IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 室内工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-作業管理システム 図1
  • 特開-作業管理システム 図2
  • 特開-作業管理システム 図3
  • 特開-作業管理システム 図4
  • 特開-作業管理システム 図5
  • 特開-作業管理システム 図6
  • 特開-作業管理システム 図7
  • 特開-作業管理システム 図8
  • 特開-作業管理システム 図9
  • 特開-作業管理システム 図10
  • 特開-作業管理システム 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044865
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】作業管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/16 20120101AFI20220311BHJP
【FI】
G06Q50/16 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150218
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】520346608
【氏名又は名称】室内工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100194249
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】齊藤 智夫
(72)【発明者】
【氏名】近藤 正章
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】清掃エリアの清掃状況の評価を客観的に行える作業管理システムを提供する。
【解決手段】清掃作業が行われるゴミ集積所3の清掃状況を評価する作業管理システム1は、清掃作業員2の携帯情報端末10と作業管理装置30がインターネット5を介して接続される。携帯情報端末10は、ゴミ集積所3の清掃作業ポイントに対する清掃前後の状況を撮影して管理装置30に送信すると、管理装置30の作業評価部36は、清掃作業ポイントにおける清掃前後の撮影画像情報に基づいて清掃作業ポイントにおける清掃作業の評価を行い、作業評価部36の評価結果を携帯情報端末10に送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃作業が行われる被清掃作業部の清掃状況を評価する作業管理システムであって、
清掃作業員が所持する撮影機能を有する携帯情報端末と、
インターネットを介して前記携帯情報端末と通信する作業管理装置と、
を有し、
前記携帯情報端末は、被清掃作業部に対して予め決められた清掃作業ポイントを記録する記録部と、前記記録部に記録された清掃作業ポイントを画面に表示する清掃作業実施部と、前記清掃作業ポイントに対する清掃前後の状況について撮影の指示を行う撮影指示部と、前記撮影指示部の指示に従って撮影した撮影画像情報を前記管理装置に送信する画像送信部とを有し、
前記管理装置は、清掃作業ポイントにおける清掃前後の撮影画像情報が記録される作業現場データーベースと、前記作業現場データーベースに記録される清掃前後の撮影画像情報に基づいて清掃作業ポイントにおける清掃作業の評価を行う作業評価部とを有し、前記作業評価部の評価結果を前記携帯情報端末に送信する作業管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の作業管理システムにおいて、
前記管理装置の作業評価部は、再清掃が必要と判定すると、被清掃作業部を特定して再清掃を要する清掃ポイント情報を前記携帯情報端末に送信することを特徴とする作業管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の作業管理システムにおいて、
前記被清掃作業部は、集合住宅のゴミ集積所であることを特徴とする作業管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の作業管理システムにおいて、
前記携帯情報端末は、ゴミの種類を画像判定するゴミ種類判定ウエブサイトとインターネットを介して通信し、撮影したゴミの種類の判定結果を前記記録部に記録するゴミ種類判定部を有することを特徴とする作業管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の作業管理システムにおいて、
前記ゴミ種類判定部は、ゴミ種類の判定結果を前記管理装置に送信し、前記管理装置は判定結果を作業現場データーベースに記録することを特徴とする作業管理システム。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載の作業管理システムにおいて、
前記携帯情報端末の記録部には、複数の被清掃作業部が記録され、さらに各被清掃作業部への巡回路を示す巡回路マップが記録されていることを特徴とする作業管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の作業管理システムにおいて、
前記携帯情報端末は、前記被清掃作業部のゴミを収集するゴミ収集車の現在位置情報を管理する収集車運行管理部52の収集車位置情報ウエブサイトにアクセス可能とすることを特徴とする作業管理システム。
【請求項8】
請求項1または2に記載の作業管理システムにおいて、
前記被清掃作業部は、コンビニエンスストアのトイレであることを特徴とする作業管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の作業管理システムにおいて、
前記携帯情報端末の記録部には、複数の被清掃作業部が記録され、さらに各被清掃作業部への巡回路を示す巡回路マップが記録されていることを特徴とする作業管理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の作業管理システムにおいて、
前記携帯情報端末は、カーナビゲーションシステムを有し、前記複数の被清掃作業部を前記カーナビゲーションシステムの目的地に設定し、現在位置から次の目的地に到着する到着予測時刻を取得し、取得した到着予測時刻を次の被清掃作業部の情報端末にインターネットを介して送信することを特徴とする作業管理システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マンション等の集合住宅、コンビニ、飲食店等の清掃対象施設に備えられたトイレやゴミ集積所等の清掃作業区域の清掃状態を管理する技術および清掃作業者が受け持つ地理的に離れた複数の清掃対象施設の清掃作業現場を効率よく巡回する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等を清掃対象施設として清掃の清掃作業を外部の清掃業者に委託することが行われている。清掃業者は、清掃作業員が清掃現場における所定の清掃ポイントを全て清掃したか否かを管理し、各清掃ポイントにおける清掃評価を行う作業管理システムが提案されている(特許文献1)。
【0003】
特許文献1に開示の作業管理システムは、NFCタグを各清ポイントに設け、清掃作業者の携帯するスマートフォンが各清掃ポイントのNFCタグに近接すると管理装置に読取信号を送信し、各清掃ポイントの清掃を行ったことを確認する。さらに、所定の清掃順に決められている清掃ポイントの順番において、前の清掃ポイントを検知してから次の清掃ポイントを検知する時間を計測し、清掃ポイント毎に設定される清掃時間と計測時間の対比により、清掃状態の評価を行っている。
【0004】
また、マンション等の集合住宅に設置されるゴミ集積所には、ゴミ収集日に出せるゴミ(分別ゴミ)だけでなく、他のゴミ収集日に出せるゴミもゴミ出しできる集合住宅も多い。そのため、集合住宅のゴミ集積所の清掃を任された清掃作業員は、ゴミ収集日の決められた時間までにゴミ集積所内の所定の場所に分別ゴミを集める作業を行っている。集合住宅に設置されたゴミ集積所の清掃を清掃業者に委託した場合、清掃業者の清掃作業員は、ゴミ集積所の清掃状況を記載した報告書(日報)を清掃業者に提出して清掃した事実と評価を受けるようにすることが一般に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-191530号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示の作業管理システムにおいて、清掃作業の評価は清掃ポイントに留まる時間により推定しているため、清掃作業ポイントの客観的な清掃作業の評価ができない。また、集合住宅のゴミ集積所を清掃する清掃作業員から清掃業者に渡される日報は、所定の項目を簡潔に記載することから、清掃ポイントの清掃状態を客観的に評価することができない。
【0007】
特に、集合住宅のゴミ集積所において、当日の分別ゴミのゴミ出し区域に分別されていないゴミ、分別の適否に迷うゴミ等が置かれている場合、清掃作業員は適正な分別作業を行わなければならない。清掃作業員が分別作業に手間取ると、次のゴミ集積所に遅れて到着することがあり、ゴミ収集車の到着に間に合わないおそれがある。
【0008】
本発明の目的は、清掃エリアの清掃状況の評価を客観的に行える作業管理システムを提供することにある。
【0009】
本発明の他の目的は、予め決められた巡回ルートにとらわれずに地理的に離れた複数の清掃作業現場に効率的に清掃作業員が移動できる作業管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第1の構成は、清掃作業が行われる被清掃作業部の清掃状況を評価する作業管理システムであって、清掃作業員が所持する撮影機能を有する携帯情報端末と、インターネットを介して前記携帯情報端末と通信する作業管理装置と、を有し、前記携帯情報端末は、被清掃作業部に対して予め決められた清掃作業ポイントを記録する記録部と、前記記録部に記録された清掃作業ポイントを画面に表示する清掃作業実施部と、前記清掃作業ポイントに対する清掃前後の状況について撮影の指示を行う撮影指示部と、前記撮影指示部の指示に従って撮影した撮影画像情報を前記管理装置に送信する画像送信部とを有し、前記管理装置は、清掃作業ポイントにおける清掃前後の撮影画像情報が記録される作業現場データーベースと、前記作業現場データーベースに記録される清掃前後の撮影画像情報に基づいて清掃作業ポイントにおける清掃作業の評価を行う作業評価部とを有し、前記作業評価部の評価結果を前記携帯情報端末に送信する。
【0011】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第2の構成は、上記した第1の構成において、前記管理装置の作業評価部は、再清掃が必要と判定すると、被清掃作業部を特定して再清掃を要する清掃ポイント情報を前記携帯情報端末に送信する。
【0012】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第3の構成は、上記した各構成において、前記被清掃作業部は、集合住宅のゴミ集積所とすることができる。
【0013】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第4の構成は、上記した第3の構成において、前記携帯情報端末は、ゴミの種類を画像判定するゴミ種類判定ウエブサイトとインターネットを介して通信し、撮影したゴミの種類の判定結果を前記記録部に記録するゴミ種類判定部を有する。
【0014】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第5の構成は、上記した第4の構成において、前記ゴミ種類判定部は、ゴミ種類の判定結果を前記管理装置に送信し、前記管理装置は判定結果を作業現場データーベースに記録する。
【0015】
本発明の目的を実現する作業管理システムの第6の構成は、上記したいずれかの構成において、前記携帯情報端末の記録部には、複数の被清掃作業部が記録され、さらに各被清掃作業部への巡回路を示す巡回路マップが記録されるようにすることができる。
【0016】
本発明の他の目的を実現する第7の構成は、上記した第6の構成において、前記携帯情報端末は、前記被清掃作業部のゴミを収集するゴミ収集車の現在位置情報を管理する収集車運行管理部52の収集車位置情報ウエブサイトにアクセス可能とする。
【0017】
本発明の目的を実現する第8の構成は、上記第1または第2の構成において、前記被清掃作業部は、コンビニエンスストアのトイレである。
【0018】
本発明の目的を実現する第9の構成は、上記した第8の構成において、前記携帯情報端末の記録部には、複数の被清掃作業部が記録され、さらに各被清掃作業部への巡回路を示す巡回路マップが記録されるようにすることができる。
【0019】
本発明の他の目的を実現する第10の構成は、上記した第9の構成において、前記携帯情報端末は、カーナビゲーションシステムを有し、前記複数の被清掃作業部を前記カーナビゲーションシステムの目的地に設定し、現在位置から次の目的地に到着する到着予測時刻を取得し、取得した到着予測時刻を次の被清掃作業部の情報端末にインターネットを介して送信することができる。
【発明の効果】
【0020】
請求項1に係る発明によれば、清掃作業員による被清掃作業部における清掃作業ポイントの清掃作業を清掃前後の撮影画像に基づいて評価するので、客観的な評価が行える。
【0021】
請求項2に係る発明によれば、再清掃を行う被清掃作業部と再清掃ポイントが携帯情報端末で取得できるので、間違いなく再清掃を行うことができる。
【0022】
請求項3に係る発明によれば、集合住宅のゴミ集積所を奇麗に維持することができる。
【0023】
請求項4に係る発明によれば、粗大ゴミのようにゴミ集積所に放置されているゴミの種類、処理費用、処分の連絡先等を取得できるので、これらを書面に記載して粗大ゴミに貼り付けることで、粗大ゴミを出したマンションの住人に処分方法を知らせることができる。このため、ゴミ集積所に粗大ゴミが放置されたままになるのを防止することができる。
【0024】
請求項5に係る発明によれば、粗大ゴミが放置された事実、処分方法等を記録して管理できるので、後日マンションの管理組合等に報告することができる。
【0025】
請求項6に係る発明によれば、清掃作業員は受け持ちエリアの複数の被清掃作業部に対する巡回路を目視で確認でき、間違いなく被清掃作業部での清掃作業を行うことができる。
【0026】
請求項7に係る発明によれば、清掃作業員はゴミ収集車の現在位置を把握することができるため、清掃作業者とゴミ収集車のどちらが未清掃のゴミ集積所に早く到着するかを判断することができる。
【0027】
請求項8に係る発明によれば、コンビニエンスストアのトイレを奇麗に維持することができる。
【0028】
請求項9に係る発明によれば、清掃作業者は複数のコンビニエンスストアのトイレを効率的に巡回して清掃することができる。
【0029】
請求項10に係る発明によれば、コンビニエンスストア側ではコンビニエンスストアに清掃作業者が到着する時刻を事前に知ることができるため、清掃の前の事前の準備を行え、清掃作業者が到着すると直ちに清掃作業を行える。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明による作業管理システムの第1実施形態を示す概略ブロック図。
図2】第1携帯情報端末の表示部の表示を示し、(a)はメニュー部、(b)は巡回路マップ部、(c)は収集車巡回路マップ部、(d)は修正後の巡回路マップ部を示す。
図3】(a)は清掃作業前の清掃作業実施部の表示を示し、(b)は(a)で選択した撮影ポイントでの撮影を指示する撮影指示部の表示を示し、(c)は清掃作業後の清掃作業実施部の表示を示し、(d)は(c)で選択した撮影ポイントでの撮影を指示する撮影指示部の表示を示す。
図4】(a)は再清掃巡回路マップ部を示し、(b)は再清掃要と判定された清掃ポイントを示す再清掃ポイント指示部を示す。
図5】(a)は種類不明ゴミ撮影部を示し、(b)はゴミ種類判定情報を示す。
図6】第1携帯情報端末による清掃作業に伴う撮影等の処理を示すフローチャートである。
図7】作業管理装置による作業評価等の処理を示すフローチャートである。
図8】第1携帯情報端末による再清掃作業に伴う再撮影等の処理を示すフローチャートである。
図9】作業管理装置による再作業評価等の処理を示すフローチャートである。
図10】第2実施形態を示す作業現場としてのコンビニエンスストアのトイレを示す概略斜視図で、清掃(撮影)ポイントを示す。
図11】(a)は清掃作業前のトイレの清掃作業実施部の表示を示し、(b)は清掃作業後のトイレの清掃作業実施部の表示を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0032】
第1実施形態
【0033】
図1は本発明による作業管理システムの第1実施形態を示す概略ブロック図である。
【0034】
作業管理システム1の概略構成
【0035】
作業管理システム1は、例えば清掃作業を行う清掃作業会社の清掃作業員2が集合住宅であるマンションの被清掃作業部であるゴミ集積所3の清掃作業を行う。ゴミ集積所3は、例えば金網などの柵3aで囲まれた内部に、もえるゴミの集積部3b、もえないゴミの集積部3c、資源ゴミの集積部3d等が分けられて配置される。また、ゴミステーション3eに所定の時間内に出した分別ごみがゴミ収集車4により回収される。ゴミステーション3eは、市町村等の自治体により異なるが、本実施形態ではマンション前の道路に設置される場合を例にして説明する。この場合、清掃作業員2によるゴミ集積所3の清掃作業範囲にはゴミステーション3eも含まれる。
【0036】
清掃作業員2は、スマートフォン等の携帯情報端末(以下第1携帯情報端末とする)10を携帯する。第1携帯情報端末10は、撮影手段であるカメラおよび現在位置情報を取得するGPS機器を有し、インターネット5を介して清掃作業会社のサーバである作業管理装置30と通信する。ゴミ集積所3の所定箇所について清掃前後の状況を第1携帯端末10のカメラで撮影し、作業管理装置30は、清掃前後の撮影画像に基づいて清掃作業の評価を行う。
【0037】
また、清掃作業の迅速化を図るため、ゴミ集積所3に集められたゴミの中で種類が不明で分別ができないゴミについては、例えば清掃事業体50のゴミ種類の判定を画像認識で行うゴミ種類判定部51のゴミ種類判定ウエブサイトに接続し、第1携帯情報端末10で撮影したゴミの画像を送信し、判定結果の返信を受けるようにしている。
【0038】
また、清掃事業体50の収集車運行管理部52は、ゴミ収集を行う収集車4の位置情報を取得して管理し、インターネット5を介してアクセス可能とする収集車位置情報ウエブサイトを有する。第1携帯情報端末10が収集車位置情報ウエブサイトにアクセスすることによりゴミ収集車4の現在位置を把握できるため、清掃作業員2が収集車4に遅れることなく作業現場であるマンションのゴミ集積所3に到着できるようにしている。ゴミ種類判定部51と収集車運行管理部52については後記する。
【0039】
第1携帯情報端末10の構成
【0040】
第1携帯情報端末10は、端末全体を制御する制御部10aと、画像、清掃作業アプリ等を記録するストレージ10bと、GPS機器10c、タッチパネル式の操作部10dと、液晶パネル等の表示部10eと、カメラ10fと、送受信部10gとがバス配線10hにより接続され、送受信部10gがインターフェース(I/F)10iを介してアンテナ部10jに接続される。ストレージ10bは、清掃作業撮影を指示する撮影指示部11と、ゴミの種類の判定を行うための撮影指示と判定結果を取得するための判定処理指示部12とを有する。
【0041】
作業管理装置30は、装置全体を制御する制御部(例えばプロセッサーと、ROM、RAMで構成される)31と、ストレージ32と、不図示のモニターおよびキーボード等をバス配線33により接続し、インターフェース(I/F)34を介してインターネット5と接続される。ストレージ32には、各マンションのゴミ集積所3の各種データが記録される作業現場データーベース(DB)35、清掃作業を評価する作業評価部36、巡回路設定部37を有する。
【0042】
作業評価部36と巡回路設定部37を第1携帯情報端末10のストレージ10bに設けても良く、第1携帯情報端末10のストレージ10bに設けた撮影指示部11、判定処理指示部12を作業管理装置30のストレージ32に設けても良い。
【0043】
ゴミ集積所3における清掃作業は、指定された清掃ポイント(撮影ポイント)PA~PGについて行われ、各清掃ポイント(撮影ポイント)PA~PGを清掃作業撮影指示部11の指示に従って清掃前に第1携帯情報端末10で撮影し、清掃後に再び清掃ポイントPA~PGを撮影する。清掃ポイントPAは出入り口、清掃ポイントPBは燃えるゴミの集積部3b、清掃ポイントPCは燃えないゴミの集積部3c、清掃ポイントPDは資源ゴミの集積部3d、清掃ポイントPEはゴミ集積部3の奥側、清掃ポイントPFはゴミ集積部3の手前側、清掃ポイントPGはゴミステーションを示すが、これらは一例であり、これに限定されるものではない。
【0044】
撮影指示モード
【0045】
マンションのゴミ集積所3における所定の撮影ポイントを撮影する清掃作業撮影指示部11による撮影指示モードを図2図3に基づいて説明する。
【0046】
第1携帯情報端末10において、清掃作業アプリを起動すると、表示部10eに図2(a)に示すメニュー部13が表示される。メニュー部13には、操作部10dを構成するタッチスイッチ式の巡回路マップボタン13a、収集車位置マップボタン13b、ゴミ種類判定ボタン13c、再清掃ボタン13d、および次画面ボタン13e、前画面ボタン13fが設けられている。
【0047】
メニュー部13において、巡回路マップボタン13aをクリックすると、表示部10eには図2(b)に示す巡回路マップ部14が切り替え表示される。巡回路マップ部14には、清掃作業員2の清掃受け持ちエリア内のマンションの名称(A、B、C、D、E)を付したマンション位置表示と、清掃作業員2の現在位置を示す現在位置マークM1がマップ上に表示される。また、巡回路マップ部14には、複数のマンションに対して予め設定した巡回する順番である順路(例示的にA→B→C→D→E)が巡回路表示部14aに表示される。巡回路マップ部14にはメニューボタン15が表示され、メニューボタン15をクリックすると図2(a)に示すメニュー部13に戻る。
【0048】
清掃作業員2が図2(b)に示す巡回マップ部14に示す例えばBマンションに到着し、Bマンションの部分をクリックすると、図3(a)に示すBマンションのゴミ集積所3を模した清掃作業実施部20が表示され、注意部20aに「作業前」の文字が表示される。清掃作業員2が撮影ポイントを示す破線で囲った符号、例えばPBを清掃前にクリックすると、第1携帯情報端末10の表示部10eには、図3(b)に示す作業前の撮影ポイントPBの撮影を指示する撮影指示部21の画面に切り替わる。そして、不図示のシャッターボタンを押すと撮影が行われてストレージ10bの不図示の記録部に作業前の撮影ポイントPBにおける撮影画像が記録される。清掃前における全ての撮影ポイントPA~PGについて撮影が終了すると、図3(c)に示すように、注意部20aに「作業後」の文字が表示される。
【0049】
次に、例えば清掃作業員2が撮影ポイントを示す破線で囲った符号、例えば撮影ポイントPBを清掃後にクリックすると、第1携帯情報端末10の表示部10eには、図3(d)に示す作業後の撮影ポイントPBの撮影を指示する撮影指示部22の画面に切り替わる。不図示のシャッターボタンを押すと撮影が行われてストレージ10bの不図示の記録部に作業後の撮影ポイントPBにおける撮影画像が記録される。清掃後における全ての撮影ポイントPA~PGについて撮影が終了すると、作業前後の全ての撮影画像を作業管理装置30に送信する。
【0050】
作業評価モード
【0051】
次に、清掃作業の評価を作業管理部30の作業評価部36の処理に基づいて説明する。
【0052】
作業管理装置30の作業現場DB35にはマンションのゴミ集積所3毎に全清掃ポイントの清掃前後の画像が記録されている。作業評価部36は、清掃ポイントにおける清掃前の画像と清掃後の画像を比較する。例えば清掃前は撮影画像にはゴミが多いのに対し、清掃後はゴミが無い場合、作業評価は良と判定される。
【0053】
清掃評価のための画像処理としては一般的な手法が用いられ、例えば画像を白と黒の二値化処理し、黒の画素をゴミと見做す。清掃後の画像に占める黒部分の面積を清掃前の黒部分の面積と比較し、所定値よりも少なければ作業評価を「可」と判定する。逆に所定値よりも多ければ作業評価を「不可」と判定する。作業評価結果は、清掃作業員2の氏名(ID)、清掃時刻と共に作業現場DBに記録される。なお、画像処理による作業評価はこの手法に限定されるものではなく、AIを使用した方法であっても良い。
【0054】
また、作業評価が「不可」の場合には再清掃が必要と判定し、作業管理装置30は再清掃が必要な作業現場と清掃ポイントを清掃作業員2の携帯情報端末10に送信する。
【0055】
再清掃作業が発生した場合、携帯情報端末10には再清掃作業の通知がメールやソーシャルネットワーキングサービス(SNS)により送信される。図2(a)に示すメニュー部13の再清掃ボタン13dをクリックすると、撮影指示部11の処理により、図4(a)に示す再清掃巡回路マップ部23を表示部10eに表示する。再清掃巡回路マップ部23には、マークM3により再清掃が必要なマンション(図4(a)ではBマンション)を示す。再清掃巡回路マップ部23に表示する確認ボタン23aをクリックすると、図4(b)に示す再清掃が必要な再清掃ポイント指示部24に切り替わる。
【0056】
再清掃ポイント指示部24では、再清掃が必要な清掃ポイントをマークM4で示し、図4(b)では資源ゴミの清掃ポイントPDの再清掃が必要と示している。他のマンションのゴミ集積所3を清掃中で直ちに再清掃ができない場合などでは保留ボタン24aをクリックし、直ちに再清掃を行う場合には継続ボタン24bをクリックする。継続ボタン24bをクリックすると、撮影指示部11は、表示部10eに図3(d)に示す作業後の撮影指示部22の画面に切り替える。そして、清掃作業員2が再清掃後に不図示のシャッターボタンを押すことで撮影が行われ、再生後の画像情報が作業管理装置30に送信され、上述した作業評価が再度行われる。
【0057】
ゴミ収集車位置情報取得モード
【0058】
ゴミ収集車4にはGPS機器を搭載したスマートフォン等の携帯情報端末(以下第2携帯情報端末とする)70を装備し、あるいは運転者等の搭乗者が第2携帯情報端末70を携帯する。なお、第2携帯情報端末70も第1携帯情報端末10と同様の構成を有する。第2携帯情報端末70の位置情報であるゴミ収集車4の位置情報がゴミ収集車4の識別情報と共にインターネット5を介して清掃事業体50の収集車運行管理部52に送信される。収集車運行管理部52は、受信した収集車4の現在の位置情報をマップ上に表示すると共に、巡回路毎に収集車4の位置情報の表示が行える。
【0059】
収集車運行管理部52の構成は、例えば特開平11-334806号公報に記載のように、ゴミ収集車4の現在位置をGPS機器により測位し、その現在位置とゴミ収集車4を特定する識別番号(ID)とを特定時刻ごとに第2携帯情報端末70から清掃事業体50の収集車運行管理部52にインターネット5を介して無線で通知する。収集車運行管理部52は、第2携帯情報端末70から送信されるデータについて、識別番号(ID)と現在地とを受信時刻と共に時系列で記録し、それに基づいてゴミ収集車4の位置と時刻を時系列に読み出してマップ上にプロットして表示可能とする。収集車運行管理部52は、収集車位置情報ウエブサイト上でゴミ収集車4の位置情報をインターネット5を介して閲覧可能とする。
【0060】
第1携帯情報端末10が収集車運行管理部52の収集車位置情報ウエブサイトにアクセスすると、第1携帯情報端末10の表示部10eに収集車4の位置をマップ上で表示する。ゴミ収集車4の位置を示すマップには、第1携帯情報端末10の位置を含んでおり、清掃作業員2が4現在清掃を行っているゴミ集積所3とゴミ収集車4の相対的位置を確認することができる。
【0061】
図2(a)に戻り、収集車巡回マップボタン13bをクリックすると、表示部10eには図2(c)に示す収集車巡回マップ部16が表示され、ゴミ収集車4の現在位置を示す現在位置マークM2がマップ上に表示される。具体的には、収集車巡回マップボタン13bをクリックすると、第1携帯情報端末10はインターネット5を介して清掃事業体50の収集車運行管理部52の収集車位置情報ウエブサイトにアクセスする。収集車運行管理部52は、ゴミ収集車4の巡回路をマップ上に例えば破線で示すように表示することで、清掃作業員2は、未清掃のマンションに対してゴミ収集車4がどの程度の時間で到達するかを把握することができる。より正確性を得るために、清掃作業員2が図2(c)に示す巡回路修正ボタン17をクリックすると、第1携帯情報端末10は作業管理装置30と通信を行い、作業管理装置30の巡回路設定部37により、清掃作業員2の位置情報とゴミ収集車4の位置情報および巡回路情報に基づいて巡回路の修正処理を行い、修正結果が第1携帯情報端末10に返信される。修正結果の返信を取得した第1携帯情報端末10は、図2(d)に示すように、巡回路マップ部14に切り替わり、巡回路表示部14aに修正結果である修正巡回路を表示する。
【0062】
巡回路の修正は、正規の巡回路中の作業現場であるマンションにゴミ収集車4が到達する時刻を予測する。また、清掃作業員2が現在位置から正規の巡回ルートで各マンションに到着する時刻を予測する。各マンションに清掃作業員2が到着する時刻よりもゴミ収集車4が到着する時刻が早ければ、巡回路の修正は不要である。しかし、ゴミ収集車4がマンションに到着する時刻の方が早い場合、ゴミ収集車4の到着に間に合うように清掃作業員4がマンションに向かう順番を変更する。
【0063】
ゴミ種類判定モード
【0064】
図2(a)に戻り、ゴミ種類判定ボタン13cをクリックすると、第1携帯情報端末10は判定処理指示部12の処理によりインターネット5を介して清掃事業体50のゴミ種類判定部51のゴミ種類判定ウエブサイトに接続され、表示部10eに図5(a)に示す種類不明ゴミ撮影部25を表示する。種類不明ゴミ撮影部25において、不図示のシャッターボタンを押して撮影された種類不明のゴミの画像情報はインターネット5を介してゴミ種類判定部51に送信される。
【0065】
ゴミ種類判定部51は、ゴミの画像情報に基づいてゴミの種類を判定する。ゴミ種類判定部51は、ディープラーニングにより画像処理し、AIによりゴミ、特に粗大ゴミの種類(品目)を判定する。ゴミ集積所3に集積された粗大ゴミは、別途粗大ゴミとして有償で市町村等の自治体に回収を依頼する必要があり、粗大ゴミを出したマンションの住人にその旨を知らせる必要がある。清掃作業員2が自治体のゴミ処理のホームページで粗大ゴミの確認を行っていてのでは時間を要し、マンションの巡回予定時刻が遅くなる。
【0066】
このため、第1携帯情報端末10のカメラで粗大ゴミを撮影し、撮影画像をゴミ種類判定部51に送信すると、直ちに図5(b)に示すように、粗大ゴミ画像、粗大ごみの種類(品目)、処理費用、回収連絡先等の情報を示すゴミ種類判定情報26が返信されて表示部10eに表示される。したがって、清掃作業員2は、清掃作業を所定の時間内で処理することができる。清掃作業員2はゴミ種類判定情報26の情報を記載した注意書を粗大ゴミに貼り付けることで、粗大ごみを出したマンション住人に注意を促す。また、ゴミ種類判定情報26は作業管理装置30に送信される。ゴミ種類判定部51は、AIで粗大ゴミを画像識別するシステムを例示することができ、粗大ゴミを撮影して問い合わせを行ったスマートフォンに粗大ゴミの種類(品目)、処分(処理)費用等を返信するシステムで、例えば横浜市役所で導入されている。
【0067】
続いて作業管理システム1の処理動作を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0068】
ステップ(以下、Sと略す)1において、第1携帯情報端末10にインストールされている清掃作業アプリを開くことで表示部10eにメニュー部13が表示され、S2に進む。
【0069】
S2において、図2(a)に示す巡回路マップボタン13aをON(クリック)するとS3に進み、S18において収集車巡回マップボタン13bをONするとS19に進み、S25においてゴミ種類判定ボタン13cをONするとS26に進む。
【0070】
S3において、図2(b)に示す巡回路マップ部14を表示部10eに表示してS4に進む。
【0071】
S4において、清掃作業員2が清掃作業を行うマンションに到着し、図2(b)に示す巡回路マップ部14に示される該当するマンション、例えばBマンションをクリックすると、作業現場到着信号を取得し、S5に進む。
【0072】
S5において、第1情報携帯端末10は、到着現場への到着時刻、清掃作業員2の氏名等の到着情報を作業管理装置30に出力し、S6に進む。
【0073】
S6において、図3(a)に示す清掃作業実施部20を表示部10eに表示し、S7に進む。
【0074】
S7において、清掃ポイントである撮影ポイント符号、例えば「PB」をクリックすることで発生する撮影ポイント選択情報を取得すると、S8に進む。
【0075】
S8において、図3(b)に示すように、清掃作業前の撮影指示部21を表示し、S9において撮影した撮影画像を情報を記録してS10に進む。
【0076】
S10において、清掃作業前の全撮影ポイントでの撮影が終了していなければ、S6に戻って他の撮影ポイントの撮影を行い、清掃作業前の全撮影ポイントでの撮影が終了していると、S11に進む。
【0077】
S11からS15までの処理は、清掃作業後の撮影動作であって、S6からS10と基本的に同様としており、S15において清掃前後における全撮影ポイントでの撮影が終了すると、S16に進む。
【0078】
S16において、清掃前後の全画像情報をストレージに記録し、S17において作業管理装置30に清掃前後の全画像情報を送信して終了する。
【0079】
次に、S18において収集車4の巡回マップボタン13bがクリックされると、S19において図2(c)に示す収集車位置マップ部16が表示部10eに表示される。そして、S20において巡回路修正ボタン17がクリック(ON)されると、S21において作業管理装置30に巡回路修正を要求し、S22において作業管理装置30からの返信で修正した修正巡回路情報を取得する。取得した修正巡回路は図2(d)に示すように巡回路表示部14aに表示され、作業管理装置30の作業現場DB35に記録される(S24)。また、S20において巡回路修正ボタン17が所定時間を経過しても操作されないと、S24に進んで、現在の収集車4の位置情報を作業現場DBに記録して終了する。なお、S20において巡回路修正ボタン17が所定時間を経過しても操作されないと、そのまま終了しても良い。
【0080】
続いて、S25において、ゴミ種類判定ボタン13cがクリックされると、S26において図5(a)に示す種類不明ゴミ撮影画面25が表示部10eに表示され、撮影が行われると、S27において撮影画像をゴミ種類判定部51のゴミ種類判定ウエブサイトに送信し、S28において判定結果を取得する。S29において、図5(b)に示すように、取得した判定結果であるゴミの種類名、処理費用、回収依頼の連絡先を示すゴミ種類判定画面25を表示し、この情報を作業管理装置30に送信して作業現場DB35に記録して終了する。
【0081】
作業管理装置30の処理を図7に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0082】
S31において、第1携帯情報端末10を所持する清掃作業員2が作業現場のマンションに到着し、図6のS5において出力される到着作業現場情報を取得すると、S32に進んで作業現場DB35に書誌的事項である清掃作業員2の氏名(ID)、到着時刻等を記録し、図6のS17で送信された全撮影ポイント画像を取得すると(S33)、作業現場DB35にこれを記録する(S34)。
【0083】
S35において、前撮影ポイントにおける清掃作業前後の撮影情報に基づいて、清掃作業の評価を行う。作業評価を「可」と「不可」とすると、作業評価結果を作業現場DB35に記録しS37に進む。
【0084】
S37において、評価結果が「不可」であれば該当するゴミ集積所の清掃ポイントについて再清掃を要するとして「再清掃要」とし、この情報を該当する清掃作業員2が所持する第1携帯情報端末10にメールやSNSで通知して終了する。また、評価結果が「可」であれば該当するゴミ集積所の再清掃が不要なので、再清掃不要通知を該当する清掃作業員2が所持する第1携帯情報端末10にメールやSNSで通知して終了する。具体的な再清掃ポイントは、図2(a)に示す第1携帯情報端末10のメニュー部13の再清掃ボタン13dをクリックすることで知ることができる。この処理は図8に示すフローチャートで説明する。
【0085】
図8に示すフローチャートにおいて、S51において再清掃ボタン13dをクリックすると、S52において図4(a)に示す再清掃巡回路マップ部23が表示部10eに表示され、S53において再清掃を要するマンションを報知手段であるマークM3で指示し、S54に進む。
【0086】
S54において、再清掃巡回路マップ部23に設けた確認ボタン23aをクリック(ON)すると、S55において図4(b)に示す該当する再清掃を要する再清掃作業実施部24を表示部10eに表示し、S56において再清掃作業を要する再清掃作業ポイントを報知手段であるマークM4で指示し、S57に進む。清掃作業員2は再清掃作業ポイントを再清掃した後に撮影する。
【0087】
S57において、図4(b)の再清掃作業実施部24に設けた保留ボタン24aをクリック(ON)すると、S58に進んでメニュー部13を表示部10eに表示し、再清掃ボタン13dのクリック(ON)を待つ(S59)。
【0088】
S59において再清掃ボタン13dがクリックされると、図3(d)に示す作業後の撮影指示部22と同様の再撮影指示部(不図示)が表示部10eに表示され、撮影が行われると(S61)、S62に進む。
【0089】
S62において、再清掃作業ポイントの撮影が終了すると、S63に進んで第1携帯情報端末10のストレージ10bに再清掃作業ポイントの再撮影画像が記録され、この再撮影画像を作業管理装置30に送信して終了する。
【0090】
また、図4(b)に示す保留ボタン24aではなく継続ボタン24bをクリックすると、S61に進んで直ちに再清掃作業を実施して再清掃作業ポイントの撮影を行えるように、再清掃ポイント部24を表示部10eに表示させる。
【0091】
再清掃作業についても、作業管理装置30は図7に示す処理と同様の作業再評価を行い、再再清掃の要否を判定する。
【0092】
作業再評価処理を図9に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0093】
S71において、第1携帯情報端末10から再撮影画像情報を取得すると、S72において取得した再撮影画像を作業現場DBに記録し、図7のS35における作業評価と同じ手法で作業再評価を行い、S74において再評価結果を作業現場DBに記録してS75に進む。
【0094】
S75において、再再清掃要と判定されるとS76で再清掃を担当した清掃作業員2の所持する第1携帯端末10にメール等で再再清掃要の再評価結果を通知し、再再清掃不要の再評価結果であれば、S77でその旨を通知して終了する。
【0095】
第2実施形態
【0096】
第2実施形態は、被清掃作業部をコンビニエンスストアのトイレしたもので、第1実施形態の作業管理システム1に対し、被清掃作業部としてコンビニエンスストアのトイレを加えたもので、図10および図11に示す図面に基づいて第2実施形態を説明する。ただし、清掃事業体50のゴミ種類判定部51、収集車運行管理部52との通信は行われない。
【0097】
また、第1携帯情報端末10にカーナビゲーションシステムをインストールし、トイレ清掃する複数のコンビニエンスストアの位置を目的地に設定することにより、現在位置から次の目的地である作業現場までの到達時刻を予測することができる。したがって、到達予測時刻が予め決められている到着予定時刻よりも遅い場合には、到着時刻の変更を第1携帯情報端末10から該当するコンビニエンスストアのパソコン、担当者のスマートフォン等の情報端末にインターネットを介してメール、SNSで通報することができる。また、到着予定時刻が得られれば、到着予定時刻をコンビニエンスストアのパソコン、担当者のスマートフォン等にメール、SNSで通報する。通報を受けたコンビニエンスストアでは到着予定時刻の数分前にトイレを閉鎖する措置をとることで、清掃作業員2が到着すると、直ちにトイレの清掃作業を開始することができる。
【0098】
図10はコンビニエンスストアのトイレ80の概略斜視図示しており、第1実施形態と同様に清掃作業員2が清掃作業の前後を第1携帯情報端末10で撮影する。トイレ80は個室トイレで、例えばドア81、床82、便器83、便座84、トイレットペーパーホルダー85、タンク86、蓋87、三方の壁88a、88b、88cを清掃対象とする。清掃(撮影)ポイントPHはドア81、清掃ポイントPIは便座84、清掃ポイントPJは床82、清掃ポイントPKは便器83、清掃ポイントPLはタンク86、清掃ポイントPMはトイレットペーパーホルダー85、清掃ポイントPNは蓋87、清掃ポイントPOは奥壁88a、清掃ポイントPPは左壁88b、清掃ポイントPQは右壁88cを示す。
【0099】
第2実施形態のトイレ80の清掃作業の管理は、第1実施形態と同様に構成さており、図2(a)(b)を参照すると図2(a)に示すメニュー部13に表示する巡回路マップボタン13aのクリックで、図2(b)と同様に巡回清掃するコンビニエンスストアが巡回路マップ部14に表示され、現在位置がマークM1で示される。到着したコンビニエンスストアの符号をクリックすると、図11(a)に示す作業前の清掃作業実施部91が表示部10eに表示される。
【0100】
この場合も第1実施形態と同様に清掃作業前に撮影ポイントPH~PQをクリックして撮影を行い、全ての撮影ポイントの撮影が終了した後、清掃作業員2は清掃を行う。そして、表示部10eに図11(b)に示す清掃後の清掃作業実施部92を表示させ、清掃前と同様の操作で各撮影ポイントの撮影を行う。
【0101】
清掃前後の撮影画像は、作業管理装置30の作業評価部36で評価され、図7に示す評価処理により清掃作業の評価が行われ、再清掃の要否通知がなされる。さらに、図8図9に示す再清掃指示処理がなされる。
【符号の説明】
【0102】
1:作業管理システム 2:清掃作業員
3:ゴミ集積所 3a:柵 3b:もえるゴミの集積部
3c:もえないゴミの集積部 3d:資源ゴミの集積部
3e:ゴミステーション
4:ゴミ収集車 5:インターネット
10:携帯情報端末(第1携帯情報端末)
10a:制御部 10b:ストレージ 10c:GPS機器
10d:操作部 10e:表示部 10f:カメラ 10g:送受信部
10h:バス配線 10i:インターフェース(I/F) 10j:アンテナ部
11:撮影指示部 12:判定処理指示部
13:メニュー部 13a:巡回路マップボタン
13b:収集車位置マップボタン 13c:ゴミ種類判定ボタン
13d:再清掃ボタン 13e:次画面ボタン 13f:前画面ボタン
14:巡回路マップ部 14a:巡回路表示部 15:メニューボタン
16:収集車巡回マップ部 17:巡回路修正ボタン
20:清掃作業実施部 20a:注意部 21:撮影指示部
22:撮影指示部 23:再清掃巡回路マップ部 23a:確認ボタン
24:再清掃ポイント指示部 24b:継続ボタン
25:種類不明ゴミ撮影部 26:ゴミ種類判定情報
30:作業管理装置 31:制御部 32:ストレージ 33:バス配線
34:インターフェース(I/F) 35:作業現場データーベース(DB)
36:作業評価部 37:巡回路設定部
50:清掃事業体 51:ゴミ種類判定部 52:収集車運行管理部
70:携帯情報端末(第2携帯情報端末)
80:トイレ 81:ドア 82:床 83:便器 84:便座
85:トイレットペーパーホルダー 86:タンク 87:蓋
88a、88b、88c:壁
91:清掃作業実施部 92:清掃作業実施部
PA~PQ:清掃ポイント(撮影ポイント) M1~M4:マーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11