(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022045164
(43)【公開日】2022-03-18
(54)【発明の名称】スノープラウ装着式ブロア取付アタッチメント、それを用いた路面清掃装置、及び路面清掃車両
(51)【国際特許分類】
E01H 1/08 20060101AFI20220311BHJP
E01H 6/00 20060101ALI20220311BHJP
【FI】
E01H1/08 B
E01H6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020150698
(22)【出願日】2020-09-08
(71)【出願人】
【識別番号】508099911
【氏名又は名称】西日本高速道路メンテナンス関西株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】593093858
【氏名又は名称】西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000235163
【氏名又は名称】範多機械株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100136847
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼山 嘉成
(72)【発明者】
【氏名】中森 康裕
(72)【発明者】
【氏名】兼久 博世
(72)【発明者】
【氏名】井口 利貞
(72)【発明者】
【氏名】畠中 徹
【テーマコード(参考)】
2D026
【Fターム(参考)】
2D026AC01
(57)【要約】
【課題】効率的に路面を清掃することが可能な路面清掃装置及び路面清掃車両を提供する。
【解決手段】プラウ10a,10b,10cに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメント1であって、当該取付アタッチメント1は、プラウ10a,10b,10cの下部の締結手段13から立ち上がるように取り付けられた取付支持部60と、プラウ10a,10b,10cの上部の締結手段15に上部が取り付けられ、かつ、取付支持部60に下部が取り付けられる取り付け枠40と、取り付け枠40に取り付けられており、ブロア30を着脱可能に取り付けることができるブロア取付金具50とを備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメント。
【請求項2】
前記取付アタッチメントは、
前記プラウの下部の締結手段から立ち上がるように取り付けられた取付支持部と、
前記プラウの上部の締結手段に上部が取り付けられ、かつ、前記取付支持部に下部が取り付けられる取り付け枠と、
前記取り付け枠に取り付けられており、前記ブロアを着脱可能に取り付けることができるブロア取付金具とを備えることを特徴とする、請求項1に記載の取付アタッチメント。
【請求項3】
前記ブロア取付金具は、前記取り付け枠における前記プラウ側に取り付けられており、前記ブロアの送風口が前記取り付け枠の外側に出るように、前記ブロアが前記ブロア取付金具に取り付けられることを特徴とする、請求項2に記載の取付アタッチメント。
【請求項4】
前記ブロア取付金具には、プラウに当接可能な防振ゴムが取り付けられていることを特徴とする、請求項3に記載の取付アタッチメント。
【請求項5】
プラウと、
前記プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントと、
前記取付アタッチメントに取り付けられたブロアとを備える、路面清掃装置。
【請求項6】
前記取付アタッチメントは、
前記プラウの下部の締結手段から立ち上がるように取り付けられた取付支持部と、
前記プラウの上部の締結手段に上部が取り付けられ、かつ、前記取付支持部に下部が取り付けられる取り付け枠と、
前記取り付け枠に取り付けられており、前記ブロアを着脱可能に取り付けることができるブロア取付金具とを備えることを特徴とする、請求項5に記載の路面清掃装置。
【請求項7】
車両と、
前記車両の先端に設けられたプラウと、
前記プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントと、
前記取付アタッチメントに取り付けられたブロアとを備える、路面清掃車両。
【請求項8】
前記取付アタッチメントは、
前記プラウの下部の締結手段から立ち上がるように取り付けられた取付支持部と、
前記プラウの上部の締結手段に上部が取り付けられ、かつ、前記取付支持部に下部が取り付けられる取り付け枠と、
前記取り付け枠に取り付けられており、前記ブロアを着脱可能に取り付けることができるブロア取付金具とを備えることを特徴とする、請求項7に記載の路面清掃車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、道路等の路面を清掃するための装置に関する
【背景技術】
【0002】
台風が通過した直後の道路の路面には、小枝や落ち葉、種々のゴミ等が散乱しているため、これを迅速に排除して道路の安全な通行を確保する必要がある。そのために、従来、道路を通行止めにして、人力による清掃を行ったり、特許文献1に記載のような散水による清掃を行ったりしていた。
【0003】
特許文献1に記載の路面清掃車両1(符号は、特許文献1に記載の符号)は、前部の運転席部2と、その後側に設けられた荷台3と、荷台3の後部に設置された水タンク4と、水タンク4の前側に設けられた水の吸水口5および吐出口6と、運転席部2の前側に一体に取り付けられた除雪用のプラウ7と、プラウ7から吐出口6に伸びる給水ホース8と、水を水タンク4から給水ホース8へ供給するための給水ポンプ10とを備えている。給水ホース8の先端部には、T字状の分岐管20が接続され、分岐管20の両端部にはそれぞれ切り替え弁30A・30Bを介して給水分岐ホース14A・14Bの基部14bが接続されている。また、プラウ7の両端部には水を噴射するための噴射ノズル13A・13Bが設けられ、噴射ノズル13A・13Bの基部13aには給水分岐ホース14A・14Bの先端部14aが接続されている。特許文献1に記載の路面清掃車両では、プラウの両端に取り付けられた水噴射ノズルからプラウの前方に広範囲に水が噴射されることによって、路面上に散乱したゴミ類を広範囲に浮き上がらせると共に傾斜状態のプラウによって浮き上がったゴミ類が道路脇に寄せ集められることとなるため、水噴射ノズルとプラウとの協働によって路面上に散乱したゴミ類を効率的且つ確実に除去することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5152848号公報
【特許文献2】実公平2-23620号公報
【特許文献3】特公平3-35446号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
人力による清掃の場合は、大量の人員が必要であり、清掃時間も多く必要となる。
【0006】
特許文献1に記載の散水による路面清掃車の場合、貯水タンク内に水を入れておく必要があるが、より早く路面を清掃しようとすれば、散水量も増えてしまい、貯水タンクの水をすぐに使い果たしてしまう可能性がある。たとえば、路面清掃車の散水量が毎分1000リットルの場合、貯水タンクの容量が4000リットルから8000リットルだとすると、貯水タンクの水を4分から8分の短時間で使い切ってしまうこととなる。
【0007】
そのため、散水による路面清掃車の場合には、頻繁に給水が必要となり、給水のための待ち時間や、給水所までの移動時間などのロス時間が多くなってしまう。もちろん、散水量を調整したり、貯水タンクの容量を増やしたり、給水車を別途併走させたりするなどの方法で、ある程度の時間ロスを解消することは可能であるが、限界がある。したがって、散水による路面清掃車の場合は、どうしても、ロス時間が発生してしまい、効率よく路面を清掃できないという問題があった。
【0008】
なお、特許文献2及び3には、プラウにブロアを取付けた装置が示されているが、除雪のためのブロアであり、そのまま、路面の清掃に用いることはできない。
【0009】
それゆえ、本発明は、効率的に路面を清掃することが可能な路面清掃装置及び路面清掃車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明は、以下のような特徴を有する。本発明は、プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントである。
【0011】
また、本発明は、プラウと、プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントと、取付アタッチメントに取り付けられたブロアとを備える、路面清掃装置である。
【0012】
また、本発明は、車両と、車両の先端に設けられたプラウと、プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能に取り付けられ、かつ、ブロアを着脱可能に取り付けることができるスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントと、取付アタッチメントに取り付けられたブロアとを備える、路面清掃車両である。
【0013】
好ましくは、上記取付アタッチメントは、プラウの下部の締結手段から立ち上がるように取り付けられた取付支持部と、プラウの上部の締結手段に上部が取り付けられ、かつ、取付支持部に下部が取り付けられる取り付け枠と、取り付け枠に取り付けられており、ブロアを着脱可能に取り付けることができるブロア取付金具とを備えるとよい。
【0014】
好ましくは、ブロア取付金具は、取り付け枠におけるプラウ側に取り付けられており、ブロアの送風口が取り付け枠の外側に出るように、ブロアがブロア取付金具に取り付けられるとよい。
【0015】
好ましくは、ブロア取付金具には、プラウに当接可能な防振ゴムが取り付けられているとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、プラウにブロアを取り付けて、小枝や落ち葉、種々のゴミ等を吹き飛ばすことで、路面を清掃することが可能となる。ブロアは、エンジン式であれ、充電式であれ、電気式であれ、燃料や充電が持つ限りは、動かし続けることが可能である。したがって、散水による路面清掃と比較して、長時間、路面清掃をし続けることが可能となるので、散水車のように、給水による時間ロスを無くすことができ、結果、効率的に路面を清掃することが可能となる。また、プラウを左右または上下させることで、ブロアからの風の向きを調整することもできるので、効率的な路面清掃を実現できる。
【0017】
本発明を実現するために、スノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントを用いることとなるが、当該取付アタッチメントは、プラウの締結手段をそのまま利用して、プラウに取り付けられる。したがって、氷雪時期以外に使用されないプラウを備えた車両を活用して、小枝や落ち葉、種々のゴミ等の路面清掃が可能となり、車両の有効活用が可能となる。そして、ブロアを着脱可能とできるので、ブロア及び取付アタッチメントを取り外せば、氷雪時期には、当該車両は、除雪車として、活用することが可能となる。
【0018】
取付アタッチメントの構造は種々考えられるが、たとえば、取付支持部と、取り付け枠と、ブロア取付金具とを用いるようにすれば、簡易、安価、かつ、強固な支持形態によって、ブロアをプラウに取り付けることが可能となり、安全に、路面清掃を行うことが可能となる。
【0019】
また、ブロア取付金具を、取り付け枠におけるプラウ側に取り付け、ブロアの送風口が取り付け枠の外側に出るように、ブロアがブロア取付金具に取り付けられるようにすることで、ブロアをプラウの内部に収めるような形態を実現できる。これにより、三連式のプラウの場合に、左右のプラウを折りたたんだとした場合、高速道路などの料金所ゲートを通過できるような車幅にすることとができるので、実用面で、非常に有益となる。
【0020】
防振ゴムをプラウに当接可能とする構造を用いれば、路面清掃時に、ブロアを振動から保護することが可能となる。
【0021】
本発明のこれら、及び他の目的、特徴、局面、効果は、添付図面と照合して、以下の詳細な説明から一層明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメント1(以下、「取付アタッチメント1」という。)を取付けるためのスノープラウ(以下、「プラウ」という。)10a,10b,10cを有する走行車両20の一部を示す平面図である。
【
図2】
図2は、取付アタッチメント1を取付けるためのプラウ10a,10b,10cを有する走行車両20の一部を示す左側面図である。
図2において、視認できない側のプラウ10bについては、括弧書きで示してある。
【
図3】
図3は、複数の取付アタッチメント1及びショートタイプの取付アタッチメント1aに、それぞれ、ブロア30を取付けて、プラウ10b,10cを広げたときの様子を示す正面図である。なお、
図3において、同様の外観を有する部分には、参照符号の付加を省略している。なお、
図3において、折りたたまれたときのプラウ10b,10cが破線で図示されている。
【
図4】
図4は、取付アタッチメント1及びブロア30をプラウ10a,10b,10cに取付けたときの様子を示す左側面図である。
【
図5】
図5は、取付アタッチメント1及びブロア30をプラウ10a,10b,10cに取付けたときの様子を示す右側面図である。
【
図6】
図6は、取付アタッチメント1及びブロア30をプラウ10a,10b,10cに取付けたときの様子を示す正面図である。
【
図7】
図7は、取付アタッチメント1を構成する取り付け枠40を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。
【
図8】
図8は、取付アタッチメント1を構成するブロア取付金具50を示す図であり、(a)は正面図、(b)は左側面図、(c)は平面図である。
【
図9】
図9は、一実施例を示す図面代用写真である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
まず、プラウを備える車両について説明する。本発明で用いる車両は、除雪用のプラウを前方に備えている。用いるプラウは、
図1及び
図2で示したように、三連式で左右のプラウが開くタイプのものであってもよいし、中央に1つのプラウが設けられているタイプのものであってもよい。また、ここで、説明するプラウの構造は一例に過ぎず、使用するプラウの構造に合わせて、適宜、取付アタッチメント1の具体的構造は設計されればよい。
【0024】
図1に示すように、一例として、本発明の実施形態に使用する車両は、走行車両20の前方に、折りたたみ式の3つのプラウ10a,10b,10cを備えている。以下、各プラウを分けて表現する場合は、中央プラウ10a、右プラウ10b、左プラウ10cと表現することにする。右プラウ10bは、油圧シリンダ11aによって、中央プラウ10a側に開くことが可能となっている。左プラウ10cは、油圧シリンダ11bによって、中央プラウ10a側に開くことが可能となっている。プラウ10a,10b,10cは、油圧シリンダ11c,11dによって、全体が右又は左に傾けることができるようになっている。また、油圧シリンダ11e,11fによって、中央プラウ10aの上下方向の傾斜角度を調節することが可能となっているので、結果、左右のプラウ10b,10cの上下方向の傾斜角度も調節可能となっている。
【0025】
図2に示すように、プラウ10a,10b,10cは、側面視で、内側に湾曲した構造となっている。各プラウの下部には、雪掻き板12が、横に連なる複数の締結手段13(
図2では、一部にのみ引出線を引いているが、同様の図示部分は、同じ締結手段13である)によって、各プラウに固定されている。各プラウの上部には、雪の上方への拡散を抑えるためのゴム板14が横に連なる複数の締結手段15(
図2では、一部にのみ引出線を引いているが、同様の図示部分は、同じ締結手段15である)によって、各プラウに固定されている。本発明の一実施形態における取付アタッチメント1は、複数の締結手段13と複数の締結手段15とを活用して、各プラウ10a,10b,10cに取り付けられるものである。繰り返しになるが、一連式のプラウの場合でも、そのプラウに、取付アタッチメント1が取り付けられ、本発明は、三連式のプラウに限定されるものではない。
【0026】
図3に示すように、中央プラウ10aに、左右に2つの取付アタッチメント1と、中央に1つのショートタイプの取付アタッチメント1aとが、取り付けられる。左右のプラウ10b,10cには、それぞれ、左右に、2つの取付アタッチメント1が取り付けられる。
【0027】
なお、ショートタイプの取付アタッチメント1aは、単に、中央プラウ10aに3つの取付アタッチメントを取り付けるために、取付アタッチメント1と比べて、横幅を短くし、ブロア30が収まるように枠に切り欠き部分を設けているが、基本的構造は、取付アタッチメント1と同様である。以下、特に、言及しない限り、取付アタッチメント1が有する構造を取付アタッチメント1aも有するものとして、取付アタッチメント1の構造について説明することとする。
【0028】
図3に示すように、概略的には、各取付アタッチメント1(「取付アタッチメント1a」を含む。以下同様。)は、締結手段13を利用して各プラウの下部に取り付けられた取付支持部60と、上部が締結手段15を各プラウに取り付けられ、下部が取付支持部60の一端に取り付けられた取り付け枠40と、取り付け枠40に取り付けられたブロアを固定するためのブロア取付金具50とからなる。
【0029】
なお、ブロア30としては、ここでは、エンジン式のブロアを用いる例を示しているが、充電式又は電動式のブロアを用いてもよいことは言うまでもない。電動式のブロアを用いる場合は、発電機を走行車両20に積んでおいて、発電機から電力を供給するなどすればよい。
【0030】
以上のように、本発明の一実施形態においては、概略的には、各プラウに設けられた締結手段を利用して、取付アタッチメント1を取り付けて、各取付アタッチメント1にブロア30を取り付けることとしている。当然、少なくとも1つのブロアが取り付けられれば、小枝や落ち葉、種々のゴミ等を路面から除去することが可能なのであるから、発明としては、少なくとも1つの取付アタッチメント1とブロアがプラウに取り付けられていればよいこととなる。そして、ブロアの数を増やせば、その分、ゴミ等の路面からの除去が効率的になるのである。
【0031】
エンジン式であれ、充電式であれ、電気式であれ、そのようなブロアは、燃料や電池が持つ限りは、駆動し続けることが可能であり、一般的には長時間の駆動を可能としている。散水によって路面を清掃する場合、給水のためのロス時間が発生するが、ブロアによる路面清掃の場合は、そのようなロス時間はほとんど発生しない。
【0032】
プラウに、少なくとも1つのブロアを取り付けて、好ましくは、複数のブロアを取付アタッチメント1を介して取り付けて、ブロア30を駆動させながら、走行車両20で路面を走行しつつ、プラウを左右または上下の適切な位置に適宜動かすことで、効果的に、小枝や落ち葉、種々ゴミ等を、路面から除去して、道路の路肩などの端に寄せることが可能となる。三連式のプラウを用いる場合は、ブロア30を6台(中央プラウ10aのショートタイプの取付アタッチメント1aのブロア30を除外)又は7台(
図3に示したような装着状態)取り付けることで、相当量の風量をプラウから路面表面に与えることができるので、効率的な路面の清掃が可能となる。
【0033】
以上のような概略構成を理解した上で、以下、取付アタッチメント1の具体的な構造について、
図4ないし
図8を参照しながら説明する。
【0034】
図4ないし
図6に示すように、取付アタッチメント1は、取り付け枠40と、ブロア取付金具50と、取付支持部60と、防振ゴム70とを備える。
【0035】
取付支持部60は、図示されたように、上端と下端が屈曲した金具である。取付支持部60の下端は、各プラウの下部の締結手段13を介して、当該下部に取り付けられる。取付支持部60の上端は、締結手段41を介して、取り付け枠40の下端に取り付けられる。ここでは、取付支持部60は、左右2個を一組として、取り付け枠40の下部を支持している。ただし、プラウに元々存在する孔を利用して、取付支持部60を取り付けているのであるから、プラウに応じて、取付支持部60の取付位置は変更となる。そのため、取り付け枠40側の取付支持部60を取り付けるための孔は、長孔となっており、取付位置を調整できるようにしてある。
【0036】
取り付け枠40の上部は、プラウに予め設けられていた孔を利用して、締結手段15を介して取り付けられる。プラウに応じて、締結手段15の位置は変更となるので、取り付け枠40における締結手段15を取り付けるための孔も、長孔となっている。
【0037】
図6及び
図7に示すように、取り付け枠40は、左枠43と、右枠44と、下枠45と、上枠46と、ブロア取付金具用台47とからなる。左枠43、右枠44、下枠45、及び上枠46は、それぞれ、断面L字状に曲げ加工された金具であり、溶接して固定されている。ブロア取付金具用台47は、コの字状の金具であり、下枠45に溶接して固定されている。下枠45とブロア取付金具用台47には、ブロア取付金具50を締結手段42で取り付けるための孔42aが形成されている。ブロア取付金具用台47に、ブロア取付金具50が締結手段42で取り付けられる。
【0038】
図8に示すように、ブロア取付金具50は、断面がL字状に曲げられた板部材51と、左右の支持板52,53と、左右両端が直角に曲がった台金具54とからなる。台金具54が板部材51の前縁に溶接して固定されている。左右の支持板52,53が、板部材51の左右縁に溶接して固定されている。板部材51の上部には、防振ゴム用の孔55,55が形成されている。孔55,55に防振ゴム70が取り付けられる。防振ゴム70は、たとえば、ねじ棒にゴムの固まりが取り付けられた部材で、ねじ棒にナットで、孔55,55に取り付けられる。防振ゴム70は、振動時に、プラウ側に当接して、ブロア30を振動から保護する役目を果たす。
【0039】
台金具54及び板部材51には、ブロア30を固定するための孔が適宜形成されている。これらの孔は、使用するブロア30を着脱可能に装着するためのものであり、ブロア30に応じて、適宜、必要な箇所に形成されていればよい。
【0040】
ブロア30は、適宜、ブロア取付金具50に形成された孔を利用して、ブロア取付金具50に固定されるのである。
【0041】
ブロア取付金具50は、取り付け枠40におけるプラウ側に取り付けられている。ブロア30の送風口31が取り付け枠40の外側に出るように、ブロア30がブロア取付金具に取り付けられている。
【0042】
以上のような具体的構造によって、取付アタッチメント1が、プラウに取り付けられ、ブロア30が、取付アタッチメント1に取り付けられることで、プラウに一以上のブロアを取り付けた路面清掃装置及び路面清掃車両が提供されることとなる。
【0043】
上記に説明した取付アタッチメント1の具体的構造はあくまでも本発明の一例に過ぎない。プラウに設けられた締結手段を利用して、プラウに取り付けられる構造を有するものであれば、取付アタッチメントがいかなる構造を有していてもよい。たとえば、上記実施形態では、取付支持部60をプラウの下部から立ち上げるようにして、取り付け枠40の下部と連結するようにしたが、取り付け枠40自体に、直接、プラウの下部の締結手段と連結可能な構造を設けておけば、取付支持部60は、不要となる。また、取り付け枠40自体に、直接、ブロア30を固定するための構造を設けておけば、ブロア取付金具50は、不要となる。
【0044】
なお、氷雪時には、ブロア及び取付アタッチメントは取り外される必要があるので、ブロア及び取付アタッチメントは、着脱可能なものでなければならない。
【0045】
以上より、本発明は、プラウに設けられている締結手段を利用して着脱可能な取付アタッチメントであり、ブロアを着脱可能としていることを特徴とするスノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントである。また、本発明は、当該スノープラウ装着式ブロア取付アタッチメントを取り付けた路面清掃装置である。また、本発明は、当該路面清掃装置を取り付けた路面清掃車両である。そして、取付アタッチメントの具体的な実施形態は、上記に説明したような構造となるのである。
【実施例0046】
図9に、実施例の写真を示す。
図9に示すように、取付アタッチメント1をプラウに取り付けて、取付アタッチメント1にブロア30を取り付けることで、除雪用の車両を、小枝や落ち葉、種々ゴミ等をブロアで吹き飛ばす装置として、氷雪時期以外に使用することが可能となる。
【0047】
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本明細書に開示されている発明の構成要件は、それぞれ独立に単独した発明として成立するものとする。各構成要件をあらゆる組み合わせ方法で組み合わせた発明も、本発明に含まれることとする。