(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044255
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】ランドセルの下ベルト、ランドセル、肩ベルトの交換方法
(51)【国際特許分類】
A45F 3/04 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
A45F3/04 400G
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149791
(22)【出願日】2020-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】516323574
【氏名又は名称】橘 利夫
(74)【代理人】
【識別番号】100100044
【弁理士】
【氏名又は名称】秋山 重夫
(74)【代理人】
【識別番号】100205888
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 孝之助
(72)【発明者】
【氏名】橘 利夫
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE07
3B045GA03
3B045GB03
3B045GC04
3B045GD02
(57)【要約】
【課題】着脱が容易でありながらも意図しない外れを抑制することができるランドセルの下ベルトを提供する。
【解決手段】ベルト本体2と、上ベルト13と着脱可能に連結する第1連結部3と、ダルマ環12と着脱可能に連結する第2連結部4と、第2連結部4のダルマ環12からの外れを抑制する抑制手段5とを備え、第2連結部4が、ベルト本体2を折り返してベルト本体2同士を固定することで形成される第2フープ82と、ベルト本体2同士の固定に供される固定手段6とで構成されており、固定手段6が、固定と固定解除とを切替可能とされており、抑制手段5が、固定手段6を覆っている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト本体と、
上ベルトと着脱可能に連結する第1連結部と、
ダルマ環と着脱可能に連結する第2連結部と、
第2連結部のダルマ環からの外れを抑制する抑制手段とを備え、
第2連結部が、ベルト本体を折り返してベルト本体同士を固定することで形成されるフープと、ベルト本体同士の固定に供される固定手段とで構成されており、
固定手段が、固定と固定解除とを切替可能とされており、
抑制手段が、固定手段を覆い、又は固定手段の近傍に位置している、ランドセルの下ベルト。
【請求項2】
ベルト本体が、第1ベルトと第2ベルトとを備え、
第2ベルトの折り返し部分が、第1ベルトと第2ベルトの他の部分との間に挿入され、
固定手段による固定が、第1ベルトと第2ベルトの他の部分との間で行われる、請求項1記載のランドセルの下ベルト。
【請求項3】
固定手段が、所定の方向からのみ固定を解除できるワンウェイホックからなる、請求項1又は2に記載のランドセルの下ベルト。
【請求項4】
ワンウェイホックの固定解除方向がフープ側に向けられている、請求項3記載のランドセルの下ベルト。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載のランドセルの下ベルトを備えているランドセル。
【請求項6】
背環に着脱不可に連結された既存上ベルトと、
ダルマ環に着脱不可に連結された既存下ベルトとを備え、
既存上ベルトと既存下ベルトとが着脱可能に連結されたランドセルから、既存上ベルトと既存下ベルトとの連結を解除するとともに、ダルマ環との連結部を切断することで既存下ベルトを取り外し、
ベルト本体と、
既存上ベルトと着脱可能に連結する第1連結部と、
ダルマ環と着脱可能に連結する第2連結部とを備えた下ベルトを、既存上ベルトとダルマ環とに取り付ける、肩ベルトの交換方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、着脱可能なランドセルの下ベルトと、その下ベルトを用いたランドセル、肩ベルトの交換方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセルは小学校入学から卒業までの6年間使用するものであり、その間に児童の体格は大きく変化する。そこでランドセルの肩ベルトは、上ベルトと下ベルトとから構成され、上ベルトと下ベルトとをピンバックルで連結するとともに上ベルトに長さ調整用の余りを持たせておくことで、体格の変化に合わせて適宜長さを調整できるようになっている。ただ、その調整幅は限られており、高学年になると窮屈になる場合がある。肩ベルトを交換することも考えられるが、通常、肩ベルトは背環とダルマ環とに着脱不可に連結されており、交換は容易ではない。
【0003】
なお、特許文献1には、肩掛帯(上ベルト)と連結帯(下ベルト)とからなる肩ベルトを取り外し可能なランドセルが開示されている。具体的には、肩ベルトがホック止めをもって着脱可能に鞄本体に止着されており、必要に応じて肩ベルトを鞄本体から取り外せるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ただ、肩ベルトをホック止めだけで止着していると、ホックやホック周辺がどこかに当たったはずみでめくれ上がり、止着が解除されるおそれがある。一方で、意図しない外れを防止するために、ホック止めの解除に必要な力を大きくしてしまうと人の手での着脱が困難となる。
【0006】
また、特許文献1では、ランドセルから手提げ鞄へと様態を変化させるために肩掛帯と連結帯の両方を取り外しているが、単に肩ベルトの長さを調整するだけであれば、肩掛帯と連結帯の両方を取り外す必要は無い。
【0007】
そこで本発明は、着脱が容易でありながらも意図しない外れを抑制することができるランドセルの下ベルトの提供を第1の目的とする。
【0008】
また、肩ベルト全体を交換する場合に比べて低コストとなる肩ベルトの交換方法の提供を第2の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のランドセルの下ベルト1、1A、1Bは、ベルト本体2と、上ベルト13と着脱可能に連結する第1連結部3と、ダルマ環12と着脱可能に連結する第2連結部4と、第2連結部4のダルマ環12からの外れを抑制する抑制手段5とを備え、第2連結部4が、ベルト本体2を折り返してベルト本体2同士を固定することで形成されるフープ(82)と、ベルト本体2同士の固定に供される固定手段6とで構成されており、固定手段6が、固定と固定解除とを切替可能とされており、抑制手段5が、固定手段6を覆い、又は固定手段6の近傍に位置していることを特徴としている。
【0010】
上記発明のランドセルの下ベルトにおいては、ベルト本体2が、第1ベルト7と第2ベルト8とを備え、第2ベルト8の折り返し部分が、第1ベルトと第2ベルトの他の部分との間に挿入され、固定手段6による固定が、第1ベルト7と第2ベルト8の他の部分との間で行われることが好ましい。また、固定手段6が、所定の方向からのみ固定を解除できるワンウェイホックからなることが好ましい。この際、ワンウェイホックの固定解除方向がフープ側に向けられていることが好ましい。
【0011】
本発明のランドセル10は、上記いずれかの下ベルト1、1A、1Bを備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明の肩ベルトの交換方法は、背環11に着脱不可に連結された既存上ベルト13と、ダルマ環12に着脱不可に連結された既存下ベルト14とを備え、既存上ベルト13と既存下ベルト14とが着脱可能に連結されたランドセル10から、既存上ベルト13と既存下ベルト14との連結を解除するとともに、ダルマ環12との連結部を切断することで既存下ベルト14を取り外し、ベルト本体2と、既存上ベルト13と着脱可能に連結する第1連結部3と、ダルマ環12と着脱可能に連結する第2連結部4とを備えた下ベルト1、1A、1Bを、既存上ベルト13とダルマ環12とに取り付けることを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
本発明のランドセルの下ベルトは、抑制手段が固定手段を覆っている、又は固定手段の近傍に位置しているため、固定手段の意図しない外れを抑制することができる。これにより、固定解除に必要な力を大きくしなくてもよいため、下ベルトの着脱自体は容易に行うことができる。
【0014】
ベルト本体が、第1ベルトと第2ベルトとを備え、第2ベルトの折り返し部分が、第1ベルトと第2ベルトの他の部分との間に挿入され、固定手段による固定が、第1ベルトと第2ベルトの他の部分との間で行われる場合や、固定手段が、所定の方向からのみ固定を解除できるワンウェイホックからなる場合、さらにワンウェイホックの固定解除方向がフープ側に向けられている場合は、固定手段の意図しない外れを一層抑制することができる。
【0015】
本発明の肩ベルトの交換方法は、肩ベルト全体を交換する場合に比べて低コストになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】この発明の一実施形態に係る下ベルトを用いたランドセルの斜視図である。
【
図3】係止具と係合具とを係合したときの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、この発明のランドセルの下ベルト1の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。この発明のランドセルの下ベルト1は、
図1に示すように、上ベルト13とダルマ環12との間に取り付けられ、上ベルト13とで肩ベルト15を構成するものであって、
図2及び
図3に示すように、ベルト本体2と、上ベルト13と着脱可能に連結する第1連結部3と、ダルマ環12と着脱可能に連結する第2連結部4と、第2連結部4のダルマ環12からの外れを抑制する抑制手段5とを備えている。また、第2連結部4が、ベルト本体2を折り返してベルト本体2同士を固定することで形成される第2フープ82と、ベルト本体2同士の固定に供される固定手段6とで構成されている。固定手段6は、固定と固定解除を切替可能とされており、抑制手段5は、固定手段6を覆い、又は固定手段6の近傍に位置している。
【0018】
以下、各構成部品について詳細に説明していく。
【0019】
[ベルト本体]
ベルト本体2は、板状の芯材の表裏に合成皮革を貼ることで構成されている。芯材としては、例えば合成繊維に合成ゴムを含浸させたものが使用される。なお、合成皮革に代えて本革を使用してもよい。また、芯材は使用しなくてもよい。ベルト本体2の長さL1は、固定手段6を固定した状態において例えば200~250mmである。このベルト本体2は、第1ベルト7と、第1ベルト7に重ね合わせられる第2ベルト8とに大別される。
【0020】
[第1ベルト]
第1ベルト7は、
図2において上側の先端(上端)に設けられた取付部71と、取付部71の下方に設けられ、第2ベルト8を第1ベルト7の表側(
図2Aにおいて手前側)から裏側へと通すための第1貫通孔73と、第1貫通孔73の下方に設けられ、第2ベルト8を第1ベルト7の裏側から表側へと通すための第2貫通孔74と、第2貫通孔74の下方に設けられ、第2ベルト8を第1ベルト7の表側から裏側へと通すための第3貫通孔75とを備えている。
【0021】
取付部71は、第1ベルト7を構成する革材の先端71aを折り返すとともにその先端を自身に固定することで形成された第1フープ72を備えている。革材の先端71aであった根革は、革材を貫通する鋲76によって着脱不可に固定されている。この取付部71には、第1連結部3であるピンバックルが取り付けられている。具体的には、ピンバックルの枠状の美錠の一辺を第1フープ72が抱持している。また、取付部71には、ピンバックルを通って下方に延出される上ベルト13の余りをガイドするための定革(遊革)77が取り付けられている。なお、鋲76と第1貫通孔73との間にも定革78が取り付けられている。
【0022】
第1ベルト7には、上記第1連結部3の他、第2連結部4を構成する固定手段6の一方が取り付けられている。具体的には、固定手段6は係止具(ダボ)61と係合具(バネ)62とからなるホックであって、係合具62が、第1貫通孔73と第2貫通孔74との間で且つ第2貫通孔74に近い側に、係合面が第1ベルト7の裏側に向くようにして取り付けられている。なお、第2貫通孔74と係合具62との間隔L2は例えば10~20mmとすることが好ましい。
【0023】
第1貫通孔73と第2貫通孔74との間隔L3は例えば100~120mmとされている。また、第2貫通孔74と第3貫通孔75との間隔L4は例えば20~30mmとされている。従って、第1貫通孔73と第2貫通孔74との間隔L3よりも第2貫通孔74と第3貫通孔75との間隔L4の方が狭い。また、第2貫通孔74と第3貫通孔75については、第2ベルト8に取り付けられた係止具61を挿通させやすいように、第2貫通孔74については上側に、第3貫通孔75については下側に円弧状の拡大部74a、75aが設けられている。各貫通孔73、74、75は、第2ベルト8を挿通する際にある程度の抵抗を受ける大きさ、例えば貫通孔73、74、75の周辺部が弾性変形することで第2ベルト8の挿入を可能とする程度の大きさとすることが好ましい。
【0024】
[第2ベルト]
第2ベルト8は、
図2Aにおいて下側の先端(下端)81に係止具61が取り付けられている。この係止具61は、
図2Aの紙面手前側に第2ベルト8の下端81を折り返したときに係合具62と係合できるよう、第2ベルト8の裏面に係止面が向くようにして取り付けられている。なお、表面とは、
図2Aに示す状態においてこちらに向いている面であり、裏面とはその反対側に向いている面を指す。
【0025】
第2ベルト8の上端は、第1貫通孔73よりも上において第1ベルト7の表側に固定されている。固定は、第1ベルト7の根革71aを固定する鋲76によって行われている。ただ、縫い付けなどの別の方法で固定してもよい。
【0026】
第2ベルト8は、上端は第1ベルト7の表側(
図2Aの手前側、
図2Bの右側)に位置するが、第1貫通孔73を通ることで第1ベルト7の裏面へ回り、続いて第2貫通孔74を通ることで第1ベルト7の表側に回り、さらに第3貫通孔75を通ることで第1ベルト7の裏側に回っている。この状態において下端81は第1ベルト7の下端よりも下方に位置している。そして、この下端81を
図2Aの紙面手前側に折り返し、この折り返し部分を、第3貫通孔75に第1ベルト7の裏側から挿通し、さらに第1ベルト7の表側に出た下端81を表側から第2貫通孔74に挿通させて第1ベルト7の裏側に位置させ、係止具61と係合具62とを係合させることで第2フープ82を形成する(
図3参照)。なお、この第2フープ82がダルマ環12の連結環12aと連結する。
【0027】
[固定手段]
固定手段6は、上記の通り、係止具61と係合具62とで構成されたホックであって、固定と固定解除とを切替可能に係合できるようになっている。また、このホックは、バネの内側に爪(突起)63が1ヶ所設けられており、所定の方向(爪が設けられた方向と反対の方向)からのみ固定を解除できる、いわゆるワンウェイホックとされている。そして、ワンウェイホックの固定解除方向が第2フープ82側に向けられている。すなわち、爪が第2フープ82と反対側に位置している。
【0028】
第2貫通孔74と係合具62との距離は指が入らない程度に近接している。従って、ホックによる固定を解除するためには、意図的に第2貫通孔74と係合具62との間の隙間に指をねじ込むなどして、少なくともダボの高さ分だけ係止具61と係合具62を引き離す必要があり、意図しない固定解除を防止することができる。なお、ワンウェイホックの固定解除方向は、必ずしも第2フープ82側に向けられる必要は無い。また、固定手段6としては、ワンウェイホックに限らず、通常のホック、ファスナ、面ファスナ、磁石、ボタンとボタン穴、フックとフック係合部、紐等、固定と固定解除とを切替可能なものであれば適宜使用可能である。
【0029】
[交換方法]
次に、下ベルト1の交換方法について主に
図4を使いながら説明する。既存上ベルト13と既存下ベルト14とから構成される肩ベルト15は、着脱不可に取り付けられている。具体的には、既存上ベルト13は鋲によって背環11に着脱不可に連結され(
図1参照)、既存下ベルト14は縫い付けによってダルマ環12の連結環12aに着脱不可に連結されている。なお、既存上ベルト13と既存下ベルト14とはピンバックルによって着脱可能に連結されている。この状況において、まず、既存上ベルト13と既存下ベルト14との連結を解除するとともに、ダルマ環12との連結部を切断することで既存下ベルト14を取り外す(
図4A及び
図4B)。続いて、本発明の下ベルト1の第2ベルト8の下端81を連結環12aに挿通し、折り返す(
図4C)。そして、上記の手順に従って係止具61と係合具62とを係合させて第2フープ82を形成し、下ベルト1とダルマ環12とを連結する。また、既存上ベルト13と下ベルト1の第1連結部3とを連結することで、下ベルト1の交換を完了する(
図4D)。
【0030】
本発明の下ベルト1は、
図3に示すように、第2フープ82を形成するにあたって、第2ベルト8の折り返し部分と係止具61とが第1ベルト7と第2ベルト8との間に挿入され、係止具61と係合具62との係合が第1ベルト7と第2ベルト8の他の部分(折り返し部分以外の部分)との間で行われている。すなわち、第2ベルト8の他の部分によって第2ベルト8の折り返し部分や係合箇所が覆われた状態であり、係止具61やその周辺の下端81がどこかに接触するなどして係止具61に係脱方向の力が加わることが防止される。すなわち、第2ベルト8の下端81をきっかけとする固定手段6の固定解除(めくれ上がり)が抑制される。なお、第1ベルト7の下端は、第2ベルト8に固定されており(第2貫通孔74に第2ベルト7が挿通されており)、係脱方向にめくれることが無いため、固定解除のきっかけにはならない。また、固定手段6による固定が第2貫通孔74の近くで行われているため、第1ベルト7と第2ベルト8とが互いに近接して隙間は狭くなっており、その効果は大きい。また、使用時においては第2ベルト8に引張力が作用するため、第1ベルト7と第2ベルト8とは互いに近づくこととなり、その間に位置する固定手段6の固定解除方向(ベルト本体2の板厚方向)への移動は益々困難になる。
【0031】
[変形例]
図5及び
図6は、本発明の下ベルトの変形例である。
図5Cでは、ベルト本体2の先端81が挿通孔9を通っている。挿通孔9は、ベルト本体2に直接設けてもよいし、
図6のように環状部材91を別途設けてもよい。挿通孔9の大きさは、ベルト本体2の先端81と同じ大きさ、またはベルト本体2の先端81が抵抗を受けつつも挿入できる程度の大きさとすることが好ましい。挿通孔9は固定手段6の近傍に位置している。具体的には、挿通孔9と固定手段6との間隔L5が例えば10~20mmとされており、ベルト本体2の先端81の固定解除方向への移動を抑制している。すなわち、挿通孔9が抑制手段5として機能するため、
図5及び
図6の下ベルト1A、1Bにおいても、
図2の下ベルト1と同様の作用効果を奏する。なお、
図2の下ベルト1においても、第2貫通孔74が抑制手段5として機能しているとも言える。
【0032】
以上に、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、第3貫通孔75は必ずしも設ける必要は無い。すなわち、第1ベルト7は、長手方向の2ヵ所で第2ベルト8と固定されていれば良い。この場合でも、第2ベルト8の下端81を第2貫通孔74に挿通した後、下端81を折り返し、再度、第2貫通孔74に挿通することで第2フープ82は形成される。また、第1ベルト7の下端をきっかけとする固定手段6の固定解除(めくれ上がり)は生じない。第2ベルト8の下端81は、第1ベルト7と第2ベルト8との間に位置するため、第2ベルト8の下端81をきっかけとする固定手段6の固定解除も抑制される。第3貫通孔75の効果は、第2ベルト8を通すことで、第1貫通孔73から第2貫通孔74の間において、第2ベルト8を第1ベルト7側に近づけることができる点にある。
【0033】
また、第1貫通孔73の代わりに、第2ベルト8の上端を第1ベルト7に縫い付けるなどして固定してもよい。さらに、上記実施形態では、第2ベルト8を第2貫通孔74に2回通していたが、第2貫通孔74よりも下側において、第2ベルト8を第1ベルト7に縫い付けるなどして固定し、1回だけ通すようにしてもよい。
【0034】
また、第1連結部3としては、枠状の美錠とツク棒とからなるピンバックルに限らず、既存上ベルト13と着脱可能に連結することができるものであれば、公知の種々の連結具を使用可能である。取付部71については、使用される連結具に合わせて適宜変更されるものであり、必ずしもフープ状にする必要も無い。
【0035】
また、本発明の下ベルト1、1A、1Bは、既存下ベルト14との交換を想定しているが、予めランドセル10に取り付けた状態で販売してもよい。気分に応じて色やデザインの異なる下ベルトに交換することも想定される。
【符号の説明】
【0036】
1 下ベルト
2 ベルト本体
3 第1連結部(ピンバックル)
4 第2連結部
5 抑制手段(第2ベルト)
6 固定手段(ワンウェイホック)
61 係止具(ダボ)
62 係合具(バネ)
63 爪
7 第1ベルト
71 取付部
71a 革材の先端(根革)
72 第1フープ
73 第1貫通孔
74 第2貫通孔
74a 拡大部
75 第3貫通孔
75a 拡大部
76 鋲
77 定革
78 定革
8 第2ベルト
81 下端(ベルト本体の先端)
82 第2フープ
9 挿通孔
91 環状部材
10 ランドセル
11 背環
12 ダルマ環
12a 連結環
13 既存上ベルト
14 既存下ベルト
15 肩ベルト
L1 ベルト本体の長さ
L2 第2貫通孔と固定手段との間隔
L3 第1貫通孔と第2貫通孔との間隔
L4 第2貫通孔と第3貫通孔との間隔
L5 挿通孔と固定手段との間隔