(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045000
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】気分集積表示システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220311BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150448
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】520347236
【氏名又は名称】恒松 雅克
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】恒松 雅克
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】人が自分の身に起きた事象が良い事又は悪い事のいずれかが多かったのか等について客観的に確認することができる気分集積表示システムを提供することである。
【解決手段】気分集計表示システム10は、ユーザが良い事があったと感じたときに操作するプラス釦部30と、ユーザが悪い事があったと感じたときに操作するマイナス釦部32と、プラス釦部30が操作された回数及びマイナス釦部32が操作された回数を集計して集計データを表示する集計表示処理部20と、を備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが良い事があったと感じたときに操作するプラス釦部と、
前記ユーザが悪い事があったと感じたときに操作するマイナス釦部と、
前記プラス釦部が操作された回数及び前記マイナス釦部が操作された回数を集計して集計データを表示する集計表示部と、
を備えることを特徴とする気分集計表示システム。
【請求項2】
請求項1に記載の気分集計表示システムにおいて、
前記集計表示部は、
前記プラス釦部が操作された回数であるプラスの合計数と、前記マイナス釦部が操作された回数であるマイナスの合計数と、前記プラスの合計数と前記マイナスの合計数とを併せたプラスマイナスの合計数とを表示することを特徴とする気分集計表示システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の気分集計表示システムにおいて、
前記集計表示部は、
前記集計データを蓄積しており、前記ユーザが指定する期間内の前記集計データを表示することを特徴とする気分集計表示システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の気分集計表示システムにおいて、
前記プラス釦部又は前記マイナス釦部を操作する際に所定のメモを記憶するメモ記憶部を備えることを特徴とする気分集計表示システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の気分集計表示システムにおいて、
前記プラス釦部を操作したときに第1の音声を発し、前記マイナス釦部を操作したときに前記第1の音声とは異なる第2の音声を発する音声発生部を備えることを特徴とする気分集計表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気分集積表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
人が日常生活を送っていると、その人にとって良い事が起きることがあれば、悪い事が起きることもある。
【0003】
本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、被評価者の睡眠に関する申告により申告情報を取得する申告情報取得部と、被評価者の睡眠状況を反映する生体情報を取得する客観情報取得部と、申告情報に基づいた睡眠状況の評価と、生体情報に基づいた評価とを所定の割合で足し合わせることにより被評価者の睡眠状況を評価する評価部とを備えていることを特徴とする睡眠状況評価システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一定の期間(例えば、一日、一週間、一ヶ月)で振り返ると、その人の身の回りで起きた事象は良い事も悪い事も多数あるが、人は全ての事象を詳細に記憶しておくことが難しく、例えば、直前に悪い事があれば、その事象に影響を受けて「最近悪いことばかり起きるなぁ」などのように気持ちが沈んでしまうことがある。
【0006】
しかしながら、一定の期間で見ると実は良い事が起きた回数の方が多いということもある。このような事情に鑑み、人が自分の身の回りに起きている事象を冷静に判断するために、一定の期間において良い事又は悪い事のどちらが多かったのか等について確認することが望ましい。
【0007】
本発明の目的は、人が自分の身に起きた事象が良い事又は悪い事のいずれかが多かったのか等について客観的に確認することができる気分集積表示システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る気分集積表示システムは、ユーザが良い事があったと感じたときに操作するプラス釦部と、前記ユーザが悪い事があったと感じたときに操作するマイナス釦部と、 前記プラス釦部が操作された回数及び前記マイナス釦部が操作された回数を集計して集計データを表示する集計表示部と、を備えることを特徴とする。
【0009】
また、本発明に係る気分集計表示システムにおいて、前記集計表示部は、前記プラス釦部が操作された回数であるプラスの合計数と、前記マイナス釦部が操作された回数であるマイナスの合計数と、前記プラスの合計数と前記マイナスの合計数とを併せたプラスマイナスの合計数とを表示することが好ましい。
【0010】
また、本発明に係る気分集計表示システムにおいて、前記集計表示部は、前記集計データを蓄積しており、前記ユーザが指定する期間内の前記集計データを表示することが好ましい。
【0011】
また、本発明に係る気分集計表示システムにおいて、前記プラス釦部又は前記マイナス釦部を操作する際に所定のメモを記憶するメモ記憶部を備えることが好ましい。
【0012】
また、本発明に係る気分集計表示システムにおいて、前記プラス釦部を操作したときに第1の音声を発し、前記マイナス釦部を操作したときに前記第1の音声とは異なる第2の音声を発する音声発生部を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、人が自分の身に起きた事象が良い事又は悪い事のいずれかが多かったのか等について客観的に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明に係る実施形態の気分集計表示システムを示す図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の気分集計表示システムの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0016】
図1は、本発明に係る実施形態の気分集計表示システム10を示す図である。
図2は、本発明に係る実施形態の気分集計表示システム10の変形例である気分集計表示システム11を示す図である。
【0017】
気分集計表示システム10は、ユーザが自分の身に起きた事象が良い事又は悪い事のいずれかが多かったのか等について客観的に確認するシステムである。気分集計表示システム10は、操作端末部12と、操作端末部12とネットワーク2を介して接続される制御部14とを備えている。
【0018】
操作端末部12は、表面にプラス釦部30と、マイナス釦部32と、プラスの合計表示部34と、マイナスの合計表示部36と、プラスマイナスの合計表示部38と、リセット部40とを備えている。また、操作端末部12に不図示の集音マイク部及びスピーカー部が備えられている。
【0019】
操作端末部12は、ユーザが手で持ちやすいようなコンパクトな形状を有しており、愛着がわくような可愛らしい外観であることが好ましい。操作端末部12は、図示しない通信部を有しており、ネットワーク2を介して制御部14の間で通信を行っている。
【0020】
なお、ここでは、制御部14は、操作端末部12と離れた場所に設置されているものとして説明するが、これに限定されず、例えば、操作端末部12に内蔵することも可能である。
【0021】
プラス釦部30は、ユーザが自分にとって良い事が起きたと感じたときに押圧する釦装置である。プラス釦部30が押圧操作されると、制御部14のプラス釦処理部16により回数が集計される。なお、プラス釦部30で直前に入力したデータを取消す機能を設けてもよい。
【0022】
マイナス釦部32は、ユーザが自分にとって悪い事が起きたと感じたときに押圧する釦装置である。マイナス釦部32が押圧操作されると、制御部14のマイナス釦処理部18により回数が集計される。なお、マイナス釦部32で直前に入力したデータを取消す機能を設けてもよい。
【0023】
プラスの合計表示部34は、集計表示処理部20により送信されてきたデータに基づいて、プラスの合計回数を表示する液晶部である。
図1の例では、プラスの表示回数は15回(+15)であると表示されている。
【0024】
マイナスの合計表示部36は、集計表示処理部20により送信されてきたデータに基づいて、マイナスの合計回数を表示する液晶部である。
図1の例では、マイナスの表示回数は28回(-28)であると表示されている。
【0025】
プラスマイナスの合計表示部38は、集計表示処理部20により送信されてきたデータに基づいて、プラスマイナスの合計回数を表示する液晶部である。
図1の例では、プラスの回数(+15)とマイナスの回数(-28)の合計であるプラスマイナスの表示回数は「-13」であると表示されている。
【0026】
リセット部40は、爪楊枝などの細い棒材で突刺可能な操作釦である。このリセット部40が操作されると、プラスの合計表示部34、マイナスの合計表示部36及びプラスマイナスの合計表示部38の表示が0になるように集計表示処理部20に対してリセット指令が送信される。
【0027】
制御部14は、プラス釦処理部16と、マイナス釦処理部18と、集計表示処理部20と、メモ記憶部22と、音声発生部24と、記憶部26とを備える。
【0028】
プラス釦処理部16は、プラス釦部30が操作されたときに、プラスの回数を1つカウントアップ(+1)して集計データを作成する機能を有する。
【0029】
マイナス釦処理部18は、マイナス釦部32が操作されたときに、マイナスの回数を1つカウントダウン(-1)して集計データを作成する機能を有する。
【0030】
集計表示処理部20は、プラス釦処理部16及びマイナス釦処理部18から伝送される集計データに基づいて、プラス釦部30が操作された回数及びマイナス釦部32が操作された回数を集計して集計データを表示する機能を有する。
【0031】
具体的には、集計表示処理部20は、プラス釦処理部16がカウントアップしたプラスの回数と、マイナス釦処理部18がカウントダウンしたマイナスの回数とを、夫々、プラスの合計表示部34及びマイナスの合計表示部36に表示するとともに、プラスの回数とマイナスの回数の合計数をプラスマイナスの合計表示部38に表示する。
【0032】
集計表示処理部20は、集計データを蓄積しており、ユーザが指定する期間内の集計データを表示する機能を有する。
【0033】
集計表示処理部20は、リセット部40が操作されるまでの全期間の集計データを蓄積しており、ユーザが指定する期間(例えば、一日、一週間、一ヶ月、一年など)を設定すると、その範囲内の集積データをプラスの合計表示部34、マイナスの合計表示部36及びプラスマイナスの合計表示部38に表示する。また、集計データをグラフ表示させてもよく、この際、表示の期間(日・週・月・年)を自由に切り替えることが出来る。
【0034】
メモ記憶部22は、プラス釦部30又はマイナス釦部32を操作する際に所定のメモを記憶する機能を有する。具体的には、メモ記憶部22は、プラス釦部30又はマイナス釦部32が操作された際に、ユーザが発した音声メッセージを集音した集音マイク部から伝送された音声データを記憶する。
【0035】
なお、ここでは、メモ記憶部22は、ユーザの音声メッセージをメモとして記憶するものとして説明したが、音声以外の手段、例えば、文字入力部を備えて、文字情報をメモとして入力してもよい。
【0036】
音声発生部24は、プラス釦部30を操作したときに第1の音声を発し、マイナス釦部32を操作したときに第1の音声とは異なる第2の音声を発する機能を有する。具体的には、音声発生部24は、例えば、プラス釦部30が操作されたに、「ピンポン」等の正解音を発し、マイナス釦部32が操作されたときに、「ブー」等の不正解音を発する。なお、これらの音声は、複数登録されており、ユーザの好みに応じて切り替えることが出来る。
【0037】
記憶部26は、プラス釦処理部16、マイナス釦処理部18及び集計表示処理部20が集計した集計データを記憶する。また、記憶部26は、メモ記憶部22が記憶する音声メッセージなどのメモと、音声発生部24が発生する音声データなどを記憶している。
【0038】
続いて、上記構成の気分集計表示システム10の作用について説明する。人が日々の生活を送る中で、一定の期間(例えば、一日、一週間、一ヶ月)で振り返ると、その人の身の回りで起きた事象は良い事も悪い事も多数あるが、人は全ての事象を詳細に記憶しておくことが難しい。
【0039】
「あ~あ、今日はついてない一日だったなぁ!」「そういえば、最近はいいことが続くなぁ!!いつからツキがあるのだろうか。」と感じても、人の記憶は曖昧なところがある。このような状況において、気分集計表示システム10は顕著な効果を発揮する。
【0040】
ユーザは、自分にとって良い事があったと感じたときに、プラス釦部30を押圧操作する。これにより、プラス釦処理部16がプラスの数を1つカウントアップするとともに、「ピンポン」等の正解音が発せられる。
【0041】
また、ユーザは、自分にとって悪い事があったと感じたときに、マイナス釦部32を押圧操作する。これにより、マイナス釦処理部18がマイナスの数を1つカウントダウンするとともに、「ブー」等の不正解音が発せられる。
【0042】
そして、プラス釦処理部16で集計されたプラスの回数、マイナス釦処理部18で集計されたマイナスの回数、及び、集計表示処理部20で集計されたプラスマイナスの合計数がプラスの合計表示部34、マイナスの合計表示部36及びプラスマイナスの合計表示部38に表示される。
【0043】
気分集計表示システム10によれば、良い事や悪い事(嫌な事)があったときに気軽にプラス釦部30又はマイナス釦部32を押すだけで、一定の期間、自分の身の回り起きた出来事が良い事が多かったのか、あるいは、悪い事が多かったのかなどについて冷静に分析することが出来る。
【0044】
また、気分集計表示システム10によれば、プラス釦部30又はマイナス釦部32を押圧操作することで音声が流れるため、気分を盛り上げることができるという利点がある。
【0045】
ユーザが良い事があった場合に、プラス釦部30を押すことで、さらに、良い気分を増幅させることが出来る。また、ユーザが仮に嫌な事があったとしても、マイナス釦部32を操作することで、誰かに話を聞いてもらったかのような気持ちになり、気分をリセットできるという効果も期待できる。
【0046】
なお、上記気分集計表示システム10は、その他の機能を追加してもよく、例えば、プラス釦部30及びマイナス釦部32を操作した日時、回数を後から追加・削除・修正するなどの履歴編集機能を設けてもよい。
【0047】
また、気分集計表示システム10には、集計データをCSV出力する機能を設けてもよく、また、プラス釦部30及びマイナス釦部32を操作したときの位置情報を記録するGPS位置情報記録機能を設けてもよい。
【0048】
次に、気分集計表示システム10の変形例である気分集計表示システム11について説明する。気分集計表示システム11は、携帯端末42と、携帯端末42とネットワーク2を介して接続される制御部14とを備えている。
【0049】
気分集計表示システム11と気分集計表示システム10との相違点は、ハード機器である操作端末部12に対応する機能が携帯端末42のアプリケーションソフトウェアに実装されている点である。
【0050】
図2には、携帯端末42の画面上にアプリケーションソフトウェアが実行されている表示画面が出力されている。携帯端末42上で動作するアプリケーションソフトウェアは、プラス釦部52と、マイナス釦部54と、プラスの合計表示部48と、マイナスの合計表示部50と、プラスマイナスの合計表示部46と、プラス釦部52及びマイナス釦部54の直前の操作を取り消す取消部56と、メモ部58とを備えている。
【0051】
メモ部58は、プラス釦部52及びマイナス釦部54の操作に連動してユーザの音声メッセージを記憶する機能を有するものとして説明するが、当該操作に連動せずにメモ部58を操作したタイミングで音声メッセージを記憶してもよい。
【0052】
ユーザは、自分にとって良い事があったと感じたときに、プラス釦部52を押圧操作する。また、ユーザは、自分にとって悪い事があったと感じたときに、マイナス釦部54を押圧操作する。なお、プラス釦部52及びマイナス釦部54で直前に操作したものは取消部56により取り消すことが出来る。
【0053】
そして、プラス釦処理部16で集計されたプラスの回数、マイナス釦処理部18で集計されたマイナスの回数、及び、集計表示処理部20で集計されたプラスマイナスの合計数がプラスの合計表示部48、マイナスの合計表示部50及びプラスマイナスの合計表示部46に表示される。
【0054】
気分集計表示システム11によれば、良い事や悪い事(嫌な事)があったときに気軽にプラス釦部52又はマイナス釦部54を押すだけで、一定の期間、自分の身の回り起きた出来事が良い事が多かったのか、あるいは、悪い事が多かったのかなどについて冷静に分析することが出来る。これにより、気分集計表示システム11によっても気分集計表示システム10と同様に顕著な効果を奏する。
【0055】
なお、気分集計表示システム10,11には、上記以外の機能を搭載してもよく、例えば、応援メッセージが自動で流れるような機能や占い機能などを設けてもよい。また、例えば、良い事や悪い事などの事象があった時にその位置をGPSで記録(例えば、MAP上に又は方角で記録)する機能を備えてもよい。
【符号の説明】
【0056】
2 ネットワーク、10,11 気分集計表示システム、12 操作端末部、14 制御部、16 プラス釦処理部、18 マイナス釦処理部、20 集計表示処理部、22 メモ記憶部、24 音声発生部、26 記憶部、30 プラス釦部、32 マイナス釦部、34 プラス合計表示部、36 マイナス合計表示部、38 プラスマイナス合計表示部、40 リセット部、42 携帯端末、46 プラスマイナスの合計表示部、48 プラスの合計表示部、50 マイナスの合計表示部、52 プラス釦部、54 マイナス釦部、56 取消部、58 メモ部。