(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045023
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】餅の製造方法、粉末状とろみ付け添加物の製造方法、及び餅米由来製品の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 7/10 20160101AFI20220311BHJP
【FI】
A23L7/10 102
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150487
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】520347281
【氏名又は名称】株式会社ISOコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】礒 喜久
【テーマコード(参考)】
4B023
【Fターム(参考)】
4B023LC05
4B023LE07
4B023LE23
4B023LG04
4B023LP03
4B023LP05
4B023LP07
4B023LP08
4B023LP20
4B023LQ01
(57)【要約】
【課題】長期にわたって保存しても柔らかさを保つことのできる餅の製造方法を提供する。
【解決手段】餅米である原料米を洗米する工程Aと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Bと、水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸す工程Cと、蒸された原料米を搗いて餅化する工程Dと、前記工程Dで得られた餅をF値4以上となるようにレトルト殺菌する工程Eと、を備える餅の製造方法であり、F値4以上のレトルト殺菌をする過程で芽胞の殺菌が完了しており、それが故に菌の発生を抑えつつ柔らかさを長期に渡って維持することが可能となる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
餅米である原料米を洗米する工程Aと、
洗米された原料米を水に浸漬する工程Bと、
水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸す工程Cと、
蒸された原料米を搗いて餅化する工程Dと、
前記工程Dで得られた餅をF値4以上でレトルト殺菌する工程Eと、
を含む
ことを特徴とする餅の製造方法。
【請求項2】
餅米である原料米を洗米する工程Gと、
洗米された原料米を水に浸漬する工程Hと、
水に浸漬された原料米から水を切り、当該原料米をF値4以上でレトルト殺菌する工程Iと、
レトルト殺菌された原料米を蒸す工程Jと、
蒸された原料米を搗いて餅化する工程Kと、
前記工程Kで得られた餅を90℃以上に加熱する工程Lと、
を含む
ことを特徴とする餅の製造方法。
【請求項3】
工程Eの後に得られた餅に水を添加して当該餅を液状化させる工程を含む
請求項1に記載の餅の製造方法。
【請求項4】
工程Lの後に得られた餅に水を添加して当該餅を液状化させる工程を含む
請求項2に記載の餅の製造方法。
【請求項5】
餅米である原料米を洗米する工程Aと、
洗米された原料米を水に浸漬する工程Bと、
水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸す工程Cと、
蒸された原料米を搗いて餅化する工程Dと、
前記工程Dで得られた餅をF値4以上でレトルト殺菌する工程Eと、
前記工程Eの後に、餅を粉末化する工程Fと、
を含む
ことを特徴とする粉末状とろみ付け添加物の製造方法。
【請求項6】
餅米である原料米を洗米する工程Gと、
洗米された原料米を水に浸漬する工程Hと、
水に浸漬された原料米から水を切り、当該原料米をF値4以上でレトルト殺菌する工程Iと、
レトルト殺菌された原料米を蒸す工程Jと、
蒸された原料米を搗いて餅化する工程Kと、
前記工程Kで得られた餅を90℃以上に加熱する工程Lと、
前記工程Lの後に、餅を粉末化する工程Mと、
を含む
ことを特徴とする粉末状とろみ付け添加物の製造方法。
【請求項7】
餅米である原料米を洗米する工程Nと、
洗米された原料米を水に浸漬する工程Oと、
水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸し、蒸した原料米を乾燥させる工程Pと、
前記工程Pで得られた原料米を粉末化する工程Qと、
前記工程Qで得られた原料米をF値4以上でレトルト殺菌して当該原料米を餅米由来製品とする工程Rと、
を含む
ことを特徴とする餅米由来製品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼く等の調理をせずとも長期にわたって柔らかさを保つことのできる餅の製造方法、食品や料理に添加することでとろみを付けることができるとろみ付け添加物の製造方法、及び餅米を搗いて餅化する工程を含まない餅米由来製品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
餅米を蒸して搗いた一般的な餅は、一日も経てば硬くなってしまうため、例えば特許文献1に開示されているような手法によって長期保存を可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一旦保存されて硬くなった餅を柔らかくする、味や食感が極端に落ちることは勿論のこと、焼き目がついてしまったり、部分的に硬い部分が残ってしまったりするという問題がある。また、煮るためには汁成分が必要となり、餅の中まで熱を通している間に煮崩れてしまうという問題もある。
【0005】
また、発明者は、餅の栄養価の高さに注目し、入院患者や高齢者の流動食並びに乳児の離乳食のようにして摂取することのできる餅由来のとろみ付け添加物を見出した。加えて発明者は、餅米を搗いて餅化する工程を含まない餅米由来製品の製造方法も見出した。
【0006】
そこで本発明は、長期にわたって保存しても柔らかさを保つことのできる餅の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
また本発明は、餅米を原料として、飲食物に添加することでとろみを付けることのできるとろみ付け添加物の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
また本発明は、餅米を搗いて餅化する工程を含まない餅米由来製品の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、餅米である原料米を洗米する工程Aと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Bと、水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸す工程Cと、蒸された原料米を搗いて餅化する工程Dと、前記工程Dで得られた餅をF値4以上でレトルト殺菌する工程Eと、を含むことを特徴とする餅の製造方法(以下、適宜、第一製法という)である。
【0010】
また本発明は、餅米である原料米を洗米する工程Gと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Hと、水に浸漬された原料米から水を切り、当該原料米をF値4以上でレトルト殺菌する工程Iと、レトルト殺菌された原料米を蒸す工程Jと、蒸された原料米を搗いて餅化する工程Kと、前記工程Kで得られた餅を90℃以上に加熱する工程Lと、を含むことを特徴とする餅の製造方法(以下、適宜、第二製法という)である。
【0011】
かかる構成にあっては、いずれも出来上がった餅が長期にわたって柔らかさを維持することができる。これは、F値4以上のレトルト殺菌をする過程で芽胞の殺菌が完了しており、それが故に菌の発生を抑えつつ柔らかさを長期に渡って維持することが可能となる。なお、第二製法は、例えばボイル加熱のような90℃以上で加熱する工程Lを含むところ、第一製法は、餅となる直前にレトルト殺菌を行うため、工程Lに相当する工程が不要である。
【0012】
また、上記構成の第一製法にあっては、工程Eの後に得られた餅に水を添加して当該餅を液状化させる工程を含むものとしてもよい。また、上記構成の第二製法にあっては、工程Lの後に得られた餅に水を添加して当該餅を液状化させる工程を含むものとしてもよい。
【0013】
かかる構成とすることにより、長期にわたって保存することが可能な液状化した餅を提供することが可能となる。
【0014】
また、本発明は、餅米である原料米を洗米する工程Aと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Bと、水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸す工程Cと、蒸された原料米を搗いて餅化する工程Dと、前記工程Dで得られた餅をF値4以上でレトルト殺菌する工程Eと、前記工程Eの後に、餅を粉末化する工程Fと、を含むことを特徴とする粉末状とろみ付け添加物の製造方法である。
【0015】
さらに、本発明は、餅米である原料米を洗米する工程Gと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Hと、水に浸漬された原料米から水を切り、当該原料米をF値4以上でレトルト殺菌する工程Iと、レトルト殺菌された原料米を蒸す工程Jと、蒸された原料米を搗いて餅化する工程Kと、前記工程Kで得られた餅を90℃以上に加熱する工程Lと、前記工程Lの後に、餅を粉末化する工程Mと、を含むことを特徴とする粉末状とろみ付け添加物の製造方法である。
【0016】
かかる構成にあっては、いずれの方法で得られたとろみ付け添加物にあっても食品に添加すれば餅の有する多い栄養分を加えることができ、特に汁物にあってはとろみを付けることができる。このとろみ付け添加物は栄養分が高く、粉末化されているため、例えば入院患者や高齢者用の流動食や乳幼児用の離乳食等に添加することで料理の栄養価を飛躍的に高めることができ、少量の摂取でも十分な栄養を与えることができる。
【0017】
また、本発明は、餅米である原料米を洗米する工程Nと、洗米された原料米を水に浸漬する工程Oと、水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸し、蒸した原料米を乾燥させる工程Pと、前記工程Pで得られた原料米を粉末化する工程Qと、前記工程Qで得られた原料米をF値4以上でレトルト殺菌して当該原料米を餅米由来製品とする工程Rと、を含むことを特徴とする餅米由来製品の製造方法である。
【0018】
かかる構成は、原料米を搗いて餅化する工程を含まず、原料米を餅米由来製品とすることを大きな特徴としている。かかる構成とすることにより、長期にわたって保存することができる餅米由来製品を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の餅の製造方法は、長期にわたって柔らかさを保つ餅を得ることができる効果がある。
【0020】
また本発明のとろみ付け添加物の製造方法は、栄養分の多いとろみ付け添加物を得ることができる効果がある。
【0021】
また本発明の餅米由来製品の製造方法は、栄養分の多い餅米由来製品を得ることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施例1にかかる餅の製造方法を示すフローチャートである。
【
図2】実施例1にかかるとろみ付け添加物の製造方法を示すフローチャートである。
【
図3】実施例2にかかる餅の製造方法を示すフローチャートである。
【
図4】実施例2にかかるとろみ付け添加物の製造方法を示すフローチャートである。
【
図5】実施例3にかかる餅由来製品の製造方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明にかかる餅の製造方法及びとろみ付け添加物の製造方法を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0024】
〔実施例1〕
実施例1の製造方法の工程を、
図1に従って説明する。
(工程A)
本実施例で使用する原料米は、愛知糯126号などで構成される国産餅米である。
まず、原料米を洗米する。洗米によって原料米表面の糠を取り、製品の味を良くすることができる。
【0025】
(工程B)
次に、洗米された原料米を水に浸漬する。浸漬時間は7時間~10時間程度である。このように原料米を水に浸漬することで、原料米の内部にまで水分を行き渡らせて後述する蒸す工程Cにおいて原料米全体をふっくらと柔らかく炊き上げることができるようになる。ここで、浸漬時間が短すぎると原料米の中心部にまで水分が行き渡らず、工程Cにおいて芯が硬いままとなってしまう。また浸漬時間が長すぎると水分を過剰に含んでしまって餅がべとついてしまう。
【0026】
(工程C)
その後、所定の時間水に浸漬された原料米の水を切った後、蒸す。蒸す時間は30分程度である。原料米を蒸すことによって柔らかく炊き上げることができる。ここで、蒸す時間が短すぎると原料米の芯が硬いままとなってしまう。また蒸す時間が長すぎると水分を過剰に含んでしまって餅がべとついてしまったり、餅が劣化しやすくなったりしてしまう。
【0027】
(工程D)
蒸された原料米は、搗いて餅化される。餅化によって原料米の形状がなくなって全体が一体化し、柔らかい均一な餅とすることができる。
【0028】
(工程E)
得られた餅は、所定の量だけ切り分けられてパック詰めされ、レトルト殺菌される。レトルト殺菌の条件はF値4以上であり、これによって餅を殺菌して長期保存を可能とすることができる。
【0029】
上述の工程を経て得られた餅は、長期にわたって柔らかさが維持され、また殺菌されているために長期保存が可能となっている。
【0030】
また、得られた餅は柔らかさを維持しているため、調理せずともそのまますぐに食すことができ、調理する際にも熱が通る程度で済むため手軽である。
【0031】
また、上述の工程のなかで、適宜、添加物を加えることができる。添加物としてはショ糖、ブドウ糖、オリゴ糖、アマニティ、エリストリール、キシリトール、還元水アメ、あるいはトレハロース等の甘味料や、β-アミラーゼ、タピオカ粉、あるいはコンニャク粉等が例示される。
【0032】
なお、工程Eの後に、無菌水を添加して餅を液状化させてもよい。かかる構成とすることにより、長期にわたって保存可能な液状化した餅を提供することが可能となる。
【0033】
(工程F)
また、
図2に示すように、上記工程Eの後に、得られた餅を温風乾燥して粉末化することで、とろみ付け添加物を得ることもできる。なお、粉末化する際には餅をフリーズドライ等によって水分の除去を行っておく。ここで、粉末化した餅は、長期保存が可能であり、水分と熱があれば一般的な餅の形態に復元可能である。すなわち、餅が粉末化されたとろみ付け添加物は、例えば無菌水に溶かし熱を加えるだけで、とろみが増した液状餅となり、流動食として適用することができる。特にとろみ付け添加物は餅であるために栄養価が高く、少量でも十分な栄養補給を行うことができるため、入院患者や高齢者、あるいは乳幼児が食すのに適している。さらにこの製品は、のどごしが良いため、入院患者や高齢者等に特に適している。
【0034】
例えば、粉末状のとろみ付け添加物や液状化した餅は、お好み焼き、焼きそば、ピザ、パスタ、サラダ、ステーキ、ハンバーグ、魚介類、肉類、野菜類、各種スープ類、みそ汁、各種ドリンク類、各種ドレッシング、各種フルーツ、各種かき氷、各種プリン、各種ゼリー等に添加することができる。これらの食品は、味にこくがでたり、とろみが付与されたりすることとなり、食事の代替性としての特性を有する。また、粉末状のとろみ付け添加物や液状化した餅は、生地に混入させることで、もちもち感のある製パン、製麺、ギョーザの皮、あるいはスパゲティ類とすることができる。また、粉末状のとろみ付け添加物や液状化した餅は、生地に混入させることで、弾力性が増大した洋菓子や和菓子とすることができる。なお、小麦によりもちもち感を有する食品は従来から存在するが、本実施例はいわゆるグルテンフリーでもちもち感のある食品を提供することが可能となる。
【0035】
さらに、粉末状のとろみ付け添加物を水に溶いて液状化させたものを調味料として適用することもできる。液状化させたものは例えばチューブ容器に充填して保存、販売することができる。チューブ容器に充填されたものは保管が容易であり、使用する際にも他の調味料と同様にして使用することができる。
【0036】
とろみ付け添加物を製造する場合にも、上述の工程のいずれか、又は工程の間において、添加物を加えることができる。添加物としては上記のものが好適である。
【0037】
〔実施例2〕
実施例2の製造方法の工程を、
図3に従って説明する。なお、実施例1と共通する点については、説明を簡略または省略する。
(工程G)
本実施例で使用する原料米は、餅米である。
まず、原料米を洗米する。洗米によって原料米表面の糠を取り、製品の味を良くすることができる。
【0038】
(工程H)
次に、洗米された原料米を水に浸漬する。浸漬時間は7時間~10時間程度である。このように原料米を水に浸漬することで、原料米の内部にまで水分を行き渡らせて後述する蒸す工程Cにおいて原料米全体をふっくらと柔らかく炊き上げることができるようになる。ここで、浸漬時間が短すぎると原料米の中心部にまで水分が行き渡らず、工程Cにおいて芯が硬いままとなってしまう。また浸漬時間が長すぎると水分を過剰に含んでしまって製品がべとついてしまう。
【0039】
(工程I)
その後、所定の時間水に浸漬された原料米の水を切った後、パック詰めしてレトルト殺菌する。レトルト殺菌の条件はF値4以上であり、これによって原料米を殺菌する。
【0040】
(工程J)
その後、レトルト殺菌された原料米を蒸す。蒸す時間は30分程度である。原料米を蒸すことによって柔らかく炊き上げることができる。ここで、蒸す時間が短すぎると原料米の芯が硬いままとなってしまう。また蒸す時間が長すぎると水分を過剰に含んでしまって製品がべとついてしまったり、製品が劣化しやすくなったりしてしまう。
【0041】
(工程K)
蒸された原料米は、搗いて餅化される。餅化によって原料米の形状がなくなって全体が一体化し、柔らかい均一な製品とすることができる。
【0042】
(工程L)
餅化された後は、適量に取り分けてパック詰めし、90℃以上でボイルして加熱する。90℃以上で20分から30分程度加熱することで餅を殺菌して長期保存を可能とすることができる。
【0043】
上述の工程を経て得られた餅は、長期にわたって柔らかさを維持することができ、また殺菌されているために長期保存が可能となっている。
【0044】
また、得られた餅は柔らかさを維持しているため、調理せずともそのまますぐに食すことができ、調理する際にも熱が通る程度で済むため手軽である。
【0045】
また、上述の工程のなかで、適宜、添加物を加えることができる。添加物としては上記したものと同様のものが好適に採用されうる。
【0046】
(工程M)
さらに、
図4に示すように、上記工程Lの後に、得られた餅を温風乾燥して粉末化することで、とろみ付け添加物を得ることもできる。なお、粉末化する際には餅をフリーズドライ等によって水分の除去を行っておく。
【0047】
餅が粉末化されたとろみ付け添加物は、例えば無菌水に溶かすだけで液状餅となり、流動食として適用することができる。特にとろみ付け添加物は餅であるために栄養価が高く、少量でも十分な栄養補給を行うことができるため、入院患者や高齢者が食すのに適している。
【0048】
〔実施例3〕
実施例3の製造方法の工程を、
図5に従って説明する。なお、実施例1,2と共通する点については、説明を簡略または省略する。
【0049】
まず、餅米である原料米を洗米する(工程N)。かかる洗米工程は、実施例1,2と共通である。
【0050】
次に、洗米された原料米を水に浸漬する(工程O)。かかる浸漬工程は、実施例1,2と共通である。
【0051】
次に、水に浸漬された原料米から水を切り、原料米を蒸し、蒸した原料米を乾燥させる(工程P)。ここで、蒸した原料米を乾燥させる条件としては、60℃で3時間から6時間程度のような条件が好ましい。
【0052】
次に、工程Pで得られた原料米を粉末化する(工程Q)。かかる粉末化工程は、実施例1,2と共通である。
【0053】
そして、工程Qで得られた原料米をF値4以上でレトルト殺菌して当該原料米を餅米由来製品とする(工程R)。かかるレトルト殺菌工程は、実施例1,2と共通である。
【0054】
これまでに述べた一連の餅米由来の製品は、搗いて餅化する工程がないことを特徴としている。このような構成とすることにより、栄養価の高い餅米由来の製品を提供することが可能となる。