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特開2022-44728コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044728
(43)【公開日】2022-03-17
(54)【発明の名称】コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/69 20140101AFI20220310BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20220310BHJP
【FI】
A63F13/69 510
A63F13/79
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022009791
(22)【出願日】2022-01-26
(62)【分割の表示】P 2019137431の分割
【原出願日】2019-07-26
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】100212923
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 貴雄
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
(72)【発明者】
【氏名】津原 一成
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 文子
(57)【要約】
【課題】興趣のあるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供すること。
【解決手段】本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータ装置を、ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機としていずれかのゲーム媒体をユーザの識別情報と関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段として機能させ、ユーザが最初に媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスとスタートマスが指定されたのちにユーザが媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスとで構成される複数のマスが所定の経路上に配置されており、スタートマスは、少なくとも2つの選択実行マスとつながっており、複数のマスのそれぞれは、経路上で少なくとも1つの他のマスとつながっており、媒体選択実行手段は、ユーザが媒体選択の要求のために経路に沿って順にマスを指定したことに基づいて、当選媒体をユーザの識別情報と関連づける。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザと関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスと、を少なくとも含む複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、
前記ユーザの操作によって前記媒体選択の要求のために前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザと関連づけ、
所定値以上のパラメータを備える特定のゲーム媒体が前記特定のゲーム媒体以外の前記ゲーム媒体よりも先に前記当選媒体として選択されうるように前記経路上の前記マスの並び順を変更する、
コンピュータプログラム。
【請求項2】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザと関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスと、を少なくとも含む複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、前記ユーザの操作によって前記媒体選択の要求のために前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザと関連づけ、
前記経路上の少なくとも一部の前記マスおよび/または前記経路自体の少なくとも一部は、前記ユーザが視認することができないように構成される、
コンピュータプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザと関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスと、を少なくとも含む複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、
前記ユーザが前記媒体選択を要求するにあたって、所定の価値媒体と前記ユーザとの関連づけを解除するための前記ユーザの操作を受けつけ、
前記ユーザの操作によって前記媒体選択の要求のために前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザと関連づけ、
前記ユーザによって指定された前記マスの種類または個数に応じた数量および/または種類の前記価値媒体と、前記ユーザとの関連づけを解除する、
コンピュータプログラム。
【請求項4】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザと関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスと、を少なくとも含む複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、
前記ユーザの操作によって前記媒体選択の要求のために前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザと関連づけ、
指定されたマスに対し、次の前記媒体選択の際に前記ユーザが指定することができないようにするための指定不可処理を実行し、
前記媒体選択の要求状況に応じて、前記指定不可処理を解除するとともに、前記経路上の前記マスおよび前記マスに関連づけられる前記当選媒体を再設定する、
コンピュータプログラム。
【請求項5】
前記指定不可処理が実行されたマスは、前記ユーザが視認することができるように構成される、
請求項4に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
コンピュータを、
ユーザの操作に基づいて実行される所定のゲームの進行を管理するゲーム進行管理手段、および
前記ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザと関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に使用されるスタートマスと、前記スタートマスが使用されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に使用される複数の選択実行マスと、を少なくとも含む複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、前記ゲームの進行状況と前記媒体選択の際に使用される前記マスとを連動させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
前記媒体選択手段は、前記媒体選択の際に使用される前記マスを前記ゲームの進行状況に基づいて選択する、
請求項6に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、
前記コンピュータプログラムを実行する制御部と
を備える、
コンピュータ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータプログラム、およびコンピュータ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザによる抽選要求(ガチャ要求)を受けつけたことを契機として、ユーザに付与するゲーム媒体を選択するための、いわゆるガチャと呼ばれる抽選が実行されるゲームが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
ガチャによって選択されたゲーム媒体に関する情報は、ユーザの識別情報と関連づけられる。そして、ユーザの識別情報と関連づけられたゲーム媒体に関する情報は、ユーザのゲーム装置へ送信される。これにより、ゲーム媒体がユーザに付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-247977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のガチャは、抽選が実行されて当選したキャラクタがユーザに付与されるだけであり、面白味に欠けるものであった。そのため、ガチャが単調な作業となり、抽選に対する期待感が薄れる原因となっていた。
【0006】
本発明の目的は、興趣のあるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、
コンピュータ装置を、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが最初に前記媒体選択を要求する場合に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数の選択実行マスと、で構成される複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記選択実行マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、前記ユーザの操作によって前記媒体選択の要求のために前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0008】
また、第1の発明において、
前記媒体選択実行手段は、前記ユーザの操作によって前記マスが指定されると、指定された前記マスにあらかじめ関連づけられている前記ゲーム媒体を前記当選媒体として前記ユーザの識別情報と関連づけてもよい。
【0009】
また、第1の発明において、
前記媒体選択実行手段は、前記ユーザの操作によって前記マスが指定されると、いずれかの前記ゲーム媒体を選択する媒体抽選を実行し、選択された前記ゲーム媒体を指定された前記マスに前記当選媒体として関連づけ、指定された前記マスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザの識別情報と関連づけてもよい。
【0010】
また、第1の発明において、
前記マスには、所定の種類の前記当選媒体が関連づけられる可能性が高いことを示唆する示唆マスが含まれていてもよい。
【0011】
また、第1の発明において、
前記媒体選択実行手段は、所定の条件が満たされた場合に、前記経路上の前記選択実行マスの並び順を変更してもよい。
【0012】
また、第1の発明において、
前記経路上には、前記ユーザの操作によって指示された場合にゲームに関わる所定のパラメータが上昇する特典マスが配置されていてもよい。
【0013】
また、第1の発明において、
前記媒体選択実行手段は、前記スタートマスから延びる前記経路の数の抽選、経路ごとに含まれる前記マスの数の抽選、前記経路を構成する経路パターンの抽選、および前記マスごとに関連づけられる当選キャラクタの抽選の少なくともいずれか1つを実行してもよい。
【0014】
また、第1の発明において、
期間があらかじめ定められたイベントが複数用意されており、
前記媒体選択実行手段は、前記イベントごとに、前記経路の先に別の前記マスが設けられていないマスである終点マスが指定された回数を累積し、累積された回数が所定回数以上となった場合に、特典を前記ユーザの識別情報と関連づけてもよい。
【0015】
第2の発明は、
コンピュータ装置を、
所定のタイミングで、抽選リストに含められたゲーム媒体のうちのいずれかの前記ゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザによって最初に指定されるスタートマスと、前記スタートマスが指定されたのちに前記ユーザによって指定される複数の選択実行マスと、で構成される複数のマスが所定の経路上に配置されており、
前記スタートマスは、少なくとも2つの前記選択実行マスとつながっており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、
所定のゲームの進行状況が所定の条件を満たした場合に、前記ユーザによって前記経路に沿って順に前記マスが指定されたことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記ゲーム媒体を前記抽選リストに含め、
前記所定のタイミングで、前記抽選リストに含められた前記ゲーム媒体のうちから前記当選媒体を決定し、決定された前記当選媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける、
コンピュータプログラムである。
【0016】
第3の発明は、第1および第2の発明のコンピュータプログラムを記憶する記憶部と、前記コンピュータプログラムを実行する制御部と、を備える、
コンピュータ装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、興趣のあるガチャを提供することのできるコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施形態における、ゲームシステムの構成を示す図である。
図2】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図3】本実施形態における、経路およびマスの模式図を示す一例である。
図4】本実施形態における、経路およびマスの模式図を示す一例である。
図5】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図6】本実施形態における、ゲームシステムで実行されるゲームのゲーム画面の一例を示す図である。
図7】本実施形態における、ツリー構造ガチャ処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態]
本発明の実施形態にかかるゲームシステム1について、図1図7を参照して説明する。ゲームシステム1は、図1のとおり、サーバ装置2とゲーム装置3とを備える。
【0020】
<ゲームの説明>
コンピュータ装置であるサーバ装置2により、ゲーム装置3で実行される下記のゲームが提供される。具体的には、ゲーム装置3では、ユーザがタッチパッド350を介して仮想ゲーム空間上のプレイヤキャラクタを操作して進行する複数のステージ(以下、「クエスト」という。)を備える所定のゲームが実行される。
【0021】
本実施形態において、ゲーム装置3にて実行されるゲームには、ユーザの操作に基づいて使用キャラクタとして設定されるとともにユーザが操作するプレイヤキャラクタが敵キャラクタであるモンスターを討伐するクエストパートがある。例えば、ゲーム中の1つのクエストでは、制限時間内にプレイヤキャラクタがモンスターを討伐すればそのクエストのクリア条件が満たされる。このクエストは、ユーザがタッチパッド350を操作することで進行する。
【0022】
また、このゲームには、前記クエストパートのほか、媒体選択(ガチャ)パートがある。このガチャパートでは、複数種類のゲーム媒体のうちからいずれかのゲーム媒体が選択される。具体的には、ガチャパートでは、ユーザがゲームを有利に進めることができるよう、より強力な装備、あるいは、より能力値の高いキャラクタなどのゲーム媒体に関する情報とユーザの識別情報とが関連づけられる。
【0023】
本実施形態のガチャパートにおいては、複数のガチャイベントが用意されている。ガチャイベントには、例えば、期間限定で実施されるガチャイベント、あるいは常時実施されるガチャイベントなどがある。ユーザは、いずれかのガチャイベントを選択したのち、そのガチャイベントのために用意された選択リスト(ガチャリスト)に基づいてガチャを実行することができる。
【0024】
また、それぞれのガチャイベントにおいては、1回の選択要求(ガチャ要求)で1体のキャラクタを選択する単発ガチャと、1回のガチャ要求で10体のキャラクタを選択する10連ガチャとが用意されている。以下では、単発ガチャの例が記載されている。
【0025】
本実施形態においてガチャで選択されるゲーム媒体はキャラクタである。また、ユーザに付与されるキャラクタには、それぞれパラメータの種類として体力値、スキル値のほか、属性、レアリティ(希少度)が設けられている。
【0026】
例えば、本実施形態では、キャラクタに設定される属性には、火属性、水属性、風属性などがパラメータとして設けられており、レアリティには、ノーマル、レア、激レア、超激レアなどがパラメータとして設けられている。各キャラクタには、いずれか1つの属性およびレアリティが設定されている。
【0027】
以下では、キャラクタとユーザの識別情報とを関連づけ、ユーザの識別情報が関連づけられたキャラクタに関する情報を当該ユーザのゲーム装置3へ送信することを、「キャラクタをユーザに付与する」という場合がある。
【0028】
ユーザは、ガチャによって得られたキャラクタを使用キャラクタとして設定することができる。
【0029】
<ハードウェア構成>
図1を参照して、サーバ装置2のハードウェア構成および機能的構成、ならびに前記ゲームが実行されるゲーム装置3のハードウェア構成および機能的構成について説明する。
【0030】
なお、ゲーム装置3には、そのゲーム装置3に対応づけてユーザアカウントが付与される。このユーザアカウントはユーザアカウント情報(ユーザの識別情報)として管理される。
【0031】
ゲーム装置3が通信ネットワーク4を介してサーバ装置2と通信を行う場合には、そのゲーム装置3からユーザの識別情報が送信される。送信されたユーザの識別情報は、サーバ装置2において所定の認証がなされる。これにより、サーバ装置2とゲーム装置3との通信が可能となる。
【0032】
また、ユーザには、ゲームをプレイするにあたってゲームアカウントが付与される。ゲームアカウントは、ゲームアカウント情報として管理される。
【0033】
<サーバ装置2のハードウェア構成>
サーバ装置2は、図1のとおり、制御部20、記憶部21、およびネットワークインターフェース22を備える。
【0034】
記憶部21およびネットワークインターフェース22は、バス200を介してサーバ装置2の制御部20に接続される。
【0035】
制御部20は、サーバ装置2の動作を制御する。
【0036】
記憶部21は、主にHDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)で構成される。
【0037】
記憶部21には、例えば、ゲーム装置3にてプレイされるゲームを実行するためのゲームプログラムを配信するための配信プログラムおよびデータが記憶される。
【0038】
ネットワークインターフェース22は、サーバ装置2とゲーム装置3との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。
【0039】
<サーバ装置2の制御部20の機能的構成>
サーバ装置2の制御部20は、図1のとおり、本発明のコンピュータプログラムを実行することにより、照合手段201、ゲーム進行管理手段202、媒体選択実行手段203、および通信手段204として機能する。
【0040】
<照合手段201の説明>
照合手段201は、ゲーム装置3から送信されるユーザの識別情報を用いて、ユーザアカウントの認証を行う。
【0041】
<ゲーム進行管理手段202の説明>
ゲーム進行管理手段202は、ゲーム装置3のユーザからの操作信号を受信して、ゲームの本編の進行状況を管理する。具体的には、ゲーム進行管理手段202は、例えば、仮想ゲーム空間でキャラクタを動作させたり、キャラクタの体力値を管理したりする。
【0042】
また、ゲーム進行管理手段202は、後述の通信手段204を介してゲームの本編の進行状況をゲーム装置3へ送信する。
【0043】
<媒体選択実行手段203の説明>
媒体選択実行手段203は、通信手段204を介してゲーム装置3から後述のガチャ要求情報を受信したことを契機としてガチャを実行する。
【0044】
具体的には、ユーザの操作によって後述のマス343が指定されたのちにガチャが要求された場合には、媒体選択実行手段203は、指定されたマス343にあらかじめ関連づけられているキャラクタ(当選キャラクタ)に関する情報(どのキャラクタがどのマス343に関連づけられたかに関する情報)を生成する。
【0045】
マス343は、図3のとおり、ユーザが最初にガチャを要求する場合に指定されるスタートマス343aと、スタートマス343aが指定されたのちにユーザがガチャを要求する場合に指定される複数の選択実行マス343bとで構成される。すなわち、マス343のうち、1つのスタートマス343a以外のマス343が選択実行マス343bである。
【0046】
また、1つのマス343には、ガチャリストに基づいて、1体の当選キャラクタが関連づけられている。
【0047】
ガチャに用いられるガチャリストは、ガチャのイベントごとに用意されている。
【0048】
また、ユーザは、例えば、図2における仮想ボタン341を押下することによりガチャイベント1を選択することができ、仮想ボタン342を押下することによりガチャイベント2を選択することができる。そして、ガチャイベント1にはガチャイベント1用のガチャリストが用意されており、ガチャイベント2にはガチャイベント2用のガチャリストが用意されている。
【0049】
媒体選択実行手段203は、ユーザがある1つのガチャイベントを初めて選択したときに、複数ある経路パターンのうちから1つの経路パターンを抽選で決定する。
【0050】
なお、本実施形態において、経路パターンは、ユーザごとに決定される。
【0051】
図3図4の経路パターンの例では、スタートマス343aは、5つの選択実行マス343bとつながっている。
【0052】
スタートマス343aとつながっている5つの選択実行マス343bには、スタートマス343aから遠ざかる方向に経路が形成されている。そして、経路上には、複数の選択実行マス343bが配置されている。
【0053】
複数のマス343のそれぞれは、経路上で少なくとも1つの他のマス343とつながっている。このように、経路パターンは、ツリー構造で形成されている。
【0054】
また、媒体選択実行手段203は、ユーザがある1つのガチャイベントを初めて選択したときに、ユーザごとに決定された経路パターンに基づいて、経路上のマス343(スタートマス343aおよび選択実行マス343b)に関連づけるキャラクタ(当選キャラクタ)を決定する。具体的には、媒体選択実行手段203は、前述のとおり、ガチャイベント用に用意されたガチャリストに含まれるすべてのキャラクタをマス343のいずれかに関連づける。
【0055】
この際に、媒体選択実行手段203は、例えば、経路上で順路の終点マスである選択実行マス343b(その先に選択実行マス343bが設けられていない選択実行マス343b)に最高レアリティである超激レアのキャラクタが関連づけられやすいようにすることもできる。
【0056】
これらの経路パターンおよび当選キャラクタは、記憶部21に記憶される。
【0057】
また、媒体選択実行手段203は、マス343に関連づけられた当選キャラクタに基づいて、マス343の示唆演出を決定する。図3では、マス343の色が濃いほど、関連づけられているキャラクタのレアリティが高い可能性があることを示唆している。
【0058】
なお、図3のように濃い色のマス343のほうがレアリティの高いキャラクタが関連づけられている可能性が高いが、必ずしも高いレアリティのキャラクタが当選キャラクタとなるわけではない。
【0059】
例えば、あるマス343に関連づけられている当選キャラクタのレアリティが激レアである場合には、そのマス343に関連づけられている当選キャラクタのレアリティが激レアであることが示唆される確率が70%、レアリティがノーマルであることが示唆される確率が10%などのように設定される。
【0060】
ユーザは、液晶画面340に表示された経路上のマス343の示唆演出を見て、経路上の矢印に沿って順に、マス343を指定することができる。一方、本実施形態では、ユーザは矢印の逆方向のマス343を指定することができない。
【0061】
ユーザが1つのマス343を指定すると、ゲーム装置3の媒体選択要求手段302が、指定されたマス343の情報(マス指定情報)およびガチャ要求情報をサーバ装置3へ送信する。
【0062】
また、媒体選択実行手段203は、ゲーム装置3から送信されたマス指定情報およびガチャ要求情報を受信すると、指定されたマスに関連づけられているキャラクタの情報から当選キャラクタに関する情報を生成する。そして、この当選キャラクタに関する情報は、通信手段205を介して、ゲーム装置3へ送信される。
【0063】
すなわち、媒体選択実行手段203は、ユーザの操作によってマス343が指定されてガチャが要求されると、指定されたマス343にあらかじめ関連づけられている当選媒体をユーザに付与する。
【0064】
また、一度指定されたマス343については次回のガチャ要求のときにユーザが指定することができないように、媒体選択実行手段203は、当該マス343に対してマス指定不可処理を実行する。具体的には、媒体選択実行手段203は、一度指定されたマス343を非アクティブ化し、その後、当該マス343をユーザが指定することができないようにする。図4の例では、黒色のマス343が、マス指定不可処理が実行されたマス343である。
【0065】
このように、本発明によれば、いったん経路パターンおよび当選キャラクタが決定されれば、その後にガチャ要求がなされても選択処理は実行されない。そのため、サーバ装置2の処理負荷を小さくすることができる。
【0066】
なお、ユーザがガチャイベントおよびマス343を選択したのち、「単発ガチャ」を要求した場合(図5における仮想ボタン344がタッチされた場合)には、媒体選択実行手段203は、ユーザによる1回のガチャ要求で1体のキャラクタを選択する。
【0067】
図6は、ガチャが実行されたあとのゲーム画面を示す例である。キャラクタ表示枠345には、ガチャによって選択されたキャラクタ名(図6の例では、「キャラクタG」)、当該キャラクタの属性(図6の例では、「水属性」)、および当該キャラクタのレアリティ(図6の例では、「ノーマル」)が表示されている。
【0068】
<通信手段204の説明>
通信手段204は、ゲーム装置3との間で、ユーザの識別情報、ゲームプログラム、ゲームアカウント情報、および課金アイテムなどのゲームデータなどを送受信する。
【0069】
また、通信手段204は、ユーザによる操作信号、マス指定情報、ガチャ要求情報などをゲーム装置3から受信する。通信手段204が受信したガチャ要求情報は媒体選択実行手段203へ送信される。
【0070】
また、通信手段204は、媒体選択実行手段203が生成した当選キャラクタなどをゲーム装置3へ送信する。
【0071】
<ゲーム装置3のハードウェア構成>
ゲーム装置3は、図1のとおり、スピーカ330、液晶画面340、およびタッチパッド350が内蔵される、例えば、スマートフォンなどの端末装置である。このゲーム装置3において、サーバ装置2から配信されたゲームに関するゲームプログラムおよびデータに基づいてゲームが進行する。
【0072】
また、ゲーム装置3は、サーバ装置2との間で、インターネットあるいはLANなどの通信ネットワーク4を介して互いにデータ通信をすることができる。
【0073】
ゲーム装置3は、制御部30、記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35を備える。
【0074】
記憶部31、ネットワークインターフェース32、オーディオ処理部33、グラフィック処理部34、および操作部35は、バス300を介して、制御部30に接続される。
【0075】
制御部30は、ゲーム装置3の動作を制御する。
【0076】
記憶部31は、主にHDD、RAMおよびROMで構成される。記憶部31には、例えば、ゲームを実行するためのゲームプログラムおよびデータが記憶される。
【0077】
ネットワークインターフェース32は、ゲーム装置3とサーバ装置2との間でデータを送受信するために、通信ネットワーク4に接続される。これにより、ゲーム装置3にゲームプログラムおよびゲームデータがダウンロードされる。
【0078】
オーディオ処理部33は、制御部30の指示に従ってデジタルのゲーム音声を再生および合成する。また、オーディオ処理部33には、スピーカ330が接続される。ゲーム音声は、スピーカ330から出力される。
【0079】
グラフィック処理部34は、制御部30の指示に従って仮想ゲーム空間およびプレイヤキャラクタなどを含むゲーム画像を動画形式で描画する。グラフィック処理部34にて動画形式に描画されたゲーム画像は、ゲーム画面として液晶画面340に表示される。
【0080】
操作部35には、ユーザからの操作信号が入力される。本実施形態において操作部35には、入力位置検出装置であるタッチパッド350を介してユーザからの操作信号が入力される。ユーザはタッチパッド350をタッチすることによって、キャラクタの選択、クエストの選択、あるいは、プレイヤキャラクタの操作等を行う。
【0081】
<ゲーム装置3の制御部30の機能的構成>
ゲーム装置3の制御部30は、サーバ装置2からダウンロードされたゲームプログラムを実行することで、図1のとおり、ゲーム実行手段301、媒体選択要求手段302、および通信手段303として機能する。
【0082】
<ゲーム実行手段301の説明>
ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作に基づいて、クエストパートおよびガチャパートを備えるゲームをゲーム装置3に実行させる。
【0083】
ゲーム実行手段301は、ユーザからの操作信号およびサーバ装置2のゲーム進行管理手段202から送信される情報などに基づいてゲームを進行させる。
【0084】
具体的には、ゲーム実行手段301は、ゲームデータに含まれるゲーム空間オブジェクトおよびテクスチャなどのデータを記憶部31から読み出し、二次元または三次元の仮想ゲーム空間を生成する。
【0085】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間にプレイヤキャラクタを配置する。そして、ゲーム実行手段301は、ユーザによるタッチパッド350の操作、および、ゲーム進行管理手段202から送信されるゲームの進行状況に応じて、仮想ゲーム空間におけるプレイヤキャラクタの行動を制御する。
【0086】
また、ゲーム実行手段301は、仮想ゲーム空間、プレイヤキャラクタ、および仮想操作ボタンをゲーム画面として液晶画面340に表示するための情報を生成する。これらの情報に従って、グラフィック処理部34が液晶画面340上にゲーム画像を描画する。
【0087】
例えば、液晶画面340には、図2図5図6のとおり、画面上部から「ユーザランク」、アイテムである「石」(石の数)などが表示される。なお、このアイテム(石)は、ユーザが購入することにより、または、ログインボーナスなどにより、ユーザに付与される。
【0088】
また、ゲーム実行手段301は、ユーザの識別情報と関連づけられた当選キャラクタに関する情報を受信したのち、これらの情報を液晶画面340に表示させる。
【0089】
<媒体選択要求手段302の説明>
媒体選択要求手段302は、ユーザの操作に基づいてマス343が指定されるとマス指定情報を生成する。
【0090】
また、媒体選択要求手段302は、ユーザの操作に基づいて必要な量のアイテム(石)を消費してガチャ要求を行う。ガチャ要求が行われると、媒体選択要求手段302はガチャ要求情報を生成する。
【0091】
具体的には、媒体選択要求手段302は、図5のとおり、ユーザがボタン344を押下した場合には、ガチャ要求情報を生成する。
【0092】
これらのマス指定情報およびガチャ要求情報は、通信手段303を介してサーバ装置2へ送信される。
【0093】
そして、サーバ装置2がマス指定情報およびガチャ要求情報を受信したのち、サーバ装置2にて、対応するガチャが実行される。
【0094】
<通信手段303の説明>
通信手段303は、例えば、サーバ装置2からゲームに関するゲームプログラム、および当選キャラクタに関する情報、などの情報を受信する。
【0095】
また、通信手段303は、例えば、ユーザの操作に基づいて、ユーザの識別情報、ゲームアカウント情報、新たなゲームデータのダウンロード要求情報、ユーザによる操作信号、マス指定情報、および、ガチャ要求情報などの情報をサーバ装置3へ送信する。
【0096】
<ツリー構造ガチャ処理の説明>
以下、図7を参照して、本発明のツリー構造ガチャ処理について説明する。なお、後述の制御手段および処理手順は一例であり、本発明の実施形態はこれらには限られない。処理手順等は、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜設計変更が可能である。
【0097】
まず、ゲーム装置3の媒体選択要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、ガチャイベントを選択する(ステップS1)。
【0098】
ついで、サーバ装置2の媒体選択実行手段203が、選択されたガチャイベントが初めて選択されたガチャイベントであるか否かを判定する(ステップS2)。
【0099】
選択されたガチャイベントが初めて選択されたガチャイベントであると判定された場合(S2:YES)には、媒体選択実行手段203が、経路パターンおよび当選キャラクタを決定し(ステップS3)、記憶部21に経路パターンおよび当選キャラクタを記憶させる。
【0100】
一方、選択されたガチャイベントが初めて選択されたガチャイベントではないと判定された場合(S2:NO)には、媒体選択実行手段203が、記憶部21からすでに決定されている経路パターン、マス指定不可処理が実行されたマス343、および当選キャラクタを読み出す(ステップS11)。
【0101】
ついで、媒体選択実行手段203が、通信手段205を介して、経路に関する情報をゲーム装置3へ送信する。これにより、図3図4のような経路がゲーム装置3の液晶画面340に表示される(ステップS4)。
【0102】
ついで、媒体選択要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、マス343(スタートマス343aあるいは選択実行マス343b)を指定する(ステップS5)。これにより、媒体選択要求手段302は、マス指定情報を生成する。
【0103】
ついで、媒体選択要求手段302が、ユーザの操作に基づいて、ガチャ要求を実行する(ステップS6)。これにより、マス指定情報およびガチャ要求情報がゲーム装置3へ送信される。
【0104】
ついで、媒体選択実行手段203が、ガチャの要求に必要な量の石とユーザの識別情報との関連づけを解除する。これにより、必要量の石が消費される(ステップS7)。
【0105】
ついで、媒体選択実行手段203が、指定されたマス343にあらかじめ関連づけられているキャラクタを当選キャラクタとして、当選キャラクタの情報を生成する(ステップS8)。
【0106】
ついで、媒体選択実行手段203が、通信手段205を介して当選キャラクタの情報をゲーム装置3へ送信する。これにより、当選キャラクタがユーザに付与される(ステップS9)。
【0107】
ついで、媒体選択実行手段203が、指定されたマス343が次回以降のガチャ要求時に選択されないようにするためのマス指定不可処理を実行し(ステップS10)、その情報を記憶部21に記憶させる。その後、本発明のツリー構造ガチャ処理は終了する。
以上の手順により、本発明のツリー構造ガチャ処理が実行される。
【0108】
以上をまとめると、本実施形態のコンピュータプログラムは、
サーバ装置2を、
ユーザの操作に基づいてガチャが要求されたことを契機として、いずれかのキャラクタをユーザに付与するための当選キャラクタとして決定する媒体選択実行手段203、
として機能させ、
ユーザが最初にガチャを要求する場合に指定されるスタートマス343aと、スタートマス343aが指定されたのちにユーザがガチャを要求する場合に指定される複数の選択実行マス343bと、で構成される複数のマス343が所定の経路上に配置されており、
スタートマス343aは、5つの選択実行マス343bとつながっており、
複数のマス343のそれぞれは、経路上で少なくとも1つの他のマス343とつながっており、
媒体選択実行手段203は、ユーザの操作によってガチャの要求のために経路に沿って順にマス343が指定されたことに基づいて、指定されたマス343にあらかじめ関連づけられている当選キャラクタをユーザに付与する。
【0109】
<発明の効果>
本実施形態のコンピュータプログラムによれば、興趣のあるガチャを提供することができる。
【0110】
[他の実施形態]
前記実施形態とは異なり、媒体選択実行手段が、所定の条件が満たされた場合(例えば、ユーザが所定の操作を行った場合、ユーザが課金を行った場合、所定のゲーム進行状況となった場合)に、経路上の選択実行マスの並び順を変更してもよい。
【0111】
この経路上の選択実行マスの並び順の変更は、経路パターン(マスの位置)を変更せずに、あるマスに対応づけられた当選キャラクタを他のマスの当選キャラクタとなるように入れ替えることにより実行する。
【0112】
また、この経路上の選択実行マスの並び順の変更は、あるマスに対応づけられた当選キャラクタは変更せずに、経路パターン(マスの位置)を変化させることにより実行してもよい。
【0113】
また、媒体選択実行手段は、所定の条件が満たされた場合に、激レア以上のレアリティを備えるキャラクタがガチャによって選択されやすくなるように、経路上の選択実行マスの並び順を変更することができる。
【0114】
また、所定の条件が満たされた場合に、つぎの選択実行マスがスキップされてもよい。すなわち、所定の条件が満たされた場合には、ユーザは、つぎの選択実行マスのさらにつぎの選択実行マスを指定することができてもよい。
【0115】
前記実施形態においては、複数の経路パターンから1つの経路パターンを選択し、経路の終点マス(その先にマスが設けられていないマス)に最高レアリティのキャラクタが関連づけられやすい例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、媒体選択実行手段が経路を作成するにあたって、最高レアリティである超激レアのキャラクタが抽選で決定されたときにそのマスが終点マスに設定されてもよい。
【0116】
さらには、経路を作成するにあたっては、最初に終点マスの個数を決定し、その終点マスまでの経路はランダムに自動生成されてもよい。
【0117】
なお、経路を作成するにあたって、スタートマスから延びる経路の数の抽選、経路ごとに含まれるマスの数の抽選、経路ごとの経路パターンの抽選(スタートマスから終点マスまでの最短距離の抽選を含む)およびマスごとに関連づけられる当選キャラクタの抽選を適宜組み合わせて実行されてもよい。
【0118】
また、ガチャイベントごとに、終点マスに到達した回数を累積し、この終点マス到達累積回数が所定数を超えた場合に特典(例えば、高レアリティのキャラクタ)をユーザに付与してもよい。例えば、抽選によって決定された経路パターン(スタートマスから終点マスまでの最短距離)が短い場合には、それだけ早く終点マスに到達することとなる。これにより、ユーザは、終点マス到達累積回数を増やすことが容易となる。
【0119】
この場合には、経路ごとに抽選によって決定された経路パターン(スタートマスから終点マスまでの最短距離)が異なるので、ユーザはどの経路を進むべきかを、経路パターンおよびマスごとの当選キャラクタの示唆から判断することができる。
【0120】
終点マスまで到達した場合には、ユーザは同じ経路の中でまだ通っていないマスを順に指定することができてもよい。また、ユーザはスタート地点に戻って他の経路を指定することができてもよいし、決定された当選キャラクタおよび経路パターンなどがリセットされ、再度当選キャラクタを決定すべく経路パターンなどの諸々の抽選が実施されてもよい。
【0121】
また、前記実施形態では、経路の順路(図3の矢印)が決定されている例が記載されているが、経路の順路が決定されていなくともよい。この場合には、ユーザは、経路上でつながっている、つぎの選択実行マスを順に選択することができる。
【0122】
また、前記実施形態では、矢印の方向に沿って経路を進んでいく例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、矢印のないところにおいても、所定の条件が満たされた場合(例えば、所定のクエストをクリアした場合)に隠し経路が表示されるようになっていてもよい。
【0123】
この場合には、媒体選択実行手段は、隠し経路に設定されたマスのそれぞれに対しても当選キャラクタを決定し、所定の条件が満たされるまでそのマスおよび当選キャラクタの情報を非表示としておくことができる。
【0124】
また、すべてのマスおよび経路が、あらかじめユーザが確認可能なように表示されていてもよいし、一部が非表示であってもよい。例えば、スタートマスおよびユーザの指定したマスから所定の範囲(2マス先など)のマスを表示可能範囲とし、表示可能範囲外ではどのようなマスが配置されているかユーザが確認できないようにしてもよい。これにより、ユーザがマスを進めると表示範囲が増えていき、ユーザに経路を探索する楽しみを与えることができる。
【0125】
また、前記実施形態では、1回のガチャ要求で1体の当選キャラクタが付与される単発ガチャの例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、1回のガチャ要求で10体の当選キャラクタが付与される10連ガチャに本発明を適用することもできる。この場合には、例えば、ユーザが、経路に沿って順に10個のマスを任意に選択してガチャ要求を実行することができればよい。
【0126】
さらには、任意の個数のマスをユーザが指定することができ、指定された個数に基づいて石の消費量が決定されてガチャが実行されてもよい。
【0127】
また、前記実施形態とは異なり、指定されたマスにあらかじめ関連づけられている当選キャラクタがユーザの識別情報と関連づけられるのではなくてもよい。具体的には、媒体選択実行手段が、ユーザの操作によってマスが指定されると、いずれかのキャラクタを選択する媒体抽選を実行し、選択されたキャラクタを指定されたマスに当選キャラクタとして関連づけ、指定されたマスに関連づけられた当選媒体をユーザに付与してもよい。
【0128】
また、前記実施形態とは異なり、経路上には、ユーザの操作によって指示された場合に、ゲームに関わる所定のパラメータが上昇する特典マスが配置されていてもよい。この場合には、ユーザが特典マスを指定するだけで、例えば、キャラクタのレベルが上がったり、キャラクタのスキル値が上がったり、キャラクタが特殊な技を覚えたりしてもよい。
【0129】
また、マスの指定に必要なアイテム(石)の量が異なっていてもよい。例えば、激レア以上のキャラクタが当選しやすいマスでは石の必要量が20個であり、それ以外のマスでは石の必要量が10個であってもよい。
【0130】
また、マスの指定に必要なアイテムの種類が異なっていてもよい。例えば、激レア以上のキャラクタが当選しやすいマスではユーザが課金によって入手した石(有償石)の消費を条件とし、それ以外のマスでは石の種類に条件を設けない(ログインボーナス等によって入手した無償石を含む)ようにしてもよい。
【0131】
なお、マスの指定に必要なアイテムの量または種類は、経路ごとに異なっていてもよい。
【0132】
また、前記実施形態とは異なり、光属性専用経路、闇属性専用経路、激レア以上専用経路など、特定のパラメータ専用の経路が設けられていてもよい。
【0133】
また、前記実施形態においては、ユーザごとに経路パターンおよび当選キャラクタが決定される例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ユーザを所定の規則に従ってグループ分けし、ユーザのグループごとに経路パターンおよび当選キャラクタが決定されてもよい。
【0134】
また、すべてのユーザについて、経路パターンは同じであるが、ユーザごとにマスに関連づけられている当選キャラクタが異なっていてもよい。
【0135】
また、経路上のすべてのマスの例えば80%以上の個数のマスについてマス指定不可処理が実行されている場合には、媒体選択実行手段は、ユーザの操作に基づいて、経路パターンおよび当選キャラクタの再抽選(再設定あるいは初期化)を実行することができてもよい。
【0136】
また、前記実施形態において、経路パターンおよび当選キャラクタが決定されるタイミングは、ユーザが初めてガチャイベントを選択したときである例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、ガチャイベントが発生したとき、あるいは、ユーザがガチャイベントに基づいて初めてガチャ要求を行ったときに、経路パターンおよび当選キャラクタが決定されてもよい。
【0137】
またさらに、例えば、あるガチャイベントが発生したときに経路パターンのみが先に決定され、その後にユーザがそのガチャイベントに基づいて初めてガチャを要求したときに抽選が実行されて当選キャラクタが決定されてもよい。
【0138】
また、媒体選択実行手段は、経路パターンが所定の規則に従っている場合には、所定の特典がユーザに付与されてもよい。例えば、経路パターンにおいてノーマルのキャラクタが複数体連続して並べられている場合には、そのうちの1体が激レア以上のキャラクタに変更されてもよい。また、2体の激レアのキャラクタの間に1体のノーマルキャラクタがある場合には、そのノーマルキャラクタが激レア以上のキャラクタに変更されてもよい。
【0139】
また、所定の条件が満たされている場合(例えば、所定のクエストがクリアされている場合)には、媒体選択実行手段は、スタートマスに関連づけられる当選キャラクタを激レア以上のキャラクタの中から選択してもよい。
【0140】
さらには、媒体選択実行手段は、マスに関連づける当選キャラクタを決定するにあたって、キャラクタの種類(例えば、レアリティ、属性)が一部に固まらないように分散配置してもよい。逆に、媒体選択実行手段は、経路上の当選キャラクタの並び順を決定するにあたってキャラクタの種類が一部に固まるように配置してもよい。
【0141】
さらには、媒体選択実行手段は、50体のキャラクタが記憶されたガチャリストの中から30体のキャラクタを抽選で選択し、それらのキャラクタを、経路のマスに関連づけてもよい。
【0142】
また、前記実施形態とは異なり、示唆マスが示唆する対象はキャラクタのレアリティに限られない。例えば、示唆マスは、キャラクタの属性、キャラクタ名を示唆してもよい。
【0143】
なお、媒体選択実行手段は、マスのすべてについて、それぞれに関連づけられた当選キャラクタに基づいて、マスの示唆演出を決定してもよい。
【0144】
また、マスの一部(例えば、レアリティが高いキャラクタ)のみに対して示唆演出を決定してもよい。示唆演出をするか否かはマスごとに所定の確率で決定してもよい。示唆することが決定したマスはレアリティ示唆マスとして管理される。
【0145】
その他の例として、
コンピュータ装置を、
ユーザの操作に基づいて媒体選択が要求されたことを契機として、いずれかのゲーム媒体を前記ユーザの識別情報と関連づけるための当選媒体として決定する媒体選択実行手段、
として機能させ、
前記ユーザが前記媒体選択を要求する場合に指定される複数のマスが所定の経路上に配置されており、
複数の前記マスのそれぞれは、前記経路上で少なくとも1つの他の前記マスとつながっており、
前記媒体選択実行手段は、前記経路に沿って順に前記ユーザが前記媒体選択の要求のために前記マスを指定したことに基づいて、指定されたマスに関連づけられた前記当選媒体を前記ユーザの識別情報と関連づける、
コンピュータプログラムがある。
【0146】
この場合には、ユーザがスタートマスを決定することができる。そのため、より興趣のあるガチャが提供される。
【0147】
また、本実施形態とは異なり、ユーザがマス(経路)を指定することができるのは、ユーザによるガチャ要求時だけでなくともよい。ユーザがマスを指定することができるのは、例えば、ゲーム進行が所定の条件を満たしたとき(例えば、クエストクリア時)であってもよい。
【0148】
この場合には、ゲーム(クエスト)が1つ進行するごとに少なくとも1つのマスを進んでいき、ユーザは、そのマスに設定された当選キャラクタを集めていくこととなる。そして、これによって集められたキャラクタでガチャリストが構成され、所定のタイミング(ユーザのガチャ要求、ガチャイベント終了時、または当選キャラクタが100体集まった場合)でこの構成したガチャリストを用いたガチャが実行される。
【0149】
これにより、ユーザはガチャリストを生成するためにゲーム進行をする必要があり、ガチャによって付与される可能性があるキャラクタを増やす楽しみが発生する。
【0150】
なお、この場合、マス(経路パターン)とゲーム進行(クエストの内容)とがリンクしていてもよい。すなわち、ステージ1、ステージ2、ステージ3またはステージ4、ステージ5、ステージ6または7など、経路の分岐に沿ってチャレンジすべきゲーム進行(クエスト)も分岐する。これにより、ユーザは当選キャラクタの示唆を頼りにするなど、自身がガチャリストに加えたい当選キャラクタに対応したゲーム進行(クエスト)にチャレンジするというゲームを提供することができる。
【0151】
また、高レアリティの当選キャラクタが対応づけられたマスのクエストの難易度を高くするなどすることができる。さらに、難易度の高いクエストには、クエストを実行するために必要なゲームパラメータ(スタミナ)またはアイテム(チケット、ハートなど)の消費量を多くすることができる。
【0152】
前記実施形態では、ゲーム媒体はキャラクタであったが、ゲーム媒体は武器あるいは装備などのアイテム、またはガチャを実行するときなどに消費されるアイテム(石)などであってもよい。
【0153】
また、前記実施形態では、コンピュータ装置がサーバ装置である例が記載されているが、本発明はこれには限られない。例えば、一のユーザのゲーム装置がサーバ装置として機能してもよい。この場合には、BLUETOOTH(登録商標)で一方のゲーム装置と他方のゲーム装置とが接続されていてもよい。また、ゲーム装置単体でガチャが実行されてもよい。
【0154】
また、前記実施形態においては、ゲーム装置はスマートフォンなどの端末装置である例が記載されているが、本発明は、これには限られない。ゲーム装置は、例えば、ディスプレイおよびコントローラが外部接続される据え置き型のゲーム装置、あるいは、パーソナルコンピュータであってもよい。
【符号の説明】
【0155】
1 ゲームシステム
2 サーバ装置
201 照合手段
202 ゲーム進行管理手段
203 媒体選択実行手段
204 通信手段
3 ゲーム装置
301 ゲーム実行手段
302 媒体選択要求手段
303 通信手段
4 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7