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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045142
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20160101AFI20220311BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20220311BHJP
   F21V 3/02 20060101ALI20220311BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20220311BHJP
【FI】
F21S2/00 340
F21V7/06 100
F21V3/02 500
F21Y115:10 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150660
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】岡 義郎
(57)【要約】
【課題】前面側に対して広い範囲から見ても点灯状態を確認できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、前面側に開口部を有する筐体と、開口部に設けられる透光板24と、透光板24に対向して筐体内に配置される複数の発光部16と、筒状に形成されるとともに、発光部16に対向する後端開口および透光板24に対向する前端開口61を有し、筐体内に配置される複数の反射体50と、反射体50の前端側に設けられ、前端開口61に対向する複数の前面開口68を有する前面板55とを備える。発光部16から反射体50の前端開口61および前面板55の前面開口68を直接通過する光のうちの透光板24で反射した反射光bの一部が前面板55の前面側で前面開口68の周囲に照射されるとともに、前面板55の前面側でそれぞれの前面開口68の周囲に照射される反射光bの照射範囲cの少なくとも一部が互いに重なるように、前面板55と透光板24との間に所定の距離Lが設けられている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面側に開口部を有する筐体と;
前記開口部に設けられる透光板と;
前記透光板に対向して前記筐体内に配置される複数の発光部と;
筒状に形成されるとともに、前記発光部に対向する後端開口および前記透光板に対向する前端開口を有し、前記筐体内に配置される複数の反射体と;
前記反射体の前端側に設けられ、前記前端開口に対向する複数の前面開口を有する前面板と;
を備え、
前記発光部から前記反射体の前記前端開口および前記前面板の前記前面開口を直接通過する光のうちの前記透光板で反射した反射光の一部が前記前面板の前面側で前記前面開口の周囲に照射されるとともに、前記前面板の前面側でそれぞれの前記前面開口の周囲に照射される前記反射光の照射範囲の少なくとも一部が互いに重なるように、前記前面板と前記透光板との間に所定の距離が設けられている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記前面板と前記透光板との間の所定の距離は、前記前面板の前面側でそれぞれの前記前面開口の周囲に照射される前記反射光の照射範囲の少なくとも一部が互いに重って前記前面板の前面側の全域に前記反射光が照射される距離である
ことを特徴とする請求項1記載の照明装置。
【請求項3】
前記前面板の前面側には拡散処理が施されている
ことを特徴とする請求項1または2記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、点灯状態を確認できる照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば競技場やスポーツ施設などに使用される照明装置は、照明エリアに対して遠方に設置され、遠方から照明エリアに光を照射するために、配光角が狭い狭角配光の投光器が用いられている。
【0003】
このような照明装置では、照明装置の前面側に正対する照明エリア内の方向から照明装置を見た場合には点灯していることを確認できるが、照明装置の前面側からであっても照明エリア外となる斜め横方向から見た場合、点灯しているかいないかを確認できない場合がある。
【0004】
そのため、照明装置の設置時やメンテナンス時において、照明装置の前面側に正対する照明エリア内の方向に作業者が移動して点灯状態を確認する必要があり、作業性が低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-55827号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、前面側に対して広い範囲から見ても点灯状態を確認できる照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の照明装置は、前面側に開口部を有する筐体と、開口部に設けられる透光板と、透光板に対向して筐体内に配置される複数の発光部と、筒状に形成されるとともに、発光部に対向する後端開口および透光板に対向する前端開口を有し、筐体内に配置される複数の反射体と、反射体の前端側に設けられ、前端開口に対向する複数の前面開口を有する前面板とを備える。発光部から反射体の前端開口および前面板の前面開口を直接通過する光のうちの透光板で反射した反射光の一部が前面板の前面側で前面開口の周囲に照射されるとともに、前面板の前面側でそれぞれの前面開口の周囲に照射される反射光の照射範囲の少なくとも一部が互いに重なるように、前面板と透光板との間に所定の距離が設けられている。
【発明の効果】
【0008】
実施形態によれば、前面側に対して広い範囲から見ても点灯状態を確認できる照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態を示す照明装置の前面側からの斜視図である。
図2】同上照明装置の背面側がらの斜視図である。
図3】同上照明装置の断面図である。
図4】同上照明装置の透光板で反射した反射光が前面板に照射される断面図を示し、(a)~(c)に透光板から反射体の前端部までの距離を変化させた断面図である。
図5】同上照明装置の前面板と透光板との距離と反射光の半径との関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0011】
図1ないし図3に、照明装置10として投光器を示す。照明装置10は、灯体11、この灯体11を支持する支持体12、および灯体11に電源を供給するための図示しない電源ユニットを備えている。
【0012】
そして、灯体11は、筐体15、この筐体15内に配設される複数の発光部16および反射体ユニット17を備えている。
【0013】
筐体15は、本体20、この本体20の後面側に配設される放熱体21、本体20の前面側に配設されるケース22を備えている。さらに、筐体15の前面側に開口部23が設けられ、この開口部23に透光板24が設けられている。
【0014】
本体20は、例えば金属材料によって、前後に開口する環状に形成されている。本体20の後面側に放熱体21を取り付ける放熱体取付部26が設けられ、本体20の前面側にケース22を取り付けるケース取付部27が設けられている。さらに、本体20の前面側には、反射体ユニット17を取り付けるための複数の反射体取付部28が設けられている。反射体取付部28は、取付孔を有するボスによって構成されている。また、本体20の下部には、電源ユニットからの給電ケーブルが配線される配線ボックス部29が設けられている。
【0015】
放熱体21は、平板状の取付板32、およびこの取付板32の後面側に設けられた複数の放熱器33を備えている。取付板32は、本体20の後面側の放熱体取付部26に取り付けられ、本体20の後面側を閉塞している。取付板32には、複数の発光部16が配置される複数の孔部34が設けられている。また、放熱器33は、前面側の放熱板35、この放熱板35の後面側に突設された複数の放熱フィン36、およびこれら放熱板35と放熱フィン36とに接続された図示しないヒートパイプなどを備えている。放熱器33は、放熱板32の前面側に発光部16が取り付けられ、この発光部16が取付板32の孔部34に配置されるように取付板32に取り付けられている。
【0016】
ケース22は、例えば金属材料で、前後に開口するとともに後端側から前端側に向かって拡開(拡径)する円筒状に形成されている。ケース22の後端側は、本体20の前面側のケース取付部27に取り付けられている。ケース22の前端側には、光を出射する円形の開口部23が形成されている。
【0017】
透光板24は、例えば透明なガラスで、円板状に形成されている。透光板24の周辺部がシール材を介してケース22の前端側に配置され、ケース22の前端側をかしめることにより、透光板24がケース22の開口部23を閉塞する状態に固定されている。
【0018】
次に、発光部16は、基板、この基板に実装された複数の発光素子(LED)、およびこれら発光素子を封止する蛍光体が含有された封止樹脂を備える発光モジュール(COB(Chip On Board)モジュール)40によって構成されている。そして、発光部16は、蛍光体の表面に光を発光する円形の発光面16aを有している。
【0019】
発光モジュール40は、ホルダ41により保持されて放熱器33の前面側に取り付けられている。ホルダ41には、発光面16aに対向するとともに前方へ向けて拡開する円形の発光開口42が形成されている。なお、ホルダ41は、発光部16の基板に電気的に接続されるとともに配線ボックス部29との間に配線される給電線を電気的に接続する端子構造が設けられている。
【0020】
発光部16は、透光板24に対向して筐体15内に配置されているとともに、発光面16aの中心に垂直な光軸zが透光板24に対して垂直に交わるように発光面16aが透光板24と平行に配置されている。
【0021】
本実施形態では、4個の発光部16が用いられ、これら4個の発光部16が筐体15内の周辺部に配置されている。なお、発光部16は、4個に限らず、4個よりも多くまたは少なくともよく、また、筐体15内の周辺部に配置される複数の発光部16間の中央にも配置してもよい。
【0022】
次に、反射体ユニット17は、各発光部16の1個ずつに対応してそれぞれ配設される複数の反射体50を備えている。反射体50は、発光部16の光軸zを中心とするとともに前後に開口する円筒状でかつ後端側から前端側に向かって拡開(拡径)するように形成されている。反射体50は、発光部16に対向して配置される第1反射体51、およびこの第1反射体51の前端側(先端側)に配置される第2反射体52を備え、これら第1反射体51と第2反射体52とを組み合わせて一体的に構成されている。
【0023】
さらに、反射体ユニット17は、複数の第1反射体51および複数の第2反射体52とともに、第1反射体51を筐体15に支持する第1支持部54、第2反射体52の前端側(先端側)に当接して第1反射体51との間に挟み込んで保持する前面板55、およびこの前面板55を第1支持部54に支持する第2支持部56を備えている。
【0024】
そして、第1反射体51は、例えば金属製で、前後に開口する円筒状でかつ後端側から前端側に向かって拡開(拡径)するように形成されている。第1反射体51は、例えば金属板を絞り加工することによって形成されている。第1反射体51の後端側には発光部16の発光面16aに対向して光が入射する後端開口58が形成されている。第1反射体51の前端側の内周部には、第2反射体52の後端側を嵌合する嵌合部59が形成されている。第1反射体51の前端側の外周部には、第1支持部54に取り付けられるフランジ部60が設けられている。
【0025】
第1反射体51の内面には、後端側から前端側に向かって拡開する放物面によって構成される第1反射面51aが形成されている。この第1反射面51aは、反射率の高い鏡面に形成されている。なお、第1反射面51aは、例えば、高屈折率膜(TiO2)と低屈折率膜(SiO2)とを積層して形成される増反射膜を用いて、高反射率を得るようにしてもよい。
【0026】
また、第2反射体52は、例えば金属製で、前後に開口する円筒状でかつ後端側から前端側に向かって拡開(拡径)するように形成されている。第2反射体52は、例えば金属板を絞り加工することによって形成されている。第2反射体52の前端側には光を前方に出射する前端開口61が形成されている。
【0027】
第2反射体52の前端側には、外周側に湾曲するように折曲された縁部62が形成されている。縁部62の一部の領域には外径側に突出する突出部が設けられており、この縁部62に前面板55が当接可能としている。
【0028】
第2反射体52の内面には、後端側から前端側に向かって拡開する放物面によって構成される第2反射面52aが形成されている。この第2反射面52aは、例えば、第1反射面51aよりも光拡散性が高い拡散面に形成されている。
【0029】
そして、これら第1反射体51と第2反射体52とを組み合わせた状態では、第1反射体51の第1反射面51aと第2反射体52の第2反射面52aとが連続した面(放物面)に構成される。なお、反射体50は、第1反射体51と第2反射体52とを一体に備えていてもよい。
【0030】
また、第1支持部54は、複数の第1反射体51を支持する支持板64、およびこの支持板64を筐体15に取り付ける複数の第1ロッド65を備えている。
【0031】
支持板64には各第1反射体51を挿通する複数の挿通孔66が設けられ、これら挿通孔66の周縁部に第1反射体51のフランジ部60が取り付けられる。したがって、複数の第1反射体51と支持板64とが一体的に組み立てられる。
【0032】
第1ロッド65は、前端側および後端側に雄ねじ部がそれぞれ突設されており、後端側の雄ねじ部が本体20の反射体取付部28に螺着固定され、前端側の雄ねじ部が支持板64に貫通配置されている。
【0033】
また、前面板55は、平板状に形成されている。前面板55には、各第2反射体52の前端開口61に対向してそれぞれ開口する複数の前面開口68が形成されている。この前面開口68は、発光部16の光軸zを中心として円形で、その内径は第2反射体52の前端側の内周面の内径(前端開口61の内径)よりも大きくかつ第2反射体52の前端側の縁部62の外径の外径よりも小さく設けられている。本実施形態では、前面板55の周辺部に複数であって4個の前面開口68が設けられている。
【0034】
前面板55の前面側には、拡散処理が施されている。拡散処理としては、例えば白色などの塗装処理である。
【0035】
また、第2支持部56は、前面板55を第1支持部54に取り付ける複数の第2ロッド70を備えている。第2ロッド70は、後端部に雌ねじ部が設けられ、前端部に雄ねじ部71が突設されており、後端側の雌ねじ部が支持板64を挿通した第1ロッド65の前端側の雄ねじ部に螺着固定され、前端側の雄ねじ部71が前面板55に貫通配置されている。第2ロッド70を第1ロッド65に螺着固定することにより、支持板64が第1ロッド65に締め付け固定され、また、前面板55を貫通する第2ロッド70の雄ねじ部71に図示しないナットを螺着することにより、前面板55が第2ロッド70に締め付け固定される。
【0036】
そして、前面板55の前面側は透光板24の内面側(後面側)と平行に配置され、前面板55の前面側と透光板24の内面側(後面側)との間には所定の距離L(図4参照)の間隔が設けられている。
【0037】
次に、支持体12は、灯体11を回動可能に支持し、例えば構造物などの被設置部に灯体11を設置するアームである。支持体12は、設置部80、およびこの設置部80の両側から折曲された一対のアーム部81を備えている。設置部80は、造営物などにボルトなどによって固定される。アーム部81は、本体20の両側から突設されている軸部材に回動可能に連結されており、軸部材を中心として本体20を含む灯体11の向きを調整可能に支持する。
【0038】
そして、このように構成された照明装置10では、電源ユニットで外部電源を所定の点灯電力に変換して発光部16に供給することにより、発光部16が発光し、発光部16の発光面16aから出射される光が反射体50内に入り、反射体50によって配光が制御された光が透光板24を透過して所定の照明エリアに照射される。
【0039】
発光部16の発光時に、反射体50の前端側の前端開口61から出る光には、発光部16から反射体50の反射面51a,52aに入射するとともに反射して出る光と、発光部16から反射体50の反射面51a,52aに入射せずに直接出る光とが含まれる。
【0040】
反射体50の反射面51a,52aに入射する光は、光軸zと平行な方向に反射して反射体50の前端側の前端開口61から出射される。
【0041】
反射体50の前端開口61から直接出る光は、反射体50の反射面51a,52aに入射せずに、反射体50の前端開口61を通過して出射される。図4に示すように、発光部16の発光面16aの端部側から光軸zを中心として反対側の前端開口61の端部側付近を通過する直接光aが、光軸zに対して最も広がって前端開口61から出る光となる。
【0042】
また、反射体50の前端開口61から出る光は透光板24に入射し、この透光板24に入射した光の大部分は透光板24を透過して前方へ出射されるが、一部の光は透光板24の内面で反射する。例えば、透光板24に入射した光の6~7%程度は透光板24の内面で反射する。
【0043】
透光板24の内面への入射角が大きい光つまり透光板24の内面に垂直に近い入射角で入射する光よりも、入射角が小さい光つまり透光板24の内面に対して傾斜した入射角で入射する光の方が反射しやすい。
【0044】
透光板24と前面板55との間に所定の距離Lが設けられている場合、透光板24の内面で反射した光の一部が前面板55の前面側に照射される。すなわち、発光部16から反射体50の前端開口61および前面板55の前面開口68を直接通過する光のうちの発光部16の光軸zの方向に対して広がって通過して透光板24で反射した反射光bは、前面板55の前面側に照射される。光軸zを中心として軸対象の反射体50の場合、反射光bは光軸zを中心として円形に広がり、前面板55の前面側で前面開口68の周囲に照射される。前面板55を前面側から見た場合、反射光bが照射された照射範囲cが光っているように見える。照射範囲cは、前面板55と透光板24との間の距離Lが離れるほど大きくなる。
【0045】
例えば、発光部16の発光面16aの直径dを30mm、反射体50の前端開口61(または前面板55の前面開口68)の半径r1を75mm、発光部16の発光面16aと反射体50の前端(または前面板55の前面側)との間の距離hを200mmとした場合、前面板55と透光板24との間の距離Lと、前面板55に照射された反射光b(照射範囲)の半径r2との関係は、図5のグラフのようになる。
【0046】
距離Lが10mmの場合(図4(a)参照)には反射光b(照射範囲)の半径r2は84mm程度、50mmの場合(図4(b)参照)には120mm程度、100mmの場合(図4(c)参照)には165mm程度となる。
【0047】
そして、前面板55の各前面開口68の周囲に照射される反射光bの照射範囲cの少なくとも一部が互いに重なるように、前面板55と透光板24との間に所定の距離Lが設定されている。
【0048】
例えば、隣り合う発光部16の光軸z間の距離wが240mmである場合、距離Lを50mmとすれば、照射範囲cの半径r2は120mm程度となるため、照射範囲cの少なくとも一部が互いに重なり、前面板55の隣り合う前面開口68間に亘って反射光bが照射されて均一に光る。
【0049】
本実施形態のように、4つの発光部16が周方向に配置される場合、対角に配置される発光部16の光軸z間の距離wが最も離れるため、対角に配置される発光部16に対応してそれぞれの照射範囲cの少なくとも一部が互いに重なるように、前面板55と透光板24との間の距離Lを設定することにより、すなわち、前面板55の中心部で各照射範囲cが互いに重なるように、前面板55と透光板24との間の距離Lを設定することにより、前面板55の全域に光が照射され、前面板55の全域が光る。
【0050】
さらに、前面板55の前面側には拡散処理が施されているため、前面板55の前面側が均一に光る。
【0051】
したがって、照明装置10を照明エリア外となる斜め横方向から見た場合でも、前面板55が見える範囲内であれば、前面板55が光って見えるため、照明装置10が点灯していることを確認できる。
【0052】
そのため、照明装置10の設置時やメンテナンス時において、照明装置10の前面側に正対する照明エリア内の方向に作業者が移動しなくても、点灯状態を確認することができ、作業性を向上できる。
【0053】
このように、本実施形態の照明装置10では、発光部16から反射体50の前端開口61および前面板55の前面開口68を直接通過する光のうち、光軸zに対して最も広がって通過する直接光aが透光板24で反射した反射光bが前面板55の前面側で前面開口68の周囲に照射されるとともに、前面板55の前面側でそれぞれの前面開口68の周囲に照射される反射光の照射範囲cの少なくとも一部が互いに重なるように、前面板55と透光板24との間に所定の距離Lが設けられているため、発光部16の発光時、前面板55の広い範囲が光り、照明装置10を前面側に対して広い範囲から見ても点灯状態を確認することができる。
【0054】
さらに、前面板55と透光板24との間の所定の距離Lは、前面板55の前面側でそれぞれの前面開口68の周囲に照射される反射光bの照射範囲cの少なくとも一部が互いに重って前面板55の前面側の全域に反射光bが照射される距離とすることにより、前面板55の全域を光らせ、照明装置10を前面側に対してより広い範囲から見ても点灯状態を確認することができる。
【0055】
また、前面板55の前面側には拡散処理が施されているため、前面板55を均一に光らせることができる。
【0056】
なお、照明装置10の構成は、投光器に限らず、例えば高天井用照明装置などにも適用できる。
【0057】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0058】
10 照明装置
15 筐体
16 発光部
23 開口部
24 透光板
50 反射体
55 前面板
58 後端開口
61 前端開口
68 前面開口
b 反射光
c 照射範囲
L 距離
図1
図2
図3
図4
図5