(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044953
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】分電装置
(51)【国際特許分類】
H02B 1/40 20060101AFI20220311BHJP
H02H 3/04 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
H02B1/40 A
H02H3/04 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150362
(22)【出願日】2020-09-08
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】518398350
【氏名又は名称】ストライブ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】相原 幸博
【テーマコード(参考)】
5G142
5G211
【Fターム(参考)】
5G142AA15
5G142AC01
5G142AC06
5G142BC01
5G142BC02
5G142DD02
5G142DD13
5G211AA02
5G211AA07
5G211AA11
5G211AA12
5G211AA14
5G211AA17
5G211BB03
5G211CC09
5G211CC10
5G211DD01
5G211DD14
5G211EE02
5G211EE03
5G211EE04
5G211EE06
5G211FF02
5G211GG10
(57)【要約】
【課題】三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる分電装置を提供する。
【解決手段】R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される三相入力電路20と、三相入力電路20に電気的に接続され、三相入力電路20から三相交流電圧が入力される分岐器30と、分岐器30に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路60と、分岐器30に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路70と、分岐器30に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路80と、分岐器30に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路50と、三相入力電路20、分岐器30、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50を保持する筐体10と、を備える分電装置1。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される三相入力電路と、
前記三相入力電路に電気的に接続され、前記三相入力電路から三相交流電圧が入力される分岐器と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、
前記三相入力電路、前記分岐器、前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路を保持する筐体と、
を備える分電装置。
【請求項2】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかの電路は、開閉器を有する、
請求項1に記載の分電装置。
【請求項3】
前記開閉器の開閉状態を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による開閉状態の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項2に記載の分電装置。
【請求項4】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部による電流の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分電装置。
【請求項5】
前記筐体は、プラスチックで形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、分電盤等の分電装置は、各種の施設に配置されており、各種の装置を駆動するため電力源として利用されている。例えば、特許文献1には、電源に電気的に接続される複数の第1端子と、負荷に電気的に接続される複数の第2端子と、複数の第1端子と複数の第2端子との間に電気的に接続された複数の接点部を備える分電盤が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
屋外において各種の装置に電力を供給する際には、使用者は、施設に配置された分電盤等の電力源を利用して、装置に電力を供給する場合がある。この場合には、使用者が例えばケーブルを施設の分電盤に接続し、そのケーブルを装置に接続することにより、電力を装置に供給する。
【0005】
このとき、使用者は、状況に応じて、装置が配置されている現場から分電盤まで移動してケーブルを分電盤から抜き差しする必要があり、使用者に負担が生じていた。例えば、使用者は、電力の供給対象となる装置を追加する場合には、現場から分電盤まで移動して追加のケーブルの分電盤に接続する必要があった。
【0006】
特許文献1に記載の分電盤は、建物に配置される分電盤であり、特許文献1に記載の技術では、使用者が必要に応じて現場から建物まで移動してケーブルを抜き差しする負担が生じる。
【0007】
そこで、本発明は、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる分電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る分電装置は、R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される三相入力電路と、三相入力電路に電気的に接続され、三相入力電路から三相交流電圧が入力される分岐器と、分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路と、分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、分岐器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、分岐器に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、三相入力電路、分岐器、第1単相電路、第2単相電路、第3単相電路及び三相出力電路を保持する筐体と、を備える。
【0009】
この態様によれば、三相交流の電圧が入力されたことに応じて、分電装置から三相交流の電力を負荷に供給したり、単相交流の電力を複数の負荷に供給したりできる。このため、簡便に所望の電力を負荷に供給することが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる分電装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本開示の一実施形態に係る分電装置を正面から見た外観図である。
【
図2】同実施形態に係る分電装置を右側面から見た外観図である。
【
図3】同実施形態に係る分電装置の構成を示す図である。
【
図4】同実施形態に係る発光装置の機能ブロック図である。
【
図5】変形例に係る発光装置の機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0013】
[実施形態]
図1は、本開示の一実施形態に係る分電装置1を正面から見た外観図である。
図1に示すように、本実施形態に係る分電装置1は、主として、筐体10及び後述する発光装置を備える。筐体10には、留め具12a及び12bにより、蓋11が開閉可能に接続されている。筐体10のサイズは、特に限定されないが、簡便に分電装置1を持ち運びできる程度のサイズであることが好ましい。例えば、筐体10は、20cm程度の高さ、45cm程度の幅及び35cm程度の奥行きを有してよい。
【0014】
筐体10は、例えば、プラスチックで形成されてよい。プラスチックで筐体10が形成されることにより、例えば筐体が金属等で形成された場合に比べて、筐体10が軽量になる。この結果、使用者は、例えば作業現場等において、容易に分電装置1を持ち運ぶことが可能となる。なお、使用者は、持ち運んだ分電装置1を適宜作業現場に置いてもよいし、あるいは、筐体10に金具が設けられ、設けられた金具を利用して例えば壁等に分電装置1が取り付けられてもよい。
【0015】
図2は、本実施形態に係る分電装置1を右側面から見た外観図である。筐体10の右側面には、三相入力コネクタ15、三相出力コネクタ16、第1単相コネクタ17、第2単相コネクタ18及び第3単相コネクタ19が設けられている。本実施形態では、三相入力コネクタ15に三相交流電圧が入力されると、三相出力コネクタ16から三相交流電圧が出力されたり、第1単相コネクタ17、第2単相コネクタ18及び第3単相コネクタ19から単相交流の電圧が出力されたりする。なお、各種のコネクタについて、筐体10から出ている部分の大きさが小さい方が、分電装置1の積み込み、持ち運び及び保管等がより簡便となるため好ましい。
【0016】
図3は、本実施形態に係る分電装置1の構成を示す図である。本実施形態に係る分電装置1は、各種の機器及び電路を保持する筐体10及び電路に流れる電流に応じて発光する発光装置90を備える。
【0017】
筐体10は、主として、三相入力電路20、分岐開閉器30(分岐器)、接続器40、三相出力電路50、第1単相電路60、第2単相電路70及び第3単相電路80を保持する。
【0018】
三相入力電路20は、R相の配線21、S相の配線22、T相の配線23及びN相(接地相)の配線24を備える。また、三相入力電路20は、R相、S相及びT相の三相交流電圧が入力される。具体的には、これらの配線21、22、23及び24を内包する三相入力コネクタ15に3相4線式のインレットが接続されると、配線21にR相の電圧、配線22にS相の電圧、配線23にT相の電圧が入力される。ここで、三相入力電路20に入力される電流の大きさは、特に限定されないが、例えば60A等であってもよい。また、三相交流電圧の大きさは、特に限定されないが、例えば200V等であってよい。
【0019】
分岐開閉器30は、6つの端子31、32、33、34、35及び36と、スイッチ37とを備える。端子31及び端子34の端子間と、端子32及び端子35の端子間と、端子33及び端子36とのそれぞれの端子間は、電気的に接続される。また、スイッチ37の状態をON又はOFFに切り替えることにより、これらの端子間を導通状態(ON)又は開放状態(OFF)を切り替えることができる。スイッチ37の状態は、手動で切り替えられてもよいし、分岐開閉器30の端子間に所定量(例えば、60A等)以上の電流が流れた場合に、スイッチ37の状態がONからOFFに切り替えられてもよい。なお、本明細書では、開閉器のスイッチの状態を、開閉器の開閉状態と称する場合がある。
【0020】
分岐開閉器30は、三相入力電路20に電気的に接続され、三相入力電路20から三相交流電圧が入力される。具体的には、R相の配線21が端子31に電気的に接続され、S相の配線22が端子32に電気的に接続され、T相の配線23が端子33に電気的に接続される。分岐開閉器30には、配線21、22及び23を通じて、三相交流電圧が入力される。
【0021】
接続器40は、各種の配線を電気的に接続し、端子41及び42を備える。ここで、端子41及び42は、互いに電気的に接続されている。端子41には、N相の配線24が電気的に接続されているため、配線24は、端子42に電気的に接続される配線と電気的に接続される。また、端子42には、接地配線43が接続されている。接地配線43は、3本の配線に分岐しており、それぞれ分岐した配線の一部は、第1単相コネクタ17、第2単相コネクタ18及び第3単相コネクタ19にそれぞれ内包される。
【0022】
三相出力電路50は、R相の配線51、S相の配線52、T相の配線53及びN相の配線54を備える。三相出力電路50は、分岐開閉器30に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する。具体的には、三相出力電路50が備える配線51、52、53及び54を内包する三相出力コネクタ16に3相4線式のインレットが接続されると、インレットに接続された負荷に三相交流電圧が出力される。これにより、負荷に三相交流の電力が供給される。ここで、負荷は、例えば、工事等に用いられる各種の加工装置等であってよい。また、三相出力電路50から出力される電流の大きさは、例えば60A等であってもよく、本実施形態に係る分電装置1によれば、比較的大型の装置を駆動可能な電力を供給できる。
【0023】
第1単相電路60は、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する。本実施形態では、第1単相電路60は、第1開閉器63と、第1分岐配線45のうちの分岐開閉器30と第1開閉器63とを接続する配線と、第2分岐配線46のうちの分岐開閉器30と第1開閉器63とを接続する配線と、第1開閉器63に接続された配線61及び62と、を含む。
【0024】
第1開閉器63は、4つの端子64、65、66及び67と、スイッチ68とを備える。端子64及び端子66の端子間と、端子65及び端子67の端子間とのそれぞれの端子間は、電気的に接続される。また、スイッチ68の状態をON又はOFFに切り替えることにより、これらの端子間を導通状態(ON)又は開放状態(OFF)を切り替えることができる。スイッチ68の状態は、手動で切り替えられてもよいし、第1開閉器63の端子間に所定量(例えば、20A等)以上の電流が流れた場合に、スイッチ68の状態がONからOFFに切り替えられてもよい。
【0025】
なお、後述する第2開閉器73及び第3開閉器83は、第1開閉器63と実質的に同一の機能及び構成を有してよい。具体的には、第2開閉器73及び第3開閉器83のそれぞれが有する各種の端子及びスイッチは、第1開閉器63が有する各種の端子及びスイッチと同一の機能及び構成を有してよい。このため、以下では、第2開閉器73及び第3開閉器83の詳細な説明については省略する。
【0026】
第1開閉器63の端子64には、分岐開閉器30の端子34に接続された、R相の第1分岐配線45が接続される。また、第1開閉器63の端子65には、分岐開閉器30の端子34に接続された、S相の第1分岐配線45が接続される。従って、第1開閉器63の端子64及び65には、R相-S相間の電圧が入力される。
【0027】
また、第1開閉器63の端子66及び67のそれぞれには、配線61及び62が接続されている。配線61及び62は、第1単相コネクタ17にそれぞれ内包される。分岐開閉器30のスイッチ37及び第1開閉器63のスイッチ68の状態がともにONとなっているときにインレットが第1単相コネクタ17に接続されると、インレットに接続された装置に、配線61及び62からR相-S相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相交流の電力が供給される。
【0028】
第2単相電路70は、分岐開閉器30に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する。本実施形態では、第2単相電路70は、第2開閉器73と、第1分岐配線45のうちの分岐開閉器30と第2開閉器73とを接続する配線と、第3分岐配線47のうちの分岐開閉器30と第2開閉器73とを接続する配線と、第2開閉器73に接続された配線71及び72と、を含む。
【0029】
第2開閉器73の端子74には、分岐開閉器30の端子34に接続された、R相の第1分岐配線45が接続される。また、第2開閉器73の端子75には、分岐開閉器30の端子36に接続された、T相の第3分岐配線47が接続される。従って、第2開閉器73の端子74及び75には、R相-T相間の電圧が入力される。
【0030】
また、第2開閉器73の端子76及び77のそれぞれには、配線71及び72が接続されている。配線71及び72は、第2単相コネクタ18にそれぞれ内包される。分岐開閉器30のスイッチ37及び第2開閉器73のスイッチ78の状態がともにONとなっているときにインレットが第2単相コネクタ18に接続されると、インレットに接続された装置に、配線71及び72からR相-T相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相交流の電力が供給される。
【0031】
第3単相電路80は、分岐開閉器30に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する。本実施形態では、第3単相電路80は、第3開閉器83と、第2分岐配線46のうちの分岐開閉器30と第3開閉器83とを接続する配線と、第3分岐配線47のうちの分岐開閉器30と第3開閉器83とを接続する配線と、第3開閉器83に接続された配線81及び82と、を含む。
【0032】
第3開閉器83の端子84には、分岐開閉器30の端子35に接続された、S相の第2分岐配線46が接続される。また、第3開閉器83の端子85には、分岐開閉器30の端子36に接続された、T相の第3分岐配線47が接続される。従って、第3開閉器83の端子84及び85には、S相-T相間の電圧が入力される。
【0033】
また、第3開閉器83の端子86及び87のそれぞれには、配線81及び82が接続されている。配線81及び82は、第3単相コネクタ19にそれぞれ内包される。分岐開閉器30のスイッチ37及び第3開閉器83のスイッチ88の状態がともにONとなっているときにインレットが第3単相コネクタ19に接続されると、インレットに接続された装置に、配線81及び82からS相-T相間の電圧が出力される。これにより、装置に単相交流の電力が供給される。
【0034】
また、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50に流れる電流は、発光装置90により検出されてよい。具体的には、配線61、62、配線71、72、配線81、82及び配線52、53、54に流れる電流が、発光装置90により検出されてよい。また、発光装置90は、検出した電流に応じて発光してよい。
【0035】
図4は、本実施形態に係る発光装置90の機能ブロック図である。
図4に示すように、本実施形態に係る発光装置90は、電流検出部91、制御部92及び発光部93を備える。
【0036】
電流検出部91は、各種の公知の電流を検出する装置を備えてよい。電流検出部91は、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50の少なくともいずれかに流れる電流を、電流信号として検出できる。電流検出部91は、電流の検出結果を制御部92に伝送できる。検出結果は、検出された電流が流れる電路及び検出された電流の大きさ等の情報を含んでよい。
【0037】
発光部93は、制御部92による制御に応じて発光できる。発光部93は、各種の公知の光源を備え、光源は例えばLED(Light Emitting Diode)等であってよい。また、発光部93は、複数の光源を備えてよく、それぞれの光源は、例えば、分電装置1が備える電路(例えば、第1単相電路60、第2単相電路70、第3単相電路80及び三相出力電路50等)に対応してよい。光源が配置される場所は特に限定されないが、光源は、例えば、対応するコネクタ等の付近に配置されてよい。例えば、第1単相電路60に対応する光源は、筐体10の外側の第1単相コネクタ17の付近等に配置されてよい。
【0038】
制御部92は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。制御部92が備えるROMには、各種の処理を実行するための処理プログラム等が記憶される。また、CPUは、ROMに記憶された処理プログラム等を実行し、各種の処理を実行する。なお、制御部92が備えるRAMには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される。
【0039】
制御部92は、発光部93の動作を制御できる。具体的には、電流検出部91による電流の検出結果に応じて、発光部93による発光を制御する。例えば、制御部92は、特定の電路において電流が流れていることが検出された場合には、その電路に対応する光源に発光させてよい。例えば、第1単相電路60に電流が流れたことが検出された場合には、制御部92は、第1単相電路60に対応する光源(例えば、第1単相コネクタ17の付近に配置された光源)等を発光させてよい。これにより、使用者は、どのコネクタから電流が流れているのかを簡便に確認することができる。
【0040】
以上、本実施形態に係る分電装置1について説明した。本実施形態に係る分電装置1によれば、三相交流の電力源を利用して、簡便に所望の電力を負荷に供給できる。例えば、三相交流の電力源が、施設に配置されている分電装置であるとする。また、その電力源から電力が供給される装置が、施設から遠い位置に配置されているとする。使用者は、施設に配置された電力源と本実施形態に係る分電装置1とをケーブル等を用いて接続することにより、分電装置1を用いて単相交流の電力を複数の装置に使用したり、あるいは、三相交流の電力を使用したりできる。本実施形態に係る分電装置1は、簡便に持ち運び可能であるため、容易に装置の付近に配置しておくことが可能である。このため、電力源が現場から離れていても、簡便に分電装置1を使用できる。
【0041】
[補足]
上記実施形態では、第1単相電路60、第2単相電路70及び第3単相電路80のそれぞれが開閉器を備える例について説明した。これに限らず、第1単相電路60、第2単相電路70及び第3単相電路80のいずれも開閉器を有していなくてもよいし、これらの電路のうちの1つまたは2つの電路が開閉器を有してもよい。
【0042】
また、上記実施形態では、三相出力電路50が開閉器を備えない例を説明したが、三相出力電路50は開閉器を備えてよい。この場合には、三相出力電路50が備える開閉器は、例えば、上述した分岐開閉器30と実質的に同一の機能及び構成を有してよい。この場合には、三相出力電路50の開閉器のスイッチが制御されることで、配線51、52及び53の状態(導通状態及び開放状態)が制御される。これにより、三相交流電圧の出力が必要ない場合には、開閉器の状態をOFFにすることにより、三相交流の電力が外部に供給されないようにすることができる。
【0043】
また、上記実施形態では、分岐器が開閉器としての機能を有する分岐開閉器30である例を説明した。これに限らず、分岐器が開閉器としての機能を有していなくてもよい。すなわち、配線21と配線51及び第3分岐配線47が常に電気的に接続され、配線22及び配線52及び第2分岐配線46が常に電気的に接続され、配線23及び配線53及び第1分岐配線45が常に電気的に接続されてもよい。
【0044】
また、上述実施形態で説明した筐体10、各種のコネクタ及びインレットは、防水機能を有してもよい。これにより、分電装置1が配置される現場において水が利用される場合であっても、支障なく分電装置1を利用することが可能となる。
【0045】
[変形例]
変形例では、分電装置1が備える開閉器の開閉状態に応じた発光を発光装置が行う例を説明する。なお、変形例では、発光装置を除く分電装置の構成は、
図1から
図3を使用して説明した構成と実質的に同一であってよい。
【0046】
図5は、変形例に係る発光装置95の機能ブロック図である。
図5に示すように、変形例に係る発光装置95は、状態検出部96、制御部97及び発光部98を備える。変形例に係る制御部97及び発光部98は、上記実施形態に係る制御部92及び発光部93が備える構成をそれぞれ有してよい。
【0047】
状態検出部96は、分電装置が備える開閉器の開閉状態を検出できる。具体的には、状態検出部96は、上述の分岐開閉器30、第1開閉器63、第2開閉器73及び第3開閉器83の開閉状態を検出できる。例えば、状態検出部96は、それぞれの開閉器から開閉状態を示す信号(状態信号)を取得してもよい。状態検出部96は、検出した開閉状態の検出結果を制御部97に伝送できる。開閉状態の検出結果は、検出された開閉器の開閉状態及び開閉器を特定する情報等を含んでよい。
【0048】
状態検出部96は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備える。状態検出部96が備えるROMには、各種の処理を実行するための処理プログラム等が記憶される。また、CPUは、ROMに記憶された処理プログラム等を実行し、各種の処理を実行する。なお、状態検出部96が備えるRAMには、各種プログラムの実行中に一時的に利用されるデータが記憶される。
【0049】
変形例に係る制御部97は、状態検出部96による開閉状態の検出結果に応じて、発光部98による発光を制御する。例えば、制御部97は、特定の開閉器のスイッチがONであること(すなわち、導通状態)が検出された場合には、その開閉器に対応する光源を発光させてよい。例えば、第1単相電路60が備える第1開閉器63のスイッチがONであることが検出された場合には、制御部97は、第1単相電路60に対応する光源(例えば、第1単相コネクタ17の付近に配置された光源)等を発光させてよい。これにより、使用者は、どのコネクタから電力を供給可能であるのかを簡便に確認することができる。
【0050】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0051】
1…分電装置、10…筐体、20…三相入力電路、30…分岐開閉器(分岐器)、50…三相出力電路、60…第1単相電路、63…第1開閉器、70…第2単相電路、73…第2開閉器、80…第3単相電路、83…第3開閉器、90,95…発光装置、91…電流検出部、92,97…制御部、93,98…発光部、96…状態検出部
【手続補正書】
【提出日】2021-01-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R相、S相及びT相の三相交流の動力源を含み、建物又は施設に配置される他の分電装置からケーブルを用いて接続されることにより、三相交流電圧が入力される三相入力電路と、
前記三相入力電路に電気的に接続され、前記三相入力電路から三相交流電圧が入力される分岐器と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、
前記三相入力電路、前記分岐器、前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路を保持する筐体であって、持ち運び可能なサイズの筐体と、
を備える分電装置。
【請求項2】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかの電路は、開閉器を有する、
請求項1に記載の分電装置。
【請求項3】
前記開閉器の開閉状態を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による開閉状態の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項2に記載の分電装置。
【請求項4】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部による電流の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分電装置。
【請求項5】
前記筐体は、プラスチックで形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分電装置。
【手続補正書】
【提出日】2021-04-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R相、S相及びT相の三相交流の動力源を含み、建物又は施設に配置される他の分電装置からケーブルを用いて接続される分電装置であって、
前記他の分電装置の前記動力源から前記ケーブルを用いて三相交流電圧が入力される三相入力電路と、
前記三相入力電路に電気的に接続され、前記三相入力電路から三相交流電圧が入力される分岐器と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-S相間の電圧を出力する第1単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、R相-T相間の電圧を出力する第2単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、S相-T相間の電圧を出力する第3単相電路と、
前記分岐器に電気的に接続され、三相交流電圧を出力する三相出力電路と、
前記三相入力電路、前記分岐器、前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路を保持する筐体であって、持ち運び可能なサイズの筐体と、
を備える分電装置。
【請求項2】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかの電路は、開閉器を有する、
請求項1に記載の分電装置。
【請求項3】
前記開閉器の開閉状態を検出する状態検出部と、
前記状態検出部による開閉状態の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項2に記載の分電装置。
【請求項4】
前記第1単相電路、前記第2単相電路、前記第3単相電路及び前記三相出力電路の少なくともいずれかに流れる電流を検出する電流検出部と、
前記電流検出部による電流の検出結果に応じて、発光部による発光を制御する制御部と、
をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の分電装置。
【請求項5】
前記筐体は、プラスチックで形成されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載の分電装置。