰り返し測定を行わせながら透明テーブル2の面の清掃作業を、テーブル画面21でノイズ源Nsの除去状態を確認しながら行う。
清掃作業が終了したら、停止ボタン5bをクリックして繰返し測定を停止し、清掃終了とする。
・step7
清掃不要又は清掃終了の指示を受けて、測定時ノイズ源位置情報作成部70で測定時のノイズ源位置を示す測定時ノイズ源位置情報nsiDを作成する。
・step8
試料Wを透明テーブル2の上面に載置して、試料Wの測定を実行し、試料位置情報作成部71で試料Wの測定時の位置を示す試料位置情報WiDを作成する。
・step9
位置関係画像作成部72において、測定時ノイズ源位置情報nsiD及び試料位置情報WiDによって、ノイズ源Nsと試料Wの位置関係を示す位置関係画像NWGの作成を行う。
位置関係画像NWGをモニター9に表示する(
図5参照)。
・step10(
図1参照、
図4では省略)
試料Wを透明テーブル2に載置した状態で該試料Wの測定を行い、その試料受光情報wreDを試料表面ノイズレス高さデータ生成部7で処理して試料表面ノイズレス高さデータwhDを生成する。その際、測定時ノイズ源位置情報作成部70による測定時ノイズ源位置情報nsiDを反映し、試料Wの測定において、ノイズ源の各座標位置部分を試料表面高さデーダから除き、試料表面ノイズレス高さデータwhDとする。この処理によりノイズ源の高さデータ部分を排除した試料表面ノイズレス高さデータwhDが生成される。
・step11(
図1参照、
図4では省略)
試料表面ノイズレス高さデータwhDが所定の条件を満たしているかの判定が、判定部16において行われる。
【0068】
透明テーブル2は、照射光LRの殆どが透過する構成(透過膜を施すなどにより)であり、透明テーブル2からの反射光があったとしても、それの反射光は受光部4では受光(検出)できないレベルである。
試料Wが載置されていない状態で測定した場合、照射光LRは試料Wが無いので受光部が検出できる強さの反射光が発生しない。透明テーブル2を覆うカバーが無い状態で清掃と測定処理を行う場合でも、外乱光の受光レベルは無視できる受光感度(検知感度)にしているので、受光部4には受光する反射光が無いので、高さ情報、輝度情報は取得できないことになる。ところが、ノイズ源Nsがある場合は、ノイズ源Nsからのノイズ源反射光NREが発生するため、透明テーブル2の上面または下面近くに高さレベル及び輝度レベルに関する情報が存在することになる。其の各位置データはノイズ源Nsの存在する座標位置を示す。
【0069】
照射受光ユニット6は、メーカーから提供されている既成の照射受光ユニットを使用することができる。
<位相シフト法の照射受光ユニット例>
例えば、位相シフト法を測定手法とした、左右2つのプロジェクタからなる照射部とその中央に設けたカメラ(受光部・光検出部)を備えた、株式会社キーエンス製の「XG-8000シリーズXR-HT40MD」の照射受光ユニットがある。これは、試料に対して、左右2つのプロジェクタから高速で投影される複数のストライプパターン(縞模様)を、中央のカメラ(光検出部・受光部)で撮影(受光)して、照射受光ユニット側の基準位置から試料の表面までの各座標位置(x、y)の高さを測定取得し、該各座標位置(x、y)の高さで表される3次元形状データを得るものである。
<光切断法の照射受光ユニット例>
例えば、光切断法を測定手法とした、株式会社キーエンス製の「LJ-V7000シリーズ」の照射受光ユニットがある。光切断法は、ライン状の切断面の形状(プロファイル)を取得する方法であるため、試料に対して、光切断を行う切断位置を一方向に連続的に変化させて連続的にプロファイル(ライン状の切断面の形状)を取得し、得られたプロファイルを合成することで3次元形状データを取得する。照射光は405nmの青紫色レーザ光線である。
<共焦点方式の照射受光ユニット例>
例えば、共焦点方式を測定手法とした、株式会社キーエンス製の「CL-3000シリーズの照射受光ユニットがある。これは、投光(照射)と受光が同軸になるように配置し、試料にピントが合った光のみがピンホール上で一点に集光されるように設計され、波長ごとに集光位置が異なる光を対象物に照射し、受光スペクトルから波長焦点位置を検出することで、対象物の高さを測定する。
以上述べた照射受光ユニット例は一例であって、複数の企業から多様な照射受光ユニットおよびコントローラが提供されている。
これらの企業から提供されている照射受光ユニットおよびコントローラを使用することで、本発明は当業者であれば実施可能である。
【0070】
また、本発明の測定手法として、共焦点法、モアレトポグラフィ法、干渉縞法、スポット光投影法、ライン光投影法、パターン投影法、光時間差法、光周波数差法、光位相差法、光コヒーレンス法などをあげることができる。