(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044546
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】開閉自在な包装袋
(51)【国際特許分類】
B65D 33/25 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
B65D33/25 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021096567
(22)【出願日】2021-06-09
(31)【優先権主張番号】P 2020149693
(32)【優先日】2020-09-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】凸版印刷株式会社
(72)【発明者】
【氏名】岩田 吏世
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 規行
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA05
3E064BA17
3E064BA27
3E064BA28
3E064BA30
3E064BA35
3E064BA36
3E064BA37
3E064BA38
3E064BA54
3E064BB03
3E064BC08
3E064BC18
3E064EA18
3E064EA30
3E064HM01
3E064HN13
3E064HP01
3E064HP02
(57)【要約】
【課題】内容物を取り出す際に凹型嵌合テープや凸型嵌合テープの汚染を防止することができて、しかも、その後容易かつ衛生的に再封できる包装袋を提供すること。
【解決手段】表裏のフィルム1,2を重ねその周囲で互にヒートシールすると共に、凸型嵌合部を有する凸型嵌合テープ4と凹型嵌合部を有する凹型嵌合テープ5とを前記表裏のフィルムのそれぞれにシールして包装袋100とする。そして、嵌合テープの上部及び左右両側が前記表裏のフィルムのいずれか一方にシールされており、かつ、前記上部シール部42
1より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部42
2,42
3に挟まれた領域32
4が前記表裏のフィルムの両方から自由な状態にある嵌合テープを汚染防止タイプ嵌合テープと呼ぶとき、前記凸型嵌合テープ4と凹型嵌合テープ3のうち少なくとも一方を汚染防止タイプ嵌合テープとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表裏のフィルムを重ねその周囲で互にヒートシールすると共に、凸型嵌合部を有する凸型嵌合テープと凹型嵌合部を有する凹型嵌合テープとを前記表裏のフィルムのそれぞれにシールして成り、前記凸型嵌合部と凹型嵌合部とが互に着脱自在な位置に配置されている包装袋において、
嵌合テープの上部及び左右両側が前記表裏のフィルムのいずれか一方にシールされており、かつ、前記上部シール部より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部に挟まれた領域が前記表裏のフィルムの両方から自由な状態にある嵌合テープを汚染防止タイプ嵌合テープと呼ぶとき、
前記凸型嵌合テープと凹型嵌合テープのうち少なくとも一方が汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする開閉自在な包装袋。
【請求項2】
表裏のフィルムの両方から自由な状態にある前記領域(下部自由領域)を、この下部自由領域と前記上部シール部との境界で反転したとき、前記凸型嵌合部又は凹型嵌合部の中央部が、反転した前記下部自由領域で覆われて保護されることを特徴とする請求項1に記載の包装袋。
【請求項3】
表裏のフィルムの両方から自由な状態にある前記領域(下部自由領域)に凸型嵌合部又は凹型嵌合部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項4】
前記上部シール部に凸型嵌合部又は凹型嵌合部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋。
【請求項5】
凹型嵌合テープが汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の包装袋。
【請求項6】
前記凸型嵌合テープと凹型嵌合テープの両方が汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の開閉自在な包装袋。
【請求項7】
前記下部自由領域の先端縁と前記凸型嵌合部又は凹型嵌合部との間の長さが8mm以上であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の開閉自在な包装袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互に着脱自在なチャックにより開閉自在とした包装袋に関する。
【背景技術】
【0002】
互に着脱自在なチャックにより開閉自在とした包装袋は周知である。この袋は、一般に、
図10~
図11に示すようなものである。なお、
図10はこの包装袋400の正面図、
図11はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0003】
この包装袋400は、表裏のフィルム1,2、チャックを構成する凹型嵌合テープ3及び凸型嵌合テープ4で構成されている。
【0004】
表側フィルム1と裏側フィルム2とは互いに重ね合わされ、その周囲で互にヒートシールされている。
図10中、a,bは側縁シール線、cは底シール線、dは上縁シール線を示している。そして、側縁シール線aに開封用ノッチeが設けられており、この開封用ノッチeを始点として、包装袋400を横断するように開封予定線fが設けられている。このノッチeから切断を開始して開封予定線fで切断することにより、包装袋400を開封することができる。
【0005】
開封予定線fより下側、すなわち内容物を収容する方にチャックが取り付けられている。チャックは凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とで構成されている。そして、凹型嵌合テープは表側フィルム1と裏側フィルム2のうち一方のフィルムに固定され、凸型嵌合テープ4は他方のフィルムに固定されている。この例では、凹型嵌合テープ3が表側フィルム1に固定され、凸型嵌合テープ4が裏側フィルム2に固定されている。なお、
図11に図示のように、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とは互いに嵌合している。
【0006】
この包装袋400は次のように使用する。すなわち、まずノッチeから切断を開始して開封予定線fで包装袋400を切断し、次に、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の嵌合を解いて、チャックを開くことにより開封できる。また、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とを再度嵌合させれば袋を閉じることができる。
【0007】
ところで、このように凸型嵌合部と凹型嵌合部との嵌合を解けば袋を開いて内容物を取り出すことができるが、このとき、凸型嵌合部と凹型嵌合部の両者は袋の内面に露出しているから、この凸型嵌合部や凹型嵌合部に内容物が付着することがある。
【0008】
例えば、内容物が粉末状であり、この粉末状内容物が凹型嵌合部の凹溝に付着したときには、これに凸型嵌合部を嵌合することが困難となり、袋を閉じることができないことになる。しかし、だからといって、微細な凹溝からさらに微細な粉末を取り出して十分に除去することも困難である。
【0009】
そこで、内容物を取り出す際に前記凸型嵌合部や凹型嵌合部に内容物が付着することを防止した包装袋が提案されている(特許文献1)。
【0010】
この包装袋は、例えば、
図12~
図13に示すようなものである。
図12はこの包装袋500の正面図、
図13はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0011】
この包装袋500は、表裏のフィルム1,2、チャックを構成する凹型嵌合テープ3及び凸型嵌合テープ4に加えて筒状のフィルム5を備えて構成されている。
【0012】
表側フィルム1と裏側フィルム2とが互いに重ね合わされ、その周囲で互にヒートシールされていること、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とで構成されたチャックを備えていることは前述の包装袋500と同様である。
【0013】
そして、この凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とで構成されたチャックの下に、しかも、この凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4とに連続して、筒状フィルム5が配置されている。筒状フィルム5は2枚のフィルムを重ねてその両サイドで互いにシールして構成したものである。
【0014】
筒状フィルム5はその上端が凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の両者に固定されているが、この固定部より下の部位は表側フィルム1と裏側フィルム2のどちらにも固定されておらず、フリーな状態にある。
【0015】
この包装袋500は次のように使用する。
図14は開封した状態を示す斜視図、
図15はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0016】
すなわち、まずノッチeから切断を開始して開封予定線fで包装袋500を切断し、次に、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の嵌合を解いて、チャックを開く。
【0017】
そして、筒状フィルム5を、その上端の固定部で反転する。
図14及び
図15から分かるように、反転した筒状フィルム5は凹型嵌合テープ3及び凸型嵌合テープ4の上に重なり、これを保護するから、内容物を取り出す際にも凹型嵌合テープ3や凸型嵌合テープ4が汚染することがないのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以上のように、特許文献1に記載の包装袋は、内容物を取り出す際に凹型嵌合テープや凸型嵌合テープの汚染を防止することができる点で優れたものである。
【0020】
しかしながら、このように内容物を取り出した後、チャックによって再封するためには、筒状フィルムを押し込んで
図12~13に示す状態に戻す必要がある。しかしながら、この筒状フィルムには例えば粉末状の内容物が付着していることがあり、このため、手指が粉末状の内容物で汚れたり、逆に内容物が汚れたりすることがあった。また、そうでなくても、フレキシブルな筒状フィルムをフレキシブルな包装袋に押し込むのは容易な作業ではなかった。
【0021】
そこで、本発明は、内容物を取り出す際に凹型嵌合テープや凸型嵌合テープの汚染を防止することができて、しかも、その後容易かつ衛生的に再封できる包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0022】
すなわち、請求項1に記載の発明は、表裏のフィルムを重ねその周囲で互にヒートシールすると共に、凸型嵌合部を有する凸型嵌合テープと凹型嵌合部を有する凹型嵌合テープとを前記表裏のフィルムのそれぞれにシールして成り、前記凸型嵌合部と凹型嵌合部とが互に着脱自在な位置に配置されている包装袋において、
嵌合テープの上部及び左右両側が前記表裏のフィルムのいずれか一方にシールされており、かつ、前記上部シール部より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部に挟まれた領域が前記表裏のフィルムの両方から自由な状態にある嵌合テープを汚染防止タイプ嵌合テープと呼ぶとき、
前記凸型嵌合テープと凹型嵌合テープのうち少なくとも一方が汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする開閉自在な包装袋である。
【0023】
次に、請求項2に記載の発明は、表裏のフィルムの両方から自由な状態にある前記領域(下部自由領域)を、この下部自由領域と前記上部シール部との境界で反転したとき、前記凸型嵌合部又は凹型嵌合部の中央部が、反転した前記下部自由領域で覆われて保護されることを特徴とする請求項1に記載の包装袋である。
【0024】
次に、請求項3に記載の発明は、表裏のフィルムの両方から自由な状態にある前記領域(下部自由領域)に凸型嵌合部又は凹型嵌合部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋である。
【0025】
次に、請求項4に記載の発明は、前記上部シール部に凸型嵌合部又は凹型嵌合部が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の包装袋である。
【0026】
次に、請求項5に記載の発明は、凹型嵌合テープが汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の包装袋である。
【0027】
次に、請求項6に記載の発明は、前記凸型嵌合テープと凹型嵌合テープの両方が汚染防止タイプ嵌合テープであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の開閉自在な包装袋である。
【0028】
次に、請求項7に記載の発明は、前記下部自由領域の先端縁と前記凸型嵌合部又は凹型嵌合部との間の長さが8mm以上であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の開閉自在な包装袋である。
【発明の効果】
【0029】
本発明においては、凸型嵌合テープと凹型嵌合テープのうち少なくとも一方が汚染防止タイプ嵌合テープであり、このテープは、その上部及び左右両側が前記表裏のフィルムのいずれか一方にシールされており、かつ、前記上部シール部より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部に挟まれた領域(下部自由領域)が前記表裏のフィルムの両方から自由な状態にある。
【0030】
このため、凸型嵌合部と凹型嵌合部との嵌合を解いてチャックを開いた後、汚染防止タイプ嵌合テープの左右両側の側部シール部を固定したまま、下部自由領域の上端、すなわち、上部シール部と下部自由領域との境界で下部自由領域を反転することにより、この反転した下部自由領域で凸型嵌合部又は凹型嵌合部を覆って保護することができる。このため、内容物を取り出す際の汚染を防止することができる。
【0031】
しかも、こうして反転した汚染防止タイプ嵌合テープの左右両側の側部シール部は表裏のフィルムのいずれか一方にシール固定されているから、その両端を掴んで左右に引っ張ることにより、汚染防止タイプ嵌合テープは元の状態に戻る。こうして凸型嵌合部と凹型嵌合部とを再び嵌合させることにより再封することができる。
【0032】
なお、前述のように汚染防止タイプ嵌合テープの左右両端を互に反対方向に引っ張るだけで元の状態に戻るから、手指を内容物で汚すこともないし、その再封も容易である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】
図1は本発明の第1の具体例に係る包装袋の正面図である。
【
図2】
図2は本発明の第1の具体例に係る包装袋の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図3】
図3は本発明の第1の具体例に係り、包装袋を開封した状態を示す斜視図である。
【
図4】
図4は本発明の第1の具体例に係り、包装袋を開封した状態の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図5】
図5は本発明の第1の具体例の変形例を説明するための正面図である。
【
図6】
図6は本発明の第1の具体例の変形例の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図7】
図7は本発明の第2の具体例に係る包装袋の正面図である。
【
図8】
図8は本発明の第2の具体例に係る包装袋の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図9】
図9は本発明の第3の具体例に係る包装袋の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図11】
図11は従来の第1の包装袋の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図13】
図13は従来の第2の包装袋の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【
図14】
図14は従来の第2の包装袋を開封した状態を示す斜視図である。
【
図15】
図15は従来の第2の包装袋を開封した状態の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付図面を参照して、本開示の具体例を説明する。
図1は本発明の第1の具体例に係る包装袋100の正面図であり、
図2はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0035】
この包装袋100は、表裏のフィルム1,2、チャックを構成する一対の嵌合テープ3,4で構成されている。
【0036】
従来の包装袋400や包装袋500と同様に、表側フィルム1と裏側フィルム2とは互いに重ね合わされ、その周囲で互にヒートシールされている。
図1中、a,bは側縁シール線、cは底シール線、dは上縁シール線を示している。そして、側縁シール線aに開封用ノッチeが設けられており、この開封用ノッチeを始点として、包装袋400を横断するように開封予定線fが設けられている。このノッチeから切断を開始して開封予定線fで切断することにより、包装袋400を開封することができる。
【0037】
次に、包装袋100の開封予定線fより下側、すなわち内容物を収容する方にチャックが取り付けられている。前述のように、チャックは一対の嵌合テープ3,4で構成されている。これら嵌合テープ3,4のうち一方の嵌合テープ3は凹型嵌合テープ3であり、他方の嵌合テープ4は凸型嵌合テープ4である。これらは、いずれも、テープ基材と嵌合部とで構成されており、凹型嵌合テープ3のテープ基材は凹型嵌合テープ基材32であり、嵌合部は凹型嵌合部31である。また、凸型嵌合テープ4のテープ基材は凸型嵌合テープ基材42であり、嵌合部は凸型嵌合部41である。
【0038】
凹型嵌合テープはヒートシールにより表側フィルム1と裏側フィルム2のうち一方のフィルムに固定され、凸型嵌合テープ4はヒートシールにより他方のフィルムに固定されている。この例では、凹型嵌合テープ3が表側フィルム1にシール固定され、凸型嵌合テープ4が裏側フィルム2にシール固定されている。
【0039】
凹型嵌合テープ基材32と凹型嵌合部31とは一体に成型したものでもよいし、それぞれ別々に製造した後、溶着または接着して凹型嵌合テープ3としたものであってもよい。また、凸型嵌合テープ基材42と凸型嵌合部41も一体に成型したものでもよいし、それぞれ別々に製造した後、溶着または接着しものであってもよい。
【0040】
そして、凹型嵌合テープ基材32は、その上部で表側フィルム1にヒートシールされ、このヒートシールにより固定されている。このシール固定された領域を上部シール部と呼び、
図1及び
図2では符号「32
1」で示している。
【0041】
また、凹型嵌合テープ基材32は、その左右両側で表側フィルム1にヒートシールされ、このヒートシールにより固定されている。このシール固定された領域を側部シール部と呼び、
図1及び
図2では、左側の側部シール部(左側部シール部)を符号「32
2」で示し、右側の側部シール部(右側部シール部)を符号「32
3」で示している。
【0042】
そして、上部シール部32
1より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部32
2,32
3に挟まれた領域は表側フィルム1にヒートシールされていない領域である。この領域は、もちろん、裏側フィルム2にも固定されていない。すなわち、この領域は表裏のフィルム1,2の両方から自由な状態に置かれている。このため、この領域を下部自由領域と呼び、
図1及び
図2では、符号「32
4」で示している。なお、説明の便宜上、
図1及び
図2では、この下部自由領域の先端の縁を符合「32
5」で表示している。
【0043】
図示のように、凹型嵌合部31は包装袋100を横断して、左側の側縁シール線aから右側の側縁シール線bに至るまで延在している。この凹型嵌合部31の配置位置は、上部シール部321と下部自由領域324とのいずれでもよいが、この例では、凹型嵌合部31は下部自由領域325に配置されている。なお、凹型嵌合部31の配置位置に拘わらず、凹型嵌合部31と下部自由領域324の先端縁325との間の長さ3xは5mm以上であることが望ましい。この3xがこれより短いと、上部シール部上部シール部321と下部自由領域324との境界で下部自由領域324を反転しても、この反転した下部自由領域324で凹型嵌合部31を覆って保護することができず、粉末状の内容物を取り出す際に、この粉末状内容物が凹型嵌合部31に付着することがある。一層望ましくは8mm以上である。
【0044】
なお、このように、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4のうち、その上部及び左右両側が前記表裏のフィルムのいずれか一方にシールされており、かつ、前記上部シール部より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部に挟まれた領域が前記表裏のフィルムの両方から自由な状態にある嵌合テープを、以下、「汚染防止タイプ嵌合テープ」と呼ぶ。この例では、凹型嵌合テープ3が汚染防止タイプ嵌合テープである。
【0045】
そして、この例では、凸型嵌合テープ4は汚染防止タイプ嵌合テープではない。凹型嵌合テープ3が粉末等で汚染されたときには、この粉末等の凹溝に付着して凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4との嵌合が困難となることがあるが、凸型嵌合テープ4が粉末等で汚染されたときにはこのような心配が少ない。このため、凹型嵌合テープ3を汚染防止タイプ嵌合テープとして、内容物を取り出す際に凹型嵌合テープ3の凹溝を汚染から防ぐことが望ましい。
【0046】
この包装袋100は次のように使用することができる。
図3はこの包装袋100を開封した状態を示す斜視図であり、
図4はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0047】
すなわち、従来の包装袋400や包装袋500と同様に、まず開封予定線fで包装袋400を切断し、次に、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の嵌合を解いて、チャックを開く。
【0048】
次に、上部シール部32
1の下端を基準として凹型嵌合テープ基材32の下部自由領域32
4の中央部分を、下部自由領域の上端、すなわち、上部シール部と下部自由領域との境界で下部自由領域を反転する。このとき、下部自由領域32
4の両側には側部シール部32
2,32
3が存在し、これら側部シール部32
2,32
3は表側フィルム1にシール固定されているから、反転することはできない。下部自由領域32
4は、
図3に示すように、その両側が表側フィルム1に固定されたまま、その中央部が反転した状態となる。このため、
図3に示すように、その先端縁32
5は捻じれた曲線を形成する。そして、下部自由領域32
4の中央部では、
図3及び
図4に示すように、凹型嵌合部31は下部自由領域32
4と一緒に反転して、この下部自由領域32
4に覆われて保護される。内容物が粉末状の場合には、こうして凹型嵌合部31が下部自由領域32
4によって覆われた表側フィルム1が下方となるように包装袋100を傾けて、この粉末状内容物が凹型嵌合テープ基材32の下部自由領域32
4の上を通るように排出することにより、この内容物を取り出すことができる。このとき、この粉末状内容物が凹型嵌合部31に触れることがなく、したがって凹型嵌合部31が汚染されないことは明らかである。
【0049】
次に、こうして内容物を取り出した包装袋100は、次のような方法で再封することができる。すなわち、前述のように下部自由領域32
4の中央部分を反転させた包装袋100の左右両側を掴んで、例えば、左右の側縁シール線a,bを掴んで、
図3に矢印で示すように互に反対方向となるように引っ張ることにより、反転した下部自由領域32
4の中央部分が元に戻り、凹型嵌合部31が凸型嵌合部41に向き合う状態にすることができる。最後に、これら凹型嵌合部31と凸型嵌合部41とを互に嵌合させることにより、包装袋100を再封することができる。そして、この説明から分かるように、下部自由領域32
4の中央部分を反転させて内容物を取り出した後の包装袋100は、その下部自由領域32
4に触れることなく、再封することができるのである。このため、再封の際に内容物によって手指が汚れることもないし、包装袋100内部に残る内容物が手指で汚染されることもないのである。
【0050】
以上、内容物が粉末状の場合を代表例として説明したが、内容物が粉末状でない場合であっても同様に取り出し、また再封できることができる。
【0051】
なお、この包装袋100は、包装袋100の内幅(側縁シール線a,bの内側端縁の間の長さ)、凹型嵌合テープ3及び表裏のフィルム1,2のループ・スティフネスを適切な値とすることにより、この凹型嵌合テープ3に触れることなく、凹型嵌合テープ3の下部自由領域324の中央部分を反転させることができる。
【0052】
図5及び
図6はこれを説明するためのもので、
図5は前記第1の具体例の変形例を説明するための正面図、
図6はその要部断面説明図である。
【0053】
この変形例に係る包装袋100’では、その内幅(側縁シール線a,bの内側端縁の間の長さ)を符号「A」で表している。
【0054】
また、凹型嵌合テープ3の先端縁325近傍の領域に符号「3241」を付し、下部自由領域324のうち、前記先端近傍領域3241を除く領域に「3242」を付している。
【0055】
そして、この包装袋100’では、側縁シール線aから側縁シール線bに向かう方向を、表裏のフィルム1,2を製膜する際の流れ方向(MD方向)とし、底シール線cから上縁シール線dに向かう方向を流れ方向に直交する方向(TD方向)として製造したものである。また、凹型嵌合テープ3も、同様に、側縁シール線aから側縁シール線bに向かう方向をMD方向、底シール線cから上縁シール線dに向かう方向をTD方向としている。
【0056】
各フィルムのループ・スティフネスは次のように測定した。まず、測定装置は(株)東洋精機製作所のLoop Stiffness Tester(型式DA)を使用した。そして、各フィルムから、巾15mmのサンプルを切り出して、円周が100mmのループを作成し、このループ上から荷重を掛けてループを押し潰した。その荷重による圧縮速度3.3mm/秒である。そして、押し潰した後1.0秒間保持して加えられている荷重の値が安定した後、その荷重を測定してこのフィルムのループ・スティフネスとした。なお、測定したループ・スティフネスは、前記先端近傍領域3241のMD方向のループ・スティフネスα、前記先端近傍領域を除く領域3242のTD方向のループ・スティフネスβ、及び裏側フィルム2のMD方向のループ・スティフネスγである。
【0057】
また、包装袋100’の両側縁シール線a,b側から包装袋100’に荷重を掛けて、この荷重によって凹型嵌合テープ3が反転するか否かについて調べた。
図5中、符号「W
R」及び「W
L」は左右から掛けた荷重を示している。
【0058】
また、これに伴い、凹型嵌合テープ3が反転したとき、手に内容物が付着したか否かについても調べた。そして、更に、手で掛けた荷重を解除した後にも、反転した凹型嵌合テープ3がそのまま反転した形状を維持するか否かについても調べた。
【0059】
まず、前記先端近傍領域3241のMD方向のループ・スティフネスαが1000mN、先端近傍領域を除く領域3242のTD方向のループ・スティフネスβが130mN、裏側フィルム2のMD方向のループ・スティフネスγが350mNの場合について、内幅Aを様々な長さに変えた場合を例1~4として、その結果を表1に示す。
【0060】
【0061】
この結果から、α=1000mN、β=130mN、γ=350mNの場合、A≦110mmであれば、包装袋100’を左右から押すことで手を汚すことなく凹型嵌合テープ3を反転させることができ、しかも、押すことを止めた後にも反転したままの状態を維持できることが分かる。
【0062】
次に、γの値を変えた場合例5~8として、その結果を表2に示す。
【0063】
【0064】
この結果から、α=1000mN、β=130mN、γ=80mNの場合、A≦90mmであれば、包装袋100’を左右から押すことで手を汚すことなく凹型嵌合テープ3を反転させることができ、しかも、押すことを止めた後にも反転したままの状態を維持できることが分かる。
【0065】
また、内幅Aを150mmとして、α、β、γを様々な大きさに変えた場合を例9~15として、その結果を表3に示す。
【0066】
【0067】
この結果から、A=150mmの場合、α≧800mN、β=3mN、γ≦80mNで
あれば、包装袋100’を左右から押すことで手を汚すことなく凹型嵌合テープ3を反転させることができ、しかも、押すことを止めた後にも反転したままの状態を維持できることが分かる。
【0068】
次に、
図7は本発明の第2の具体例に係る包装袋200の正面図であり、
図8はその要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0069】
この包装袋200にあっては、凹型嵌合部31が上部シール部321に配置されている。このほか、第1の具体例に係る包装袋100と同様である。なお、この場合でも、凹型嵌合部31と下部自由領域324の先端縁325との間の長さ3xは5mm以上であることが望ましい。一層望ましくは8mm以上である。
【0070】
この包装体200から内容物を取り出すため、上部シール部321の下端を基準として凹型嵌合テープ基材32の下部自由領域324の中央部分を反転したときには、凹型嵌合部31の中央部分は下部自由領域324に覆われて保護される。この場合にも、粉末状内容物が凹型嵌合テープ基材32の下部自由領域324の上を通るように排出したとき、粉末状内容物は凹型嵌合部31に触れることがなく、凹型嵌合部31が汚染されることもない。
【0071】
また、包装袋200の左右両側(例えば、左右の側縁シール線a,b)を掴んで互に反対方向となるように引っ張ることにより、反転した下部自由領域324の中央部分が元に戻ること、手指や内容物を汚染することなく再封できることも第1の具体例に係る包装袋100と同様である。
【0072】
以上、凹型嵌合テープ3のみが汚染防止タイプ嵌合テープであって、凸型嵌合テープ4は汚染防止タイプ嵌合テープではない包装袋100,200を例として本発明を説明したが、凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の両方が汚染防止タイプ嵌合テープであることが望ましいことは言うまでもない。
【0073】
図9は、このように凹型嵌合テープ3と凸型嵌合テープ4の両方が汚染防止タイプ嵌合テープである包装袋300の要部の構成を説明するための要部断面説明図である。
【0074】
この包装袋300では、まず、凹型嵌合テープ3が前記汚染防止タイプ嵌合テープである。すなわち、凹型嵌合テープ3は、その上部(上部シール部321)で表側フィルム1にシール固定されており、また、その左右両側(左側部シール部322及び右側部シール部323)も表側フィルム1にシール固定されている。そして、上部シール部321より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部322,323に挟まれた領域(下部自由領域324)は表裏のフィルム1,2の両方から自由な状態に置かれている。
【0075】
また、凸型嵌合テープ4も前記汚染防止タイプ嵌合テープである。すなわち、凸型嵌合テープ4はその上部(上部シール部421)で裏側フィルム2にシール固定されており、左右両側(左側部シール部422及び右側部シール部423)も裏側フィルム2にシール固定されている。そして、上部シール部421より下側の領域であって左右両側の前記側部シール部422,423に挟まれた領域(下部自由領域424)は表裏のフィルム1,2の両方から自由な状態に置かれている。
【0076】
内容物を取り出す際には、凹型嵌合テープ3の下部自由領域324と凸型嵌合テープ4の下部自由領域424の両方を反転させることにより、凹型嵌合部31と凸型嵌合部41の両方をこれら下部自由領域324,424で覆って保護することができる。
【0077】
また、再封する際には、包装袋300の左右両側を掴んで引っ張ることにより、反転した下部自由領域324,42を両方共元の状態に戻すことができる。そして、凹型嵌合部31と凸型嵌合部41とを互に嵌合することにより再封することができる。
【0078】
ところで、この包装袋300にあっては、凹型嵌合部31と下部自由領域324の先端縁325との間の長さ3xと、凸型嵌合部41と下部自由領域424の先端縁425との間の長さ4xのいずれもが8mm以上であることが望ましい。このように前記凸型嵌合部41又は凹型嵌合部31と下部自由領域324,424の先端縁325,425との間の長さ3x,4xがいずれも8mm以上である場合には、これら下部自由領域324と下部自由領域424とが互に近接してその間に隙間ができず、このため、包装袋300中に粉末状内容物を収容してこの包装袋300を倒立させたりした場合にも、凹型嵌合部31や凸型嵌合部41が粉末状内容物で汚染されるおそれがない。なお、図示のように、長さ3xと長さ4xとは同じ長さである必要はない。いずれも150mm以下の長さでよい。
【0079】
以上、周囲の四辺をシール線(左側の側縁シール線a、右側の側縁シール線b、底シール線c、上縁シール線d)でシールした四方シール袋を例として説明したが、これに限らず、任意の形態の包装袋が使用できることは明らかである。例えば、三方シール袋、二方シール包装袋、封筒貼りシール包装袋、合掌貼りシール包装袋、スタンディングパウチ等である。
【0080】
次に、本発明の包装袋を構成するそれぞれの材料について説明する。
【0081】
まず、表側フィルム1及び裏側フィルム2としては任意のフィルムを使用することができる。単層構成であってもよいし、多層構成であってもよい。
【0082】
単層構成のフィルムとしては、例えば、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレンフィルム、綿状低密度ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、エチレンープロピレン共重合体のフィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体のフィルム、アイオノマー樹脂フィルム、エチレン-アクリル酸エチル共重合体のフィルム、エチレン-アクリル酸またはメタクリル酸共重合体フィルム、メチルペンテンポリマーフィルム、ポリブテン系樹脂フィルム、ポリ塩化ビニル系樹脂フィルム、塩化ビニル-塩化ビニルデン共重合体のフィルム、ポリ(メタ)アクリル系樹脂フィルム、ポリアクリロニトリル系樹脂フィルム、ポリスチレン系樹脂フィルム、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS系樹脂)のフィルム、アクリロニトリル-ブタジェンースチレン共重合体(ABS系樹脂)のフィルム、ポリエステル系樹脂フィルム、ポリアミド系樹脂フィルム、ポリカーボネート系樹脂フィルム、ポリビニルアルコール系樹脂フィルム、エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物のフィルム、ジエン系樹脂フィルム、ポリアセタール系樹脂フィルム、ポリウレタン系樹脂フィルム、ニトロセルロースを例示できる。
【0083】
これら樹脂フィルムから選択した2以上の樹脂を積層して、多層構成のフィルムとすることができる。例えば、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリプロピレンをこの順に積層した3層構成のフィルムを前記表側フィルム1や裏側フィルム2として使用することができる。また、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及び低密度ポリエチレンをこの順に積層した3層構成のフィルムを前記表側フィルム1や裏側フィルム2として使用することも可能である。
【0084】
また、その層構成中に酸素ガスや水蒸気を遮断するガスバリア層を有する多層構成のフィルムを使用することもできる。このようなガスバリア層としては、アルミニウム箔、無機酸化物の薄膜、あるいはガスバリア性樹脂層が利用できる。この無機酸化物の薄膜としては、金属の酸化物をアモルファス(非晶質)化した薄膜が例示できる。無機酸化物とし
ては、例えば、ケイ素(Si)、アルミニウム(Al)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、錫(Sn)、ナトリウム(Na)、ホウ素(B)、チタン(Ti)、鉛(Pb)、ジルコニウム(Zr)、イットリウム(Y)などの酸化物が使用できる。そして、これらの無機酸化物を蒸着することによりその薄膜を形成できる。
【0085】
このほか、前記単層構成のフィルム又は多層構成のフィルムにヒートシールラッカー等を塗工して、前記表側フィルム1や裏側フィルム2とすることも可能である。ヒートシールラッカーとしては、例えば、エチレン酢ビ、塩化ビニリデン、塩素化ポリオレフィン、ポリアミド、アクリル等の熱可塑性ポリマーを例示できる。
【0086】
次に、凹型嵌合テープ3は、前述のように、凹型嵌合テープ基材32と凹型嵌合部31とを一体に成型したものでもよいし、それぞれ別々に製造した後、溶着または接着して凹型嵌合テープ3としたものであってもよい。また、同様に、凸型嵌合テープ4は、凸型嵌合テープ基材42と凸型嵌合部41とを一体に成型したものでもよいし、それぞれ別々に製造した後、溶着または接着して凸型嵌合テープ4としたものであってもよい。
【0087】
これらは、いずれも、任意の樹脂で構成することができる。例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、綿状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂、エチレン-アクリル酸エチル共重合体、エチレン-アクリル酸またはメタクリル酸共重合体、メチルペンテンポリマー、ポリブテン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル-塩化ビニルデン共重合体、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリアクリロニトリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、アクリロニトリル-スチレン共重合体(AS系樹脂)、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体(ABS系樹脂)、ポリエステル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体のケン化物、ジエン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ニトロセルロースである。
【実施例0088】
(実施例1)
この例は、凹型嵌合テープを汚染防止タイプ嵌合テープとした包装袋の実施例である(
図1,2参照)。包装袋は四方シール袋であり、その大きさは天地方向250mm、左右方向200mmである。
【0089】
そこで、まず、表裏のフィルム1,2として、3層構造のフィルムを使用した。その層構成は、包装袋外側から順に、ポリエステルフィルム、延伸ポリアミドフィルム、ポリプロピレンから成るシーラントフィルムである。
【0090】
凹型嵌合テープ及び凸型嵌合テープは、いずれも、嵌合テープ基材と嵌合部とを一体に成型したものを使用した。その材質は高密度ポリエチレンである。また、下部自由領域の厚みは300μm、凹型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3xは20mmである。
【0091】
(実施例2)
この例は凸型嵌合テープと凹型嵌合テープの両方を汚染防止タイプ嵌合テープとした包装袋の実施例である(
図9参照)。
【0092】
そして、凹型嵌合テープの凹型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3xを20mm、凸型嵌合テープの凸型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ4xを10mmとした。
【0093】
その他の点については、実施例1と同様である。
【0094】
(実施例3)
この例も凸型嵌合テープと凹型嵌合テープの両方を汚染防止タイプ嵌合テープとした包装袋の実施例である(
図9参照)。
【0095】
そして、凹型嵌合テープの凹型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3xを20mm、凸型嵌合テープの凸型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ4xを20mmとした。
【0096】
その他の点については、実施例1と同様である。
【0097】
(実施例4)
この例も凸型嵌合テープと凹型嵌合テープの両方を汚染防止タイプ嵌合テープとした包装袋の実施例である(
図9参照)。
【0098】
そして、凹型嵌合テープの凹型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3xを20mm、凸型嵌合テープの凸型嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ4xを50mmとした。
【0099】
その他の点については、実施例1と同様である。
【0100】
(比較例1)
この例は、従来の包装袋の例であり、凹型嵌合テープも凸型嵌合テープも汚染防止タイプ嵌合テープではない(
図10,11参照)。すなわち、いずれも、上部シール部より下側に表裏のフィルムから自由な領域(下部自由領域)は存在せず、強いていえば、嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3x,4xはいずれも0mmである。なお、この包装袋では、チャックの下に筒状フィルムも設けられていない。
【0101】
(比較例2)
この例は、筒状のフィルムを備える従来の包装袋の例である(
図12,13参照)。実施例1~4と対比するため、筒状フィルムの長さは20mmとした。すなわち、筒状フィルムは下部自由領域ではないから、嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さという概念もないが、筒状フィルムの表裏を下部自由領域に対応するものとして嵌合部と下部自由領域の先端縁との間の長さ3x,4xを考えると、その長さ3x,4xはいずれも20mmである。
【0102】
(評価)
これら実施例1~4、比較例1,2の包装袋のそれぞれに小麦粉200gを密封した後、3つの観点から評価した。
【0103】
まず第1に、内容物(小麦粉)を取り出す際に嵌合部に内容物(小麦粉)が付着するか否かについて試験した。
【0104】
第2に、こうして開封した包装袋を再封する際の取り扱いが容易か否かについて試験した。
【0105】
そして、最後に、密封したままの包装袋を左右に2回ずつ倒した後開封して嵌合部を観察することにより、この転倒によって嵌合部に内容物(小麦粉)が付着するか否かについ
て試験した。
【0106】
これらの結果を表4に示す。
【0107】
【0108】
(考察)
この結果から、汚染防止タイプ嵌合テープを使用せず、筒状フィルムもない包装袋(比較例1)では、内容物取り出しの際にも、あるいは包装袋を転倒させた際にも、嵌合部に内容物が付着し易いことが分かる。
【0109】
これに対し、筒状フィルムを備える包装袋(比較例2)と、汚染防止タイプ嵌合テープを使用した包装袋(実施例1~4)では、内容物取り出しの際には嵌合部に内容物が付着しない。しかし、開封した包装袋を再封する際の取り扱いについては、筒状フィルムを備える包装袋(比較例2)は容易ではなく、手指に内容物が付着し易い。これに対して、汚染防止タイプ嵌合テープを使用した包装袋(実施例1~4)では、開封した包装袋を再封する際にも手指に内容物が付着することがなく、その取扱いが容易である。
【0110】
次に、凹型嵌合テープとして汚染防止タイプ嵌合テープを使用すれば、凸型嵌合テープが汚染防止タイプ嵌合テープでなくても(実施例1)、内容物取り出しの際に嵌合部に内容物が付着せず、再封時にも手指に内容物が付着しないが、包装袋を転倒させた際には嵌合部に内容物が付着する。これに対し、凹型嵌合テープと凸型嵌合テープの両方が汚染防止タイプ嵌合テープである場合(実施例2~4)には、包装袋を転倒させた際にも嵌合部に内容物が付着しない。