(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045145
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】動作補助具
(51)【国際特許分類】
E05B 1/00 20060101AFI20220311BHJP
B60N 3/02 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
E05B1/00 311M
B60N3/02 B
E05B1/00 311R
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150663
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】710011914
【氏名又は名称】石橋 達男
(72)【発明者】
【氏名】石橋 達男
【テーマコード(参考)】
3B088
【Fターム(参考)】
3B088EA01
3B088EB03
(57)【要約】
【課題】感染予防のため、日常生活で遭遇する握り玉ドアノブ、ドアレバー、サムターン、つり革、エレベーターの階ボタン等に対する操作を、非接触で行う補助具には、複数の操作対象を持つものがある。しかし複数の操作対象を有する補助具は操作の安定性が不足し、感染予防の観点から使用効果が低くなる。このため一つの補助具で全ての操作を安定して行うことが可能である動作補助具を提供する。
【解決手段】弾性を有する平面視が略馬蹄形の把持部と、前記把持部の両終端部から各々外側方向に延設した支持部とを備えるとともに、前記把持部の内側面に複数の押え部と、前記把持部の内縁から内側方向に延設した突き当て部とを形成するようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性を有する平面視が略馬蹄形の把持部と、前記把持部の両終端部から各々外側方向に延設した支持部とを備えるとともに、前記把持部の内側面に複数の押え部と、前記把持部の内縁から内側方向に延設した突き当て部とを形成することを特徴とする動作補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、把持、押圧、引っ張り等の手指を使用する日常生活の動作を、直接対象物に触れずに非接触で行うための動作補助具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス(COVIT19)の世界的流行を受け人々の日常生活は様々な制限を受けるようになっている。感染症予防の観点より手指からの感染は手洗い、消毒・殺菌が有効な防御手段となっているが、日常の生活行動から物に触れる動作は不可避であり、物に触れる度に手洗い、消毒を行うことは現実的ではない。そこで電車・バスの吊革、ドアノブ・レバー、サムターンそしてエレベーターの昇降ボタン等を操作する日常生活の各場面で、物の表面に付着しているウイルスに感染することを防止するため、直接手に触れることなく行動できるような補助具が利用または考案されている。
【0003】
断面C字の筒状体からなる吊革把持補助具が開示されている(特許文献1)。これは、断面C字の筒状体を掌に当てつり革を把持し、また筒の先端で機器のボタンを押下することにより表面に付着しているウイルスの感染を回避するものである。
【0004】
また、感染予防のため、可撓性を備える一対の把持部と連結部からなる吊革用補助具が開示されている(特許文献2)。これは、連結部をつり革に掛け把持部を掴むもので、直接つり革を持つことなく感染を防止するものである。
【0005】
また、レバー式のドアノブやサムターン、エレベーターの階ボタンなどを直接触れずに操作することが可能な略鉤形状のドアノブ補助具が開示されている(特許文献3)。これは、鉤状の補助具先端の突起をドアレバーやサムターンに引っ掛けて操作する。また先端部でエレベーターの階ボタンを押下することで接触感染を予防するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2018-131034号公報
【特許文献2】実用新案登録第3226642号公報
【特許文献3】実用新案登録第3227112号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし上記の従来技術による場合、断面C字の筒状体ではつり革への補助具の装着時や把持する時に手指が接触する可能性がある。即ち補助具の使用時に安定して接触を防止できない可能性がある。また連結部をつり革に掛け把持部を掴むものは安定してつり革を把持できる点は優れているがドアノブやサムターン、エレベーターの階ボタンを操作することはできない。また略鉤形状のドアノブ補助具はレバー式のドアノブやサムターン、エレベーターの階ボタンを非接触で操作できる点は優れている。しかし鉤状補助具では指用リング体に指を挿入して使用するため力を加えて操作することが難しい他、つり革や握り玉ノブには使用できない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は上記課題を克服するためになされたもので、本発明の動作補助具は、弾性を有する平面視が略馬蹄形の把持部と、前記把持部の両終端部から各々外側方向に延設した支持部とを備えるとともに、前記把持部の内側面に複数の押え部と、前記把持部の内縁から内側方向に延設した突き当て部とを形成するようにする。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、日常生活に必要な、握り玉ドアノブ、レバー式ノブ、サムターン、電車・バスのつり革、エレベーターの階ボタン等に対する把持動作や押圧動作を、非接触で安定して行うことを可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の動作補助具の一例を示す平面斜視図。
【
図3】本発明の動作補助具の一例を示す底面斜視図。
【
図4】本発明の動作補助具の一例で、支持部を把持する方法例を示す概要図。
【
図5】本発明の動作補助具の一例で、握り玉ドアノブを操作する様子を示す概要図。
【
図6】本発明の動作補助具の一例で、ドアレバーを操作する様子を示す概要図。
【
図7】本発明の動作補助具の一例で、サムターンを操作する様子を示す概要図。
【
図8】本発明の動作補助具の一例で、つり革を操作する様子を示す概要図。
【
図9】本発明の動作補助具の一例で、エレベーターの階ボタンを操作する様子を示す概要図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の動作補助具は、弾性を有する平面視が略馬蹄形の把持部と、前記把持部の両終端部から各々外側方向に延設した支持部とを備えるとともに、前記把持部の内側面に複数の押え部と、前記把持部の内縁から内側方向に延設した突き当て部とを形成するようにして、日常生活に必要な、握り玉ノブ、レバー式ノブ、サムターン、つり革、エレベーターの階ボタン等に対する動作を安定して非接触で行うことを可能にするものである。以下、図面を参照し実施例を用いて説明する。なお、この実施例によって本発明が限定されるものではない。
【実施例0012】
図1~
図3はそれぞれ本発明の動作補助具の一実施例を示す平面図、平面斜視図、底面斜視図である。1は把持部、2は支持部、3は押え部、4は突き当て部である。
【0013】
把持部1は、弾性を有し、平面視が略馬蹄形である。略馬蹄形は握り玉ドアノブ、ドアレバー、サムターン、つり革、エレベーターの階ボタン等を非接触で操作するための重要な要素である。把持部1の略馬蹄形の内側面は握り玉ドアノブの外周を掴むことができる程度の内径を有するように設計する。例えば、一般的な握り玉ドアノブの外径は50mm前後であるため、略馬蹄形の内径は握り玉を収容できる程度にする。またサムターン、エレベーターの階ボタン等の操作対象物に応じて、略馬蹄形の外側面は掌に収まる補助具の握り手としても機能するものである。また、把持部1は弾性を有する略馬蹄形であるため、サムターンの掴み、離しがスムーズになり、握り玉ドアノブの外径の違いに対応することが可能になる。把持部1の材料としては、使用時の応力に耐える程度の強度を保持するものであれば良く、例えばABS系、ポリカーボネイト系、ポリアミド系、ポリウレタン系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリ乳酸系等の樹脂、ステンレス、アルミ合金等の金属、硬質ゴム等が使用可能である。
【0014】
支持部2は把持部1の両終端部から各々外側方向に延設したものである。
図4に例示すように、支持部2は手指に引っ掛け安定して補助具を把持する機能を有する。また支持部2は指先を押し当てて把持部1を安定して把持することを可能にする(
図7)。さらに、ボタンを押下する機能も保持している(
図9)。支持部2の材料としては、把持部1と同様で使用時の応力に耐える程度の強度を保持するものであれば良い。把持部1と支持部2とは別部品として結合してもよく、また一体化してもよい。
【0015】
押え部3は把持部1の内側面に複数設けたもので、握り玉ドアノブの外周面を押圧するものである。
図5に示すように把持部1を握り玉に嵌め込み、略馬蹄形の両終端を締め付けてノブを回転する。押え部3は締め付けによる押圧の機能を強化するためのものである。押え部3の形状は限定されないが、ドアノブを掴み回転させる際の締め付けを強化し、また回転時の滑りを防止できるものであれば良い。押え部3の材料としては、把持部1、支持部2と同様で使用時の応力に耐える程度の強度を保持するものであれば良い。
【0016】
突き当て部4は略馬蹄形の把持部1の内縁から内側方向に延設したものである。突き当て部4は握り玉ドアノブに補助具を嵌め込む際、安定してドアノブ頭部を掴むために設けるものである(
図5)。突き当て部4が無い場合、補助具が握り玉ノブの根本方向にズレ、把持が安定しなくなる。突き当て部4の形状は特に限定されない。把持部1の内縁から内側方向に突出したもので、使用時に握り玉頭部が補助具から突出ることを防止するものであれば良い。また突き当て部4は本発明による補助具の外形デザインを構成する要素となっている。突き当て部4の材料としては、把持部1、支持部2と同様で使用時の応力に耐える程度の強度を保持するものであれば良い。突き当て部4は把持部1、支持部2とは別部品として結合してもよく、また一体化してもよい。
【0017】
図5~
図9は本発明による動作補助具の使用例を示している。
図5は、握り玉ドアノブを操作する様子を示す概要図である。人差し指と中指で支持部2を挟み、親指で把持部1を締め付けて握り玉を把持し、ノブを回すことにより、安定して非接触でドアノブを操作することができる。突き当て部4が握り玉の把持を安定にし、押え部3が握り玉の把持を強化する。
【0018】
図6は、ドアレバーを操作する様子を示す概要図である。人差し指を把持部1の開口端に挿入し、親指と中指で把持部1の両側を挟む。ドアレバーを把持部1の内壁に引っ掛け、支持部2を支えにして引っ張ることにより安定して非接触でドアレバーを操作することができる。
【0019】
図7は、ドアのサムターンを操作する様子を示す概要図である。親指と人差し指で把持部1の両終端を掴み、さらに掌全体で把持部1を掴み補助具を把持する。サムターンを把持部1の両終端で掴む際、指を支持部2に突き当てることで安定して非接触でサムターンを操作することができる。
【0020】
図8は、つり革を操作する様子を示す概要図である。先ず、本発明による補助具をつり革に通し、
図4に示すように人差し指、中指、薬指で把持部1の両終端を掴む。支持部2を支えに補助具を把持することで安定して非接触でつり革を操作することができる。
【0021】
図9は、エレベーターの階ボタンを操作する様子を示す概要図である。把持部1を掴み、支持部2の一方を指先としてエレベーターの階ボタン等を押下することで、安定して非接触で階ボタン等を操作することができる。
物の表面に付着しているウイルス等が手指に付着すること防止するため、ドアノブ、ドアレバー、サムターン、電車・バスのつり革、エレベーターの階ボタン等を非接触で操作できる補助具に適用できる。