(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044534
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/88 20060101AFI20220310BHJP
B01J 37/02 20060101ALI20220310BHJP
B01J 27/20 20060101ALI20220310BHJP
C01B 32/40 20170101ALI20220310BHJP
B01J 37/16 20060101ALI20220310BHJP
B01J 37/06 20060101ALI20220310BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20220310BHJP
H01M 4/86 20060101ALI20220310BHJP
H01M 4/92 20060101ALI20220310BHJP
H01M 4/90 20060101ALI20220310BHJP
H01M 8/10 20160101ALN20220310BHJP
【FI】
H01M4/88 K
B01J37/02 101Z
B01J27/20 M
C01B32/40
B01J37/16
B01J37/06
B01J35/10
H01M4/86 M
H01M4/86 B
H01M4/92
H01M4/90 M
H01M8/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021007824
(22)【出願日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】10-2020-0113736
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】508107087
【氏名又は名称】コリア インスティチュート オブ エナジー リサーチ
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク,クゴン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウンジク
(72)【発明者】
【氏名】キム,ギョンヒ
(72)【発明者】
【氏名】イム,ソンデ
(72)【発明者】
【氏名】パク,ソクヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム,ミンジン
(72)【発明者】
【氏名】ソン,ヨンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ペ,ビョンチャン
(72)【発明者】
【氏名】キム,スンゴン
(72)【発明者】
【氏名】シン,ドンウォン
(72)【発明者】
【氏名】オ,ファニョン
(72)【発明者】
【氏名】ウ,スンヒ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ソジョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヘジン
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ユニョン
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウォニョン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,テヒョン
【テーマコード(参考)】
4G146
4G169
5H018
5H126
【Fターム(参考)】
4G146JA01
4G146JC40
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4G169FC09
4G169FC10
5H018AA06
5H018BB06
5H018BB12
5H018BB13
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5H018HH01
5H126BB06
(57)【要約】 (修正有)
【課題】工程コストが低減され、スケールアップが容易であり、様々な種類のコアおよびシェル金属の変更、並びに多層構造のシェル形成が可能なコアシェル粒子の製造方法を提供する。
【解決手段】一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法に関し、コア用遷移金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、前記コア用遷移金属の表面に吸着した一酸化炭素と、シェル用金属前駆体および溶媒とが反応して、遷移金属コア上に還元された金属シェル層が形成されたコアシェル構造の粒子を形成するステップとを含む、コアシェル粒子の製造方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア用遷移金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、
前記コア用遷移金属の表面に吸着した一酸化炭素と、シェル用金属前駆体および溶媒とが反応して、遷移金属コア上に還元された金属シェル層が形成されたコアシェル構造の粒子を形成するステップとを含むことを特徴とする一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項2】
コア用遷移金属溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含むことを特徴とする一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項3】
前記コア用遷移金属前駆体溶液は、
炭素支持体分散水溶液に、コア用遷移金属前駆体を添加して、混合溶液を製造するステップと、前記混合溶液のpHを10~12の範囲に調節するステップとを含み、
前記炭素支持体上にコア用遷移金属が吸着された粒子を含有する溶液であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項4】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと2層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項5】
遷移金属コアと金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加するステップとからなる過程を繰返して行って、コア用遷移金属コアと多層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造することを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項6】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液は、フィルター、水洗、および乾燥するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項7】
前記炭素支持体は、多孔性炭素支持体であることを特徴とする請求項3に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項8】
前記コア用遷移金属は、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、モリブデン、レニウム、タングステン、および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項9】
前記シェル用金属前駆体は、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、およびレニウム(Re)からなる群より、1種以上の金属の前駆体であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項10】
前記製造されたコアシェル粒子は、直交方向に沿って、1~100nmの大きさであることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一酸化炭素の吸着および酸化作用により、コア上にシェル層を形成することで、コアシェル構造の粒子を製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、次世代のエネルギー源として脚光を浴びている燃料電池は、燃料の酸化・還元により生じる化学エネルギーを、電気エネルギーに直接変換させる装置であって、最近、電気自動車のような輸送用および家庭における給電用の未来型電気動力として期待されている。燃料電池における電極反応は、陰極での水素酸化反応と、陽極での酸素還元反応とからなり、高分子電解質膜燃料電池(Polymer electrolyte membrane fuel cell)など低温で駆動される燃料電池システムにおいて、これらの電気化学反応が円滑に起きるためには、反応速度が効果的に増加されなければならない。
【0003】
前記と同様の理由で、従来の燃料電池のカソードの電極触媒として、担持白金および白金合金材料が採られてきた。しかし、近年の電極触媒で要する量の白金は、燃料電池の大量生産を商業的に実現するためには、依然として高価である。そこで、白金を安価の金属と組み合わせることによって、燃料電池のカソードおよびアノードに含まれる白金の量を低減させる工夫がなされてきた。
【0004】
最近、燃料電池の電極触媒として、コアシェル型の触媒粒子(以下、コアシェル触媒という)が注目を集めている。コアに対するシェルの被覆率を高めるための方法として、銅-アンダーポテンシャル析出法(Cu underpotential deposition method、以下、Cu-UPD法という)などのアンダーポテンシャル析出法により、予め、コア部の表面に単原子層を形成した後、当該単原子層をシェル部に置換える方法が知られている。前記Cu-UPD法は、金属間の電位差を用いる方法であって、これは、電圧の印加のために、多様で複雑な装備を求め、コア金属の種類を変える場合、電位差を形成するための触媒(Cu)金属の変更も共に変えなければならないという煩わしさがあり、製造時間が長く、大量生産が困難であるという不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】日本登録特許第5,991,430号
【特許文献2】日本登録特許第6,168,009号
【特許文献3】日本登録特許第5,829,973号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、前記の問題点を解決するためになされたものであって、簡単で速い反応過程でコアシェル粒子の製造が可能であり、大量生産に容易なコアシェル粒子の製造方法を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、様々な金属種類をコアまたはシェルに用いる場合も、簡単に適用できるだけでなく、前記シェルの構造を多層に形成して、シェルの厚さを様々に調節可能なコアシェル粒子の製造方法を提供することにある。
【0008】
ただし、本発明で解決しようとする技術的課題は、以上に述べた技術的課題に限定されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって、明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記した技術的課題を達成するために、本発明は、コア用遷移金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、前記コア用遷移金属の表面に吸着した一酸化炭素と、シェル用金属前駆体および溶媒とが反応して、遷移金属コア上に還元された金属シェル層が形成されたコアシェル構造の粒子を形成するステップとを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、コア用遷移金属溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
前記コア用遷移金属前駆体溶液は、炭素支持体分散水溶液に、コア用遷移金属前駆体を添加して、混合溶液を製造するステップと、前記混合溶液のpHを10~12の範囲に調節するステップとを含み、前記炭素支持体上にコア用遷移金属が吸着された粒子を含有する溶液である。
【0012】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと2層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含む。
【0013】
遷移金属コアと金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加するステップとからなる過程を繰返して行って、コア用遷移金属コアと多層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造する。
【0014】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液は、フィルター、水洗、および乾燥するステップを、さらに含む。
【0015】
前記炭素支持体は、多孔性炭素支持体である。
【0016】
前記コア用遷移金属は、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、モリブデン、レニウム、タングステン、および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上である。
【0017】
前記シェル用金属前駆体は、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、およびレニウム(Re)からなる群より、1種以上の金属の前駆体である。
【0018】
前記製造されたコアシェル粒子は、直交方向に沿って、1~100nmの大きさである。
【発明の効果】
【0019】
本発明による一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法は、ワンポッド過程でコアとシェル構造を有する粒子を製造することができる。
【0020】
また、本発明による一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法は、反応原料のコストが低く、簡単で迅速な反応過程で粒子の製造が可能であるため、工程コストが低減され、経済的に優れるだけでなく、スケールアップに容易であるというメリットがある。
【0021】
さらに、本発明による一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法は、様々な金属種類をコアまたはシェルに用いることができ、容易な方法で多層構造のシェル(シェルの厚さ調節が可能)を形成することができる。
【0022】
ただし、本発明より得られる効果は、これらの効果に限られず、言及していない他の効果は、以下の記載から、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者にとって明確に理解されるでだろう。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明による単一シェル層構造のコアシェル粒子製造工程の模式図。
【
図2】本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子のTEM写真。
【
図3】本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子の(a) XRD、(b) 活性金属粒子サイズの分布グラフ。
【
図4】本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子のSTEM-EDS、およびコアシェル構造に関する分析結果を示す図。
【
図5】本発明による実施例1で製造されたコアシェル触媒粒子に対するボルタモグラムのグラフ。
【
図6】本発明による多重シェル層構造のコアシェル粒子製造工程の模式図。
【
図7】本発明による実施例3で製造されたコアシェル粒子のICP写真およびTEM写真。
【
図8】本発明による実施例3で製造されたコアシェル粒子の構造を分析した結果を示す図。
【
図9】本発明による実施例4および5で製造されたコアシェル粒子の電気化学的特性と質量活性の比較を示すボルタモグラムのグラフ。
【
図10】本発明による実施例4および5で製造された活性金属粒子がコアシェル構造を形成していることを示す分析写真。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下では、添付図面を参考して、本発明の実施例について、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明に関する説明は、構造的乃至機能的説明のための実施例に過ぎず、本発明の権利範囲は、本発明の実施例によって制限されると解析してはいけない。すなわち、実施例は、多様な変更が可能で様々な形態を有することができるので、本発明の権利範囲は、技術的思想を実現することができる均等物を含むものと理解されるべきである。なお、本発明で提示された目的または効果は、特定の実施例がこれを全て含むべきであるか、そのような効果のみを含むべきであるという意味ではないので、本発明の権利範囲は、これによって制限されると理解されてはいけない。
【0025】
本発明における用語の意味は、以下のように理解される。
【0026】
「第1」、「第2」などの用語は、ある構成要素を他の構成要素から区別するためのものであり、これらの用語によって権利範囲が限定されてはいけない。例えば、第1の構成要素は、第2の構成要素と名付けられ、同様に、第2の構成要素も、第1の構成要素と名付けられることができる。ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いることは、該当他の構成要素に直接して連結されることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもあり得ると理解されるべきである。これに対して、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いることは、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されるべきである。一方、構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち、「~間に」と「すぐ~間に」、または「~に隣接する」と「~に直接隣接する」なども同様に解析されるべきである。
【0027】
単数の表現は、文脈上、明らかに異なることを意味しない限り、複数の表現を含む。また、「含む」または「有する」等の用語は、説示された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとすることであり、1つまたはその以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、パーツ、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加可能性を排除しないことと理解すべきである。
【0028】
ここで用いられる全ての用語は、異なった定義しない限り、本発明が属する分野における通常の知識を有する者によって一般に理解されることと同一の意味を有する。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致することと解析されるべきであり、本発明において明らかに定義されない限り、理想的または過度に形式的な意味を有するものと解析できない。
【0029】
本発明は、一酸化炭素を用いた吸着誘導蒸着(AID、Adsorption Induced Deposition)を行って、コアシェル構造の粒子を製造する方法に関し、具体的に、遷移金属コア上に、一酸化炭素の吸着および酸化作用を誘導して金属シェル層を形成する過程で、コアシェル構造の粒子を製造する。
【0030】
図1は、本発明による単一シェル層構造のコアシェル粒子製造工程の模式図である。
図1は、一例として、パラジウムコアと、白金シェル構造とを有する粒子の製造過程を示しており、具体的に、パラジウム金属コアに一酸化炭素が吸着した後、前記吸着された一酸化炭素の酸化と白金の還元が同時に行われる過程で、単一シェル層構造のコアシェル粒子が製造される。
【0031】
なお、
図6は、本発明による多重シェル層構造のコアシェル粒子製造工程の模式図である。
図6は、一例として、パラジウムコアと多層構造の白金シェルを有する粒子の製造過程を示しており、具体的に、前記
図1と同様な方法で、パラジウム金属コアに一酸化炭素が吸着し、前記吸着された一酸化炭素の酸化と白金の還元が同時に行われて、単一シェル層構造のコアシェル粒子が製造される。その後、前記白金シェル層上に、一酸化炭素を吸着した後、前記吸着された一酸化炭素の酸化と白金の還元が同時に行われる過程で、2層シェル構造のコアシェル粒子が製造される。この際、前記のように一酸化炭素の吸着、吸着された一酸化炭素の酸化、および白金の還元過程を繰返し行うことで、シェル層の数を調節することができる。
【0032】
以下、本発明による一酸化炭素を用いたコアシェル構造の粒子製造方法は、コア用遷移金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、前記コア用遷移金属の表面に吸着された一酸化炭素と、シェル用金属前駆体および溶媒とが反応して、遷移金属コア上に、還元された金属シェル層が形成されたコアシェル構造の粒子を形成するステップとを含む。この際、前記溶媒は、一酸化炭素の電子を生成可能な物質であれば、特に限定しないが、具体的に、超純水または炭素数1~6のアルコールを用いる。
【0033】
具体的に、本発明の製造方法は、コア用遷移金属溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含む。
【0034】
前記コアシェル構造の粒子を製造する各ステップは、以下の通りである。
【0035】
まず、コア用遷移金属溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行う。
【0036】
前記遷移金属前駆体は、通常使用するもので、特に限定しないが、コア用遷移金属は、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、モリブデン、レニウム、タングステン、および亜鉛からなる群より選ばれる1種以上であり得る。
【0037】
前記1次窒素パージは、従来、溶液中に存在する酸素などを除去する役割、一酸化炭素パージは、炭素支持体上に遷移金属が導入された粒子上に一酸化炭素を吸着するための過程であり、2次窒素パージは、溶液中に過剰な一酸化炭素が残っており、過剰層の白金シェルが形成されることを制御する役割を果たす。
【0038】
ここで、前記1次窒素パージおよび2次窒素パージは、製造するコアシェル粒子の量に応じて調整可能であり、具体的に、1次パージは、溶存酸素濃度が初期に比して、10%以下となるように使用し、2次パージは、溶存一酸化炭素の濃度が初期に比して、20%以下となるように使用することが望ましい。
【0039】
また、一酸化炭素パージは、コア金属の量に比例して使用可能である。前記コア金属の外部表面積の全体に一酸化炭素が吸着できるようにし、シェル金属の還元反応後、露出したコアの表面には、更なる一酸化炭素が供給できるようにする量を調節するのが望ましい。具体的に、一酸化炭素パージを行う全体溶液中に、20%体積~100体積%の一酸化炭素が溶けられる一酸化炭素の供給量と供給時間を求める。
【0040】
この際、前記範囲の未満であると、シェル層が十分形成されず、また、超える場合は、過度な厚さのシェル層が形成される。
【0041】
また、本発明は、前記コア用遷移金属前駆体の溶液として、炭素支持体上にコア用遷移金属が吸着された粒子を含有する溶液を使用する。前記炭素支持体上にコア用遷移金属が吸着された粒子を含有する溶液は、通常の方法で製造可能である。具体的に、炭素支持体分散水溶液にコア用遷移金属前駆体を添加して、混合溶液を製造するステップと、前記混合溶液のpHを10~12の範囲に調節するステップとを含むことができる。
【0042】
前記炭素支持体は、コアシェル触媒の支持体で、通常使用するものであれば、特に限定しない。一例として、多孔性炭素支持体が使用可能である。多孔性炭素支持体を用いる場合、広い表面積により、多量のコアシェル構造粒子を効率的に支持することができる。前記炭素支持体は、粒子生成の効率を増加するためのもので、必ずしも使用されるものではない。
【0043】
その他にも、コアシェル構造のナノ粒子を支持する金属酸化物などが使用可能である。
【0044】
このような炭素支持体は、比表面積が20~2,000m2/gであり、これを超純水に混合して、炭素支持体が分散した水溶液を製造する。前記分散は、通常使用されるもので、特に限定せず、具体的に、バッチタイプまたはホーンタイプの超音波分散器を用いる。この時、分散の程度は、目視で観察する。
【0045】
ついで、前記混合溶液のpHを10~12に調節する。前記pH調節は、コア用遷移金属の還元収率および形状を制御する役割を果たす。前記pHが10未満であると、前駆体の金属転換収率が低くなるか、球状粒子の比率が低くなり、前記pHが12を超えると、製造工程で使用する試薬量の過多および廃棄物の増加等の問題が発生する。前記pHの調節により、炭素支持体上に遷移金属が導入された粒子が製造される。
【0046】
その後、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造する。この際、前記遷移金属上に吸着した一酸化炭素が酸化されると共に、シェル用金属前駆体が還元される。
【0047】
前記シェル用金属前駆体は、通常使用されるもので、特に限定しないが、具体的に、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、およびレニウム(Re)からなる群より、1種以上の金属の前駆体を使用する。これらの前駆体は、例えば、金属の塩素化物、アンモニウム、および多様な形態の塩などが使用可能である。この際、前記シェル用金属前駆体は、コア金属の比表面積に比例して、化学両論比(1:1)の金属原子が求められる。また、多重層のシェルを形成するためには、その量を調節することができる。また、本発明は、CO吸着量によって、シェル層の形成量を決めるため、過量のシェル金属前駆体が存在する環境下でも、容易に制御することができる。
【0048】
さらに、前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液は、フィルター、水洗、および乾燥するステップを含む。ここで、洗浄は、炭素数1~6のアルコール、超純水を用いて行われ、乾燥は、50~120℃で6~24時間の間、行われる。
【0049】
一方、本発明は、遷移金属コアと2層(2atomic monolayer)の金属シェルが形成された粒子を製造する方法に特徴がある。具体的に、前記粒子(遷移金属コアと2層の金属シェルが形成された粒子)は、前述した方法で製造された遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと2層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含む。
【0050】
また、本発明は、遷移金属コアと多層の金属シェルが形成された粒子を製造する方法に特徴がある。具体的に、前記粒子(遷移金属コアと、多層の金属シェルが形成された粒子)は、前述した方法で製造された遷移金属コアと金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加するステップとからなる過程を繰返し行って、遷移金属コアと多層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造することができる。前記のように、シェル層は、多層構造を形成して、シェルの厚さ調節を容易に制御することができる。
【0051】
前記のような方法で製造された遷移金属コアと金属シェル粒子は、大きさが直交方向に沿って、1~100nmである。
【0052】
以下、本発明の理解を助けるために、好適な実施例を提示するが、これらの実施例は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範疇および技術思想の範囲内で多様な変更および修正が可能であることは、当業者にとって明らかなことであり、このような変形および修正が添付の請求範囲に属することも当然なことである。
【0053】
(断層シェル構造)
(実施例1)
超純水1.5Lに、カーボン粒子(粒子サイズ20~100nm、比表面積100~400m2/g)を3.5g混合して分散した。ここで、前記分散は、バッチタイプの超音波分散器(rpm 4,60min、intensity max)、ホーンタイプの超音波分散器(rpm max、30min、amp 25%)、およびバッチタイプの超音波分散(rpm 4,30min、intensity max)の順に行った。
【0054】
前記カーボン粒子が分散した溶液に、PdCl2溶液(10%Pd溶液)を15ml添加した後、30分間、撹拌した。
【0055】
その後、前記混合液に1.0M NaOHを用いて、pHを11に調節した。前記pHが11に調節された溶液に、20分間、窒素パージ(N2 purge)し、30分間、一酸化炭素パージ(CO-1000mL/min purge)を行って、一酸化炭素が吸着したPd/C粒子を含有する溶液を製造した。
【0056】
ついで、前記Pd/C粒子が含有した溶液に、60分間、窒素パージ(N2 purge)し、K2PtCl4を添加した後、2時間の間、撹拌した。前記K2PtCl4は、PdおよびPtの両論比が1:1以上を維持するよう適切に調節した。
【0057】
その後、フィルター、エタノール、および超純水を用いて洗浄した後、24時間の間、乾燥して、カーボン上に、30重量%パラジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Pd@Pt/C)を製造した。
【0058】
(実施例2)
前記実施例1で製造されたPd@Pt/Cを反応物質とし、実施例1と同様の過程を繰返して、Ptが2層の原子層でコートされたPd@Pt_2ML/Cを製造した。
【0059】
図2は、本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子のTEM写真で、カーボン粒子上に金属がよく分布していることを確認できる。
【0060】
図3は、本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子の(a) XRD、および(b) 活性金属粒子サイズの分布グラフで、粒子サイズが約4.0nmオーダーであることが分かる。
【0061】
図4は、本発明による実施例1で製造されたコアシェル粒子のSTEM-EDSであり、Pd上にPt単一層が形成されていることが分かる。
【0062】
図5は、本発明による実施例1で製造されたコアシェル触媒粒子に対するボルタモグラムのグラフであり、(a)は、Pd上にCOストリッピング(Stripping)ピークであり、(b)は、Pd表面にPtがコートされたコアシェル粒子に対するCOストリッピング結果であって、より低いポテンシャル領域でCOが着脱することが分かる。これにより、既にPt層が形成された場合も、同様の過程を通じて、Pt原子層をさらに形成できることが分かる。
【0063】
(比較例1)
Pt/Cの商用触媒(Johnson Matthey社、HiSpec4000製品)
【0064】
(比較例2)
Cu-UPD法を用いて製造されたPd@Pt/cコアシェル粒子。
【0065】
(実験例1)
前記実施例1で製造されたパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子を、(Pd@Pt/C_CO)を用いて、ハーフセル(half-cell)テストを行った。前記ハーフセルテストの結果は、下記表1の通りである。
【0066】
【0067】
なお、下記表2は、本発明による実施例2、比較例1および比較例2の粒子を用いて、ハーフセルテストした結果を示している。
【0068】
【0069】
表2に示しているように、本発明による実施例1は、比較例1と比較して、約3倍高いECSA と質量活性を示しており、比較例2に比べて、約1.5倍以上にECSAと質量活性が増加していることが分かる。
【0070】
(実験例2)
前記実施例1で製造されたパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子を、(Pd@Pt/C_CO)を用いて、シングルセルテストを行った。この際の条件は、以下の通りであり、シングルセルテストの結果は、下記表3に示している。
【0071】
空気極(Cathode): Pd@Pt/C, 「Aquivion」(登録商標) D83(I/C=0.6), PGM loading (0.116 mgPGM/cm2) Pt loading (0.062 mgPt/cm2)
燃料極(Anode) : TKKTEC10E50E(50%Pt/C), 「Aquivion」(登録商標) D83(I/C=0.8), Pt loading(0.12 mgPt/cm2)
活性領域(Active area,25cm2)、陽性子交換膜(PEM,NRE-211(25μm)、相対湿度(relative humidify,RH)100%
【0072】
【0073】
(多層シェル構造)
(実施例3)
【0074】
(A)前記実施例1の方法で製造された1層シェル構造(ML)のパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Pd@Pt_1ML/C)。
【0075】
(B)前記(A)で製造されたPd@Pt/Cを反応物質とし、(A)と同様なパージ過程を繰返して行った(窒素パージ、一酸化炭素パージ、窒素パージ)。その後、前記パージされた溶液に、K2PtCl4を2次で添加した後、2時間の間、撹拌した。前記2次K2PtCl4は、PdとPtの両論比が1:1以上を維持するように適切に調節した。
【0076】
その後、フィルター、エタノール、および超純水を用いて洗浄した後、24時間の間、乾燥して、カーボン上に、2層シェル構造(2ML)のパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Pd@Pt_2ML/C)を製造した。
【0077】
(C)前記(B)で製造された(Pd@Pt_2ML/C)を反応物質とし、(A)と同様のパージ過程を繰返して行った(窒素パージ、一酸化炭素パージ、窒素パージ)。その後、前記パージされた溶液に、K2PtCl4を2次で添加した後、2時間の間、撹拌した。前記2次K2PtCl4は、PdとPtの両論比が1:1以上を維持するように適切に調節した。
その後、フィルター、エタノール、および超純水を用いて洗浄した後、24時間の間、乾燥して、カーボン上に、3層シェル構造(2ML)のパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Pd@Pt_3ML/C)を製造した。
【0078】
前記それぞれの(A)、(B)、(C)のコアシェル粒子の金属含量比は、下記表4の通りである。
【0079】
【0080】
図7は、本発明による実施例3で製造されたコアシェル粒子のICP写真とTEMを示しており、カーボン粒子上に金属がよく分布しており、各層に形成された粒子のサイズは、MLは3.9nm、2MLは4.3nm、3MLは4.9nmであることが分かる。
【0081】
図8は、本発明による実施例3で製造されたコアシェル粒子の構造を分析した結果であり、Pt原子層の形成回数が増えることにつれ、約0.3nmずつ、表面においてPt層の厚さが増えることが分かる。これは、本発明において、外部Pt層のコート厚を円滑に制御できることを見せている。
【0082】
(実験例3)
前記実施例3で製造された各層構造のパラジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Pd@Pt/C_CO)を用いて、ハーフセルテストを行った。前記ハーフセルテストの結果は、下記表5の通りである。
【0083】
【0084】
(様々な種類のコア金属)
(実施例4)
前記実施例1と同様に行い、PdCl2溶液の代わりに、イリジウム(Ir)前駆体を用いて、17.7重量%のイリジウムコア-白金シェルが形成された粒子(Ir@Pt/C)を製造した。
【0085】
(実施例5)
前記実施例1と同様に行い、PdCl2溶液の代わりに、ルテニウム(Ru)前駆体を用いて、17.2重量%のルテニウムコア-白金シェルが形成された粒子(Ru@Pt/C)を製造した。
【0086】
(実験例4)
前記実施例4、5で製造されたコアシェルが形成された粒子を用いて、ハーフセルテストを行った。前記ハーフセルテストの結果は、下記表6の通りである。
【0087】
【0088】
図9は、本発明による実施例4および5で製造されたコアシェル粒子の電気化学的特性と質量活性の比較を示すボルタモグラムのグラフである。
図9によると、コアに存在する物質が異なる場合、Pt基準の質量活性も影響を受け、IrとRuがいずれも、酸素還元反応においては、Pdに比べて相対的に低い反応活性を有することが確認できる。
【0089】
また、
図10は、本発明による実施例4および5で製造されたコアシェル粒子の場合も、製造された触媒は、外部に白金層が積もられたコアシェル形状を有することが分かる。
【0090】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎず、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正および変形が可能であり、本発明の保護範囲は、以下の請求範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれることと解析されるべきである。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コア用遷移金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、
前記コア用遷移金属の表面に吸着した一酸化炭素と、シェル用金属前駆体および溶媒とが反応して、遷移金属コア上に還元された金属シェル層が形成されたコアシェル構造の粒子を形成するステップとを含むことを特徴とする一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項2】
コア用遷移金属溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含むことを特徴とする一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項3】
前記コア用遷移金属前駆体溶液は、
炭素支持体分散水溶液に、コア用遷移金属前駆体を添加して、混合溶液を製造するステップと、前記混合溶液のpHを10~12の範囲に調節するステップとを含み、
前記炭素支持体上にコア用遷移金属が吸着された粒子を含有する溶液であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項4】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加して、遷移金属コアと2層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造するステップとを含むことを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項5】
遷移金属コアと金属シェルが形成された粒子を含有する溶液に、1次窒素パージ、一酸化炭素パージ、および2次窒素パージを順次行うステップと、
前記パージが行われた溶液に、シェル用金属前駆体を添加するステップとからなる過程を繰返して行って、コア用遷移金属コアと多層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液を製造することを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項6】
前記遷移金属コアと単一層の金属シェルが形成された粒子を含有する溶液は、フィルター、水洗、および乾燥するステップを、さらに含むことを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項7】
前記炭素支持体は、多孔性炭素支持体であることを特徴とする請求項3に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項8】
前記コア用遷移金属は、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、モリブデン、レニウム、タングステン、および亜鉛からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項9】
前記シェル用金属前駆体は、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、およびレニウム(Re)からなる群より、1種以上の金属の前駆体であることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項10】
前記製造されたコアシェル粒子は、直交方向に沿って、1~100nmの大きさであることを特徴とする請求項2に記載の一酸化炭素を用いたコアシェル粒子の製造方法。
【請求項11】
第1の金属上に、一酸化炭素を吸着させるステップと、
前記第1金属の表面に吸着した一酸化炭素と、第2の金属前駆体とが反応して、前記第1の金属上に、第2の金属がコートされるステップとを含むことを特徴とする金属コート方法。
【請求項12】
前記第1の金属は、パラジウム、イリジウム、ルテニウム、金、コバルト、ニッケル、鉄、銅、マンガン、モリブデン、レニウム、タングステン、及び亜鉛からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項11に記載の金属コート方法。
【請求項13】
前記第2の金属は、白金(Pt)、金(Au)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)、銀(Ag)、及びレニウム(Re)からなる群より選ばれた1種以上であることを特徴とする請求項11に記載の金属コート方法。