(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022044984
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】RFIDタグ付き着装部材及びRFIDタグ付き着装部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
G06K 19/077 20060101AFI20220311BHJP
H01Q 9/27 20060101ALI20220311BHJP
H01Q 9/16 20060101ALI20220311BHJP
H01Q 1/22 20060101ALI20220311BHJP
H01Q 19/02 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
G06K19/077 296
G06K19/077 220
H01Q9/27
H01Q9/16
H01Q1/22 Z
H01Q19/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150415
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】306029349
【氏名又は名称】ゼネラル株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】520072361
【氏名又は名称】大阪螺子販売株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100190621
【弁理士】
【氏名又は名称】崎間 伸洋
(72)【発明者】
【氏名】平田 周孝
(72)【発明者】
【氏名】田口 一仁
【テーマコード(参考)】
5J020
5J047
【Fターム(参考)】
5J020BA03
5J020BD04
5J020DA02
5J047AB07
5J047AB12
5J047EF00
(57)【要約】
【課題】RFIDタグを備えたRFIDタグ付き着装部材において、RFIDの通信感度が良好になるようにしたRFIDタグ付き着装部材及びRFIDタグ付き着装部材の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、軸状部1と、RFIDタグ3と、ブーストアンテナ4と、頭部2と、を備えている。軸状部1は、軸状のインサート部11と、当該インサート部11の一端部を幅方向に突出した基盤部12と、を有する。RFIDタグ3は、電波を送受信する。ブーストアンテナ4は、RFIDタグ3に送受信される電波をブーストする。頭部2は、RFIDタグ3及びブーストアンテナ4を封止するように基盤部12の少なくとも表面側をモールドする。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸状のインサート部と、当該インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部と、を有する軸状部と、
電波を送受信するRFIDタグと、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを封止するように前記基盤部の少なくとも表面側をモールドした樹脂製の頭部と、
を備えているRFIDタグ付き着装部材。
【請求項2】
前記ブーストアンテナは、前記RFIDタグを内側に配置するコイルバネ形状の導体である、
請求項1に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項3】
前記頭部は、前記RFIDタグを前記ブーストアンテナの長さ方向の中間部又は先端部に位置させる台座部を備えている、
請求項2に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項4】
前記頭部は、円柱状又は先細り若しくは先太りの截頭円錐状に形成され、
前記ブーストアンテナは、前記頭部の外形に合わせた円筒コイルバネ形状又は円錐コイルバネ形状に形成されている、
請求項2又は3に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項5】
前記頭部は、前記インサート部の径方向に突出する蝶ネジ状又は平板状に形成されたリブを備え、
前記ブーストアンテナは、前記頭部内の全体に拡張している、
請求項1に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項6】
前記ブーストアンテナは、ミアンダ状の導体パターンである、
請求項5に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項7】
前記頭部及び前記ミアンダ状のブーストアンテナは、先端側程幅広になっている、
請求項6に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項8】
前記ブーストアンテナは、前記インサート部の軸方向に並列した複数のスティック状部と、突出した一端側で折り返される折返し部と、を有するコ字状乃至つづら折り状とされ、
前記RFIDタグは、前記スティック状部の間に挟まれる、
請求項5に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項9】
前記ブーストアンテナは、二つ折り部材であり、
前記RFIDタグは、前記二つ折り部材に挟まれる、
請求項5に記載のRFIDタグ付き着装部材。
【請求項10】
請求項2に記載のRFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグをマウントするための台座部を前記基盤部に固定する工程と、
前記台座部に前記RFIDタグをマウントする工程と、
前記台座部に前記ブーストアンテナをセッティングする工程と、
前記台座部、前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを樹脂によってモールドし、前記台座部を一体的に備えた前記頭部を形成する工程と、
を含むRFIDタグ付き着装部材の製造方法。
【請求項11】
前記基盤部に前記台座部を固定する工程は、
前記基盤部に嵌合凹部を形成する工程と、
前記台座部に嵌合凸部を形成し、当該嵌合凸部を前記嵌合凹部に嵌め込む工程と、
を含む請求項10に記載のRFIDタグ付き着装部材の製造方法。
【請求項12】
請求項2に記載のRFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグをマウントするための台座部を前記基盤部に固定する工程と、
前記基盤部に前記ブーストアンテナをセッティングする工程と、
前記ブーストアンテナを内蔵するように樹脂によって頭部の原形をインサート成形する工程と、
前記頭部の原形の頂面から中心部に穴部を形成し、当該穴部の奥に前記RFIDタグをマウントする工程と、
前記穴部に溶融樹脂を充填し又は樹脂製の栓を挿入し、前記頭部を形成する工程と、
を含むRFIDタグ付き着装部材の製造方法。
【請求項13】
請求項5に記載のRFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記ブーストアンテナを嵌め入れる凹部を有し、前記軸状部の前記基盤部を含むように前記頭部の一方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを前記凹部にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを覆うように前記頭部の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含むRFIDタグ付き着装部材の製造方法。
【請求項14】
請求項5に記載のRFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記ブーストアンテナを位置決めするための位置決めボスを有し、前記軸状部の前記基盤部を含むように前記頭部の一方の片面側半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを前記位置決めボスによって位置決めし、前記インサート部にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを覆うように前記頭部の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含むRFIDタグ付き着装部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭部を有するボルトや頭部を有するピンのような着装部材の頭部にRFID(Radio Frequency Identification)タグを内蔵したRFIDタグ付き着装部材及びRFIDタグ付き着装部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RFIDタグは、ICチップにアンテナを接続したもので、アクティブタイプやパッシブタイプなどに分類される。アクティブタイプは、自ら電源を備えている。パッシブタイプは、リーダライタから照射される電波をエネルギーとして駆動する。RFIDタグは、リーダライタとデータの交信がされ、各種のデータが読み書きされる。
【0003】
このようなRFIDタグを備えたRFIDタグ付き着装部材が種々提供されている。例えば、特許文献1には、ネジ部の一端部に設けられた頭部の頂面に穴が形成され、この穴をICタグ(RFIDタグの1種)の収容部としたボルトが記載されている。この収容部の底部には、板状の磁性体が配置される。磁性体の上には、電磁誘導方式の非接触型ICタグが載置される。磁性体とICタグとが配置された収容部内には、耐熱樹脂製の充填材が充填される。収容部の開口部は、セラミック製又は耐熱樹脂製の蓋体によって塞がれる。
【0004】
ボルトの外周面及び蓋体の外表面には、樹脂の被膜層が形成される。樹脂の被膜層は、ボルトの外周面及び蓋体の外表面に樹脂粉体を付着し、加熱することで樹脂粉体を溶融し、溶融した樹脂粉体樹脂を冷却することで形成される。溶融した樹脂粉体は、ボルトの収容部と蓋体及び充填材との隙間にも進入する。この隙間には、進入した樹脂によって埃や雨水などの異物が侵入しない。樹脂の被覆層で覆われ、ICタグを内蔵したボルトは、ICタグ取付構造として、装置や機械の情報を管理するために使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されたICタグ取付構造は、ボルトの頭部にICタグの収容部を形成している。収容部には、ICタグを囲む周壁部が形成される。また、ボルトは、一般的に鉄鋼材料や合金材料などの金属によって成形される。したがって、ICタグが特にパッシブタイプのRFIDタグであると、通信感度が周壁部によって阻害される。
【0007】
本発明は、RFIDタグを備えたRFIDタグ付き着装部材において、RFIDの通信感度が良好になるようにしたRFIDタグ付き着装部材及びRFIDタグ付き着装部材の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部と、当該インサート部の一端部を幅方向に突出した基盤部と、を有する軸状部と、
電波を送受信するRFIDタグと、
前記RFIDタグに送受信される電波をブーストするブーストアンテナと、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを封止するように前記基盤部の少なくとも表面側をモールドした樹脂製の頭部と、
を備えている。
【0009】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナは、前記RFIDタグを内側に配置するコイルバネ形状の導体である(第1のRFIDタグ付き着装部材)。
【0010】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部は、前記RFIDタグを前記ブーストアンテナの長さ方向の中間部又は先端部に位置させる台座部を備えている。
【0011】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部は、円柱状又は先細り若しくは先太りの截頭円錐状に形成され、
前記ブーストアンテナは、前記頭部の外形に合わせた円筒コイルバネ形状又は円錐コイルバネ形状に形成されている。
【0012】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部は、前記インサート部の径方向に突出する蝶ネジ状又は平板状に形成されたリブを備え、
前記ブーストアンテナは、前記リブ内の全体に拡張している(第2のRFIDタグ付き着装部材)。
【0013】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナは、ミアンダ状の導体パターンである。
【0014】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部及び前記ミアンダ状のブーストアンテナは、先端側程幅広になっている。
【0015】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナは、前記インサート部の軸方向に並列した複数のスティック状部と、突出した一端側で折り返される折返し部と、を有するコ字状乃至つづら折り状とされ、
前記RFIDタグは、前記スティック状部の間に挟まれる。
【0016】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナは、二つ折り部材であり、
前記RFIDタグは、前記二つ折り部材に挟まれる。
【0017】
本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグをマウントするための台座部を前記基盤部に固定する工程と、
前記台座部に前記RFIDタグをマウントする工程と、
前記台座部に前記ブーストアンテナをセッティングする工程と、
前記台座部、前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを樹脂によってモールドし、前記台座部を一体的に備えた前記頭部を形成する工程と、
を含む。
【0018】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法において、
前記基盤部に前記台座部を固定する工程は、
前記基盤部の表面に嵌合凹部を形成する工程と、
前記台座部に嵌合凸部を形成し、当該嵌合凸部を前記嵌合凹部に嵌め込む工程と、
を含む。
【0019】
前記と異なる本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグをマウントするための台座部を前記基盤部に固定する工程と、
前記基盤部に前記ブーストアンテナをセッティングする工程と、
前記ブーストアンテナを内蔵するように樹脂によって頭部の原形をインサート成形する工程と、
前記頭部の原形の頂面から中心部に穴部を形成し、当該穴部の奥に前記RFIDタグをマウントする工程と、
前記穴部に溶融樹脂を充填し又は樹脂製の栓を挿入し、前記頭部を形成する工程と、
を含む。
【0020】
本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記ブーストアンテナを嵌め入れる凹部を有し、前記軸状部の前記基盤部を含むように前記頭部の一方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを前記凹部にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを覆うように前記頭部の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含む。
【0021】
前記と異なる本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記ブーストアンテナを位置決めするための位置決めボスを有し、前記軸状部の前記基盤部を含むように前記頭部の一方の片面側半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを前記位置決めボスによって位置決めし、前記インサート部にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ及び前記ブーストアンテナを覆うように前記頭部の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含む。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、RFIDタグを備えたRFIDタグ付き着装部材において、RFIDの通信感度が良好になるようにしたRFIDタグ付き着装部材及びRFIDタグ付き着装部材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例を示す斜視図である。
【
図2】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
【
図3】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
【
図4】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図5】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
【
図6】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
【
図7】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図8】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
【
図9】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
【
図10】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
【
図11】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図12】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
【
図13】本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
【
図14】本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図15】本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第5例を示す断面正面図である。
【
図16】本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第6例を示す断面正面図である。
【
図17】本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は一部断面平面図、(b)は断面正面図である。
【
図18】本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は第1の製造方法の初期工程を示す断面正面図、(b)は第1の製造方法の中期工程を示す断面正面図、(c)は第1の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図19】本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は第2の製造方法の初期工程を示す正面図、(b)は第2の製造方法の中期工程を示す正面図、(c)は第2の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【
図20】本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第2例であって、最終工程を示し、(a)は(c)のA-A線断面平面図、(b)は(c)のB-B線断面図、(c)は第2の断面正面図である。
【
図21】本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第3例であって、最終工程を示し、(a)は一部断面平面図、(b)は断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
〔第1の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例について、
図1乃至
図4を参照しながら説明する。
図1は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例を示す斜視図である。
図2は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
図3は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
図4は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第1例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0025】
このRFIDタグ付き着装部材は、雌ネジやナットに螺合するボルトやビスのような締結部材だけでなく、軸穴に挿入されるピンなども含む。ただし、第1の実施形態(後記の第2の実施形態なども同じ。)でのRFIDタグ付き着装部材は、ボルトのような着装部材を一例とするため、以下、主として「RFIDタグ付きボルト」として説明する。
図1に示すように、このRFIDタグ付きボルトは、軸状部1と、頭部2と、RFID(Radio Frequency Identification)タグ3と、ブーストアンテナ4とを備えている。
【0026】
軸状部1は、インサート部11と基盤部12とを有している。インサート部11及び基盤部12は、アルミニウムやステンレス鋼などの金属によって形成されている。インサート部11は、軸状で、雄ネジが形成されている。ただし、インサート部11の一端部(基盤部12に連続する部分)付近は、雄ネジが形成されていない。
【0027】
基盤部12は、インサート部11の一端部において幅方向に突出して設けられる。幅方向は、インサート部11の長さ方向と直交する方向である。雄ネジが形成されたインサート部11における幅方向は、径方向と言い換えられる。基盤部12は、円盤状に形成される。円盤状の基盤部12の中心と、インサート部11の径方向の中心とは、一致している。基盤部12の外周面の一部には、平坦状の面取り部121が形成されている。
【0028】
頭部2は、RFIDタグ3を頂面にマウントする台座部21と、この台座部21の主要部分を覆うキャップ部22と、を一体化して形成される。
【0029】
台座部21は、基盤部12のインサート部11がない表面側に樹脂によって成形される。
図2に示すように、台座部21は、拡径部211と突出部212とを備えている。拡径部211は、基盤部12の外周部を囲むリング状に形成されている。拡径部211の内面の一部には、基盤部12の面取り部121に係合するように弓形形状の係止部(図示せず)が形成されている。突出部212は、基盤部12の表面の中心からインサート部11とは反対向きで円柱状又は多角形柱状に突出する。突出部212の頂端面には、RFIDタグ3をマウントするため溝状又は窪み状の中低部212aが形成されている。
図1及び
図3に示すように、突出部212は、コイルバネ形状のブーストアンテナ4の基端側(図面において下側)半分に囲まれる。
【0030】
図4に示すように、キャップ部22は、台座部21の突出部212を覆う部分であり、RFIDタグ3及びブーストアンテナ4を樹脂によって封止するように円柱状にモールドする。キャップ部22は、基盤部12の表面側にインサート部11よりもやや長め乃至ほぼ同じ長さで突出し、拡径部211と同じ外径で設けられる。キャップ部22は、金型(図示せず)によってインサート成形される。図示しないが、キャップ部22の外周面には、長さ方向に平目のようなローレット目が形成されてもよい。
【0031】
RFIDタグ3は、パッシブ型タグである。すなわち、このRFIDタグ3は、バッテリーを内蔵せず、リーダライタ(図示せず)から電波を受けて、この電波を電源として駆動する。RFIDタグ3は、情報を記録するICチップと、無線通信するためのアンテナとを組み合わせた超小型(例えば、縦・横・厚さが2.5mm・2.5mm・0.375mm)のチップ状の電子部品である。RFIDタグ3は、頭部2の突出部212の頂面に形成された中低部212aにマウントされ、頭部2のキャップ部22に樹脂モールドによって封止される。
【0032】
ブーストアンテナ4は、台座部21の突出部212を囲む円筒コイルバネ形状に形成され、RFIDタグ3に送受信される電波をブーストする。図示したブーストアンテナ4は、見やすいように描いてあり、実際のブーストアンテナ4は、図示しないピッチや線径、巻き数で成形されてもよい。ブーストアンテナ4は、各種金属などを含む導電体によって成形される。円筒コイルバネ形状のブーストアンテナ4は、基端部が拡径部211の表面に固定され、基端側半分が突出部212を囲み、先端側半分が突出部212の頂面よりも延出する。突出部212は、ブーストアンテナ4の1/2以上の長さであることが好ましい。ブーストアンテナ4の長さ方向の中間部内にRFIDタグ3が配置される。RFIDタグ13は、金属製の基盤部12から離れた位置で、ブーストアンテナ4に囲まれるように配置される。ブーストアンテナ4は、RFIDタグ3と電気的に接続されない。ブーストアンテナ4は、RFIDタグ3に含まれるアンテナに磁界結合される。
【0033】
ここで、第1の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第1の製造方法について、
図2乃至
図4を参照しながら説明する。RFIDタグ付きボルトの第1の製造方法は、初期工程と中間工程と最終工程とに分けられる。
【0034】
図示しないが、初期工程において、軸状部1と台座部21とがそれぞれ個別に製作される。
図2に示すように、初期工程の次のステップでは、台座部21を溶融樹脂によってインサート成形する。すなわち、台座部21の拡径部211が基盤部12の外周面を囲み、台座部21の突出部212が基盤部12の表面から突出するように台座部21がインサート成形される。突出部212の頂面には、中低部212aが形成されている。
【0035】
図3に示すように、中間工程では、初期において成形された台座部21の突出部212の中低部212aに嵌め込むことで、RFIDタグ3を頂面にマウントし、ブーストアンテナ4の基端部を台座部21の拡径部211に設置する。ブーストアンテナ4内にRFIDタグ3を配置した部品をタグブロックという。
【0036】
この台座部21の突出部212とタグブロック(RFIDタグ3及びブーストアンテナ4)は、金型(図示せず)のキャビティ内にセッティングされる。金型のキャビティは、頭部2のキャップ部22を樹脂によってインサート成形するための空間である。金型が閉じられた状態で、キャビティ内に溶融樹脂が充填される。この溶融樹脂は、台座部21を成形した溶融樹脂と同じである。溶融樹脂が凝固すると、キャップ部22を成形したRFIDタグ3付きボルトが完成する。台座部21とキャップ部22は、同じ溶融樹脂によって成形されるため、境界面がわからない又はわかりにくい程度まで一体化される。なお、
図4では、台座部21とキャップ部22とを区別しやすいように逆向きのハッチングを入れてある。
【0037】
最終工程では、金型が開けられることで、このRFIDタグ付きボルトがキャビティ内から取り出される。
図4に示すように、このRFIDタグ付きボルトは、頭部2のキャップ部22がタグブロック(RFIDタグ3及びブーストアンテナ4)を封止している。頭部2のキャップ部22と台座部21は、同じ樹脂によって一体的に成形されているため、キャップ部22が周方向や長さ方向に滑ることがないように一体化される。また、台座部21の拡径部211と基盤部12の外周面とは、それぞれ係合部と面取り部121とが直線状に係合していることから、頭部2と基盤部12とは、空回りしない。
【0038】
次に、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第2例の製造方法について、
図5乃至
図7を参照しながら初期工程と中間工程と最終工程とに分けて説明する。
図5は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
図6は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
図7は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第2例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0039】
図5乃至
図7に示すように、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第2例は、軸状部1の基盤部12の表面の中心に嵌合凹部122を形成し、台座部21の拡径部の基端面の中心に嵌合凸部213を形成したものとされる。このRFIDタグ付きボルトは、嵌合凸部213が嵌合凹部122に挿し込まれることで、台座部21と基盤部12とを一体化する。ブーストアンテナ4は、第1例と同じくコイルバネ状に形成されている。
【0040】
このようなRFIDタグの第2例を製造する初期工程においては、軸状部1と台座部21とがそれぞれ個別に製作される。
図5に示すように、初期工程では、さらに台座部21の突出部212の中低部212aにRFIDタグ3がマウントされる。また、台座部21の拡径部211には、ブーストアンテナ4がセッティングされる。ブーストアンテナ4の長さ方向の中間にRFIDタグ3が位置する。突出部212にマウントされたRFIDタグ3とブーストアンテナ4と組み合わされてタグブロックとなる。
【0041】
図6に示すように、中間工程では、台座部21の嵌合凸部213が基盤部12の嵌合凹部122に嵌め込まれる。なお、ブーストアンテナ4は、台座部21の嵌合凸部213が基盤部12の嵌合凹部122に嵌め込まれた後に突出部212に外装してもよい。中間工程では、タグブロック(RFIDタグ及びブーストアンテナ4)、台座部21及び基盤部12を金型にセッティングする。そして、金型が閉じられた状態で、キャビティ内に台座と同じ溶融樹脂が注入される。溶融樹脂が凝固すると、キャップ部22を形成したRFIDタグ付きボルトが完成する。台座部21とキャップ部22は、同じ溶融樹脂によって成形されるため、境界面がわからない又はわかりにくい程度まで一体化される。
【0042】
最終工程では、金型が開けられることで、このRFIDタグ付きボルトがキャビティ内から取り出される。このRFIDタグ付きボルトも、第1例の製造方法によって製造されたRFIDタグ付きボルトと同様、頭部2が台座部21とキャップ部22とを一体化したものとされている。したがって、このRFIDタグ付きボルトは、頭部2が周方向に回されると、軸状部1が空回りすることなく一体的に回される。
【0043】
次に、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第3例の製造方法について、
図8乃至
図11を参照しながら初期工程と中間工程と最終工程とに分けて説明する。
図8は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
図9は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
図10は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
図11は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第3例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0044】
図8に示すように、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第3例は、軸状部1の基盤部12の表面が平坦に形成され、台座部21が直方体形状に形成されている。台座部21は、立方体形状に形成されてもよい。いずれにしても、台座部21の頂面には、中低部が形成されていない。台座部21の幅は、基盤部12の外形よりも小さく、換言すれば、基盤部12の表面が台座部21からはみ出た状態となる。ブーストアンテナ4は、第1例と同じくコイルバネ状に形成されている。
【0045】
図9に示すように、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第3例を製造する中期工程では、軸状部1の基盤部12に台座部21が接着剤などによって固定される。台座部21の頂面には、RFIDタグ3が接着剤などによって固定される。なお、図示しないが、この第1の実施形態のRFIDタグ付きボルトの第3例であっても、台座部21の表面に中低部を形成し、この中低部にRFIDタグを埋め込むようにしてもよい。
【0046】
図10に示すように、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第3例を製造する中間工程では、さらにブーストアンテナ4が台座部21を囲むように基盤部12上にセッティングされる。ブーストアンテナ4は、基端部が台座部21に固定され、中間部がRFIDタグ3を囲み、先端側が台座部21の頂面よりも長く伸びる。
【0047】
図11に示すように、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第3例を製造する最終工程では、RFIDタグ3をマウントした台座部21と基盤部12とが樹脂によってモールドされ、キャップ部22が成形される。すなわち、最終工程では、台座部21をキャップ部22によってモールドした頭部2が形成される。このRFIDタグ付きボルトは、頭部2が周方向に回されると、軸状部1が空回りすることなく一体的に回される。
【0048】
次に、RFIDタグ付きボルトの第1の実施形態の第4例の製造方法について、
図12乃至
図14を参照しながら初期工程と中間工程と最終工程とに分けて説明する。
図12は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の初期工程を示す断面正面図である。
図13は、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の中期工程を示す断面正面図である。
図14は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第4例の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0049】
図12に示すように、第1の実施形態の第4例の製造方法では、初期工程において、基盤部12の表面側の中心に突起部123が形成される。さらに初期工程では、ブーストアンテナ4の基端側半部が基盤部12の突起部123を囲むようにブーストアンテナ4を基盤部12上にセッティングする。
【0050】
図13に示すように、第1の実施形態の第4例の製造方法の中間工程では、金型のキャビティ内に軸状部1の基盤部12をセッティングし、台座部21を有する頭部の原形20を溶融樹脂によって成形する。頭部の原形20の頂部には、縦穴部201が形成されている。したがって、第1の実施形態の第4例の製造方法の中間工程で使用する金型は、縦穴部201を形成するための第1のコアを備えている。ただし、縦穴部201は、ドリルなどで形成してもよい。いずれにしても、中間工程においては、頭部の原形20が台座部21上にセッティングされたブーストアンテナ4を溶融樹脂によって封止する。
【0051】
図14に示すように、第1の実施形態の第4例の製造方法の最終工程では、頭部の原形20の縦穴部201の奥にRFIDタグ3がマウントされる。続いて、金型の第2のコアを使用して、RFIDタグ3をマウントした頭部の原形20の縦穴内に溶融樹脂を注入する。したがって、第3の製造方法の最終工程で使用する金型は、縦穴部201を形成するための第2のコアを備えている。この溶融樹脂202が凝固すると、頭部の原形20と一体となり、最終的な頭部2が完成する。
【0052】
なお、第2のコアを使用して溶融樹脂を縦穴部201に注入することなく、縦穴部201に嵌め込まれる樹脂製の栓を別途,製作してもよい。樹脂製の栓は、RFIDタグ3をマウントした頭部の原形20の縦穴に嵌め込まれた状態が維持されるように、接着剤で固定される。栓は、回されたり捩られたりしないため、縦穴部201から抜けないように頭部の原形20に固定される。
【0053】
次に、RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第5例について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第5例を示す断面正面図である。
【0054】
RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第5例は、第1の実施形態の第1例乃至第4例と同様、軸状部1と、頭部2と、RFIDタグ3と、ブーストアンテナ4とを備えている。しかし、
図15に示すように、第1の実施形態の第5例のブーストアンテナ4は、円錐コイルバネ形状に形成されている。第1の実施形態の第5例のブーストアンテナ4は、基盤部12に設置される基端側が縮径し、先端側が拡径している。したがって、第2の実施形態の第1例の頭部2は、基盤部12側が縮径し、先端部が拡径した截頭円錐状とされている。また、基盤部12の表面には、突起部123が突出している。突起部123の頂面には、RFIDタグ3がマウントされる。
【0055】
キャップ部22は、軸状部1の基盤部12及び突起部123とタグブロック(RFIDタグ3及びブーストアンテナ4)を樹脂によってモールドする。ブーストアンテナ4が先端側を拡径した円筒コイルバネ形状に形成されるため、キャップ部22は、ブーストアンテナ4の外周に沿うように先端側が拡径した截頭円錐台状に形成される。キャップ部22は、金型によってインサート成形される。キャップ部22の外周面には、長さ方向に平目のようなローレット目が形成されてもよい。
【0056】
第1の実施形態の第5例のブーストアンテナ4は、縮径した側がRFIDタグ3を囲むように配置される。すなわち、ブーストアンテナ4の基盤部12側が縮径しているため、突起部123が低く形成される。ブーストアンテナ4の形状によって、希望する感度特性に合った調整がされる。
【0057】
次に、RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第6例について
図16を参照しながら説明する。
図16は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第1の実施形態の第6例を示す断面正面図である。
【0058】
図16に示すように、第1の実施形態の第6例のブーストアンテナ4は、基盤部12に設置される基端側が拡径し、先端側が縮径している。基盤部12から突出した突起部123の頂面にRFIDタグ3がマウントされる。RFIDタグ3は、ブーストアンテナ4の縮径した先端側に配置される。第1の実施形態の第6例では、ブーストアンテナ4の先端側が縮径しているため、突起部123が高く形成される。このようなブーストアンテナ4の形状によって、希望する感度特性に合った調整がされる。
【0059】
キャップ部22は、軸状部1の基盤部12と突起部123とタグブロック(RFIDタグ3及びブーストアンテナ4)を封止する樹脂によって先端側が縮径した截頭円錐台状にモールドする。ブーストアンテナ4が円錐コイルバネ形状に形成されるため、キャップ部22は、ブーストアンテナ4の外周に沿うように截頭円錐状に形成される。キャップ部22は、金型によってインサート成形される。キャップ部22の外周面には、長さ方向に平目のようなローレット目が形成されている。
【0060】
図示しないが、第1の実施形態の第7例は、第1例に示した円筒コイルバネ形状のブーストアンテナ4の基端部側にRFIDタグ3を配置する。したがって、このRFIDタグ3をマウントする基盤部12の突起部123は、
図1乃至
図4に示した突起部123よりも低く形成される。あるいは、
図13及び
図14に示したような縦穴部201が深く形成される。
【0061】
図示しないが、第1の実施形態の第8例は、第1例に示した円筒コイルバネ形状のブーストアンテナ4の先端側にRFIDタグ3を配置する。したがって、このRFIDタグ3をマウントする基盤部12の突起部123は、
図1乃至
図4に示した突起部123よりも高く形成される。このような突起部123にマウントされるRFIDタグ3は、軸状部1の基盤部12から離れるため、軸状部1の基盤部12の影響を受けにくくなり、性能が向上する。
【0062】
以上のような第1の実施形態のRFIDタグ付きボルト(後記の第2の実施形態のRFIDタグ付きボルトも同じ。)も、リーダライタから送信されたデータがRFIDタグ3に書き込まれるような様々な分野において使用される。例えば、RFIDタグ付きボルトは、金型管理システムにおいて使用される。金型管理システムにおいて管理される金型(以下、「被管理金型」という。)は、製品の生産が終了した後、例えば15年以上保管されてもよい。
【0063】
また、このRFIDタグ付きボルトは、ブーストアンテナ4を備えることによって、RFIDタグ3が微弱な電波を送受信するパッシブ型であっても、その電波がブーストされ、径方向の指向性を向上させてリーダライタと確実に電波の送受信をすることができる。
【0064】
〔第2の実施形態〕
本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例について、
図17を参照しながら説明する。
図17は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は一部断面平面図、(b)は断面正面図である。
【0065】
図17に示すように、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付き着装部材は、第1の実施形態と同様、軸状部1と、頭部2と、RFIDタグ3と、ブーストアンテナ4とを備えている。しかし、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付き着装部材は、インサート部11の径方向に突出する板状のリブ24を有する頭部2を備えている。
【0066】
頭部2は、基盤部12を囲む変形円柱形状の中心部23と、一対の板状のリブ24とを備えている。中心部23は、円柱状部と円錐台状部とを軸方向に一体成形した形状とされている。各一対のリブ24は、中心部23から蝶ネジのように径方向に突出している。各リブ24は、インサート部11の軸方向に対して直交する底辺部241と、インサート部11の軸方向に対して斜め向きに中心部23から突出する傾斜部242とを有している。
【0067】
ブーストアンテナ4は、蝶ネジ状の頭部2の形状に合わせてミアンダ状の導体パターンのように頭部2内にパターニングされている。このミアンダ状の導体パターンは、インサート部11の長さ方向を幅方向としたときに、リブ24の基端側の幅が狭く、先端側の幅が次第に広くなるように形成されている。各リブ24内のミアンダ状の各導体パターンの基端は、RFIDタグに近接されている。すなわち、このブーストアンテナ4は、RFIDタグ3と電気的に接続されていない。ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ4は、磁界結合型と容量結合型の機能を併せ持っている。
【0068】
なお、
図17に示したブーストアンテナ4は、先端側で次第に広くなるミアンダ状の導体パターンとした。しかし、ブーストアンテナ4は、全長に亘って同じ幅のミアンダ状の導体パターンとしてもよい。この場合のリブ24は、底辺と上辺部が平行に形成される。
【0069】
ここで、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第1の製造方法について、初期工程と中間工程と最終工程に分けて
図18を参照しながら説明する。
図18は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は第1の製造方法の初期工程を示す断面正面図、(b)は第1の製造方法の中期工程を示す断面正面図、(c)は第1の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0070】
このRFIDタグ付きボルトの頭部2は、ミアンダ形状の導電パターンであるため、横臥姿勢としてインモールドする金型によって成形される。
図18(a)に示すように、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第1の製造方法では、インモールド半成形によって、頭部2の厚さ方向に片側半分の頭部200が形成される。この半分の頭部200は、外周が縁取られ、縁取りの内側に平坦な凹部210が形成されている。
【0071】
次に、
図18(b)に示すように、片側の半分の頭部2に形成された凹部210内に、ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ4とRFIDタグ3とがセッティングされる。ブーストアンテナ4は、下側の半分の頭部2の外周が縁取られていることから、凹部210内から位置ずれしない。
【0072】
次に、
図18(c)に示すように、キャビティが異なる金型に入れ替えられ、ブーストアンテナ4及びRFIDタグ3をセッティングした凹部210内に溶融樹脂がモールドされ、もう片側半分が成形されることで、頭部2がモールドされる。このような頭部2を有するRFIDタグ付きボルトは、リブ24が回されることで、締めたり緩めたりすることができるため、感度性に加えて使用性が向上する。
【0073】
ここで、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第2の製造方法について、初期工程と中間工程と最終工程に分けて
図19を参照しながら説明する。
図19は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例であって、(a)は第2の製造方法の初期工程を示す正面図、(b)は第2の製造方法の中期工程を示す正面図、(c)は第2の製造方法の最終工程を示す断面正面図である。
【0074】
第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第2の製造方法では、ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ4及びRFIDタグ3をシールのような基材パッキング材(ウェブ)に取り付けたインレイを使用する。
【0075】
図19(a)に示すように、第2の実施形態の第1例のRFIDタグ付きボルトの第2の製造方法の初期工程では、インレイを位置決めするための位置決めボス25を有する頭部200の厚さ方向の片側半分の頭部200がインモールド半成型される。
【0076】
次に、
図19(b)に示すように、中期工程では、このインモールド半成形された半分の頭部2にウェブをセッティングする。ウェブは、位置決めボス25によって所定の位置にセッティンブされる。
【0077】
次に、
図19(c)に示すように、最終工程では、金型のキャビティを交換し、頭部2のもう片側半分を成形し、所定の形状の頭部2にする。
【0078】
次に、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第2例について、
図20を参照しながら説明する。
図20は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第2例であって、最終工程を示し、(a)は(c)のA-A線断面平面図、(b)は(c)のB-B線断面図、(c)は第2の断面正面図である。
【0079】
図20に示すように、第2の実施形態の第2例のRFIDタグ付き着装部材は、第1の実施形態と同様、軸状部1と、頭部2と、RFIDタグ3と、ブーストアンテナ4とを備えている。しかし、第2の実施形態の第2例のRFIDタグ付き着装部材は、インサート部11の径方向に突出する長方形板状の頭部2を備えている。
【0080】
この第2の実施形態の第2例の頭部2は、基盤部12を囲む変形円柱形状の中心部23と、長方形板状のリブ24とを備えている。中心部23は、円柱状部と円錐台状部とを軸方向に一体成形した形状とされている。リブ24の下辺と上辺は、平行に形成されている。
【0081】
第2の実施形態の第2例のブーストアンテナ4は、正面視コ字状とされ、2本の平行なスティック状部42と、この両スティック状部42の一端側を接続する折返し部43を有している。このブーストアンテナ4は、軸状部1側のスティック状部42の中心部23が頭部2の円錐台状部に固定される。コ字形状の導体パターンのブーストアンテナ4は、磁界結合型と容量結合型の機能を併せ持っている。
【0082】
RFIDタグ3は、リブ24内に位置するように2本のスティック状部42の間に挟まれる。
図20に示したRFIDタグ3は、ブーストアンテナ4の折返し部43に近接した位置に配置されているが、先端側に配置されてもよい。RFIDタグ3は、頭部2の中心でなく、一方のリブ24内に配置される。あるいは、図示しないが、RFIDタグ3は、リブ24内でなく、頭部2内に配置されてもよい。すなわち、RFIDタグ3の配置場所は、限定されない。
【0083】
図示しないが、第2の実施形態の第2例のRFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3が複数のスティック状部42を並列したつづら(九十九)折り状、換言すれば、横型ミアンダ状のパターンとしてもよい。この場合は、RFIDタグ3は隣り合ったいずれかのスティック状部42に挟まれる。また、つづら折り状のブーストアンテナ4をモールドするリブ24は、コ字状のブーストアンテナ4をモールドするリブ24よりも高く形成される。
【0084】
第2の実施形態のRFIDタグ付き着装部材の第2例は、第2の実施形態のRFIDタグ付き着装部材の第1例と同様に製造される。
【0085】
次に、本発明のRFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第3例について、
図21を参照しながら説明する。
図21は、本発明RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第3例であって、最終工程を示し、(a)は一部断面平面図、(b)は断面正面図である。
【0086】
図21に示すように、第2の実施形態の第3例のRFIDタグ付き着装部材は、第1の実施形態と同様、軸状部1と、頭部2と、RFIDタグ3と、ブーストアンテナ4とを備えている。しかし、第2の実施形態の第2例のRFIDタグ付き着装部材は、インサート部11の径方向に突出する長方形板状の頭部2を備えている。
【0087】
この第2の実施形態の第3例の頭部2は、基盤部12を囲む変形円柱形状の中心部23と、長方形板状のリブ24とを備えている。中心部23は、円柱状部と円錐台状部とを軸方向に一体成形した形状とされている。リブ24の下辺と上辺は、平行に形成されている。ただし、この第3例のリブ24は、第2例のリブ24よりも厚めに形成されている。
【0088】
第2の実施形態の第3例のブーストアンテナ4は、スティック状部42の片面同士が向き合うように二つ折りとされた部材である。スティック状部42は、長辺と短辺とを有する長方形状で、折り目が短辺に設けられ、リブ24の一方の端部内に配置される。ブーストアンテナ4の向き合うスティック状部42の各先端部がリブ24の他方の端部内に配置される。二つ折り部材の導体パターンのブーストアンテナ4は、磁界結合型と容量結合型の機能を併せ持っている。なお、二つ折りとされたブーストアンテナ4の折り目が長辺側に設けられると、通信距離が著しく減少する。
【0089】
RFIDタグ3は、この二つ折り部材のブーストアンテナ4の両スティック状部42に挟まれる。
図21に示したRFIDタグ3は、ブーストアンテナ4の中心部23寄りに配置されている。しかし、RFIDタグ3は、折返し部43近く配置されてもよい。いずれにしても、RFIDタグ3は、頭部2の中心でなく、リブ24に配置される。
【0090】
RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第3例は、RFIDタグ付き着装部材の第2の実施形態の第1例と同様に製造される。
【0091】
この第2の実施形態の第1例乃至第3例のRFIDタグ3は、ブーストアンテナ4がスティック状とされることで、RFIDタグ3から離れるにしたがって拡大していくと、放射面が広がり、狭めると、集中して通信距離が延長される。また、ブーストアンテナ4の形状を変更することで、頭部2のサイズ感を変更することができる。
【0092】
〔他の実施形態〕
本発明に係るRFIDタグ付きボルトの実施の形態は、前記内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲で変形や改良などを含む。
【0093】
例えば、前記実施の形態では、インサート部11は雄ネジが形成された軸状であるとした。しかし、インサート部11は、雄ネジが形成されないピンであってもよいし、ピンは円柱状に限定されず、角柱状であってもよい。
【0094】
また、前記実施の形態では、基盤部12は円盤状に形成されるとした。しかし、基盤部12は、多角形状であってもよい。また、前記実施の形態では、基盤部12の外周面は面取り部121を形成したものであり、頭部2は面取り部121に接合する係止部を有するとした。しかし、基盤部12の外周面は、面取り部121を形成せず、ローレット目とし、頭部2の内面がローレット目に入り込むようにしてもよい。また、基盤部12と頭部2とが固着一体化される場合は、基盤部12に面取り部121を形成せず、頭部2に係止部を有さないようにしてもよい。
【0095】
また、前記実施の形態では、インサート部11及び基盤部12は金属で形成されているとした。しかし、インサート部11及び基盤部12のいずれか一方又は両方が樹脂で形成されてもよい。
【0096】
また、前記実施の形態では、RFIDタグ付きボルトは被管理金型の管理において使用する場合について説明した。しかし、RFIDタグ付きボルトは、物流分野や鉄道分野や飲食業界などにおいても使用することができる。物流分野では、トラックやコンテナなどのボディにねじ込み、商品の流通を管理する。鉄道分野では、ボルトの緩みを管理する。このボルトは、被管理金型にねじ込む場合よりも大きなサイズが使用される場合がある。飲食業界では、回転寿司店において、皿にRFIDタグ付きボルトを着装し、皿に載せられた寿司の経過時間を管理したり、個別注文した客席にダイレクトに配送されたりしてもよい。
【0097】
〔まとめ〕
以上まとめると、本発明が適用されるRFIDタグ付き着装部材は、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態をとることができる。
【0098】
本発明に係るRFIDタグ付き着装部材は、
軸状のインサート部11と、当該インサート部11の一端部を幅方向に突出した基盤部12と、を有する軸状部1と、
電波を送受信するRFIDタグ3と、
前記RFIDタグ3に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ4と、
前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を封止するように前記基盤部12の少なくとも表面側をモールドした樹脂製の頭部2と、
を備えている。
【0099】
このRFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3に送受信される電波をブーストするブーストアンテナ4を備えていることにより、RFIDタグ3が微弱な電波を送受信するパッシブ型タグであっても、確実に電波を送受信することができる。また、RFIDタグ3及びブーストアンテナ4が頭部2にモールドされるRFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3及びブーストアンテナ4が軸状部1の基盤部12から脱落しないように低コストで製造することができる。
【0100】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナ4は、前記RFIDタグ3を内側に配置するコイルバネ形状の導体である(第1のRFIDタグ付き着装部材)。
【0101】
この(第1の)RFIDタグ付き着装部材は、ブーストアンテナ4がコイルバネ形状の導体であるため、電波の指向性を径方向に向上させることができる。
【0102】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部2は、前記RFIDタグ3を前記ブーストアンテナ4の長さ方向の中間部又は先端部に位置させる台座部21を備えている。
【0103】
この(第1の)RFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3が台座部21によってブーストアンテナ4の長さ方向の中間部又は先端部に位置していることにより、基盤部12が奥まった位置になるように取り付けられても、RFIDタグ3が表面側に位置し、電波を良好に送受信することができる。
【0104】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ3付き着装部材において、
前記頭部2は、円柱状又は先細り若しくは先太りの截頭円錐状に形成され、
前記ブーストアンテナ4は、前記頭部2の外形に合わせた円筒コイルバネ形状又は円錐コイルバネ形状に形成されている。
【0105】
この(第1の)RFIDタグ3は、ブーストアンテナ4が円筒コイルバネ形状又は円錐コイルバネ形状とされることで、RFIDタグ3から離れるにしたがって拡大していくと、放射面が広がり、狭めると、集中して通信距離が延長される。また、ブーストアンテナ4の形状を変更することで、頭部2のサイズ感を変更することができる。
【0106】
前記本発明に係るRFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部2は、前記インサート部11の径方向に突出する蝶ネジ状又は平板状に形成されたリブ24を備え、
前記ブーストアンテナ4は、前記頭部2内の全体に拡張している(第2のRFIDタグ付き着装部材)。
【0107】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材は、取り付けられる位置にスペースがある場合において、幅広に拡大したブーストアンテナ4を頭部2のリブ24内にモールドすることができる。このブーストアンテナ4は、放射方向がインサート部11の挿入方向と直交し、幅広に拡大することで、放射距離を延ばすことができる。
【0108】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナ4は、ミアンダ状の導体パターンである。
【0109】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材は、ブーストアンテナ4がミアンダ状の導体パターンとされることにより、小型ながら受信感度を向上することができる。ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ4は、頭部2のリブ24内にモールドされるため、変形したり、折損したりしにくくなっている。
【0110】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記頭部2及び前記ミアンダ状のブーストアンテナ4は、先端側程幅広になっている。
【0111】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材は、ミアンダ状の導体パターンのブーストアンテナ4が先端側程幅広になっていることにより、電波の雄送受信強度を上げることができる。
【0112】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナ4は、前記インサート部11の軸方向に並列した複数のスティック状部42と、突出した一端側で折り返される折返し部43と、を有するコ字状乃至つづら折り状とされ、
前記RFIDタグ3は、前記スティック状部42の間に挟まれる。
【0113】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3がスティック状部42を有するブーストアンテナ4によって、互いに磁界結合や容量結合を行う。
【0114】
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材において、
前記ブーストアンテナ4は、二つ折り部材であり、
前記RFIDタグ3は、前記二つ折り部材に挟まれる。
【0115】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材は、RFIDタグ3がスティック状部42を有するブーストアンテナ4によって、互いに磁界結合や容量結合を行う。
【0116】
本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグ3をマウントするための台座部21を前記基盤部12に固定する工程と、
前記台座部21に前記RFIDタグ3をマウントする工程と、
前記台座部21に前記ブーストアンテナ4をセッティングする工程と、
前記台座部21、前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を樹脂によってモールドし、前記台座部21を一体的に備えた前記頭部2を形成する工程と、
を含む。
【0117】
この本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、台座部21を基盤部12に固定した後、台座部21にRFIDをマウントし、ブーストアンテナ4をセッティングするため、頭部2内にRFIDタグ3及びブーストアンテナ4をモールドすることができる。
【0118】
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法において、
前記基盤部12に前記台座部21を固定する工程は、
前記基盤部12に嵌合凹部122を形成する工程と、
前記台座部21に嵌合凸部213を形成し、当該嵌合凸部213を前記嵌合凹部122に嵌め込む工程と、
を含む。
【0119】
この本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、基盤部12に嵌合凹部122を形成し、この凹部に台座部21の嵌合凸部213を嵌め込むことで、基盤部12と台座部21とが位置ずれしないようにして、樹脂によってモールドする頭部2を形成することができる。
【0120】
前記と異なる本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記RFIDタグ3をマウントするための台座部21を前記基盤部12に固定する工程と、
前記基盤部12に前記ブーストアンテナ4をセッティングする工程と、
前記ブーストアンテナ4を内蔵するように樹脂によって頭部2の原形をインサート成形する工程と、
前記頭部2の原形の頂面から中心部23に穴部を形成し、当該穴部の奥に前記RFIDタグ3をマウントする工程と、
前記穴部に溶融樹脂を充填し又は樹脂製の栓を挿入し、前記頭部2を形成する工程と、
を含む。
【0121】
この本発明に係る(第1の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、頭部2の原形を形成した後、頭部2の原形の頂面に穴部を形成し、この穴部の奥にRFIDタグ3をマウントする。穴部に樹脂が充填され又は樹脂製の栓が挿入されることで、頭部2が形成される。
【0122】
本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法であって、
前記ブーストアンテナ4を嵌め入れる凹部を有し、前記軸状部1の前記基盤部12を含むように前記頭部2の一方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を前記凹部にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を覆うように前記頭部2の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含む。
【0123】
この(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、インモールド半成形した頭部2の片面半分にRFIDタグ3及びブーストアンテナ4をセッティングし、他方の片面半分をインモールド半成形する。
【0124】
前記と異なる本発明に係る(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、
前記ブーストアンテナ4を位置決めするための位置決めボス25を有し、前記軸状部1の前記基盤部12を含むように前記頭部2の一方の片面側半分をインモールド半成形する工程と、
前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を前記位置決めボスによって位置決めし、前記インサート部11にセッティングする工程と、
前記RFIDタグ3及び前記ブーストアンテナ4を覆うように前記頭部2の他方の片面半分をインモールド半成形する工程と、
を含む。
【0125】
前記と異なる(第2の)RFIDタグ付き着装部材の製造方法は、インモールド半成形された頭部2の一方の片側半分に位置決めボスが設けられ、この位置決めボスによってRFIDタグ3及びブーストアンテナ4が位置決めされ、頭部2の他方の片面半分がインモールド半成型される。
【符号の説明】
【0126】
1・・・・・軸状部
11・・・・インサート部
12・・・・基盤部
122・・・嵌合凹部
2・・・・・頭部
21・・・・台座部
211・・・拡径部
212・・・突出部
213・・・嵌合凸部
22・・・・キャップ部
23・・・・中心部
24・・・・リブ
25・・・・位置決めボス
3・・・・・RFIDタグ
4・・・・・ブーストアンテナ
42・・・・スティック状部
43・・・・折返し部