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▶ ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイションの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044665
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】内視鏡用光学カプラ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220310BHJP
【FI】
A61B1/00 650
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022004050
(22)【出願日】2022-01-14
(62)【分割の表示】P 2019093598の分割
【原出願日】2012-02-16
(31)【優先権主張番号】61/443,546
(32)【優先日】2011-02-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】592017633
【氏名又は名称】ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(72)【発明者】
【氏名】ティテュス、ジェイムズ、シドニー
(57)【要約】
【課題】光学画像化装置の末端に装着され、不透明な流体および/または特異な物体で覆われた表面領域を視覚化する光学カプラを提供する。
【解決手段】光学カプラが光学画像化装置の末端に係合する視覚化部、および視覚化部に接続されてそれから離れて延在する取付部を有する。取付部が光学画像化装置の末端に装着される大きさとされる。視覚化部が、光学画像化装置の末端に係合する近接表面を有する。視覚化部が前記近接表面から離れた外表面を有する。外表面が視覚化部の第1外側境
界から第2対向外側境界まで連続して延在する。視覚化部が近接表面から外表面に延在する中空器具チャネルを有して良い。視覚化部が表面領域の光学画像を伝送できる弾性材料で形成される。1つの形態では、材料がシリコーンゲルまたはシリコーンエラストマとされる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不透明な流体及び/又は微粒子で覆われた表面領域を視覚化する装置であって、
光学画像化システムと、
前記光学画像化システムの末端に搭載され、一端に視覚化部を有した光学カプラと、を備え、
前記視覚化部が前記光学画像化システムの末端に係合する近接表面及び該近接表面から離れた外表面を有し、
前記視覚化部が前記表面領域の光学画像を伝送できる弾性材料を備え、
前記光学カプラが、前記視覚化部に接続されそこから延在し且つ前記光学画像化システムの末端に装着される大きさとされた取付部を備え、
1つまたは複数の支持要素が該装置から横方向に離れるように延在する
表面領域を視覚化する装置。
【請求項2】
前記支持要素は、該装置が対象物に位置付けられるとき視覚化される該対象物の内表面に接触する大きさとされる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記支持要素が、ルーメン又は前記光学画像化システムが進行する他の構造、の中心に相対的に前記光学画像化システムの位置を保持する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
該装置が医療デバイスで、該医療デバイスが縮小状態もあり得る組織を平らにするか開く構造とされる、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
該装置が、医療デバイスであって組織を該装置に合わせるような構造とされる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記支持要素が該装置から横方向に離れるように延在する、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記支持要素が該装置の前記光学カプラの長手軸から横方向に離れるように延在する、請求項1に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明が、不透明な液体、半固体の物質、または特異な物体で覆われた表面を光学画像化する改良された光学カプラに関する。
【背景技術】
【0002】
侵襲的な手術を最小にする要求が継続して高い。観血手術から侵襲的な手術を最小に変更する可能性のあるものに、これに限定しないが映像内視鏡があるものの、血液や他の液体が視野に存在している。現在、他の技術(蛍光透視法、3―Dエコー、MRI等)を用いて血液内空間での手術を行っているが、各技術が限界を呈している。
【0003】
蛍光透視法が、2次元ビューを有して診療処置または位置付けおよび/または医療機器の配備用に用いられる。処置が長時間にわたるため、患者および医者がその間に露出し、経費が嵩み、また長時間の麻酔期間による罹患率が増加する。最も重大なのは画像が手術の判断基準とされる直視に対して劣ることである。
【0004】
また、超音波3次元画像化装置が知られた課題を有する。画像が超音波を画像に変換されて作成される。器具または装置が視野内に配されると画像がしばしばシャドーやゴーストを含む。MRI施術が非常に限定され費用が高くかつ複雑である。単純な処置に時間を要する。
【0005】
よって必要なのは、血液、胃内容物、腸内容物、他の不透明は液体および/または微粒子によって視覚が通常にまたは阻害された体の領域で実施される診断および施術を可能とする装置である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の必要なことが次の光学カプラに一致し、該カプラが半固体状態の透明なゲルで構成され、診断処置および/または最小の観血手術を実施する従来のまたは変形された映像内視鏡の末端(対物レンズ)に取り付けられる。光学カプラが生体適合しかつ単一の使用とされる。リジッドまたはフレキシブルに取り付けられる(たとえば、腹、胃、胸、腸、および他の内視鏡処置に使用される、胃カメラ、胸腔鏡、腹腔鏡、腸腔鏡、自然開口部越経管腔的内視鏡手術(NOTES)内視鏡、食道鏡、鼻腔鏡、関節鏡、検眼鏡)。光学カプラが最少観血手術において、病気の診断および処置に用いられるツールとして重要な利点である。
【0007】
本発明の光学カプラが不透明の液体または半固形の中の視覚化に用いられ、透明で柔らかなフレキシブルなゲルで構成され、内視鏡やカメラレンズなどの任意の光学画像化装置の外部末端部に連結される。押圧されて視覚する領域の表面に接触されて、不透明な液体や半固形、微粒子を機械的に移動して該カプラがクリアに視覚化できる。移動されることで光学的に透明なカプラが関心の表面に接触できて、その結果阻害されない視野を観察者に提供する。
【0008】
限定されない医療の実施形態において、カプラが長い間の医療課題を解決し、すなわち、臨床医の視野を阻害する血液、胆汁、および/または他の不透明な液体のない、診断または手術処置を受けている細胞を維持する。カプラが透明で柔軟で弾性のゲルで構成されるので、標準医療器具がオフセットの領域内で操作でき、臨床医がその場所でシームレスにアクセスでき細胞のクリアな視野が得られる。カプラによって手術処置時間が短縮され
て、より少ない観血のない効果およびより早い患者の回復、さらに計画された処置の潜在のより多くの量の結果となる。カプラが使用するのに直観的で臨床医に何れの習熟曲線を求めない。
【0009】
限定しない産業の実施形態において、カプラが体腔鏡やパイプ検査、他の画像化装置に取り付けられて、オイルや沈泥などの不透明な液体、半固形物、微粒子で阻害されずに表面を評価、修理される。
【0010】
1つの実施形態において、発明が光学画像化装置の末端に搭載される光学カプラを提供し、不透明な液体および/または微粒子で覆われた表面領域を視覚化する。カプラがカプラの一端における視覚化部、および視覚化部に接続されそれから離れて延在する取付部を備える。取付部が光学画像化装置の末端に搭載される大きさとされる。視覚化部が光学画像化装置の末端と係合する近接領域を有する。視覚化部が近接表面から離れた外表面を有する。外表面が前記視覚化部の第1外側境界から第2対向外側境界まで連続して延在する
。視覚化部に前記近接表面から前記外表面に向かって延在する中空器具チャネルが設けれれて良い。視覚化部が表面領域の光学画像を伝送できる弾性材料から形成されて良い。1つの形態には、該材料がシリコーンゲルやシリコーンエラストマで構成されて良い。
【0011】
別の態様では、不透明な液体および/または微粒子で覆われた表面領域を視覚化する装置を提供する。該装置が第1ルーメンおよび第2ルーメンを有するシース、第1ルーメンに配されて光を表面領域に伝搬させるライトガイド、第2ルーメンに配される画像伝送ファイバ、および前記画像伝送ファイバの末端に配され前記画像伝送ファイバに光学的に連結されて表面領域から反射した光を受光する対物レンズ、およびシースの末端に搭載された光学カプラを備える。カプラがそれの末端に視覚化部を備える。視覚化部が光学画像化装置の末端に係合する近接表面、および近接表面から離れ視覚化部の第1外側境界から第2対向外側境界まで連続して延在し外表面を有する。視覚化部が近接表面から前記外表面に向かって延在する中空器具チャネルを有する。視覚化部が表面領域の光学画像を伝送できる弾性材料で構成されて良い。カプラが視覚化部に接続されかつそこから延在し光学画像化装置の末端に搭載される大きさとされる取付部が設けられて良い。
【0012】
さらに別の実施形態では、体腔を画定する不透明な液体および/または微粒子で覆われた壁を内視鏡で視覚化する方法を提供する。該方法が内視鏡を用い、第1ルーメンおよび第2ルーメンを有するシース、第1ルーメンに配されるライトガイド、第2ルーメンに配される画像伝送ファイバ、および画像伝送ファイバの端末に配され画像伝送ファイバに光学的に連結される対物レンズを備える。カプラがシースの末端に搭載された視覚化部を備える。視覚化部がシースの端末と係合する近接横断表面を有する。視覚化部が前記近接表面から離れ視覚化部の第1外側境界から第2対向外側境界まで連続して延在する外表面を
有し、視覚化部が前記表面領域の画像を伝送できる弾性材料で構成される。内視鏡を前記体腔に挿入し、光学カプラを体腔の壁の領域に接して配置し、該領域に隣接する不透明な液体および/または微粒子を移動させる。光がライトガイドおよび光学カプラを介してを領域に伝搬され、領域から反射された光をレンズで受光させ、光学画像をレンズから画像伝送ファイバに伝送する。さらに別の態様では、体腔を画定する不透明な液体および/または微粒子で覆われた壁を内視鏡で視覚化する方法を提供する。該方法が内視鏡を用い、該内視鏡が第1ルーメン、第2ルーメン、第3ルーメンおよび第4ルーメンを有するシース、第1ルーメンに配されるライトガイド、第2ルーメンに配される画像伝送ファイバ、および画像伝送ファイバの端末に配され画像伝送ファイバに光学的に連結される対物レンズを備え、内視鏡を体腔に挿入し、第1前駆体を第3ルーメンに供給し第2前駆台を第4ルーメンに供給して、第1前駆体および第2前駆体がシースの末端に光学カプラを形成するように反応する。第1前駆体が光学流体で良く、第2前駆体が架橋剤で良い。
【0013】
カプラが該カプラの一端部に視覚化部を備える。視覚化部がシースの末端に係合する近接横断表面を有し、視覚化部が前記近接表面から離れた外表面を有する。外表面が視覚化部の第1外側境界から第2対向外側境界まで連続して延在し、視覚化部に、表面領域の画
像を伝送できる弾性材料が設けられる。体腔の壁の領域に接して光学カプラを配置し、該領域に隣接する不透明な液体および/または微粒子を移動させる。ライトガイドおよび光学カプラを介して光を領域に伝搬し、領域から反射された光をレンズで受光し、光学画像をレンズから画像伝送ファイバに伝送する。
【0014】
さらに別の実施形態では、不透明な液体および/または微粒子で覆われた構造の表面をカメラで視覚化する方法を提供する。方法には、(a)レンズと光源を有するカメラを供給する工程と、(b)光学カプラをカメラの外表面上に光学カプラに係合させてカメラに実装し、カプラがカプラの末端に視覚化部を有し、外表面が視覚化部の第1外側境界から
第2対向外側境界まで連続して延在し、視覚化部に、表面領域の画像を伝送できる弾性材料が設けられる。また方法が(c)カメラおよび光学カプラを構造の表面の側に配する工程と、(d)構造の表面の領域に接して光学カプラを配置し、該領域に隣接する不透明な液体および/または微粒子を移動させる工程と、(e)ライトガイドおよび光学カプラを介して光を領域に伝搬する工程と、(f)領域から反射された光をレンズで受光し、カメラ上の光学画像を撮影する工程と、を含む。
【0015】
さらに別の実施形態では、不透明な液体および/または微粒子で覆われた構造の表面をボアスコープで視覚化する方法を提供する。方法には、(a)ボアスコープを供給する工程であって、該スコープが(i)該内視鏡が第1ルーメン、第2ルーメン、第3ルーメンおよび第4ルーメンを有するシース、(ii)第1ルーメンに配されるライトガイド、(iii)第2ルーメンに配される画像伝送ファイバ、および(iv)画像伝送ファイバの端末に配され画像伝送ファイバに光学的に連結される対物レンズを備え、(b)ボアスコープを表面側に挿入し、(c)第1前駆体を第3ルーメンに供給し第2前駆台を第4ルーメンに供給して、第1前駆体および第2前駆体がシースの末端に光学カプラを形成するように反応する。視覚化部がシースの末端に係合する近接横断表面を有し、視覚化部が前記近接表面から離れた外表面を有し、外表面が視覚化部の第1外側境界から第2対向外側境界まで連続して延在し、視覚化部に、表面領域の画像を伝送できる弾性材料が設けられる。方法がさらに(d)構造の表面の領域に接して光学カプラを配置し、該領域に隣接する不透明な液体および/または微粒子を移動させる工程と、(e)ライトガイドおよび光学カプラを介して光を領域に伝搬する工程と、(f)領域から反射された光をレンズで受光し、レンズからの光学画像を画像伝送ファイバに伝送する工程と、を含む。
【0016】
さらに他の実施形態では、ハンドヘルド装置を提供し、該ハンドヘルド装置が使用者が握る部分を備えるハンドルと、ハンドルに連結されるフレームとを有する。フレームがキャビティを有する。透明部がキャビティに保持され突き通される。
【0017】
これらおよび他の機能、態様、本発明の有利な点が以降の詳細な説明、図面、および添付の特許請求の範囲を検討すればより理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明に係る光学カプラの第1実施形態の側面図である。
図2】本発明の図1の2―2線に沿って取った図1の光学カプラの断面図である。
図3図2の3―3線に沿って取った内視鏡に取り付けられている図1、2の光学カプラの断面図である。
図4】本発明に係る第2実施形態の内視鏡に取り付けられている光学カプラの図3に類似の断面図である。
図5】体腔の内壁に係合する本発明に係る第2実施形態の光学カプラの図4に類似の断面図である。
図6】内視鏡の器具ルーメン、光学カプラの器具チャネル、光学カプラの固体本体、体腔の内壁に対向して医療器具が進む体腔の内壁に係合する本発明に係る第2実施形態の光学カプラの図4に類似の断面図である。
図7】本発明に係る光学カプラの第3実施形態の図3に類似の断面図である。
図8図1、2のカプラに類似の本発明に係る光学カプラの別の側面図であって、器具チャネルが外表面を通って延在する図である。
図9図8の9―9線によって取った図8の光学カプラの断面図である。
図10】本発明に係る光学カプラの別の実施形態の側面図であって、カプラに器具チャネルが無く電極および電線が成型されてカプラになる図である。
図11図10の11―11線に沿って取った図10の光学カプラの断面図である。
図12A】内視鏡に取り付けられた光学カプラの別の実施形態の断面図であり、生検鉗子が内視鏡に通って光学カプラに配され、生検鉗子のあごが開いている図である。
図12B図12Aの実施形態の断面図であり、生検鉗子のあごが閉じて生検サンプルを取る図である。
図12C図12A、12Bの実施形態の断面図であり、生検鉗子が生検サンプルを取った後に退行する図である。
図12D図12Aに示す実施形態の詳細図である。
図13A】光学カプラの外表面が角度の付いた光学カプラ別の実施形態の側面図である。
図13B】光学カプラの外表面が角度の付いた光学カプラの別の実施形態の側面図である。
図14A図12A~12Cに示す光学カプラに類似の光学カプラの斜視図であって、光学カプラがカメラに取り付けられる。
図14B図14Aの光学カプラおよびカメラの正面図であり、光学カプラおよびカメラが液体で充填されたパイプに配される図である。
図15A図14A、14Bに示す実施形態に類似の光学カプラおよびカメラの斜視図であって、半固形管がカメラに平行に光学カプラを通過して配されている図である。
図15B図15Aに示す光学カプラおよびカメラの正面図であって、光学カプラおよびカメラが液体で充填されたパイプの中で欠陥を調査している図である。
図16】補助流体チャネルを有する内視鏡に取り付けられた光学カプラの別の実施形態の断面図である。
図17A】凹外表面を有するカプラの断面図であり、血液内で覆われた細胞に近付く内視鏡に取り付けられる。
図17B図17Aからカプラが壁に押さえられているカプラおよび内視鏡の断面図である。
図17C図17Bから器具チャネルからの流体がカプラ表面および壁の間に閉じ込められた不透明な液体を流している状態のカプラおよび内視鏡の断面図である。
図18A】キャップを用いて内視鏡に取り付けられたカプラの側面平面図である。
図18B図18Aのカプラの分解図である。
図19】角度の付いた器具チャネルを有している、端部角度30°のリジッド内視鏡に取り付けられたカプラの図である。
図20】直線の器具チャネルを有している、端部角度30°のリジッド内視鏡に取り付けられたカプラの図である。
図21】内視鏡に取り付けられたカプラの別の実施形態の図であり、カプラが複数の材料で形成される。
図22A】ハンドヘルドデバイス用いられるカプラの斜視図である。
図22B図22Aのカプラの断面図であり、ステープラーがカプラを貫通し裂傷を処置している状態である。
図23A】カプラを形成するのに用いる金型の正面平面図である。
図23B図23Aの金型の分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次の図面の説明の中で、同様の参照番号が図に亘って同様の部品に参照されて用いられる。
【0020】
本発明が不透明な液体および/または微粒子で覆われた表面を光学画像化する改良された光学カプラを提供する。1つの形態において、光学カプラが、内視鏡やカメラレンズなど任意の光学画像化または画像取得装置の外側末端部に取り付けられた透明なゲルである。押圧されて視覚すべき領域の表面に接触すると、ゲルが空間を作って不透明な液体または軟らかい半固体を機械的に移動させてクリアな視覚化ができる。
【0021】
光学カプラの取付部が内視鏡の挿入部の末端に実装される。光学カプラの視覚化部がソフトで弾性のフレキシブルな光学的に透明なゲルで構成されて内視鏡の末端を覆う。光学カプラの視覚化部が広視野が必要な場合はより厚く、またより近接を必要とする場合はより薄くて良い。光学カプラの取付部が光学カプラの視覚化部に連続するスリーブで良い。このスリーブが内視鏡の末端に亘って滑って光学カプラの取付部の内部表面が内視鏡のレンズに接触される。光学カプラのスリーブ状の取付部の弾性特性、および小さな内部径により、内視鏡が確実に保持できる。
【0022】
光学カプラが光学カプラの視覚化部を通って延在する中空器具チャネルまたは複数チャネルを備えて良い。チャネルが同じ直径を有し、動作する器具のルーメンまたは内視鏡のチャネルに並ぶ。これによって、プローブまたは器具が内視鏡ルーメンまたはチャネルから光学カプラの視覚化部を貫通する。
【0023】
内視鏡検査および処置の間しばしば、視覚する細胞または対象が血液または他の不透明な体液で阻害されるかされ得る。内視鏡に取り付けられた光学カプラの場合、光学カプラが不透明な液体を突き通って押してそれを移動させる。カプラが軟らかい場合、細胞または対象が視覚される状態で接触が安全になされる。若干圧縮されている状態の光学カプラが細胞に接触し続け、また光学カプラの視覚化部が透明なので、視覚が阻害されずにクリアな視界を提供し内視鏡で画像化できる。
【0024】
視覚する対象が急勾配の起伏を有する場合がある。カプラの1つの実施形態において、カプラの非常に低いジュロメータ(ソフト)が対象の形状に整合する。カプラが高い弾性質であり、ということは内視鏡の振動や動きが吸収され、視覚する能力を向上させる。光学カプラが軟らかでフレキシブルなので、弾性特性の軟らかな細胞の変形またはダメージを最小にする。不透明な液体を移動するのに必要な力以上の追加の力が内視鏡に作用して接触された状態にある細胞を平らにするか開く。これがカプラ無しでは見れない細胞の領域を明らかにする。別の実施形態では、カプラが高いジュロメータ(硬い)材料で構成されて細胞がカプラの形状に合わされる。細胞がカプラの形状に合うと、流体が移動されてクリアな視覚化を可能とする。両方の実施形態において、医療器具が、内視鏡の配置された動作する器具ルーメンおよびカプラの器具チャネルを貫通して、内視鏡器具および方法で可能な施術修復をしたり生検を採取する。
【0025】
内視鏡処置によって、光学カプラ特性が変わって良い。たとえば、カプラ材料に対する高い張力強度および引裂き抵抗が適切となる。ある用途では、弾性のカプラを提供する総合的な弾性材料が有効である。
【0026】
疎水性材料で構成されたカプラが水または血液環境で用いられるのに最適な選択で良い
。たとえば、シリコーン材で構成されたカプラが血液をはじき、使用期間が延長されてもクリア状態にあり、さらにはシリコーンが液体をはじく。カプラまたはカプラの一部が疎水性の物質で構成されて、動作環境で水または流体を吸収して膨張することがない。
【0027】
オイル、潤滑油、および水の環境においては、超親水性材で被膜されたカプラが有利であろう。カプラが水に最初に曝されると、水の分子が他の分子を押し出し、カプラの表面に至って結合耐力のある安定した水結合を形成する。これが汚染物からカプラを遠ざけて長時間クリアな状態を保つ。
【0028】
親水性材で構成されたカプラが中でも有利である。カプラまたはカプラの部分が疎水性物で構成されると、動作環境で膨張して移動の領域を増やすか、所定形状まで膨張する。
【0029】
高耐熱がカプラの材料において有益となる。たとえば、材料が電気焼灼器から高周波アブレーション処置の熱で溶けない(たとえば、500~1200°F)。カプラが電気、高周波、焼灼器、または高周波メスで使用される場合、電気絶縁性、高コロナ耐性(corona resistance)材料がやはり有利である。
【0030】
カプラがやはり内視鏡処置において様々な安全上の改善を提供する。腹腔鏡および一般的な手術の両方において、電気焼灼器具を使用中に焼灼の細胞から放散されるスモークがしばしば手術域の視界を劣化させるか視界が無くなる原因となる。スモークが消散されるまでこの処置が停止される。電気焼灼が細胞の残りを一定に視覚化するカプラと一緒に用いられると、カプラがスモークを移動させる。カプラが切開の原因となるシャープエッジのない滑らかとなるように大きさとなる。カプラが比較的大きな表面積の大きさになって、内視鏡が体腔内に押し入ったときの力を発散する。カプラが内視鏡の対物レンズと比較して大きな外表面積の大きさになる。これが有利なのは、血液の小さな一滴が内視鏡対物レンズから総合的に視野を奪うからである。カプラの外表面上の血液の小さな滴が部分的にのみ視野を奪う。カプラがドーム状の、スムーズで滑らかな外表面になると、食道、大腸、静脈、動脈などの管状構造で良く操作できる。またカプラがビデオスコープに用いられる共通レンズで作られる広角曲率を補正する。
【0031】
カプラゲルが種々の材料から構成され、それにはポリジメチルシロキサン、ヒドロゲル、ポリウレタン、アルブミン系ゲル、鉱油系ゲル、ポリイソプレン、ポリブタジエン、または他の透明な複合材料がある。1つの好適な材料がポリヂメチルシロキサンであり、というのは、医療用途での生物学的適合性、低価格、成形や矯正の容易性にある。透明、フレキシブルなヒドロゲルが超引裂き強度を有して別の好適な材料である。
【0032】
光学カプラを形成するのに用いられる材料が2つ以上の化合物で構成され、たとえば、不透明な化合物がカプラの2つの視覚化部を取り付けて正しい位置に保持し、第1の視覚化部が視野および画像化システムの最少深度域に適合する形状の内部クリア半固体化合物で、第2の部分が第1の視覚化部の外側境界に取り付けられかつ高軟度ゲルで構成されて、器具を直視下で操作して位置付けることができる。米国特許第7,235,592号および7,205,339号に記載の方法が用いられて異なる物理特性のあるゲルの部分または領域を有するカプラを提供する。
【0033】
発明が種々の用途に用いられる。自然開口部越経管腔的内視鏡手術(NOTES)の場合、予期しない出血や胆汁や胃内容物などの他の流体が視野を阻害してもやカプラによって処置が継続される。また、カプラが視野から器官を押して施術領域を作るか拡げる。外傷および緊急事態の咽頭鏡の場合、カプラが血液、外因物質、食物を押しやって、視野を拡げて気管の視覚化を可能にする。生検の取得が必要の場合、カプラが目的の生検対象や生検する腫瘍、領域を周囲の細胞から分離する。カプラの補助により細胞に接近して接触
することで、腫瘍の境界を画定する確実な配置で複数の生検が取れて信頼性が改善され、腫瘍セルが血流またはリンパ線に入るのを最少に止める。焼灼プローブまたは電極が同時にまたは生検用鉗子と併せて使用できて、出血や長時間の処置を最少にする。
【0034】
カプラが種々の内視鏡心臓内処置に用いられ、たとえば(1)心筋生検(透明モニタリングや腫瘍サンプリング)、(2)バルブ修理やバルブ再構成、(3)卵円孔開存(PFO)閉止、(4)空洞中隔欠損症(VSD)閉止、(5)ワイヤ配設やワイヤ除去、(6)幹細胞注射、(7)冠静脈洞カニューレーション、および(8)迷路手順(maze procedure)、がある。冷凍アブレーション(cryoablation)においては、カプラの外表面を温めるウォーミングチャネルを有する専用複合カプラが用いられて、周囲細胞が冷凍されることから保護する。高周波アブレーションにおいては、カプラの特性を安定させ隔離することで能力を集約して周囲細胞を守る。
【0035】
カプラが種々の血管処置に用いられる。カプラが分離された大動脈の覆われたステントの正しい配置を案内するのに、または心内レーザを視覚化するのに用いられる。カプラが大小の血管の吻合の縫合線を検査するのに用いられて、縫合線の品質を評価し何れの出血の場所を判断する。
【0036】
手術のまたは外傷の状態においては、傷や血管からの重篤な動脈出血がある。しばしば最初に取られる行為が出血領域のフィンガやスポンジの圧迫である。時間経過後にフィンガやスポンジが外される。出血が継続すると、さらなる圧迫や他の行為が取られ、たとえば、ブラインドクランピング(blind clamping)、血液の吸引その後のクランピングと縫合、またはホメオスタシス材料が当てられる。失血が重大となり得る。棒状のフィンガの端部に搭載された本発明の実施形態が、出血場所を覆って圧迫されて良く、血液の洗浄、および出血箇所を特定するための視野を作る。カプラが透明で軟らかく生体適正であるので、縫合、ステープル(staple)がカプラを貫通して出血箇所を治療する。
【0037】
また、カプラが非医療用途でも有用である。実施形態のカプラがボアスコープの末端(対物レンズ)に取り付けられ、またはマイクロまたは従来のビデオカメラ、検査スコープ、スチルカメラに取り付けられる。これによって、内部パイプ、貯蔵タンク、コンテナなどを視認したりおよび/または修理ができ、それの流体が石油系製造物、汚水、食物、塗装、などの不透明の場合でも、パイプやコンテナ(たとえば石油タンク)を空にすることが必要なくなる。カプラの大きさまたは柔軟性の大きさが特殊用途に適合されて、たとえば、広範囲を検査する際に大量の流体を移動する。カプラの形状が典型的に平坦、凸状(曲率の程度で変わる)、または特殊目的の形状とされる。たとえば、カプラが四角、または角度の付いた形状に形成されてタンクの角の不透明な流体を移動させシームを検査する。腐食、ひび割れ用の接合、溶接、シームが、移動流体のあるパイプで実施される。カプラがビデオカメラやロボットカーと併せて用いられて離れた場所を見る。大きな作業チャネルのある大きなカプラによって、装置がカプラを貫通して修理にネジや接着パッチなどを使って修理可能となる。カプラで移動された流体の酸、アルカリ性、高温、粘性に耐える材料でカプラが形成されて良い。医療用途と反対に(廃棄処理、単一使用)、産業用途に好適な実施形態ではカプラが再使用される。
【0038】
カプラ内またはカプラに平行する作業チャネルが、手術器具、プローブ、検体ニードル、ニードル、縫合糸などが見られる領域まで通される。カプラがフレキシブルなので、カプラの機能を犠牲にせずにカプラ内または周辺でチャネルが移動できる。カプラの1つの可能な特性が、見るべき細胞や対象に合った軟らかでフレキシブルな形状である。この特長により繊細な細胞や構造への損傷が低減される。
【0039】
カプラの別の有利な点が、内視鏡に取り付けられたカプラを介して見られる特殊領域の
みが照明を必要とし、よってターゲットされた視野が内視鏡照明装置によって供給される少ない光で済む。照明に必要な光ファイバの数が少ないので、内視鏡が小さくなり、また製造するのに低価格になる。また、外との境界のカプラの領域を照明するだけなので、小径の内視鏡がターゲットの領域を見るのに必要とされる。
【0040】
内視鏡の外部光源がカプラの機能を増やす。カプラが空気で膨らませた胃などの大きなチャンバで細胞表面に接触しない場合、内視鏡の末端から放射される光がカプラの外部表面から反射されてカメラレンズに戻し、内視鏡の視界を劣化させる。外部光源を用い内視鏡の光源を消灯することで、反射が軽減される。別法では、外部境界で停止する器具チャネルを通して配置される光ファイバが、膨らんだ胃内の対象を見ている間、光を供給する。カプラが不透明な流体または血液で覆われた細胞に接触した後、外部光が消灯されるか光ファイバが器具チャネルから退避される。
【0041】
カプラが半固体ゲルでも良く、該ゲルが透明でフレキシブルであり、広範囲の内視鏡に取り付けられる。最少の侵襲的処置に対して、最小とされるスコープが用いられる。カプラの最適な形状と大きさが内視鏡の視界で決まり、または反対に、カプラの大きさと形状に適合した内視鏡が選択されても良い。カプラの形状が検査する対象の輪郭に適合する好適な形状で作られて良く、たとえば、内視鏡が心臓の頂点(apex)における血液プールの形状に作られる。このカプラが2mmの血管鏡と併せて用いられて、心臓の頂点内に操縦され、血液を移動し、鼓動する心臓の心室の内壁を視覚する。
【0042】
カプラが透明な接着材で内視鏡に装着される。カプラが補助のレンズまたはフィルタにスクリュとして装着されることで、異なる目的または機能の異なるカプラが同じスコープで利用される。カプラが吸引で適切な位置に装着されて保持され得る。カプラが縫合縫い付けて装着され得る。カプラがワイヤやナイロン、他のひも材で装着されて良い。カプラがメッシュやしなやかな膜で装着されて良い。メッシュネットを用いてカプラを内視鏡に装着する場合、ゲルの強度および粘度を十分に高くして、ゲルがメッシュの外膜の孔へ流出することを防ぐ。
【0043】
カプラが内視鏡の端部に固定されるチューブに圧縮されて良い。内視鏡に装着されたカプラが退避可能なシースの中で圧縮される。
【0044】
カプラが光学流体(たとえば、シロキサンポリマ)および架橋結合剤(たとえば、多機能シラン)を射出して本来の位置で内視鏡の2つの分離ルーメンに作られて良い。液体部品が結合、交さして、スコープの末端に装着されるしなやかな膜の内側の硬化粘弾性固体(たとえば、シリコーンゲルやシリコーンエラストマ)に形成される。カプラの固体本体が極薄要素で補強されて良く、それには生体適正のファイバ、カーボンファイバ、ニチノール(Nitinol)、縫合材、および/または光ファイバがある。カプラのインサイチュフォーメーション(in situ formation)によって大きなカプラが身体内に形成できて、視界領域を大きくする。使用後の除去のためにカプラが化学的にまたは機械的に解体して良い。
【0045】
カプラが心臓収縮時の血圧よりも高い壁の張力のあるバルーンや薄膜、メッシュ、チューブ状構造の内側に封止されている場合、器具、プローブ、ニードル、または他の装置をカプラ内で動かすことで、形成されるトンネルがゲルで再充填されてゲルの透明を保つ。ゲルをカプラ内に封止させるには、ゲル強度が十分に高くて、外のバルーン、薄膜またはメッシュ内にニードルや装置によって形成される孔に貫流することを防止する。
【0046】
カプラの実施形態が1つまたは2つの以上の内視鏡の作業ルーメンに並ぶ作業チャネルを有する。カプラの他の変形が追加の内部チャネルに供され、または縫合などのより複雑
な処置において用いられる装置の端部に沿う。
【0047】
カプラが侵襲を最小にする任意の処置に用いられる。たとえば、体内の生検が直視下で取られて、炭酸ガス膨張の必要性を低減させる。カプラによって実際の出血または他の体内流体が視界を阻害する状態においてニードルや医療装置を正確に配設できる。縫合処置、ステープリング(stapling)、クランピング(clamping)、または医療装置の配置が完了するまで、カプラが実際の出血場所に亘って出血を止める圧力に耐える。
【0048】
他の器具または装置がカプラ内に押し込まれて、形状や透明性を構成しない。カプラをニードルやプローブ、器具で貫通させてチャネルが作られ、医療器具が退避するにつれてチャネルが再シールされる。
【0049】
カプラを作業ルーメンを含む内視鏡に装着することで、カプラおよび内視鏡が協働する。透明または半透明な軟らかいフレキシブルなチューブがこれらカプラに侵入するチャネルを貫通し、連続のチャネルを形成するので、プローブがターゲット領域まで通れる。これらプローブには、センサ、皮下ニードル、器具、光ファイバ、または医療装置が含まれ、カプラを通過して正確な繰返し可能な位置に至る。
【0050】
内視鏡の外に固定されたチャネルが追加されてカプラの周りのプローブを操作または指示して視野内で見れたり操作される。装置がレンズに対して45°の範囲またはミラーセット45°に固定され、スコープのサイドから見れる。これにより、スコープが前に押されると導管またはチューブの側を見ることができる。広角レンズと一緒に用いると、カプラがパイプや導管内の周囲視界を供給する。
【0051】
さて図1~3に戻って、本発明に係る光学カプラ10の第1の実施形態が示される。光学カプラ10が光学カプラ10の末端13に視覚化部12を有する。視覚化部12が通常わずかに曲がって凸の外表面14を有し、それが光学カプラ10の第1の外側境界15から第2の反対外側境界16に延在する。外表面14が通常平坦に構成されるが、曲がった外表面14が好適であり、というのは、曲面が何れの流体または物体を外表面14の中心から外側境界15、16へ押しやって、視界をクリアにするのに役立つからである。平坦な外表面14がクリアにするのがより困難なのは、圧力が接触の全域に亘って等価であること、見たり作業するのに望ましいレンズおよび表面の間に流体が挟まってしまうからである。曲がった外表面14がやはり好適であり、というのはカプラ10と共に用いられる対物レンズ40で生成される何れの曲面歪みを補正するからである。光学カプラ10が近接表面18を有し、中空器具チャネル19が近接表面19から外表面14に向かって延在する。
【0052】
中空器具19が、チャネル19が視覚化部12を貫通して外表面14までずっと延在しないように構成されて良い。そのような場合、材料のバリア部20が中空器具チャネル19の末端および光学カプラ10の外表面14の間に設けられる。別法では、器具チャンル19が視覚化部12の全体長さに伸び、図8、9に示すように光学カプラ10を貫通して延在する。このような構成が器具の自由な負担のない交換を可能とする。防水シールまたはバルブ29、たとえばチューイ―ボースト型バルブ(Tuohy-Borst type valve)が、内視鏡器具チャネル19の隣接端部17に用いられて、空気、流体、および/または物体が器具チャネル19を貫流することを防止するか最小にする。
【0053】
器具チャネル19が図1~3の光学カプラ10に示されるが、視覚化部12が器具チャネル19が無くても構成されて良い。そのような場合、器具が視覚化部12を直接に貫通されて良く、というのは、視覚化部12がセルフシーリングおよび十分な弾性の材料で構成されて、器具が光学カプラ10の視覚化部12の全体長さを貫通されるからである。器
具チャネルの無い光学カプラ10の例が図10、11に示され、次に詳細に説明する。
【0054】
光学カプラ10がやはり視覚化部12に接続され、離れて延在する取付部22を備える。取付部22が光学カプラ10の近端部23に設けられる。光学カプラの近端部23が角度を有して、光学カプラ10が使用環境から取り外されるときに、何れの表面に引っかかる可能性を低減する。例示の実施形態において、取付部22が円筒壁24に形成される。光学カプラ10の近接表面18および円筒壁24が光学カプラ10の中空円筒開口25をスリーブ状円筒壁24内に画定する。
【0055】
図3を参照し、光学カプラ10が内視鏡30上に装着される。内視鏡30が末端31を有し、光学カプラ10の中空円筒開口25に挿入される。1つの形態では、カプラの円筒壁24が内視鏡30よりも1~10ミリミートル大きな径である。内視鏡30が光学カプラ10の円筒壁24とちょうど係合する外表面33を有するシース32を有する。限定しない実施形態では、シース32が7~15ミリメートルの外径を有する。内視鏡30の端表面34が光学カプラ10の近接表面18とシームレスに係合する。内視鏡30の端表面34から内視鏡の近端部(表示せず)まで延在する第1ルーメン35、第2ルーメン36、および第3ルーメン37を内視鏡30が有する。ルーメンの内径が典型的に2~4ミリメートルである。ライトガイド39が第1ルーメン35に位置付けられ、光を表面領域に向けてまたは光学カプラ10の外表面14の向こうに伝搬する。対物レンズ40が画像伝送ファイバ42の末端に位置付けられ、レンズ40が画像伝送ファイバ42に光学的に接続されて、見るべき表面から反射してきた光を受光する。対物レンズ40および画像伝送ファイバ42が第2ルーメン36に配される。光学カプラ10が内視鏡30に装着されるときに、第3ルーメンが光学カプラ10の中空器具チャネル19に並ぶ。例示の実施形態では、器具チャネル19および第3ルーメンが公差±5%内の同じ大きさの内径を有する。光学カプラ10が光発光ダイオード(LED)11をカプラの外表面14側に有して、何れの流体や細胞、構造に接触するカプラに先んじて照明を供給する。LED11が内視鏡30内または外部源から電線(表示せず)を介して電力が供給されて良い。
【0056】
1つの実施形態では、内視鏡30が特別な被写界深度を有する固定焦点内視鏡で良い。外表面14が光学カプラ10の近接表面18から内視鏡30の被写界深度範囲の値から選択された基準距離だけ離れて良い。1つの例示の構成では、内視鏡30が2~100ミリメートルの被写界深度を有する。この場合、外表面14が光学カプラ10の近接表面18から2~100ミリメートルだけ離れる。好適には、長さDが内視鏡30の被写界深度値の25%以下の基準距離と同等である。1つの例示の構成では、内視鏡30が2~100ミリメートルの被写界深度を有する。この場合、長さDが2~26ミリメートルと同等である。さらに好適には、距離Dが内視鏡30の被写界深度値の10%以下の基準距離と同等である。1つの例示の構成では、内視鏡30が2~100ミリメートルの被写界深度を有する。この場合、長さDが2~13ミリメートルと同等である。最も好適には、距離Dが内視鏡30の被写界深度値の最小値(たとえば、2ミリメートル)と同等以上である。カプラ10の1つの形態では、距離Dが7~10ミリメートル、または内視鏡30が内視鏡処置または診断を受ける細胞から保持する典型的な距離とされる。
【0057】
光学カプラ10に対する距離Dの設計にはやはりカプラ10を構成する材料の特性が考慮され、表面から保たれたときにカプラ10の何れの起こりえる圧縮がある。たとえば、カプラ10が表面に対して保持されたときに1ミリメートル圧縮され、内視鏡30の被写界深度が最小値が2ミリメートルの場合、距離Dが3ミリメートル以上でこの起こりえる圧縮を補正する。
【0058】
光学カプラ10が種々の材料から形成される。光学カプラ10の1つの形態において、光学カプラ10が、シリコーンゲル、シリコーンエラストマ、エポキシ、ポリウレタン、
およびこれらの混合から選択された材料で形成される。シリコーンゲルが架橋ポリシロキサン(たとえば、ポリジメチルシロキサン)流体で、ここで架橋が多機能シランを介して導入される。シリコーンエラストマが架橋流体で良く、それの3次元構造がマトリクスの非常に少ない遊離体液であるようなゲルよりも非常に複雑である。光学カプラ10の他の形態において、材料がポリビニルアルコール、ポリ(ヒドロキキエチルメタクリル酸エステル)、ポリエチレングリコール、ポリ(メタクリル酸)、およびこれらの混合などのヒドロゲルから選択される。光学カプラ10の材料がやはりアルブミン系ゲル、鉱油系ゲル、ポリイソフ゜レン、またはポリブタジエンから選択されて良い。好適には、材料が粘弾性である。
【0059】
さて、図23Aおよび図23Bに戻って、完全機能カプラ10が未硬化シリコーン材を添加/熱硬化剤に混合することで形成される。種々のシリコーン材および添加剤が用いられて軟性の相異するカプラを形成できる。材料が20ccバイアルに予備混合され真空チャンバに配されて、混合処理の間、シリコーンに含有される空気が除去される。次いで、シリコーンが4ピースモールド1100のパートAのチャンバ1101へ注がれ、何れの泡が視認されると真空チャンバに配される。パートAのシリコーン材が透明になった後に、パートAおよびB上のそれぞれのネジ切り1102、1103を介して、モールドのパートBがパートAにネジ切りされる。パートBのチャンバ1104が、パートAに対して説明したように、次いで充填され泡が除去される。モールドパートCおよびDがセットスクリュ1105を用いて予備組立されて、結果のレンズが正しい形状を有することを確実にする。組立のパートC/Dのリード部1106がシリコーン材にディッピングされて、次いでアライメントピン1107の補助でパートA/Bのシリコーンの上に集中され、それぞれの孔1108に滴下および下方に押し出されて、それがパートBに完全に固定されるまで続く。リード部1106が器具チャネルピン1109を有し、カプラに器具チャネルを形成する。組立がオーブンで90℃で少なくとも1時間硬化される。硬化後、パートAをパートBからスクリュが外されパートC/DをパートBから引いてモールド1100が解体される。厚い壁に囲まれたポリビニル(表示せず)がカプラの外表面を覆って配され、管を真空にした後にカプラがパートBから引き出される。
【0060】
図1~3に戻って、光学カプラ10において、材料が最適には透明で、その結果、ライトガイド39が光を光学カプラ10を介して表面領域または光学カプラ10の外表面14の向こうに伝搬され、また、光学カプラ10が見るべき表面領域の光学画像がレンズ40に戻して伝送される。光学カプラの1つの形態では、材料が試験標準ASTM D-1003(Standard Test Method for Haze and Luminous Transmittance ofTransparent Plastics)に基づき約80%以上の光透過率を有する。光学カプラ10の別の形態では、材料が試験標準ASTM D-1003に基づき約90%以上の光透過率を有する。光学カプラ10の別の形態では、材料が試験標準ASTM D-1003に基づき約95%以上の光透過率を有する。光学カプラ10の別の形態では、材料が試験標準ASTM D-1003に基づき約98%以上の光透過率を有する。好適には、材料が可視光範囲において0.1%以下の光吸収率を有し、さらに好適には可視光範囲において0.01%以下の光吸収率を有する。材料が約1.3~1.7の反射率を有し、好適には材料の反射率がライトガイド39の反射率と一致するかまたは可能な限り小さい。
【0061】
また、光学カプラ10が異なる材料でコーティングされて良く、粘着性が低減される。さらに、光学カプラ10の所定のコーティングが光反射を改善する。光学カプラに用いられて良いサンプルコーティングには、パリレンCなどのp―キシリレンをベースとしたサーモプラスチックフィルムポリマが含まれ、それはアブレーション耐久および疎水耐性を有する光学的に透明な生体適正ポリマである。
【0062】
光学カプラ10の材料の硬度が用途に依存して変わる。見るべき表面が急峻な起伏のあ
る場合、カプラの非常に低いジュロメータ(ソフト)表面が対象の形状に形成する。別法では、カプラが高いジュロメータ(硬い)材料で構成されて、細胞がカプラの形状に適合される。1つの形態では、材料がショアOO(Shore OO)スケールで2~95の範囲のジュロメータを有する。別の形態では、材料がショアOOスケールで2~20の範囲のジュロメータを有する。別の形態では、材料がショアOOスケールで40~80の範囲のジュロメータを有する。別の形態では、材料がショアOOスケールで60~80の範囲のジュロメータを有する。上記に記載したように、所定の用途における材料が説明したショアOOスケールの範囲外のジュロメータを好ましくは有して良い。ショアOOスケールで80以上の硬度を有する材料が技術的には「ゲル」にはみなされなくとも、典型的に、この仕様が用語「ゲル」を用いてカプラ10を構成できる材料と呼ばれる。用語「ゲル」の使用が発明を特別な材料やショアOOスケールにおける硬度範囲の特別な材料に限定するものではない。
【0063】
図4~6に戻って、発明に係る光学カプラ210の第2の実施形態が示される。光学カプラ210が光学カプラ10と同じ材料から形成される。光学カプラ210が光学カプラ210の末端213に視覚化部212を有する。視覚化部212が図1~3に示す実施形態よりも大きい程度の曲面のある外表面214を有する。凸の典型的にはドーム形の外表面214が光学カプラ10の第1外側境界215から第2対向外側表面境界216に延在する。光学カプラ210が近接表面218を有し、中空器具チャネル219が近接表面218から外表面214に延在する。材料のバリア部220が中空器具チャネル219および光学カプラ210の外表面214の間に設けられる。好適には視覚化部212全て(中空器具チャネル219を除いて)が非多孔質固体粘弾性材料である。
【0064】
また、光学カプラ210が視覚化部212に接続されそれから離れた延在する取付部222を有する。取付部222が光学カプラ210の近接端223に配される。例示の実施形態では、取付部222が円筒壁224の形状である。近接表面218および光学カプラ210の円筒壁224が光学カプラ210の中空円筒開口225を画定する。
【0065】
光学カプラ210が内視鏡30に装着される。内視鏡30が光学カプラ210の中空円筒開口225に挿入される末端31を有する。内視鏡30が光学カプラ210の円筒壁224に密に係合する外表面33を有するシース32を有する。内視鏡30の端部表面34が光学カプラ210の近接表面218に密閉して係合する。内視鏡30が光学カプラ30の端部表面34から内視鏡の近接端部(表示せず)まで延在する第1ルーメン35、第2ルーメン36、および第3ルーメン37を有する。ライトガイド39が第1ルーメン35に位置付けられて光を表面領域に向けて、または光学カプラ210の外表面214を超えて伝搬する。対物レンズ40が画像伝送ファイバ42の末端に位置付けられ、レンズ40が光学的に画像伝送ファイバ42に接続されて表面領域から反射された光を受光する。対物レンズ40および画像伝送ファイバ42が第2ルーメン36の中に配設される。光学カプラ210が内視鏡30に搭載されたときに、第3ルーメン37が光学カプラ210の中空器具チャネル219に並ぶ。例示の実施形態において、器具チャネル219および第3ルーメン37がバラツキ5%の範囲内で同じ大きさの内径を有する。
【0066】
内視鏡30が図4に示すように角度A(たとえば90~170°)の視野角を有する。図4において、視覚化部212の外表面214の部分がドーム形で、ドーム形の視覚化部212の外表面214の部分が内視鏡30の視野内にある。これにより、臓器が視野の外に押し出されて拡大された作業域のある向上された画像を提供する。
【0067】
さらに図5、6を参照し、医師が光学カプラ210を内視鏡30に装着した後、内視鏡が体腔51に挿入される。光学カプラ210が体腔51の壁54の領域52に接触して配され、その結果、該領域に接触しているか隣接する不透明な流体および/または微粒子を
ずらす。光が従来のようにライトガイド39を通って光源から伝搬される。次いで、光が光学カプラ210を貫通し領域上に至る。反射光が次いで光学カプラ210を貫通して戻り、レンズ40が領域52からの反射光を受光する。レンズ40が光学画像を画像伝送ファイバ42へ伝送し、光学画像を従来のように接眼レンズまたは映像表示に伝送する。
【0068】
次いで医師が内視鏡30のシース32の第3ルーメンに医療器具60をB方向(図5参照)に挿入する。医療器具60が光学カプラ30の器具チャネル219を貫通され、次いで医療器具60がバリア部220およびカプラ210の外表面214に接続される。次いで医療処置が医療器具60を用いて体腔51の壁54の領域52に施される。医療器具60の限定されない実施形態に、生検鉗子、電気焼灼装置、アブレーション装置、および縫合またはステープリング装置がある。任意に、視覚光学が光学カプラ210のバリア部220および外表面214に接続される。図7に戻って、本発明に係る光学カプラ310の第3の実施形態が示される。光学カプラ310が光学カプラ10と同じ任意の材料から形成される。光学カプラ310が内視鏡30に実装される。光学カプラ310が光学カプラ310の末端313に視覚化部312を有する。視覚化部312が典型的にはドーム形の外表面314を有し、それが光学カプラ310の第1外側境界315から第2対向外表面境界316に延在する。光学カプラ310が近接表面318を有し、中空器具チャネル319が近接表面318から外表面314に向かって延在する。光学カプラ310がやはり視覚化部312に接続されかつ離れて延在する取付部322を有する。取付部322が光学カプラ310の近接端323に設けられる。例示の実施形態では、取付部322が円筒壁324の形状とされる。光学カプラ310の近接表面318および円筒壁324が光学カプラ310の中空円筒開口325を画定する。
【0069】
光学カプラ310において、狭小通路373が中空器具チャネル319の末端321に設けられる。セルフシーリング膜371が中空器具チャネル319の狭小通路373を密閉する。膜371が医療器具60によって繋がれ、膜371が器具60が膜371から退避した後に再シールする。
【0070】
さて、図10および11に戻り、図1~3に表示のカプラと類似の光学カプラ10が示され、カプラ10が器具チャネル19を備えずに電気焼灼装置75を備える。光学カプラ10の電気焼灼装置75が、視覚化部12を通って延在し外表面14の電極26と接続するワイヤ27を有する。ワイヤ27および電極26が、カプラ10の製造中に光学カプラ10を形成する材料に成形されて良い。他の器具がやはりこの方法で光学カプラ10に成形されて良い。そうすることで、製造するのに簡単で廉価な光学カプラ10を提供すと共に、内視鏡、カメラ、または他の装置に装着されるときに、空気、流体および/または異物が周囲環境からカプラ10に侵入する可能性の少ないカプラ10を提供する。ワイヤ27および電極26をカプラ10に成形する代わりに、カプラ10の形成された後に、ワイヤ2および電極26がカプラ10の視覚化部12を介して供給されて良く、これはカプラ10の特質および特徴による。もちろん、電気焼灼装置以外のまたはそれに加えた器具が、カプラ10が器具チャネル19を有しない場合にカプラ10を介して供給されて良い。
【0071】
しかしながら、電極26に装着されたワイヤ27がやはり1つまたは複数の器具チャネル19を有する光学カプラ10に形成されて良い。ワイヤ27が視覚化部12に埋め込まれて中空器具チャネル19に平行かつ近接して沿う。別法では、ワイヤ27が器具チャネル19の視覚化部12を貫通して良い。
【0072】
内視鏡的胃腸の処置において使用される限定されないカプラの例において、細胞が弱い場合のカプラのジュロメータがショアOOスケールで約15である。壊死性の砕けやすい細胞はより軟らかなジュロメータが必要で、6以下のジュロメータが望ましい。カプラが十分な圧縮性と柔軟な強度が必要であって流体をずらす。多重の胃を検査する場合、ショ
アOOスケールでジュロメータ50が望ましい。可視範囲400~700ナノメートルにおいて、カプラが光学的に透明であることが必要である。光線力学療法において、赤外または蛍光の研究により、光の透過、吸収または反射の異なる範囲が効果的である。
【0073】
胃腸の処置において付属として用いられたカプラに対する他の限定しない例示の形態に次のものがある。生物的適応性要、単独使用または複数使用、フレキシビリティ:ジュロメータがショアOOスケールで2~80の範囲;最小の光学吸収率(<0.1%);反射指標:約1.40~1.50で、かつ内視鏡光透過、水、空気、または反射指標がレンズ表面反射を最大低減するのに適合のこと;張力強度:最小で、流体をずらして引裂きに耐久する十分な強度;弾性およびセルフシーリング;疎水性:表面忌避;親水性:マトリクス構造内;高耐熱:電気焼灼または高周波アブレーションの熱(500~1200°F)に溶けないこと;オートクレーブ(autoclavable):250~272°F。
【0074】
さて、図12A~12Cに戻って、内視鏡30に装着された光学カプラ410の別の実施形態が示される。光学カプラ410が上記に説明の10、210、310の光学カプラと同じ何れの材料から形成される。光学カプラ410が第1外側境界415および第2外側境界416のある視覚化部412、および視覚化部412を貫通し外表面414に至る中空器具チャネル419を備える。図12A図12Cに示すように、第1および第外側境界415、416が角度αで内視鏡30の外表面から延在する。
【0075】
生検鉗子60が内視鏡30の第1ルーメン35に挿入され、光学カプラ410の器具チャネル419を貫通する。内視鏡30が前記実施形態で説明したような他のルーメンを有する構成とされて良い。図12Aにおいて、生検鉗子60のジョー61が視覚化部412の外表面414の側に開口する。視覚化部412が弾性材料で構成されるので、ジョー61が開口して図12Aに示すように体腔51の壁54から細胞の生検サンプルを採取するときに、視覚化部412が拡張して良い。鉗子60が内視鏡30のルーメン35の固定の径に開口できない。鉗子60のジョー61が開口すると、蝶番ジョー61がカプラ410を構成する材料を閉じ込めて、60の機能を阻害する恐れがある。この阻害を軽減するために、図12Dに例示のように、器具チャネル419に透明でフレキシブルなチューブ419aが並列し、および/または鉗子60のジョー61が軟らかでフレキシブルなスリーブ61aで覆われて良い。
【0076】
図12A~12Cに示すように、生検サンプルが捉えられ体腔51の壁54から除去される。図12Bが生検鉗子60のジョー61が閉じて体腔51の壁54から細胞の生検サンプルを採取するのを示す。次いで、図12Cに示すように、生検サンプルを持つ生検鉗子60が器具チャネル60およびルーメン35を通って内視鏡30から取り除かれる。生検鉗子が抜かれて検査された後に、器具チャネル419が用いられて凝固装置が壁54の正確な生検場所に配され、または生検鉗子60が再挿入されて追加の生検サンプルを採取する。
【0077】
本明細書に説明するカプラと共に使用される生検鉗子および把持器の他の種類には、これに限定しないが、オーバルカップ(oval cup)、ロングオーバルカップ、スパイク付きロングオーバルカップ、セレートカップ(serrated cup)、スパイク付きセレートカップ、わに口把持器、長尺ラットトゥース(elongatedrat tooth)「ステントリムーブ(stentremove)」、ラットトゥース把持器、三つ爪把持器、三脚把持器、フォーク1×2把持器、が含まれる。言うまでもなく、生検鉗子および把持器の他の医療ツール60が本明細書で説明のカプラと共に用いられる。
【0078】
前述のように、光学カプラが非医療用途に用いられる。図13A~15Bが2つのそのような環境および光学カプラが活用される用途を示す。
【0079】
図13A、13Bに戻ると、光学カプラ510がボアスコープ77に実装されて示される。光学カプラ510が不透明な液体または微粒子に覆われた検査表面または物体に用いられて良い。光学カプラ510が前述の10210、310および410の光学カプラに参照したようなのと同じ何れの材料で形成されて良い。光学カプラ510が第1の外部境界515、第2の外部境界、および該第1外部境界から該第2外部境界516へ連続して延在する外部表面514を有する視覚化部512を備える。第1および第2の外部境界515、516が前記図12A、12Bに示す境界415、416と類似して、角度を有してボアスコープ77から外側に延在する。外部境界514が第1セグメント514aおよび第2セグメント514bで構成されるように角度付けされる。望めば、光学カプラ510が器具チャネルのような前述に記載のように他の機能を有して構成されて良い。
【0080】
図13Bに示すように、外表面514の第1および第2のセグメント514a、514bがプレート78、80を視覚するのに困難にさせる2つのコーナー78、80における不透明な液体または異物を光学カプラ510がずらすものである。このカプラ510の設計がプレート78、80間の溶接82を視認する、または欠陥用にプレート78、80の表面視認するのに有益となる。もちろん、光学カプラ510が前述のように他の機能を有して構成されて良い。
【0081】
図14A、14B、15Aおよび15Bがカメラ84に搭載された光学カプラ610を説明する。図14Aに示されるように、カメラ84がレンズ85を備え、静止画、ビデオまたはその両方を撮影して良い。光学カプラ610が前述の10、210、310、410、および510の光学カプラに参照したものと同じ材料の何れかから形成されて良い。光学カプラ610が視覚化部612、第1外部境界615、第2外部境界616および第1外部境界615から第2外部境界616へ延在する外表面614を備える。ライトリング686がカプラ610の近接端623の側のカメラ84のレンズ85の外表面87に装着される。図15Aに示されるように、光学カプラ610が器具チャネル619を有して、半固体チューブ88がカメラ84に平行にまたは通って、器具チャネル619を通って配設される。別法では、カプラ610が器具チャネル619を有しなく、チューブ88が視覚化部612を通して繋がる。チューブ88が光学カプラ610の外表面614へ延在する。
【0082】
図14Bおよび15Bに示されるように、カメラ84および光学カプラ610がオイルなどの不透明な液体91に充填されたパイプ90に配設される。カメラ84が原動機の付いたプラットフォーム92を用いることで移動され、パイプ90の内面93を視認して欠陥94を捜索する。図15Bに示すように、半固体チューブ88がカメラ84に平行に固定されカプラ610を通して配設され、接着剤、セメントなどを供給するように用いられて、欠陥を補修して良い。
【0083】
別の光学カプラ710が図16に示される。光学カプラ710が内視鏡30に装着される。内視鏡30の第1ルーメンがカプラ内の器具チャネルに並接される。第2ルーメン36がレンズ40に接続されるカプラ710に接触する画像伝送ファイバ42に向かってアクセスされる。第3ルーメン37が内視鏡30の補助流体チャンル41を提供する。ノズル43が補助流体チャネル41の末端に設けられる。光学カプラ710が補助流体チャネル41およびノズル43から流体47を受けて流体をカプラ710の器具チャンる719を貫通される環状チャンバ45を備える。流体47が水や塩水などの透明な流体で良く、視野内の障害物を洗い流すか、カプラ730の外表面714を洗浄する。
【0084】
図17A~17Cが凹状外表面814および内視鏡30に装着される第1ルーメン835を有するカプラ810を示す。図17A図17Cに示すように、カプラ30が体腔51の壁54に移動されるにつれ、不透明な液体91(閉じ込められた血液など)が外表面814および壁54間に閉じ込めらるので、内視鏡30の視野を制限する。カプラ810が第1ルーメン835に並んで配される器具チャネル819を有する。このように、流体47が第1ルーメン835を介して内視鏡810の器具チャネル819を通って内視鏡30を通って飛び散る。示さないが、流体47が、別にはおよび/または追加的に、図16に対して上述したのに類似して、内視鏡30の補助流体チャネルを介して内視鏡30を通って飛び散る。導入された流体47の圧力が体腔51の壁54に対してカプラ810の加える圧力を超えると、流体47が外表面814および壁54間の領域から閉じ込められた不透明な液体91を飛ばし、壁54の制限されない視野を可能とする。さらに、カプラ810が軟い材質で構成されているので、カプラ810によって、内視鏡30が壁54により少ない力が印加される状態で体腔51の壁54上の活動を制限されない視野で視認し実行できる。内視鏡に装着されているゲルレンズの場合、治療の注射が細胞接触の後に実行できる。電気焼灼ナイフやワイヤスネヤ(wire snare)などの内視鏡ツールによって病変が自在に切断されたあと、外された病変が器具チャネルを介して吸引を適用して除去される。
【0085】
内視鏡30への装着を推し進めるために、図18A、18Bに示すように、カプラ10がキャップ70で包まれる。図18Aに示すように、キャップ70がカプラ10に対して固定できる。キャップ70が取り扱い時にカプラ10を埃および指紋から保護し、キャップが好適には透明キャップ76を有する。キャップ70がやはりキャップ70から離れるキャップ76の反対方向に延在するロッド74を備える。ロッド74が用いられてカプラを内視鏡30に並ばせ、カプラ10の器具チャネル19に入る。キャップ70がカプラ10に配設されて初めて、キャップ70内の周囲溝71に存在するOリング72がカプラ10の視覚化部22へ下に摺動して、内視鏡30のカプラ10を保持するのを補助する。カプラ10の代わりのキャップ(表示せず)が縮んでカプラ10の上の透明プラスチックを包むが、その前に、ロッド74がカプラ10の器具チャネル19を通って配設されている。
【0086】
また、本発明に係るカプラが固定内視鏡30と共に用いられる。図19に示すように、カプラ10が0°端部表面34および視野Aを有する固定内視鏡に装着される。ほとんど固定の内視鏡の光学構造のために、器具用の内部ルーメン、または流体チャネルが可能でない。内視鏡30の外表面に平行に沿うチャネル49が内視鏡に装着され、カプラ10の側を通って向かわされ、カプラ10の外表面14を通る角度で出る。チャネル49の角度の付いた性質によって、チャネル49を貫通した器具がオペレータから視認され、内視鏡30の視野Aの中心に近い。図20に示すように、内視鏡30が角度の付いた端部表面34を有すると、チャネル49が直線で良く、その結果、内視鏡30の視野Bの中心に近い。内視鏡ファイバに接触するゲルレンズの表面に埋め込まれた小レンズが光を再配光し拡散して、ゲルレンズでの表面反射を減少する。
【0087】
図21に戻って、カプラ910が1つを超える材料で構成されて良い。カプラ30が第1ルーメン35、画像伝送ファイバ42およびレンズ40付の第2ルーメン36、および第3ルーメンを備える。カプラ910がカプラ910の視野位置981内に透明プラスチックまたはガラスレンズ40を有する。カプラ910の視野部981が好適にはショアOOスケールで30~40で、用いられて、光損失を低減し、倍率を少なくし、画像を再配光し、内視鏡30の焦点距離を変更する。内視鏡40の側のカプラ30に配された小レンズまたはミラー(表示せず)が光出力を再配光し、視野Aにおける反射を低減するか、視野A内に集光する。カプラ910がやはりショアOOスケールで6~15の器具チャネル部983、およびショアOOスケールで好適には80以上の構造部985を有する。
【0088】
続く例示がさらに発明を示すように提示されるが、何れも発明を限定するものではない
【0089】
例1
図4に類似のカプラを、米国ミシガン州のDow Corning Midlandから入手できるSylgard(登録商標)184シリコーンエラストマから形成した。このシリコーンが1.43の反射指標、およびショアOOスケールでジュロメータ約80を有する。単極電気焼灼ワイヤが、カプラ内に予備成形され、PentaxEG23430
11.4mm胃内視鏡の内視鏡作業チャネルを通って引かれる。ワイヤがBovie電気焼灼ユニットへ接続された。カプラが胃内視鏡の末端上を滑らされた。羊の開いた胸において、腸内視鏡が血液近接領域に進行されて電気焼灼し、ビデオ映像が煙の見えない状態で電気焼灼から黄色い炎/スパークを示した。
【0090】
例2
図4に類似のカプラを、Sylgard(登録商標)184シリコーンエラストマから形成した。カプラがPentaxEG23430 11.4mm胃内視鏡の端部に装着された。羊の食道壁い上の電気焼灼における好ましいビデオ映像が得られた。
【0091】
例3
図4に類似のカプラを、Sylgard(登録商標)184シリコーンエラストマから形成した。カプラがPentaxEG23430 11.4mm胃内視鏡の端部に装着された。羊の胃内の好ましいビデオ映像が得られた。
【0092】
例4
図4に類似のカプラを、Sylgard(登録商標)184シリコーンエラストマから形成した。カプラがPentax2931 9.8mm胃内視鏡の端部に装着された。羊の下部静脈ケーブ内の好ましいビデオ映像が得られた。静脈ケーブへの門脈入口が特定された。小さな血栓も特定された。
【0093】
例5
図1に類似のカプラを、米国マサチューセッツ州のFiarhavenのNye Lubricants,Inc.から入手できるシリコーンベース光学治療ゲルの、Curing Gel OC-451A―LPH15から形成した。このシリコーンゲルが1.51の反射指標、およびショアOOスケールでジュロメータ15を有する。カプラがPentax 9.8mm胃内視鏡の端部に装着された。豚の胃壁の好ましいビデオ映像が得られた。
【0094】
例6
図1に類似のカプラを、水およびジメチルスルホキシド(DMSO)から構成される混合溶液にポリビニルアルコール(PVA)溶液から形成した。豚の胃の好ましい画像が得られた。
【0095】
他のカプラの作動試作機が次で作られた。Nye Lubricants,Inc.から入手可能なOCK―451―80、OCK―451―LPH、OCK―451―LPH―15シリコーンベース光学治療ゲルDow Corning CY 52―276として入手可能な治療ジメチルビニル終端ジメチルシロキサン、ヒドロゲルレンズ、透明ポリ(ビニルアルコール)ヒドロゲル、Master Sil 151MEDとして利用可能な2成分、低粘度シリコーン化合物、および鉱油および粉末プラスチック。
【0096】
ハンドヘルドデバイス
【0097】
さて、図22A、22Bに戻って、ハンドヘルドデバイス1010が示される。ハンドヘルドデバイス1010がハンドル1012、フレーム1014、およびフレーム内のキャビティ1016を備える。キャビティ1016内に手術器具で穴開けでき容易に突き刺される透明部1018がある。透明部1018が光学カプラにつき前述のようなのと同じ材料で構成され、前述の通りと同じ多くの効果および優位を提供する。
【0098】
ハンドヘルドデバイス1010が様々な環境で使用される。たとえば、ハンドヘルドデバイス1010が血液のような不透明な液体91を患者の皮膚の裂傷近傍のなどの体腔51の壁54からずらす。そうする際に、透明部1018によって、医師が体腔51の壁54を視認できる。透明部1018の圧力がやはり凝固を補助する。透明部1018の上部表面および下部表面1020、1022が図示のようにカプラ対して前述のようにわずかに凸、平坦、または凹であるか、または他の任意の好ましい形状を備える。透明部1018が突き通されるので、医療器具60(ステイプラなど)が透明部1018を貫通するので、不透明な液体91が処置領域から除去されながら、医師が体腔51の壁54を処置できる。図22Bに示すように、ハンドル1012がフレーム1014に対して角度を有して、ハンドヘルドデバイスが処置領域近くに保持されたとき、医師の手に対してより広い隙間を設ける。
【0099】
また、ツール60に前以って占有された透明部1018の突き刺された部分を不透明な液体91が充填することなく医療器具60が外せるように透明部がセルフシーリングで良い。さらには、透明部1018がハンドヘルドデバイスから着脱できて、使用後に新しい透明部1018がハンドヘルドデバイス1010の消毒後に装着される。
【0100】
透明部がシリコーンエラストマ、シリコーンゲル、アルブミン系ゲル、鉱油系ゲル、エポキシ、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブタジエン、およびこれらの混合で構成されるグループから選択される材料で構成される。材料が架橋ポリシロキサンで良い。材料がポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸ヒドロキシエチル、ポリエチレングリコール、およびポリメタクリル酸で構成されるグループから選択されたヒドロゲルとされるて良い。
【0101】
言うまでもなく、ハンドヘルドデバイス1010が医療用途に限定されず、他の目的に用いられて良く、たとえば、光学カプラについて前述の産業用途などである。
【0102】
このように、本発明が内視鏡やボアスコープ、カメラなどに搭載される光学カプラを提供する。カプラが不透明な流体、半固形物、微粒子で覆われた表面の改善された光学画像を提供する。
【0103】
本発明を所定の実施形態を参照しながらかなり詳細に説明したが、例示の目的で表したりこれに限定されない、本発明が説明した実施形態以外で実施できることは当業者が想到できる。したがって、添付の特許請求の範囲が本明細書に含まれる実施形態の説明に当然に限定されないものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図12C
図12D
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17A
図17B
図17C
図18A
図18B
図19
図20
図21
図22A
図22B
図23A
図23B
【手続補正書】
【提出日】2022-01-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学画像化装置と協働するように構成された光学カプラであって、
表面領域の光学画像を伝送できる1つ又は複数の弾性材を含むと共に前記光学カプラの一端にある視覚化部と、
前記視覚化部に接続され、前記視覚部から離れて延びる取付部であって、光学画像を透過して伝送でき器具を貫通して送達できる弾性材を含む取付部と、を備え、
前記取付部が前記光学画像化装置に取り付けられると、前記視覚化部の少なくとも一部が前記光学画像化装置の光受容要素と位置決めされる、
光学カプラ。
【請求項2】
前記視覚化部を通って延在すると共に開口遠位端を有する器具チャネルをさらに備える、請求項1に記載の光学カプラ。
【請求項3】
前記器具チャネルは、前記視覚化部の弾性材とは異なる第2の弾性材を含む、請求項2に記載の光学カプラ。
【請求項4】
前記視覚化部は、器具が貫通し該器具の引き抜き後に再密閉可能であるように構成される、請求項2に記載の光学カプラ。
【請求項5】
前記視覚化部は、前記視覚化部の第1の外側境界から反対側の第2の外側境界まで延びる外表面を含む、請求項1に記載の光学カプラ。
【請求項6】
前記取付部の遠位端が、前記視覚化部の近接表面に向かって連続的に延び、前記視覚化部の前記近接表面及び前記取付部が、光学画像化装置を受け入れるための中空の円筒形開口部を画定する、請求項5に記載の光学カプラ。
【請求項7】
光学画像化装置と協働するように構成された光学カプラ装置であって、光学カプラを備え、該光学カプラが、
前記光学カプラの一端に存すると共に表面領域の光学画像を伝送することができる1つ又は複数の弾性材を含む視覚化部、
前記視覚化部に接続され、前記視覚化部から離れて延びる取付部であって、前記光学画像化装置の遠位端に取り付けられるように寸法が決められている取付部、及び
前記光学カプラの外表面に出る1つ又は複数のチャネル、を備えている、
光学カプラ装置。
【請求項8】
前記1つ又は複数のチャネルが前記光学画像化装置の外表面に隣接している、請求項7に記載の光学カプラ装置。
【請求項9】
前記1つ又は複数のチャネルが、前記光学カプラの前記視覚化部の前記外表面に所定角で出る、請求項7に記載の光学カプラ装置。
【請求項10】
前記1つ又は複数のチャネルが、前記光学カプラに対して、前記1つ又は複数のチャネルの1つを貫通する器具が前記光学画像化装置の視野内に維持されるように配置されている、請求項7に記載の光学カプラ装置。
【請求項11】
前記1つ又は複数のチャネルが、前記光学カプラに可動式に結合されている、請求項7に記載の光学カプラ装置。
【請求項12】
前記光学画像化装置が、患者の開口部を貫通するカニューレを備え、
前記光学カプラが、前記光学カプラに結合され前記光学画像化装置の前記カニューレを実質的に取り囲むような寸法が決められている外部シースをさらに備える、請求項1に記載の光学カプラ。
【請求項13】
前記シースが前記光学カプラに結合される、請求項12に記載の光学カプラ。
【請求項14】
前記シースを貫通して延びる1つ又は複数の中空チャネルをさらに備える、請求項13に記載の光学カプラ。