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特開2022-44639内視鏡システム、制御装置の動作方法及び制御装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044639
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】内視鏡システム、制御装置の動作方法及び制御装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/06 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
A61B1/06 612
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022002189
(22)【出願日】2022-01-11
(62)【分割の表示】P 2020092701の分割
【原出願日】2015-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2015025133
(32)【優先日】2015-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000002185
【氏名又は名称】ソニーグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】特許業務法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村北 昌嗣
(57)【要約】
【課題】内視鏡画像の輝度をより適切に調整することが可能な技術が提供されることが望まれる。
【解決手段】イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、を備える、画像処理装置が提供される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入部の光学系を通過した光を受光して信号を出力するイメージセンサを含む撮像部と、
前記イメージセンサからの信号に基づき露光制御を行う露光制御部を有する制御装置と、
を備え、
前記露光制御部は、
前記挿入部の光学系を通過した光を受光したイメージセンサからの信号に基づく、前記イメージセンサ上に前記挿入部の光学系に基づく黒領域を含む内視鏡画像を取得し、
前記内視鏡画像の前記黒領域とは異なり体内の観察に用いられる観察領域のサイズに応じて抽出された値に基づいて、前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
内視鏡システム。
【請求項2】
請求項1に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズに基づいて抽出領域を設定し、前記抽出領域の値に基づいて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
内視鏡システム。
【請求項3】
請求項2に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記抽出領域の輝度値に基づいて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
内視鏡システム。
【請求項4】
請求項1~3の何れか1項に記載の内視鏡システムであって、
前記観察領域は、前記挿入部の光学系のサイズによって変化する領域である、
内視鏡システム。
【請求項5】
請求項4に記載の内視鏡システムであって、
前記挿入部の光学系のサイズは、前記挿入部の光学系の径である、
内視鏡システム。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズを前記撮像部から取得した前記挿入部の情報に基づき決定する、
内視鏡システム。
【請求項7】
請求項1~5の何れか1項に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズを前記内視鏡画像の値に基づき決定する、
内視鏡システム。
【請求項8】
請求項7に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記内視鏡画像の第1の位置から第2の位置までの輝度値を取得し、輝度値の変化に基づき前記観察領域のサイズを決定する、
内視鏡システム。
【請求項9】
請求項7に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズを前記内視鏡画像の2以上の領域の値に基づき決定する、
内視鏡システム。
【請求項10】
請求項9に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズを前記内視鏡画像の2以上の領域の輝度差に基づいて決定する、
内視鏡システム。
【請求項11】
請求項9に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズを前記内視鏡画像の2以上の領域の輝度値と、閾値との関係性に基づいて決定する、
内視鏡システム。
【請求項12】
請求項1~11の何れか1項に記載の内視鏡システムであって、
前記露光制御部は、前記観察領域の輝度値に基づいて露光を制御するパラメータを調整する、
内視鏡システム。
【請求項13】
請求項1~12の何れか1項に記載の内視鏡システムであって、
前記挿入部は、硬性鏡スコープまたは軟性鏡スコープである、
内視鏡システム。
【請求項14】
内視鏡システムに含まれる制御装置の動作方法であって、
前記制御装置は、
挿入部の光学系を通過した光を受光したイメージセンサからの信号に基づく、前記イメージセンサ上に前記挿入部の光学系に基づく黒領域を含む内視鏡画像を取得し、
前記内視鏡画像の少なくとも2以上の領域の値に基づいて、前記黒領域とは異なり体内の観察に用いられる観察領域のサイズを推定し、
前記観察領域のサイズに基づいて設定された抽出領域の値に基づいて、前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置の動作方法。
【請求項15】
挿入部の光学系を通過した光を受光して信号を出力するイメージセンサからの信号に基づき露光制御を行う露光制御部を備え、
前記露光制御部は、
前記挿入部の光学系を通過した光を受光したイメージセンサからの信号に基づく、前記イメージセンサ上に前記挿入部の光学系に基づく黒領域を含む内視鏡画像を取得し、
前記内視鏡画像の前記黒領域とは異なり体内の観察に用いられる観察領域のサイズに応じて抽出された値に基づいて、前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置。
【請求項16】
請求項15に記載の制御装置であって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズに基づいて抽出領域を設定し、前記抽出領域の値に基づいて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置。
【請求項17】
請求項16に記載の制御装置であって、
前記露光制御部は、前記抽出領域の輝度値に基づいて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置。
【請求項18】
挿入部の光学系を通過した光を受光して信号を出力するイメージセンサからの信号に基づき露光制御を行う露光制御部を備え、
前記露光制御部は、
前記挿入部の光学系を通過した光を受光したイメージセンサからの信号に基づく、前記イメージセンサ上に前記挿入部の光学系に基づく黒領域を含む内視鏡画像を取得し、
前記内視鏡画像の前記黒領域とは異なり体内の観察に用いられる観察領域のサイズが第1のサイズである場合は第1のパラメータを用いて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行い、
前記観察領域のサイズが第2のサイズである場合は第2のパラメータを用いて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置。
【請求項19】
請求項18に記載の制御装置であって、
前記露光制御部は、前記内視鏡画像の第1の領域の値と、前記内視鏡画像の第2の領域の値と、の関係性を算出し、前記関係性が第1の関係性であるときに第1のパラメータを用いた露光制御を行い、前記関係性が第2の関係性であるときに第2のパラメータを用いた露光制御を行う、
制御装置。
【請求項20】
請求項19に記載の制御装置であって、
前記露光制御部は、前記観察領域のサイズに基づいて抽出領域を設定し、前記抽出領域の値に基づいて前記イメージセンサによる撮像の露光制御を行う、
制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、内視鏡システム、制御装置の動作方法及び制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像を処理する画像処理装置が普及している(例えば、特許文献1参照)。一方、イメージセンサへの光を透過するレンズのフードなどによる遮光によって、内視鏡画像が部分的に暗くなってしまう現象が起こり得る。以下では、内視鏡画像のうちこのような遮光によって暗くなってしまう領域を、単に「黒領域」とも言う。また、内視鏡画像にこのような黒領域が生じる現象を「ケラレ」とも言う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-42998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、内視鏡画像に黒領域が生じてしまったことが原因となり、内視鏡画像の輝度が過剰に高くなるように露光制御が行われてしまう場合がある。そのため、黒領域以外の領域(以下、「観察領域」とも言う。)が過剰に明るくなってしまう可能性がある。そこで、内視鏡画像の輝度をより適切に調整することが可能な技術が提供されることが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示によれば、イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、を備える、画像処理装置が提供される。
【0006】
本開示によれば、イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出することと、プロセッサにより、前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行うことと、を含む、画像処理装置が提供される。
【0007】
本開示によれば、コンピュータを、イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、前記抽出領域における前記イメ一ジセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、を備える画像処理装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0008】
本開示によれば、光を発する光源部と、前記光源部により発せられた前記光の反射光を受光して内視鏡画像を撮像するイメージセンサと、を有し、前記内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、前記抽出領域における前記イメ一ジセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、を備える、画像処理装置を有する、画像処理システムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように本開示によれば、内視鏡画像の輝度をより適切に調整することが可能な技術が提供される。なお、上記の効果は必ずしも限定的なものではなく、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書に示されたいずれかの効果、または本明細書から把握され得る他の効果が奏されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施形態に係る画像処理システムの構成例を示す図である。
図2】露光制御の具体例について説明するための図である。
図3】露光制御の具体例について説明するための図である。
図4】自動露光制御部の詳細な機能構成例を示すブロック図である。
図5】内視鏡画像の例を示す図である。
図6】周辺領域の他の例を示す図である。
図7】走査方向が二方向である場合におけるスコープ径の算出例を説明するための図である。
図8】走査方向が二方向である場合におけるスコープ径の算出例を説明するための図である。
図9】黒領域枠マップの例を示す図である。
図10】スコープ径に応じた露光制御の動作の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0012】
また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットまたは数字を付して区別する場合もある。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。
【0013】
なお、説明は以下の順序で行うものとする。
1.本開示の実施形態
1.1.システム構成例
1.2.機能構成例
1.3.自動露光制御部の機能詳細
2.むすび
【0014】
<1.本開示の実施形態>
[1.1.システム構成例]
まず、図面を参照しながら本開示の実施形態に係る画像処理システムの構成例について説明する。図1は、本開示の実施形態に係る画像処理システムの構成例を示す図である。図1に示すように、画像処理システム1は、画像処理装置100と、挿入部200と、光源部300と、表示部400と、操作部500とを有する。
【0015】
光源部300は、白色光源310と、集光レンズ320とを備える。白色光源310は、白色光を発する。なお、本明細書においては、白色光を用いる例を主に説明するが、光の色は特に限定されない。したがって、白色光源310の代わりに白色以外の可視光を発する光源が用いられてもよい(例えば、白色光源310の代わりにRGB出力の可変制御が可能なRGBレーザが用いられてもよい)。集光レンズ320は、白色光源310によって発せられた光を後述するライトガイド210に集光する。
【0016】
挿入部200は、体内に挿入されるスコープに相当し得る。具体的には、挿入部200は、硬性鏡であってもよいし、軟性鏡であってもよい。挿入部200は、ライトガイド210と、照明レンズ220と、撮像部230と、メモリ240とを備える。撮像部230は、対物レンズ231と、イメージセンサ(撮像素子)232と、A/D(アナログ/デジタル)変換部233とを備える。
【0017】
ライトガイド210は、光源部300によって集光された光を挿入部200の先端まで導く。照明レンズ220は、ライトガイド210により先端まで導かれた光を拡散させて観察対象(被写体Su)に照射する。対物レンズ231は、観察対象(被写体Su)から戻る反射光をイメージセンサ232に結像する。イメージセンサ232は、反射光を受光して撮像したアナログ信号(内視鏡画像)を、A/D変換部233に出力する。
【0018】
なお、イメージセンサ232は、例えば、原色ベイヤ配列を有している。かかる場合には、イメージセンサ232により得られる内視鏡画像は、原色ベイヤ画像である。原色ベイヤ画像は、各画素がRGBいずれかの信号を有した画像であり、そのRGBの画素が市松状に配列された画像である。しかし、イメージセンサ232は、原色ベイヤ配列に限定されない。すなわち、内視鏡画像は、原色ベイヤ画像に限定されない。例えば、内視鏡画像は、補色や面順次といった原色ベイヤ以外の内視鏡撮像方式より取得される画像であってもよい。
【0019】
A/D変換部233は、後述する制御部130から出力される制御信号に基づいて、イメージセンサ232から出力されるアナログ信号(内視鏡画像)をデジタル信号に変換し、このデジタル信号(内視鏡画像)を画像処理装置100に出力する。メモリ240は、図示しない演算装置によって実行されることによって画像処理装置100の機能を実現するためのプログラムを記憶している。
【0020】
なお、以下の説明においては、挿入部200を適宜スコープと表記する場合がある。内視鏡診断においては、診断部位に応じた種類のスコープが用いられ得る。各スコープには、対象とする診断部位や、ズーム機能などの機能を特定するための識別番号が付与されており、本明細書においては、その識別番号をスコープIDと表記する場合がある。メモリ240は、スコープIDを記憶している。
【0021】
画像処理装置100は、自動露光制御部110と、画像処理部120と、制御部130とを備える。撮像部230により取得される内視鏡画像は、自動露光制御部110と、画像処理部120とに出力される。自動露光制御部110は、白色光源310およびイメージセンサ232に接続されており、白色光源310およびイメージセンサ232を制御する。画像処理部120は、表示部400に接続されている。制御部130は、撮像部230と、画像処理部120と、表示部400と、操作部500とに双方向に接続されており、これらの構成要素を制御する。
【0022】
自動露光制御部110は、撮像部230により取得される内視鏡画像の輝度が観察に適した値(以下、「適正値」とも言う。)となるように、自動的にイメージセンサ232の露光制御を行う。自動露光制御部110の詳細については後述する。画像処理部120は、撮像部230により撮像された内視鏡画像に対して画像処理を行う。画像処理部120は、例えば、階調変換処理やノイズ低減処理を行う。画像処理部120は、画像処理後の画像を表示部400に対して出力する。
【0023】
制御部130は、撮像部230と、画像処理部120と、表示部400と、操作部500とに接続されており、これらを制御する制御信号を出力する。表示部400は、画像処理部120により出力される内視鏡画像を、内視鏡モニタなどの画像表示装置に出力する。操作部500は、ユーザからの操作を受け付けるためのインターフェースである。例えば、操作部500は、電源のオン/オフを行うための電源スイッチや、撮像を開始するためのシャッタボタン、撮影モードやその他各種のモードを切り換えるためのモード切換ボタンなどを含む。
【0024】
以上、本開示の実施形態に係る画像処理システム1の構成例について説明した。
【0025】
[1.2.露光制御の例]
続いて、自動露光制御部110による露光制御の具体例について説明する。図2および図3は、露光制御の具体例について説明するための図である。上記したように、イメージセンサ232によって撮像されたアナログ信号は、A/D変換部233によってデジタル信号(内視鏡画像)に変換される。図2および図3には、イメージセンサ232からの出力値が縦軸に示されている。また、各出力値に対応するイメージセンサ232の像面照度が横軸に示されている。なお、イメージセンサ232からの出力値は、各画素に対応する出力値の平均値であってよい。
【0026】
また、図2を参照すると、イメージセンサ232からの出力値の適正値が「U0」として示されており、適正値U0に対応するイメージセンサ232の像面照度が「L0」として示されている。図2に示すように、例えば、イメージセンサ232からの出力値U1が適正値U0よりも大きい場合を想定する。かかる場合には、自動露光制御部110は、U1-U0=dU1だけイメージセンサ232からの出力値が小さくなるように露光制御を行う。
【0027】
一方、図3を参照すると、図2と同様に、イメージセンサ232からの出力値の適正値が「U0」として示されており、適正値U0に対応するイメージセンサ232の像面照度が「L0」として示されている。図3に示すように、例えば、イメージセンサ232からの出力値U2が適正値U0よりも小さい場合を想定する。かかる場合には、自動露光制御部110は、U0-U2=dU2だけイメージセンサ232からの出力値が大きくなるように露光制御を行う。
【0028】
例えば、露光制御は、露光を制御するためのパラメータを調整することによってなされ得る。露光を制御するためのパラメータとしては、様々なパラメータが想定される。例えば、露光を制御するためのパラメータは、イメージセンサ232の電子シャッタ速度およびイメージセンサ232によって撮像されたアナログ信号に対して乗じられるゲインのうちの少なくともいずれか一つを含んでよい。あるいは、露光を制御するためのパラメータは、白色光源310の明るさを含んでもよい(あるいは、白色光源310の代わりにRGBレーザが用いられる場合、RGBそれぞれの出力の変更による光源制御によって露光制御が行われてもよい)。
【0029】
例えば、図2に示したdU1だけイメージセンサ232からの出力値を小さくするような露光制御は、電子シャッタ速度をdU1に対応する量だけ大きくすることによって実行されてもよいし、イメージセンサ232によって撮像されたアナログ信号に対して乗じられるゲインをdU1に対応する量だけ小さくすることによって実行されてもよい。あるいは、イメージセンサ232からの出力値を小さくするような露光制御は、白色光源310の明るさをdU1に対応する量だけ弱くすることによって実行されてもよい。
【0030】
一方、図3に示したdU2だけイメージセンサ232からの出力値を大きくするような露光制御は、電子シャッタ速度をdU2に対応する量だけ小さくすることによって実行されてもよいし、イメージセンサ232によって撮像されたアナログ信号に対して乗じられるゲインをdU2に対応する量だけ大きくすることによって実行されてもよい。あるいは、イメージセンサ232からの出力値を大きくするような露光制御は、白色光源310の明るさをdU2に対応する量だけ強くすることによって実行されてもよい。
【0031】
以上、自動露光制御部110による露光制御の具体例について説明した。
【0032】
[1.3.自動露光制御部の機能詳細]
続いて、自動露光制御部110の詳細な機能について説明する。図4は、自動露光制御部110の詳細な機能構成例を示すブロック図である。図4に示すように、自動露光制御部110は、サイズ取得部111と、領域抽出部112と、露光制御部112とを備える。以下においては、これらのサイズ取得部111、領域抽出部112および露光制御部113それぞれの詳細な機能について説明する。まず、サイズ取得部111は、撮像部230から内視鏡画像を取得する。
【0033】
図5は、内視鏡画像の例を示す図である。図5に示すように、内視鏡画像Im1においては、格子状に各画素が配列されている。ここで、上述したように、イメージセンサ232への光を透過するレンズのフードなどによる遮光によって、内視鏡画像Im1が部分的に暗くなってしまう現象が起こり得る。そのため、内視鏡画像Im1には、観察領域Rs1の他に黒領域Rb1が存在する。ラインHmは、黒領域Rb1と観察領域Rs1との境界線を示している。各画素の色の濃さは、各画素の輝度の高さを表している。
【0034】
ここで、内視鏡画像Im1に黒領域Rb1が生じてしまったことが原因となり、自動露光制御部110によって内視鏡画像Im1の輝度が過剰に高くなるように露光制御が行われてしまう場合がある。そのため、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性がある。そこで、以下においては、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性を低減することによって、内視鏡画像Im1の輝度をより適切に調整することが可能な技術について説明する。
【0035】
具体的に、領域抽出部112は、イメージセンサ232による撮像に基づく内視鏡画像Im1から、挿入部200のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する。そして、露光制御部113は、抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う。そうすれば、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性を低減することによって、内視鏡画像Im1の輝度をより適切に調整することが可能となる。
【0036】
例えば、露光制御部113は、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいると判断した場合には、抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいた露光制御を行えばよい。より詳細には、露光制御部113は、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいると判断した場合には、抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいて、露光を制御するためのパラメータを調整すればよい。
【0037】
一方、露光制御部113は、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいないと判断した場合には、内視鏡画像Im1の全体におけるイメージセンサ出力値に基づいた露光制御を行えばよい。なお、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいるか否かの判断はどのようになされてもよい。
【0038】
例えば、露光制御部113は、中心領域Ceと周辺領域N1~N4との輝度差が第1の閾値を上回る場合には、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいると判断してよい。また、露光制御部113は、中心領域Ceと周辺領域N1~N4との輝度差が第1の閾値を下回る場合には、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいないと判断してよい。中心領域Ceと周辺領域N1~N4との輝度差が第1の閾値と等しい場合には、いずれに判断されてもよい。
【0039】
あるいは、露光制御部113は、内視鏡画像の輝度ごとの画素数分布から、低輝度側から順に第1のピークおよび第2のピークを検出し、第1のピークおよび第2のピークの輝度差が上限値を超える場合には、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいると判断してもよい。また、露光制御部113は、第1のピークおよび第2のピークの輝度差が上限値を超えない場合には、内視鏡画像Im1に挿入部200の影が写り込んでいないと判断してもよい。
【0040】
図5に示された例では、中心領域Ceの輝度として内視鏡画像Im1の中央に存在する4画素の平均輝度を用いることを想定しているが、中心領域Ceの位置と画素数は限定されない。同様に、周辺領域N1~N4の輝度として内視鏡画像Im1の四隅に存在する四画素の平均輝度を用いることを想定しているが、周辺領域N1~N4の位置と画素数は限定されない。図6は、周辺領域の他の例を示す図である。図6に示すように、周辺領域N1~N4の代わりに、内視鏡画像Im1の最も外側に存在する画素列が周辺領域N5、N6として利用されてもよい。
【0041】
続いて、サイズ取得部111は、挿入部200のサイズを取得する。なお、以下の説明においては、挿入部200のサイズとしてスコープ径(挿入部200の直径)を利用するが、スコープ径の代わりに挿入部200の他の長さ(例えば、挿入部200の半径など)が利用されてもよい。サイズ取得部111は、スコープ径を所定の場所から取得してもよい。例えば、サイズ取得部111は、スコープ本体または外部装置との通信によってスコープ径(あるいは、スコープ径を含むスコープ情報)を取得してもよい。あるいは、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1に基づいてスコープ径を計算によって取得してもよい。
【0042】
計算によるスコープ径の取得の手法は特に限定されない。例えば、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1の第1の開始位置から第1の目標位置に向けて第1の走査方向にスキャンした場合に、輝度と第2の閾値との大小関係が最初に切り替わった第1の画素位置に基づいてスコープ径を計算してもよい。このとき、サイズ取得部111は、第1の画素位置と中心位置との第1の距離の2倍をスコープ径として算出すればよい。
【0043】
なお、第2の閾値は、固定値であってもよいが、内視鏡画像Im1の状況に応じた値に設定されてもよい。例えば、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1の輝度ごとの画素数分布に基づいて第2の閾値を設定してよい。より詳細には、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1の輝度ごとの画素数分布の中央値を特定し、中央値を第2の閾値として設定してよい。
【0044】
また、走査方向は複数であってもよい。走査方向が二方向である場合について説明する。図7および図8は、走査方向が二方向である場合におけるスコープ径の算出例を説明するための図である。図7に示すように、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1の第1の開始位置から第1の走査方向Drにスキャンした場合に、輝度と第2の閾値との大小関係が最初に切り替わった第1の画素位置を計算する。
【0045】
また、図8に示すように、サイズ取得部111は、内視鏡画像Im1の第2の開始位置から第2の走査方向Dlにスキャンした場合に、輝度と第2の閾値との大小関係が最初に切り替わった第2の画素位置を計算する。そして、サイズ取得部111は、第1の画素位置と第2の画素位置とに基づいて、スコープ径を計算する。
【0046】
より具体的には、サイズ取得部111は、第1の画素位置と中心位置との第1の距離Wrと、第2の画素位置と中心位置との第2の距離Wlとの差が、第3の閾値(所定の距離)を下回る場合には、第1の距離Wrと第2の距離Wlとの和をスコープ径として算出すればよい。一方、サイズ取得部111は、第1の距離Wrと第2の距離Wlとの差が第3の閾値を上回る場合には、第1の距離Wrと第2の距離Wlとのうち大きい距離の2倍をスコープ径として算出すればよい。
【0047】
図7に示したように、第1の開始位置は、内視鏡画像Im1の中心位置であり、第1の目標位置は、内視鏡画像Im1の端部位置であってよい。また、図8に示したように、第2の開始位置も、内視鏡画像Im1の中心位置であり、第2の目標位置は、内視鏡画像Im1の端部位置であってよい。内視鏡画像Im1の内側に被写体Suが高輝度に映っている可能性が高いため、内視鏡画像Im1の内側から外側に向けてスキャンが行われる場合には、より高精度な計算が可能となる。
【0048】
しかし、第1の開始位置、第2の開始位置、第1の目標位置および第2の目標位置は、図7および図8に示した例に限定されない。例えば、第1の開始位置は、内視鏡画像Im1の端部位置であり、第1の目標位置は、内視鏡画像Im1の中心位置であってもよい。内視鏡画像Im1の端部だけに黒領域が存在する可能性が高いため、内視鏡画像Im1の外側から内側に向けてスキャンが行われる場合には、より早く計算を終了させることが可能となる。
【0049】
なお、上述した例では、第1の走査方向が右方向であり、第2の走査方向が左方向であるが、第1の走査方向および第2の走査方向は、かかる例に限定されない。例えば、第1の走査方向および第2の走査方向のうち、一方が上方向であり、他方が下方向であってもよい。また、第1の走査方向および第2の走査方向のうち、一方が斜め方向(右上から左下への方向または左下から右上への方向)であり、他方が斜め方向(左上から右下への方向または右下から左上への方向)であってもよい。
【0050】
サイズ取得部111によってスコープ径が取得されると、領域抽出部112は、スコープ径に応じた領域を抽出領域として抽出する。例えば、あらかじめスコープ径に抽出すべき領域を示すマップ(以下、「黒領域枠マップ」とも言う。)が対応付けられている場合、領域抽出部112は、サイズ取得部111によって取得されたスコープ径に対応する黒領域枠マップを取得する。図9は、黒領域枠マップの例を示す図である。図9を参照すると、黒領域枠マップMpにおいて、抽出される領域が「1」として示されており、除外されるべき領域が「0」として示されている。
【0051】
領域抽出部112は、内視鏡画像Im1から、黒領域枠マップMpにおいて抽出すべき領域として設定されている画素を抽出する。図7および図8には、抽出領域Rw2および除外領域Rb2が示されている。そして、露光制御部113は、領域抽出部112によって抽出された抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う。なお、抽出領域におけるイメージセンサ232からの出力値は、抽出領域の各画素に対応する出力値の平均値であってよい。これにより、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性を低減することによって、内視鏡画像Im1の輝度をより適切に調整することが可能となる。
【0052】
続いて、以上に説明した、サイズ取得部111、領域抽出部112および露光制御部113の動作の例について説明する。図10は、スコープ径に応じた露光制御の動作の例を示すフローチャートである。なお、図10に示した動作の例は、スコープ径に応じた露光制御の動作の例を示すフローチャートである。したがって、スコープ径に応じた露光制御の動作は、図10に示した動作の例に限定されない。なお、図10においては、スコープ径を黒領域枠径として示している。
【0053】
図10に示すように、領域抽出部112は、内視鏡画像Im1において中心領域Ceと周辺領域N1~N4(またはN5、N6)との輝度差が第1の閾値を下回る場合には(S11において「No」)、動作を終了する。一方、領域抽出部112は、内視鏡画像Im1において中心領域Ceと周辺領域N1~N4(またはN5、N6)との輝度差が第1の閾値を上回る場合には(S11において「Yes」)、第2の閾値により内視鏡画像Im1の各画素を2値化する(S12)。
【0054】
続いて、領域抽出部112は、2値化画像に対してラインスキャンを実施する(S13)。ここで、領域抽出部112は、右方向へのスキャン結果(以下、「右スキャン結果」とも言う。)と左方向へのスキャン結果(以下、「左スキャン結果」とも言う。)との差が第3の閾値を上回る場合には(S14において「Yes」)、黒領域枠径に右スキャン結果と左スキャン結果との和を設定し(S15)、S17に動作を移行させる。
【0055】
一方、領域抽出部112は、右スキャン結果と左スキャン結果との差が第3の閾値を下回る場合には(S14において「No」)、黒領域枠径により長いスキャン結果の2倍を設定し(S16)、S17に動作を移行させる。続いて、領域抽出部112は、黒領域枠径に対応する黒領域枠マップMpを選択し(S17)、黒領域枠マップMpと内視鏡画像Im1とにおいて対応する画素値同士を乗算する(S18)。かかる乗算により、抽出領域Rw2が抽出される。
【0056】
続いて、露光制御部113は、乗算結果に基づいて、露光制御を行う(S19)。露光制御部113は、領域抽出部112によって抽出された抽出領域Rw2におけるイメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う。これにより、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性を低減することによって、内視鏡画像Im1の輝度をより適切に調整することが可能となる。
【0057】
以上、自動露光制御部110の詳細な機能について説明した。
【0058】
<2.むすび>
以上説明したように、本開示の実施形態によれば、イメージセンサ232による撮像に基づく内視鏡画像Im1から、挿入部200のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部112と、抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部113と、を備える、画像処理装置100が提供される。かかる構成によれば、観察領域Rs1が過剰に明るくなってしまう可能性を低減することによって、内視鏡画像Im1の輝度をより適切に調整することが可能となる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏し得る。
【0061】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、
前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、
を備える、画像処理装置。
(2)
前記画像処理装置は、前記挿入部のサイズを取得するサイズ取得部を備える、
前記(1)に記載の画像処理装置。
(3)
前記サイズ取得部は、前記挿入部のサイズを前記挿入部から取得する、
前記(2)に記載の画像処理装置。
(4)
前記サイズ取得部は、前記内視鏡画像に基づいて前記挿入部のサイズを計算によって取得する、
前記(2)に記載の画像処理装置。
(5)
前記サイズ取得部は、前記内視鏡画像の第1の開始位置から第1の目標位置に向けて第1の走査方向にスキャンした場合に、輝度と閾値との大小関係が最初に切り替わった第1の画素位置に基づいて前記挿入部のサイズを計算する、
前記(4)に記載の画像処理装置。
(6)
前記第1の開始位置は、前記内視鏡画像の中心位置であり、前記第1の目標位置は、前記内視鏡画像の端部位置である、
前記(5)に記載の画像処理装置。
(7)
前記第1の開始位置は、前記内視鏡画像の端部位置であり、前記第1の目標位置は、前記内視鏡画像の中心位置である、
前記(5)に記載の画像処理装置。
(8)
前記サイズ取得部は、前記第1の画素位置と前記中心位置との第1の距離または前記第1の距離の2倍を前記挿入部のサイズとして算出する、
前記(6)または(7)に記載の画像処理装置。
(9)
前記第1の走査方向は、上方向、下方向、左方向、右方向または斜め方向である、
前記(5)~(8)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(10)
前記サイズ取得部は、前記内視鏡画像の第2の開始位置から第2の走査方向にスキャンした場合に、輝度と閾値との大小関係が最初に切り替わった第2の画素位置と、前記第1の画素位置とに基づいて、前記挿入部のサイズを計算する、
前記(6)に記載の画像処理装置。
(11)
前記サイズ取得部は、前記第1の画素位置と前記中心位置との第1の距離と、前記第2の画素位置と前記中心位置との第2の距離との差が所定の距離を下回る場合には、前記第1の距離と前記第2の距離との和を前記挿入部のサイズとして算出する、
前記(10)に記載の画像処理装置。
(12)
前記サイズ取得部は、前記第1の画素位置と前記中心位置との第1の距離と、前記第2の画素位置と前記中心位置との第2の距離との差が所定の距離を上回る場合には、前記第1の距離と前記第2の距離とのうち大きい距離の2倍を前記挿入部のサイズとして算出する、
前記(10)に記載の画像処理装置。
(13)
前記サイズ取得部は、前記内視鏡画像の輝度ごとの画素数分布に基づいて前記閾値を設定する、
前記(5)~(12)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(14)
前記露光制御部は、前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて、露光を制御するためのパラメータを調整する、
前記(1)~(13)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(15)
前記パラメータは、前記イメージセンサの電子シャッタ速度、前記イメージセンサによって撮像されたアナログ信号に対して乗じられるゲインのうちの少なくともいずれか一つを含む、
前記(14)に記載の画像処理装置。
(16)
前記パラメータは、光源の明るさを含む、
前記(14)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(17)
前記露光制御部は、前記内視鏡画像に前記挿入部の影が写り込んでいると判断した場合には、前記抽出領域におけるイメージセンサ出力値に基づいた前記露光制御を行う、
前記(1)~(16)のいずれか一項に記載の画像処理装置。
(18)
イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出することと、
プロセッサにより、前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行うことと、
を含む、画像処理装置。
(19)
コンピュータを、
イメージセンサによる撮像に基づく内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、
前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、
を備える画像処理装置として機能させるためのプログラム。
(20)
光を発する光源部と、
前記光源部により発せられた前記光の反射光を受光して内視鏡画像を撮像するイメージセンサと、を有し、
前記内視鏡画像から、挿入部のサイズに応じた領域を抽出領域として抽出する領域抽出部と、
前記抽出領域における前記イメージセンサ出力値に基づいて露光制御を行う露光制御部と、
を備える、画像処理装置を有する、画像処理システム。
【符号の説明】
【0062】
1 画像処理システム
100 画像処理装置
110 自動露光制御部
111 サイズ取得部
112 領域抽出部
112 露光制御部
113 露光制御部
120 画像処理部
130 制御部
200 挿入部
210 ライトガイド
220 照明レンズ
230 撮像部
231 対物レンズ
232 イメージセンサ
240 メモリ
300 光源部
310 白色光源
320 集光レンズ
400 表示部
500 操作部
Ce 中心領域
Dl 第2の走査方向
Dr 第1の走査方向
Im1 内視鏡画像
Mp 黒領域枠マップ
N1~N6 周辺領域
Rb1 黒領域
Rb2 除外領域
Rs1 観察領域
Rw2 抽出領域
Su 被写体
Wl 第2の距離
Wr 第1の距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10