(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044367
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】美容器具
(51)【国際特許分類】
A61N 1/36 20060101AFI20220310BHJP
A61H 23/02 20060101ALI20220310BHJP
【FI】
A61N1/36
A61H23/02 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020149955
(22)【出願日】2020-09-07
(71)【出願人】
【識別番号】503227025
【氏名又は名称】クルールラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100213333
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿山 昌代
(72)【発明者】
【氏名】中垣 浩二
(72)【発明者】
【氏名】大洞 信一郎
(72)【発明者】
【氏名】石田 ゆかり
【テーマコード(参考)】
4C053
4C074
【Fターム(参考)】
4C053JJ14
4C053JJ36
4C074GG01
(57)【要約】
【課題】美容効果を促進させることが可能な美容器具を提供する。
【解決手段】美容器具100は、利用者の肌に電気的な刺激を与えるEMS電極20と、肌を温めるRF電極30と、表面に、EMS電極20およびRF電極30が設けられる回転体10と、を備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者の肌に電気的な刺激を与えるEMS電極と、
前記肌を温めるRF電極と、
表面に、前記EMS電極および前記RF電極が設けられる回転体と、
を備える、美容器具。
【請求項2】
前記回転体は、
前記EMS電極と前記RF電極とが、前記肌に交互に接するように回転する、
請求項1に記載の美容器具。
【請求項3】
前記回転体を支持し、且つ、前記利用者が把持可能な枠部材をさらに備え、
前記枠部材は、前記回転体に対して着脱可能である、
請求項1又は2に記載の美容器具。
【請求項4】
前記肌に振動刺激を与える振動付与部をさらに備える、
請求項1から3のいずれか一項に記載の美容器具。
【請求項5】
前記EMS電極のプラス極およびマイナス極と、前記RF電極のプラス極およびマイナス極とは、異なる対角線上に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の美容器具。
【請求項6】
前記EMS電極のプラス極およびマイナス極と、前記RF電極のプラス極およびマイナス極とは、同一の平行線上又は異なる平行線上に配置される、
請求項1から4のいずれか一項に記載の美容器具。
【請求項7】
前記EMS電極又は前記RF電極に印加される電圧に応じて、点灯色および点灯間隔が変わるLEDランプをさらに備える、
請求項1から6のいずれか一項に記載の美容器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、美容器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、顔に電気的な刺激を与えて筋肉を収縮させることにより、あるいは、顔に振動刺激を与えてマッサージすることにより、フェイスラインなどを引き締めることが可能な美容器具が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、皮膚に電気的な刺激を与えるEMS(Electrical Muscle Stimulation)電極と、皮膚を体温より僅かに高い温度(約40度~約45度)で温めるRF(Radio Frequency)電極と、を備えることで、コラーゲンの再生を促進させ、皮膚の老衰を緩和することが可能な美容装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の美容器具は、利用者の肌に、上述のような電極を交互に連続的に接触させることができなかったため、アンチエイジング、美肌などの美容効果を十分に促進させることが困難であった。
【0006】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、美容効果を促進させることが可能な美容器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一実施形態に係る美容器具は、利用者の肌に電気的な刺激を与えるEMS電極と、前記肌を温めるRF電極と、表面に、前記EMS電極および前記RF電極が設けられる回転体と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、美容効果を促進させることが可能な美容器具を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1A】本実施形態に係る美容器具の構成の一例を示す図である。
【
図1B】本実施形態に係る美容器具の使用態様の一例を示す図である。
【
図2A】本実施形態に係る美容器具の構成の一例を示す図である。
【
図2B】本実施形態に係る美容器具の使用態様の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係る美容器具の切り替えモードの一例を示す図である。
【
図4A】本実施形態に係る美容器具のEMS電極に印加される時間と電圧との関係の一例を示す図である。
【
図4B】本実施形態に係る美容器具のRF電極に印加される時間と電圧との関係の一例を示す図である。
【
図5A】本実施形態に係る電極の配置パターンの一例を示す図である。
【
図5B】本実施形態に係る電極の配置パターンの一例を示す図である。
【
図5C】本実施形態に係る電極の配置パターンの一例を示す図である。
【
図6A】本実施形態に係る美容器具の構成の一例を示す図である。
【
図6B】本実施形態に係る美容器具の構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、重複する説明を省略する。各図において、説明の便宜上、各構成の縦横の比率を実際の比率から誇張して示している。
【0011】
また、以下の説明における「縦」とは、図面に描かれた座標軸表示のZ軸に平行な方向を意味するものとし、「上」とは、当該Z軸におけるプラスの方向を意味するものとし、「下」とは、当該Z軸におけるマイナスの方向を意味するものとする。また、「横」とは、図面に描かれた座標軸表示のXY平面に平行な方向を意味するものとする。また、「斜め」とは、図面に描かれた座標軸表示のXY平面に対して、所定の角度(0°、90°、180°、270°を除く角度)を成す方向を意味するものとする。ただし、「縦」、「横」、「斜め」、「上」、「下」とは、便宜的に定められたものに過ぎず、限定的に解釈すべきものではない。
【0012】
<美容器具>
図1乃至
図6Bを参照して、本実施形態に係る美容器具100の構成の一例について説明する。
【0013】
図1Aおよび
図2Aに示すように、美容器具100は、回転体10と、EMS電極20と、RF電極30と、振動付与部40と、枠部材50と、LEDランプ60と、充電部70と、制御部80と、ダミー電極90と、を備える。
【0014】
回転体10は、表面10Sに、EMS電極20、RF電極30、ダミー電極90が設けられる。利用者が美容器具100を肌に接触させながら所定方向(例えば、縦方向、横方向、斜め方向)に動かすと(
図1B参照)、回転体10は、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌に交互に接するように回転する。すなわち、回転体10が回転することで、EMS電極20およびRF電極30は、交互に、利用者の肌に接触しながら、滑らかに移動する。詳細は後述するが、回転体10の表面10SにEMS電極20およびRF電極30が設けられることで、利用者の肌を温めることと、利用者の肌に電気的な刺激を与えることとを、利用者の肌に対して、交互に行うことが可能となるため、美容効果を促進させることが可能な美容器具100を実現できる。
【0015】
回転体10は、例えば、直径60mmの球体である。回転体10は、上部に、受け金具13を備えており、下部に、受け金具14を備えている。受け金具13には、枠部材50の一端50X(例えば、プラス端子となっている)が嵌められてよい。受け金具14には、枠部材50他端50Y(例えば、マイナス端子となっている)が嵌められてよい。
【0016】
例えば、
図1Aおよび
図1Bに示すように、回転体10が枠部材50に取り付けられている場合、美容器具100は、RF電極30により利用者の顔を温めながら、EMS電極20により利用者の顔に電気的な刺激を与える美顔器具となる。例えば、
図2Aおよび
図2Bに示すように、回転体10が枠部材50から取り外されている場合、美容器具100は、回転体10により利用者の足の裏に振動刺激を与えるマッサージ器具となる。すなわち、美容器具100は、回転体10が枠部材50に取り付けられている場合と回転体10が枠部材50から取り外されている場合とで、異なる用途での利用が可能な器具となる。これにより、従来技術と比較して、利用効率の高い美容器具100を実現できる。
【0017】
回転体10は、バッテリーが内蔵されている。バッテリーは、枠部材50の一端50Xおよび枠部材50他端50Yを介して、枠部材50の内部に設けられる充電部70により充電される。
【0018】
回転体10は、防水機能を有することが好ましい。回転体10は、例えば、プラスチックなどで形成されることが好ましい。回転体10が防水機能を有することで、利用者が、ジェルなどを肌に塗り付けてから美容器具100を使用し、回転体10が汚れてしまっても、繰り返し水洗いすることが可能となる。
【0019】
回転体10は、スイッチ11を備えている。スイッチ11は、例えば、プッシュ式のスイッチである。スイッチ11は、利用者の手が触れる部分に、樹脂カバーなどが貼り付けられ、防水加工が施されていることが好ましい。
【0020】
回転体10は、LEDランプ12を備えている。LEDランプ12は、EMS電極20、RF電極30、振動付与部40などに印加される電圧に応じて、点灯色、および点灯間隔が変わるように、制御部80により制御される。
【0021】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を1回押す(例えば、長押しする)と、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、点灯色が青色、点灯間隔が1.0秒で低速点滅する。この際、美容器具100は電源オンし、EMS電極20およびRF電極30には、例えば、L(Low)レベルの電圧が印加されている。
【0022】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を2回押すと、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、点灯色が青色、点灯間隔が0.5秒で高速点滅する。この際、EMS電極20およびRF電極30には、例えば、M(Middle)レベルの電圧が印加されている。
【0023】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を3回押すと、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、点灯色が青色で連続点灯する。この際、EMS電極20およびRF電極30には、例えば、H(High)レベルの電圧が印加されている。
【0024】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を4回押すと、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、点灯色が赤色、点灯間隔が1.0秒で低速点滅する。この際、RF電極30および振動付与部40には、例えば、L(Low)レベルの電圧が印加されている。
【0025】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を5回押すと、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、点灯色が赤色で連続点灯する。この際、振動付与部40には、例えば、H(High)レベルの電圧が印加されている。
【0026】
例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を6回押す(例えば、長押しする)と、制御部80が、所定の制御信号をLEDランプ12へ出力し、LEDランプ12は、消灯する。この際、美容器具100は電源オフする。
【0027】
なお、上述した、利用者がスイッチ11を押す回数と、LEDランプ12の点灯色およびLEDランプ12の点灯間隔との関係は、あくまでも一例であり、任意に設定されてよい。
【0028】
EMS電極20は、利用者の肌に電気的な刺激を与える電極であり、プラス極と、マイナス極と、を備えている。EMS電極20のプラス極およびEMS電極20のマイナス極は、回転体10の表面10Sに設けられる。EMS電極20は、例えば、径8mm程度、厚さ2mm程度で形成されることが好ましい。EMS電極20は、回転体10の表面10Sに、例えば、回転体10の回転軸に垂直な大円に沿って均等に、20個程度設けられることが好ましい。なお、電極配置については後に詳述する。
【0029】
EMS電極20は、制御部80により制御される。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を1回押すと、制御部80が、弱レベル(Lレベル)の制御信号をEMS電極20へ出力する。EMS電極20は、弱レベルの制御信号が制御部80から入力されると、弱い電気的な刺激(例えば、±12V程度の刺激)で、利用者の筋肉を刺激する。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を2回押すと、制御部80が、中レベル(Mレベル)の制御信号をEMS電極20へ出力する。EMS電極20は、中レベルの制御信号が制御部80から入力されると、中程度の電気的な刺激(例えば、±16V程度の刺激)で、利用者の筋肉を刺激する。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を3回押すと、制御部80が、高レベル(Hレベル)の制御信号をEMS電極20へ出力する。EMS電極20は、高レベルの制御信号が制御部80から入力されると、強い電気的な刺激(例えば、±20V程度の刺激)で、利用者の筋肉を刺激する。
【0030】
具体的には、
図4Aに示すように、周波数が約50Hz、大きさが約-20V~約+20Vの範囲を満たす電圧が、利用者の肌に与えられる電気的な刺激のレベルに応じて、EMS電極20へ印加されることで、EMS電極20は、利用者の肌に、弱い電気的な刺激、中程度の電気的な刺激、あるいは、強い電気的な刺激を与える。すなわち、EMS電極20へ印加される電圧は、利用者の肌に与えられる電気的な刺激のレベルに応じて、制御部80により適宜制御されればよい。
【0031】
なお、利用者がスイッチ11を押す回数と、利用者の肌に与えられる電気的な刺激のレベルとの対応関係は、あくまでも一例であり、任意に設定されてよい。
【0032】
RF電極30は、利用者の肌を温める電極であり、プラス極と、マイナス極と、を備えている。RF電極30のプラス極およびRF電極30のマイナス極は、回転体10の表面10Sに設けられる。RF電極30は、例えば、径8mm程度、厚さ2mm程度で形成されることが好ましい。RF電極30は、回転体10の表面10Sに、例えば、回転体10の回転軸に垂直な大円に沿って均等に、20個程度設けられることが好ましい。
【0033】
RF電極30は、制御部80により制御される。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を1回押すと、制御部80が、低レベル(Lレベル)の制御信号をRF電極30へ出力する。RF電極30は、低レベルの制御信号が制御部80から入力されると、低温(例えば、38度程度)で、利用者の肌を温める。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を2回押すと、制御部80が、中レベル(Mレベル)の制御信号をRF電極30へ出力する。RF電極30は、中レベルの制御信号が制御部80から入力されると、中温(例えば、40度程度)で、利用者の肌を温める。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を3回押すと、制御部80が、高レベル(Hレベル)の制御信号をRF電極30へ出力する。RF電極30は、高レベルの制御信号が制御部80から入力されると、高温(例えば、42度程度)で、利用者の肌を温める。
【0034】
具体的には、
図4Bに示すように、周波数が約350kHz、大きさが約-30V~約+30Vの範囲を満たす電圧が、利用者の肌を温める際の温度に応じて、RF電極30へ印加されることで、RF電極30は、利用者の肌を、低温、中温、あるいは、高温で温める。すなわち、RF電極30へ印加される電圧は、利用者の肌を温める際の温度に応じて、制御部80により適宜制御されればよい。
【0035】
なお、利用者がスイッチ11を押す回数と、利用者の肌を温める際の温度との対応関係は、あくまでも一例であり、任意に設定されてよい。
【0036】
美容器具100が、EMS電極20およびRF電極30を備え、且つ、回転体10が、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌に交互に接するように回転することで、利用者の肌を温めることと、利用者の肌に電気的な刺激を与えることとを、利用者の肌に対して、交互に行うことが可能となる。これにより、血行の促進、肌の活性化、肌のハリを保たせることなどが可能となり、利用者は、美容器具100を利用することで、全身において、アンチエイジング、美肌などの美容効果を十分に享受することができる。
【0037】
EMS電極20は、プラス極およびマイナス極に電圧が印加され、プラス極とマイナス極とのペアで使用される。同様に、RF電極30は、プラス極およびマイナス極に電圧が印加され、プラス極とマイナス極とのペアで使用される。
【0038】
例えば、
図5Aに示すように、EMS電極20のプラス極およびEMS電極20のマイナス極と、RF電極30のプラス極およびRF電極30のマイナス極とは、異なる縦方向の平行線上に配置されてよい(
図5Aの矢印参照)。具体的には、縦方向に、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極とが一対になって配置され、また、縦方向に、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極とが一対になって配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極と間隔、および、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、20mm程度であることが好ましい。さらに、上段の横方向に、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極とが交互に配置され、また、下段の横方向に、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極とが交互に配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極との間隔、および、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、18mm程度であることが好ましい。
【0039】
例えば、
図5Bに示すように、EMS電極20のプラス極およびEMS電極20のマイナス極と、RF電極30のプラス極およびRF電極30のマイナス極とは、異なる対角線上に配置されてよい(
図5Bの矢印参照)。具体的には、斜め方向に、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極とが一対になって配置され、また、逆斜め方向に、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極とが一対になって配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極と間隔、および、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、27mm程度であることが好ましい。さらに、上段の横方向に、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極とが交互に配置され、また、下段の横方向に、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極とが交互に配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極との間隔、および、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、18mm程度であることが好ましい。
【0040】
例えば、
図5Cに示すように、EMS電極20のプラス極およびEMS電極20のマイナス極と、RF電極30のプラス極およびRF電極30のマイナス極とは、同一の横方向の平行線上に配置されてよい(
図5Cの矢印参照)。具体的には、上段の横方向に、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極とが一対になって配置され、続いて、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極とが一対になって配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極との間隔、および、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、18mm程度であることが好ましい。同様に、下段の横方向に、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極とが一対になって配置され、続いて、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極とが一対になって配置されてよい。この際、EMS電極20のプラス極とEMS電極20のマイナス極との間隔、および、RF電極30のプラス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、18mm程度であることが好ましい。さらに、縦方向に、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極とが対向して配置され、また、縦方向に、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極とが対向して配置されよい。この際、EMS電極20のプラス極とRF電極30のプラス極との間隔、および、EMS電極20のマイナス極とRF電極30のマイナス極との間隔は、20mm程度であることが好ましい。
【0041】
なお、EMS電極20およびRF電極30は、上述の配置に限定されるものではなく、少なくとも、利用者が美容器具100を肌に接触させながら所定方向に動かす際に、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌に交互に接することが可能なように配置されていればよい。
【0042】
振動付与部40は、回転体10の内部に設けられる。振動付与部40は、例えば、振動モータなどで構成される。振動付与部40は、制御部80により制御される。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を4回押すと、制御部80が、弱レベル(Lレベル)の制御信号を振動付与部40へ出力する。振動付与部40は、弱レベルの制御信号が制御部80から入力されると、弱く振動する。その振動が回転体10に伝わり、回転体10が弱く振動することで、利用者の肌には、弱い振動刺激が与えられる。例えば、
図3に示すように、利用者がスイッチ11を5回押すと、制御部80が、強レベル(Hレベル)の制御信号を振動付与部40へ出力する。振動付与部40は、強レベルの制御信号が制御部80から入力されると、強く振動する。その振動が回転体10に伝わり、回転体10が強く振動することで、利用者の肌には、強い振動刺激が与えられる。
【0043】
利用者は、振動する回転体10を、自身の身体の所望の部位に密着させることで(
図2B参照)、当該部位に直接的且つ集中的に振動刺激を与えることができる。また、利用者は、スイッチ11を押す回数(例えば、4回、5回など)を、自身で選択することで、適宜、振動レベルを調整することができる。これにより、利用者は、自身の身体の所望の部位を効果的にマッサージすることが可能となる。
【0044】
枠部材50は、例えば、支持部51と、把持部52と、台座部53と、に分けられる。枠部材50は、回転体10に対して着脱可能である。枠部材50は、内部に、充電部70、配線などを備えており、充電器としての機能を有する。枠部材50は、一端50Xが受け金具13に嵌められ、他端50Yが受け金具14に嵌められる。枠部材50は、一端50Xが、例えば、プラス端子として、他端50Yが、例えば、マイナス端子として、回転体10と電気的に接続可能であり、これらの端子を介して、回転体10の内部に設けられるバッテリーを充電する。
【0045】
また、枠部材50は、一端50Xが回転体10の受け金具13に嵌められ、他端50Yが回転体10の受け金具14に嵌められて、回転体10を支持するための支持部51としての機能を有する。また、枠部材50は、利用者が美容器具100を使用する際に、握るための把持部52としての機能を有する(
図1B参照)。また、枠部材50は、美容器具100を、所定の場所(例えば、鏡台、洗面所、風呂場など)に固定するための台座部53としての機能を有する。
【0046】
図1Aに示すように、例えば、枠部材50は、回転体10を、縦方向に支持してよい。枠部材50が回転体10を縦方向に支持可能であることで、利用者は、美容器具100を肌に接触させながら横方向に動かして、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌の横方向において、交互に接するように回転体10を回転させることができる。これにより、利用者は、例えば、横方向のデコルテラインの美肌効果を集中的に高めることができる。
【0047】
図6Aに示すように、例えば、枠部材50は、回転体10を、横方向に支持してよい。枠部材50が回転体10を横方向に支持可能であることで、利用者は、美容器具100を肌に接触させながら縦方向に動かして、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌の縦方向において、交互に接するように回転体10を回転させることができる。これにより、利用者は、例えば、腕の内側を縦方向において集中的にケアすることができる。
【0048】
図6Bに示すように、例えば、枠部材50は、回転体を、斜め方向に支持してよい。枠部材50が回転体10を斜め方向に支持可能であることで、利用者は、美容器具100を肌に接触させながら斜め方向に動かして、EMS電極20とRF電極30とが、利用者の肌の斜め方向において、に交互に接するように回転体10を回転させることができる。これにより、利用者は、例えば、斜め方向のフェイスラインを集中的に引き締めて、小顔効果を享受することができる。
【0049】
すなわち、枠部材50が、回転体10を全ての方向において支持可能であることで、利用者は、美容器具100を利用して、全身において、アンチエイジング、美肌などの美容効果を効果的に促進させることが可能となる。
【0050】
なお、本実施形態では、枠部材50が、取手のような形状と支柱のような形状とが組み合わされた形状を有する場合を一例に挙げて説明しているが、枠部材50の形状は、これに限定されるものではない。枠部材50は、少なくとも上述した機能を有することが可能であれば、その形状は制限されない。
【0051】
LEDランプ60は、枠部材50の台座部53に設けられる。LEDランプ60は、美容器具100が充電部70により充電されているか否かを示すランプである。LEDランプ60が点灯している場合、利用者は、美容器具100が充電されていることを確認できる。LEDランプ60が点灯していない場合、利用者は、美容器具100が充電されていない、あるいは、美容器具100の充電が完了していることを確認できる。なお、LEDランプ60は、利用者が確認し易い位置に設けられていればよく、その配置位置は特に限定されない。
【0052】
充電部70は、枠部材50の内部に設けられる。充電部70は、コンセントに差し込まれる公知のACアダプタと電気的に接続されている。また、充電部70は、配線と接続され、枠部材50の一端50X(例えば、プラス端子)および枠部材50の他端50Y(例えば、マイナス)と電気的に接続される。充電部70は、枠部材50の一端50Xおよび枠部材50の他端50Yを介して、回転体10の内部に設けられるバッテリーを充電する。なお、充電部70は、少なくとも枠部材50の内部に設けられていれば、その配置位置は特に限定されない。
【0053】
制御部80は、回転体の内部に設けられる。制御部80は、LEDランプ12、EMS電極20、RF電極30、振動付与部40など、美容器具100が備える各部を制御する。
【0054】
制御部80は、LEDランプ12の点灯色、およびLEDランプ12の点灯間隔を制御する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が1回押された場合、LEDランプ12の点灯色を青色、且つ、LEDランプ12の点灯間隔を1.0秒で低速点滅させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が2回押された場合、LEDランプ12の点灯色を青色、且つ、LEDランプ12の点灯間隔を0.5秒で高速点滅させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が3回押された場合、LEDランプ12の点灯色を青色、且つ、LEDランプ12を連続点灯させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が4回押された場合、LEDランプ12の点灯色を赤色、且つ、LEDランプ12の点灯間隔を1.0秒で低速点滅させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が5回押された場合、LEDランプ12の点灯色を赤色、且つ、LEDランプ12を連続点灯させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が6回押された場合、LEDランプ12を消灯させるための制御信号を、LEDランプ12へ出力する。
【0055】
制御部80は、利用者の肌に与えられる電気的な刺激のレベルを制御する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が1回押された場合、利用者の肌に、弱い電気的な刺激を与えるための制御信号を、EMS電極20へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が2回押された場合、利用者の肌に、中程度の電気的な刺激を与えるための制御信号を、EMS電極20へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が3回押された場合、利用者の肌に、強い電気的な刺激を与えるための制御信号を、EMS電極20へ出力する。
【0056】
制御部80は、利用者の肌を温める際の温度を制御する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が1回押された場合、利用者の肌を低温で温めるための制御信号を、RF電極30へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が2回押された場合、利用者の肌を中温で温めるための制御信号を、RF電極30へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が3回押された場合、利用者の肌を高温で温めるための制御信号を、RF電極30へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が4回押された場合、利用者の肌を低温で温めるための制御信号を、RF電極30へ出力する。
【0057】
制御部80は、利用者の肌に与えられる振動刺激のレベルを制御する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が4回押された場合、利用者の肌に、弱い振動刺激を与えるための制御信号を、振動付与部40へ出力する。例えば、制御部80は、利用者によりスイッチ11が5回押された場合、利用者の肌に、強い振動刺激を与えるための制御信号を、振動付与部40へ出力する。
【0058】
ダミー電極90は、回転体10の表面10Sに設けられる。ダミー電極90は、EMS電極20およびRF電極30が設けられていない回転体10の表面10S部分に設けられる。ダミー電極90は、例えば、径8mm程度、厚さ2mm程度で形成されることが好ましい。ダミー電極90は、回転体10の表面10Sの上部に6個程度、回転体10の表面10Sの下部に6個程度、設けられることが好ましい。
【0059】
ダミー電極90が回転体10の表面10Sの適切な部分に設けられることで、回転体10が枠部材50から取り外されている場合(
図2Bおよび
図2B参照)であっても、利用者は、回転体10を握り易くなる。また、ダミー電極90が回転体10の表面10Sの適切な部分に設けられることで、美容器具100は、バランスの取れた美しい外観を実現することができる。
【0060】
本実施形態に係る美容器具100は、回転体10の表面10Sに、利用者の肌に電気的な刺激を与えるEMS電極20、および利用者の肌を温めるRF電極30が設けられる。これにより、利用者の肌に、EMS電極20とRF電極30とを交互に接触させることができるため、従来技術と比較して、アンチエイジング、美肌などの美容効果を十分に促進させることが可能となる。
【0061】
<変形例>
本実施形態では、美容器具100が、利用者の肌に電気的な刺激を与える、利用者の肌を温める、利用者の肌に振動刺激を与えるという機能を有する場合を一例に挙げて説明したが、美容器具100が有する機能は、これらに限定されない。例えば、美容器具100は、冷却素子(例えば、ペルチェ素子など)を備え、利用者の肌を冷却する機能を有していてもよい。例えば、美容器具100は、超音波振動素子を備え、利用者の肌に超音波振動刺激を与える機能を有していてもよい。
【0062】
また、本実施形態では、回転体10が、球形状である場合を一例に挙げて説明したが、回転体10は、楕円球形状、円柱形状などであってもよい。回転体10は、EMS電極20とRF電極30とを交互に利用者の肌に接触させながら、滑らかに移動させることが可能なように、回転できれば、その形状は特に限定されるものではない。
【0063】
また、本実施形態では、EMS電極20、RF電極30、ダミー電極90の形状が、円形状である場合を一例に挙げて説明したが、EMS電極20、RF電極30、ダミー電極90の形状は、これに限定されない。例えば、EMS電極20、RF電極30、ダミー電極90の形状は、楕円形状、多角形状などであってもよい。
【0064】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換ができることは当業者に明らかである。したがって、本発明は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0065】
10 回転体
10S 表面
20 EMS電極
30 RF電極
40 振動付与部
50 枠部材
50X 一端
50Y 他端
51 支持部
52 把持部
53 台座部
60 LEDランプ
70 充電部
80 制御部
90 ダミー電極
100 美容器具